JP2001011146A - 粘着付与樹脂の水分散体およびその製造方法ならびに水分散型感圧性接着剤組成物 - Google Patents

粘着付与樹脂の水分散体およびその製造方法ならびに水分散型感圧性接着剤組成物

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JP2001011146A
JP2001011146A JP11181108A JP18110899A JP2001011146A JP 2001011146 A JP2001011146 A JP 2001011146A JP 11181108 A JP11181108 A JP 11181108A JP 18110899 A JP18110899 A JP 18110899A JP 2001011146 A JP2001011146 A JP 2001011146A
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polyol
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Yutaka Moroishi
裕 諸石
Tetsuo Inoue
徹雄 井上
Hiroko Yamamoto
裕子 山本
Yoshitoku Yoshida
良徳 吉田
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水分散型感圧性接着剤への配合剤として有用
である、粘着付与樹脂を乳化剤を用いることなく水に安
定に分散させた水分散体を提供する。 【解決手段】 ポリオ―ル成分に粘着付与樹脂を混合
し、これにポリイソシアネ―ト成分を反応させ、上記ポ
リオ―ル成分に含ませたカルボキシル基を中和して水に
分散させ、残存するイソシアネ―ト基の反応による主鎖
延長を行つて、粘着付与樹脂をウレタンポリマ―ととも
に水に分散させた水分散体を製造する。または、ポリオ
―ル成分にポリイソシアネ―ト成分を反応させ、これに
アクリルモノマ―に溶解させた粘着付与樹脂を加え、上
記ポリオ―ル成分に含ませたカルボキシル基を中和して
水に分散させ、残存するイソシアネ―ト基の反応による
主鎖延長およびアクリルモノマ―の重合を行つて、粘着
付与樹脂をウレタンポリマ―およびアクリルポリマ―と
ともに水に分散させた水分散体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着付与樹脂の水
分散体とその製造方法、ならびに上記の水分散体を配合
した水分散型感圧性接着剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感圧性接着剤は、アクリル系ポリマ―や
天然ゴムなどからなる感圧接着性ポリマ―を主剤成分と
し、これに粘着付与樹脂や架橋剤を配合してなるもので
あり、これを通常は各種の支持体上に塗布乾燥して感圧
性接着シ―ト類とし、多くの分野で利用している。近
年、環境問題の高まりから、有機溶剤を用いない水分散
型感圧性接着剤が使用される頻度が多くなつている。
【0003】このような水分散型感圧性接着剤において
は、接着力の向上のために配合する粘着付与樹脂は、感
圧接着性ポリマ―と同様に水分散体とする必要がある。
粘着付与樹脂を水分散体にするには、有機溶剤に粘着付
与樹脂を溶解し、これを乳化剤を用いて水に分散させる
方法、さらに水中で有機溶剤を除去する方法、粘着付与
樹脂を溶融し、これを乳化剤を用いて水に分散させる方
法、モノマ―に粘着付与樹脂を溶解し、これを乳化重合
してポリマ―粒子中に粘着付与樹脂を取り込む方法など
が数多く提案され、実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法も、粘着付与樹脂を水に安定に分散させるには、
乳化剤を使用する必要があり、さらに、粘着付与樹脂の
種類や感圧接着性ポリマ―の種類、目的とする接着特性
に応じて、最適の乳化剤を選択する必要がある。このよ
うな乳化剤の選択は面倒であり、また、乳化剤の使用は
粘着付与樹脂を配合する感圧性接着剤の耐水性に悪影響
を与えるという問題がある。とくに、最近では、水分散
型感圧性接着剤において、乳化剤の使用を少なくして耐
水性を向上させる試みが種々なされており、このような
水分散型感圧性接着剤に対し、乳化剤を使用した粘着付
与樹脂の水分散体を配合したのでは、上記水分散型感圧
性接着剤の折角の耐水性向上効果が失われることにな
る。
【0005】本発明は、このような事情に照らし、粘着
付与樹脂を乳化剤を用いることなく水に安定に分散させ
た水分散体と、これを配合した接着特性と耐水性にすぐ
れる水分散型感圧性接着剤組成物を得ることを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、ポリオ―ル成分
とポリイソシアネ―ト成分を反応させて、水に安定に分
散されたウレタンポリマ―を生成する際に、またこのよ
うなウレタン反応系にさらにアクリルモノマ―を加えこ
のアクリルモノマ―を重合させて、ウレタンポリマ―と
ともにアクリルポリマ―を同時に生成する際に、上記ポ
リオ―ル成分に粘着付与樹脂を混合しておくか、あるい
は上記アクリルモノマ―に粘着付与樹脂を溶解しておく
と、上記のウレタンポリマ―などが粘着付与樹脂の水分
散化のための安定剤して作用し、その結果、粘着付与樹
脂を、乳化剤を使用することなく、ウレタンポリマ―ま
たはこれとアクリルポリマ―とともに、水に安定に分散
させた水分散体が得られ、この粘着付与樹脂の水分散体
を感圧接着性ポリマ―を主剤成分として含有する水分散
体に配合することで、接着特性にすぐれるとともに、乳
化剤を用いていないため、耐水性にもすぐれた水分散型
感圧性接着剤組成物が得られることを知り、本発明を完
成するに至つたものである。
【0007】本発明は、粘着付与樹脂を、ポリオ―ル成
分とポリイソシアネ―ト成分とからなるウレタンポリマ
―またはこれとアクリルポリマ―とともに、水に分散さ
せてなり、固形分中、粘着付与樹脂が40〜90重量
%、ポリオ―ル成分が5〜50重量%、ポリイソシアネ
―ト成分が1〜20重量%、アクリルポリマ―が0〜2
0重量%であることを特徴とする粘着付与樹脂の水分散
体(請求項1)、とくに上記ポリオ―ル成分がポリエ―
テルポリオ―ル、ポリエステルポリオ―ル、アクリルポ
リオ―ルまたはこれらの混合物からなる上記水分散体
(請求項2)に係るものである。また、本発明は、感圧
接着性ポリマ―を主剤成分として含有する水分散体に上
記構成の粘着付与樹脂の水分散体を配合したことを特徴
とする水分散型感圧性接着剤組成物(請求項5)に係る
ものである。
【0008】さらに、本発明は、上記構成の粘着付与樹
脂の水分散体の製造方法として、ポリオ―ル成分に粘着
付与樹脂を混合し、これにポリイソシアネ―ト成分を反
応させ、上記ポリオ―ル成分に含ませたカルボキシル基
を中和して水に分散させ、残存するイソシアネ―ト基の
反応による主鎖延長を行つて、粘着付与樹脂をウレタン
ポリマ―とともに水に分散させた水分散体を得ることを
特徴とする粘着付与樹脂の水分散体の製造方法(請求項
3)に係るものであり、またポリオ―ル成分にポリイソ
シアネ―ト成分を反応させ、これにアクリルモノマ―に
溶解させた粘着付与樹脂を加え、上記ポリオ―ル成分に
含ませたカルボキシル基を中和して水に分散させ、残存
するイソシアネ―ト基の反応による主鎖延長およびアク
リルモノマ―の重合を行つて、粘着付与樹脂をウレタン
ポリマ―およびアクリルポリマ―とともに水に分散させ
た水分散体を得ることを特徴とする粘着付与樹脂の水分
散体の製造方法(請求項4)に係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明における粘着付与樹脂とし
ては、ロジン系、変性ロジン系、ロジンエステル系、テ
ルペン系、テルペンフエノ―ル系、石油樹脂系、クマロ
ン・インデン系、スチレン系、キシレン系などの公知の
粘着付与樹脂をいずれも使用できる。この粘着付与樹脂
の軟化点についても、とくに限定されず、配合する水分
散型感圧性接着剤の目的とする接着特性に応じて適宜決
定できるが、一般には、軟化点が70〜160℃の粘着
付与樹脂が好ましく用いられる。
【0010】本発明におけるポリオ―ル成分は、1分子
中に少なくとも2個の水酸基を有するものであり、ポリ
エ―テルポリオ―ル、ポリエステルポリオ―ル、アクリ
ルポリオ―ルまたはこれらの混合物を主体としたものが
好ましい。ポリエ―テルポリオ―ルやポリエステルポリ
オ―ルは、数平均分子量が500〜4,000であるの
が望ましい。分子量が小さすぎるとウレタンのハ―ドセ
グメントが多くなり、安定剤としての生成ポリマ―が硬
くなりすぎて粘着付与樹脂本来の効果を低下させやす
く、また分子量が大きすぎると水への分散性に劣りやす
い。
【0011】ポリエ―テルポリオ―ルとしては、エチレ
ングリコ―ル、ジエチレングリコ―ル、プロピレングリ
コ―ル、ブチレングリコ―ル、ヘキサメチレングリコ―
ルなどの2価アルコ―ル、トリメチロ―ルプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリト―ルなどの3価アルコ―ル
などの低分子ポリオ―ルに、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを付加重合
させてなるものが用いられる。また、ポリエステルポリ
オ―ルとしては、上記の2価アルコ―ルや、ジプロピレ
ングリコ―ル、1,4−ブタンジオ―ル、1,6−ヘキ
サンジオ―ル、ネオペンチルグリコ―ルなどのアルコ―
ルと、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸などの2
塩基酸とを重縮合させてなるものが用いられる。
【0012】ポリオ―ル成分の主体として、上記のポリ
エ―テルポリオ―ルやポリエステルポリオ―ルを使用す
るときは、ポリイソシアネ―ト成分との反応後に中和し
て水に分散させるために、他のポリオ―ル成分として、
2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸、2,2−ジメチロ
―ル酢酸、2,2−ジメチロ―ル酪酸などのカルボキシ
ル基含有ポリオ―ルが併用される。このようなカルボキ
シル基含有ポリオ―ルは、他成分との溶解性や反応性の
点より、通常は、N−メチルピロリドンなどの極性溶媒
に溶解して加えるようにするのが望ましい。
【0013】アクリルポリオ―ルは、分子内に通常0.
00005〜0.0007当量/gの水酸基を有すると
ともに、通常0.0007〜0.003当量/gのカル
ボキシル基をも有する、数平均分子量が通常3,000
〜20,000のアクリルオリゴマ―ないしポリマ―で
あり、分子内に上記水酸基を有していることにより、ポ
リイソシアネ―ト成分と反応させて、ウレタンポリマ―
を構成させるものである。つまり、アクリルポリオ―ル
は、ウレタンポリマ―を構成させるために用いるポリオ
―ル成分の1種であり、ウレタンポリマ―を構成させる
ものではない、後述のアクリルポリマ―とは異なるもの
である。
【0014】アクリルポリオ―ルは、これ単独でも使用
できるが、通常は、ポリエ―テルポリオ―ルやポリエス
テルポリオ―ルとの混合物として、使用するのが望まし
い。この場合、ポリイシアネ―ト成分との反応後の水分
散性やその安定性の点より、ポリエ―テルポリオ―ルや
ポリエステルポリオ―ルが20〜80重量%、アクリル
ポリオ―ルが80〜20重量%となるようにするのがよ
い。また、アクリルポリオ―ルは分子内にカルボキシル
基を含んでおり、中和・水分散化のために、前記したカ
ルボキシル基含有ポリオ―ルを併用する必要はとくにな
い。
【0015】アクリルポリオ―ルは、アクリルモノマ―
にカルボキシル基を有する単量体や水酸基を有する単量
体を加えたモノマ―混合物を、重合開始剤と水酸基を有
する連鎖移動剤とを使用して、常法により、重合反応さ
せることにより、得られる。アクリルポリオ―ルと前記
ポリエ―テルポリオ―ルなどとの混合物とする場合、上
記モノマ―混合物の重合反応をポリエ―テルポリオ―ル
などの存在下で行えばよい。この場合、生成するアクリ
ルポリオ―ルの一部がポリエ―テルポリオ―ルなどにグ
ラフトすることにより、これらポリエ―テルポリオ―ル
との相溶性が良くなり、また重合反応が穏やかになるた
め、好ましい。
【0016】アクリルモノマ―としては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチ
ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イ
ソノニルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが
用いられる。これらのエステルとともに、全単量体中5
0重量%を超えない範囲で、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、スチレンやその誘導体、(メタ)アクリルアミ
ド、マレイン酸のモノまたはジエステル、N−メチロ―
ル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリ
レ―ト、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レ―ト、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、オリゴエステル(メタ)アクリレ―ト、ε
−カプロラクトン(メタ)アクリレ―トなどの他の単量
体を併用してもよい。
【0017】カルボキシル基を有する単量体としては、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などが用
いられる。また、水酸基を有する単量体としては、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレ―ト、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレ―ト、ヒドロキシブチル(メタ)ア
クリレ―トなどを使用することができる。さらに、重合
開始剤としては、2,2−アゾビスイソプロニトリルな
どのアゾ系の重合開始剤や、ベンゾイルパ―オキサイド
などの過酸化物系の重合開始剤が用いられる。また、水
酸基を有する連鎖移動剤としては、たとえば、2−メル
カプトエタノ―ル、1−メルカプト−2−プロパノ―
ル、3−メルカプト−1−プロパノ―ル、p−メルカプ
トフエノ―ルなどを使用することができる。
【0018】カルボキシル基を有する単量体は、アクリ
ルポリオ―ルのカルボキシル基の量が前記範囲内となる
ように、その使用量が決められる。アクリルポリオ―ル
のカルボキシル基の量が少なすぎると水への分散性に劣
り、多すぎても水を吸収するだけで分散しなくなり、好
ましくない。また、水酸基を有する単量体や水酸基を有
する連鎖移動剤は、アクリルポリオ―ルの水酸基の量が
前記範囲内となるように、その使用量が決められる。ア
クリルポリオ―ルの水酸基の量が少なすぎるとポリイソ
シアネ―ト成分との反応性に劣り、生成ポリマ―の物性
が安定しにくくなり、多すぎると生成ポリマ―が硬くな
り、好ましくない。
【0019】なお、水酸基を有する連鎖移動剤を使用す
ると、アクリルポリオ―ルの分子末端に水酸基を導入で
き、その結果、ポリイソシアネ―ト成分と反応させてよ
り高分子量で物性にすぐれたウレタンポリマ―を生成で
きるので、望ましい。また、重合開始剤の使用量ととも
に、水酸基を有する連鎖移動剤の使用量を適宜選択する
ことで、アクリルポリオ―ルの数平均分子量が前記範囲
内となるように容易に設定できる。アクリルポリオ―ル
の分子量が小さすぎると、安定剤として作用させるウレ
タンポリマ―が硬くなつて粘着付与樹脂本来の効果を低
下させやすく、また大きすぎると、水への分散性が劣
り、好ましくない。
【0020】本発明におけるポリイソシアネ―ト成分と
しては、芳香族、脂肪族または脂環式のポリイソシアネ
―トをいずれも使用できる。ポリオ―ル成分との速やか
な反応および水との反応の抑制の点から、イソホロンジ
イソシアネ―ト、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネ―ト、シクロヘキサン−1,4−ジイソシア
ネ―トなどの脂環式ポリイソシアネ―トを用いるのがと
くに好ましい。また、ポリイソシアネ―ト成分は、上記
のようなジイソシアネ―トが好ましいが、必要により、
トリ以上のポリイソシアネ―トを使用することもでき
る。
【0021】本発明におけるアクリルポリマ―とは、既
述したとおり、ポリイソシアネ―ト成分とのウレタン化
反応には関与しない、アクリルモノマ―の単独重合体ま
たは共重合体を意味するものである。ここで、アクリル
モノマ―としては、アクリルポリオ―ルの原料成分とし
て記載したのと同様の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを主成分とし、このアルキルエステルとともに、必
要により、全単量体中50重量%を超えない範囲で、上
記原料成分の1種として記載したのと同様の酢酸ビニル
などの他の単量体を使用してもよい。さらに、前記した
カルボキシル基を有する単量体や水酸基を有する単量体
を併用することもできる。
【0022】本発明においては、上記の粘着付与樹脂
を、乳化剤を使用することなく、上記のポリオ―ル成分
とポリイソシアネ―ト成分とからなるウレタンポリマ―
またはこれと上記のアクリルポリマ―とともに、水に均
一に分散させ、粘着付与樹脂の水分散体を構成させるよ
うにしたものである。ここで、上記各成分の使用量は、
水分散体の固形分中、粘着付与樹脂が40〜90重量
%、好ましくは45〜80重量%、ポリオ―ル成分が5
〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、ポリイソ
シアネ―ト成分が1〜20重量%、好ましくは2〜15
重量%、アクリルポリマ―が0〜20重量%、好ましく
は0〜15重量%である。粘着付与樹脂が40重量%未
満の少量となつて、ポリオ―ル成分が50重量%を超え
たり、ポリイソシアネ―ト成分が20重量%を超えた
り、アクリルポリマ―が20重量%を超えると、接着特
性の改善効果に乏しくなる。また逆に、粘着付与樹脂が
90重量%を超える多量となつて、ポリオ―ル成分が5
重量%未満、ポリイソシアネ―ト成分が1重量%未満と
なると、水分散体の安定性に劣りやすい。
【0023】本発明において、上記構成からなる粘着付
与樹脂の水分散体は、ポリオ―ル成分とポリイソシア
ネ―ト成分を反応させて水に安定に分散されたウレタン
ポリマ―を生成する際に、上記ポリオ―ル成分に粘着付
与樹脂を混合しておく方法、上記ウレタン反応系にさ
らにアクリルモノマ―を加えこのアクリルモノマ―を重
合させてウレタンポリマ―とともにアクリルポリマ―を
同時に生成する際に、上記アクリルモノマ―に粘着付与
樹脂を溶解しておく方法により、製造できる。また、必
要により、上記,の方法を組み合わせ、ポリオ―ル
成分に粘着付与樹脂を混合するとともに、アクリルモノ
マ―に粘着付与樹脂を溶解することで、水分散体中の粘
着付与樹脂の濃度を容易に高めることもできる。
【0024】上記の方法は、ポリオ―ル成分に粘着付
与樹脂を混合し、これにポリイソシアネ―ト成分を反応
させ、上記ポリオ―ル成分に含ませたカルボキシル基を
中和して水に分散させ、残存するイソシアネ―ト基の反
応による主鎖延長を行つて、粘着付与樹脂をウレタンポ
リマ―とともに水に均一かつ安定に分散させた水分散体
を製造するものである。上記カルボキシル基を含ませた
ポリオ―ル成分には、通常、前記のとおり、ポリエ―テ
ルポリオ―ルやポリエステルポリオ―ルに適量のカルボ
キシル基含有ポリオ―ル(たとえば、2,2−ジメチロ
―ルプロピオン酸など)を加えたものか、ポリエ―テル
ポリオ―ルやポリエステルポリオ―ルとアクリルポリオ
―ル(カルボキシル基含有)との混合物が用いられる。
【0025】このようなポリオ―ル成分に粘着付与樹脂
を混合する際は、加熱処理などを行つて、両者を均一に
混合する。また、この混合後、ポリイソシアネ―ト成分
を反応させる際は、イソシアネ―ト基と水酸基との反応
触媒として、ジブチルすずジラウレ―ト、オクトエ酸す
ず、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタンな
どを使用できる。ポリイソシアネ―ト成分の使用量は、
ポリオ―ル成分の全水酸基量に対する当量比(NCO/
OH比)が2〜9の範囲、とくにポリオ―ル成分がポリ
エ―テルポリオ―ルやポリエステルポリオ―ルとアクリ
ルポリオ―ルとの混合物である場合、上記当量比が2〜
5の範囲となるようにするのがよく、さらに好ましくは
2.1〜3.0の範囲となるようにする。ポリイソシア
ネ―ト成分が少なすぎると、この段階で主鎖延長が起こ
り高粘度となつて安定に水分散させ難く、逆に多すぎる
と未反応のポリイソシアネ―ト成分の残存量が多くな
り、粘着付与樹脂の配合による接着特性の改善効果が低
下してくる。
【0026】上記の反応により、遊離のイソシアネ―ト
基が残存するプレポリマ―、つまりウレタンプレポリマ
―を生成させ、これと粘着付与樹脂との均一混合物とし
たのち、上記プレポリマ―に含まれるポリオ―ル成分に
由来するカルボキシル基を中和して、水に分散させる。
中和のための塩基には、トリエチルアミンやアンモニア
などが用いられる。水への分散は、中和後の上記混合物
に水を加えるか、これとは逆に水に中和後の上記混合物
を加える方式で行えばよく、その際、均一になるように
十分に撹拌するのが望ましい。この水分散後、上記プレ
ポリマ―に残存するイソシアネ―ト基の反応による主鎖
延長を行い、高分子量のウレタンポリマ―を生成させる
と、粘着付与樹脂が上記ウレタンポリマ―とともに水に
均一かつ安定に分散された水分散体が得られる。上記の
主鎖延長に際しては、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミンなどのポリアミンを、残存するイソシアネ―ト基
に対して、当量となる割合で用いて、反応させるのが望
ましい。
【0027】また、上記の方法は、ポリオ―ル成分に
ポリイソシアネ―ト成分を反応させ、これにアクリルモ
ノマ―に溶解させた粘着付与樹脂を加え、上記ポリオ―
ル成分に含ませたカルボキシル基を中和して水に分散さ
せ、残存するイソシアネ―ト基の反応による主鎖延長お
よびアクリルモノマ―の重合を行つて、粘着付与樹脂を
ウレタンポリマ―およびアクリルポリマ―とともに水に
分散させた水分散体を製造するものである。なお、この
方法でも、カルボキシル基を含ませたポリオ―ル成分に
は、通常、ポリエ―テルポリオ―ルやポリエステルポリ
オ―ルに適量のカルボキシル基含有ポリオ―ル(たとえ
ば、2,2−ジメチロ―ルプロピオン酸など)を加えた
ものか、ポリエ―テルポリオ―ルやポリエステルポリオ
―ルとアクリルポリオ―ル(カルボキシル基含有)との
混合物が用いられる。
【0028】このようなポリオ―ル成分に、前記の方
法と同様に、ポリイソシアネ―ト成分を反応させて、ウ
レタンプレポリマ―を生成する。このプレポリマ―に、
アクリルモノマ―に溶解させた粘着付与樹脂を加えて、
均一に混合する。その後、上記プレポリマ―に含まれる
ポリオ―ル成分に由来するカルボキシル基を中和し、水
に分散させる。中和や水分散は、前記の方法と同様に
行える。水分散後、上記プレポリマ―に残存するイソシ
アネ―ト基の反応による主鎖延長を行い、かつアクリル
モノマ―の重合を行つて、高分子量のウレタンポリマ―
とアクリルポリマ―を生成させると、粘着付与樹脂が上
記ウレタンポリマ―およびアクリルポリマ―とともに水
に均一かつ安定に分散された水分散体が得られる。主鎖
延長は、前記の方法と同様に行え、また重合は、反応
系内に重合開始剤を加えて反応処理する方式で行える。
重合開始剤には、過硫酸アンモニウムなどの過酸化物や
水溶性のアゾ化合物などが用いられる。とくに好ましく
は、水中にイオン生成物を発生しないアゾ化合物を用い
るのがよい。油溶性の重合開始剤を用いる場合は、あら
かじめアクリルモノマ―中に混合しておいてもよい。
【0029】このようにして得られる粘着付与樹脂の水
分散体は、粘着付与樹脂、ポリオ―ル成分、ポリイソシ
アネ―ト成分およびアクリルポリマ―を、それぞれ前記
所定の範囲内で使用することにより、乳化剤を全く使用
していないにもかかわらず、安定な水分散体として取り
扱うことができる。このため、本発明においては、この
ような粘着付与樹脂の水分散体を、感圧接着性ポリマ―
を主剤成分として含有する水分散体に配合することによ
り、接着特性にすぐれるとともに、耐水性にもすぐれた
水分散型感圧性接着剤組成物を製造することができる。
【0030】感圧接着性ポリマ―を主剤成分として含有
する水分散体は、乳化重合法で得られるアクリル系ポリ
マ―や天然ゴムなどを含む水分散型感圧性接着剤、とく
に、耐水性の向上のために乳化剤の使用量を低減した上
記接着剤が好ましい。また、粘着付与樹脂を使用しない
以外は、前記,と同様の方法やそれに準ずる方法
(参考例1)で得られる、ウレタンポリマ―やこれとア
クリルポリマ―を含む、乳化剤無添加タイプの水分散型
感圧性接着剤が好ましく使用される。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。
【0032】実施例1 ポリプロピレングリコ―ル(数平均分子量4,000)
100部に、粘着付与樹脂として軟化点112℃のテル
ペンフエノ―ル樹脂120部を加え、120℃に加熱し
て均一な状態にした。これに、N−メチルピロリドン2
0部に溶解したジメチロ―ルプロピオン酸8部を加え、
100℃に加熱脱気して水分を取り除いた。4,4′−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト26部を加
え、さらにジブチルすずジラウレ―ト0.03部を加え
て、65℃で3時間反応させ、ポリオ―ル成分のイソシ
アネ―ト化を行つた。その後、トリエチルアミン3部を
加えて撹拌し、カルボキシル基の中和反応を行つた。こ
れに蒸留水480部を加え、分散処理した。さらに、エ
チレンジアミン1部を蒸留水で3倍に希釈して加え、残
存するイソシネ―ト基の反応による主鎖延長を行つた。
【0033】このようにして、粘着付与樹脂としての軟
化点112℃のテルペンフエノ―ル樹脂を、乳化剤を用
いることなく、ウレタンポリマ―とともに、水に安定に
分散させた水分散体を得た。この粘着付与樹脂の水分散
体は、固形分中、粘着付与樹脂(軟化点112℃のテル
ペンフエノ―ル樹脂)が46.5重量%、ポリオ―ル成
分が41.9重量%、ポリイソシアネ―ト成分が10重
量%(残りの成分には中和剤やウレタンの主鎖延長剤な
どが含まれる)であつた。
【0034】実施例2 ポリプロピレングリコ―ル(数平均分子量4,000)
100部に、N−メチルピロリドン20部に溶解したジ
メチロ―ルプロピオン酸8部を加え、100℃に加熱脱
気して水分を取り除いた。4,4′−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネ―ト26部を加え、さらにジブチル
すずジラウレ―ト0.03部を加えて、65℃で3時間
反応させ、ポリオ―ル成分のイソシアネ―ト化を行つ
た。これにアクリル酸ブチル37.5部に軟化点112
℃のテルペンフエノ―ル樹脂150部を均一に溶解した
溶液を加え、全体を均一に撹拌した。その後、トリエチ
ルアミン3部を加えて撹拌し、カルボキシル基の中和反
応を行つた。別のフラスコに蒸留水700部を入れ、
1.5時間窒素置換したのち、これに上記の中和物を滴
下ロ―トにより滴下し、分散処理した。これに、エチレ
ンジアミン1部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらに
アゾビスイソブチルバレロニトリル0.02部を加え
て、60℃に加熱して2時間反応させ、主鎖延長および
重合を行つた。
【0035】このようにして、粘着付与樹脂としての軟
化点112℃のテルペンフエノ―ル樹脂を、乳化剤を使
用することなく、ウレタンポリマ―およびアクリルポリ
マ―とともに、水に安定に分散させた水分散体を得た。
この粘着付与樹脂の水分散体は、固形分中、粘着付与樹
脂(軟化点112℃のテルペンフエノ―ル樹脂)が4
6.1重量%、ポリオ―ル成分が33.2重量%、ポリ
イソシアネ―ト成分が8重量%、アクリルポリマ―が1
1重量%(残りの成分には中和剤やウレタンの主鎖延長
剤などが含まれる)であつた。
【0036】実施例3 ポリテトラメチレングリコ―ル(数平均分子量3,00
0、水酸基0.00067当量/g)50部の存在下
で、アクリル酸ブチル25部、アクリル酸エチル20
部、アクリル酸4.5部および2−ヒドロキシエチルア
クリレ―ト0.5部からなるモノマ―混合物を、水酸基
を有する連鎖移動剤として2−メルカプトエタノ―ル1
部、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニト
リル0.05部を用いて、窒素気流下、50℃で6時間
重合反応を行つた。このようにして、数平均分子量3,
000のポリテトラメチレングリコ―ルと、カルボキシ
ル基が0.0012当量/g、水酸基が0.00033
当量/g、数平均分子量が7,400のアクリルポリオ
―ルとの混合物からなる粘稠液体を得た。なお、上記の
数平均分子量などの測定は、GPCにより行つたもので
ある。
【0037】この粘稠液体を、100℃に加熱して減圧
処理し、残存する水分を除去したのち、4,4′−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネ―ト15.2部(全水
酸基に対して2,3倍当量)を加え、さらにジブチルチ
ンジラウレ―ト0.01部を加え、65℃にし3時間反
応させて、ポリオ―ル成分のイソシアネ―ト化を行つ
た。これに、アクリル酸ブチル50部に粘着付与樹脂と
して軟化点100℃の重合ロジン200部を均一に溶解
した溶液を加え、全体を均一に撹拌した。その後、トリ
エチルアミン6.3部(カルボキシル基に対して等当
量)を加えて、カルボキシル基の中和反応を行つた。別
のフラスコに蒸留水850部を入れ、1.5時間窒素置
換したのち、これに上記の中和物を滴下ロ―トにより滴
下し、分散処理した。これに、エチレンジアミン1.9
部を蒸留水で3倍に希釈して加え、さらに2,2−アゾ
ビス〔2−(2−イミダゾリン−2イル)〕プロパン
0.02部を加えて重合反応を開始し、50℃で4時間
を保持したのち、70℃に昇温して1時間保持し、主鎖
延長および重合を行つた。
【0038】このようにして、粘着付与樹脂としての軟
化点100℃の重合ロジンを、乳化剤を使用することな
く、ウレタンポリマ―およびアクリルポリマ―ととも
に、水に安定に分散させた水分散体を得た。この粘着付
与樹脂の水分散体は、固形分中、粘着付与樹脂(軟化点
100℃の重合ロジン)が54.8重量%、ポリオ―ル
成分が27.3重量%、ポリイソシアネ―ト成分が4.
2重量%、アクリルポリマ―が13.7重量%(残りの
成分には中和剤やウレタンの主鎖延長剤などが含まれ
る)であつた。
【0039】実施例4 実施例3で得たポリテトラメチレングリコ―ルとアクリ
ルポリオ―ルとの混合物からなる粘稠液体100部に、
軟化点100℃の重合ロジン140部を加え、120℃
で加熱し、均一な液体にした。これを100℃に加熱し
て減圧処理し、残存する水分を除去した。これに、4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ―ト15.
2部(全水酸基に対して2.3倍当量)を加え、さらに
ジブチルチンジラウレ―ト0.01部を加え、65℃に
し3時間反応させて、ポリオ―ル成分のイソシアネ―ト
化を行つた。しかるのち、トリエチルアミン6.3部
(カルボキシル基に対して等当量)を加えて撹拌し、カ
ルボキシル基の中和反応を行つた。これに蒸留水350
部を加えて、分散処理した。さらに、エチレンジアミン
1.9部を蒸留水で3倍に希釈して加えて、残存するイ
ソシネ―ト基の反応による主鎖延長を行つた。
【0040】このようにして、粘着付与樹脂としての軟
化点100℃の重合ロジンを、乳化剤を用いることな
く、ウレタンポリマ―とともに、水に安定に分散させた
水分散体を得た。この粘着付与樹脂の水分散体は、固形
分中、粘着付与樹脂(軟化点100℃の重合ロジン)が
53.5重量%、ポリオ―ル成分が38.2重量%、ポ
リイソシアネ―ト成分が5.8重量%(残りの成分には
中和剤やウレタンの主鎖延長剤などが含まれる)であつ
た。
【0041】参考例1 ポリプロピレングリコ―ル(数平均分子量3,000、
水酸基0.00067当量/g)50部の存在下、アク
リル酸ブチル45部およびアクリル酸5部を、水酸基を
有する連鎖移動剤として2−メルカプトエタノ―ル1部
と、重合開始剤として2,2−アゾビスイソブチロニト
リル0.05部を用いて、窒素気流下、50℃で6時間
重合反応を行つて、粘稠液体を得た。この粘調液体は、
ポリプロピレングリコ―ルとアクリルポリオ―ルとの混
合物からなり、GPCによる測定で、ポリプロピレング
リコ―ルに由来する数平均分子量3,000のピ―ク
と、アクリルポリオ―ルに由来する数平均分子量7,5
00のピ―クとが認められ、上記アクリルポリオ―ル
は、カルボキシル基が0.0014当量/g、水酸基が
0.00025当量/gであることがわかつた。
【0042】この粘稠液体を、100℃に加熱して減圧
処理し、残存する水分を除去した。これに、イソホロン
ジイソシアネ―ト11.8部(全水酸基に対して2.3
倍当量)を加え、さらにジブチルチンジラウレ―ト0.
01部を加えて、65℃で3時間反応させて、水酸基を
イソシアネ―ト化した。さらに、トリエチルアミンを7
部(カルボキシル基に対して等当量)加えて、カルボキ
シル基を中和した。これに、撹拌しながら水150部を
加えて、分散処理した。その後、エチレンジアミン1.
8部(残存するイソシアネ―ト基に対して等当量)を水
16.2部で希釈して加え、65℃で3時間反応させ
て、分子骨格中に中和されたカルボキシル基を有するウ
レタンポリマ―を含有する水分散液を得た。
【0043】この水分散液(固形分42.2重量%)1
00部に、さらに水68部を加え、均一に撹拌後、アク
リル酸ブチル41.9部およびトリメチロ―ルプロパン
トリアクリレ―ト0.1部からなるモノマ―混合物を加
え、窒素気流下で1時間撹拌して、上記モノマ―混合物
をウレタンポリマ―粒子に吸収させたのち、50℃に昇
温し、これに2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリ
ン−2イル)〕プロパン0.02部を加えて、重合反応
を開始させた。50℃に4時間保持したのち、70℃に
昇温して1時間保持し、その後冷却した。
【0044】このようにして、感圧接着性ポリマ―であ
るウレタンポリマ―およびアクリルポリマ―を主剤成分
として含む水分散体を得、これを水分散型感圧性接着剤
組成物とした。この感圧性接着剤組成物は、乳化剤を全
く使用していなため、耐水性にすぐれるものであつた。
つぎに、この水分散型感圧性接着剤組成物を、厚さが2
5μmのポリエステルフイルムの上に、乾燥後の厚さが
40μmとなるように塗布し、120℃で3分乾燥し
て、感圧性接着テ―プを作製した。
【0045】実施例5〜8 参考例1で得た感圧接着性ポリマ―であるウレタンポリ
マ―およびアクリルポリマ―を主剤成分として含む水分
散体に、その固形分100部あたり、実施例1〜4で得
た粘着付与樹脂の水分散体を、粘着付与樹脂が20部と
なるように加え、均一に混合することにより、4種の水
分散型感圧性接着剤組成物を調製した。つぎに、この水
分散型感圧性接着剤組成物を使用した以外は、参考例1
と同様にして、4種の感圧性接着テ―プを作製した。
【0046】上記の参考例1および実施例5〜8で作製
した各感圧性接着テ―プについて、下記の方法により、
接着力および保持力(凝集力)を調べた。また、耐水性
試験として、上記感圧性接着テ―プを水中に浸漬し、2
4時間後の白化性を調べた。これらの結果は、表1に示
されるとおりであつた。
【0047】<接着力>20mm×100mmの大きさの感
圧性接着テ―プを、被着体として♯280のサンドペ―
パでサンデイングしたステンレス板に、2kgのロ―ラを
1往復させる方式で圧着し、23℃で20分経過後、引
張り速度300mm/分、23℃,65%RHの条件で、
剥離(180度剥離)に要する力を測定した。
【0048】<保持力(凝集力)>フエノ―ル樹脂板に
感圧性接着テ―プを10mm×20mmの接着面積で接着
し、20分経過後、80℃下に20分放置したのち、フ
エノ―ル樹脂板を垂下して接着テ―プの自由末端に50
0gの均一荷重を負荷し、80℃において接着テ―プが
落下するまでの時間(分)を測定した。
【0049】
【0050】上記の表1の結果から明らかなように、実
施例5〜8の感圧性接着テ―プは、参考例1で得たウレ
タンポリマ―およびアクリルポリマ―を主剤成分として
含む乳化剤無添加タイプの水分散体に、実施例1〜4の
粘着付与樹脂の水分散体を配合して、水分散型感圧性接
着剤組成物を構成させていることにより、粘着付与樹脂
の種類などに応じて、参考例1に基づく良好な保持力を
そのまま維持したまま、または上記保持力の大きな低下
をみることなく、接着力を増大でき、さらに参考例1の
すぐれた耐水性をそのまま維持できるものであることが
わかる。
【0051】なお、上記の実施例5〜8では、感圧接着
性ポリマ―であるウレタンポリマ―およびアクリルポリ
マ―を主剤成分として含む水分散体に対して、実施例1
〜4で得た粘着付与樹脂の水分散体を、上記の感圧接着
性ポリマ―100部あたり、粘着付与樹脂が20部とな
るように配合しているが、この量は、感圧接着性ポリマ
―の種類や粘着付与樹脂の種類、目的とする接着力や保
持力などの接着特性に応じて、適宜変更することができ
る。一般には、感圧接着性ポリマ―100部に対して、
粘着付与樹脂が10〜50部となる割合とするのがよ
い。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明では、ポリオ―ル
成分とポリイソシアネ―ト成分を反応させて水に安定に
分散されたウレタンポリマ―を生成する際に、またこの
ようなウレタン反応系にさらにアクリルモノマ―を加え
このアクリルモノマ―を重合させてウレタンポリマ―と
ともにアクリルポリマ―を同時に生成する際に、上記ポ
リオ―ル成分に粘着付与樹脂を混合するか、または上記
アクリルモノマ―に粘着付与樹脂を溶解することによ
り、粘着付与樹脂を、乳化剤を使用することなく、ウレ
タンポリマ―またはこれとアクリルポリマ―とともに、
水に安定に分散させた水分散体を得ることができ、これ
を感圧接着性ポリマ―を主剤成分として含有する水分散
体に配合することにより、接着特性にすぐれるととも
に、耐水性にもすぐれた水分散型感圧性接着剤組成物を
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 裕子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 吉田 良徳 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AE051 AF011 BA011 BC021 BG043 BG053 BK001 CK022 CK032 CK042 CK052 DE026 FD206 GJ01 HA07 4J034 BA03 BA07 BA08 DA01 DB04 DB08 DC50 DF01 DF14 DF24 DG01 DG03 DG04 DG06 DP18 DQ01 DQ04 DQ05 DQ15 HA01 HA07 HA11 HC11 HC22 HC52 HC71 JA01 JA24 JA25 JA30 LA16 MA21 MA22 MA26 MA29 QC05 RA08 4J040 DF042 DL151 EF081 EF111 EF131 JA03 JB09 KA26 LA07 QA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着付与樹脂を、ポリオ―ル成分とポリ
    イソシアネ―ト成分とからなるウレタンポリマ―または
    これとアクリルポリマ―とともに、水に分散させてな
    り、固形分中、粘着付与樹脂が40〜90重量%、ポリ
    オ―ル成分が5〜50重量%、ポリイソシアネ―ト成分
    が1〜20重量%、アクリルポリマ―が0〜20重量%
    であることを特徴とする粘着付与樹脂の水分散体。
  2. 【請求項2】 ポリオ―ル成分が、ポリエ―テルポリオ
    ―ル、ポリエステルポリオ―ル、アクリルポリオ―ルま
    たはこれらの混合物からなる請求項1に記載の粘着付与
    樹脂の水分散体。
  3. 【請求項3】 ポリオ―ル成分に粘着付与樹脂を混合
    し、これにポリイソシアネ―ト成分を反応させ、上記ポ
    リオ―ル成分に含ませたカルボキシル基を中和して水に
    分散させ、残存するイソシアネ―ト基の反応による主鎖
    延長を行つて、粘着付与樹脂をウレタンポリマ―ととも
    に水に分散させた水分散体を得ることを特徴とする粘着
    付与樹脂の水分散体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオ―ル成分にポリイソシアネ―ト成
    分を反応させ、これにアクリルモノマ―に溶解させた粘
    着付与樹脂を加え、上記ポリオ―ル成分に含ませたカル
    ボキシル基を中和して水に分散させ、残存するイソシア
    ネ―ト基の反応による主鎖延長およびアクリルモノマ―
    の重合を行つて、粘着付与樹脂をウレタンポリマ―およ
    びアクリルポリマ―とともに水に分散させた水分散体を
    得ることを特徴とする粘着付与樹脂の水分散体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 感圧接着性ポリマ―を主剤成分として含
    有する水分散体に、請求項1または2に記載の粘着付与
    樹脂の水分散体を配合したことを特徴とする水分散型感
    圧性接着剤組成物。
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