JP4761597B2 - 内視鏡用高周波スネア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに通されてポリープを切除するために用いられる内視鏡用高周波スネアに関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用高周波スネアは一般に、可撓性シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置して、その操作ワイヤの先端に弾性ワイヤからなるスネアループを連結し、操作ワイヤを軸線方向に進退操作することによりスネアループが可撓性シースの先端内に出入りして、スネアループが可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、可撓性シース内に引き込まれることによって窄まるようになっている。
【0003】
そして使用時には、スネアループでポリープを囲んだ状態にしてから操作ワイヤを牽引することにより、図5に示されるようにスネアループ3でポリープ100を緊縛し、スネアループ3に高周波電流を通電してポリープ100を焼灼切断するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、スネアループ3がそのループの先端で一本の弾性ワイヤを略U字状に曲げ戻して形成されたものでは、例えば図6に示されるように、スネアループ3でポリープ100を緊縛したとき、ポリープ100内を通っている血管101とスネアループ3の先端部分3aとの間が遠く、血管101が焼灼切断されるのは最後の一瞬の間になってしまうので、血管101の焼灼が不十分になって術後に出血を起こす場合があった。
【0005】
そこで本発明は、ポリープ内を通っている血管を確実に焼灼して術後に出血しないようにポリープを切断することができる内視鏡用高周波スネアを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用高周波スネアは、シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置し、高周波電流を通電可能なスネアループをそのループの先端で略U字状に曲げ戻した一本の弾性ワイヤにより形成して操作ワイヤの先端に連結し、操作ワイヤを軸線方向に進退操作することによりスネアループが可撓性シースの先端内に出入りして、スネアループが可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、可撓性シース内に引き込まれることによって窄まるようにした内視鏡用高周波スネアにおいて、スネアループの先端部分が、外方からシースの先端に接近した位置ではシースの先端の正面から偏位し、且つ操作ワイヤを牽引することによりシース内に引き込まれる程度に、スネアループの先端と基端との間の左右両側の弾性ワイヤの長さを相違させたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態の内視鏡用高周波スネアを示しており、1は、例えば電気絶縁性の四フッ化エチレン樹脂製チューブ等からなる可撓性シースであり、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱される。
【0008】
可撓性シース1内には、可撓性のある導電性金属製の操作ワイヤ2が全長にわたって軸線方向に進退自在に挿通されており、図示されていない操作部によって基端側から任意に進退操作される。
【0009】
操作ワイヤ2の先端部分には、一本の導電性の弾性ワイヤを曲げて形成されたスネアループ3が接続パイプ4を介して連結されており、操作ワイヤ2を介してスネアループ3に高周波電流を通電することができる。ただし、スネアループ3を延長して操作ワイヤ2を形成してもよい。
【0010】
スネアループ3を形成する弾性ワイヤは、例えばステンレス鋼線の撚り線によって形成されており、外力が加えられていない状態では、図1に示されるように数センチメートルの広がりの略卵形のループを形成する。
【0011】
そして、スネアループ3は外力を加えることによって弾性変形させて窄ませることができ、操作ワイヤ2を手元側に牽引して可撓性シース1内に引き込むことによって窄まる。
【0012】
スネアループ3はループの先端部分で一本の弾性ワイヤを略U字状に曲げ戻して形成されており、スネアループ3の先端と基端との間の左右両側の弾性ワイヤの長さが相違している。即ち、図1においてL>Rである。
【0013】
その結果、図2に示されるように、操作ワイヤ2が手元側に牽引されてスネアループ3の大半の部分が可撓性シース1内に引き込まれ、スネアループ3の先端部分3aが外方から可撓性シース1の先端に接近した状態では、スネアループ3の長い方の弾性ワイヤが撓んで、スネアループ3の先端部分3aが可撓性シース1の先端の正面から偏位した状態になる。
【0014】
ただし、スネアループ3を形成する弾性ワイヤの左右両側の長さL,Rの相違が大きすぎると、図2に2点鎖線で示されるように、長い方の弾性ワイヤが大きく弛んで可撓性シース1の入口に引っ掛かり、スネアループ3を可撓性シース1内に完全に引き込むことができなくなる。
【0015】
そこで、スネアループ3を形成する弾性ワイヤの左右両側の長さL,Rの差は、操作ワイヤ2が手元側に牽引されたときに、図3に示されるように、スネアループ3が先端部分3aまで完全に可撓性シース1内に引き込まれる範囲内に設定されている。
【0016】
このように構成された実施の形態の内視鏡用高周波スネアでポリープ100を切断する際には、スネアループ3でポリープ100を囲んだ状態にしてから操作ワイヤ2を牽引することにより、図5に示されるようにスネアループ3でポリープ100を緊縛する。
【0017】
すると、図4に示されるように、スネアループ3の先端部分3aが可撓性シース1の先端の正面から偏位していることから、ポリープ100の茎部分の中心付近を通っている血管101に対してスネアループ3の長い方の弾性ワイヤが早めに接触するので、血管101が出血を起こさない程度に焼灼されてからポリープ100が完全に切断される。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、略U字状に曲げ戻されたスネアループの先端部分が、外方からシースの先端に接近した位置ではシースの先端の正面から偏位するように、スネアループの先端と基端との間の左右両側の弾性ワイヤの長さを相違させたことにより、ポリープ内を通っている血管に早めにスネアループを接触させて血管を確実に焼灼し、術後に出血が起きないようにポリープを安全に切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の内視鏡用高周波スネアの先端部分の平面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の内視鏡用高周波スネアのスネアループの大半の部分が可撓性シース内に引き込まれた状態の平面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の内視鏡用高周波スネアのスネアループが完全に可撓性シース内に引き込まれた状態の平面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の内視鏡用高周波スネアによりポリープが切断される状態の平面断面図である。
【図5】内視鏡用高周波スネアによりポリープが切断される状態の斜視図である。
【図6】従来の内視鏡用高周波スネアによりポリープが切断される状態の平面断面図である。
【符号の説明】
1 可撓性シース
2 操作ワイヤ
3 スネアループ
3a 先端部分
100 ポリープ
101 血管
Claims (1)
- シース内に軸線方向に進退自在に操作ワイヤを挿通配置し、高周波電流を通電可能なスネアループをそのループの先端で略U字状に曲げ戻した一本の弾性ワイヤにより形成して上記操作ワイヤの先端に連結し、上記操作ワイヤを軸線方向に進退操作することにより上記スネアループが上記可撓性シースの先端内に出入りして、上記スネアループが上記可撓性シース外では自己の弾性によって膨らみ、上記可撓性シース内に引き込まれることによって窄まるようにした内視鏡用高周波スネアにおいて、
上記スネアループは、上記シース外において略卵形をなす形状に形成され、且つ、
上記スネアループの先端付近以外の部分が上記可撓性シース内に引き込まれて、上記スネアループの先端部分が外方から上記シースの先端に接近した状態では、上記スネアループの先端が上記シースの先端開口の正面より外側に偏位し、且つ、その状態から上記操作ワイヤが基端側から牽引されれば上記スネアループが完全に上記シース内に引き込まれる程度に、略卵形をなす上記スネアループの先端と基端との間の左右両側の弾性ワイヤの長さを相違させて形成されていることを特徴とする内視鏡用高周波スネア。
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JP24064199A JP4761597B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 内視鏡用高周波スネア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24064199A JP4761597B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 内視鏡用高周波スネア |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001061858A JP2001061858A (ja) | 2001-03-13 |
JP4761597B2 true JP4761597B2 (ja) | 2011-08-31 |
Family
ID=17062530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24064199A Expired - Fee Related JP4761597B2 (ja) | 1999-08-27 | 1999-08-27 | 内視鏡用高周波スネア |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4761597B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11083483B2 (en) | 2017-05-19 | 2021-08-10 | Olympus Corporation | Tissue excision instrument |
-
1999
- 1999-08-27 JP JP24064199A patent/JP4761597B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11083483B2 (en) | 2017-05-19 | 2021-08-10 | Olympus Corporation | Tissue excision instrument |
Also Published As
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JP2001061858A (ja) | 2001-03-13 |
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