JP4776351B2 - 自動変速機用キャンセル油供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、互いに重合する2つのドラムを一体回転可能に係合するスプライン係合部を利用して、キャンセル室にキャンセル油を供給するようにした自動変速機用キャンセル油供給装置に関するものである。
自動変速機において、特許文献1に示すようなドラム、ピストン、キャンセラ等によって構成されるクラッチがある。
また、クラッチは複数の変速段を達成するために、2つ以上有するのが一般的である。
特開平9−210088号公報(段落0050〜0053、図2)
ここで、第1のクラッチと第2のクラッチを有する自動変速機において、コンパクトを達成するために、第1のクラッチの第1ドラム内に第2のクラッチの第2ドラムを配設させる構造(2つのドラムを重合させる構造)を形成することが考えられる。しかし、このような2つのドラムを重合させる構造を形成する場合、2つのドラムを連結するスプライン係合部により、第1のクラッチに内包される第2のクラッチのキャンセル室への油路を形成することが難しい問題がある。
本発明は、第1および第2ドラムを一体回転可能に係合するスプライン係合部にキャンセル油供給路を設けることにより、供給路を設けるためのスペースを実質的に不要にした自動変速機用キャンセル油供給装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の油圧サーボによって動作される複数のクラッチおよびブレーキによって複数段に変速する自動変速機において、第1ドラムと、該第1ドラムのボス上に摺動可能に配設されるとともに、該第1ドラムとともに第1シリンダ室を形成する第1ピストンと、前記第1ドラムのボス上に少なくとも軸方向の一方への移動が規制され、前記第1ピストンとともに第1キャンセル室を形成する第1キャンセラプレートとを有する第1油圧サーボと、第2ドラムと、該第2ドラムのボス上に摺動可能に配設されるとともに、該第2ドラムとともに第2シリンダ室を形成する第2ピストンと、前記第1ドラムのボス上に少なくとも軸方向の一方への移動が規制され、前記第2ピストンとともに第2キャンセル室を形成する第2キャンセラプレートとを有する第2油圧サーボとを備え、前記第1ドラムと前記第2ドラムとは、前記第1ドラムのボス部の外周面に形成される第1スプライン歯と前記第2ドラムのボス部の内周面に形成される第2スプライン歯とによるスプライン係合部によって一体回転可能に係合され、前記第1スプライン歯と前記第2スプライン歯の少なくとも一方に欠歯部を設け、該欠歯部を前記第2キャンセル室にキャンセル油を供給するキャンセル油供給路とするとともに、前記キャンセル油供給路を、円周上複数設け、前記第2キャンセラプレートの内周側に円周上複数のキャンセル油排出路を設け、前記キャンセル油供給路の位相を前記キャンセル油排出路の位相に対して、前記第1および第2ドラムのいかなる角度位相状態においても円周上で最大でも一箇所しか一致しないようにずらしたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記自動変速機は、ミッションケースと、該ミッションケースのボス部の外周に配設されるとともに、前記第1ドラムを回転可能に支持する軸受を有し、該軸受は、前記スプライン係合部と軸方向にオーバラップされて配設され、前記第1ドラムのボス部は、軸方向に向けて延設される第1延出部と、該第1延出部の一端より内周側へ向けて延設されるとともに、前記スプライン係合部に隣接した第2延出部と、該第2延出部の一端より延設されるとともに、前記第1スプライン歯を有し、前記軸受が内周側に配設される第3延出部と、前記第2延出部に前記スプライン係合部に向けて穿設されるキャンセル油孔とを有し、前記キャンセル油は、前記ミッションケースに形成された油路と、前記キャンセル油孔とを介して前記第2キャンセル室に供給されることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記キャンセル油供給路を前記キャンセル油排出路に対して、前記第1および第2ドラムのいかなる角度位相状態においても円周上一箇所を除いてずれた関係となるように構成したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記キャンセル油供給路と前記キャンセル油排出路は、一方が奇数箇所、他方が偶数箇所設けられているものである。
請求項5に記載の発明は、請求項3において、前記第1ドラムおよび第2ドラムは、エンジンからの駆動トルクを伝達するトルク伝達部材とされるとともに、前記キャンセル油供給路と前記キャンセル油排出路は、前記キャンセル油供給路のほうが1つ少ない数で構成されているものである。
請求項1に係る発明によれば、第1ドラム31と第2ドラム32とを、第1ドラムのボス部の外周面に形成される第1スプライン歯と第2ドラムのボス部の内周面に形成される第2スプライン歯とによるスプライン係合部によって一体回転可能に係合し、第1スプライン歯と第2スプライン歯の少なくとも一方に欠歯部を設け、欠歯部を第2キャンセル室にキャンセル油を供給するキャンセル油供給路としたので、キャンセル油供給路を形成するための特別なスペースが不要となり、重合するドラムのコンパクト化を容易に達成することができる。
しかも、キャンセル油供給路の位相をキャンセル油排出路の位相に対して、第1および第2ドラムのいかなる角度位相状態においても円周上で最大でも一箇所しか一致しないようにずらしたので、キャンセル油供給路から第2キャンセル室に供給されたキャンセル油が、第2キャンセル室を素通りしてキャンセル油排出路より簡単に排出することを確実に阻止することができる。
請求項2に係る発明によれば、第1ドラムを回転可能に支持する軸受は、スプライン係合部と軸方向にオーバラップされて配設され、第1ドラムのボス部は、軸方向に向けて延設される第1延出部と、第1延出部の一端より内周側へ向けて延設されるとともに、スプライン係合部に隣接した第2延出部と、第2延出部の一端より延設されるとともに、第1スプライン歯を有し、軸受が内周側に配設される第3延出部と、第2延出部に前記スプライン係合部に向けて穿設されるキャンセル油孔とを有し、キャンセル油は、キャンセル油孔とを介して第2キャンセル室に供給されるようになっているので、第1ドラムを支持する軸受のために、第2キャンセル室にキャンセル油を供給することが不利な構造においても、第1ドラムのコンパクト化を保ちながら、第2キャンセル室にキャンセル油を容易に供給することができる。
請求項3に係る発明によれば、キャンセル油供給路をキャンセル油排出路に対して、第1および第2ドラムのいかなる角度位相状態においても円周上一箇所を除いてずれた関係となるように構成したので、キャンセル油供給路から第2キャンセル室に供給されたキャンセル油が、第2キャンセル室を素通りしてキャンセル油排出路より簡単に排出することを確実に阻止することができる。


請求項4に係る発明によれば、キャンセル油供給路とキャンセル油排出路は、一方が奇数箇所、他方が偶数箇所設けられているので、上記した請求項2と同様な効果が期待できるとともに、第1および第2ドラムをいかなる角度位相で組付けても、キャンセル油供給路とキャンセル油排出路を確実にずらすことができる。従って、第1および第2ドラムを任意の角度位相で組付けることができ、組付け工程の簡素化に寄与する。
請求項5に係る発明によれば、キャンセル油供給路とキャンセル油排出路とを、キャンセル油供給路のほうがキャンセル油排出路より1つ少ない数で構成されているので、スプライン係合部によるトルク伝達への影響を少なくしながら、キャンセル油供給路とキャンセル油排出路とをずれた関係に保つことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、例えばフロントエンジンリアドライブタイプの車両に用いて好適な自動変速機10を示す。当該自動変速機10は、車体に取付けられたミッションケース11内にトルクコンバータ12および変速機構13を備えている。エンジンからの出力は、トルクコンバータ12のポンプインペラおよびタービンライナーを介して自動変速機10の入力軸15に入力される。変速機構13は入力軸15より入力された回転を変速して駆動輪に連結された出力軸16に出力する。トルクコンバータ12には、ロックアップクラッチ17が備えられている。なお、本実施の形態において、自動変速機10の軸方向におけるトルクコンバータ12側を「前方」、出力軸16側を「後方」と呼称する。
変速機構13は、ミッションケース11内に同軸上に順次支承された入力軸15、減速用プラネタリギヤ20、複数のプラネタリギヤから構成されるプラネタリギヤセット21、出力軸16、第1ないし第4のクラッチC−1〜C−4ならびに第1および第2のブレーキB−1、B−2にて構成されている。
入力軸15の回転を減速して減速回転部材に伝達する減速用プラネタリギヤ20は、ミッションケース11側に常時固定されて回転を規制されたサンギヤS1、前記入力軸15に直結されたキャリアC1、キャリアC1に支承されサンギヤS1と噛合する第1ピニオン23A、キャリアC1に支承され第1ピニオン23Aと噛合する第2ピニオン23B、および第2ピニオン23Bと噛合するリングギヤR1から構成されている。
プラネタリギヤセット21は、一例として、シングルピニオンプラネタリギヤとダブルピニオンプラネタリギヤとを組み合わせたラビニヨ式のギヤセットで構成されている。
プラネタリギヤセット21の小径の第1サンギヤS2は、第1のクラッチC−1により減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1に係脱可能に連結される。大径の第2サンギヤS3は、第3のクラッチC−3により減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1に係脱可能に連結されるとともに、第4のクラッチC−4により減速用プラネタリギヤ20のキャリアC1を介して入力軸15に係脱可能に連結される。ショートピニオン25は、第1サンギヤS2と噛合される。またロングピニオン26は第2サンギヤS3と噛合するとともに、ショートピニオン25と噛合する。これらショートピニオン25およびロングピニオン26は直結構造のキャリアC2、C3にそれぞれ回転可能に支承されている。リングギヤR2はロングピニオン26に噛合するとともに、出力要素として出力軸16に連結されている。
第2サンギヤS3は、第1のブレーキB−1によりミッションケース11に係脱可能に連結される。キャリアC2(C3)は、第2のクラッチC−2により入力軸15に係脱可能に連結される。また、キャリアC2(C3)は、第2のブレーキB−2によりミッションケース11に係脱可能に連結されるとともに、ワンウェイクラッチF−1によって係止可能とされている。
以上のように構成された自動変速機10は、第1ないし第4のクラッチC−1〜C−4、第1および第2のブレーキB−1、B−2を選択的に係脱し、入力軸15、出力軸16、減速用プラネタリギヤ20およびプラネタリギヤセット21の各要素を選択的に連結、あるいは固定することにより、前進8段、後進2段のギヤ比を成立することができる。図2において、各ギヤ段に対応するクラッチ、ブレーキの欄に○が付されている場合、クラッチおよびブレーキの係合状態を示し、無印であれば、開放状態を示している。
図3に、主として、第4のクラッチC−4および第1のブレーキB−1の具体的構成を示す。同図において、入力軸15は、ミッションケース11、ミッションケース11に固定されたオイルポンプボディ27およびステータシャフト30に回転可能に支持されている。ステータシャフト30は、オイルポンプボディ27のボス部27aの内周に圧入固定されている。また、ステータシャフト30の後方側端部の外周側には、減速用プラネタリギヤ20が配置されるとともに、減速用プラネタリギヤ20のサンギヤS1がスプライン係合により回転不能とされている。
ミッションケース11内には、有底円筒状の第1ドラム31を有する第3のクラッチC−3と、有底円筒状の第2ドラム32を有する第4のクラッチC−4が収容されている。第4のクラッチC−4は、第1ドラム31の内周側に収容されている。第1ドラム31は、オイルポンプボディ27のボス部27aの外周に圧入されたスリーブ部材33の外周に回転可能に支持されている。また、第2ドラム32は、第1ドラム31の内周側に延設されているボス部31aに支持されているとともに、後述するスプライン係合部95によって一体回転可能に係合されている。
第1ドラム31のボス部31aの内周とスリーブ部材33の外周との間には複数のシール部材が介在されている。第1ドラム31のボス部31aの後方側端部は、オイルポンプボディ27のボス部27aの後方側端部の外周に嵌着された固定スリーブ35上に配設された主軸受36によって回転可能に支持されている。主軸受36はそれ単体で第1ドラム31を回転支持するに十分な軸方向長さを有している。
なお、ボス部31aの前方側端部の内周には、主軸受36と比べて軸方向長さが短い補助軸受37が圧入されている。補助軸受37はスリーブ部材33の外周に隙間を存して配設され、通常は軸受として機能しないようになっている。そして、補助軸受37は、第1ドラム31が軸方向に所定以上傾いた場合のみ、スリーブ部材33の外周に当接して軸受として機能する。
第1ドラム31の外周部31bの開口側の一端は、第3のクラッチC−3を介して減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1に係脱可能に連結されるようになっている。第3のクラッチC−3は、外周部31bにスプライン係合されたセパレートプレートおよびリングギヤR1にスプライン係合されたフリクションプレートからなる摩擦係合要素と、第1油圧サーボとによって構成されている。第1油圧サーボは、第1ドラム31の底部に形成された第1シリンダ室43に摺動可能に収納された第1ピストン44と、第1ピストン44を付勢するリターンスプリング45と、第1ドラム31のボス部31aに配設されるキャンセラプレート91によって構成されている。
第1ドラム31のボス部31aの外周にはスナップリング90によってキャンセラプレート91の内周部が軸方向の一方への移動を規制されて係止されており、キャンセラプレート91の外周部は第1ピストン44の内周面に液密的に配設され、キャンセラプレート91と第1ピストン44との間に第1キャンセル室92を形成している。キャンセラプレート91と第1ピストン44との間には、第1ピストン44を軸方向に第3のクラッチC−3を開放させるように付勢するリターンスプリング45が配置されている。
第1キャンセル室92は、オイルポンプボディ27のボス部27a、スリーブ部材33および第1ドラム31に半径方向に形成されたキャンセル油供給孔93より、キャンセル油(潤滑油)が供給されるようになっている。また、第1キャンセル室92に供給されたキャンセル油は、キャンセラプレート91の内周部に形成されたキャンセル油排出溝91aより外部に排出されるようになっている。第1キャンセル室92は、第1シリンダ室43内の油によって発生する遠心油圧をキャンセルする働きを有する。
第1ピストン44は第1ドラム31の外周部31bの内周に沿って延在され、その先端部は第3のクラッチC−3の摩擦係合要素の側方に対応して配置されている。油圧サーボの第1シリンダ室43は、第1ドラム31のボス部31a、スリーブ部材33にそれぞれ形成された油孔からなる供給通路47を介してオイルポンプボディ27のボス部27aに形成される油路に連通されている。ボス部27aに形成される油路は図略の油圧制御装置に接続され、油圧制御装置より供給される圧油により、第1ピストン44がリターンスプリング45のばね力に抗して摺動され、第3のクラッチC−3の摩擦係合要素を摩擦係合するようになっている。また、圧油の供給が停止されると、リターンスプリング45のばね力によって摩擦係合要素の摩擦係合が解除されるようになっている。
第2ドラム32は、第3のクラッチC−3の第1ピストン44の内方に配設されている。第2ドラム32の内周側には、第1ドラム31のボス部31aに配設するボス部32aが設けられ、外周側には第1ピストン44に隙間を有して配設された外周部32bが設けられている。第2ドラム32のボス部32aの後方側端部の内周には、図4に示すように、内スプライン32cが形成され、この内スプライン32cは、第1ドラム31のボス部31aの後方側端部の外周に形成された外スプライン31cにスプライン係合されている。外スプライン31cからなる第1スプライン歯と、内スプライン32cからなる第2スプライン歯とによってスプライン係合部95を構成している。
スプライン係合部95の内スプライン32cには、後述する第2キャンセル室にキャンセル油を供給するために、欠歯部32c1が円周上等角度間隔に複数形成されている。
第2ドラム32の外周部32bの開口側の一端は、第4のクラッチC−4を介して減速用プラネタリギヤ20のキャリアC1に係脱可能に連結されるようになっている。第4のクラッチC−4は、外周部32bの内周にスプライン係合されたセパレートプレート51およびキャリアC1に結合されたクラッチハブ56の外周にスプライン係合されたフリクションプレート52とからなる摩擦係合要素と、第2油圧サーボとによって構成されている。第2油圧サーボは、第2ドラム32の底部に形成された第2シリンダ室53に摺動可能に収納された第2ピストン54と、第2ピストン54を付勢するリターンスプリング55と、第1ドラム31のボス部31aの後方側端部に配設されるキャンセラプレート97によって構成されている。第2ピストン54の一端は第2ドラム32の外周部32bの内周にスプライン係合され、第4のクラッチC−3の摩擦係合要素の側方に配置されている。第2ピストン54は、スプライン係合部95を形成した第2ドラム32のボス部32aの外周側に配置されている。
第1ドラム31のボス部31aの後方側端部の外周にはスナップリング96によってキャンセラプレート97の内周部が軸方向の一方への移動を規制されて係止されており、キャンセラプレート97の外周部は第2ピストン54の内周面に配設され、キャンセラプレート97と第2ピストン54との間に第2キャンセル室98を形成している。キャンセラプレート97と第2ピストン54との間には、第2ピストン54を軸方向に第4のクラッチC−4を開放させるように付勢するリターンスプリング55が配置されている。
第1ドラム31を回転可能に支持する主軸受36は、スプライン係合部95と軸方向にオーバラップされて配設され、第1ドラム31のボス部31aは、軸方向に延設される第1延出部31dと、第1延出部31dの後方側端部より径方向内周側へ向けて延設されるとともに、スプライン係合部95に隣接した第2延出部31eと、第2延出部31eの内周側端部より軸方向後方に延設されるとともに、その外周面に第1スプライン歯31cが形成され、主軸受36が内周側に配設される第3延出部31fとを有し、第2延出部31eにスプライン係合部95に向けてキャンセル油孔64が穿設されている。
上記したスプライン係合部95には、図4に示すように、内スプライン32cに形成した欠歯部32c1によって円周上複数のキャンセル油供給路95aが形成され、これらキャンセル油供給路95a、ならびにオイルポンプボディ27のボス部27aに形成されたキャンセル油孔60および第1ドラム31のボス部31aの第2延出部31eに形成されたキャンセル油孔64を介して第2キャンセル室98にキャンセル油が供給されるようになっている。また、第2キャンセル室98に供給されたキャンセル油は、キャンセラプレート97の内周部に形成された同一円周上に形成された複数のキャンセル油排出路97aより外部に排出されるようになっている。第2キャンセル室98は、第2シリンダ室53内の油によって発生する遠心油圧をキャンセルする働きを有する。
スプライン係合部95に形成された欠歯部32c1からなるキャンセル油供給路95aは、図4および図6に示すように、同一円周上において等間隔に4箇所形成されている。一方、キャンセラプレート97に形成されたキャンセル油排出路97aは、図5および図6に示すように、同一円周上において等間隔に5箇所形成されている。
すなわち、キャンセル油供給路95aは、スプライン係合部95に偶数箇所設けられ、キャンセル油排出路97aは、キャンセラプレート97に奇数箇所設けられている。これにより、第1および第2ドラム31、32が、スプライン係合部95によって任意の角度位相でスプライン係合されても、キャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aは、ほとんどの場合位相が合致することがなく、最大でも、図6に示すように、円周上1箇所でしかキャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aの角度位相が一致しないようにしている。
このように、キャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aの個数を、一方を偶数箇所、他方を1つ違いの奇数箇所とすることによって、第1および第2ドラム31、32を任意の角度位相でスプライン係合させた場合の、キャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aの角度位相の一致を回避することができる。なお、キャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aのどちらかの個数を1つ多くすることで、上記した機能を達成できる。また、スプライン係合部95に形成する欠歯部32c1からなるキャンセル油供給路95aの数を少なくすれば、スプライン歯の1歯当たりにかかるトルクを低減させることができ、スプライン係合部95におけるトルク伝達への影響を最小限に抑えることができるため、より好ましい。
上記したキャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aとの組合せによって、キャンセル油供給路95aより第2キャンセル室98内に供給されたキャンセル油は、第2キャンセル室98を素通りして一直線にキャンセル油排出路97aより排出されることがなく、ほとんどの場合、キャンセラプレート97によって排出を制限される。すなわち、キャンセラプレート97のキャンセル油供給路95aの角度位相に一致する部分は、キャンセル油供給路95aより供給されたキャンセル油の排出を阻止する邪魔板として機能し、第2キャンセル室98内へのキャンセル油の供給を促す。
油圧サーボの第2シリンダ室53は、第1および第2ドラム31、32の各ボス部31a、32aの嵌合部、スリーブ部材33、ポンプボディ27のボス部27aおよびステータシャフト30にそれぞれ形成された油孔からなる供給通路61を介してオイルポンプボディ27のボス部27aに形成される油路に連通されている。ボス部27aに形成される油路は図略の油圧制御装置に接続され、油圧制御装置より供給される圧油により、第2ピストン54がリターンスプリング55のばね力に抗して摺動され、第3のクラッチC−3の摩擦係合要素を摩擦係合するようになっている。また、圧油の供給が停止されると、リターンスプリング55のばね力によって摩擦係合要素の摩擦係合が解除されるようになっている。
上記した第1のドラム31、摩擦係合要素、第1ピストン44、キャンセラプレート91、リターンスプリング45、第1のドラム31と第1ピストン44により液密状に形成される油圧サーボ、第1ピストン44とキャンセラプレート91により液密状に形成される第1キャンセル室92により、第3のクラッチC−3が構成され、第1のドラム31に、摩擦係合要素、第1ピストン44、キャンセラプレート91、リターンスプリング45が収納されている。
同様に、第2のドラム32、セパレートプレート51とフリクションプレート52からなる摩擦係合要素、第2ピストン54、キャンセラプレート97、リターンスプリング55、第2のドラム32と第2ピストン54により液密状に形成される油圧サーボ、第2ピストン54とキャンセラプレート97により液密状に形成される第2キャンセル室98により、第4のクラッチC−4が構成され、第2のドラム32に、摩擦係合要素51,52、第2ピストン54、キャンセラプレート97、リターンスプリング55が収納されている。
第1ドラム31の外周部31bの外周は、第1のブレーキB−1を介してミッションケース11に係脱可能に連結されるようになっている。第1のブレーキB−1は、ミッションケース11の内周にスプライン係合されたセパレートプレート71および第1ドラム31の外周部31bの外周にスプライン係合されたフリクションプレート72とからなる摩擦係合要素と、油圧サーボとによって構成されている。油圧サーボは、ミッションケース11に形成された油室73に摺動可能に収納されたピストン74と、ピストン74を付勢するリターンスプリング75によって構成されている。
ピストン74の先端は第1のブレーキB−1の摩擦係合要素の側方まで延在されている。油圧サーボの油室73は、ミッションケース11に形成された図略の油路等を介して油圧制御装置に接続され、油圧制御装置より供給される圧油により、ピストン74がリターンスプリング75のばね力に抗して摺動され、第1のブレーキB−1の摩擦係合要素を摩擦係合するようになっている。また、圧油の供給が停止されると、リターンスプリング75のばね力によって摩擦係合要素の摩擦係合が解除されるようになっている。
上記した減速プラネタリギヤ20、第3のクラッチC−3の油圧サーボ、および第4のクラッチC−4の油圧サーボは、軸方向に、入力軸14側からみて、第3のクラッチC−3の油圧サーボ、第4のクラッチC−4の油圧サーボ、減速プラネタリギヤ20の順番で配置されている。
また、入力軸15には、潤滑用の供給通路81が形成され、図略のオイルポンプより吐出された潤滑油が油圧制御装置より、オイルポンプボディ27のボス部27a内の油路と供給孔83を介して供給通路81に供給されるようになっている。供給通路81より図略のミッションケース11内の各部に潤滑油が供給されるようになっている。ミッションケース11内に供給された潤滑油は遠心力作用によって半径方向外方に飛散され、クラッチC−3、C−4、ブレーキB−1、減速用プラネタリギヤ20、および軸受等の各部位に供給される。
以下、各ギヤ段の作動について説明する。シフトレンジがP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジである場合、全てのクラッチC−1〜C−4およびブレーキB−1、B−2は解放状態にあるので、入力軸15と出力軸16との動力伝達が切断されている。
前進1速の場合には、図2に示すように、第1のクラッチC−1が係合されるとともに、ワンウェイクラッチF−1が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1の減速回転が、第1のクラッチC−1を介してプラネタリギヤセット21の第1サンギヤS2に入力される。そして、第1サンギヤS2の減速回転が、ワンウェイクラッチF−1により一方向の回転が規制されているキャリアC2(C3)を介してさらに減速されてリングギヤR2に入力され、出力軸16は1速のギヤ比で減速して正回転される。なお、エンジンブレーキ時には、ワンウェイクラッチF−1に代わって第2のブレーキB−2が係合され、キャリヤC2(C3)の回転が固定される。
前進2速の場合には、第1のクラッチC−1が係合され、第1のブレーキB−1が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1の減速回転が、第1のクラッチC−1を介して第1サンギヤS2に入力され、第2サンギヤS3が第1のブレーキB−1により固定されているので、リングギヤR2延いては出力軸16は2速のギヤ比で減速して正回転される。
前進3速の場合には、第1および第3のクラッチC−1、C−3が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1の減速回転が、第1のクラッチC−1を介して第1サンギヤS2に入力されるとともに,第3のクラッチC−3を介して第2サンギヤS3に入力されるので、プラネタリギヤセット21が一体回転され、リングギヤR2延いては出力軸16は、入力軸15の回転が減速用プラネタリギヤ20により減速された3速のギヤ比で減速して正回転される。
前進4速の場合には、第1および第4のクラッチC−1、C−4が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1の減速回転が、第1のクラッチC−1を介して第1サンギヤS2に入力されるとともに、減速用プラネタリギヤ20のキャリアC1の回転が第4のクラッチC−4を介して第2サンギヤS3に入力され、リングギヤR2延いては出力軸16は、4速のギヤ比で正回転される。
前進5速の場合には、第1および第2のクラッチC−1,C−2が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1の減速回転が、第1のクラッチC−1を介して第1サンギヤS2に入力されるとともに、入力軸15の回転が第2のクラッチC−2を介して直結された第1および第2キャリアC2,C3に入力されるので、リングギヤR2延いては出力軸16は5速のギヤ比で減速して正回転される。
前進6速の場合には、第2および第4のクラッチC−2、C−4が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のキャリアC1を介して入力軸15の入力回転が、第4のクラッチC−4を介して第2サンギヤS3に入力されるとともに、入力軸15の回転が第2のクラッチC−2を介して直結された第1および第2キャリアC2,C3に入力されるので、プラネタリギヤセット21は入力軸15と一体的に回転され、リングギヤR2延いては出力軸16は6速のギヤ比で正回転される。
前進7速の場合には、第2および第3のクラッチC−2、C−3が係合される。これにより、入力軸15の回転が第2のクラッチC−2を介して直結された第1および第2キャリアC2,C3に入力されるとともに、減速用プラネタリギヤ20のリングギヤR1の減速回転が第3のクラッチC−3を介して第2サンギヤS3に入力されるので、リングギヤR2延いては出力軸16は7速のギヤ比で増速して正回転される。
前進8速の場合には、第2のクラッチC−2が係合され、第1のブレーキB−1が係合される。これにより、入力軸15の回転が第2のクラッチC−2を介して直結された第1および第2キャリアC2,C3に入力され、また、第1のブレーキB−1によって第2サンギヤS3が固定されるので、リングギヤR2延いては出力軸16は8速のギヤ比で増速して正回転される。
また、後進1速の場合には、第3のクラッチC−3および第2のブレーキB−2が係合される。これにより、入力軸15の回転が第3のクラッチC−3を介して第2サンギヤS3に入力されるとともに、直結された第1および第2キャリアC2,C3が第2のブレーキB−2によって固定されるので、リングギヤR2延いては出力軸16は後進1速のギヤ比で減速して逆回転される。
後進2速の場合には、第4のクラッチC−4および第2のブレーキB−2が係合される。これにより、減速用プラネタリギヤ20のキャリアC1を介して入力軸15の回転が第4のクラッチC−4を介して第2サンギヤS3に入力されるとともに、直結された第1および第2キャリアC2,C3が第2のブレーキB−2によって固定されるので、リングギヤR2延いては出力軸16は後進2速のギヤ比で減速して逆回転される。
本実施の形態における自動変速機においては、図2の係合表から明らかなように、前進4速、前進6速、および後進2速の場合に、第4のクラッチC−4の第2シリンダ室53に圧油が供給されて第4のクラッチC−4が摩擦係合される。この第4のクラッチC−4の摩擦係合により、減速用プラネタリギヤ20のキャリアC1の回転が第2ドラム32に伝達され、第1および第2ドラム31,32がスプライン係合部95を介して一体回転される。かかる第1および第2ドラム31,32の回転によって、第3および第4のクラッチC−3、C−4の第1シリンダ室43、53に遠心油圧が作用する。
第3および第4のクラッチC−3、C−4の第1および第2シリンダ室43、53に作用する遠心油圧は、第1および第2ピストン44,54を間にして第1および第2シリンダ室43、53と反対側に形成された第1、第2キャンセル室92、98にキャンセル油を供給することによりキャンセルされる。ここで、第4のクラッチC−4の第2キャンセル室98には、第1および第2ドラム31,32をスプライン係合するスプライン係合部95に形成した欠歯部32c1からなるキャンセル油供給路95aを介してキャンセル油が供給されることにより、遠心油圧がキャンセルされるようになっている。従って、キャンセル油供給路95aを形成するための特別なスペースを必要とすることなく、遠心油圧をキャンセルすることができる。
しかも、キャンセル油供給路95aはキャンセル油排出路97aより1箇所少ない円周上4箇所に形成されているため、キャンセル油供給路95aとキャンセル油排出路97aは、第1および第2ドラム31,32が、組付け時に任意の角度位相で組付けられても、キャンセル油供給路95aは、最悪でも円周上1箇所でしかキャンセル油排出路97aと角度位相が合致しない。その結果、キャンセル油供給路95aを介して第2キャンセル室98に供給されたキャンセル油は、そのほとんどがキャンセラプレート97により排出を阻止されて、一旦第2キャンセル室98に留めおかれ、キャンセル油排出路97aよりスムーズには排出されない。従って、第1および第2ドラム31,32の組付けによるキャンセル油の供給および排出作用のバラツキを最少限に抑えることができ、自動変速機の品質を向上できるようになる。
上記した実施の形態においては、前進8段、後進2段のギヤ比を達成できる自動変速機について説明したが、本発明はそのようなものに限定されるものではなく、一つのクラッチを介して他のクラッチにキャンセル油を供給する広範な自動変速機に適用できるものである。
また、上記した実施の形態においては、プラネタリギヤセット21をシングルピニオンプラネタリギヤとダブルピニオンプラネタリギヤとを組み合わせたラビニヨ式ギヤセットを例にとって説明したが、本発明におけるプラネタリギヤセット21は、ラビニヨ式ギヤセットに限定されるものではなく、複数(2つ以上)のプラネタリギヤを有するプラネタリギヤセットであれば、あらゆる構成のものを採り得るものである。
さらに、上記した実施の形態においては、キャンセル油供給路95aを構成する欠歯部32c1を、スプライン係合部95の内スプライン32c側に形成したが、スプライン係合部95の外スプライン31c側に形成してもよい。
なお、ステータシャフト30、オイルポンプボディ27、スリーブ部材33等は、ミッションケース11に一体結合されるものであるので、これらステータシャフト30、オイルポンプボディ27、スリーブ部材33等は、ミッションケース11の一部を構成するものである。
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はこのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得ることは勿論である。
本発明の実施の形態を示す自動変速機のスケルトン図である。 図1における自動変速機の各ギヤ段におけるブレーキおよびクラッチの係合状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る自動変速機用キャンセラ油供給装置を示す断面図である。 スプライン係合部の断面を示す図である。 キャンセラプレートを示す図である。 キャンセル油供給路とキャンセル油排出路の関係を示す図である。
符号の説明
10・・・自動変速機、11・・・ミッションケース、13・・・変速機構、15・・・入力軸、16・・・出力軸、20・・・減速用プラネタリギヤ、21・・・プラネタリギヤセット、27・・・オイルポンプボディ、27a・・・ボス部、31・・・第1ドラム、31a・・・ボス部、31c・・・第1スプライン歯(外スプライン)、31d・・・第1延出部、31e・・・第2延出部、31f・・・第3延出部、32・・・第2ドラム、32a・・・ボス部、32c・・・第2スプライン歯(内スプライン)、32c1・・・欠歯部、43、53、73・・・油室、44、54、74・・・ピストン、64・・・キャンセル油孔、91、97・・・キャンセラプレート、91a、97a・・・キャンセル油排出路、92・・・第1キャンセル室、95・・・スプライン係合部、93、95a・・・キャンセル油供給路、98・・・第2キャンセル室、S1、S2、S3・・・サンギヤ、C1、C2、C3・・・キャリア、R1、R2・・・リングギヤ、C−1・・・第1のクラッチ、C−2・・・第2のクラッチ、C−3・・・第3のクラッチ、C−4・・・第4のクラッチ、B−1・・・第1のブレーキ、B−2・・・第2のブレーキ。

Claims (5)

  1. 複数の油圧サーボによって動作される複数のクラッチおよびブレーキによって複数段に変速する自動変速機において、
    第1ドラムと、該第1ドラムのボス上に摺動可能に配設されるとともに、該第1ドラムとともに第1シリンダ室を形成する第1ピストンと、前記第1ドラムのボス上に少なくとも軸方向の一方への移動が規制され、前記第1ピストンとともに第1キャンセル室を形成する第1キャンセラプレートとを有する第1油圧サーボと、
    第2ドラムと、該第2ドラムのボス上に摺動可能に配設されるとともに、該第2ドラムとともに第2シリンダ室を形成する第2ピストンと、前記第1ドラムのボス上に少なくとも軸方向の一方への移動が規制され、前記第2ピストンとともに第2キャンセル室を形成する第2キャンセラプレートとを有する第2油圧サーボとを備え、
    前記第1ドラムと前記第2ドラムとは、前記第1ドラムのボス部の外周面に形成される第1スプライン歯と前記第2ドラムのボス部の内周面に形成される第2スプライン歯とによるスプライン係合部によって一体回転可能に係合され、
    前記第1スプライン歯と前記第2スプライン歯の少なくとも一方に欠歯部を設け、該欠歯部を前記第2キャンセル室にキャンセル油を供給するキャンセル油供給路とするとともに、
    前記キャンセル油供給路を、円周上複数設け、
    前記第2キャンセラプレートの内周側に円周上複数のキャンセル油排出路を設け、
    前記キャンセル油供給路の位相を前記キャンセル油排出路の位相に対して、前記第1および第2ドラムのいかなる角度位相状態においても円周上で最大でも一箇所しか一致しないようにずらしたことを特徴とする自動変速機用キャンセル油供給装置。
  2. 請求項1において、前記自動変速機は、ミッションケースと、該ミッションケースのボス部の外周に配設されるとともに、前記第1ドラムを回転可能に支持する軸受を有し、
    該軸受は、前記スプライン係合部と軸方向にオーバラップされて配設され、
    前記第1ドラムのボス部は、軸方向に向けて延設される第1延出部と、該第1延出部の一端より内周側へ向けて延設されるとともに、前記スプライン係合部に隣接した第2延出部と、該第2延出部の一端より延設されるとともに、前記第1スプライン歯を有し、前記軸受が内周側に配設される第3延出部と、前記第2延出部に前記スプライン係合部に向けて穿設されるキャンセル油孔とを有し、
    前記キャンセル油は、前記ミッションケースに形成された油路と、前記キャンセル油孔とを介して前記第2キャンセル室に供給されることを特徴とする自動変速機用キャンセル油供給装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記キャンセル油供給路を前記キャンセル油排出路に対して、前記第1および第2ドラムのいかなる角度位相状態においても円周上一箇所を除いてずれた関係となるように構成した自動変速機用キャンセル油供給装置。
  4. 請求項3において、前記キャンセル油供給路と前記キャンセル油排出路は、一方が奇数箇所、他方が偶数箇所設けられている自動変速機用キャンセル油供給装置。
  5. 請求項3において、前記第1ドラムおよび第2ドラムは、エンジンからの駆動トルクを伝達するトルク伝達部材とされるとともに、
    前記キャンセル油供給路と前記キャンセル油排出路は、前記キャンセル油供給路のほうが1つ少ない数で構成されている自動変速機用キャンセル油供給装置。
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