JP4772997B2 - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する際には、通常、触媒が使用される。
【0003】
上記触媒として従来から検討され、あるいは、使用されてきたものとしては、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジブチルジチオカルバミン酸クロムなどのクロム化合物、鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄などの鉄化合物、トリアルキルアミン類、ピリジン等の環状アミン類およびその4級塩などの含窒素化合物、スルフィド、スルホニウム塩などの含硫黄化合物、などの反応液に可溶な均一系触媒と、アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基をもつアニオン交換樹脂、などの反応液に不溶な不均一系触媒とがある。
【0004】
上記の均一系触媒は、反応基質と触媒が溶液中で均一に分散された状態で進行する。このため、均一系触媒を用いた場合には、反応速度が速く、反応転化率が高い。すなわち、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造においては、原料物質として用いる(メタ)アクリル酸全体のうち、実際に生成反応に関与する(メタ)アクリル酸の割合を高くすることができる。特に、反応液に可溶な均一系のクロム(Cr)化合物や鉄(Fe)化合物は、その触媒性能やコスト面から好ましく使用される場合が多い(特公昭43−18890号公報、特公昭45−8970号公報、特開昭52−19620号公報、特公昭61−25421号公報等)。しかしながら、不均一系触媒に比べると反応選択率が劣ることが多い、すなわち、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造において、製造後の全生成物中に占めるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの割合が低いことが多いなど、触媒性能のさらなる改善が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、クロム(Cr)化合物や鉄(Fe)化合物を利用しつつ、従来よりも触媒性能を向上させた、反応液に可溶な均一系触媒を用いる、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート製造用の触媒として従来単独では用いられていたもののその触媒性能は低いために実用的ではないと考えられていた特定の化合物、すなわち、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種を、クロム(Cr)化合物や鉄(Fe)化合物と併用して用いると、それぞれ単独で使用していた場合から予想される触媒性能に比べて格段にその性能が向上することが判明した。
【0007】
すなわち、本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒は、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応における原料の仕込み量は、(メタ)アクリル酸1モルに対して、アルキレンオキシドが1モル以上が好ましい範囲であり、より好ましくは1.0〜10モル、さらに好ましくは1.0〜5.0モル、さらにより好ましくは1.0〜3.0モル、特に好ましくは1.0〜2.0モルである。アルキレンオキシドの仕込み量が1.0モル未満の場合には、反応転化率が低下し、副生成物が増加するので好ましくない。また、アルキレンオキシドの仕込み量が多すぎると、特に、10モルを超えると、経済的に好ましくない。
【0009】
本発明において用いることが出来る(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸を意味する。
【0010】
本発明において用いることが出来るアルキレンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
【0011】
本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法は、触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒は、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒であることを特徴とする。
【0012】
本発明において触媒として使用できるクロム(Cr)化合物は、クロム(Cr)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化クロム、アセチルアセトンクロム、蟻酸クロム、酢酸クロム、アクリル酸クロム、メタクリル酸クロム、重クロム酸ソーダ、ジブチルジチオカルバミン酸クロムなどが挙げられる。
【0013】
本発明において触媒として使用できる鉄(Fe)化合物は、鉄(Fe)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、鉄粉、塩化鉄、蟻酸鉄、酢酸鉄、アクリル酸鉄、メタクリル酸鉄などが挙げられる。
【0014】
本発明においては、上記クロム(Cr)化合物と鉄(Fe)化合物とは併用して用いてもよく、また、それぞれ単独で用いてもよい。また、2種以上のクロム(Cr)化合物を併用してもよいし、2種以上の鉄(Fe)化合物を併用してもよい。
【0015】
本発明において触媒として使用できるイットリウム(Y)化合物は、イットリウム(Y)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンイットリウム、塩化イットリウム、酢酸イットリウム、硝酸イットリウム、硫酸イットリウム、アクリル酸イットリウムおよびメタクリル酸イットリウムなどが挙げられる。
【0016】
本発明において触媒として使用できるランタン(La)化合物は、ランタン(La)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、硝酸ランタン、硫酸ランタン、アクリル酸ランタンおよびメタクリル酸ランタンなどが挙げられる。
【0017】
本発明において触媒として使用できるセリウム(Ce)化合物は、セリウム(Ce)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンセリウム、塩化セリウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、アクリル酸セリウムおよびメタクリル酸セリウムなどが挙げられる。
【0018】
本発明において触媒として使用できるタングステン(W)化合物は、タングステン(W)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化タングステン、アクリル酸タングステンおよびメタクリル酸タングステンなどが挙げられる。
【0019】
本発明において触媒として使用できるジルコニウム(Zr)化合物は、ジルコニウム(Zr)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンジルコニウム、塩化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、、アクリル酸ジルコニウム、メタクリル酸ジルコニウム、ジルコニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、塩化ジルコニル、酢酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、アクリル酸ジルコニルおよびメタクリル酸ジルコニルなどが挙げられる。
【0020】
本発明において触媒として使用できるチタン(Ti)化合物は、チタン(Ti)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンプロポキシド、チタンイソプロポキシド、アクリル酸チタンおよびメタクリル酸チタンなどが挙げられる。
【0021】
本発明において触媒として使用できるバナジウム(V)化合物は、バナジウム(V)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンバナジウム、塩化バナジウム、ナフテン酸バナジウム、アクリル酸バナジウムおよびメタクリル酸バナジウムなどが挙げられる。
【0022】
本発明において触媒として使用できるリン(P)化合物は、リン(P)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリトルイルホスフィンおよび1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタンなどの、アルキルホスフィン類およびその(メタ)アクリル酸塩等の4級ホスホニウム塩などが挙げられる。
【0023】
本発明において触媒として使用できるアルミニウム(Al)化合物は、アルミニウム(Al)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、アセチルアセトンアルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アクリル酸アルミニウムおよびメタクリル酸アルミニウムなどが挙げられる。
【0024】
本発明において触媒として使用できるモリブデン(Mo)化合物は、モリブデン(Mo)原子を分子内に有する化合物で、かつ、前記反応液に可溶であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、塩化モリブデン、酢酸モリブデン、アクリル酸モリブデンおよびメタクリル酸モリブデンなどが挙げられる。
【0025】
本発明においては、上述のような、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれる少なくとも一種を、触媒として、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物と併用する。好ましくは、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物とリン(P)化合物とを併用することである。特に、リン(P)化合物として、ホスフィンおよび/またはホスホニウム塩を使用することが好ましい。なお、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれる2種以上を併用してもよい。
【0026】
本発明において、触媒として、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒を用いることにより、クロム(Cr)化合物や鉄(Fe)化合物を利用しつつ、従来よりも触媒性能を向上させることができる。より具体的には、副生成物の選択性に効果が見られ、特に、ジアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートの生成を抑制することができる。
【0027】
本発明にかかるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法においては、上述の、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物と、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒に、アミン化合物を触媒として併用してもよい。
【0028】
本発明において触媒として使用できるアミン化合物は、アミン官能基を分子内に有する化合物であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トリアルキルアミン類、ピリジン等の環状アミン類およびその4級塩などの均一系アミン化合物や、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基などの塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂などの不均一系アミン化合物が挙げられ、好ましくは、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基などの塩基性官能基を少なくとも1種含有する塩基性アニオン交換樹脂であり、より好ましくは、3級アミノ基、4級アンモニウム基およびピリジニウム基から選ばれる少なくとも1種の官能基を含有する塩基性アニオン交換樹脂である。
【0029】
本発明において、触媒として、上述のように、アミン化合物を触媒として併用することにより、前述の併用する前の効果に加えて、さらに、触媒活性に相乗効果が見られ、反応転化率が高くなるうえ、反応選択率も高くなる、などの効果が得られる。
【0030】
本発明で使用できる触媒の使用量は特に限定されないが、例えば、クロム(Cr)化合物および/または鉄(Fe)化合物と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒を用いる場合には、原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下することとなり、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるので好ましくない。
【0031】
また、上記触媒に、均一系触媒であるアミン化合物を触媒として併用する場合には、原料(メタ)アクリル酸に対して、0.01〜10モル%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは0.05〜5モル%、さらにより好ましくは0.1〜3モル%である。0.01モル%未満では、反応速度が小さくなるため反応時間が長くなり生産性が低下することとなり、10モル%を超えると、副生成物の反応選択性が高くなるので好ましくない。
【0032】
一方、上記触媒に、不均一系であるアミン化合物をバッチ反応の触媒として併用する場合は、原料(メタ)アクリル酸に対して、5〜80重量%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは10〜70重量%である。また、連続反応の触媒として併用する場合は、槽型反応器などで流動床形式で使用する場合には、反応液の体積に対して5〜90体積%の範囲で用いることが好ましく、より好ましくは10〜80体積%、さらにより好ましくは20〜80体積%であり、その際の滞留時間は0.01〜24時間の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは0.1〜15時間である。また、管型反応器などで固定床形式で使用する場合には、反応原料を含んだ液を、液空間速度(LHSV:h-1)が0.01〜20の範囲で通液することが好ましく、より好ましくは0.1〜10である。
【0033】
本発明において、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとの反応形態は、この種の反応に一般的に用いられている方法に従って行うことができる。
【0034】
例えば、バッチ式で反応を行う場合、(メタ)アクリル酸中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われる。溶媒中に(メタ)アクリル酸を溶解させてからアルキレンオキシドを導入してもよい。この際、アルキレンオキシドは、一括して、あるいは連続的にまたは間欠的に添加してもよい。そして連続的または間欠的に添加する場合、この種の反応においてよく行われるように、アルキレンオキシド導入後も反応を継続させて、いわゆる熟成を行い、反応を完結させることもできる。また、(メタ)アクリル酸も初期に一度に仕込む必要は必ずしもなく、いくつかに分割して投入することもできる。
【0035】
また、バッチ式で反応を行う場合、触媒は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解しておき、その後にアルキレンオキシドを導入するのが好ましい。また、(メタ)アクリル酸を分割投入する場合には、分割投入する(メタ)アクリル酸に触媒の一部を溶解し、(メタ)アクリル酸と共に投入してもよい。
【0036】
連続式で反応を行う場合には、(メタ)アクリル酸と液状のアルキレンオキシドを管型、槽型などの反応器内に連続的に投入し、連続的に反応液を反応器から抜き出して行われる。この際、触媒は、原料とともに連続的に供給して反応液とともに連続的に抜き出してもよいし、管型などの反応器の場合には、固体触媒を反応器内に充填して使用する、いわゆる固定床形式で使用してもよく、また、槽型の反応器の場合には、固体触媒を反応器内で反応液とともに流動させて使用する、いわゆる流動床形式で使用してもよい。また、これら連続反応の場合には、反応液の一部を循環させる形態をとってもよい。
【0037】
連続式で反応を行う場合、触媒は、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、溶媒またはそれらの混合液中に予め溶解しておいてから、反応器へ投入するのが好ましい。
【0038】
原料(メタ)アクリル酸と原料アルキレンオキシドの反応器への投入については、それぞれ別々の投入ラインから投入してもよいし、反応器へ投入する前に、配管、又は、ラインミキサー、ミキシングタンクなどで予め混合してから投入してもよい。また、反応器出口液を反応器入口へ循環させる場合には、この液を原料(メタ)アクリル酸、原料アルキレンオキシドと混合してから反応器へ投入してもよい。しかし、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドを別々の投入ラインから反応液中に投入した場合、(メタ)アクリル酸の投入口付近では反応液中のモル比が(メタ)アクリル酸過剰になるので、好ましくは、反応器へ投入する前に、それぞれの原料を配管などで予め混合してから投入するのがよい。
【0039】
反応温度は、通常、40〜130℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは50〜100℃の範囲である。反応温度が40℃よりも低ければ、反応の進行が遅くなって実用レベルから離れてしまい、一方、反応温度が130℃よりも高ければ、副生成物が多くなったり、原料である(メタ)アクリル酸や生成物であるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの重合等が起こるので好ましくない。
【0040】
また、この反応において反応を温和に進行させることなどを目的として、溶媒中で反応を行ってもよい。溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタンなどの一般的なものを用いることができる。反応時の系内圧力は、使用する原料の種類や混合比にもよるが、一般には加圧下で行われる。
【0041】
また、反応の際には、一般に用いられている重合防止剤を使用することができる。重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物;N−イソプロピル−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン化合物;ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩類;ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニル−N−ヒドロキシルアミン又はその塩等のニトロソ化合物;2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル等のN−オキシル化合物などが例示される。重合防止剤の添加量は、カルボン酸に対して0.0001〜1重量%が好ましく、より好ましくは0.001〜0.5重量%である。
【0042】
本発明で使用する触媒を回収再利用する場合には、蒸留により触媒と生成物とを分離させ、蒸留ボトム液として触媒を回収し、反応工程で再利用する方法や、他の溶剤を加え、触媒層と反応液層を2相分離させて触媒を回収し、反応に再利用する方法などが挙げられる。
【0043】
本発明の製造方法においては、得られた粗ヒドロキシアルキルエステルについて、必要に応じ、さらに精製を行ってもよい。精製方法としては、特に限定されないが、例えば、蒸留による精製が挙げられる。より具体的には、例えば、汎用の蒸留塔、充填塔や泡鐘塔、多孔板塔などの精留塔などを用いる蒸留が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、蒸留精製に他の精製手段を併用してもよい。また、精製時にも、前述の重合防止剤を適宜使用できる。
【0044】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0045】
−実施例1−
温度計、加熱冷却装置および攪拌機を備えた容積100mlのSUS−316製オートクレーブを用意し、オートクレーブ内を窒素ガス(窒素濃度100%)で置換した。
【0046】
このオートクレーブ内に、アクリル酸41g、重合防止剤としてのフェノチアジン0.04g、酸化プロピレン36g仕込み、触媒として塩化鉄を上記アクリル酸に対して0.8モル%、酢酸イットリウムを上記アクリル酸に対して1.5モル%となるように添加した。
【0047】
次に、オートクレーブ内の液温を反応温度である70℃に昇温した。この後、70℃を維持しながら2時間反応を継続した。
【0048】
反応後、反応液を冷却し、得られた反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、アクリル酸の反応転化率は77%、目的生成物であるヒドロキシプロピルアクリレートの反応選択率は94モル%、副生成物であるジプロピレングリコールモノアクリレートの反応選択率は4.6モル%であった。この結果を表1に示す。
【0049】
−実施例2〜12−
触媒として、塩化鉄および酢酸イットリウムの代わりに表1に示す触媒にした以外は、実施例1と同様の反応操作を行った。
【0050】
上記反応操作の後に得られた反応液について、アクリル酸の反応転化率、目的生成物であるヒドロキシプロピルアクリレートの反応選択率、および、副生成物であるジプロピレングリコールモノアクリレートの反応選択率を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果を実施例2〜6については表1に、実施例7〜12については表2に示す。
【0051】
−比較例1〜12−
触媒として、塩化鉄および酢酸イットリウムの代わりに表1に示す触媒にした以外は、実施例1と同様の反応操作を行った。
【0052】
上記反応操作の後に得られた反応液について、アクリル酸の反応転化率、目的生成物であるヒドロキシプロピルアクリレートの反応選択率、および、副生成物であるジプロピレングリコールモノアクリレートの反応選択率を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。その結果を表3に示す。
【0053】
【表1】
Figure 0004772997
【0054】
【表2】
Figure 0004772997
【0055】
【表3】
Figure 0004772997
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート製造用の触媒として従来単独では用いられていたもののその触媒性能は低いために実用的ではないと考えられていた特定の化合物、すなわち、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種を、クロム(Cr)化合物や鉄(Fe)化合物と併用して用いると、それぞれ単独で使用していた場合から予想される触媒性能に比べて格段にその性能が向上する、新規なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法を提供することができる。

Claims (3)

  1. 触媒の存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造する方法において、前記触媒は、クロム(Cr)化合物および鉄(Fe)化合物のいずれか一方と、イットリウム(Y)化合物、ランタン(La)化合物、セリウム(Ce)化合物、タングステン(W)化合物、ジルコニウム(Zr)化合物、チタン(Ti)化合物、バナジウム(V)化合物、リン(P)化合物、アルミニウム(Al)化合物、モリブデン(Mo)化合物から選ばれた少なくとも一種とを併用した触媒であり、かつ、前記反応液に可溶な均一系触媒であることを特徴とする、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
  2. 前記リン(P)化合物が、アルキルホスフィン類およびその4級ホスホニウム塩から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
  3. 前記触媒を、原料(メタ)アクリル酸に対して0.01〜10モル%の範囲で用いる、請求項1または2に記載のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法。
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