JP4767454B2 - 1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿気硬化型ウレタン系ポリマーを含有する1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物に関し、特に初期タック性に優れた1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物に関するものである。なお、初期タック性は、接着剤組成物の塗布後、接着剤組成物が硬化するまでのタック性のことを意味している。
【0002】
【従来の技術】
イソシアネート基末端のウレタンプレポリマーは、1液でありながら、空気中の水分或いは被着体の水分と反応し、耐水性や耐久性が良好な硬化皮膜となる。従って、このウレタンプレポリマーは、1液湿気硬化型接着剤組成物の原料として重宝されている。特に、トルエン等の有機溶剤を使用することなしに、無機充填剤、揺変剤、硬化触媒等を配合して1液湿気硬化型接着剤組成物とすることができ、環境にやさしい接着剤として注目されている。
【0003】
この接着剤は、種々の被着体に用いられうるが、例えば、木質系の床材を接着施工する際に用いられることが多く、反りを有する床タイルや長尺床材の接着施工の際には、使用されないことが多い。この理由は、ウレタンプレポリマーを含有する1液湿気硬化型接着剤組成物に、十分な初期タック性がなく、反りを有する床タイル等を収まりよく、接着することができないからである。また、初期タック性がないため、接着後にずれも生じやすく、床タイル等を所定の箇所に施工しにくいという欠点もあった。このため、初期タック性が要求される場合には、ウレタンプレポリマーを含有する無溶剤の1液湿気硬化型接着剤組成物は使用されないことが多く、相変わらず、溶剤形ウレタン系接着剤やエポキシ系接着剤等が使用されているというのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等は、ウレタンプレポリマー単独ではなく、ウレタンプレポリマーと他の初期タック性の良好な重合体とを混合して1液湿気硬化型接着剤組成物とすれば、良好な初期タック性が得られるのではないかと考えた。このような考えの下に、種々の重合体との組み合わせを検討したが、単なる混合物の状態では、所望の初期タック性を得ることは困難であった。例えば、重合体として、特開平1−279913号公報に記載されているイソシアネート基を持つ特殊なメタクリル系重合体を採用し、ウレタンプレポリマーと混合して1液湿気硬化型接着剤組成物としても、所望の初期タック性を得ることはできなかった。
【0005】
このため、本発明者等は、ウレタンプレポリマー及びメタクリル系重合体の原料段階で、即ち、ウレタンプレポリマー前駆体(ポリオール)とメタクリル系重合体の原料であるモノマーとを混合しておけば、また異なった物性のものが得られのではないかと考えた。つまり、ポリオール中でモノマーを重合させれば、ポリオールとメタクリル系重合体とが複雑に絡み合ったIPNポリマー(Inter Penetrated Networked Polymer)が得られ、粘度が向上して、タック性についても異なった挙動を示すのではないかと考えた。そこで、この方法を現実に行って湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得たところ、このウレタン系ポリマーは、良好な初期タック性を持っていることが判明した。本発明は、このような知見に基づいて、なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、(1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーと、(2)メタクリル酸メチルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない重合性不飽和モノマーからなるモノマー組成物を、液状ポリオール中に溶解させた後、該モノマー組成物中の各モノマーをラジカル重合させてメタクリル系重合体を得、その後、ポリイソシアネートを作用させて、該ポリオール及び該メタクリル系重合体にポリイソシアネート基を導入した湿気硬化型ウレタン系ポリマーと、充填剤とを含有する、常温で液状の1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物に関するものである。
【0007】
本発明においては、まず、(1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーと、(2)メタクリル酸メチルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない重合性不飽和モノマーからなるモノマー組成物を準備する。(1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーとしては、重合性のモノマーで水酸基を持つものであれば、どのようなものであっても良いが、一般的には、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルを用いるのが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が用いられる。分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーが用いられる理由は、この水酸基は重合後も水酸基の状態で残存し、ここにイソシアネート基を導入し、最終的にはウレタン結合を生ぜしめるためである。(1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーの量は、モノマー組成物中において、0.5〜10質量%であるのが好ましい。この量が0.5質量%未満であると、導入するイソシアネート基が少なくなるため、初期タック性を得られにくくなる。また、この量が10質量%を超えると、導入するイソシアネート基が多くなりすぎて、湿気硬化型ウレタン系ポリマーがゲル化を起こしやすくなる。なお、本件明細書において、(メタ)アクリル酸という表現は、メタクリル酸とアクリル酸のいずれであっても良いという意味である。
【0008】
モノマー組成物中にはメタクリル酸メチルが含有されている。メタクリル酸メチルが含有されていないと、その理由は定かではないが、良好な初期タック性が得られないので、好ましくない。メタクリル酸メチルの量は、モノマー組成物中において、30〜85質量%であるのが好ましい。この量が30質量%未満であったり、或いは85質量%を超えると、初期タック性が得られにくくなる。
【0009】
(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない重合性不飽和モノマーとしては、従来公知のいずれのものでも使用することができる。この代表例として、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルや、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル等を挙げることができる。特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸ブチル又は(メタ)アクリル酸長鎖アルキル(但し、長鎖アルキル基は、炭素数12〜15のアルキル基である。)である。(メタ)アクリル酸長鎖アルキルは、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル又は(メタ)アクリル酸ペンタデシルを単独で用いてもよいし、これら2種以上を混合して用いてもよい。
【0010】
モノマー組成物中には、重合開始剤が含有されていても良い。重合開始剤としては、従来公知のものが用いられ、例えば、過酸化水素、ベンゾイルパーオキシド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、アゾビスイソブチロニトリル等を用いることができる。これらの中でもアゾビスイソブチロニトリルが特に好ましい。
【0011】
準備されたモノマー組成物は、液状ポリオール中に溶解される。液状ポリオールとしては、従来、ウレタンプレポリマーを製造する際の前駆体として用いられているものであれば、どのようなものでも使用しうる。例えば、従来公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール又はその他のポリオール等を使用することができる。ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等を単独で又は混合して、アンモニア、エチレンジアミン、尿素、モノメチルジエタノールアミン、モノエチルジエタノールアミン等のアミン類の1種又は2種以上の存在下で、開環重合して得られる単一重合体、ランダム共重合体又はブロック共重合体等を用いることができる。また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA等のジオール類、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、ソルビトール等のポリオール類も、ポリエーテルポリオールの範疇に属するものとして、使用することができる。本発明においては、特に、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールが好適に使用しうる。
【0012】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸等のジカルボン酸単独もしくは混合物と、上記ジオール類単独もしくは混合物を重縮合して得られる重合体を用いることができる。また、ε−カプロラクトン、バレロラクトン等の開環重合物等、ヒマシ油等の活性水素を2個以上有する活性水素化合物等も用いることができる。
【0013】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオールや水添ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。
【0014】
液状ポリオール中へのモノマー組成物の配合量は、液状ポリオール100質量部に対して、モノマー組成物を1〜100質量部、特に好ましくは5〜75質量部配合し、そしてモノマー組成物を溶解させるのが好ましい。モノマー組成物の量が1質量部未満であると、最終的に得られるメタクリル系重合体の量が少なくなり、優れた初期タック性が得られにくくなる。また、モノマー組成物の量が100質量部を超えると、得られる湿気硬化型ウレタン系ポリマーが高粘度となり、接着剤として塗布しにくくなる傾向が生じる。
【0015】
モノマー組成物を液状ポリオール中に溶解させた後、これを加熱して重合する。即ち、(1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーと、(2)メタクリル酸メチルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない重合性不飽和モノマーとを重合させ、これらを構成単位とするメタクリル系重合体を得る。なお、この重合は、モノマー組成物中に重合開始剤が含有されている場合は、単に加熱するだけでよい。また、モノマー組成物中に重合開始剤が含有されていない場合は、重合前に、所定の重合開始剤を添加すれば良い。以上のようにして得られたメタクリル系重合体は、液状ポリオール中で重合するものであるため、液状ポリオールを構成しているポリアルキレングリコール等の高分子鎖と複雑に絡み合った状態となっている。
【0016】
本発明においては、重合が終わった後に、ポリイソシアネートを作用させ、ポリオールの水酸基及びメタクリル系重合体中の水酸基と反応させ、ポリオール及びメタクリル系重合体に、イソシアネート基を導入する。ポリイソシアネートの作用は、重合が終わった時点で行えば良く、重合物にポリイソシアネートを添加して加熱すれば良い。また、重合物にポリイソシアネートを添加する際、ポリオールを追加的に添加しても良い。ポリオールやメタクリル系重合体にイソシアネート基を導入するためのポリイソシアネートとしては、ウレタンプレポリマーを製造する際に用いている従来公知のものであれば、どのようなものでも使用できる。即ち、ジイソシアネート化合物、トリイソシアネート化合物、テトライソシアネート化合物等を用いることができる。具体的には、2,4’又は2,6’−トリレンジイソシアネート、2,4’又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート;3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;キシリレンジイソシアネート等のアリール脂肪族ポリイソシアネート;及びこれらのカルボジイミド変性又はイソシアヌレート変性ポリイソシアネート等が挙げられ、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートを用いるのが好ましい。
【0017】
イソシアネート基の導入が終われば、湿気硬化型ウレタン系ポリマーが得られる。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーは、上述した製造方法からも明らかなように、イソシアネート基が導入されたポリオール(即ち、ウレタンプレポリマー)と、イソシアネート基が導入されたメタクリル系重合体とで構成されている。そして、メタクリル系重合体はポリオール中で重合されたものであるため、メタクリル系重合体とポリオールとの各高分子鎖は、複雑に絡み合った状態となっている。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーには、未反応のポリイソシアネートが共存しているのが一般的である。このような湿気硬化型ウレタン系ポリマーは、湿気によって、イソシアネート基同士が結合して硬化し、従来のウレタンプレポリマーと同様に扱うことできる。即ち、トルエン等の有機溶剤を使用することなしに、無機充填剤、揺変剤、硬化触媒、希釈剤、可塑剤、粘性改良剤等の任意の添加剤を、湿気硬化型ウレタン系ポリマーに配合して、無溶剤形の1液湿気硬化型接着剤組成物として用いうるものである。
【0018】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明は、ウレタンプレポリマー前駆体(ポリオール)中で、メタクリル酸を含む特定組成のモノマーを重合することによって得られた、ウレタンプレポリマーとメタクリル系重合体とからなる湿気硬化型ウレタン系ポリマーと充填剤を含む1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物は、優れた初期タック性を有するとの発見に基づくものとして解釈されるべきである。
【0019】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造例1
メタクリル酸メチル50質量部、メタクリル酸長鎖アルキル(長鎖アルキルは、炭素数12〜15のアルキルの混合物である。)50質量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2質量部に、アゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を溶解させて、モノマー組成物を準備した。一方、分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール500質量部を入れた2Lのセパラブルフラスコを準備した。そして、2官能ポリプロピレングリコール中にモノマー組成物を投入し、窒素気流下、攪拌しながら90℃で3時間重合した。この結果、2官能ポリプロピレングリコール中で、メタクリル酸メチル、メタクリル酸長鎖アルキル及びメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを構成単位とするメタクリル系重合体が得られた。次に、3時間減圧加熱脱水を行い、その後冷却して室温まで戻った時点で4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を300質量部投入した。そして、90℃で3時間、窒素気流下にて攪拌しながらウレタン化反応を行い、即ち、2官能ポリプロピレングリコール及びメタクリル系重合体にイソシアネート基を導入し、湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。この湿気硬化型ウレタン系ポリマー(MDIと共存状態での粘度である。以下の実施例、比較例、使用例及び比較使用例においても、同様である。)の粘度は41000mPa・sであった。なお、粘度は、23℃下、BH型粘度計を用いて、10回転したときの粘度を測定したものである。
【0020】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造例2
メタクリル酸長鎖アルキルをアクリル酸ブチルに変更する他は、製造例1と同様にして湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーの粘度は36000mPa・sであった。
【0021】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造例3
分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール500質量部に代えて、分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール480質量部と、分子量2000の2官能ポリブタジエンポリオール(出光石油化学社製:商品名「R−45HT)20質量部との混合物を用いる他は、製造例2と同様にして湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーの粘度は48000mPa・sであった。
【0022】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造比較例1
メタクリル酸メチル50質量部及びメタクリル酸長鎖アルキル(長鎖アルキルは、炭素数12〜15のアルキルの混合物である。)50質量部に代えて、アクリル酸ブチル100質量部を用いる他は、製造例1と同様にして湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーの粘度は20000mPa・sであった。
【0023】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造比較例2
メタクリル酸メチル50質量部に代えて、アクリル酸ブチル50質量部を用いる他は、製造例1と同様にして湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーの粘度は30000mPa・sであった。
【0024】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造比較例3
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルを用いない他は、製造例1と同様にして湿気硬化型ウレタン系ポリマーを得た。この湿気硬化型ウレタン系ポリマーの粘度は32000mPa・sであった。
【0025】
湿気硬化型ウレタン系ポリマーの製造比較例4
2Lのセパラルブフラスコに、分子量2000の2官能ポリプロピレングリコール500質量部を入れた後、3時間減圧加熱脱水し、冷却して室温に戻った時点で、4,4' −ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を300質量部投入した。そして、90℃で3時間、窒素気流下にて攪拌しながらウレタン化反応を行い、即ち、2官能ポリプロピレングリコールにイソシアネート基を導入し、ウレタンプレポリマーを得た。このウレタンプレポリマーの粘度は7000mPa・sであった。
【0026】
実施例1
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマー500質量部と、脱水した重質炭酸カルシウム(充填剤)500質量部、シリカ系増粘剤10質量部を、5Lのプラネタリーミキサーに投入し、減圧下で固練りした。その後、これにイソパラフィン系希釈剤150質量部、アミン系触媒1質量部を投入し、減圧下にて攪拌混合して1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0027】
実施例2
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造例2で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用いる他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0028】
実施例3
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造例3で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用いる他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0029】
比較例1
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造比較例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用いる他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0030】
比較例2
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造比較例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用い、且つ、イソパラフィン系希釈剤150質量部から100質量部に変更する他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0031】
比較例3
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造比較例2で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用い、且つ、イソパラフィン系希釈剤150質量部から130質量部に変更する他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0032】
比較例4
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造比較例3で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用い、且つ、イソパラフィン系希釈剤150質量部から130質量部に変更する他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0033】
比較例5
製造例1で得られた湿気硬化型ウレタン系ポリマーに代えて、製造比較例4で得られたウレタンプレポリマーを用い、且つ、イソパラフィン系希釈剤150質量部から50質量部に変更する他は、実施例1と同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得た。
【0034】
実施例1〜3及び比較例1〜5に係る1液湿気硬化型接着剤組成物について、その粘度の測定と初期のずれ試験とを以下の方法で行った。そして、この結果を表1に示した。
〔粘度〕
粘度は、23℃下、BH型粘度計を用いて、20回転したときの粘度を測定したものである。
〔初期のずれ試験〕
標準条件(22±1℃、相対湿度55±5%)下にて、1液湿気硬化型接着剤組成物を、コニシ社製のE−1型クシ目ゴテにて、スレートに塗布し(塗布量約350g/m2)、所定時間放置した後、塩ビタイル(幅25mm、長さ100mm)を貼り合わせ、ずれ具合を手指で確認した。この結果を、以下の4段階で評価した。なお、所定時間放置したため、1液湿気硬化型接着剤組成物が硬化してしまい、塩ビタイルに接着剤組成物が転着しないものは、「××」と評価した。
◎・・・全くずれない
○・・・殆どずれない
△・・・抵抗感はあるがずれる
×・・・抵抗感なくずれる
【0035】
【表1】
【表1】
Figure 0004767454
【0036】
表1の結果から明らかなように、実施例1〜3に係る1液湿気硬化型接着剤組成物は、比較例1〜5に係るものに比べて、塗布後60分までは塩ビタイルを貼りつけることができ、しかも初期タック性に優れているので、ずれにくく、作業性が良好であることが分かる。なお、比較例2〜5に係るものは、希釈剤によって、実施例に係るものと同粘度に調整したが、それでも、初期タック性に劣り、ずれやすいものであった。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に用いる湿気硬化型ウレタン系ポリマーは、ウレタンプレポリマー前駆体(ポリオール)中において、メタクリル酸メチルや分子内に水酸基を持つ重合性モノマー等を重合せしめたため、ポリオールと重合して得られたメタクリル系重合体が複雑に絡み合った状態で、イソシアネート基が導入されたものとなっている。このため、タック性に優れているものである。従って、この湿気硬化型ウレタン系ポリマーを使用して、1液湿気硬化型接着剤組成物を得れば、この接着剤組成物は初期タック性が良好で、床タイル等を所定の箇所に施工した場合、この床タイル等がずれにくく、作業性が向上するという効果を奏する。
【0038】
また、この湿気硬化型ウレタン系ポリマーを用いれば、従来のウレタンプレポリマーと同様にして1液湿気硬化型接着剤組成物を得ることができる。即ち、有機溶剤を使用することなく、無溶剤形の1液湿気硬化型接着剤組成物を得ることができる。依って、この接着剤組成物を用いると、有機溶剤の悪臭や毒性から、作業者を守ることができ、環境上も好ましいものである。

Claims (5)

  1. (1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーと、(2)メタクリル酸メチルと、(3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない重合性不飽和モノマーからなるモノマー組成物を、液状ポリオール中に溶解させた後、該モノマー組成物中の各モノマーをラジカル重合させてメタクリル系重合体を得、その後、ポリイソシアネートを作用させて、該ポリオール及び該メタクリル系重合体にイソシアネート基を導入した湿気硬化型ウレタン系ポリマーと、
    充填剤とを含有する、
    常温で液状の1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物。
  2. (3)メタクリル酸メチル以外で且つ分子内に水酸基を有しない重合性不飽和モノマーとして、(メタ)アクリル酸アルキル(但し、アルキル基は、炭素数2以上のアルキル基である。)を用いる請求項1記載の1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物。
  3. (メタ)アクリル酸アルキルが、(メタ)アクリル酸ブチル又は(メタ)アクリル酸長鎖アルキル(但し、長鎖アルキル基は、炭素数12〜15のアルキル基である。)である請求項2記載の1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物。
  4. モノマー組成物中において、(1)分子内に水酸基を有する重合性不飽和モノマーは0.5〜10質量%であり、(2)メタクリル酸メチルは30〜85質量%である請求項1記載の1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物。
  5. 液状ポリオール100質量部に対して、モノマー組成物を1〜100質量部溶解させる請求項1記載の1液湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物。
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