ところで、近年においては、従来の構成が制御装置と負荷装置との間にスイッチング素子を配置していたのに対し、複数のスイッチング素子や他の機能を実現するための回路などを集積してなる汎用のICチップなどからなる駆動装置を、スイッチング素子の替わりに配置することが一般的になっている。これは、複数の負荷装置それぞれの動作を制御する場合における複数のスイッチング素子を配置(実装)する手間および配置に際してのコストを軽減すること、または、スイッチング素子によるPWM制御以外の機能を持たせることを目的とするものである。
ただ、このような駆動装置については、通常、スイッチング素子に入出力される信号からショートの発生を検出して外部に報知する機能は備えられていても、そのショートがHレベル側であるのかLレベル側であるのかについてまで報知するような構成となっていない。そのため、ショートが発生したことの報知内容だけでは、それがHレベル側であるのかLレベル側であるのかまでは特定することができない。
この問題については、駆動装置を、発生したショートがHレベル側であるのかLレベル側であるのかまで検出して外部に報知するような構成とすれば解決されるといえるが、そのような機能を駆動装置に備えることは駆動装置として汎用品を用いることができなくなり、結果的にコストが増加してしまうために望ましいことではない。
むしろ、駆動装置として汎用品を用いることを考えると、このような駆動装置によるショートの検出結果に基づいて、そのショートがHレベル側であるのかLレベル側であるのかについてまで特定できるように構成することが好ましい。これにより、駆動装置および負荷装置としてどのようなものを用いるかといった選択の自由度を高めることができるからである。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路においてショートが発生した場合、そのショートがHレベル側およびLレベル側のいずれへのショートであるのかを、駆動装置によるショートの検出結果に基づいて特定するための技術を提供することである。
上記課題を解決するため請求項1に記載の制御装置は、駆動装置を介して負荷装置の動作を制御する制御装置であって、負荷制御手段が、PWM信号を生成して前記駆動装置に入力することにより、該駆動装置を介して負荷装置に供給する駆動信号をPWM制御する。ここでいう駆動装置とは、外部から入力されるPWM信号に基づいて負荷装置に供給する駆動信号をPWM制御する制御機能,前記PWM信号の信号レベルと前記駆動信号の信号レベルとに基づいて負荷装置に至る経路がショートしたことを検出する検出機能,および,該検出機能によるショートの検出結果を外部からの問い合わせに応じて通知する通知機能を有する装置である。
こうして、駆動信号のPWM制御が行われている状態において、検出問合手段が、駆動装置に対して所定の問合期間間隔で検出結果を問い合わせると、この検出問合手段による問い合わせを受けた駆動装置から通知される検出結果に基づいて、検出判定手段が、駆動装置がショートを検出したか否かを判定する。
そして、レベル特定手段が、検出判定手段がショートを検出したと判定した以降、前記駆動装置との間でやりとりされる信号の状態に基づいて、前記駆動装置から負荷装置に至る経路にどのようなショートが発生しているかを特定する。
このように、本発明の制御装置であれば、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路にショートが発生した場合、そのショートが発生した以降にやりとりされる信号の状態で、そのショートがどのようなショートであるのかを特定することができる。
これにより、駆動装置からどのようなショートであるのかといったことが報知されなくても、駆動装置からショートの検出が報知されたことに基づいて、そのショートがどのようなショートであるのかを特定することができる。
なお、上述した駆動装置における通知機能が、例えば、検出機能によるショートの検出履歴を外部からの問い合わせに応じて通知する機能である場合には、請求項2に記載のような構成にするとよい。
請求項2に記載の制御装置は、検出問合手段が、駆動装置に対して所定の問合期間間隔で検出履歴を問い合わせて、また、検出判定手段が、検出問合手段による問い合わせを受けた駆動装置から通知される検出履歴に基づいて、この問い合わせまでの問合期間に駆動装置がショートを検出したか否かを判定する。
このように構成すれば、駆動装置側におけるショートの検出履歴に基づいて、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路にショートが発生したか否かを判定することができる。
また、上述したように、ショートが発生した以降に駆動装置との間でやりとりされる信号の状態に基づいて、そのショートがどのようなショートであるのかを特定するための構成としては、例えば、請求項3に記載のような構成を考えることができる。
請求項3に記載の制御装置では、検出判定手段がショートを検出したと判定した場合、デューティ固定手段が、負荷制御手段により生成されるPWM信号のデューティ比を0または100%に固定する。また、検出問合手段は、負荷制御手段により駆動装置に入力するPWM信号の信号レベルが、少なくともLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化するまでに要する期間より長い期間を、問合期間として駆動装置に対する問い合わせを行う。そして、デューティ固定手段によりPWM信号のデューティ比が固定された以降、レベル特定手段が、検出問合手段による問い合わせを受けた駆動装置から通知される検出履歴の変遷に基づいて、駆動装置から負荷装置に至る経路にどのようなショートが発生しているかを特定する。
このように、本発明の制御装置であれば、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路においてショートが発生した場合、そのショートがどのようなショートであるのかを、駆動装置へのPWM信号のデューティ比を固定した前後における駆動装置からの通知内容の変遷,つまり駆動装置におけるショートの検出履歴に基づいて特定することができる。
また、上述した駆動装置は、PWM信号の信号レベルと駆動信号の信号レベルとに基づいてショートを検出する構成となっている。そのため、負荷装置に至る経路がショートにより一定のレベル(LレベルまたはHレベル)に固定された状態においても、そのショートの種類と、その時点におけるPWM信号の信号レベルとの関係によっては、検出機能によりショートしたことが検出されない場合がある。駆動装置は、この時点で外部からの問い合わせを受けてしまうと、実際にはショートが継続的に発生しているにも拘わらず、前回の問い合わせ以降にショートが発生していないかのような検出履歴を通知してしまう恐れがある。
具体的な例として、実際に発生したショートの種類との関係で、PWM信号の信号レベルがLレベル(またはHレベル)となっているときに検出機能による検出がなされる場合を考えると、PWM信号の信号レベルがHレベル(またはLレベル)となっている間は、該当する種類のショートが発生していたとしても、検出機能によりショートが検出されることはない。つまり、駆動装置は、PWM信号の信号レベルがLレベル(またはHレベル)になる前に問い合わせを受けてしまった場合、前回の問い合わせ以降にショートが発生していない旨の検出履歴を通知することとなる。
このことから、駆動装置に対する問い合わせの間隔が、少なくともPWM信号の信号レベルがHレベル(またはLレベル)となっている期間よりも長くないと、この問い合わせまでの期間において該当する種類のショートが発生したことが検出機能により検出されず、この期間においてショートが発生していない旨の検出履歴が通知されてしまう場合がある。このような場合には、制御装置側において適切なショートの検出,および,その種類の特定を行うことができなくなってしまう。
ところが、請求項3の制御装置において、検出問合手段による問い合わせは、負荷制御手段により駆動装置に入力するPWM信号における信号レベルが、少なくともHレベルからLレベル(またはLレベルからHレベル)に変化するまでの期間より長い期間を問合期間とし、この問合期間間隔で行われる。このような問合期間であれば、駆動装置に入力されたPWM信号の信号レベルがLレベルおよびHレベルとなっている期間を必ず含んでいるため、PWM信号の信号レベルがHレベル(またはLレベル)となっている間にショートが検出されなかったとしても、Lレベル(またはHレベル)となっている間にショートが検出されることとなる。そのため、このような問合期間間隔で駆動装置に対する検出履歴の問い合わせを行うことによって、駆動装置側で実際にショートが発生しているにも拘わらず検出機能によるショートが検出されずにその旨の検出履歴の通知を受けてしまう、といったことを防止することができる。
なお、この構成における検出判定手段は、駆動装置から通知された検出履歴に基づいて問合期間にショートが検出されたか否かを判定する手段であり、その具体的な判定方法については特に限定されない。例えば、駆動装置が、外部からの問い合わせを受けてから次の問い合わせを受けるまでの間に検出された全てのショートが特定可能な検出履歴を通知するように構成されていれば、ショートが発生した旨を示す検出履歴が通知された場合に、ショートが検出されたと判定するように構成すればよい。
また、上述した検出問合手段が駆動装置に対して問い合わせを行う問合期間は、負荷制御手段により駆動装置に入力するPWM信号における信号レベルが、少なくともLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化するまでの期間より長い期間であればよい。例えば、負荷制御手段により生成されるPWM信号のデューティ比が50%以下で固定されている場合であれば、「PWM信号の周期×(1−デューティ比)<問合期間」で示される期間を問合期間とすることが考えられる。また、PWM信号が50%より大きなディーティ比で固定されている場合であれば、「PWM信号の周期×デューティ比<問合期間」で示される期間を問合期間とすることが考えられる。また、PWM信号のデューティ比に拘わらず、駆動装置に入力されることとなるPWM信号の周期以上となる期間を問合期間とすることも考えられる。
また、負荷制御手段が、複数種類の周期またはデューティ比にてPWM信号を前記駆動装置に入力するように構成されている場合、検出問合手段は、例えば、請求項4に記載のように、前記負荷制御手段が前記駆動装置に入力する次のPWM信号における信号レベルが、少なくともLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化するまでの期間より長い期間を、次に問い合わせを行うまでの前記問合期間として前記駆動装置に対する問い合わせを行う、ように構成することが考えられる。
このように構成すれば、次に検出履歴の問い合わせを行うまでの問合期間が、PWM信号の周期またはデューティ比に応じて変更される。具体的にいうと、駆動装置に入力される次のPWM信号の信号レベルがLレベルからHレベル(またはHレベルからLレベル)に変化するのに要する期間を含んだ期間となるように問合期間が変更される。これにより、PWM信号を複数種類の周期またはデューティ比に変更しながら駆動装置に入力する場合であっても、その都度、PWM信号の信号レベルがLレベルからHレベル(またはHレベルからLレベル)に変化する期間を含んだ期間を問合期間として、次の検出履歴の問い合わせを行うことができる。
また、負荷制御手段が、複数種類の周期にてPWM信号を前記駆動装置に入力するように構成されている場合、検出問合手段は、請求項5に記載のように、前記負荷制御手段が前記駆動装置に入力する次のPWM信号において、信号レベルがLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化するまでの変化期間が、あらかじめ定められた期間を超える長さである場合に、前記変化期間より長い期間を、次に問い合わせを行うまでの前記問合期間とする一方、前記変化期間が、あらかじめ定められた期間以下の長さである場合に、あらかじめ定められた期間を、次に問い合わせを行うまでの前記問合期間として、前記駆動装置に対する問い合わせを行う、ように構成することが考えられる。
このように構成すれば、次に問い合わせを行うまでの問合期間は、以降に駆動装置に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルからHレベル(またはHレベルからLレベル)に変化する期間が、あらかじめ定められた期間を超えている場合、その期間に応じて変更される。具体的に言うと、駆動装置に入力される次のPWM信号の信号レベルがLレベルからHレベル(またはHレベルからLレベル)に変化するのに要する期間を含んだ期間となるように問合期間が変更される。これにより、PWM信号を複数種類の周期またはデューティ比に変更しながら駆動装置に入力する場合であっても、変化期間があらかじめ定められた期間を超えていれば、その都度、PWM信号の信号レベルがLレベルからHレベル(またはHレベルからLレベル)に変化する期間を含んだ期間を問合期間として、次の検出履歴の問い合わせを行うことができる。
また、上述した制御装置において、駆動装置における制御機能が、外部から入力されるPWM信号に基づいて負荷装置に供給する駆動信号を、該負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側でPWM制御する機能である場合、レベル特定手段は、請求項6に記載のように構成するとよい。
請求項6に記載の制御装置において、レベル特定手段は、デューティ固定手段によりPWM信号のデューティ比が固定された後、検出判定手段がショートを検出していないと判定した場合に、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルの反対となる信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定する。その一方、検出判定手段がショートを検出していると判定した場合に、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定する。
ここでは、駆動装置による駆動信号のPWM制御が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側で行われている。そのため、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートした場合、この経路では、PWM信号とは無関係にLレベル側に固定され、駆動装置に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間でも、駆動信号の信号レベルがHレベルにならなくなる。また、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートした場合、この経路では、PWM信号とは無関係にHレベル側に固定され、駆動装置に入力されるPWM信号の信号レベルがHレベルとなっている期間でも、駆動信号の信号レベルがLレベルにならなくなる。こうして、駆動装置は、負荷装置に至る経路における駆動信号がPWM信号に伴って変化すべき信号レベルとならないことを、その経路にショートが発生したこととして検出機能により検出し、その検出履歴を通知機能により報知することとなる。
そして、レベル特定手段が、デューティ固定手段によりPWM信号のデューティ比が固定された以降の駆動装置からの検出履歴の変遷に基づいて、Hレベル側へのショートであるのかLレベル側へのショートであるのかを特定する。すなわち、その後に、検出判定手段がショートを検出していないと判定すれば、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルの反対となる信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定する一方、検出判定手段がショートを検出していると判定すれば、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定する。
具体的にいうと、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートした場合、PWM信号のデューティ比が0%(つまりLレベル側)に固定されると、この経路における駆動信号がHレベル側に変化しなければならないところがショートによりHレベル側に固定されているために、駆動信号がHレベル側に変化したとみなさる。そうすると、駆動装置においてショートが検出されない旨を示す検出履歴が通知されて、検出判定手段が、ショートを検出していないと判定することになる。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%(つまりHレベル側)に固定されると、この経路における駆動信号がLレベル側に変化しなければならないところがショートによりHレベル側に固定されているために、駆動信号がHレベル側のまま変化していないとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出される旨を示す検出履歴が通知されて、検出判定手段が、ショートを検出していると判定することになる。
そのため、レベル判定手段は、PWM信号のデューティ比が0%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していないと判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルと反対の信号レベルであるHレベル側にショートしたと特定する。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していると判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルであるHレベル側にショートしたと特定する。
また、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートした場合、PWM信号のデューティ比が0%に固定されると、この経路における駆動信号がHレベル側に変化しなければならないところがショートによりLレベル側に固定されているために、駆動信号がLレベル側のまま変化していないとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出された旨を示す検出履歴が通知され、検出判定手段が、ショートを検出していると判定することになる。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%に固定されると、この経路における駆動信号がLレベル側に変化しなければならないところがショートによりLレベル側に固定されているために、駆動信号がLレベル側に変化しているとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出されない旨を示す検出履歴が通知され、検出判定手段が、ショートを検出していないと判定することになる。
そのため、レベル判定手段は、PWM信号のデューティ比が0%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していると判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルであるLレベル側にショートしたと特定する。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していないと判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルと反対の信号レベルであるLレベル側にショートしたと特定する。
このように、請求項6の制御装置であれば、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路においてショートが発生し、駆動装置へのPWM信号のデューティ比を固定した以降、検出判定手段がショートを検出していないと判定すれば、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルの反対となる信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定することができる。その一方、検出判定手段がショートを検出していると判定すれば、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定することができる。
また、上述した請求項3〜5のいずれかに記載の構成において、駆動装置における制御機能が、外部から入力されるPWM信号に基づいて負荷装置に供給する駆動信号を、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の高電位側でPWM制御する機能であれば、レベル特定手段は、請求項7に記載のように構成するとよい。
請求項7に記載の制御装置において、レベル特定手段は、デューティ固定手段によりPWM信号のデューティ比が固定された後、検出判定手段がショートを検出していないと判定した場合に、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定する。その一方、検出判定手段がショートを検出していると判定した場合に、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルと反対の信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定する。
この構成であれば、駆動装置による駆動信号のPWM制御が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の高電位側で行われている。そのため、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートした場合、この経路では、PWM信号とは無関係にLレベル側に固定され、駆動装置に入力されるPWM信号の信号レベルがHレベルとなっている期間でも、駆動信号の信号レベルがHレベルにならなくなる。また、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートした場合、この経路では、PWM信号とは無関係にHレベル側に固定され、駆動装置に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間でも、駆動信号の信号レベルがLレベルにならなくなる。こうして、駆動装置は、負荷装置に至る経路における駆動信号がPWM信号に伴って変化すべき信号レベルとならないことを、その経路にショートが発生したこととして検出機能により検出し、その検出履歴を通知機能により報知することとなる。
そして、レベル特定手段が、デューティ固定手段によりPWM信号のデューティ比が固定された以降の駆動装置からの検出履歴の変遷に基づいて、Hレベル側へのショートであるのかLレベル側へのショートであるのかを特定する。すなわち、その後に、検出判定手段がショートを検出していないと判定すれば、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定する。その一方、検出判定手段がショートを検出していると判定すれば、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルと反対の信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定する。
具体的にいうと、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートした場合、PWM信号のデューティ比が0%(つまりLレベル側)に固定されると、この経路における駆動信号がLレベル側に変化しなければならないところがショートによりHレベル側に固定されているために、駆動信号がHレベル側のまま変化していないとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出された旨を示す検出履歴が通知され、検出判定手段が、ショートを検出していると判定することになる。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%(つまりHレベル側)に固定されると、この経路における駆動信号がHレベル側に変化しなければならないところがショートによりHレベル側に固定されているために、駆動信号がHレベル側に変化したとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出されない旨を示す検出履歴が通知され、検出判定手段が、ショートを検出していないと判定することになる。
そのため、レベル判定手段は、PWM信号のデューティ比が0%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していると判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルの反対であるHレベル側にショートしたと特定する。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していないと判定したことをもってこのPWM信号における信号レベルであるHレベル側にショートしたと特定する。
また、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートした場合、PWM信号のデューティ比が0%に固定されると、この経路における駆動信号がLレベル側に変化しなければならないところがショートによりLレベル側に固定されているために、駆動信号がLレベル側に変化したとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出されない旨を示す検出履歴が通知され、検出判定手段が、ショートを検出していないと判定することになる。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%に固定されると、この経路における駆動信号がHレベル側に変化しなければならないところがショートによりLレベル側に固定されているために、駆動信号がLレベル側のまま変化していないとみなされる。そうすると、駆動装置においてショートが検出された旨を示す検出履歴が通知され、検出判定手段が、ショートを検出していると判定することになる。
そのため、レベル判定手段は、PWM信号のデューティ比が0%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していないと判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルであるLレベル側にショートしたと特定する。それに対し、PWM信号のデューティ比が100%に固定された場合であれば、検出判定手段がショートを検出していると判定したことをもって、このPWM信号における信号レベルの反対であるLレベル側にショートしたと特定する。
このように、請求項7の制御装置であれば、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路においてショートが発生し、駆動装置へのPWM信号のデューティ比を固定した以降、検出判定手段がショートを検出していないと判定すれば、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定することができる。一方、検出判定手段がショートを検出していると判定すれば、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルと反対の信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定することができる。
また、上述した請求項3〜5のいずれかに記載の構成において、駆動装置の有する制御機能が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側および高電位側のいずれで駆動信号をPWM制御する機能であるのかを登録する制御電位登録手段を備えているのであれば、請求項8に記載のように、レベル特定手段は、駆動装置の有する制御機能が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側および高電位側のいずれで駆動信号をPWM制御する機能であるのかを登録する制御電位登録手段による登録内容に応じた方法にて特定を行うように構成するとよい。
例えば、駆動装置が、駆動信号のPWM制御を、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側で行う構成であれば、請求項6と同様に、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートした場合、この経路がPWM信号とは無関係にLレベル側に固定され、また、この経路がHレベル側にショートした場合、この経路がPWM信号とは無関係にHレベル側に固定される。そのため、駆動装置は、負荷装置に至る経路における駆動信号がPWM信号に伴って変化すべき信号レベルとならないことを、その経路にショートが発生したこととして検出機能により検出し、その検出履歴を通知機能により報知することとなる。
それに対し、駆動装置が、駆動信号のPWM制御を、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の高電位側で行う構成であれば、請求項7と同様に、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートした場合、この経路がPWM信号とは無関係にLレベル側に固定され、また、この経路がHレベル側にショートした場合、この経路がPWM信号とは無関係にHレベル側に固定される。そのため、駆動装置は、負荷装置に至る経路における駆動信号がPWM信号に伴って変化すべき信号レベルとならないことを、その経路にショートが発生したこととして検出機能により検出し、その検出履歴を通知機能により通知することとなる。
そして、レベル特定手段が、デューティ固定手段によりPWM信号のデューティ比が固定された以降の駆動装置からの報知内容の変化状況に基づいて、Hレベル側へのショートであるのかLレベル側へのショートであるのかを特定する。
まず、制御電位登録手段により、駆動装置における制御機能が低電位側で駆動信号をPWM制御する機能である旨が登録されている場合には、請求項6と同様、PWM信号のデューティ比が固定された後に、検出判定手段がショートを検出していないと判定すれば、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルの反対となる信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定する。その一方、検出判定手段がショートを検出していると判定すれば、駆動装置からショートを検出した旨の報知が継続されていれば、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定する。
また、制御電位登録手段により、駆動装置における制御機能が高電位側で駆動信号をPWM制御する機能である旨が登録されている場合には、請求項7と同様、WM信号のデューティ比が固定された後に、検出判定手段がショートを検出していないと判定すれば、駆動装置から負荷装置に至る経路が、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベル側(LレベルまたはHレベル)にショートしていると特定する。その一方、検出判定手段がショートを検出していると判定すれば、デューティ固定手段によりデューティ比が固定されたPWM信号における信号レベルと反対の信号レベル側(HレベルまたはLレベル)にショートしていると特定する。
このように、本発明の制御装置においては、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路において発生したショートが、HレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを、制御電位登録手段による登録内容に応じた特定方法により特定することができる。そのため、本発明の制御装置であれば、制御電位登録手段による登録内容を変更するだけで、低電位側および高電位側のいずれで駆動信号をPWM制御する駆動装置を用いた場合でも、その駆動装置から負荷装置に至る経路において発生したショートがHレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを適切に特定することができる。
また、上述したように、ショートが発生した以降に駆動装置との間でやりとりされる信号の状態に基づいて、そのショートがどのようなショートであるのかを特定する、ための具体的な構成としては、例えば、請求項9に記載のような構成を考えることもできる。
請求項9に記載の制御装置において、検出問合手段は、負荷制御手段により駆動装置に入力するPWM信号について、このPWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間およびHレベルとなっている期間のうち短い方の期間よりも、更に短い期間を、問合期間として駆動装置に対する問い合わせを行う。そして、レベル特定手段は、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、負荷制御手段により駆動装置に入力されているPWM信号の信号レベルがHレベルとなっているかLレベルとなっているかに基づき、駆動装置から負荷装置に至る経路にどのようなショートが発生しているかを特定する、ように構成されている。
このように、本発明の制御装置であれば、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路においてショートが発生した場合、そのショートがどのようなショートであるのかを、その時点において駆動装置に入力されているPWM信号の信号レベルに基づいて特定することができる。
ここで、上記検出問合手段は、PWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間およびHレベルとなっている期間のうち短い方の期間よりも、更に短い期間を、問合期間として駆動装置に対する問い合わせを行っている。そのため、検出問合手段による問い合わせは、先に行われた問い合わせから、PWM信号の信号レベルが2回以上変化する(例えば、一旦信号レベルが変化した後で元の信号レベルに戻る)前に行われることとなる。
この場合、その問い合わせを受けた駆動装置からは、PWM信号の信号レベルに合わせて駆動信号の信号レベルが変化した前後それぞれにつき、その信号レベルにおける検出履歴が別々に通知されることとなる。このことは、PWM信号の信号レベルに応じて、各信号レベルの時点におけるショートの発生を随時チェックしており、そのショートがどのようなショートであるのかを迅速に特定できることを意味している。
なお、この構成において、レベル特定手段は、駆動装置における制御機能に応じて以下に示すように構成するとよい。
例えば、駆動装置における制御機能が、外部から入力されるPWM信号に基づいて負荷装置に供給する駆動信号を、該負荷装置において駆動信号が入力される経路の低電位側でPWM制御する機能である場合には、請求項10のように構成することが考えられる。
請求項10に記載の制御装置において、レベル特定手段は、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、負荷制御手段により駆動装置に入力されているPWM信号の信号レベルがHレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートしていると判定する。その一方、PWM信号の信号レベルがLレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートしていると特定する。
この構成では、駆動装置による駆動信号のPWM制御が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側で行われている。このように低電位側をPWM制御する構成において、負荷制御手段により駆動装置に入力されるPWM信号の信号レベル(以降、「入力レベル」という)と、駆動装置から負荷装置に至る経路を流れる信号の信号レベル(以降、「出力レベル」という)とは、この経路にショートが発生していない状況であれば、常に反対の信号レベルとなる。そして、駆動装置は、この入力レベルと出力レベルとが反対の信号レベルでなくなったことを、駆動装置から負荷装置に至る経路にショートが発生したこととして検出機能により検出する。これは、駆動装置から負荷装置に至る経路がショートしたとしても、その時点における入力レベルと出力レベルとが反対の信号レベルになっていると、駆動装置がショートの発生を検出できず、その旨の履歴を通知することもできないということを意味している。
具体的にいうと、入力レベルがHレベルのときには、上記経路がHレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置によるショート検出およびその旨の通知はなされず、入力レベルがLレベルのときには、上記経路がLレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置によるショートの検出およびその旨の通知はなされない。
つまり、検出判定手段により駆動装置がショートを検出したと判定した時点におけるそのショートの種類は、その時点における入力レベルに依存するものになっているということになる。例えば、入力レベルがHレベルとなっているときであれば、駆動装置によるショートの通知がなされるのは、上記経路はHレベル側にショートしている場合であり、入力レベルがLレベルとなっているときであれば、駆動装置によるショートの通知がなされるのは、上記経路がLレベル側にショートしている場合である。
これらのことから、上述のレベル特定手段では、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、入力レベルがHレベルとなっていれば、上記経路がHレベル側にショートしていると特定する。その一方、入力レベルがLレベルとなっていれば、上記経路がLレベル側にショートしていると特定する。
このように、請求項10の制御装置であれば、ショートが発生した時点における入力レベルがHレベルとなっていれば、上記経路がHレベル側にショートしていると特定することができる。その一方、入力レベルがLレベルとなっていれば、上記経路がLレベル側にショートしていると特定することができる。
また、上述したレベル特定手段は、例えば、駆動装置における制御機能が、外部から入力されるPWM信号に基づいて負荷装置に供給する駆動信号を、該負荷装置において駆動信号が入力される経路の高電位側でPWM制御する機能である場合には、請求項11のように構成することが考えられる。
請求項11に記載の制御装置において、レベル特定手段は、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、負荷制御手段により駆動装置に入力されているPWM信号の信号レベルがHレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートしていると判定する。その一方、PWM信号の信号レベルがLレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートしていると特定する。
この構成では、駆動装置による駆動信号のPWM制御が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の高電位側で行われている。このように高電位側をPWM制御する構成において、入力レベルと出力レベルとは、この経路にショートが発生していない状況であれば、常に同じ信号レベルとなる。そして、駆動装置は、この入力レベルと出力レベルとが同じ信号レベルでなくなったことを、駆動装置から負荷装置に至る経路にショートが発生したこととして検出機能により検出する。これは、駆動装置から負荷装置に至る経路がショートしたとしても、その時点における入力レベルと出力レベルとが同じ信号レベルになっていると、駆動装置がショートの発生を検出できず、その旨の履歴を通知することもできないということを意味している。
具体的にいうと、入力レベルがHレベルのときには、上記経路がLレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置によるショート検出およびその旨の通知はなされず、入力レベルがLレベルのときには、上記経路がHレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置によるショートの検出およびその旨の通知はなされない。
つまり、検出判定手段により駆動装置がショートを検出したと判定した時点におけるそのショートの種類は、その時点における入力レベルに依存するものになっているということになる。例えば、入力レベルがHレベルとなっているときであれば、駆動装置によるショートの通知がなされるのは、上記経路はLレベル側にショートしている場合であり、入力レベルがLレベルとなっているときであれば、駆動装置によるショートの通知がなされるのは、上記経路がHレベル側にショートしている場合である。
これらのことから、上述のレベル特定手段では、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、入力レベルがHレベルとなっていれば、上記経路がLレベル側にショートしていると特定する。その一方、入力レベルがLレベルとなっていれば、上記経路がHレベル側にショートしていると特定する。
このように、請求項11の制御装置であれば、ショートが発生した時点における入力レベルがHレベルとなっていれば、上記経路がLレベル側にショートしていると特定することができる。その一方、入力レベルがLレベルとなっていれば、上記経路がHレベル側にショートしていると特定することができる。
また、上述した請求項9〜11のいずれかに記載の構成において、駆動装置の有する制御機能が、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側および高電位側のいずれで駆動信号をPWM制御する機能であるのかを登録する制御電位登録手段を備えているのであれば、請求項12に記載のように、レベル特定手段は、制御電位登録手段による登録内容に応じた方法にて特定を行うように構成するとよい。
例えば、駆動装置が、駆動信号のPWM制御を、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側で行う構成であり、その旨が制御電位登録手段により登録されている場合、レベル特定手段は、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、負荷制御手段により駆動装置に入力されているPWM信号の信号レベルがHレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートしていると判定する一方、PWM信号の信号レベルがLレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートしていると特定する。
また、駆動装置が、駆動信号のPWM制御を、負荷装置において駆動信号が入出力される経路の低電位側で行う構成であり、その旨が制御電位登録手段により登録されている場合、レベル特定手段は、検出判定手段がショートを検出したと判定した時点において、負荷制御手段により駆動装置に入力されているPWM信号の信号レベルがHレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がLレベル側にショートしていると判定する一方、PWM信号の信号レベルがLレベルとなっていれば、駆動装置から負荷装置に至る経路がHレベル側にショートしていると特定する、といった構成が考えられる。
このように、本発明の制御装置においては、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路において発生したショートが、HレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを、制御電位登録手段による登録内容に応じた特定方法により特定することができる。そのため、本発明の制御装置であれば、制御電位登録手段による登録内容を変更するだけで、低電位側および高電位側のいずれで駆動信号をPWM制御する駆動装置を用いた場合でも、その駆動装置から負荷装置に至る経路において発生したショートがHレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを適切に特定することができる。
また、上述した制御装置においては、請求項3から7のいずれかに記載の全手段,および,請求項9から12のいずれかに記載の全手段を備えたものとして構成し、レベル特定手段により特定を行うべき処理を切り替えて行うような構成としてもよい。
具体的にいうと、請求項13に記載のように、レベル特定手段により特定を行うべき処理を、所定の第1条件が満たされている場合に、請求項3から8のいずれかに記載のレベル特定手段による処理である第1特定処理に切り替えるのに対し、第1条件とは異なる条件である第2条件が満たされている場合に、請求項9から12のいずれかに記載のレベル特定手段による処理である第2特定処理に切り替える処理切替手段と、を備える。そして、レベル特定手段は、処理切替手段により切り替えられている処理によって、どのようなショートが発生しているかを特定する、といった構成とすることが考えられる。
このように、本発明の制御装置においては、負荷装置と駆動装置とをつなぐ経路において発生したショートが、HレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを、そのときに満たされている条件に応じた処理を経て特定することができる。
なお、この構成における第1条件,第2条件については、どのような条件であってもよく、その具体的な内容は特に限定されない。
例えば、第1条件または第2条件を満たしていることを示す情報を、外部からの指令(例えば、制御装置とデータ通信可能な別の装置からの指令,ユーザによる制御装置への操作に基づく指令など)に基づいて書き換え可能な状態で設定(例えば、所定の記憶領域に記憶するなど)し、この情報を参照することで第1,第2条件のいずれが満たされているか否かを判定する構成とすることが考えられる。また、制御装置の動作状態が特定の状態になっている状況や、駆動装置との間における信号のやりとりが特定の状態で行われている状況を、第1,第2条件を満たした状況であると判定するように構成することが考えられる。
また、請求項14記載のショート検出装置は、請求項3から8のいずれかに記載のデューティ固定手段およびレベル特定手段を備えている。
このように構成されたショート検出装置によれば、請求項3から8のいずれかに記載の制御装置の一部を構成することができる。
また、請求項15に記載のショート検出装置は、請求項9から12のいずれかに記載のレベル特定手段を備えている。
このように構成されたショート検出装置によれば、請求項9から12のいずれかに記載の制御装置の一部を構成することができる。
また、請求項16に記載のショート検出装置は、請求項14または請求項15に記載の構成に対して、請求項8または請求項12に記載の制御電位登録手段を備えている。
このように構成されたショート検出装置によれば、請求項8または請求項12に記載の制御装置の一部を構成することができる。
なお、上述したショート検出装置におけるデューティ固定手段については、負荷制御手段を備える装置に対し、この負荷制御手段により生成されるPWM信号のデューティ比を0または100%に固定する旨を指令する構成とすればよい。
また、請求項17に記載の制御システムは、請求項1から13のいずれかに記載の制御装置および駆動装置からなるシステムである。
このように構成された制御システムによれば、請求項1から13のいずれかに記載の制御装置と同様の作用,効果を得ることができる。
また、請求項18のプログラムは、請求項1から13のいずれかに記載の制御装置の備える全ての手段として機能させるための処理手順をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムであれば、請求項1から13のいずれかに記載の制御装置の一部を構成することができる。
また、請求項19に記載のプログラムは、請求項14から16のいずれかに記載のショート検出装置の備える全ての手段として機能させるための処理手順をコンピュータシステムに実行させるためのプログラムである。
このプログラムにより制御されるコンピュータシステムであれば、請求項14から16のいずれかに記載のショート検出装置の一部を構成することができる。
なお、上述した各プログラムは、コンピュータシステムによる処理に適した命令の順番付けられた列からなるものであって、各種記録媒体や通信回線を介して制御装置,ショート検出装置やこれを利用するユーザに提供されるものである。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1)第1実施形態
(1−1)第1の構成
第1の構成における負荷駆動システム1は、図1(a)に示すように、制御装置(MCU)10により駆動装置20を介して負荷装置(本実施形態においては、モータやソレノイドなどのインダクタンス負荷)2の動作を制御するように構成されたシステムである。
制御装置10は、内蔵するメモリに負荷装置2の動作を制御するためのプログラムを記憶している。そして、このプログラムに従い、一定周期のPWM信号を所定のデューティ比で生成して駆動装置20に入力すると共に、駆動装置20から負荷装置2に至る経路がショートした場合におけるショートの内容を特定するための後述する処理を実行するように構成されている。なお、以降の記載内容については、制御装置10内の論理が正論理であることを前提として説明する。
駆動装置20は、制御装置10から入力されるPWM信号に基づいて負荷装置2に供給される駆動信号をPWM制御する制御部22,負荷装置2に至る経路がショートしたことを検出する検出部24,検出部24にてショートが検出された旨を外部に通知する通知部26,制御装置10からアクセス可能なレジスタ28などが集積されてなるICチップである。
これらのうち、制御部22は、負荷装置2において電源3から供給される駆動信号が入力される経路の低電位側を、制御装置10からのPWM信号に基づいて導通状態または開放状態とするスイッチング素子である。つまり、この制御部22は、負荷装置2に供給される駆動信号をPWM制御するように構成されたローサイド型(動作時の極性がLレベル)の駆動回路である。
また、検出部24は、制御装置10からのPWM信号と、制御部22にてPWM制御される駆動信号それぞれの信号レベルとを比較する比較器などからなり、この比較器による比較結果を示す信号を通知部26に出力するように構成されている。具体的には、両信号の関係が、駆動信号が正常にPWM制御されている場合と同じ状態であれば、正常な比較結果である旨を示す信号を出力する一方、駆動信号が正常にPWM制御されている場合と異なる状態であれば、負荷装置2に至る経路がショートした旨を示す信号を出力する。
また、通知部26は、検出部24からの出力信号が正常である旨を示す信号であれば、その旨を示すセーフ情報をレジスタ28に書き込む一方、出力信号がショートした旨を示す信号であれば、その旨を示すフェイル情報をレジスタ28に書き込むように構成されている。このように、通知部26は、レジスタ28にセーフ情報またはフェイル情報を書き込むことにより、このレジスタ28にアクセスしてきたアクセス元(つまり制御装置10)に対して、ショートの履歴を通知することになる。
なお、駆動装置20としては、例えば、MOTOROLA社製のMC33882などを用いることができる。このMC33882は、図2に示すように、トランジスタが制御部22、2つの比較器が検出部24、OR回路が通知部26として構成されている。
このMC33882において、検出部24の比較器のうち、一方の比較器(図2の(1))は、制御装置10から入力されるPWM信号(入力信号)の信号レベルがHレベルである状態で、駆動信号(出力信号)の信号レベルが所定値以上になっている場合に、Hレベルの信号を通知部26であるOR回路へと出力する。また、他方の比較器(図2の(2))は、制御装置10から入力されるPWM信号(入力信号)の信号レベルがHレベルである状態で、駆動信号(出力信号)の信号レベルが所定値未満になっている場合に、Hレベルの信号を通知部26であるOR回路へと出力する。
そして、通知部26は、検出部24の比較器両方からの出力がLレベルの信号である場合に、出力信号が正常である旨を示す信号を出力することで、その旨を示すセーフ情報をレジスタ28に書き込む。一方、検出部24の比較器いずれか一方または両方からの出力がHレベルの信号である場合に、出力信号がショートした旨を示す信号を出力することで、その旨を示すフェイル情報をレジスタ28に書き込む。
(1−2)第2の構成
第2の構成における負荷駆動システム5は、図1(b)に示すように、第1の構成における負荷駆動システム1と同様の構成であるが、一部構成が相違している。
具体的には、駆動装置20の制御部22が、負荷装置2において電源3から供給される駆動信号が入力される経路の高電位側を、制御装置10からのPWM信号に基づいて導通状態または開放状態とするスイッチング素子である点で相違している。つまり、この制御部22は、負荷装置2に供給される駆動信号をPWM制御するように構成されたハイサイド型(動作時の極性がHレベル)の駆動回路である。
(1−3)制御装置10によるショート特定処理
以下に、制御装置10により実行される処理であって、駆動装置20から負荷装置2に至る経路(以降、「被検出経路」という)のショートを特定するためのショート特定処理の処理手順を図3,図4及び後述する追加図(図19)に基づいて説明する。このショート特定処理は、制御装置10が負荷装置2を駆動するために必要なデューティ比のPWM信号を駆動装置20に入力することで、この負荷装置2を駆動している状況において実行される。尚、追加図によるタイムチャートの説明は、フローチャートの説明の後で説明する。
このショート特定処理が起動されると、まず、被検出経路のショートをチェックすべきタイミングとなるまでの待機が行われる(s102:NO)。本実施形態において、制御装置10の内蔵メモリには、以降の処理を繰り返すべき周期時間として、駆動装置20に入力すべきPWM信号の周期よりも長い時間(本実施形態においては、PWM信号の周期に一定時間(例えば、10ms)を加算した期間)が登録されている。そして、ここでは、この周期時間が経過するまでの待機が行われる。
このs102で、ショートをチェックすべきタイミングとなったら(s102:YES、図19(a)タイミングt2)、フォルト検出状態のチェックが行われる(s104)。この「フォルト検出状態」とは、制御装置10の内蔵メモリに記憶された変数であり、0がセットされた初期状態から、後述する処理において0〜4のいずれかの値がセットされた状態に遷移するように構成されたものである(図54参照)。
このs104で、フォルト検出状態が「0」であれば(s104:「=0」)、駆動装置20のレジスタ28に書き込まれた情報の読み出しが行われ、その情報にフェイル情報が含まれているか否か,つまり被検出経路のショートを駆動装置20が検出したか否かがチェックされる(s112)。ここでは、レジスタ28からの情報の読み出しが行われた後、このレジスタ28に書き込まれている情報のクリア(消去)が併せて行われる。このように、レジスタ28に対するアクセスが発生する毎に書き込まれている情報がクリアされることにより、このレジスタ28には、前回のアクセスから次回のアクセスまでの間にショートを検出した履歴(検出履歴)が記憶されることとなる。
このs112で、フェイル情報が含まれていない,つまり駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合(s112:NO)、s102へ戻る。
一方、s112で、フェイル情報が含まれている,つまり駆動装置20がショートを検出していると判定された場合(図19(a)のタイミングt1にて異常が発生してレジスタ28に異常の情報が書き込まれてる、s112:YES)、フォルト検出状態に「1」がセットされた後(図5の(1)参照)(s114)、PWM信号の信号レベルをLレベルに固定すべく、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比が0%に固定された後(s116)、s102へ戻る。このs116では、PWM信号のデューティ比が0%に固定されることで、このPWM信号の信号レベルがLレベルに固定されることとなる。なお、制御装置10内の論理が負論理である場合、このs116では、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比が100%に固定され、これにより、PWM信号の信号レベルがLレベルに固定されることとなる。
また、上述したs104で、フォルト検出状態が「1」であれば(s104:「=1」)、s112と同様、被検出経路のショートを駆動装置20が検出したか否かがチェックされる(例えば図19(a)にてタイミングt3となっている状態を表す。s122)。なお、ここでも、レジスタ28からの読み出し後、情報のクリアが併せて行われる。
このs122で、駆動装置20がショートを検出していると判定された場合(s122:YES)、駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路として構成されているのか,ハイサイド型の駆動回路として構成されているのかがチェックされる(s124)。本実施形態において、制御装置10の内蔵メモリには、制御部22をローサイド型およびハイサイド型いずれの駆動回路として構成するか、などといった各種情報を登録するための登録用記憶領域12が設けられている。そして、駆動装置20を構成する際に、この登録用記憶領域12に制御部22がローサイド型の駆動回路であるのかハイサイド型の駆動回路であるのかを示す情報が登録されている。具体的にいうと、第1の構成に対しては、ハイサイド型の駆動回路である旨を示す情報が登録され、第2の構成に対しては、ローサイド型の駆動回路である旨を示す情報が登録される。そのため、このs124では、登録用記憶領域12に記憶された情報に基づいて、ローサイド型であるのかハイサイド型であるのかがチェックされる。
このs124で、ハイサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s124:NO)、フォルト検出状態に「4」がセットされた後(図5の(4)参照)(s126)、s102へ戻る。
一方、s124で、ローサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s124:YES)、フォルト検出状態に「3」がセットされた後(図5の(3)参照)(s128)、s102へ戻る。
また、上述したs122で、駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合(s122:NO)、フォルト検出状態に「2」がセットされた後(図5の(2)参照)(s130)、PWM信号の信号レベルをHレベルに固定すべく、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比が100%に固定された後(s132)、s102へ戻る。このs132では、PWM信号のデューティ比が100%に固定されることで、このPWM信号の信号レベルがHレベルに固定されることとなる。なお、制御装置10内の論理が負論理である場合、このs132では、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比が0%に固定され、これにより、PWM信号の信号レベルがHレベルに固定されることとなる。
また、上述したs104で、フォルト検出状態が「2」であれば(s104:「=2」)、s112と同様、被検出経路のショートを駆動装置20が検出したか否かがチェックされる(s142)。なお、ここでも、レジスタ28からの読み出し後、情報のクリアが併せて行われる。
このs142で、駆動装置20がショートを検出していると判定された場合(s142:YES)、s124と同様、駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路として構成されているのか,ハイサイド型の駆動回路として構成されているのかがチェックされる(s144)。
このs144で、ハイサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s144:NO)、フォルト検出状態に「3」がセットされた後(図5の(3)参照)(s146)、s102へ戻る。
一方、s144で、ローサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s144:YES)、フォルト検出状態に「4」がセットされた後(図5の(4)参照)(s148)、s102へ戻る。
また、上述したs142で、駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合(s142:NO)、フォルト検出状態に「0」がセットされた後(図5の(0)参照)(s150)、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比を、負荷装置2を駆動するために必要なデューティ比に戻した後(s152)、s102へ戻る。
また、上述したs104で、フォルト検出状態が「3」であれば(s104:「=3」)、s112と同様、被検出経路のショートを駆動装置20が検出したか否かがチェックされる(s162)。なお、ここでも、レジスタ28からの読み出し後、情報のクリアが併せて行われる。
このs162で、駆動装置20がショートを検出していると判定された場合(s162:YES)、被検出経路がLレベル側にショートしたこととして特定する(s164)。
ここで、第1の構成,つまり駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路である場合においては、被検出経路がLレベル側(例えば、グランド)にショートすると、この経路がPWM信号とは無関係にLレベル側に固定される。そうすると、駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間であっても、上記経路における駆動信号の信号レベルがHレベルとはならなくなる。また、上述したs162に移行するためには、s128でフォルト検出状態に「3」がセットされている必要があるが、こうしてフォルト検出状態に「3」がセットされるのは、s114でフォルト検出状態に「1」がセットされ、s116でPWM信号のデューティ比が0%(つまり信号レベルがLレベル)に固定されてから、s122〜s128へ移行した場合である。これらのことから、制御部22がローサイド型の駆動回路である場合において、上述のs162に移行したということは、PWM信号の信号レベル(Lレベル)と、駆動信号の信号レベル(Lレベル)とが同じレベルになっていることを示している。
また、第2の構成,つまり駆動装置20の制御部22がハイサイド型の駆動回路である場合においては、被検出経路がLレベル側にショートすると、この経路がPWM信号とは無関係にLレベル側に固定される。そうすると、駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがHレベルとなっている期間であっても、上記経路における駆動信号の信号レベルがHレベルとはならなくなる。また、上述したs162に移行するためには、s128でフォルト検出状態に「3」がセットされている必要があるが、こうしてフォルト検出状態に「3」がセットされるのは、s130でフォルト検出状態に「2」がセットされ、s132でPWM信号のデューティ比が100%(つまり信号レベルがHレベル)に固定されてから、s142〜s126へ移行した場合である。これらのことから、制御部22がハイサイド型の駆動回路である場合において、s162に移行したということは、PWM信号の信号レベル(Hレベル)と、駆動信号の信号レベル(Lレベル)とが異なる信号レベルになっていることを示している。
そのため、このs162に移行してくるまでの待機時間(s102による)において、PWM信号および駆動信号それぞれの信号レベルは、駆動信号を正常にPWM制御している場合とは異なる関係(制御部22がローサイド型の駆動回路であれば、PWM信号および駆動信号が共にLレベルとなる関係,制御部22がハイサイド型の駆動回路であれば、PWM信号および駆動信号が異なる信号レベルとなる関係)となる。これにより、駆動装置20における検出部24によりショートが検出されて、レジスタ28にフェイル情報が記憶されることとなる。よって、上述したs164では、s162の時点において、レジスタ28から読み出される情報にフェイル情報が含まれていることを、被検出経路がLレベル側にショートしたとして特定することができる。
そして、s164にて特定したショートに関する情報に基づいて、負荷装置2を保護するための処理が行われた後(s166)、s102へ戻る。このs166では、例えば、いずれのレベル側にショートしたのかを報知することで正常な状態への復旧をユーザに促すための処理などが行われる。
ただ、このs166で行うのは、負荷装置2を保護するために適した処理であればよく、例えば、負荷装置2への駆動信号の供給を停止させる、といった処理を行うこととしてもよい。その場合、s166にて駆動信号の供給を停止させたら、ユーザの操作が行われるまでの待機を経て、駆動信号の供給を再開させた後、s102へ戻るように構成すればよい。
また、上述したs162で、駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合(s162:NO)、フォルト検出状態に「0」をセットした後(図5の(0)参照)(s168)、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比を、負荷装置2を駆動するために必要なデューティ比に戻した後(s170)、s102へ戻る。
また、上述したs104で、フォルト検出状態が「4」であれば(s104:「=4」)、s112と同様、被検出経路のショートを駆動装置20が検出したか否かがチェックされる(s182)。なお、ここでも、レジスタ28からの読み出し後、情報のクリアが併せて行われる。
このs182で、駆動装置20がショートを検出していると判定された場合(s182:YES)、被検出経路がHレベル側にショートしたこととして特定する(s184)。
ここで、第1の構成,つまり駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路である場合においては、被検出経路がHレベル側(例えば、電源3)にショートすると、この経路がPWM信号とは無関係にHレベル側に固定される。そうすると、駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがHレベルとなっている期間であっても、上記経路における駆動信号の信号レベルがLレベルとはならなくなる。また、上述したs182に移行するためには、s148でフォルト検出状態に「4」がセットされている必要があるが、こうしてフォルト検出状態に「4」がセットされるのは、s130でフォルト検出状態に「2」がセットされ、s132でPWM信号のデューティ比が100%(つまり信号レベルがHレベル)に固定された後、s142〜s148へ移行した場合である。これらのことから、制御部22がローサイド型の駆動回路である場合において、s182に移行してきたということは、PWM信号の信号レベル(Hレベル)と、駆動信号の信号レベル(Hレベル)とが同じレベルになっていることを示している。
また、第2の構成,つまり駆動装置20の制御部22がハイサイド型の駆動回路である場合においては、被検出経路がHレベル側にショートすると、この経路がPWM信号とは無関係にHレベル側に固定される。そうすると、駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間であっても、上記経路における駆動信号の信号レベルがLレベルとはならなくなる。また、上述したs162に移行するためには、s126でフォルト検出状態に「4」がセットされている必要があるが、こうしてフォルト検出状態に「4」がセットされるのは、s114でフォルト検出状態に「1」がセットされ、s116でPWM信号のデューティ比が0%(つまり信号レベルがLレベル)に固定された後、s122〜s126へ移行した場合である。これらのことから、制御部22がハイサイド型の駆動回路である場合において、s182に移行してきたということは、PWM信号の信号レベル(Lレベル)と、駆動信号の信号レベル(Hレベル)とが異なる信号レベルになっていることを示している。
そのため、このs162に移行してくるまでの待機時間(s102による)において、PWM信号および駆動信号それぞれの信号レベルは、駆動信号を正常にPWM制御している場合とは異なる関係(制御部22がローサイド型の駆動回路であれば、PWM信号および駆動信号が共にLレベルとなる関係,制御部22がハイサイド型の駆動回路であれば、PWM信号および駆動信号が異なる信号レベルとなる関係)となる。これにより、駆動装置20における検出部24によりショートが検出されて、レジスタ28にフェイル情報が記憶されることとなる。よって、上述したs182の時点において、s162にてレジスタ28から読み出される情報にフェイル情報が含まれていることを、被検出経路がHレベル側にショートしたとして特定することができる。
そして、s166と同様、s184にて特定したショートに関する情報に基づいて、s166と同様、負荷装置2を保護するための処理が行われた後(s186)、s102へ戻る。
また、上述したs182で、駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合(s182:NO)、フォルト検出状態に「0」をセットした後(図5の(0)参照)(s188)、駆動装置20に入力されているPWM信号のデューティ比を、負荷装置2を駆動するために必要なデューティ比に戻した後(s190)、s102へ戻る。
上記説明した制御装置10によるショート特定処理を、タイムチャートを使って説明する。
図19(a)は駆動装置がローサイド型でありかつLレベル,つまりグランドショートした場合を示し、図19(b)は駆動装置がローサイド型でありかつHレベル,つまり車載電源である+Bショートした場合を示し、また図19(c)は駆動装置がハイサイド型でありかつLレベル,つまりグランドショートした場合を示し、図19(d)は駆動装置がハイサイド型でありかつHレベル,つまり車載電源であるバッテリへの+Bショートした場合を示す。
まず図19(a)(ローサイド型、GNDショート)の場合を説明する。
被検出経路にグランドショートが発生すると(図19(a)のt11)、駆動装置20の形態がローサイド型なのでPWMおよび被検出経路それぞれがLレベルのときに異常と検出部24が検出し、その検出部24によるフェイル情報がレジスタ28に書き込まれる。
次にチェックすべきタイミングが到来したら(図19(a)t12参照)、s104にてレジスタ28からの値が読み出され、s112にてフェイルの検出が行われる。このs112では、駆動装置20側でショートを検出していると判定されるため、s114にてフォルト検出状態が1とされた後、s116にてデューティ比が0%に固定される。
この場合、被検出経路からの出力信号は、ショートが発生していない正常時であればHレベルに固定されるはずだが、Lレベルへのショートのため、検出部24は常に異常信号を出力することとなる。
再びチェックすべきタイミングが到来した際(図19(a)のt13)、このときにはフォルト検出状態が1となっているのでs122へと進む。
前回のチェック時(t12)にクリアされたレジスタ28には、このタイミング(t13)までにPMW信号と出力信号との比較結果がセットされているので、s122では「Yes」と判定され、ステップs124へと進む。
このs124ではローサイド型と判定され、ステップs128へと進み、フォルト検出状態が3へと遷移する。
次にチェックするタイミングが到来したら(図19(a)のt14)、s104の判定によりステップs162(図4)へと進む。このs162では、このタイミング(t14)までにPMW信号と出力信号との比較結果がセットされているのでs164へと進み、ショートしたレベルがLレベルであると特定されることとなる。 次に、図19(b)(ローサイド型、+Bショート)の場合を説明する。
被検出経路に+Bショートが発生すると(図19(b)のt21)、駆動装置20の形態がローサイド型なのでPWMおよび被検出経路それぞれがHレベルのときに異常と検出部24が検出し、その検出部24によるフェイル情報がレジスタ28に書き込まれる。
次にチェックすべきタイミングが到来したら(図19(b)t22)、s104にてレジスタ28からの値が読み出され、s112にてフェイルの検出が行われる。このs112では、駆動装置20側でショートを検出していると判定されるため、s114にてフォルト検出状態が1とされた後、s116にてデューティ比が0%に固定される。
この場合、被検出経路からの出力信号は、ショートによりHレベルに固定されているため、検出部24は常に正常信号を出力することとなる。
再びチェックすべきタイミングが到来した際(図19(b)のt23)、このときにはフォルト検出状態が1となっているのでs122へと進む。
前回のチェック時(t22)にクリアされたレジスタ28は、このタイミング(t23)でもPMW信号と出力信号との比較結果が変化していないので、s122では「No」と判定され、s130にてフォルト検出状態が2へと遷移する。続くステップs132にてデューティ比が100%に固定される。
この場合、被検出経路からの出力信号は、ショートが発生していない正常時であればLレベルに固定されるはずだが、Hレベルへのショートのため、検出部24は常に異常信号を出力することとなる。
次のチェックすべきタイミングが到来すると(図19(b)のt24)、この時点でフォルト検出状態が2なのでs142へと進む(図4)。
このs142では、ショートが検出されるため、s144へ移行し、このs144で「Yes」と判定された後、s148にてフォルト検出状態が4へと遷移する。
次のチェックすべきタイミングが到来すると(図19(b)のt25)、s104にてフォルト検出状態がチェックされ、その値が4であるため、s182へと進み、ステップs184にてHレベルへの固定が特定されることとなる。 次に、図19(c)(ハイサイド型、GNDショート)の場合を説明する。
被検出経路にグランドショートが発生すると(図19(c)のt31)、駆動装置20の形態がハイサイド型なのでPWMおよび被検出経路それぞれがLレベルのときに異常と検出部24が検出し、その検出部24によるフェイル情報がレジスタ28に書き込まれる。
次にチェックすべきタイミングが到来したら(図19(c)のt32)、s104にてレジスタ28からの値が読み出され、s112にてフェイルの検出が行われる。このs112では、駆動装置20側でショートを検出していると判定されるため、s114にてフォルト検出状態が1とされた後、s116にてデューティ比が0%に固定される。
この場合、被検出経路からの出力信号は、ショートによりLレベルに固定されるため、検出部24は常に正常信号を出力することとなる。
再びチェックすべきタイミングが到来した際(図19(c)のt33)、このときにはフォルト検出状態が1となっているのでs122へと進む。
前回のチェック時(t32)にクリアされたレジスタ28には、このタイミング(t33)でもPMW信号と出力信号との比較結果がセットされていないので、s122では「No」と判定され、s130にてフォルト検出状態が2へと遷移する。続くステップs132にてデューティ比が100%に固定される。
この場合、被検出経路からの出力信号は、ショートが発生していない正常時であればHレベルに固定されるはずだが、Lレベルへのショートのため、検出部24は常に異常信号を出力することとなる。
次のチェックすべきタイミングが到来すると(図19(c)のt34)、s104を経てs142、s144へと移行し、s144にて「No」と判定され、s146にてフォルト検出状態が3へと遷移する。
次のチェックすべきタイミングが到来すると(図19(c)のt35)、s104を経てさらにs162を経て、s164にてLレベルにショートしたことが特定される。
次に、追加図(d)(ハイサイド型、+Bショート)の場合を説明する。
被検出経路に+Bショートが発生すると(図19(d)のt41)、駆動装置20の形態がハイサイド型なのでPWMおよび被検出経路それぞれがHレベルのときに異常と検出部24が検出し、その検出部24によるフェイル情報がレジスタ28に書き込まれる。
次にチェックすべきタイミングが到来したら(図19(d)のt42)、s104にてレジスタ28からの値が読み出され、s112にてフェイルの検出が行われる。このs112では、駆動装置20側でショートを検出していると判定されるため、s114にてフォルト検出状態が1とされた後、s116にてデューティ比が0%に固定される。
この場合、被検出経路からの出力信号は正常であればLレベルに固定されるはずだが、Hレベルへのショートのため、検出部24は常に異常信号を出力することとなる。
再びチェックすべきタイミングが到来した際(図19(d)のt43)、このときにはフォルト検出状態が1となっているのでs122へと進む。
前回のチェック時(t42)にクリアされたレジスタ28には、このタイミング(t43)でPMW信号と出力信号との比較結果がセットされているのでs122では「Yes」と判定され、s124へと進む。
ローサイド型ではないのでs124で「No」と判定され、s126へと進む。このs126でフォルト検出状態が4へと遷移する。
次にチェックするタイミングが到来したら(図19(d)のt44)、s104の判定によりs182(図4)へと進む。
このs182では、このタイミング(t44)までにPMW信号と出力信号との比較結果がレジスタ28にセットされているので、s184へと進み、ショートしたレベルがHレベルであると特定されることとなる。
(1−4)第1実施形態の作用,効果
このように、本実施形態の制御装置10であれば、負荷装置2と駆動装置20とをつなぐ経路(被検出経路)においてショートが発生した場合、そのショートがどのようなショートであるのかを、駆動装置20へのPWM信号のデューティ比を固定した前後においてレジスタ28に記憶されるショートの検出履歴,つまり駆動装置20における駆動装置20からの通知内容の変遷に基づいて特定することができる。
また、本実施形態の制御装置10において、図3のs102により待機すべき周期時間,つまり駆動装置20のレジスタ28に対するアクセス間隔は、駆動装置20に入力すべきPWM信号の周期よりも長い期間に設定されている。
このようなアクセス間隔であれば、その間に、駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルおよびHレベルとなっている期間が必ず含まれる。そのため、PWM信号の信号レベルがHレベル(またはLレベル)となっている間に駆動装置20側でショートが検出されなかったとしても、Lレベル(またはHレベル)となっている間にショートが検出されることとなる。よって、このようなアクセス間隔でレジスタ28に対するアクセスを行うことで、駆動装置20側で実際にショートが発生しているにも拘わらず検出部24によるショートが検出されずにその旨の情報をレジスタ28から読み出してしまう、といったことを防止することができる。
上述した駆動装置20は、PWM信号の信号レベルと駆動信号の信号レベルとに基づいてショートを検出する構成となっているため、負荷装置2に至る被検出経路がショートにより一定のレベル(LレベルまたはHレベル)に固定された状態においても、その時点におけるPWM信号の信号レベルが、駆動信号を正常にPWM制御している場合における駆動信号との関係と異なっていなければ、検出部24による検出がなされることはない。
具体的な例として、制御部22がローサイド型の駆動回路である場合、被検出経路(出力)がショートによりLレベルに固定されたとしても、その時点においてPWM信号(入力)の信号レベルが同じLレベルとなっているときでなければ、実際にショートしていたとしてもその旨の検出はなされない(図6(a)の網掛け部参照)。また、被検出経路がショートによりHレベルに固定されたときは、その時点においてPWM信号の信号レベルが同じHレベルになっているときでなければ、実際にショートしていたとしてもその旨の検出はなされない(図6(b)の網掛け部参照)。
同様に、制御部22がハイサイド型の駆動回路である場合、被検出経路(出力)がショートによりHレベルに固定されたとしても、その時点におけるPWM信号(入力)の信号レベルがLレベルとなっているときでなければ、実際にショートしていたとしてもその旨の検出はなされない(図6(c)の網掛け部参照)。また、被検出経路がショートによりLレベルに固定されたときは、その時点においてPWM信号の信号レベルがHレベルになっているときでなければ、実際にショートしていたとしてもその旨の検出はなされない(図6(d)の網掛け部参照)。
そのため、ショートが発生してからその旨が検出されるタイミングが到来する前に、レジスタ28に対するアクセスがあると、実際にはショートが発生しているにも拘わらず、フェイル情報が含まれていない旨の情報がアクセス元に通知されてしまう。
このことから、駆動装置20のレジスタ28に対するアクセス間隔は、本発明のように、PWM信号の信号レベルがHレベル(またはLレベル)となっている期間よりも長い必要がある。そうでなければ、次のアクセスまでに発生したショートが検出部24により検出されず、フェイル情報が含まれていない情報が制御装置10に通知されてしまうからである。このことは、制御装置10側において適切なショートの検出,および,その種類の特定を行うことができなくなってしまうことにつながるため望ましいことではない。
また、上述の制御装置10では、被検出経路においてショートが発生し、駆動装置20へのPWM信号のデューティ比を固定した後(図3のs116,s132)、駆動装置20がショートを検出していると判定すれば(同図s122で「YES」〜図4のs162で「YES」,同図s142で「YES」〜同図s182で「YES」)、制御部22がローサイド型の駆動回路である場合には、被検出経路がデューティ比の固定されたPWM信号の信号レベル(Lレベル,Hレベル)側にショートしていると特定することができる(図4のs164,s184)。その一方、制御部22がローサイド型の駆動回路である場合には、被検出経路がデューティ比の固定されたPWM信号の信号レベル(Lレベル,Hレベル)の反対となる信号レベル(Hレベル,Lレベル)側にショートしていると特定することができる(同図s184,s164)。
また、上述した制御装置10では、登録用記憶領域12に対して、制御部22がローサイド型の駆動回路であるのかハイサイド型の駆動回路であるのか示す情報を登録しておくことにより、その制御部22に応じた方法で被検出経路において発生したショートの種類を特定することができる。そのため、登録用記憶領域12の登録情報を変更するだけで、制御部22がローサイド型およびハイサイド型いずれの駆動回路として構成された駆動装置20を用いた場合でも、被検出経路において発生したショートがHレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを適切に特定することができる。
(2)第2実施形態
本実施形態における負荷駆動システムは、第1実施形態における負荷駆動システムと同様の構成であり、その処理手順が一部異なっているだけであるため、この相違点についてのみ説明する。
(2−1)制御装置10によるショート特定処理
以下に、本実施形態におけるショート特定処理の処理手順を図7に基づいて説明する。
このショート特定処理が起動されると、まず、被検出経路(駆動装置20から負荷装置2に至る経路)のショートをチェックすべきタイミングとなるまでの待機が行われる(s302:NO)。制御装置10の内蔵メモリには、以降の処理を繰り返すべき周期時間が登録されているため、このs302では、この周期時間が経過するまでの待機が行われる。本実施形態においては、駆動装置20に入力すべきPWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間およびHレベルとなっている期間のうち短い方の期間よりも、更に短い期間(例えば、10msを減算した期間)が、周期時間として内蔵メモリに記憶されている。
このs302で、ショートをチェックすべきタイミングとなったら(s302:YES)、図3のs112と同様、駆動装置20のレジスタ28に書き込まれた情報の読み出しが行われ、その情報にフェイル情報が含まれているか否か,つまり被検出経路のショートを駆動装置20が検出したか否かがチェックされる(s304)。
このs304で、駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合(s304:NO)、s302へ戻る。
一方、s304で、駆動装置20がショートを検出していると判定された場合(s304:YES)、その時点において駆動装置20に入力されているPWM信号の信号レベルがチェックされる(s306)。
このs306によるチェックによりPWM信号の信号レベルがHレベルであると判定された場合(s308:YES)、図3のs124と同様、駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路として構成されているのか,ハイサイド型の駆動回路として構成されているのかがチェックされる(s310)。
このs310で、ローサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s310:YES)、被検出経路がHレベル側にショートしたこととして特定する(s312)。一方、s310で、ハイサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s310:NO)、被検出経路がLレベル側にショートしたこととして特定する(s314)。
また、上述したs306によるチェックによりPWM信号の信号レベルがLレベルであると判定された場合(s308:NO)、図3のs124と同様、駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路として構成されているのか,ハイサイド型の駆動回路として構成されているのかがチェックされる(s316)。
このs316で、ローサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s316:YES)、被検出経路がLレベル側にショートしたこととして特定する(s318)。一方、s316で、ハイサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s316:NO)、被検出経路がHレベル側にショートしたこととして特定する(s320)。
このs304〜s320では、駆動装置20が第1の構成,つまり制御部22がローサイド型の駆動回路である場合においては、駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベル(以降、「入力レベル」という)と、被検出経路を流れる信号の信号レベル(以降、「出力レベル」という)とは、この経路にショートが発生していない状況であれば、常に反対の信号レベルとなる。そして、駆動装置20の検出部24は、この入力レベルと出力レベルとが反対の信号レベルでなくなったことを、被検出経路にショートが発生したこととして検出する。これは、被検出経路がショートしたとしても、その時点における入力レベルと出力レベルとが反対の信号レベルになっていると、駆動装置20がショートの発生を検出できず、その旨の履歴を通知することもできないということを意味している。
具体的にいうと、入力レベルがHレベルのときには、上記経路がHレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置20によるショート検出およびその旨の通知はなされず、入力レベルがLレベルのときには、上記経路がLレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置によるショートの検出およびその旨の通知はなされない。
同様に、駆動装置20が第2の構成,つまり制御部22がハイサイド型の駆動回路である場合においては、入力レベルと出力レベルとは、被検出経路にショートが発生していない状況であれば、常に同じ信号レベルとなる。そして、駆動装置20の検出部24は、この入力レベルと出力レベルとが同じ信号レベルでなくなったことを、被検出経路にショートが発生したこととして検出する。これは、被検出経路がショートしたとしても、その時点における入力レベルと出力レベルとが同じ信号レベルになっていると、駆動装置20がショートの発生を検出できず、その旨の履歴を通知することもできないということを意味している。
具体的にいうと、入力レベルがHレベルのときには、上記経路がLレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置20によるショート検出およびその旨の通知はなされず、入力レベルがLレベルのときには、上記経路がHレベル側にショートした場合でなければ、駆動装置によるショートの検出およびその旨の通知はなされない。
つまり、s304にて駆動装置20がショートを検出していると判定した時点におけるそのショートの種類は、その時点における入力レベルに依存するものになっている。
例えば、ローサイド型の駆動回路からなる駆動装置20において、入力レベルがHレベルとなっているときであれば、駆動装置20によるショートの通知がなされるのは、被検出経路がHレベル側にショートしている場合であり、入力レベルがLレベルとなっているときであれば、駆動装置20によるショートの通知がなされるのは、被検出経路がLレベル側にショートしている場合である。同様に、ハイサイド型の駆動回路からなる駆動装置20において、入力レベルがHレベルとなっているときであれば、駆動装置20によるショートの通知がなされるのは、被検出経路はLレベル側にショートしている場合であり、入力レベルがLレベルとなっているときであれば、駆動装置20によるショートの通知がなされるのは、被検出経路がHレベル側にショートしている場合である。
これらのことから、本実施形態では、駆動装置20がショートを検出していると判定した時点において(s304で「YES」)、入力レベルがHレベルとなっており(s308で「YES」)、かつ、ローサイド型の駆動回路である場合を(s310で「YES」)、被検出経路がHレベル側にショートしていることとして特定している(s312)。
また、駆動装置20がショートを検出していると判定した時点において、入力レベルがLレベルとなっており(s308で「NO」)、かつ、ローサイド型の駆動回路である場合を(s316で「YES」)、被検出経路がLレベル側にショートしていることとして特定している(s318)。
また、駆動装置20がショートを検出していると判定した時点において、入力レベルがHレベルとなっており(s308で「YES」)、かつ、ハイサイド型の駆動回路である場合を(s310で「NO」)、被検出経路がLレベル側にショートしていることとして特定している(s314)。
また、駆動装置20がショートを検出していると判定した時点において、入力レベルがLレベルとなっており(s308で「NO」)、かつ、ハイサイド型の駆動回路である場合を(s316で「NO」)、被検出経路がHレベル側にショートしていることとして特定している(s320)。
そして、s312〜s320にて特定したショートに関する情報に基づいて、図4のs166,s186と同様、負荷装置2を保護するための処理が行われた後(s222)、s302へ戻る。
(2−2)第2実施形態の作用,効果
上述した制御装置10であれば、第1実施形態と同様の構成から得られる作用,効果の他、以下に示すような作用,効果を得ることができる。
例えば、本実施形態の制御装置10であれば、負荷装置2と駆動装置20とをつなぐ経路においてショートが発生した場合、そのショートがどのようなショートであるのかを、その時点において駆動装置20に入力されているPWM信号の信号レベルに基づいて特定することができる。
ここで、ショート特定処理(図7)では、PWM信号の信号レベルがLレベルとなっている期間およびHレベルとなっている期間のうち短い方の期間よりも、更に短い期間を、問合期間として駆動装置20に対する問い合わせを行っている。そのため、この問い合わせは、先に行われた問い合わせから、PWM信号の信号レベルが2回以上変化する(例えば、一旦信号レベルが変化した後で元の信号レベルに戻る)前に行われることとなる。
この場合、その問い合わせを受けた駆動装置20からは、PWM信号の信号レベルに合わせて駆動信号の信号レベルが変化した前後それぞれにつき、その信号レベルにおける検出履歴が別々に通知されることとなる。このことは、PWM信号の信号レベルに応じて、各信号レベルの時点におけるショートの発生を随時チェックしており、そのショートがどのようなショートであるのかを迅速に特定できることを意味している。
また、本実施形態の制御装置10は、駆動装置20がローサイド型の駆動回路からなる場合、駆動装置20がショートを検出していると判定した時点において(s304で「YES」)、入力レベルがHレベルであれば(s308で「YES」)、上記経路がHレベル側にショートしていると特定することができる(s312)。それに対し、入力レベルがLレベルであれば(s308で「NO」)、上記経路がLレベル側にショートしていると特定することができる(s318)。
また、駆動装置20がハイサイド型の駆動回路からなる場合、駆動装置20がショートを検出していると判定した時点において(s304で「YES」)、入力レベルがHレベルであれば(s308で「YES」)、上記経路がLレベル側にショートしていると特定することができる(s314)。それに対し、入力レベルがLレベルであれば(s308で「NO」)、上記経路がHレベル側にショートしていると特定することができる(s320)。
(3)第3実施形態
本実施形態における負荷駆動システムは、第1実施形態における負荷駆動システムと同様の構成であり、その処理手順が一部異なっているだけであるため、この相違点についてのみ説明する。
(3−1)制御装置10によるショート特定処理
以下に、本実施形態におけるショート特定処理の処理手順を図8に基づいて説明する。
このショート特定処理が起動されると、まず、特定処理の設定状態がチェックされる(s404)。本実施形態においては、負荷装置2から駆動装置20に至る経路に発生したショートの種類を特定するための処理として、後述する第1,第2ショート特定処理のいずれを実行するかを示す情報が、「特定処理の設定状態」として登録用記憶領域12に登録(記憶)されている。そのため、このs404では、登録用記憶領域12に記憶された情報に基づいて、特定処理の設定状態がチェックされる。この「特定処理の設定状態」は、初期状態では第1ショート特定処理を示す内容となっているが、それ以降、制御装置10に対するユーザの入力操作により更新されるものである。なお、この「特定処理の設定状態」は、ユーザの入力操作だけでなく、制御装置10とデータ通信可能な別の装置からの指令により更新されるものとしてもよい。
このs404によるチェックで特定処理の設定状態が「第1ショート特定処理」を示すものであると判定された場合には(s406:YES)、後述する第1ショート特定処理が起動される(s408)のに対し、設定状態が「第2ショート特定処理」を示すものであると判定された場合には(s406:NO)、後述する第2ショート特定処理が起動される(s410)。
ここで、「第1ショート特定処理」は、図9に示すように、図3,図4と同様のs102〜s190が行われると共に(s142〜s190は省略)、s102ではなく図8のs402へ戻るように構成された処理である。一方、「第2ショート特定処理」は、図10に示すように、図7と同様のs302〜s322が行われると共に、このs322の後、s302ではなく、図8のs402へ戻るように構成された処理である。
(3−2)第3実施形態の作用,効果
上述した制御装置10であれば、第1実施形態と同様の構成から得られる作用,効果の他、以下に示すような作用,効果を得ることができる。
例えば、本実施形態の制御装置10においては、被検出経路において発生したショートが、HレベルおよびLレベルのいずれ側へのショートであるのかを、そのときに設定されている特定処理の設定状態に応じた処理(第1,第2ショート特定処理のいずれか)を経て特定することができる。
(4)その他の実施形態
(4−1)その1
この実施形態では、第1実施形態における制御装置10が、図3のs102で内蔵メモリに登録された周期時間が経過するまで待機するように構成されているのに対し、ここでの待機時間を随時設定し直す点で相違している。具体的には、同図s102の前に以下に示す処理を行うように構成されている。
ショート特定処理が起動されたら、まず、図11に示すように、次のタイミングで駆動装置20に対して入力されるPWM信号(の周期,デューティ比)がチェックされ、その信号レベルが少なくともLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化するまでに要する時間より長い期間(本実施形態においては、その時間に一定時間(例えば、10ms)を加算した期間)が、周期時間として内蔵メモリに登録される(s202)。
こうして、周期時間が内蔵メモリに登録されたら、s102以降の処理へ移行する。
また、以降の処理では、上述のように各種処理を終えた後、s102へ戻るのではなく、s202へ戻る。
このように構成すれば、PWM信号の周期またはデューティ比に応じて、制御装置10がレジスタ28にアクセスするまでの待機時間が、次のタイミングで駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化する期間を含んだ期間となるように随時変更される。これにより、PWM信号が複数種類の周期またはデューティ比に変更されながら駆動装置20に入力される場合であっても、その都度、PWM信号の信号レベルがLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化する期間を含んだ期間を待機時間(図3のs102による)として、制御装置10からレジスタ28へのアクセスが行われるようにすることができる。
(4−2)その2
この実施形態では、第1実施形態における制御装置10が、図3のs102で内蔵メモリに登録された周期時間が経過するまでの待機が行われるように構成されているのに対し、ここでの待機時間を適宜設定し直す点で相違している。具体的には、同図s102の前に以下に示す処理を行うように構成されている。
ショート特定処理が起動されたら、まず、図12に示すように、次のタイミングで駆動装置20に入力されるPWM信号について、その信号レベルが少なくともLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化するまでに要する時間である変化期間がチェックされる(s212)。
次に、s212でチェックされた変化期間が、あらかじめ定められた時間(所定期間)を超えているか否かがチェックされる(s214)。本実施形態においては、変化期間より長くなる代表的な期間として想定される期間が「あらかじめ定められた時間」として設定されているため、ここでは、この時間との比較がなされる。
このs214で、変化期間があらかじめ定められた時間を超えていないと判定された場合(s214:NO)、この「あらかじめ定められた時間」が周期時間として内蔵メモリに登録される(s216)。
一方、s214で、変化期間があらかじめ定められた時間を超えていると判定された場合(s214:YES)、少なくともs212でチェックされた変化期間より長い期間(本実施形態においては、変化期間に一定時間(例えば、10ms)を加算した期間)が周期時間として内蔵メモリに登録される(s218)。
こうして、s216またはs218にて周期時間が登録された後、s102以降の処理へ移行する。
また、以降の処理では、上述のように各種処理を終えた後、s102へ戻るのではなく、s212へ戻る。
このように構成すれば、制御装置10がレジスタ28にアクセスするまでの待機時間は、次のタイミングで駆動装置20に入力されるPWM信号の信号レベルがLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化する期間が、あらかじめ定められた時間を超えている場合、その変化期間よりも長い期間,つまり変化期間を含んだ期間となるように変更される。これにより、PWM信号が複数種類の周期またはデューティ比に変更されながら駆動装置20に入力される場合であっても、変化期間があらかじめ定められた期間を超えていれば、その都度、PWM信号の信号レベルがLレベルからHレベルまたはHレベルからLレベルに変化する期間を含んだ期間を待機時間(図3のs102による)として、制御装置10からレジスタ28への次のアクセスが行われるようにすることができる。
(4−3)その3
この実施形態では、第1実施形態における制御装置10が、図3のs112で駆動装置20がショートを検出していると判定された場合、直ちにs114へ移行するように構成されているのに対し、別の条件を満たしていることを条件にs114へ移行するように構成されている点で相違している。具体的には、同図s112で「YES」と判定された場合に、以下に示す処理を行うように構成されている。
ショート特定処理において、s112で駆動装置20がショートを検出していると判定された場合、図13に示すように、ショートを検出していると判定した回数が積算される(s222)。ここでは、制御装置10の内蔵メモリに、s112で駆動装置20がショートを検出していると判定した回数をカウントするための変数が記憶されており、この変数に「1」が加算される。
次に、s112で駆動装置20がショートを検出していると判定した回数が規定回数(例えば、3回)に到達しているか否かがチェックされる(s224)。ここでは、上述した変数にセットされている値に基づいて回数のチェックが行われる。
このs224で、判定回数が規定回数に到達していないと判定された場合(s224:NO)、s114,s116を行うことなく、s102へ戻る。
一方、s224で、判定回数が規定回数に到達していると判定された場合(s224:YES)、s114へ移行する。
また、図4におけるs152,s170,s190では、デューティ比を元に戻すと共に、上述した判定回数をカウントするための変数のリセット(0をセットする)も併せて行われる。
(4−4)その4
この実施形態では、第1実施形態における制御装置10が、図3のs122で駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合、フォルト検出状態に「2」をセットし、デューティ比を100%に固定した後に、同図s102へ戻るように構成されているのに対し、以下に示す処理を行うように構成されている点で相違する。
ショート特定処理において、s122で駆動装置20がショートを検出していないと判定された場合、s130へ移行するのではなく、図14に示すように、駆動装置20の制御部22がローサイド型の駆動回路として構成されているのか,ハイサイド型の駆動回路として構成されているのかがチェックされる(s232)。
このs232で、ハイサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s232:NO)、フォルト検出状態に「3」がセットされた後(s234)、s102へ戻る。
一方、s232で、ローサイド型の駆動回路として構成されていると判定された場合(s232:YES)、フォルト検出状態に「4」がセットされた後(s236)、s102へ戻る。
なお、この実施形態においては、図10のs116でPWM信号のデューティ比を0%に固定するように構成されているが、ここでデューティ比を100%に固定するように構成してもよい。その場合、図4のs164では、Hレベル側にショートしたこととして特定し、同図s184では、Lレベル側にショートしたこととして特定することになる。
(4−5)その5
この実施形態では、第3実施形態において登録用記憶領域12に記憶された「特定処理の設定状態」の内容が、以下に示す切替処理により更新されるように構成されている点で第3実施形態と相違する。
ここで、制御装置10により実行されるショート特定処理の処理手順を図15に基づいて説明する。この切替処理は、制御装置10が起動された以降、繰り返し実行される処理である。
この切替処理が起動されると、まず、「特定処理の設定状態」の内容を切り替えるべき条件である切替条件が満たされているか否かのチェックが行われる(s502)。本実施形態では、制御装置10の動作状態が特定の状態になっていること、駆動装置20との間における信号のやりとりが特定の状態で行われていること、が切替条件を満たしていることとして判定される。
このチェックの結果、切替条件が満たされていると判定された場合(s504:YES)、登録用記憶領域12に記憶されている「特定処理の設定状態」が「第2ショート特定処理」を示す情報へと切り替えられた(第2ショート特定処理に更新された)後(s506)、s502へ戻る。なお、s506の時点で「特定処理の設定状態」が既に「第2ショート特定処理」である場合には、何ら処理も行われることなく、s502へ戻る。
また、s502によるチェックの結果、切替条件が満たされていないと判定された場合(s504:NO)、登録用記憶領域12に記憶されている「特定処理の設定状態」が「第1ショート特定処理」を示す情報へと切り替えられた(第1ショート特定処理に更新された)後(s508)、s502へ戻る。なお、s508の時点で「特定処理の設定状態」が既に「第1ショート特定処理」である場合には、何ら処理も行われることなく、s502へ戻る。
(5)変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、第1実施形態の駆動装置20においては、通知部26によりフェイル情報をレジスタ28に書き込むことにより、検出部24にてショートが検出された旨を外部に通知可能な状態とする構成を例示した。しかし、この通知部26によりショートが検出された旨を外部に通知するための構成としては、この構成に限られない。例えば、検出部24にてショートが検出されている間、その旨を通知するための通知信号を外部(制御装置10)に対して出力することにより、ショートが検出された旨を外部に通知する構成とすることが考えられる。この場合、ショート特定処理におけるs112,s122,s142,s162,s182では、駆動装置20からの通知信号の入力があるか否か,通知信号の入力が継続しているか否かをチェックするように構成すればよい。
また、このように、駆動装置20が、検出部24にてショートが検出されている間、その旨を通知するための通知信号を外部(制御装置10)に対して出力するように構成した場合には、その通知信号で通知される内容の履歴を、制御装置10の内蔵メモリ内に記憶するように構成してもよい。そして、この場合には、ショート特定処理におけるs104では、内蔵メモリ内に記憶された通知内容の履歴をチェックすると共に、その履歴をs112,s122,s144,s162,s182にてクリアするように構成するとよい。
また、第1実施形態の制御装置10においては、駆動装置20のレジスタ28に対するアクセス間隔(図3のs102による待機時間)が、駆動装置20に入力すべきPWM信号の周期よりも長い期間に設定されているものを例示した。しかし、このアクセス間隔は、PWM信号の周期よりも長い期間に限られない。例えば、制御装置10から駆動装置20に入力されるPWM信号が、デューティ比50%以下で固定された信号となる構成であれば、数式「PWM信号の周期×(1−デューティ比)<待機時間」で求められる待機時間とすることが考えられる。また、制御装置10から駆動装置20に入力されるPWM信号が、50%より大きいデューティ比で固定された信号となる構成であれば、数式「PWM信号の周期×デューティ比<待機時間」とすることが考えられる。
また、上記実施形態においては、制御装置10が、ショート検出処理のs102,s302で内蔵メモリに登録された周期時間が経過するまでの待機を行うように構成されているものを例示した。しかし、この待機時間については、随時設定し直すように構成してもよい。このためには、例えば、ショート特定処理の起動後、その他の実施形態1(その1)におけるショート特定処理(図11)と同様に、周期時間を内蔵メモリに登録することとすればよい。
具体的には、s302を行う前に、次のタイミングで駆動装置20に対して入力されるPWM信号(の周期,デューティ比)をチェックし、その信号レベルがLレベルとなっている期間およびHレベルとなっている期間のうち短い方の期間よりも、更に短い期間を、周期時間として内蔵メモリに登録する、といった構成が考えられる。
また、次のような構成も考えられる。まず、s302を行う前に、次のタイミングで駆動装置20に入力されるPWM信号について、その信号レベルがLレベルとなっている期間およびHレベルとなっている期間のうち短い方の期間をチェックする。続いて、そのチェックした期間が、あらかじめ定められた時間(所定期間)を超えているか否かをチェックする。ここでは、PWM信号において短い方の信号レベルとなる期間として想定される期間を「あらかじめ定められた時間」として設定しておき、この時間との比較を行う。そして、このチェックにより、所定期間を超えていないと判定されたら、この所定期間を周期時間として内蔵メモリに登録するのに対し、所定期間を超えていると判定されたら、
そのチェックされた期間(短い方の期間)を周期時間として内蔵メモリに登録する。
また、上記第2,第3実施形態におけるショート特定処理では、上記別の実施形態(その3)と同様に、駆動装置20がショートを検出していると判定した回数が所定回数を超えるまで、図7,図10のs306へ移行しないように構成してもよい。
また、上述した負荷駆動システムは、モータやソレノイドなどのインダクタンス負荷を駆動するために用いるものであるが、具体的な例として、例えば、図16に示すように、車両におけるターボラグ抑制用のターボモータ100や、車両における吸気絞り用のインテークスロットルバルブ(より具体的には、バキュームスイッチングバルブ;VSV)200などを負荷装置2として駆動する構成とすることが考えられる。
また、上記実施形態において、ショート特定処理では、非検出経路のショートをチェックすべきタイミングになったことを、制御装置10の内蔵メモリに記憶された周期時間が経過したか否かのみを基準として判定するように構成されたものを例示した(ショート検出処理のs102)。しかし、ショートをチェックすべきタイミングになったと判定するにあたり、上述した周期時間に加えて、他の判断基準を併用するようにしてもよい。
特に、第2実施形態においては、まず、制御装置10に、駆動回路20に対するPWM信号の出力に同期してカウントアップする(PWM信号の出力時間をカウントする)カウンタを用意しておき(図17参照)、このカウンタを、PWM信号が一周期出力される毎にリセットされるように構成すると共に(同図「リセットタイミング」参照)、ショート検出処理を次のように構成するとよい。
このショート検出処理では、まず、s302にて「YES」と判定された場合、図18に示すように、PWM信号の一周期中で信号レベルを変化させるべきタイミング(または、このタイミングから一定時間(例えば、10ms)以上経過したタイミング)であるか否かが、その時点における上記カウンタのカウント値に基づいてチェックされる(s602)。この「信号レベルを変化させるべきタイミング」とは、制御装置10が実際に出力しているPWM信号のデューティ比に応じて一意に決まるものである(図17の「変化タイミング」参照)。
このs602で、信号レベルを変化させるべきタイミングでなければ(s602:NO)、プロセスがs304に移行する一方、信号レベルを変化させるべきタイミングであれば(s602:YES)、駆動装置20のレジスタ28がクリア(消去)された後(s604)、プロセスがs302へ戻る。
このように構成すれば、PWM信号の信号レベルが変化した直後に、駆動装置20のレジスタ28に書き込まれた情報に基づくs304以降の処理を行わないようにし、そのようなタイミングを外してショートの種類を特定することができる。
PWM信号の信号レベルが変化した直後は、その時点でレジスタ28に書き込まれている情報が、信号レベルが変化した後の情報であるのか,変化する前の情報であるのか不安定な状態といえる。そのため、上述のようなタイミングを外してショートの種類を特定できることは、安定した情報に基づいて適切にショートの種類を特定するのに好適である。
(6)本発明との対応関係
以上説明した実施形態において、駆動装置20の制御部22が、本発明における制御機能を実現しており、同装置の検出部24が、本発明における検出機能を実現しており、同装置の通知部26およびレジスタ28が、本発明における報知機能を実現している。
また、制御装置10は、本発明におけるショート検出装置である。
また、駆動装置20にPWM信号を出力する制御装置10は、本発明における負荷制御手段であり、制御装置10の登録用記憶領域12は、本発明における制御電位登録手段であり、図3のs102による待機時間となる周期時間は、本発明における問合期間であり、同図s116,s132は、本発明におけるデューティ固定手段であり、同図s112〜図4のs186は、本発明におけるレベル特定手段であり、図3のs112,s122,s142,s162,s182は、本発明における検出問合手段,検出判定手段であり、これら処理でレジスタ28から読み出される情報が、本発明における検出履歴である。
また、図7のs302,図8のs402による待機時間となる周期時間は、本発明における問合期間であり、図7のs308〜s322は、本発明におけるレベル特定手段であり、図15のs504〜s508は、本発明における処理切替手段である。
1…負荷駆動システム、2…負荷装置、3…電源、5…負荷駆動システム、10…制御装置、12…登録用記憶領域、20…駆動装置、22…制御部、24…検出部、26…通知部、28…レジスタ、100…ターボモータ、200…インテークスロットルバルブ。