JP4766910B2 - チタン酸バリウム粉末の製法、チタン酸バリウム粉末、およびチタン酸バリウム焼結体 - Google Patents

チタン酸バリウム粉末の製法、チタン酸バリウム粉末、およびチタン酸バリウム焼結体 Download PDF

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本発明は、チタン酸バリウム粉末の製法、チタン酸バリウム粉末、およびチタン酸バリウム焼結体に関し、特に、誘電性、圧電性、半導性、その他各種の機能性電子材料として有用なチタン酸バリウム粉末の製法、チタン酸バリウム粉末、およびチタン酸バリウム焼結体に関する。
近年、誘電体セラミック粉末の一種であるチタン酸バリウム粉末は、積層セラミックコンデンサの小型高容量化の要求に応えるためにさらなる微粒化が図られている。一般に、チタン酸バリウム粉末の合成には炭酸バリウムと二酸化チタンの各原料粉末を所定量混合し、仮焼する固相法が用いられているが、この方法を用いて微粒のチタン酸バリウム粉末を得るために、元々、微粒に調製した炭酸バリウム粉末と二酸化チタン粉末とを用いて均一に混合することが行われている。このため、得られるチタン酸バリウム粉末を微粒化するために、固相法に用いる原料粉末についてもそれぞれ微粒化が行われている。
ここで、原料粉末のひとつである二酸化チタンについてより微細な粉末を得ようとすると、従来、生成する相はルチル型よりもアナターゼ型の方が支配的になってくることが知られているが、例えば、下記の特許文献1によれば、アナターゼ型の含有量の多い二酸化チタン粉末を用いることで微粒かつ正方晶性の高いチタン酸バリウム粉末を得ることができると記載されている。
特願2002−255552
しかしながら、アナターゼ型の含有量の多い微粒の二酸化チタン粉末を用いて得られたチタン酸バリウム粉末は粉末の状態では微粒の状態で形成されるものの、このチタン酸バリウム粉末は反応性が高いために、焼結後にはチタン酸バリウム結晶粒子が元のチタン酸バリウム粉末の粒径の数倍にも粒成長するという問題があった。因みに、焼成後にチタン酸バリウム粉末が粒成長しやすいものは積層セラミックコンデンサの誘電体層として絶縁性や高温負荷信頼性が劣ることとなる。
従って本発明は、焼成しても粒成長を抑制できる微粒のチタン酸バリウム粉末とその製法、並びに、このようなチタン酸バリウム粉末により得られる微粒なチタン酸バリウム結晶粒子からなるチタン酸バリウム焼結体を提供することを目的とする。
本発明のチタン酸バリウム粉末の製法は、BET法によって求めた比表面積が20m/g以上である、加熱分解により酸化バリウムを生成するバリウム化合物と、X線回折法より求められるルチル化率が30%以上、比表面積が30m/g以上である二酸化チタンとを混合し、500〜1000℃でかつ2〜4時間仮焼して、平均粒子径が90nm以下であるとともに、c/a比が1.005以上であり、かつ粉末中に炭酸バリウムが残存しているチタン酸バリウム粉末を得る工程を具備することを特徴とするものである。
また、上記チタン酸バリウム粉末の製法では、前記仮焼が、全圧1×10Pa以下の雰囲気圧力下で行われることが望ましい。また、前記バリウム化合物中のBaおよび前記二酸化チタン中のTiの原子比Ba/Tiが1.0001以上であることが望ましい。また、上記チタン酸バリウム粉末の製法では、前記バリウム化合物として、炭酸バリウムを用いることが望ましい。
そして、本発明のチタン酸バリウム粉末は、平均粒子径が0nm以下であるとともに、c/a比が1.005以上であり、かつ粉末中に炭酸バリウムが残存していることを特徴とする。
さらにまた、本発明のチタン酸バリウム焼結体は、上記のチタン酸バリウム粉末を成形し、焼成して得られ、平均粒径が100nm以下であるチタン酸バリウム結晶粒子を主体として形成されていることを特徴とするものであり、このようなチタン酸バリウム結晶粒子のc/a比は1.005以上であることが望ましい。
本発明によれば、チタン酸バリウム粉末を製造する場合に、上記のように、二酸化チタンとしてX線回折法により求めたルチル化率が30%以上、比表面積が30m/g以上のものを用いることにより、従来法に比べて微粒のチタン酸バリウム粉末を容易に形成できる。また、このようなチタン酸バリウム粉末を用いることにより、焼成後においても元のチタン酸バリウム粉末の粒径から、さほど粒成長しないチタン酸バリウム結晶粒子と、それにより形成される緻密なチタン酸バリウム焼結体を得ることができる。
本発明のチタン酸バリウム粉末の製法は下記のバリウム化合物および二酸化チタンを混合し、仮焼する工程、いわゆる固相法を用いることを特徴とするものである。
加熱分解により酸化バリウムを生成するバリウム化合物としては、たとえば、炭酸バリウム(BaCO)、水酸化バリウム(Ba(OH))などを用いることができ、ときには2種類以上のバリウム化合物を併用してもよいが、得られるチタン酸バリウム粉末中の水酸基量を低減できるという理由から炭酸バリウムがより好ましい。
つまり、バリウム化合物に含まれる水酸基量が少ないと、合成後のチタン酸バリウム粉末中において水酸基に基づく格子欠陥を低減できる。また、その純度は質量比で99.8%以上が好ましい。
また、このバリウム化合物はBET法によって求められる比表面積が20m/g以上、特に、30m/g以上と微粒であることが好ましく、例えば、電子顕微鏡観察から見積もられる平均粒子径として150nm以下であることが望ましい。
なお、電子顕微鏡観察から平均粒子径を見積る場合には、撮影した電子顕微鏡写真に対角線を引き、この対角線上にある粉末について各々最長径を求め、それらを平均化して求められる。
チタン化合物として用いる二酸化チタンの粉末はBET法によって求められる比表面積が0m/g以上であることが重要であり、特に、0m/g以上であることがより好ましい。二酸化チタンはBET法によって求められる比表面積が50m/g以上であると二酸化チタンの平均粒子径が小さいものとなり、これにより微粒のチタン酸バリウム粉末を容易に得ることができる。
つまり、この二酸化チタンについて電子顕微鏡観察から見積もられる平均粒子径は40nm以下であることが望ましい。チタン酸バリウム粉末を得る場合、二酸化チタンが核となりバリウム化合物との反応が進行することから、バリウム化合物の粒径よりもこの二酸化チタンの粒径が小さいことがチタン酸バリウム粉末の微粒化において効果が高いものである。
これに対して、二酸化チタンのBET法によって求められる比表面積が0m/gよりも小さいものを用いた場合、チタン酸バリウム粉末は自ずと平均粒子径が大きくなり、つまり、核となる二酸化チタンの平均粒子径が大きい場合には得られるチタン酸バリウム粉末が大きくなり、このようなチタン酸バリウム粉末では焼成後において緻密化も困難となる。なお、二酸化チタンについてもバリウム化合物と同じく電子顕微鏡観察から平均粒子径を見積るものである。
また、この二酸化チタンについてはX線回折法により求めたルチル化率が30%以上であることが重要であり、特に、50%以上、70%以上が好ましい。一方、二酸化チタンの反応性を維持し粒成長を抑えるという理由から90%以下が好ましい。
二酸化チタンのルチル化率が30%以上であると、共存するアナターゼ型の含有率が低くなり、このため反応性を低く抑えることができ、これにより合成後に得られるチタン酸バリウム粉末の粒成長を抑えることができる。
一方、二酸化チタン粉末のルチル化率が30%よりも少ない場合には、共存するアナターゼ型の含有率が高くなり、このため反応性が高くなり、特に、合成後に得られるチタン酸バリウム粉末を用いて形成される焼結体においてチタン酸バリウム結晶粒子が粒成長しやすくなる。また、この二酸化チタンについても水酸基に基づく格子欠陥を低減できるという理由から水酸基量は少ない方が好ましい。その純度は質量比で99.8%以上が好ましい。
本発明の製法に用いる二酸化チタン粉末は、通常、金属アルコキシド法、硫酸法などの液相法により製造できるが、特に、火炎や加熱またはプラズマを用いた溶液噴霧法により得られる粉末は微粒であってもルチル化率が高くしかも水酸基などの不純物量が少ないものとなる。
次に、上記したバリウム化合物および二酸化チタンを所定量、溶媒とともに混合し、乾燥処理を施した後に仮焼処理を行う。本発明の製法においてチタン酸バリウム粉末を得る場合、バリウムとチタンの組成はバリウム化合物中のBaと二酸化チタン中のTiの原子比Ba/Tiが1.0001以上としてバリウムリッチにすることが好ましい。バリウムリッチにすることによりチタン酸バリウム粉末を成形し焼成したときの結晶粒子の粒成長を抑制できる。
混合については、微粒な原料粉末であっても凝集を抑えた状態で均一な混合を行うという理由から混合装置としてボールミル、ビーズミル、ヘンシルミキサなどの混合機が好適に用いられる。
粉末混合に用いる溶媒は、原料粉末の純度を保ちつつ、混合後の原料粉末の分解を抑制するという理由から水またはイソプロピルアルコールが好適に用いられる。
また、原料粉末の混合時の分散性を高めるという理由から分散剤としてアニオン系のポリカルボン酸化合物やポリカルボン酸化合物が好適である。
混合後の配合原料の仮焼温度は500℃以上、1000℃以下とする。これは500℃以上であるとチタン酸バリウム粉末の正方晶性を高めることができ、一方、1000℃以下では粒成長を抑制することができる。また、この原料粉末の仮焼においては、通常、大気中での仮焼方法を好適に採用することができるが、本発明では、仮焼により合成される原料粉末中の未反応物や水酸基などの不純物量を低減するという理由から、特に、全圧1×10Pa以下の圧力下で仮焼することが好ましい。
次に上記した製法によって得られるチタン酸バリウム粉末について説明する。本発明
チタン酸バリウム粉末は、その平均粒子径が0nm以下であるとともに、正方晶性を示すc/a比が1.005以上であり、かつ粉末中に炭酸バリウムが残存していることを特徴とするものであり、特に、得られた粉末の正方晶性を高め非誘電率を向上するという理由から本発明のチタン酸バリウム粉末の平均粒子径は30nm以上が好ましい。なお、この炭酸バリウムが存在するというのはX線回折図にピークが確認できる状態である。
このように本発明のチタン酸バリウム粉末は平均粒子径が小さくても正方晶性が高いものでありながら、粉末中に炭酸バリウムが残存するという特異な性状を持つものである。
つまり、本発明のチタン酸バリウム粉末は高い正方晶性を示す主成分粉末とともに、未反応物をも含むことが大きな特徴であり、チタン酸バリウム粉末がこのような性状を有することにより、その後に当該粉末を成形し焼成して得られるチタン酸バリウム焼結体においては、それを構成する結晶粒子の粒成長を抑制して微細な状態で形成できるのである。
特に、本発明では、チタン酸バリウム粉末は二酸化チタン粉末からの粒成長率が3倍以下であるものが好ましい。
なお、粒成長率はチタン酸バリウム粉末の平均粒子径を二酸化チタンの平均粒子径で除して求める。また、二酸化チタンの平均子径およびチタン酸バリウム粉末の平均粒子径はそれぞれ電子顕微鏡写真に対角線を引き、その線上にある粉末や結晶粒子の最大径を測定し平均化して求める。
チタン酸バリウム粉末について正方晶性を示すc/a比が1.005よりも低いものは誘電体特性が低いものとなる。一方、0nmよりも大きい場合には、正方晶性およびそれによる比誘電率は高いものの薄層化に適合しないものとなる。
本発明のチタン酸バリウム焼結体は、上記のチタン酸バリウム粉末を成形し、焼成して得られたものである。その焼結体を構成するチタン酸バリウム結晶粒子の平均粒径が100nm以下であることを特徴とするものであり、特に、このようなチタン酸バリウム結晶粒子のc/a比は1.005以上であることが望ましい。
特に、本発明では、チタン酸バリウム焼結体を構成するチタン酸バリウム結晶粒子はチタン酸バリウム粉末からの粒成長率が2倍以下であるものが好ましい。
なお、粒成長率はチタン酸バリウム結晶粒子の平均粒径をチタン酸バリウム粉末の平均粒子径で除して求める。ここでチタン酸バリウム結晶粒子の平均粒径およびチタン酸バリウム粉末の平均粒子径はそれぞれ電子顕微鏡写真に対角線を引き、その線上にある粉末や結晶粒子の最大径を測定し平均化して求める。
このように本発明のチタン酸バリウム結晶粒子は焼成後においても、その平均粒径が元のチタン酸バリウム粉末の平均粒子径から数倍も大きくなるものではない上に、正方晶性も高く維持できるという利点を有する。一方、平均粒径が100nmよりも大きくなるような結晶粒子では誘電体層として高絶縁性および高信頼性は望めない。
これは、ルチル型がアナターゼ型に比べ安定性が高いこと、また、このことよりBaのTiO粒子への拡散がアナターゼ型に比べて遅く、合成後にも、チタン酸バリウム粉末の表面にBaリッチ層が形成されやすいために、このBaリッチ層の存在により結晶粒子の粒成長が阻害されるものと考えられる。
以下に、この発明について実験例に基づき具体的に説明する。
原料粉末として、下記の特徴を有するバリウム化合物と二酸化チタンを用いた。
炭酸バリウムは純度99.8重量%、BET法によって求めた比表面積が30m/gのものを用いた。
二酸化チタンは溶液噴霧法によって合成された、純度99.9%、BET法によって求めた比表面積が1〜100m/g、X線回折法で求めたルチル化率が5〜100%のものを用いた。ルチル化率は二酸化チタンを合成する際の熱分解条件をコントロールすることによって変化させた。
次に、上述の炭酸バリウムおよび二酸化チタンの各粉末を所定のモル比となるように秤量かつ調合した後ビーズミルにて湿式混合した。
次いで、この混合によって得られたスラリーを、蒸発乾燥工程に付した後、バッチ炉にて、最高温度450〜1100℃で全圧を変更して2〜4時間保持することによって仮焼した。仮焼後のチタン酸バリウム粉末を、ビーズミルを用いて解砕し、その粉体特性を分析した。その結果、得られたチタン酸バリウム粉末は、平均粒子径が32〜480nmであった。
この試料は、この発明の範囲内における最も典型的な例であり、高純度で、比表面積が大きく、ルチル化率の高い二酸化チタンを用いることによって、微粒でありかつ高い正方晶性を有するチタン酸バリウム粉末が得られることを示すものである。
以上のようにして得られた試料の各々に係るチタン酸バリウム粉末を用いて、以下のようにチタン酸バリウム焼結体を作製した。
まず、チタン酸バリウム粉末150gに対して、トルエンとエタノールの混合容積比が1対1の溶剤にポリビニルブチラールを20質量%溶解させたバインダ液108gと、可塑剤としてのジオクチルフタレート6gとを加え、ボールミルにて混合した後、グラビアコーターを用いて、厚み3μmのセラミックグリーンシートを成形した。次に、上述のセラミックグリーンシートを積層し圧着した。次に、上述のようにして得られたグリーンシート積層体をカットし得られた生の積層体を還元性雰囲気において1100℃で2時間焼成しチタン酸バリウム焼結体を得た。評価は以下の方法で行った。
用いた二酸化チタンのルチル化率はX線回折法により、二酸化チタンにおけるルチルの主ピークをRとアナターゼの主ピークをAとし、R/(R+A)から求めた。次に、用いた二酸化チタンの比表面積はBET法により求めた。次に、用いた二酸化チタンの平均粒子径は、電子顕微鏡観察写真に対角線を引き、対角線上にある粉末について、それぞれ最長径を求め、総数を平均化して求めた。次に、用いた炭酸バリウムの比表面積はBET法により求めた。次に、得られたチタン酸バリウム粉末の平均粒子径もまた、電子顕微鏡観察写真に対角線を引き、対角線上にある粉末について、それぞれ最長径を求め、総数を平均化して求めた。次に、得られたチタン酸バリウム粉末の粒成長倍率は、用いた二酸化チタンの平均粒子径の平均値と得られたチタン酸バリウム粉末の平均粒子径との比から求めた。次に、チタン酸バリウム焼結体中のチタン酸バリウム結晶粒子の平均粒径は、電子顕微鏡観察写真に対角線を引き、対角線上にある粉末について、それぞれ最長径を求め、総数を平均化して求めた。次に、得られた焼結体中のチタン酸バリウム結晶粒子の粒成長倍率は、得られたチタン酸バリウム粉末の平均粒子径と得られたチタン酸バリウム結晶粒子の平均粒子径との比から求めた。次に、このようにして得られたチタン酸バリウム焼結体について、表1に示すように、比誘電率(εr)を測定した。
比誘電率(εr)は温度20℃において周波数1kHz、電圧0.5V、1分間の測定
により求めた。結果を表1に示した。
Figure 0004766910
Figure 0004766910
表1、2から明らかなように、ルチル化率が30%以上、比表面積が30m/g以上を有する二酸化チタンと、炭酸バリウム粉末を用いて調製したチタン酸バリウム粉末は平均粒子径が90nm以下であり、これを用いて得られたチタン酸バリウム焼結体中の結晶粒子の平均粒径は100nm以下、つまり元のチタン酸バリウム粉末の平均粒子径からいずれも2倍以内の粒成長に抑えられたものが得られた。また、このチタン酸バリウム粉末を用いて作製した積層セラミックコンデンサは比誘電率が1700以上であった。
これに対して、ルチル化率が30%よりも低いか、または、比表面積が30m/gよりも小さい二酸化チタンを用いた場合、チタン酸バリウム粉末の平均粒子径は最低100nmであったが、これを焼結させたものでは結晶粒子の平均粒径が220nmと、元のチタン酸バリウム粉末の平均粒子径に対して2.2倍であり、その他のものはこれ以上の粒成長を示した。

Claims (7)

  1. BET法によって求めた比表面積が20m/g以上である、加熱分解により酸化バリウムを生成するバリウム化合物と、X線回折法より求められるルチル化率が30%以上、比表面積が30m/g以上である二酸化チタンとを混合し、500〜1000℃でかつ2〜4時間仮焼して、平均粒子径が90nm以下であるとともに、c/a比が1.005以上であり、かつ粉末中に炭酸バリウムが残存しているチタン酸バリウム粉末を得る工程を具備することを特徴とするチタン酸バリウム粉末の製法。
  2. 前記仮焼が、全圧1×10Pa以下の雰囲気圧力下で行われることを特徴とする請求項1に記載のチタン酸バリウム粉末の製法。
  3. 前記バリウム化合物中のBaおよび前記二酸化チタン中のTiの原子比Ba/Tiが1.0001以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のチタン酸バリウム粉末の製法。
  4. 前記バリウム化合物として、炭酸バリウムを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のチタン酸バリウム粉末の製法。
  5. 均粒子径が0nm以下であるとともに、c/a比が1.005以上であり、かつ粉末中に炭酸バリウムが残存していることを特徴とするチタン酸バリウム粉末。
  6. 請求項5に記載のチタン酸バリウム粉末を成形し、焼成して得られ、平均粒径が100nm以下であるチタン酸バリウム結晶粒子を主体として形成されていることを特徴とするチタン酸バリウム焼結体。
  7. 前記チタン酸バリウム結晶粒子のc/a比が1.005以上であることを特徴とする請求項6に記載のチタン酸バリウム焼結体。
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