以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[第1の実施形態]
本実施の形態に係る製品搬送システムの構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る製品搬送システムの構成を模式的に表した概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態に係る製品搬送システムの構成を模式的に表した平面図である。
図1及び図2に示すように、当該製品搬送システムは、半導体製品(以下、単に製品と称する)の加工工程毎に複数のブロックBL1〜BL4によって構成されている。これらの各ブロックBL1〜BL4は、製品に対して一連の加工処理を行う複数の加工装置110と、加工装置110から製品を受け取り所定の搬送先(後述するストッカ120)まで搬送する自動搬送車130と、自動搬送車130から加工処理後の製品を受け取り一時的に保管するストッカ120と、ストッカ120から加工処理後の製品を受け取り所定の搬送先(次工程となる他のブロックのストッカ)まで搬送する自動搬送車131と、加工装置110、自動搬送車130、ストッカ120及び自動搬送車131を制御するホストコンピュータ150とを備えている。なお、加工装置110、自動搬送車130、131及びストッカ120と、ホストコンピュータ150は、後述する様々な信号の送受信を行う不図示の送受信手段をそれぞれ備えている。
加工装置110は、その内部に、加工処理前後の製品を一時的に保管するための第1ステージ111及び第2ステージ112と、製品の加工処理を行うための処理室113とが設けられており、自動搬送車130は、第1ステージ111または第2ステージ112に置かれる加工処理後の製品を受け取る。このように、加工装置110は、複数のステージを備えていることから、製品に対して一連の加工処理を順次、連続して行うことができる構成となっている。なお、ステージは、例えば大きな面積を有するなどして、製品に対して一連の加工処理を順次、連続して行うことができる構成となっていれば、1つであってもよい。
次に、本実施の形態に係る製品搬送システムの作用について図1乃至図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態に係る製品搬送システムのタイミング図である。
図1に示すように、加工装置110は、第1ステージ111と第2ステージ112のどちらか一方でも空きの状態であれば、ホストコンピュータ150にロード要求信号S11を送信して、加工処理前の装置の供給を要求する。
ロード要求信号S11を受信したホストコンピュータ150は、ストッカ120が加工処理前の製品を保管している場合には、ストッカ120に製品移動・保管信号S24を送信して、ストッカ120に保管されている加工処理前の製品を搬出するように指示する。
製品移動・保管信号S24を受信したストッカ120は、自身が保管している加工処理前の製品を搬出する予定時間を製品搬出予告信号S25によってホストコンピュータ150に送信する。
製品搬出予告信号S25を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に移動命令信号S30を送信して、自動搬送車130が製品搬出予告信号S25の搬出予定時間に合わせてストッカ120の位置に移動するように指示する。なお、「搬出予定時間に合わせて」とは、「搬出予定時間に間に合うように」という意味であり、実際に自動搬送車130がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間と一致することが好ましい。
そのために、ホストコンピュータ150は、自動搬送車130が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する不図示の判断手段と、その判断に基づいて自動搬送車130に移動命令信号S30を送信するタイミングを調整する不図示の調整手段とを備える。そして、判断手段が、自動搬送車130がその搬出予定時間よりも前に移動することができると判断した場合には、調整手段が、自動搬送車130が実際にストッカ120の位置に移動する時間が搬出予定時間と一致するように移動命令信号S30を送信するタイミングを遅らせる調整をする。
ここで、判断手段は、より詳細には、不図示の記憶部に自動搬送車130の速度が予め記憶されており、不図示の検出手段が自動搬送車130の位置を検出し、不図示の演算手段が、その位置から製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置までの距離を算出して、さらに、その算出した距離と予め記憶された自動搬送車130の速度とからその移動時間を算出することで、自動搬送車130が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する。
なお、この搬出予定時間は、ホストコンピュータ150の不図示の設定手段によって設定されるが、例えば「搬出予定時間の5分前」と設定されている場合には、自動搬送車130がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも前になることがある。一方、ホストコンピュータ150は、加工装置110及びストッカ120のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S15、S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、自動搬送車130に移動命令信号S30を送信するが、このような場合には、自動搬送車130がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも後になることがある。
移動命令信号S30を受信した自動搬送車130は、移動を開始して、ストッカ120の位置に移動完了すると移動完了信号S31をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
ストッカ120は、保管している加工処理前の製品を搬出する準備が完了すると、製品搬出許可信号S27をホストコンピュータ150に送信して、搬出準備完了を通知する。
製品搬出許可信号S27を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に製品受取開始信号S32を送信して、加工処理前の製品の受け取り開始を指示する。
製品受取開始信号S32を受信した自動搬送車130は、ストッカ120から加工処理前の製品を受け取り、ホストコンピュータ150に製品受取完了信号S33を送信して、加工処理前の製品の受け取り完了を通知する。
製品受取完了信号S33を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に移動命令信号S30を送信して、自動搬送車130が加工装置110の位置に移動するように指示する。
移動命令信号S30を受信した自動搬送車130は、移動を開始して、加工装置110の位置に移動すると、移動完了信号S31をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
移動完了信号S31を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に製品引渡開始信号S34を送信して、加工処理前の製品の引き渡しを指示する。
製品引渡開始信号S34を受信した自動搬送車130は、加工装置110の第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方に加工処理前の製品を設置し、製品引渡完了信号S35をホストコンピュータ150に送信して、加工処理前の製品の引き渡し完了を通知する。
加工装置110は、加工処理前の製品が第1ステージ111または第2ステージ112に設置されると、ホストコンピュータ150に製品設置完了信号S13を送信して、加工処理前の製品の設置完了を通知する。
製品設置完了信号S13を受信したホストコンピュータ150は、加工装置110に製品処理開始信号S14を送信して、加工装置110は、不図示の移動手段によって、加工処理前の製品を第1ステージ111または第2ステージ112から処理室113へ移動して、加工処理を開始する。
図1及び図3に示すように、加工装置110は、製品の加工処理が完了する前に、製品搬出予告信号S15をホストコンピュータ150に送信して、自身から搬出される加工処理後の製品の製品搬出予定時間を事前に予告する。
なお、この製品搬出予告信号S15を送るタイミングは、加工装置110の仕様に応じて様々に設定することができる。
例えば、加工装置110が製品を1つずつ加工処理するものとし、加工装置110の第1ステージ111または第2ステージ112に設置された製品の1ロットが10個で構成されていたとすれば、加工装置110は、最後の10個目の製品に対して加工処理を開始する時に、製品搬出予告信号S15を送信するものとする。
この場合、製品搬出予定時間は、加工装置110が処理室113において製品の加工処理を行うのに要する時間と、不図示の移動手段によってその製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112へと移動するのに要する時間とに基づいて決定する。より詳細には、加工装置110は、製品1個当たりの加工処理時間と、製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方へ移動する移動時間とが予め記憶された記憶手段と、10個目の製品に対して加工処理を開始する開始時間を検出する検出手段と、製品搬出予定時刻を算出する算出手段とを備えており、この算出手段が、検出手段が検出した「10個目の製品に対する加工処理の開始時間」に、記憶手段に予め記憶された「製品1個当たりの加工処理時間」と、「製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方へ移動する移動時間」とを加算することで、製品搬出予定時刻を決定する。
また、例えば加工装置110が真空状態の下で加工処理を行うものであるときは、加工処理後の製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112へと移動する際に、処理室113内の圧力を調整する時間が長くかかるため、加工装置110は、この圧力調整が完了した時に、製品搬出予告信号S15を送信するものとする。
この際、製品搬出予定時間は、加工装置110が、不図示の移動手段によって加工処理後の製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112へと移動するのに要する時間に基づいて決定する。より詳細には、加工装置110は、製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方へ移動する移動時間が予め記憶された記憶手段と、処理室113内の圧力調整が完了した完了時間を検出する検出手段と、製品搬出予定時刻を算出する算出手段とを備えており、この算出手段が、検出手段が検出した「処理室113内の圧力調整が完了した完了時間」に、記憶手段に予め記憶された「製品を処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方へ移動する移動時間」を加算することで、製品搬出予定時刻を決定する。
再び、本実施の形態に係る製品搬送システムの作用の説明に戻る。製品搬出予告信号S15を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に移動命令信号S30を事前に送信して、自動搬送車130が製品搬出予告信号S15の搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置に移動するように指示する。なお、上述したように「搬出予定時間に合わせて」とは、「搬出予定時間に間に合うように」という意味であり、実際に自動搬送車130が加工装置110の位置に移動する時間は、搬出予定時間と一致することが好ましい。
そのために、ホストコンピュータ150は、自動搬送車130が製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する不図示の判断手段と、その判断に基づいて自動搬送車130に移動命令信号S30を送信するタイミングを調整する不図示の調整手段とを備える。そして、判断手段が、自動搬送車130がその搬出予定時間よりも前に移動することができると判断した場合には、調整手段が、自動搬送車130が実際に加工装置110の位置に移動する時間が搬出予定時間と一致するように移動命令信号S30を送信するタイミングを遅らせる調整をする。
ここで、判断手段は、より詳細には、不図示の記憶部に自動搬送車130の速度が予め記憶されており、不図示の検出手段が自動搬送車130の位置を検出し、不図示の算出手段が、その位置から製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置までの距離を算出して、さらに、その算出した距離と予め記憶された自動搬送車130の速度とからその移動時間を算出することで、自動搬送車130が製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する。
なお、この搬出予定時間は、ホストコンピュータ150の不図示の設定手段によって設定されるが、例えば「搬出予定時間の5分前」と設定されている場合には、自動搬送車130が加工装置110の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも前になることがある。一方、ホストコンピュータ150は、加工装置110及びストッカ120のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S15、S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、自動搬送車130に移動命令信号S30を送信するが、このような場合には、自動搬送車130が加工装置110の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも後になることがある。
移動命令信号S30を受信した自動搬送車130は、移動を開始して、搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置に移動すると、移動完了信号S31をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
加工装置110は、加工処理が完了して、加工処理後の製品を搬出することが可能な状態(不図示の移動手段によって、加工処理後の製品が処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112へ移動された状態)になると、製品搬出許可信号S17をホストコンピュータ150に送信して、搬出許可を通知する。
製品搬出許可信号S17を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に製品受取開始信号S32を送信して、加工処理後の製品の受け取り開始を指示する。
製品受取開始信号S32を受信した自動搬送車130は、加工装置110の第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方に設置された加工処理後の製品を受け取り、ホストコンピュータ150に製品受取完了信号S33を送信して、加工処理後の製品の受け取り完了を通知する。
製品受取完了信号S33を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車130に移動命令信号S30を送信して、ストッカ120の位置に移動するように指示する。
移動命令信号S30を受信した自動搬送車130は、移動を開始して、ストッカ120の位置に移動すると移動完了信号S31をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
移動完了信号S31を受信したホストコンピュータ150は、ストッカ120から加工処理後の製品を受け入れ可能な状態を通知するロード要求信号S21が事前に送られていることを確認した上で、自動搬送車130に製品引渡開始信号S34を送信して、加工処理後の製品の引き渡しを指示する。
製品引渡開始信号S34を受信した自動搬送車130は、加工処理後の製品をストッカ120に引き渡し、製品引渡完了信号S35をホストコンピュータ150に送信して、加工処理後の製品の引き渡し完了を通知する。
図1及び図2に示すように、ストッカ120は、加工処理後の製品が所定の保管位置に設置されるとホストコンピュータ150に製品設置完了信号S23を送信して、加工処理後の製品の設置完了を通知する。
製品設置完了信号S23を受信したホストコンピュータ150は、加工処理後の製品を次の加工処理工程である別のブロックへと搬送するために、ストッカ120に製品移動・保管信号S24を送信して、一時的に保管されている加工処理後の製品を搬出するように指示する。
製品移動・保管信号S24を受信したストッカ120は、不図示の移動手段によって加工処理後の製品をその保管位置から搬出位置まで移動させるが、その移動が完了する前に、製品搬出予告信号S25をホストコンピュータ150に送信して、自身から搬出される加工処理後の製品の製品搬出予定時間を事前に予告する。
なお、この製品搬出予告信号S25を送るタイミングは、ストッカ120の仕様に応じて様々に設定することができる。
製品搬出予告信号S25を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車131に移動命令信号S30を事前に送信して、各ブロックBL1〜BL4間で加工処理後の製品の搬送を担う自動搬送車131が製品搬出予告信号S25の搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置に移動するように命令する。なお、上述したように「搬出予定時間に合わせて」とは、上述したように「搬出予定時間に間に合うように」という意味であり、実際に自動搬送車131がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間と一致することが好ましい。
そのために、ホストコンピュータ150は、自動搬送車131が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する不図示の判断手段と、その判断に基づいて自動搬送車131に移動命令信号S30を送信するタイミングを調整する不図示の調整手段とを備える。そして、判断手段が、自動搬送車131がその搬出予定時間よりも前に移動することができると判断した場合には、調整手段が、自動搬送車131が実際にストッカ120の位置に移動する時間が搬出予定時間と一致するように移動命令信号S30を送信するタイミングを遅らせる調整をする。
ここで、判断手段は、より詳細には、不図示の記憶部に自動搬送車131の速度が予め記憶されており、不図示の検出手段が自動搬送車131位置を検出し、不図示の算出手段が、その位置から製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置までの距離を算出して、さらに、その算出した距離と予め記憶された自動搬送車131の速度とからその移動時間を算出することで、自動搬送車131が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する。
なお、この搬出予定時間は、ホストコンピュータ150の不図示の設定手段によって設定されるが、例えば「搬出予定時間の5分前」と設定されている場合には、自動搬送車131がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも前になることがある。一方、自動搬送車131は、各ブロックBL1〜BL4のホストコンピュータ150のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、該当するブロックのストッカ120へ移動するが、このような場合には、自動搬送車130がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも後になることがある。
移動命令信号S30を受信した自動搬送車131は、移動を開始して、搬出予定時間に合わせて製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置に移動すると、移動完了信号S31をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
ストッカ120は、加工処理後の製品を搬出することが可能な状態(不図示の移動手段によって、加工処理後の製品が保管位置から搬出位置へ移動された状態)になると、製品搬出許可信号S27をホストコンピュータ150に送信して、加工処理後の製品の搬出を許可する。
製品搬出許可信号S27を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車131に製品受取開始信号S32を送信して、加工処理後の製品の受け取りを指示する。
製品受取開始信号S32を受信した自動搬送車131は、ストッカ120から加工処理後の製品を受け取り、ホストコンピュータ150に製品受取完了信号S33を送信して、加工処理後の製品の受け取り完了を通知する。
製品受取完了信号S33を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車131に移動命令信号S30を送信して、次の加工処理工程となるブロックのストッカの位置へ移動するように指示する。
移動命令信号S30を受信した自動搬送車131は、移動を開始して、次の加工処置工程となるブロックのストッカ120の位置に移動すると、移動完了信号S31をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
移動完了信号S31を受信したホストコンピュータ150は、自動搬送車131に製品引渡開始信号S34を送信して、加工処理後の製品の引き渡しを指示する。
製品引渡開始信号S34を受信した自動搬送車131は、加工処理後の製品をストッカ120に引き渡し、製品引渡完了信号S35をホストコンピュータ150に送信して、加工処理後の製品の引き渡し完了を通知する。
次に、本実施の形態に係る製品搬送システムの効果について説明する。
以上に説明したように、本実施の形態に係る製品搬送システムにおいては、加工装置110ならびにストッカ120が、製品搬出予定時間を含んだ製品搬出予告信号S15、S25を事前にホストコンピュータ150に送信することで、ホストコンピュータ150が、自動搬送車130、131をその製品搬出予定時間に合わせて、その製品搬出予告信号S15、S25を送信した加工装置110ならびにストッカ120の位置へ移動させることができるので、加工装置110ならびにストッカ120での無駄な待ち時間を解消して、加工処理後の製品をいち早く移動させることができる。その結果、製品搬送の無駄な時間が解消されて、PULL型生産での生産効率を高め、生産納期を短縮することができる。
なお、上述したようにホストコンピュータ150は、加工装置110及びストッカ120のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S15、S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから、順次、自動搬送車130に移動指示するものとする。このようにすれば、自動搬送車130の製品搬送において、加工処理後の製品の無駄な待ち時間を最小限に抑えることができる。また、自動搬送車131は、各ブロックBL1〜BL4のホストコンピュータ150のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S25の送信を受けた場合には、その搬出予定時間の先後を不図示の判断手段によって判断して、時間の早いものから順次、該当するブロックのストッカ120へ移動するものとする。このようにすれば、自動搬送車131の製品搬送において、加工処理後の製品の無駄な待ち時間を最小限に抑えることができる。
[第2の実施形態]
本実施の形態に係る製品搬送システムの構成について説明する。当該製品搬送システムは、上記[第1の実施形態]に係る製品搬送システムと基本構成を同様とするものであるが、自動搬送車の代わりに作業者が製品の搬送を担う場合に適用されるものである。具体的には、ホストコンピュータが、自動搬送車に事前に送信する移動命令信号の代わりに、報知装置に対して製品搬出予定時間を報知することを事前に命令する報知命令信号を送信し、これを受けた報知装置が製品搬出予定時間を事前に作業者に報知することで移動指示するものである。
以下、本実施の形態に係る製品搬送システムの構成について、図4及び図5を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係る製品搬送システムの構成を模式的に表した概略構成図である。図5は、本発明の実施の形態に係る製品搬送システムの構成を模式的に表した平面図である。
図4及び図5に示すように、当該製品搬送システムは、半導体製品の加工工程毎に複数のブロックBL1〜BL4によって構成されている。これらの各ブロックBL1〜BL4は、半導体製品(以下、単に製品と称する)に対して一連の加工処理を行う複数の加工装置110と、加工装置110から搬出される加工処理後の製品の搬出予定時間を事前に作業者に対して報知する報知装置160と、作業者を介して加工処理後の製品を受け取り一時的に保管するストッカ120と、ストッカ120から加工処理後の製品が搬出される予定時間を事前に作業者に対して報知する報知装置161と、加工装置110、報知装置160、ストッカ120及び報知装置161を制御するホストコンピュータ150とを備えている。なお、作業者は、報知装置160による報知を受けて、加工装置110から製品を受け取りストッカ120まで搬送する役割を担う者と、報知装置161による報知を受けて、ストッカ120から加工処理後の製品を受け取り、次の加工処理工程となる他のブロックのストッカまで搬送する役割を担う者とに分かれている。また、加工装置110、報知装置160、161及びストッカ120と、ホストコンピュータ150は、後述する様々な信号の送受信を行う不図示の送受信手段をそれぞれ備えている。
報知装置160、161は、具体的には、表示部を備えた携帯端末であり、各加工装置110の製品搬出予定時間、各ストッカ120の製品搬出予定時間をそれぞれが表示することで、作業者に対して移動指示をする。なお、作業者は、その役割に応じて、これらの報知装置160、161をいずれかを常時携帯している。
次に、本実施の形態に係る製品搬送システムの作用について図4及び図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態に係る製品搬送システムの平面図である。
図4に示すように、加工装置110は、第1ステージ111と第2ステージ112のどちらか一方でも空きの状態であれば、ホストコンピュータ150にロード要求信号S11を送信して、加工処理前の装置の供給を要求する。
ロード要求信号S11を受信したホストコンピュータ150は、ストッカ120が加工処理前の製品を保管している場合には、ストッカ120に製品移動・保管信号S24を送信して、ストッカ120に保管されている製品を搬出するように指示する。
製品移動・保管信号S24を受信したストッカ120は、保管している加工処理前の製品を搬出する予定時間を製品搬出予告信号S25によってホストコンピュータ150に送信する。
製品搬出予告信号S25を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に報知命令信号S46を送信して、作業者が製品搬出予告信号S25の搬出予定時間に合わせてストッカ120の位置に移動するように指示する。なお、「搬出予定時間に合わせて」とは、「搬出予定時間に間に合うように」という意味であり、実際に作業者がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間と一致することが好ましい。
そのために、ホストコンピュータ150は、作業者が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する不図示の判断手段と、その判断に基づいて自動搬送車130に報知命令信号S46を送信するタイミングを調整する不図示の調整手段とを備える。そして、判断手段が、作業者がその搬出予定時間よりも前に移動することができると判断した場合には、調整手段が、作業者が実際にストッカ120の位置に移動する時間が搬出予定時間と一致するように報知装置160に報知命令信号S46を送信するタイミングを遅らせる調整をする。
ここで、判断手段は、より詳細には、不図示の記憶部に作業者の速度が予め記憶されており、不図示の検出手段が作業者の位置を検出し、不図示の算出手段が、その位置から製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置までの距離を算出して、さらに、その算出した距離と予め記憶された作業者の速度とからその移動時間を算出することで、作業者が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する。
なお、この搬出予定時間は、ホストコンピュータ150の不図示の設定手段によって設定されるが、例えば「搬出予定時間の5分前」と設定されている場合には、作業者がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも前になることがある。一方、ホストコンピュータ150は、加工装置110及びストッカ120のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S15、S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、報知装置160に報知命令信号S46を送信するが、このような場合には、作業者がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも後になることがある。
報知命令信号S46を受信した報知装置160は、作業者に対して、ストッカ120の搬出予定時間を報知する。この際、報知装置160の不図示の表示部にはその搬出予定時間が表示される。
その表示を見た作業者は、移動を開始して、ストッカ120の位置に移動すると、報知装置160によって移動完了信号S41をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
ストッカ120は、保管している加工処理前の製品を搬出する準備が完了すると、製品搬出許可信号S27をホストコンピュータ150に送信して、搬出準備完了を通知する。
製品搬出許可信号S27を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に製品受取開始信号S42を送信する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理前の製品の受け取り開始を指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、ストッカ120から製品を受け取り、報知装置160によってホストコンピュータ150に製品受取完了信号S43を送信して、加工処理前の製品の受け取り完了を通知する。
製品受取完了信号S43を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に移動命令信号S40を送信して、作業者が加工装置110の位置に移動するように指示する。
移動命令信号S40を受信した報知装置160は、作業者に対して、搬送先となる加工装置110を指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理前の製品を搬送する加工装置110を特定する情報が表示される。
その表示を見た作業者は、移動を開始して、加工装置110の位置に移動すると、報知装置160によって移動完了信号S41をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
移動完了信号S41を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に製品引渡開始信号S44を送信して、加工処理前の製品の引き渡しを指示する。
製品引渡開始信号S44を受信した報知装置160は、作業者に対して、加工処理前の製品の引き渡しを指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理前の製品の引き渡しを指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、加工装置110の第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方に加工処理前の製品を設置し、報知装置160によって製品引渡完了信号S45をホストコンピュータ150に送信して、加工処理前の製品の引き渡し完了を通知する。
加工装置110は、加工処理前の製品が第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方に設置されると、ホストコンピュータ150に製品設置完了信号S13を送信して、加工処理前の製品の設置完了を通知する。
製品設置完了信号S13を受信したホストコンピュータ150は、加工装置110に製品処理開始信号S14を送信して、加工装置110は、不図示の移動手段によって、製品を第1ステージ111または第2ステージ112から処理室113へ移動して、加工処理を開始する。
図4及び図6に示すように、加工装置110は、製品の加工処理が完了する前に、製品搬出予告信号S15をホストコンピュータ150に送信して、自身から搬出される加工処理後の製品の製品搬出予定時間を事前に予告する。
なお、この製品搬出予告信号S15を送るタイミングは、上記[第1の実施形態]と同様に、具体的には、段落[0045]〜[0048]に記載するように、加工装置110の仕様に応じて様々に設定することができる。
製品搬出予告信号S15を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に報知命令信号S46を事前に送信して、作業者が製品搬出予告信号S15の搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置に移動するように指示する。なお、上述したように「搬出予定時間に合わせて」とは、「搬出予定時間に間に合うように」という意味であり、実際に作業者がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間と一致することが好ましい。
そのために、ホストコンピュータ150は、作業者が製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する不図示の判断手段と、その判断に基づいて作業者に報知命令信号S46を送信するタイミングを調整する不図示の調整手段とを備える。そして、判断手段が、作業者がその搬出予定時間よりも前に移動することができると判断した場合には、調整手段が、作業者が実際に加工装置110の位置に移動する時間が搬出予定時間と一致するように報知装置160に報知命令信号S46を送信するタイミングを遅らせる調整をする。
ここで、判断手段は、より詳細には、不図示の記憶部に作業者の速度が予め記憶されており、不図示の検出手段が作業者の位置を検出し、不図示の算出手段が、その位置から製品搬出予告信号S15を送信したストッカ120の位置までの距離を算出して、さらに、その算出した距離と予め記憶された作業者の速度とからその移動時間を算出することで、作業者が製品搬出予告信号S15を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する。
なお、この搬出予定時間は、ホストコンピュータ150の不図示の設定手段によって設定されるが、例えば「搬出予定時間の5分前」と設定されている場合には、作業者が加工装置110の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも前になることがある。一方、ホストコンピュータ150は、加工装置110及びストッカ120のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S15、S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、報知装置160に報知命令信号S46を送信するが、このような場合には、作業者が加工装置110の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも後になることがある。
報知命令信号S46を受信した報知装置160は、作業者に対して、製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の搬出予定時間を報知する。この際、報知装置160の不図示の表示部にはその搬出予定時間が表示される。
その表示を見た作業者は、移動を開始して、搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S15を送信した加工装置110の位置に移動すると、報知装置160によって移動完了信号S41をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
加工装置110は、加工処理が完了して、加工処理後の製品を搬出することが可能な状態(不図示の移動手段によって、加工処理後の製品が処理室113から第1ステージ111または第2ステージ112へ移動された状態)になると、製品搬出許可信号S17をホストコンピュータ150に送信して、搬出許可を通知する。
製品搬出許可信号S17を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に製品受取開始信号S42を送信して、加工処理後の製品の受け取り開始を指示する。
製品受取開始信号S42を受信した報知装置160は、作業者に対して、加工処理後の製品の受け取り開始を指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理後の製品の受け取り開始を指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、加工装置110の第1ステージ111または第2ステージ112の空いている方に設置された加工処理後の製品を受け取り、報知装置160によってホストコンピュータ150に製品受取完了信号S43を送信して、加工処理後の製品の受け取り完了を通知する。
製品受取完了信号S43を受信したホストコンピュータ150は、報知装置160に移動命令信号S40を送信して、ストッカ120の位置に移動するように指示する。
移動命令信号S40を受信した報知装置160は、作業者に対して、ストッカ120の位置に移動するように指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、ストッカ120の位置への移動を指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、移動を開始して、ストッカ120の位置に移動すると、報知装置160によって移動完了信号S41をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
移動完了信号S41を受信したホストコンピュータ150は、ストッカ120から加工処理後の製品を受け入れ可能な状態を通知するロード要求信号S21が事前に送られていることを確認した上で、報知装置160に製品引渡開始信号S44を送信して、加工処理後の製品の引き渡しを指示する。
製品引渡開始信号S44を受信した報知装置160は、作業者に対して、加工処理後の製品の引き渡しを指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理後の製品の引き渡しを指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、加工処理後の製品をストッカ120に引き渡し、報知装置160によって製品引渡完了信号S45をホストコンピュータ150に送信して、加工処理後の製品の引き渡し完了を通知する。
図4及び図5に示すように、ストッカ120は、加工処理後の製品が所定の保管位置に設置されるとホストコンピュータ150に製品設置完了信号S23を送信して、加工処理後の製品の設置完了を通知する。
製品設置完了信号S23を受信したホストコンピュータ150は、加工処理後の製品を次の加工処理工程である別のブロックへと搬送するために、ストッカ120に製品移動・保管信号S24を送信して、一時的に保管されている加工処理後の製品を搬出するように指示する。
製品移動・保管信号S24を受信したストッカ120は、不図示の移動手段によって加工処理後の製品をその保管位置から搬出位置まで移動させるが、その移動が完了する前に、製品搬出予告信号S25をホストコンピュータ150に送信して、自身から搬出される加工処理後の製品の製品搬出予定時間を事前に予告する。
なお、この製品搬出予告信号S25を送るタイミングは、上記[第1の実施形態]と同様に、ストッカ120の仕様に応じて様々に設定することができる。
製品搬出予告信号S25を受信したホストコンピュータ150は、報知装置161に報知命令信号S46を事前に送信して、各ブロックBL1〜BL4間で加工処理後の製品の搬送を担う作業者が製品搬出予告信号S25の搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置に移動するように命令する。なお、上述したように「搬出予定時間に合わせて」とは、「搬出予定時間に間に合うように」という意味であり、実際に自動搬送車131がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間と一致することが好ましい。
そのために、ホストコンピュータ150は、作業者が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する不図示の判断手段と、その判断に基づいて報知装置161に報知命令信号S46を送信するタイミングを調整する不図示の調整手段とを備える。そして、判断手段が、作業者がその搬出予定時間よりも前に移動することができると判断した場合には、調整手段が、作業者が実際にストッカ120の位置に移動する時間が搬出予定時間と一致するように報知装置161に報知命令信号S46を送信するタイミングを遅らせる調整をする。
ここで、判断手段は、より詳細には、不図示の記憶部に作業者の速度が予め記憶されており、不図示の検出手段が作業者の位置を検出し、不図示の算出手段が、その位置から製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置までの距離を算出して、さらに、その算出した距離と予め記憶された作業者の速度とからその移動時間を算出することで、作業者が製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置にその搬出予定時間よりも前に移動することができるか否かを判断する。
なお、この搬出予定時間は、ホストコンピュータ150の不図示の設定手段によって設定されるが、例えば「搬出予定時間の5分前」と設定されている場合には、作業者がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも前になることがある。一方、作業者(または報知装置161であって良い)は、各ブロックBL1〜BL4のホストコンピュータ150のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S25の送信を受けた場合には、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、該当するブロックのストッカ120へ移動するが、このような場合には、作業者がストッカ120の位置に移動する時間は、搬出予定時間よりも後になることがある。
報知命令信号S46を受信した報知装置161は、作業者に対して、製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の搬出予定時間を報知する。この際、報知装置160の不図示の表示部にはその搬出予定時間が表示される。
その表示を見た作業者は、移動を開始して、搬出予定時間に合わせてその製品搬出予告信号S25を送信したストッカ120の位置に移動すると、報知装置161によって移動完了信号S41をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
ストッカ120は、加工処理後の製品を搬出することが可能な状態(不図示の移動手段によって、加工処理後の製品が保管位置から搬出位置へ移動された状態)になると、製品搬出許可信号S27をホストコンピュータ150に送信して、加工処理後の製品の搬出を許可する。
製品搬出許可信号S27を受信したホストコンピュータ150は、報知装置161に製品受取開始信号S42を送信して、加工処理後の製品の受け取りを指示する。
製品受取開始信号S42を受信した報知装置161は、作業者に対して、加工処理後の製品の受け取りを指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理後の製品の受け取りを指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、ストッカ120から加工処理後の製品を受け取り、報知装置160によってホストコンピュータ150に製品受取完了信号S43を送信して、加工処理後の製品の受け取り完了を通知する。
製品受取完了信号S43を受信したホストコンピュータ150は、報知装置161に移動命令信号S40を送信して、次の加工処理工程となるブロックのストッカの位置へ移動するように指示する。
移動命令信号S40を受信した報知装置161は、作業者に対して、次の加工処理工程となるブロックのストッカの位置へ移動するように指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、次の加工処理工程となるブロックのストッカを特定する情報が表示される。
その表示を見た作業者は、移動を開始して、次の加工処理工程となるブロックのストッカ120の位置に移動すると、報知装置161によって移動完了信号S41をホストコンピュータ150に送信して、移動完了を通知する。
移動完了信号S41を受信したホストコンピュータ150は、報知装置161に製品引渡開始信号S44を送信して、加工処理後の製品の引き渡しを指示する。
製品引渡開始信号S44を受信した報知装置161は、作業者に対して、加工処理後の製品の引き渡しを指示する。この際、報知装置160の不図示の表示部には、加工処理後の製品の引き渡しを指示する旨が表示される。
その表示を見た作業者は、加工処理後の製品をストッカ120に引き渡し、報知装置161によって製品引渡完了信号S45をホストコンピュータ150に送信して、加工処理後の製品の引き渡し完了を通知する。
次に、本実施の形態に係る製品搬送システムの効果について説明する。
以上に説明したように、本実施の形態に係る製品搬送システムにおいては、加工装置110ならびにストッカ120が、製品搬出予定時間を含んだ製品搬出予告信号S15、S25を事前にホストコンピュータ150に送信することで、ホストコンピュータ150が、報知装置160、161を介して、作業者をその製品搬出予定時間に合わせて、その製品搬出予告信号S15、S25を送信した加工装置110ならびにストッカ120の位置へ移動させることができるので、加工装置110ならびにストッカ120での無駄な待ち時間を解消して、加工処理後の製品をいち早く移動させることができる。その結果、製品搬送の無駄な時間が解消されて、PULL型生産での生産効率を高め、生産納期を短縮することができる。
なお、上述したようにホストコンピュータ150は、加工装置110及びストッカ120のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S15、S25の送信を受けた場合には、不図示の判断手段によって、その搬出予定時間が早いものから、順次、報知装置160に移動指示するものとする。このようにすれば、作業者の製品搬送において、加工処理後の製品の無駄な待ち時間を最小限に抑えることができる。また、作業者は、各ブロックBL1〜BL4のホストコンピュータ150のいずれか複数から十分な時間間隔を空けることなく製品搬出予告信号S25の送信を受けた場合には、その搬出予定時間の先後を判断して、時間の早いものから順次、該当するブロックのストッカ120へ移動するものとする。このようにすれば、製品搬送において、加工処理後の製品の無駄な待ち時間を最小限に抑えることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
例えば、報知装置160、161は、携帯端末に限らず、例えば掲示板やシグナルタワーであってよい。このような場合には、ホストコンピュータ150との「移動命令信号」、「移動完了信号」、「製品受取開始信号」、「製品受取完了信号」、「製品引渡信号」及び「製品引渡完了信号」の送受信が省かれることになるが、例えば製品を搬送する加工装置やストッカの指示は、上記「掲示板」や「シグナルタワー」における表示によって行うことができる。また、製品の受け取り開始が可能か否か、そして、製品の引き渡し開始が可能か否かは、作業者が加工装置やストッカの状態を確認することで判断できる。また、作業者の移動完了、製品の受け取り完了、製品の引き渡し完了は、ホストコンピュータ150が必ずしも認識している必要はないので、別段問題が生じることもない。