JP4759850B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体撮像装置に関するもので、特に、受光量に対してその出力電圧が自然対数的に変化する特性を有する固体撮像素子を備えた固体撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より使用されている固体撮像素子には、光電変換素子で発生した光電荷を読み出す手段によってCCD型とMOS型に大きく分けられる。CCD型は光電荷をポテンシャルの井戸に蓄積しつつ、転送するようになっており、又、MOS型はフォトダイオードのpn接合容量に蓄積した電荷をMOSトランジスタを通して読み出すようになっている。しかしながら、このような従来の固体撮像素子は、発生した光電荷の電荷量に比例した出力が出力されるため、ダイナミックレンジが狭いという欠点がある。
【0003】
一方、本出願人は、ダイナミックレンジを広くするために、入射した光量に応じた光電流を発生しうる感光手段と、光電流を入力するMOSトランジスタと、このMOSトランジスタをサブスレッショルド電流が流れうる状態にバイアスするバイアス手段とが備えられることによって、入射光量に対して自然対数的に変換された電気信号を出力することができる固体撮像素子を提案した(特開平3−192764号公報参照)。しかしながら、この対数変換型の固体撮像素子は、ダイナミックレンジが非常に広いため、この固体撮像素子の出力をそのまま画像として再生すると、被写体によってはコントラストがかなり低い画像になる場合がある。
【0004】
そこで、例えば、固体撮像素子からの1フィールド分の出力の最大値と最小値を検出し、検出した出力の最大値と最小値に応じて、AGC(Auto Gain Control)処理を行うことで、被写体の輝度範囲に応じた出力ダイナミックレンジとするような自動調節が行われる。即ち、撮像している被写体の最高輝度が出力ダイナミックレンジの最大値に、撮像している被写体の最低輝度が出力ダイナミックレンジの最小値に、それぞれなるように、固体撮像素子からの出力のゲインを調整する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにAGC処理して出力ダイナミックレンジの自動調節を行う場合、従来の固体撮像装置では、その調整パターンは1つに限られていた。又、その調節パターンを撮影対象の輝度変化を敏感に反映させるような設定にしてあったとすると、撮影対象の輝度分布範囲が激しく変動する場合には、映像の明るさも同様に激しく変動して、見づらくなることがあった。又、手動にて出力ダイナミックレンジを調節することも可能であるが、各条件下で複数のパラメータを最適なものに設定するのは、ユーザーにとって煩雑な操作である上、設定操作と確認動作を繰り返す必要があり、その設定に時間を要する。
【0006】
このような問題を鑑みて、本発明は、撮影対象や目的に応じた映像調節を行う複数の自動調節モードを有する固体撮像装置を提供することを目的とする。又、本発明の他の目的は、手動にて調節を行う際、容易に調節を行うことのできる固体撮像装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の固体撮像装置は、入射光量に対して自然対数的に変換した電気信号を出力する複数の画素を有する固体撮像素子と、所定期間毎に、前記固体撮像素子より出力された電気信号に基づいて被写体の輝度範囲を検出するとともに、検出した輝度範囲に基づいて前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジを調節する調節部と、該調節部で出力ダイナミックレンジを調節するためのパラメータが複数の撮像条件毎に格納されるメモリと、を有し、前記調節部において、選択された撮像条件に応じたパラメータが前記メモリより読み出されて、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されることを特徴とする。
【0008】
このような固体撮像装置において、ユーザーによって、撮像条件が選択されて指示されると、選択された撮像条件に応じたパラメータが、調節部によって読み出される。調節部では、固体撮像素子より出力される電気信号に基づいて、被写体の輝度範囲を検出すると、メモリより読み出したパラメータと検出した輝度範囲に基づいて、固体撮像素子の出力ダイナミックレンジを設定する。
【0009】
このような固体撮像装置において、請求項2に記載するように、前記パラメータが、前記複数の撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲の最低輝度に対する前記電気信号の第1信号レベルと、前記輝度範囲の最高輝度に対する前記電気信号の第2信号レベルと、であり、前記調節部において、検出した前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度と、選択された撮像条件に応じた前記第1及び第2信号レベルとに基づいて、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されるようにしても構わない。
【0010】
このとき、固体撮像素子からの出力される電気信号が、A/D変換されたデジタル信号であるとき、被写体の輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出されると、それぞれを、第1信号レベルと第2信号レベルに対応させて、A/D変換に用いるための低電圧側及び高電圧側の基準電圧が設定されることによって、固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節される。
【0011】
又、請求項3に記載するように、前記パラメータに、前記複数の撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲を測定するための測定時間及び決定条件が含まれ、前記調節部において、選択された撮像条件に応じた前記測定時間及び前記決定条件に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されるようにして、自動設定が行われるようにしても構わない。
【0012】
このとき、決定条件として、(1)最低輝度及び最高輝度の変化量が所定値以上の時のみ反映させる、(2)最低輝度及び最高輝度の変化量が所定値以上で、且つ、所定時間以上継続した時に反映させる、(3)最低輝度及び最高輝度の実際の変化量に対して一定の割合分のみ反映させる、(4)最低輝度及び最高輝度の過去の複数の値との平均値を算出し、この平均値を反映させる、などの測定するための各種方法が挙げられる。
【0013】
又、請求項4に記載するように、前記輝度範囲を測定するための測定時間を入力するための入力部を有し、前記調節部において、前記入力部より入力された前記測定時間に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されるようにして、手動設定が行われるようにしても構わない。
【0014】
請求項2に記載の固体撮像装置において、請求項5に記載するように、前記輝度範囲を測定するための測定時間を入力するための入力部を有し、前記調節部において、前記入力部より入力された前記測定時間に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されるようにして、手動設定が行われるようにしても構わない。
【0015】
又、請求項6に記載するように、前記パラメータに、前記複数の撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲を測定するための決定条件が含まれ、前記調節部において、前記入力部より入力された前記測定時間と選択された撮像条件に応じた前記決定条件とに従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されるようにしても構わない。
【0016】
このとき、決定条件として、(1)最低輝度及び最高輝度の変化量が所定値以上の時のみ反映させる、(2)最低輝度及び最高輝度の変化量が所定値以上で、且つ、所定時間以上継続した時に反映させる、(3)最低輝度及び最高輝度の実際の変化量に対して一定の割合分のみ反映させる、(4)最低輝度及び最高輝度の過去の複数の値との平均値を算出し、この平均値を反映させる、などといった測定するための各種方法が挙げられる。
【0017】
又、請求項7に記載するように、前記パラメータに、一つ以上の前記撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲を測定するための測定時間及び決定条件が含まれ、前記調節部において、選択された撮像条件に応じた前記測定時間及び前記決定条件に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されるようにして、自動設定が行われるようにしても構わない。
【0018】
請求項8に記載の固体撮像装置は、請求項2〜請求項7のいずれかに記載の固体撮像装置において、前記第1及び第2信号レベルの値を調節するために入力可能な信号レベル入力部を有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
【0020】
<固体撮像装置の構成>
まず、各実施形態で共通する固体撮像装置の構成について、説明する。図1は、本実施形態の固体撮像装置の内部構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示す固体撮像装置は、入射光量に対して自然対数的に変換した電気信号を出力する固体撮像素子1と、固体撮像素子1からの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器2,9と、A/D変換器9で変換されたデジタル信号が与えられて入力部7が操作されて指示された調節モードに基づいてA/D変換器2の基準値の設定を行う演算回路3と、演算回路3で設定された基準値に基づいた電圧を発生するD/A変換器4,5と、各種調節モード時のパラメータが格納されるメモリ6と、ユーザーに操作される入力部7と、演算回路3を通じて出力されたデジタル信号によって映像を再生する表示部8とを有する。尚、固体撮像素子1から与えられ、A/D変換器2及び演算回路3を通じて表示装置8に送出される信号を再生用映像信号と呼ぶ。又、固体撮像素子1から与えられ、A/D変換器9を通じて演算回路3に送出される信号を測定用映像信号と呼ぶ。
【0022】
このような固体撮像装置において、被写体を撮像した固体撮像素子1より対数変換された映像信号が出力されると、A/D変換器2において、D/A変換器4によって設定された低輝度側の基準電圧及びD/A変換器5によって設定された高輝度側の基準電圧と、それぞれ比較されて、デジタル信号に変換される。このデジタル信号に変換された再生用映像信号は、演算回路3に与えられた後、表示装置8に出力され、表示装置8において映像が再生される。
【0023】
又、入力部7が操作されることによって、複数の調節モードより、ユーザーの所望するコントラストや明るさに調節するための自動調節モード又は手動調節モードが設定される。このとき、自動調節の場合は、メモリ6より設定された調節モードに用いられる各種パラメータが演算回路3に読み出される。そして、A/D変換器9でデジタル信号に変換された測定用映像信号より、各種設定モード毎に予め設定された所定の期間毎に、最低輝度及び最高輝度を検出する。この最低輝度及び最高輝度となる測定用映像信号とメモリ6より読み出された各種パラメータとに基づいて、低輝度側及び高輝度側の基準電圧のデジタル値を設定し、D/A変換器4,5に送出する。
【0024】
又、手動調節の場合は、メモリ6より設定された調節モードに用いられる各種パラメータが演算回路3に読み出される。そして、ユーザーによって、入力部7が操作されて、最低輝度及び最高輝度の測定期間が指定される。この指定された期間の最低輝度及び最高輝度が、A/D変換器9でデジタル信号に変換された測定用映像信号より、演算回路3で検出される。そして、この最低輝度及び最高輝度となる測定用映像信号とメモリ6より読み出された各種パラメータとに基づいて、低輝度側及び高輝度側の基準電圧のデジタル値を設定し、D/A変換器4,5に送出する。
【0025】
このように、各調節モードにおいて、演算回路3で低輝度側及び高輝度側の基準電圧のデジタル値が設定されると、D/A変換器4,5では、アナログ変換することによって、それぞれ、低輝度側及び高輝度側の基準電圧をA/D変換器2に送出する。よって、A/D変換器2では、D/A変換器4,5によって新たに設定された低輝度側及び高輝度側の基準電圧に基づいて、固体撮像素子1より出力される再生用映像信号をデジタル変換する。このようにして、A/D変換器2における固体撮像素子1からの出力のダイナミックレンジが調節され、コントラストや明るさが調節される。
【0026】
1.固体撮像素子の構成例
このような固体撮像装置における固体撮像素子の構成例を、以下に示す。図2は、固体撮像素子の構成を示す回路ブロック図である。図3は、図2の固体撮像素子の一部を示す回路図である。
【0027】
図2において、G11〜Gmnは行列配置(マトリクス配置)された画素を示している。11は垂直走査回路であり、行(ライン)13−1、13−2、・・・、13−nを順次走査していく。12は水平走査回路であり、画素から出力信号線15−1、15−2、・・・、15−mに導出された光電変換信号を画素ごとに水平方向に順次読み出す。14は電源ラインである。各画素に対し、上記ライン13−1、13−2・・・、13−nや出力信号線15−1、15−2・・・、15−m、電源ライン14だけでなく、他のライン(例えば、クロックラインやバイアス供給ライン等)も接続されるが、図2ではこれらについて省略する。
【0028】
出力信号線15−1、15−2、・・・、15−mごとにNチャネルのMOSトランジスタQ1、Q2が図示の如く1組ずつ設けられている。出力信号線15−1を例にとって説明すると、MOSトランジスタQ1のゲートは直流電圧線16に接続され、ドレインは出力信号線15−1に接続され、ソースは直流電圧VPS’のライン17に接続されている。一方、MOSトランジスタQ2のドレインは出力信号線15−1に接続され、ソースは最終的な信号線18に接続され、ゲートは水平走査回路12に接続されている。
【0029】
画素G11〜Gmnには、後述するように、それらの画素で発生した光電荷に基づく信号を出力するNチャネルのMOSトランジスタT2が設けられている。MOSトランジスタT2と上記MOSトランジスタQ1との接続関係は図3(a)のようになる。ここで、MOSトランジスタQ1のソースに接続される直流電圧VPS’と、MOSトランジスタT2のドレインに接続される直流電圧VPD’との関係はVPD’>VPS’であり、直流電圧VPS’は例えばグランド電圧(接地)である。この回路構成は上段のMOSトランジスタT2のゲートに信号が入力され、下段のMOSトランジスタQ1のゲートには直流電圧DCが常時印加される。このため下段のMOSトランジスタQ1は抵抗又は定電流源と等価であり、図3(a)の回路はソースフォロワ型の増幅回路となっている。この場合、MOSトランジスタT2から増幅出力されるのは電流であると考えてよい。
【0030】
MOSトランジスタQ2は水平走査回路12によって制御され、スイッチ素子として動作する。尚、後述するように図4の画素内にはスイッチ用のNチャネルのMOSトランジスタT3も設けられている。このMOSトランジスタT3も含めて表わすと、図3(a)の回路は正確には図3(b)のようになる。即ち、MOSトランジスタT3がMOSトランジスタQ1とMOSトランジスタT2との間に挿入されている。ここで、MOSトランジスタT3は行の選択を行うものであり、トランジスタQ2は列の選択を行うものである。
【0031】
1−a 画素の第1例
このような構成の固体撮像素子における画素G11〜Gmnの構成の一例について、図4を参照して以下に説明する。図4において、pnフォトダイオードPDが感光部(光電変換器)を形成している。そのフォトダイオードPDのアノードはMOSトランジスタT1のドレイン及びゲート、MOSトランジスタT2のゲートに接続されている。MOSトランジスタT2のソースは行選択用のMOSトランジスタT3のドレインに接続されている。MOSトランジスタT3のソースは出力信号線15(この出力信号線15は図3の15−1、15−2、・・・、15−mに対応する)へ接続されている。尚、MOSトランジスタT1〜T3は、それぞれ、NチャネルのMOSトランジスタでバックゲートが接地されている。
【0032】
又、フォトダイオードPDのカソード及びMOSトランジスタT2のドレインには直流電圧VPDが印加されるようになっている。一方、MOSトランジスタT1のソースには直流電圧VPSが印加され、MOSトランジスタT1がサブスレッショルド領域で動作するようにバイアスされている。又、MOSトランジスタT3のゲートには信号φVが入力される。
【0033】
このような構成の画素において、フォトダイオードPDに光が入射されると、光電流が発生し、MOSトランジスタのサブスレッショルド特性により、MOSトランジスタT1,T2のゲートに光電流を自然対数的に変換した値の電圧が発生する。そして、MOSトランジスタT3にパルス信号φVを与えることによって、MOSトランジスタT2は、そのゲート電圧に応じてソース電流を、MOSトランジスタT3を介して信号線15に出力電流として出力する。
【0034】
このとき、MOSトランジスタT2がソースフォロワ型のMOSトランジスタとして動作するため、信号線15には出力信号が電圧信号として現れる。その後、信号φVをローレベルにしてMOSトランジスタT3をOFFにする。このように、MOSトランジスタT2,T3を介して出力される出力信号は、MOSトランジスタT2のゲート電圧に比例した値となるため、フォトダイオードPDへの入射光量が自然対数的に変換された信号となる。
【0035】
1−b 画素の第2例
図2のような構成の固体撮像素子における画素G11〜Gmnの構成の別例について、図5を参照して以下に説明する。図5は、本実施形態に使用する固体撮像素子に設けられた画素の構成を示す回路図である。
【0036】
図5に示すように、本例では、画素の出力側を構成するMOSトランジスタT2,T3が、図4の画素と同様の構成をしている。このような図4の画素において、フォトダイオードPDのアノードに直流電圧VPSが印加される。そして、MOSトランジスタT4のドレインに直流電圧VPDが印加されるとともに、そのソースがMOSトランジスタT2のゲート及びフォトダイオードPDのカソードに接続される。又、MOSトランジスタT4のゲートには直流電圧VPGが印加される。
【0037】
このような構成の画素において、フォトダイオードPDに光が入射すると光電流が発生し、MOSトランジスタのサブスレッショルド特性により、光電流を自然対数的に変換した値の電圧がMOSトランジスタT1のソース及びMOSトランジスタT2のゲートに発生する。尚、このとき、フォトダイオードPDで発生した負の光電荷がMOSトランジスタT1のソースに流れ込むため、強い光が入射されるほどMOSトランジスタT1のソース電圧が低くなる。
【0038】
このようにして光電流に対して自然対数的に変化した電圧がMOSトランジスタT2のゲートに現れると、パルス信号φVが与えられてMOSトランジスタT3をONとして、前記光電流を自然対数的に変換した値となる電流が、MOSトランジスタT2,T3を介して出力信号線15に導出される。このようにして入射光量の対数値に比例した信号(出力電流)を読み出すと、MOSトランジスタT3をOFFにする。
【0039】
尚、固体撮像素子の構成は図2に限定されるものでなく、画素からの出力を一旦サンプルホールドするホールド回路を有するものでも構わない。又、画素の構成についても、図4及び図5の回路構成に限定されるものでなく、対数変換動作が行える画素であればよい。例えば、積分回路や増幅回路を備えたような回路構成の画素でも構わないし、その設けられたMOSトランジスタの閾値特性が原因となる各画素の感度バラツキを検出することができるような回路構成としても構わない。
【0040】
2.出力ダイナミックレンジの調節動作
以下に、簡単に、調節動作の動作原理について、図面を参照して説明する。図6は、動作原理を説明するための、被写体の輝度とデジタル信号に変換されたときの映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフである。尚、図6のグラフは、輝度を対数値とした片対数グラフである。
【0041】
今、A/D変換器9によって、固体撮像素子1から出力される映像信号が、0〜Dの信号レベルとなるデジタル信号に変換される。このとき、図6(a)のように、信号レベル0の映像信号に相当する最低輝度Bmより低い輝度値の映像信号が全て信号レベル0のデジタル信号に変換されるとともに、信号レベルDの映像信号に相当する最高輝度BMより高い輝度値の映像信号が全て信号レベルDのデジタル信号に変換される。又、A/D変換器2では、固体撮像素子1から出力される映像信号が、図6(b)のように、0〜DMの信号レベルとなるデジタル信号に変換される。このとき、A/D変換器9では、A/D変換器2に比べて、そのダイナミックレンジが十分広くなるように、設定されている。
【0042】
このように、A/D変換器9において、図6(a)のグラフの関係に基づいて、固体撮像素子1から出力される映像信号がデジタル信号に変換されるとき、自動調節でメモリ6より読み出されるように設定された測定期間又は手動調節でユーザーに指定された測定期間の間、演算回路3において、A/D変換器9より与えられるデジタル信号の最小値Da及び最大値Dbが検出される。この検出されたデジタル信号の最小値Da及び最大値Dbから、演算回路3において、図6(a)のグラフの関係に基づいて、測定期間中の最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbが算出される。
【0043】
そして、検出した最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbとなる被写体の輝度範囲が、A/D変換器2によって変換されたデジタル信号のダイナミックレンジ0〜DMにおいて、メモリ6によって各種調節モードで設定された範囲に収まるように、設定される。例えば、デジタル信号のダイナミックレンジにおいて、被写体の輝度範囲が図6(b)のような範囲に収まるように設定されるとき、検出した最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbがそれぞれ、信号レベルDm1,DM1に対応するように、信号レベル0の映像信号に相当する最低輝度Bm1及び信号レベルDMの映像信号に相当する最低輝度BM1が設定される。
【0044】
即ち、最低輝度Bm1が(1)式のようにして求められるとともに、最高輝度BM1が(2)式のようにして求められる。
Bm1=(Dm1×Bb-Ba×DM1)/(Dm1-DM1) …(1)
BM1=[DM×(Ba-Bb)+(Dm1×Bb-Ba×DM1)]/(Dm1-DM1) …(2)
【0045】
このようにして求められた最低輝度Bm1及び最高輝度BM1に相当する値がそれぞれ、D/A変換器4,5に与えられる。そして、D/A変換器4,5それぞれでアナログ変換され、A/D変換器2でデジタル信号に変換するための最低輝度及び最高輝度それぞれを示す基準電圧Vm1,VM1が設定される。この基準電圧Vm1,VM1が与えられたA/D変換器2では、固体撮像素子1から出力される映像信号の電圧値が基準電圧Vm1以下となるとき、信号レベル0のデジタル信号に、又は、固体撮像素子1から出力される映像信号の電圧値が基準電圧VM1以下となるとき、信号レベルDMのデジタル信号に、それぞれ変換されるように、固体撮像素子1から出力される映像信号をデジタル変換する。
【0046】
このように、A/D変換器9からの測定用映像信号を用いて検出した被写体の輝度範囲が、A/D変換器2で変換されたデジタル信号のダイナミックレンジより狭い範囲となるようにすることで、検出した輝度範囲より広い範囲での輝度変化にも対応することができる。即ち、図7(a)のように、A/D変換器9からの測定用映像信号を用いて検出した被写体の輝度範囲が、A/D変換器2で変換されたデジタル信号のダイナミックレンジの低輝度側に位置するとき、撮像時に輝度範囲より高い輝度の部分を撮像したとしても、高輝度側における変換可能な信号レベルに余裕があるので、デジタル信号に変換することができる。又、図7(b)のように、A/D変換器9からの測定用映像信号を用いて検出した被写体の輝度範囲が、A/D変換器2で変換されたデジタル信号のダイナミックレンジの高輝度側に位置するとき、撮像時に輝度範囲より低い輝度の部分を撮像したとしても、低輝度側における変換可能な信号レベルに余裕があるので、デジタル信号に変換することができる。
【0047】
又、検出した最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbのそれぞれを対応させる信号レベルDm1,DM1の間隔の広さを切り換えることによって、再生される映像のコントラストを変化させることができる。即ち、図8(a)のように、信号レベルDm1,DM1の間隔を広くした場合は、コントラストが高くなるが、前述した輝度変化に対する余裕が小さくなる。又、図8(b)のように、信号レベルDm1,DM1の間隔を狭くした場合は、コントラストが低くなるが、前述した輝度変化に対する余裕が大きくなる。
【0048】
尚、このように調節動作を行うとき、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの値の設定については、以下の(1)〜(4)の条件のうち、1つ以上の条件が組み合わされた条件を満たす値に設定されるようにすることで、安定させることができる。
(1)最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbの変化量が所定値以上となるときに検出された最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbの値を反映。
(2)最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbの変化量が所定時間以上継続して所定値以上となるときに検出された最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbの値を反映。
(3)最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbの実際の変化量に対して一定の割合分(例えば1/2)のみを反映。
(4)検出した最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbと過去の複数回に設定された最低測定輝度Baや最高測定輝度Bbとの平均値を反映。
【0049】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して、説明する。図9は、入力部の操作釦の配置を示す図である。
【0050】
図9に示すように、本実施形態の固体撮像装置において、入力部7a(図1の入力部7に相当する)には、手動調節モードに設定するための手動設定釦71と、各種自動調節モードに設定するための自動設定釦72a〜72cと、手動調節モード時にゲイン調整を行うためのゲイン調整釦73と、手動調節モード時にオフセット調整を行うためのオフセット調整釦74と、自動調節モード時にコントラスト調整を行うためのコントラスト調整釦75とが設けられる。そして、メモリ6には、各自動調節モードにおける信号レベルDm1,DM1の値と最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの測定期間と決定条件とが格納されるとともに、手動調節モードにおける信号レベルDm1,DM1と決定条件とが格納される。
【0051】
図9のような入力部7aを備える固体撮像装置の動作について、以下に説明する。尚、説明を簡単にするために、A/D変換器2において、12ビットのデジタル信号に変換されるものとする。
【0052】
1.自動調節モード
自動設定釦72aを操作することによって、一般用途向けの自動調節モードに、自動設定釦72bを操作することによって、溶接部分観察向けの自動調節モードに、自動設定釦72cを操作することによって、監視カメラ向けの自動調節モードに、それぞれ設定される。各自動調節モードにおける動作について、以下に説明する。
【0053】
1−a 一般用途向け
A/D変換器2において信号レベル0〜4095(上述のDMに相当)のデジタル信号に変換されるとき、図10のように、上述した検出動作により検出された最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を800、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を3200とされる。即ち、高輝度側と低輝度側に、同程度の余裕を持たせる。
【0054】
図10のように、検出された輝度範囲が対応付けされるとき、演算回路3でA/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて検出される最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbはそれぞれ、5フレーム毎に、各フレームで検出される最低輝度と最高輝度の平均値とする。即ち、1秒に30フレームが撮像されるので、0.2秒間、各フレーム毎に、撮像した被写体の最低輝度及び最高輝度の検出が行われる。そして、各フレーム毎に検出された5つの最低輝度及び最高輝度をそれぞれ平均することによって、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbを得る。
【0055】
そして、このようにして得た最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図10の関係を用いて、信号レベル0の映像信号に相当する最低輝度Bm1及び信号レベル4095の映像信号に相当する最低輝度BM1が設定される。この設定された最低輝度Bm1及び最高輝度BM1に相当する値がそれぞれ、D/A変換器4,5に与えられると、D/A変換器4,5でアナログ変換され、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0056】
1−b 溶接部分観察向け
A/D変換器2において信号レベル0〜4095のデジタル信号に変換されるとき、図11のように、上述した検出動作により検出された最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を700、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を2500とされる。即ち、高輝度側に、低輝度側と比べて大きめの余裕を持たせる。
【0057】
図11のように、検出された輝度範囲が対応付けされるとき、演算回路3でA/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて検出される最低測定輝度Baを、一般用途向けのものと同様、5フレーム毎に、各フレームで検出される最低輝度の平均値とする。又、最高測定輝度Bbが、各フレーム毎に演算回路3でA/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて検出され、現在のA/D変換器2への基準電圧Vm1,VM1を設定する最高測定輝度Bbよりもその値が高くなったことが検出されたとき、検出した値を最高測定輝度Bbとして置き換える。逆に、現在のA/D変換器2への基準電圧Vm1,VM1を設定する最高測定輝度Bbよりもその値が低くなったことが検出されたときは、例えば3秒間というように所定時間以上継続してその値が検出されるか確認された後、継続した場合にのみ、検出した値を最高測定輝度Bbとして置き換える。
【0058】
このようにすることで、溶接開始時に、アーク光が点滅する場合には、アーク光の部分が長時間にわたって飽和状態のままにならないように、そのアーク光における最高輝度が最高測定輝度Bbとして速やかに検出される。又、アーク光が瞬間的に消えたとき、そのときの最高輝度を最高測定輝度Bbとしてすぐには検出しないようにする。これにより、アーク光の点滅で最高輝度自体は激しく変動したときでも、最高測定輝度Bbはあまり変動しないようにして、映像の明るさを安定したものとする。又、溶接が完全に終了してアーク光が消えたときは、数秒間、被写体の最高輝度が低くなったことが検知されるため、この低くなった最高輝度が最高測定輝度Bbとして検出される。
【0059】
そして、このようにして得た最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図11の関係を用いて、信号レベル0の映像信号に相当する最低輝度Bm1及び信号レベル4095の映像信号に相当する最低輝度BM1が設定される。この設定された最低輝度Bm1及び最高輝度BM1に相当する値がそれぞれ、D/A変換器4,5に与えられると、D/A変換器4,5でアナログ変換され、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0060】
1−c 監視カメラ向け
A/D変換器2において信号レベル0〜4095のデジタル信号に変換されるとき、図12のように、上述した検出動作により検出された最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を1024、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を3072とされる。即ち、高輝度側と低輝度側に、同程度の余裕を持たせるとともに、一般向けの場合と比べて、その余裕を広めにする。
【0061】
図12のように、検出された輝度範囲が対応付けされるとき、演算回路3でA/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて検出される最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbはそれぞれ、30フレーム分毎に、各フレームで検出される最低輝度と最高輝度の平均値とする。即ち、1秒に30フレームが撮像されるので、1秒間、各フレーム毎に、撮像した被写体の最低輝度及び最高輝度の検出が行われる。そして、各フレーム毎に検出された30個の最低輝度及び最高輝度をそれぞれ平均することによって、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbを得る。
【0062】
このように、一般用途向けと比べて、長い時間に検出された最低輝度及び最高輝度の平均値を、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbとすることによって、映像調節の変化が緩やかになるようにして、一時的な外乱光などに応答して映像の明るさが急激に変動することを防ぐ。
【0063】
そして、このようにして得た最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図12の関係を用いて、信号レベル0の映像信号に相当する最低輝度Bm1及び信号レベル4095の映像信号に相当する最高輝度BM1が設定される。この設定された最低輝度Bm1及び最高輝度BM1に相当する値がそれぞれ、D/A変換器4,5に与えられると、D/A変換器4,5でアナログ変換され、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0064】
1−d コントラスト調整
このように、1−a〜1−cで説明した各自動調節モードが設定されたとき、コントラスト調整釦75を操作することによって、各自動調節モードで設定された信号レベルDm1,DM1の値を変化させることによって、コントラスト調整を行うことができる。即ち、図8を参照して説明したように、コントラスト調整釦75を操作して、信号レベルDm1,DM1の間隔を変化させることで、コントラストの調整を行う。
【0065】
2.手動調節モード
手動設定釦71を1秒以上押し続けることによって、手動調節モードに設定され、演算回路3において、A/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの検出が開始される。そして、再び、手動設定釦71を押すことによって、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの検出が終了し、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbが決定される。即ち、図13のように、手動調節モードが設定されて、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの検出が開始されてから終了されるまでの期間を通じて、最低となるものを最低測定輝度Baとし、最高となるものを最高測定輝度Bbとする。この決定された最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbが、演算回路3によってメモリ6に格納される。
【0066】
今、1−aと同様、A/D変換器2において信号レベル0〜4095のデジタル信号に変換されるとき、図10のように、上述した検出動作により検出された最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を800、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を3200とされるものとする。
【0067】
よって、上述したように最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbが決定されると、この最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図10の関係を用いて、信号レベル0の映像信号に相当する最低輝度Bm1及び信号レベル4095の映像信号に相当する最高輝度BM1が設定される。この設定された最低輝度Bm1及び最高輝度BM1に相当する値がそれぞれ、D/A変換器4,5に与えられると、D/A変換器4,5でアナログ変換され、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0068】
更に、このようにして、基準電圧Vm1,VM1が設定された後、ゲイン調整釦73やオフセット調整釦74が操作されることによって、明るさやコントラストの微調整を行うことができる。
【0069】
ゲイン調整釦73が操作されると、図14のように、輝度の対数値とデジタル信号の信号レベルとの関係を表す直線の傾きが切り換えられる。このとき、所定の基準輝度B0のデジタル信号の信号レベルが一定とされる。図14の場合、5つの傾きを選択することが可能である。又、オフセット釦74が操作されると、図15のように、輝度の対数値とデジタル信号の信号レベルとの関係を表す直線の傾きを一定とし、所定の基準輝度B0のデジタル信号の信号レベルが切り換えられる。このとき、オフセット釦74が操作される直前での信号レベルが基準値とされ、その相対値が設定される。図15の場合、5つの相対値を選択することが可能である。
【0070】
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図面を参照して、説明する。図16は、入力部の操作釦の配置を示す図である。尚、図16において、図9と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0071】
図16に示すように、本実施形態の固体撮像装置において、入力部7b(図1の入力部7に相当する)には、手動調節モードに設定するための手動設定釦71a〜71cと、各種自動調節モードに設定するための自動設定釦72と、ゲイン調整釦73と、オフセット調整釦74と、コントラスト調整釦75とを有する。このような入力部7bが操作されたとき、固体撮像装置は、基本的には、第1の実施形態と同様の動作を行う。
【0072】
即ち、自動設定釦72が操作されたとき、例えば、第1の実施形態で説明した一般用途向けの自動調節モードが設定され、自動的に、A/D変換器9及び演算回路3及びD/A変換器4,5によって、図10のような関係を用いて、A/D変換器2に与える基準電圧Vm1,VM1が設定される。このように自動調節モードが行われるとき、コントラスト調整釦75が操作されることによって、第1の実施形態と同様、信号レベルDm1,DM1の間隔を変化させることで、コントラストの調整が行われる。
【0073】
又、手動設定釦71aを1秒以上押し続けて手動調節モードに設定した後、再び、手動設定釦71aを押すことによって、演算回路3において、A/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの検出が行われると、図10のような関係となるように、メモリ6より最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を800、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を3200が読み出される。そして、検出された最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図10の関係を用いて、最低輝度Bm1及び最高輝度BM1を設定すると、D/A変換器4,5により、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0074】
又、手動設定釦71bを1秒以上押し続けて手動調節モードに設定した後、再び、手動設定釦71bを押すことによって、演算回路3において、A/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの検出が行われると、図11のような関係となるように、メモリ6より最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を700、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を2500が読み出される。そして、検出された最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図11の関係を用いて、最低輝度Bm1及び最高輝度BM1を設定すると、D/A変換器4,5により、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0075】
又、手動設定釦71cを1秒以上押し続けて手動調節モードに設定した後、再び、手動設定釦71cを押すことによって、演算回路3において、A/D変換器9から与えられる測定用映像信号に基づいて、最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbの検出が行われると、図12のような関係となるように、メモリ6より最低測定輝度Baに対応させる信号レベルDm1を1024、最高測定輝度Bbに対応させる信号レベルDM1を3072が読み出される。そして、検出された最低測定輝度Ba及び最高測定輝度Bbより、図12の関係を用いて、最低輝度Bm1及び最高輝度BM1を設定すると、D/A変換器4,5により、A/D変換器2に基準電圧Vm1,VM1が与えられる。
【0076】
このように手動調節モードによって、基準電圧Vm1,VM1が設定されると、ゲイン調整釦73及びオフセット釦74がそれぞれ操作されることによって、第1の実施形態と同様、輝度の対数値とデジタル信号の信号レベルとの関係を表す直線の傾き及び所定の基準輝度B0のデジタル信号の信号レベルを変化させることで、コントラストや明るさの微調整が行われる。
【0077】
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態について、図面を参照して、説明する。図17は、入力部の操作釦の配置を示す図である。尚、図17において、図9及び図16と同一の部分については、同一の符号を付す。
【0078】
図17に示すように、本実施形態の固体撮像装置において、入力部7c(図1の入力部7に相当する)には、手動調節モードに設定するための手動設定釦71a〜71cと、各種自動調節モードに設定するための自動設定釦72a〜72cと、ゲイン調整釦73と、オフセット調整釦74と、コントラスト調整釦75とを有する。このような入力部7cが操作されたとき、固体撮像装置は、基本的には、第1及び第2の実施形態と同様の動作を行う。
【0079】
更に、ユーザーによって指示されて実行されている各種調節モードを示すための表示用LED(Light Emitting Diode)76と、ゲイン調整釦73及びコントラスト調整釦75がそれぞれ操作されたときのゲイン及びコントラストそれぞれの変化量を示すための表示用LED77と、オフセット調整釦74が操作されたときのオフセットの変化量を示すための表示用セグメントLED78とを有する。
【0080】
このように入力部7cが構成されるとき、手動設定釦71a〜71c又は自動設定釦72a〜72cのいずれかが操作されると、指示された調節モードがいずれであるか示すために、表示用LED76の一つが点滅する。尚、手動設定釦71〜71cのいずれかが操作されたときは、第2の実施形態と同様の動作が行われ、又、自動設定釦72a〜72cのいずれかが操作されたときは、第1の実施形態と同様の動作が行われる。
【0081】
又、ゲイン調整釦73が操作されることによって、輝度の対数値とデジタル信号の信号レベルとの関係を表す直線の傾きの大きさが、表示用LED77が表示されることによって示される。又、コントラスト調整釦75が操作されることによって、信号レベルDm1,DM1の間隔の広さが、表示用LED77が表示されることによって示される。更に、オフセット調整釦74が操作されることによって、変化される所定の基準輝度B0のデジタル信号の信号レベルの相対値が表示用セグメントLED78に表示される。
【0082】
尚、上述の実施形態において、演算回路で検出される最低測定輝度Baが、輝度分布の最低輝度から度数を輝度で積分した値が輝度分布全体のxパーセントとなる輝度とされるとともに、演算回路で検出される最高測定輝度Bbが、輝度分布の最高輝度から度数を輝度で積分した値が実効面積のxパーセントとなる輝度とされるようにしても構わない。
【0083】
【発明の効果】
本発明によると、様々な撮像条件となる、様々な撮像対象や目的に応じて、各種パラメータを格納し、このパラメータを読み出すことによって、固体撮像素子の出力ダイナミックレンジを調節することができるので、その撮像条件に最適な出力ダイナミックレンジを容易に調節することができる。よって、各撮像条件に対して、より効果的な映像調節を行うことができる。又、出力ダイナミックレンジの広い固体撮像素子からの出力を、十分、生かすことができ、その撮像条件に応じた見やすい映像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像装置の内部構成を示すブロック図。
【図2】固体撮像素子の構成を示すブロック回路図。
【図3】図2の固体撮像素子の一部を示す回路図。
【図4】図2の固体撮像素子内に設けられた画素の構成を示す回路図。
【図5】図2の固体撮像素子内に設けられた画素の構成を示す回路図。
【図6】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図7】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図8】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図9】入力部の操作釦の配置を示す図。
【図10】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図11】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図12】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図13】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図14】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図15】被写体の輝度と映像信号の信号レベルとの関係を示すグラフ。
【図16】入力部の操作釦の配置を示す図。
【図17】入力部の操作釦の配置を示す図。
【符号の説明】
1 固体撮像素子
2 A/D変換器
3 演算回路
4,5 D/A変換器
6 メモリ
7 入力部
8 表示部
Claims (6)
- 入射光量に対して自然対数的に変換した電気信号を出力する複数の画素を有する固体撮像素子と、
所定期間毎に、前記固体撮像素子より出力された電気信号に基づいて被写体の輝度範囲を検出するとともに、検出した輝度範囲に基づいて前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジを調節する調節部と、
該調節部で出力ダイナミックレンジを調節するためのパラメータが複数の撮像条件毎に格納されるメモリと、
を有し、
前記パラメータが、前記複数の撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲の最低輝度に対する前記電気信号の第1信号レベルと、前記輝度範囲の最高輝度に対する前記電気信号の第2信号レベルと、であり、
前記調節部において、選択された撮像条件に応じたパラメータが前記メモリより読み出されて、検出した前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度と、選択された撮像条件に応じた前記第1及び第2信号レベルとに基づいて、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されることを特徴とする固体撮像装置。 - 前記パラメータに、前記複数の撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲を測定するための測定時間及び決定条件が含まれ、
前記調節部において、選択された撮像条件に応じた前記測定時間及び前記決定条件に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 入力部を有し、前記入力部は手動調節用操作部を含み、
前記複数の撮像条件は手動調節モードを含み、
前記手動調節モードでは、
前記手動調節用操作部を操作して前記輝度範囲を測定するための測定時間を指定し、
前記調節部において、前記手動調節用操作部より指定された前記測定時間に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記パラメータに、前記複数の撮像条件毎に設定された、前記輝度範囲を測定するための決定条件が含まれ、
前記手動調節モードでは、
前記調節部において、前記手動調節用操作部より指定された前記測定時間と選択された前記手動調節モードに応じた前記決定条件とに従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されることを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。 - 前記複数の撮像条件は複数の自動調節モードを含み、
前記パラメータに、前記複数の自動調節モード毎に設定された、前記輝度範囲を測定するための測定時間及び決定条件が含まれ、
前記自動調節モードでは、
前記調節部において、選択された自動調節モードに応じた前記測定時間及び前記決定条件に従って前記輝度範囲の最低輝度及び最高輝度が検出され、前記固体撮像素子の出力ダイナミックレンジが調節されることを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の固体撮像装置。 - 前記第1及び第2信号レベルの値を調節するために入力可能な信号レベル入力部を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の固体撮像装置。
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