JP4782519B2 - エレベータの群管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータの群管理システムに係り、特に発生したホール呼びに対するエレベータの割当て制御に関する。
エレベータ群管理システムは、複数のエレベータかごを1つのグループとして扱うことで、利用者に対してより効率的な運行サービスを提供する。具体的には、複数のエレベータかご(通常3台から8台)を1つのグループとして管理し、ある階床にホール呼びが発生した場合に、このグループの中から最適なかごを1つ選択して、そのかごに先のホール呼びを割当てる制御を実施する。
現行の群管理システムでは、予測待ち時間に基づいた割当て評価関数による割当て制御を基本にしている。これは、新たにホール呼びが発生した場合に、各かごが受持っているホール呼び(新規のホール呼びと未サービスの受持ちホール呼び)の予測待ち時間を算出して、待ち時間が最小となるかご、もしくは最大待ち時間が最小となるかごに、そのホール呼びを割当てる。この制御は、各エレベータメーカの群管理制御で採用されている基本方式であるが、次の2点の課題がある。
1)発生済みのホール呼びに対しての最適なかご割当てであり、将来呼びの影響が考慮されていない。
2)予測待ち時間を指標にして、かごに割当てているため、各かごの配置関係が考慮されていない。
このような予測待ち時間に基づいた割当て方式の課題を解決するために、これまで様々な制御方式が提案されてきた。その基本的考え方は、各エレベータかごを時間的に等間隔に配置させようという制御の考え方に集約できる。仮に、各エレベータかごの配置が均等ではない場合、つまり、あるかご間で時間的間隔が長い場合、その間に新たなホール呼びが発生した場合、その呼びは待ち時間が長くなる可能性が高い。そこで、各かごを時間的に等間隔に配置できれば、長待ちを抑制することが可能になる。以下に、時間的等間隔配置を目的とした従来の制御方式を列挙する。
1)等間隔優先ゾーン制御(特許文献1)。
2)等間隔優先ゾーン・抑制ゾーン制御(特許文献2)。
上記2方式はそれぞれ、各かごに対して、サービスする階床に優先ゾーン、抑制ゾーンを設定して、新規に発生したホール呼びが優先ゾーンにあれば割当て易く、抑制ゾーンにあれば割当てにくくなるように割当て評価値を操作する。これにより、各かごの間隔が時間的等間隔に近づくことを狙いとしている。
3)時間的等間隔状態を指標に取り込んだ割当て評価制御(特許文献3)
所定時間後の各かごの配置を予測して、その時点での各かごの時間的間隔を予測する。この予測かご間隔から割当て制限評価値を演算して、かごが一部の階床域に偏って割当てられることがないように割当てを制御する。この結果、各かごの間隔が時間的等間隔に近づくことを狙いとしている。
4)位置評価値による割当て方式(特許文献4)。
この方式では、各かごに対して、各かごの配置が偏らなくするための位置評価値を算出して、位置評価値を加味した割当て評価値によって、ホール呼びに対する割当てを決定している。この位置評価値は、ホール呼びが発生した場合の自号機の絶対的な位置と、他号機の絶対的な位置の平均値との関係に基づいて算出される。この方式も、各かごの配置の均等化を狙いとしている。
特開平1−226676号公報(全体) 特開平7−117941号公報(全体) 特公平7−72059号公報(全体) 特開2000−118890号公報(全体)
上記した従来技術では、各かご配置の均等化、等間隔化のための根本的な解決にはなっていない。例えば、上記特許文献1、2及び4では、現時点のかごの配置情報のみから優先ゾーン、抑制ゾーンの設定や位置評価値を計算しているため、先の時点の追い越しなどに対応できず、長期に安定して等間隔状態に保つことは難しい。上記特許文献3については、所定時間後のかご配置を予測しているため、特許文献1、2及び4のような問題は生じない。しかし、各かごについての相対的な間隔の比較で割当てているため、適切な間隔に制御できる保証がなく、その時の各かごの間隔によって、収束点がふらつき、安定しない可能性がある。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題を解決すべく、長期的に安定した各かごの時間的等間隔制御を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、各エレベータの目標間隔を設定する目標間隔設定手段と、現時点から所定時間経過後における各エレベータの予測間隔を算出する予測間隔算出手段と、各エレベータの目標間隔に対する予測間隔の評価値を算出する評価手段と、この評価手段の評価値に基づいて、目標間隔に予測間隔を近づけるように、発生したホール呼びに割当てるエレベータを選択する割当て手段を備えたことを特徴とする。
本発明によるエレベータ群管理システムは、近い将来の各かごの間隔を予測して、理想とする目標間隔に従うようにエレベータかごの割当てを実行するため、長期的に安定した各かごの時間的等間隔制御を実現できる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の説明で明らかにする。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
はじめに、本発明におけるエレベータ群管理システムの制御の考え方を、図2を用いて説明する。図2(a)、(b)、(c)は本発明によるエレベータ群管理システムの制御の考え方をイメージ的に表した図である。まず、図2(a)から説明する。図2(a)は、新規ホール呼びが発生した直後で、これから、このホール呼びに応答するかごを割当てようという状況を表している。図2はエレベータの運行線図を表しており、横軸が時間、縦軸がビル上の上下方向位置(階床)を表している。時間軸は、現時点を始点とする将来の時間を表している。つまり、この図は、将来におけるエレベータの予測運行線図を表している。エレベータは、1号機と2号機の2台のかごで構成される。図2(a)より、現時点で1号機は3階付近にあり、上方向に移動している。2号機は5階付近にあり、上方向に移動している。それぞれのかごの予測ルートは図上の線で表されるようになる。この2本の予測ルート(予測軌跡)は互いに接近しており、だんご運転状態にあることが分かる。このような状況で、8階上方向に新規ホール呼びが発生したとする。
図2(b)は、新規に発生したホール呼びを1号機に仮に割当てた場合の各かごの予測ルートを表している。1号機の予測ルートを見ると、新規ホール呼びにサービスするために、8階上方向で停止している。その結果、その後の1号機と2号機の予測ルートは、それ以前の状態(図2(a)の状態)よりも間隔が広がっている。この予測ルートの間隔を、将来の所定時間経過後の間隔推定時間trefで評価すると、図2(a)に比べて、図2(b)は間隔が伸びたことが明確に分かる。
一方、図2(c)は、新規に発生したホール呼びを2号機に仮に割当てた場合の各かごの予測ルートを表している。2号機の予測ルートを見ると、新規ホール呼びにサービスするために、8階上方向で停止している。その結果、その後の1号機と2号機の予測ルートは、それ以前の状態(図2(a)の状態)よりも間隔が縮まっており、完全なだんご運転状態となっている。
1号機に仮割当てした場合(図2(b))と2号機に仮割当てした場合(図2(c))について、間隔推定時間trefにおける各かご間の間隔を比較すると、1号機に割当てた方が等間隔状態に近づくことが分かる。従って、等間隔状態に近づけるためには、1号機に割当てた方が良いと評価できる。実際には、目標となる間隔を予め設定しておき、この目標間隔との各かごに仮割当てした場合の予測間隔とを比較して、最も目標間隔との偏差が小さいかごにホール呼びを割当てるように評価する。その結果、目標とする間隔へ常に近づこうとして制御が作用して、目標間隔近傍へ各かごの間隔を保つことが可能になる。その結果、常に適切な間隔を維持することができ、不要な長待ちを低減することが可能となる。
図1は、本発明の一実施例によるエレベータ群管理システム全体の制御機能ブロック図である。この制御ブロックは、1)目標間隔と予測間隔を評価する部分、2)待ち時間を評価する部分、3)両者の評価を総合評価する部分の大きく3つに分けることができる。この中で、本発明の要部となるのが、目標間隔と予測間隔を評価する部分であり、この部分で図2によって説明した制御の考えを実現している。以下、それぞれの部分を説明する。
目標間隔と予測間隔を評価する部分は、目標間隔値演算部5、仮割当てエレベータの予測ルート作成部2、仮割当てエレベータ以外のエレベータの予測ルート作成部3、予測間隔値演算部4、間隔評価値演算部6によって構成される。目標間隔値演算部5では、入力情報部1から得られた情報を基に各エレベータ間の間隔目標値を算出する。通常、この間隔目標値は、時間的等間隔となる間隔の値に設定される。仮割当てエレベータの予測ルート作成部2では、入力情報部1から得られた情報を基に、新規に発生したホール呼びを所定のエレベータに割当てた場合の予測ルート(ルート)を作成する。この予測ルートは、図2(b)の1号機の予測ルートに対応している。仮割当てエレベータ以外のエレベータの予測ルート作成部3では、仮割当てを行ったエレベータ以外のエレベータ、例えば、4台の群管理で、1号機に仮割当てを行った場合の2〜4号機に対する予測ルートを作成する。この予測ルートは、図2(b)の2号機の予測ルートに対応している。予測間隔値演算部4では、作成された各エレベータの予測ルートを基に、所定時間経過時点(間隔推定時間tref)における予測間隔の値を算出する。この予測間隔は、図2(b)において、間隔推定時点trefにおける1号機と2号機の間隔に対応している。尚、ここでの間隔は時間を単位にした時間的間隔のことを指している。間隔評価値演算部6では、目標間隔値と予測間隔値の偏差を基に間隔評価値を算出する。偏差を最も小さくするエレベータに割当てることを繰返せば、目標間隔に予測間隔が近づくように制御できる。
待ち時間を評価する部分は、従来の制御と同じであり、発生したホール呼びの予測待ち時間を求めて、これを評価値とする。これは、待ち時間評価関数演算部7にて行われる。待ち時間評価関数演算部7では、入力情報部1の情報に基づいて、発生しているホール呼び(新規、既発生共に含む)の予測待ち時間を評価値として算出する。
総合評価値演算部8では、間隔による評価値と待ち時間による評価値を総合して、最終的な総合評価値を算出する。例えば、総合評価値は、間隔評価値と待ち時間評価値の重み付け線形和によって求めることができる。総合評価値によって、新規ホール呼びに対するエレベータの割当てを決めるため、各エレベータの間隔と待ち時間とのバランスを取った適切な割当てが可能になる。割当てエレベータ選択部9では、総合評価値を基に最終的な割当てエレベータを決定する。
割当てエレベータ選択部で選択された割当てエレベータの情報は、通信線を介して、割当られたエレベータの制御装置、例えば1号機のエレベータ12Aが割当てられた場合は1号機の制御装置11Aへ送信される。これにより、そのエレベータの予約灯が点灯してサービスすることを案内する。
最後に、入力情報部1について説明する。入力情報部1は、各エレベータ個別の制御装置11A、11B、11Cと通信線を介して結ばれており、各エレベータの情報やそれらの情報を蓄積・加工したデータが集められている。そのような情報及びデータとして、例えば、割当てホール呼びの情報、かご呼びの情報、現在のかごの情報、時刻情報、ビル交通流の情報、各階・方向の停止確率の情報、各階・方向の停止時間の情報、各階・方向の平均乗車人数の情報が挙げられる。各エレベータに割当てられているホール呼びの情報としては、階、方向、及び割当てられてからの継続時間等があり、かご呼びの情報には、階、方向がある。また、現在のかごの情報としては、位置、方向、速度、及び乗車人数があり、ビル内交通流の情報には、アップピーク交通流、ダウンピーク交通流、及び階間交通流等がある。これらの情報を用いて、適切な目標間隔の設定や、精度の高い予測間隔、予測待ち時間の推定を行うことができる。
次に、本実施例によるエレベータ群管理システムの全体的な処理の流れを図8により説明する。
まず、始めに目標間隔の更新が必要かどうかの判定が行われる(ST001)。この更新の判定には、例えば、所定の周期で更新する場合は前回の更新時点からの経過時間で判定を行う。この他に、ビル交通流がその時点で大きく変化した場合に、その状態を検出して判定するような方法も考えられる。目標間隔の更新が必要と判定された場合は、目標間隔値Brefを算出する(ST002)。目標間隔値の算出方法は後述するが、各エレベータが時間的に等間隔になる間隔値を目標間隔として設定する。各エレベータの間隔は、この目標間隔を基準にして、これに近づくように制御される。
目標間隔が設定されると、次にエレベータかごの割当て処理が発生したかどうかを判定する(ST003)。このかご割当て処理は、新規のホール呼び発生や既に割当てを実施したホール呼びの割当てを再度見直す場合に発生する。新規ホール呼びの発生が無いなど、かご割当て処理の発生が無い場合は目標間隔値の更新判定処理に戻って以降の処理を繰返す。かごの割当て処理が発生している場合は、以下の割当て評価処理を実施する。
始めにエレベータ群に属している各エレベータに対して、仮にホール呼びを割当てるエレベータを順に設定する(ST004)。例えば、4台のエレベータで群管理している場合は、1号機、2号機、3号機、4号機と順に仮割当てのかごを設定する。これをループで処理するため、仮割当てかごループ処理と呼ぶ。ここでは、仮割当てのかごをKa号機(Ka=1、2、3、…N)と呼ぶことにする。尚、Nは群管理されているエレベータ台数を表している。
次に、仮割当てかごKa号機に対して、現時点から将来時点でのかごの時間軸上の予測ルートとなる予測ルートを推定する(ST005)。図2(b)の1号機の予測ルートが仮割当てかごの世予測ルートの例になる。仮割当てかごの予測ルートでは、仮割当てによるホール呼び停止が反映される。次に仮割当てかご以外のかごK号機(K≠Ka)に対する予測ルートを推定する(ST006)。図2(b)の2号機の予測ルートが仮割当て以外のかごの予測ルートに対応する。
仮割当てかごKa号機と仮割当てかご以外のかごK号機(K≠Ka)を含めた各かごの予測ルートに対して、それぞれに対する予測間隔Bm(m=1、2、3、…N)を計算する(ST007)。図2(b)の例では、1号機(仮割当てかご)と2号機(仮割当てかご以外のかご)の予測ルートから将来のある時点(図の間隔推定時間tref)を選定することにより、その時点における1号機と2号機の予測間隔を算出することができる。予測間隔算出の詳細は後ほど、図6、図7を用いて詳しく説明する。
算出した予測間隔の値Bmと目標間隔値Brefから、目標間隔と予測間隔の平均2乗偏差E(Ka)を計算する(ST008)。ここで、E(Ka)は仮割当てかごがKa号機の場合の目標間隔と予測間隔の平均2乗偏差であることを表している。従って、E(Ka=1)、E(Ka=2)、E(Ka=3)、…、E(Ka=N)とN台分の値が存在することになる。E(Ka)の計算式は式(1)のようになる。
E(Ka)=(1/N)√{Σ(Bm−Bref)}…………………………(1)
このE(Ka)が、仮割当てかごをKa号機とした場合のかごの間隔に対する評価値になる。
次に、仮割当てかごがKa号機の場合の待ち時間評価値W(Ka)を計算する(ST009)。このW(Ka)は、例えば、新規ホール呼びにKa号機を割当てた場合のそのホール呼びの予測待ち時間や、その時の受持っている呼びに対する待ち時間の平均値、最大値などの値になる。
算出した間隔評価値E(Ka)と待ち時間評価値W(Ka)を用いて、仮割当てかごがKa号機の場合の総合評価関数Φ(Ka)を算出する(ST010)。Φ(Ka)は式(2)のように表される。
Φ(Ka)=f(W(Ka)、E(Ka))………………………………………(2)
Φ(Ka)の具体例として、例えば式(3)のような重み付け線形和が挙げられる。
Φ(Ka)=W(Ka)+α・E(Ka)………………………………………(3)
ここで、αは重み係数を表しており、その時点の交通流条件等によって適切な重み値に設定される。
以上の処理をKaが、Ka=1からNまで繰返して、全てのかごに対して、Φ(Ka)を算出する(ST011、ST012)。そして、Φ(Ka)が最小となるかごに対象としているホール呼びの割当てを決定する。このようにして、予測待ち時間評価と予測間隔評価値とを総合的に評価して最も適切なエレベータかごにホール呼びを割当てることが可能となる。
図4は、本発明の一実施例による予測ルートの概要図である。以下、図4を参照して、予測ルート作成処理について説明する。図4(a)の左の図は、現時点におけるエレベータかごの位置をリング表現(階床を上方向と下方向に分けて1周のリングのように表した表現)した図である。この図より、現時点でのエレベータかごの位置は3階上方向(図4(a)の25)にあり、また、5階上方向のホール呼び(図4(a)の三角印26)が割当てられており、6階にかご呼び(図4(a)の丸印27)を持っている。このような状態に対して、このエレベータかごの予測ルートは図4(a)の右図のようになる。この図は、横軸が原点を現在とする時間軸を表し、縦軸が階床位置を表している。予測ルートは、時間軸上のルート20のようになっている。この予測ルートは、大きく移動部分と停止部分で構成される。移動部分は階間の移動を表し、予測ルート20中の斜めの線で表されている部分21がそれに対応する。停止部分は各階での停止を表しており、停止時間期待値の部分22と停止時間の部分23の2種類で構成される。停止時間期待値はまだ呼び停止が生じていない階での停止時間期待値を表しており、停止時間は既に呼び停止が確定している階での停止時間を表している。例えば、5階上方向(ホール呼び停止)、6階下方向(かご呼び停止)では呼び停止が生じているため、停止時間で表されており、それ以外の階・方向ではまだ呼び停止が生じていないため、停止時間期待値で表されている。
予測ルートは、予測ルート上の点のデータによって表される。図4(b)は予測ルートのデータ表の例を表している。このデータ表は、予測ルートを構成するデータ点の番号、時刻、位置(階)、方向を表している。データ表上の各点を線分によってつなぎ合わせることで予測ルートが作成できる。例えば、データ表上の番号0と1の点を結ぶと、3階から4階への移動を表すルートを作成でき、番号1と2の点を結ぶと4階での停止時間期待値で表された確率表現の停止を表すルートを作成できる。また、番号3と4の点を結ぶと5階での確定した停止(停止時間で表されている)を作成できる。
図5は、本発明の一実施例による平均停止時間と停止時間期待値を示す表例図である。平均停止時間及び停止時間期待値は各階、方向毎に図5(a)、図5(b)のような表でデータ化されている。図5(a)は停止時間を表すデータ表であり、その時点(または時間帯)での交通流の平均停止時間を表で表している。乗降人数が多い階・方向では、乗降に時間を費やすため、平均停止時間が長くなっている。図5(b)は停止時間期待値を表すデータ表であり、その時点(または時間帯)での交通流の停止時間の期待値を表で表している。この停止時間期待値は、例えば、停止時間に停止確率を乗じることで求めることができる。従って、停止する確率が高い階・方向ほど停止時間期待値は大きな値となる。
以上のように、予測ルートは、割当てられているホール呼びによる停止、かご呼びによる停止、停止が生じる確率に応じた今後の停止可能性、階間の移動時間を考慮して作成されるため、より精度の高い予測ルートを作成することができる。
図10は、本発明の一実施例による予測ルートの作成処理のフロー図である。まず、対象とするエレベータかごが上方向か否かを判定して(ST101)、上方向であれば、処理対象の階iを1つ減らし(ST102)、下方向であれば、処理対象の階iを1つ増やす(ST103)。さらに、このときの階iと方向jをチェックして(ST104)、方向反転する階(例えば、最上階や最下階)である場合は、方向を反転させる(ST105)。次に、時刻の値に階iへの移動時間を加算する(ST106)。そして、予測ルートデータ表にデータ(移動時間加算後の時刻、階i、方向j)を書込む(ST107)。階i、方向jがサービス対象階であるかを判定して(ST108)、サービス対象階である場合は、さらにその階i、方向jに呼び停止(ホール呼び停止、かご呼び停止)するかどうかを判定する(ST109)。呼び停止する場合は、平均停止時間表(図5(a))を参照して、その階i、方向jの停止時間を時刻データに加算する(ST110)。階i、方向jに呼び停止がない場合は、停止時間期待値の表(図5(b)を参照して、その階i、方向jの停止時間期待値を時刻データに加算する(ST111)。これらの処理の後、予測ルートデータ表に、データ(時刻、階i、方向j)を書き込む(ST112)。以上の処理を、指定の階、方向または時刻に達するまで繰返す。例えば、現時点のかごの階・方向から2周分の階・方向までの予測ルートを作成すること等が考えられる。
図6及び図7は、本発明の一実施例による予測間隔値算出処理を説明する図である。また、図9は、本発明の一実施例による予測間隔値算出処理フロー図である。
以下、図9のフロー図を参照して、予測間隔値の計算法を説明する。まず、先に作成法を説明した各かごの予測ルートを用いて、間隔推定時間trefにおける各かごの位相時間値tpを算出する(図9のST0071)。ここで、間隔推定時間trefは、所定の値に設定されている。例えば、その時点における全呼び中の最終呼びの到着予測時間に設定されたり、その時点の交通流に応じて適正な値に設定される。各かごの位相的時間値の算出の詳細は、図6、図7を用いて説明する。図6は、予測ルートから予測間隔値を計算する様子を表している。ここでは、3台のエレベータによる群管理を示しており、図6の左側の図は現時点におけるエレベータかごの位置と方向をリング表現で表している。図6の左側の図から、1号機40は7階と8階の間を上方向に走行しており、2号機41は5階と6階の間を上方向に移動している。また、3号機42は、3階から2階へ下方向に移動している。図6の右側の図は、横軸を時間、縦軸を位置にとったグラフ上での各かごの予測ルートを表している。時間軸の原点は現時点を表す。現時点の1号機のかご位置30、2号機のかご位置31、3号機のかご位置32がそれぞれ表されており、その位置からの各かごの予測ルートがそれぞれ表されている。1〜3号機の予測ルート33〜35である。各かごの予測ルートから、間隔推定時間tref(図6の36)におけるかご位置を予測することができる。例えば、1号機の間隔推定時間trefにおける予測位置・方向は7階上方向となり(図6の37)、2号機の予測位置・方向は4階上方向(図6の39)、3号機の予測位置・方向は6階下方向(図6の38)である。このような、各かごの予測位置・方向から各かご間の予測間隔を求めることができる。
図7は、予測間隔を求めるプロセスを表している。図7の左側の図は、図6に示している間隔推定時間trefにおける3台のかごの予測位置・方向を表している。図7の右側の図は、横軸が位相的時間値、縦軸が位置を表している。ここで、位相的時間値とは、1周の時間(周期と同じ)で正規化した時間の値のことを意味しており、位相と同じような意味を持つ時間の値を意味している。この位相的時間値は、現時点の交通流に対するエレベータかごの平均1周ルート(図7の右図の53)を基準にして求める。図7の左図にある各かごの予測位置を平均1周ルート上に写像することにより、位相的時間値に変換できる。例えば、1号機55の時間的位相値は、図7の平均1周ルート53からtp(k=1)のように求めることができ、同様にして、2号機54の時間的位相値はtp(k=2)、3号機56の時間的位相値はtp(k=3)のように求めることができる。このように、予測位置から時間的位相値に変換する理由は、各かごの間隔を、時間の要素を含む時間的間隔値として求めることにある。
各かごの予測位置から時間的位相値を求め(図9のST0071)、次に、各かごを位相的時間値の大きさの順に順位付けを行う(図9のST0072)。例えば、図7の場合、各かごの位相的時間値の大きさは次のようになっている。
tp(k=2)<tp(k=1)<tp(k=3)………………………………(4)
従って、順位を表すラベル変数をmで表すと、m=1となるかごが2号機、m=2となるかごが1号機、m=3となるかごが3号機になる。
この位相的時間値の順位mの順に従って、各かご間の予測間隔値Bmを求める(ST0073)。例えば、図7の場合、m=1とm=2のかご間の予測間隔値がBm=1となり(図7の区間57の間隔値に対応)、m=2とm=3のかご間の予測間隔値Bm=2(図7の区間58の間隔値に対応)、m=3とm=1のかご間の予測間隔値がBm=3(図7の区間59の間隔値に対応)となる。数式で表すと、各予測間隔値はそれぞれ次のように表される。
Bm=1=tp(k=1)−tp(k=2)………………………………………(5)
Bm=2=tp(k=3)−tp(k=1)………………………………………(6)
Bm=3={T−tp(k=3)}+tp(k=2)……………………………(7)
ここで、式(7)のTは平均1周ルートの周期を表している。
以上のように、現時点の交通流に対する平均1周ルートを基にして、位相的時間値によって、各かごの予測間隔を求めているため、その時の交通流に応じたより適正な時間的間隔を求めることができる。例えば、昼食開始時には下方向へ向かうホール呼びが多数発生するため、平均1周ルートは下方向側の線分の傾きが緩やかな形となり、1階当たりの位相的時間値が上方向側と比べて長くなる。従って、例えば2台のかごが距離的に2階床離れていた場合、それが上方向である場合と下方向である場合とでは間隔値が異なるように評価される。下方向の方が、停止の可能性が高くなるため、同じ2階床でもより離れていると評価される。このように、交通流に応じて適正に時間的間隔の評価ができる。
図11は、目標間隔値を算出するフローチャートを表している。まず現時点の交通流に対する1周時間期待値(平均1周時間と同じ)Tを算出する(ST0021)。計算式は例えば式(8)のようになる。
T=Σ移動時間+Σ停止時間期待値…………………………………………………(8)
次に、現時点での有効稼動台数を求める。この有効稼動台数をNとする。このとき、目標間隔値Brefは式(9)のように算出できる。
Bref=T/N………………………………………………………………………(9)
このようにして、目標間隔値は、その時の交通流の平均1周時間と台数を基にして、時間的等間隔な値に設定される。
図3は、3台群管理の場合のエレベータかごの時間軸上でのルートを、本発明による制御実施前の結果と本発明による制御実施後の結果で比較したものになる。図3(a)は、本発明による制御実施前のエレベータかごの時間軸上でのルートを表している。このルートを見ると、3台のルートが所々で重なっており、効率の悪いだんご運転が発生していることが分かる。
一方、図3(b)は、本発明による制御実施後のエレベータかごの時間軸上でのルートを表している。3台のかごのルートは、まるで3相交流のように等しい位相、即ち時間的等間隔な状態を維持していることが分かる。このように時間的等間隔な状態を維持できるため、どの階・方向にホール呼びが発生してもすぐにエレベータかごが到着することができ、長い待ち時間の発生を抑えることができる。
本発明の一実施例によるエレベータ群管理システムの制御機能ブロック図。 本発明によるエレベータ群管理システムの制御の考え方を説明する概念図。 本発明の一実施例動作を説明する時間−位置座標上のかごのルート図。 本発明の一実施例による予測ルートの概要図。 本発明の一実施例による平均停止時間と停止時間期待値を示す表の例図。 本発明の一実施例による予測間隔値算出処理を説明する図(その1)。 本発明の一実施例による予測間隔値算出処理を説明する図(その2)。 本発明の一実施例によるエレベータ群管理システムの全体処理フロー図。 本発明の一実施例による予測間隔値算出処理フロー図。 本発明の一実施例による予測ルートの作成処理のフロー図。 本発明の一実施例による目標間隔値計算処理フロー図。
符号の説明
1…入力情報部、2…仮割当てエレベータの予測ルート作成部、3…仮割当てエレベータ以外のエレベータの予測ルート作成部、4…予測間隔値演算部、5…目標間隔値演算部、6…間隔評価値演算部、7…待ち時間評価関数演算部、8…総合評価値演算部、9…割当てエレベータ選択部、10…群管理制御部、11A〜11C…各エレベータA〜Cに対する個別の制御装置、12A〜12C…各エレベータ装置。

Claims (1)

  1. 複数の階床をサービスする複数台のエレベータを管理するエレベータの群管理システムにおいて、発生したホール呼びに対して複数の前記エレベータかごのいずれかを割当てる際に、
    前記エレベータ毎に、前記ホール呼びを仮割当てした場合の、将来の所定時間経過後の間隔推定時間までの予測ルートを演算し、
    該予測ルートを基に、前記間隔推定時間における前記各エレベータ間の予測間隔と、現時点の交通流に対する平均1周時間を前記エレベータの台数で除算して求めた目標間隔との偏差により間隔評価値を算出し、
    前記ホール呼びに対する待ち時間評価値を算出し、
    前記間隔評価値と前記待ち時間評価値を統合した総合評価値によって前記ホール呼びに割当てられる前記エレベータかごを決定するとともに、
    前記目標間隔は、割当てホール呼びの情報、かご呼びの情報、現在のかごの情報、時刻情報、ビル交通流の情報、各階・方向の停止確率の情報、各階・方向の停止時間の情報、各階・方向の平均乗車人数の情報を用いて設定されることを特徴とするエレベータの群管理システム。
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