JP4386701B2 - 画像形成方法とそれを実施するための現像装置 - Google Patents
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また請求項2の構成によれば、スタート現像剤を収容した装置本体に、トナー容器から補充用のトナーを、そして現像剤容器から追加の2成分現像剤を、それぞれ別個に、任意の時点で供給することができるため、この発明の画像形成方法を効率よく実施することができる。
《画像形成方法》
この発明の画像形成方法は、前記のようにキャリヤとトナーとを含む2成分現像剤を用いて画像形成する方法であって、画像形成に最初に使用するスタート現像剤中のキャリヤよりも嵩密度が0.05g/cm3以上、0.2g/cm 3 以下の範囲で小さいキャリヤと、トナーとを含む追加の2成分現像剤を随時、追加することを特徴とするものである。
〈キャリヤ〉
2成分現像剤に用いるキャリヤとしては、従来公知の種々の構成を有するものを用いることができる。すなわちキャリヤとしては、たとえばガラスビーズや、酸化または未酸化の鉄粉、フェライト、Co系、Mn−Mg系、Cu−Zn系、Li系などの磁性体粒子、あるいはその表面を合成樹脂(アクリル系、フッ素系、シリコーン系、ポリエステル系などの樹脂)で被覆したもの等を挙げることができる。キャリヤは、体積基準の中心粒径が35〜100μm、特に40〜65μmであるのが好ましい。
〈トナー〉
トナーとしては、2成分現像剤用として従来公知の種々の構成を有するトナー粒子を含むものを用いることができる。具体的には、従来同様に定着用樹脂中に、着色剤その他の添加剤を分散させた構造を有するトナー粒子に、必要に応じてシリカ等の外添剤を外添したトナーが好ましい。
定着用樹脂としては、たとえばスチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、塩素化ポリスチレン、ホリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、キシレン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジンエステルなどを挙げることができ、とくにスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹脂が好ましい。このうちスチレン系重合体、スチレン−アクリル系重合体としては、スチレンの単独重合体や、当該スチレンと他の単量体との共重合体を挙げることができる。
着色剤としては、トナー粒子の色に合わせた各色の着色剤を用いることができる。その好適な例は下記の通りである。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック。
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネープルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
べンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
着色剤の添加量は、定着用樹脂100重量部に対して1〜20重量部であるのが好ましく、2〜8重量部であるのがさらに好ましい。
着色剤以外の他の添加剤の代表例としては、電荷制御剤、オフセット防止剤を挙げることができる。
電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電特性を制御するためのもので、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用および/または負電荷制御用の電荷制御剤を用いる。このうち正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理された充填剤等を挙げることができる。
(外添剤)
トナー粒子に外添する外添剤としては、前記のように脂肪酸金属塩が主に用いられる他、例えばトナーの流動性を向上したり、保存安定性を維持したりするための、超微粒子状のシリカ(コロイダルシリカ、疎水性シリカ等)や酸化チタンなどを用いることもできる。また、例えばアモルファスシリコン感光体の表面を研磨したりするための研磨剤粒子としての、個数平均径が0.1〜2μm程度の酸化チタンやアルミナなどを外添してもよい。
脂肪酸金属塩としては、例えばステアリン酸等の、炭素数が15以上の高級脂肪酸の金属塩(例えば亜鉛塩、カルシウム塩など)が好ましく、ステアリン酸亜鉛が最も好ましい。
また脂肪酸金属塩は、個数基準の平均粒径が0.1〜10.0μmの粒状であるのが好ましい。平均粒径が0.1μm未満であるか、または10μmを超える場合は、このいずれにおいても、当該脂肪酸金属塩の、滑剤としての機能が不十分になるおそれがある。
《現像装置》
上記この発明の画像形成方法を実施するために、画像形成装置の現像手段として用いるこの発明の現像装置の一例を図1に示す。
そしてこの状態で、磁気ロール1を像担持体EPの回転に合わせて回転させるとともに、かく拌搬送スパイラル5、6を回転させて、装置本体2内の2成分現像剤D1を磁気ロール1の方向に搬送しながら画像形成を開始すると、2成分現像剤D1中のトナーが画像形成に消費されてトナー濃度が徐々に低下するので、それを透磁率センサ7で検知して、トナー濃度が所定値まで低下した時点で画像形成を一旦停止させるとともに、図示しない補給手段を動作させて、トナー容器3内の補充用のトナーTを所定量、装置本体2内に供給した後、画像形成を再開する。
《像担持体》
上記この発明の画像形成方法に用いる像担持体EPとしては、表面硬度が高く長寿命であるアモルファスシリコン感光体が好ましい。またアモルファスシリコン感光体としては、例えばドラム状などの所定の形状に形成した導電性基体の表面にアモルファスシリコン系の感光層を備えた、従来公知の種々の構造を有する感光体を用いることができる。
とくにa−SiCを用いるのが好ましく、その場合はSi1−xCxのxの値を0<x≦0.5、好ましくは0.05≦x≦0.45に設定するのがよい。この範囲であればa−SiC層を、良好なキャリアの輸送を維持しつつa−Si層よりも高抵抗にして、感光体の光感度特性を向上することができる。
さらにアモルファスシリコン系の感光層を、光キャリア発生の機能を高めた層領域(光励起層領域)と、キャリア輸送の機能を持たせた層領域(キャリア輸送層領域)とを積層したものとすると、感光体の光感度と耐電圧特性とをともに高めることができる。
またキャリア輸送層領域は、主に感光層の耐圧を高めるとともに、光励起層領域から注入されたキャリアを導電性基体にスムースに輸送する役割を持つが、この層領域においても、光励起層領域を透過してきた光によりキャリア生成が行われるため、感光体の光感度の向上に寄与する。
また感光層を、上記のように光励起層領域とキャリア輸送層領域とを積層したものとする場合には、光励起層領域の厚みを、上記光吸収の深さにほぼ等しく設定するのが好ましい。
キャリア阻止層は、現像時に感光体の表面がバイアス電圧を印加されつつトナーと接触した際に、導電性基体から感光層へのキャリアの注入を阻止することにより、露光部と非露光部との静電コントラストを高めて画像の濃度を向上させるとともに、地肌カブリを低減する機能を有する。
かかる特性を考慮すると、キャリア阻止層もa−SiCにて形成するのが好ましい。
キャリア阻止層を形成するa−SiCを絶縁性とするためには、キャリア阻止層に含まれるCの量を、感光層の場合に比べて多くすればよい。
また感光層の表面は、有機もしくは無機の絶縁材料からなる表面保護層によって被覆して保護するのが好ましい。これにより、帯電手段などによる放電時に感光層の表面が酸化されて、放電生成物や水分子などを吸着しやすい酸化物被膜が形成されるのを防止することができる。また絶縁耐圧を向上したり、繰り返し使用した際の耐磨耗性を向上したりすることもできる。
とくにa−SiCにて形成するのが好ましい。表面保護層にa−SiCを用いる場合は、絶縁性を付与するため、キャリア阻止層の場合と同様に、含まれるCの量を感光層に比べて多くすればよい。
また上記Cのx値を調整して、表面保護層の暗抵抗率を1013Ω・cm以上とするのが好ましい。
暗抵抗率が1013Ω・cm以上であると、感光体は、表面保護層の面方向における電位の流れが少ないため静電潜像の維持能力が高い上、耐湿性にも優れており、吸水による画像流れの発生を抑制する効果に優れたものとなる。
また、a−SiC以外の他の絶縁材料にて形成した表面保護層は、画像形成後にも光キャリアがトラップされ続けてしまい、通常の除電工程では残留電位を確実に消去できないおそれがある。しかしa−SiCにて形成した表面保護層は、表面からの正電荷は有効に阻止するが、導電性基体からの負電荷は比較的通し易いという性質を持つため、画像形成後の残留電位を、通常の除電工程によって効果的に消去でき、連続して画像形成を行えるという利点もある。
a−SiCにて形成した表面保護層は、その層内で、Cの量に厚み方向の勾配を形成してもよいし、CとともにN、O、Geなどの元素を含有させて耐湿性をさらに高めることもできる。
〈トナーの製造〉
定着用樹脂としてのポリエステル樹脂100重量部に、着色剤としてのカーボンブラック〔三菱化学(株)製のMA−100〕5重量部、電荷制御剤〔藤倉化成(株)製のFCA201PS〕5重量部、およびオフセット防止剤としてのポリエチレンワックス〔三洋化成(株)製のユーメックス(登録商標)100TS〕7重量部を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて前混合し、次いで二軸混練押出機を用いて溶融、混練して冷却後、粗粉砕、微粉砕および分級の工程を経て、体積基準の中心粒径が9.0μmであるトナー粒子を作製した。
〈スタート現像剤の調製〉
キャリヤとしては、Mn−Mg系の磁性体粒子の表面を、当該磁性体粒子100重量部に対して10重量部のふっ素−シリコーン系樹脂で被覆した、体積基準の中心粒径が80μmであるものを用いた。かかるキャリヤの嵩密度ADは2.025g/cm3であった。
〈追加の2成分現像剤の調製〉
キャリヤとしては、Mn−Mg系の磁性体粒子の表面を、当該磁性体粒子100重量部に対して30重量部のふっ素−シリコーン系樹脂で被覆した、体積基準の中心粒径が60μmであるものを用いた。かかるキャリヤの嵩密度ADは1.921g/cm3であった。
実施例1
上記で製造したスタート現像剤と、追加の2成分現像剤と、そしてトナーとを、現像手段を図1の現像装置に改造したレーザープリンタ〔京セラミタ(株)製の品番FS−8000Cの改造機〕に使用して、原稿濃度4%の画像を連続画像形成した。すなわち図1の現像装置のうち装置本体2にスタート現像剤D1を収容し、トナー容器3に、補充用のトナーTとして前記のトナーを収容するとともに、現像剤容器4に追加の2成分現像剤D2を収容した。装置の使用開始時に装置本体2に収容したスタート現像剤D1の量は500gとした。
またそれとは別に、透磁率センサ7によって測定したトナー濃度が4.0重量%まで低下した時点で、トナー容器3内のトナーTを装置本体2に補給する操作を行った。トナーTの、1回の補給量は5.0gとした。
また50000枚の連続画像形成後の、装置本体2内の2成分現像剤D1からキャリヤを分離して嵩密度ADを測定したところ2.068g/cm3であって、スタート現像剤におけるキャリヤの嵩密度と殆ど同じであった。また上記2成分現像剤の帯電量Q/Mを測定したところ15.1μC/gであって、上記スタート現像剤の帯電量に近い値であった。
追加の2成分現像剤を全く追加せずに、上記と同様にして50000枚の連続画像形成を行ったところ、画像形成領域の一部が画像形成されない問題を生じた。
また50000枚の連続画像形成後の、装置本体2内の2成分現像剤D1からキャリヤを分離して嵩密度ADを測定したところ2.181g/cm3であって、スタート現像剤におけるキャリヤの嵩密度よりもかなり大きくなっているのがわかった。また上記2成分現像剤の帯電量Q/Mを測定したところ12.5μC/gであって、上記スタート現像剤の帯電量から大きく低下しているのがわかった。
3 トナー容器
4 現像剤容器
D1 2成分現像剤(スタート現像剤)
D2 追加の2成分現像剤
T トナー
Claims (2)
- 像担持体上の静電潜像を、キャリヤと、脂肪酸金属塩を外添したトナーとを含む2成分現像剤を用いてトナー像に現像する工程を含む画像形成方法であって、画像形成に最初に使用するスタート現像剤中のキャリヤよりも嵩密度が0.05g/cm3以上、0.2g/cm 3 以下の範囲で小さいキャリヤと、トナーとを含む追加の2成分現像剤を随時、追加しながら画像形成することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1の画像形成方法を実施するための現像装置であって、スタート現像剤を収容するための装置本体と、装置本体に補充用のトナーを供給するためのトナー容器と、装置本体に追加の2成分現像剤を供給するための現像剤容器とを備えることを特徴とする現像装置。
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