JP4759507B2 - 燃料電池用電極触媒,これを用いた燃料電池 - Google Patents
燃料電池用電極触媒,これを用いた燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4759507B2 JP4759507B2 JP2006510422A JP2006510422A JP4759507B2 JP 4759507 B2 JP4759507 B2 JP 4759507B2 JP 2006510422 A JP2006510422 A JP 2006510422A JP 2006510422 A JP2006510422 A JP 2006510422A JP 4759507 B2 JP4759507 B2 JP 4759507B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel cell
- catalyst
- carbon
- specific surface
- support
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/86—Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/86—Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
- H01M4/90—Selection of catalytic material
- H01M4/92—Metals of platinum group
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M4/00—Electrodes
- H01M4/86—Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
- H01M4/96—Carbon-based electrodes
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01M—PROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
- H01M8/00—Fuel cells; Manufacture thereof
- H01M8/10—Fuel cells with solid electrolytes
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Description
燃料極:2H2 → 4H+ + 4e-
空気極:O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O
燃料極:CH3OH + H2O → 6H+ + 6e- + CO2
空気極:3/2O2 + 6H+ + 6e+ → 3H2O
また、本発明によれば、化学反応が起こる部位の面積を増大させることができる、その結果、性能を低下させることなく高い電流密度で電流を取り出すことができる。従って、自動車用燃料電池・ポータブル機器用燃料電池などの高い電流密度を要する機器への利用が可能となる。
3 比較例1についてのデータ
5 比較例2についてのデータ
7 実施例2についてのデータ
9 比較例3についてのデータ
55 実験例1についてのデータ
57 実験例2についてのデータ
65 実験例4についてのデータ
67 実験例5についてのデータ
本発明の燃料電池用電極触媒は、担体と、それに担持された触媒金属とを備え、担体は、その表面がプロトン解離性官能基で修飾され、かつBET法による比表面積が900〜2170m2/gである。
担体は、導電性材料からなることが好ましい。これは、担体上に担持された触媒金属上の反応により発生した電子を、効率よく伝達させるためである。担体は、触媒金属上の反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されない。また、代表的な担体としては、当該分野で通常用いられる炭素材が挙げられる。炭素材の原料は、原油産物又はヤシ油などの植物油などが挙げられる。また、担体は、具体的には、金、銀、チタン若しくはニオブ等の金属材料、(n型、p型、ドープ型)シリコン等の半導体材料、ファーネスブラック等のカーボンブラック又は活性炭、活性炭素繊維、多層カーボンナノチューブ若しくはナノカーボンなどのカーボン材料などからなる。
担体は、そのBET法による比表面積が、900〜2170m2/gである。担体の比表面積が900m2/g以上の場合に、担体の表面がプロトン解離性官能基で修飾されることにより、触媒性能を大きく向上させることができるからである。また、比表面積が2170m2/gを超えると、触媒性能が低下する。これは、この場合、担体の電気抵抗が大きくなり、上記電子伝達の効率が低下するからであると考えられる。担体は、その比表面積が、好ましくは、1000〜1800m2/gである。なぜなら、1000m2/gより小さい場合、担持触媒粒子の粒子径が十分に小さくならず、1800m2/gより大きい場合、例えば水素又はメタノールなどの反応物質の実効的な拡散パスが長くなり、物質供給律速の現象が生じ易くなる(この場合、高い電流密度での電池特性が落ちる)と考えられるからである。担体は、その比表面積が、さらに好ましくは、1200〜1600m2/gである。なぜなら、1200m2/gより小さい場合、触媒の担持量を十分に大きくすることができず、1600m2/gより大きい場合、担体の気孔率が下がる為、物質供給律速の現象が生じ易くなる(この場合、高い電流密度での電池特性が落ちる)と考えられるからである。比表面積は、BET法を用いて測定する。なお、本発明の実施例では、比表面積は、日本ベル社製の型式BELSORP18を用いて測定した。
担体上に触媒金属を担持させる。触媒金属は、白金、ルテニウム、ロジウム、インジウム、パラジウム若しくはオスミウムなどの白金族金属、又はこれらの合金からなることが好ましい。また、触媒金属は、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、鋼、亜鉛、銀及びタングステンからなる群より選ばれた少なくとも1つの元素と白金族金属とを含む合金が好ましい。
1−3−1.一般的事項
担体は、その表面がプロトン解離性官能基で修飾されている。プロトン解離性官能基は、好ましくは、カルボキシル基、スルホン酸基及びリン酸基からなる群から選ばれる少なくとも一つからなり、スルホン酸基からなることが特に好ましい。なぜなら、スルホン酸基は、一般的な有機化学反応により、担体に導入することができるからである。スルホン化剤としては、例えば、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸又はフルオロ硫酸を用いることができる。
プロトン解離性官能基で修飾する前に、担体にオゾン処理、プラズマ処理、液相酸化処理、水蒸気処理又はフッ素処理などの表面処理を施しておくことが好ましい。これにより、担体上に水酸基などの反応性基が形成される。そして、反応性基と、プロトン解離性官能基を含む有機化合物との化学反応を通じて、担体上にプロトン解離性官能基を容易に導入することができる。また、表面処理の程度を制御することにより、反応性基の生成する密度を制御することができ、従って、担体上のプロトン解離性官能基の密度を制御することができる。これにより、担体上に必要な密度でプロトン解離性官能基を容易に導入することができ、高い性能の触媒が得られる。
担体としてカーボン担体を用いる場合、カーボン担体の黒鉛化度を制御することにより、カーボン担体上のプロトン解離性官能基の密度を制御することができる。その原理は、以下の通りであると考えられる。カーボン担体の黒鉛化度が高い場合、反応活性の高い部位が少なく、プロトン解離性官能基が導入されにくい。一方、カーボン担体の黒鉛化度が低い場合、反応活性の高い部位が多く、プロトン解離性官能基が導入されやすい。
従って、カーボン担体の黒鉛化度を制御することにより、カーボン担体上のプロトン解離性官能基の密度を制御することができる。
本発明の燃料電池は、電解質層と、電解質層を挟む一対の電極とを備え、前記電極の少なくとも一方は、上記の触媒を備える。
電解質層は、固体高分子又はリン酸などからなる。例えば、電解質層が固体高分子からなる場合、固体高分子電解質型燃料電池となり、電解質層がリン酸からなる場合、リン酸型燃料電池となる。
電極は、上記の触媒を備える。また、電極は、好ましくは、イオン交換樹脂と混合された触媒を備える。電極は、例えば、上記触媒をイオン交換樹脂分散溶液中に分散させ、得られた溶液をカーボンペーパーなどの上に塗布することによって形成することができる。
以下に示す方法で、種々の比表面積及び層間距離を有する担体を用いて燃料電池を作成し、電流密度を測定した。
表1に示すカーボン担体A、B、C、D、Eを担体として、以下の方法により、燃料電池を製造した。
まず、2.2重量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液90gにカーボン担体を3g浸漬させ攪拌した。次に、そこにエタノール10mLを加え、95℃で6時間攪拌することにより白金を担持させた。なお、電極触媒全体に対する白金の担持量は50重量%で一定とした。
次に、白金を担持させたカーボン担体を2(4−クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシランを含むジクロロメタン溶液中に懸濁させ、室温で2時間攪拌した。次に、それを濾過及び減圧乾燥することにより、プロトン解離性官能基で修飾されたカーボン担体触媒を得た。
次に、得られたカーボン担体触媒を5重量%Nafion(登録商標)分散溶液に浸漬し、超音波処理により分散させてペーストを作製した。これをカーボンペーパー(東レ製、TPG−H−060)上に塗工し触媒層を形成した燃料電池用電極を作製し、この電極で、デュポン社製イオン交換膜であるNafion(登録商標)膜(型式N−117)を挟んで一体化し、本実施例に係る燃料電池を得た。
表1に示すカーボン担体F、G、H、Iを担体として、それ以外は実施例1と同様の方法により、燃料電池を製造した。
カーボン担体A〜Iについて、プロトン解離性官能基で修飾する工程を行わずに、それ以外は実施例1と同様の方法により、燃料電池を製造した。
実施例1および比較例1、2で得られた燃料電池について、そのアノード側に加湿した水素を、カソード側に加湿した空気を供給して発電試験を行った。その結果を図1に示す。なお、図1は、カーボン担体の比表面積と、オーム抵抗を補正した電池電圧が900mVになるときの電流密度との関係を示す。電池電圧が900mVになるときの電流密度の大小は、反応律速状態での電流密度の大小、言い換えれば、三相界面の大小と相関があると考えられる。
図1において、符号1は、実施例1についてのデータを示し、符号3は比較例1についてのデータを示し、符号5は、比較例2についてのデータを示す。図1によると、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有する場合(実施例1及び比較例1)の電流密度の値は、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有しない場合(比較例2)の電流密度の値と比較した場合、比表面積の小さい領域では、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有しない場合の方が、高い電流密度を示しているが、カーボン担体の比表面積が900m2/gを境に、カーボン担体の比表面積がそれより大きくなるとプロトン解離性官能基を有する場合に、より高い電流密度を示すようになることが分かる。この傾向は、カーボン担体の比表面積が2170m2/gになるまで続き、2170m2/gを超えた場合には、再びカーボン担体がプロトン解離性官能基を有しない場合の方が高い電流密度を示すことが分かる。
以上より、触媒に用いるカーボン担体の表面がプロトン解離性官能基で修飾され、かつこのカーボン担体の比表面積が900〜2170m2/gであるときに、特に高い電流密度が得られることが分かり、本発明によれば、高い性能を有する燃料電池を製造することができることが分かった。
以下に示す方法で、種々の比表面積及び層間距離を有する担体を用いて燃料電池を作成し、電流密度を測定した。
表2に示すカーボン担体J、K、Lを担体として、実施例1と同様の方法を用いて、燃料電池を製造した。
カーボン担体J〜Lについて、プロトン解離性官能基で修飾する工程を行わずに、それ以外は実施例1と同様の方法により、燃料電池を製造した。
実施例2および比較例3で得られた燃料電池について、そのアノード側に加湿した水素を、カソード側に加湿した空気を供給して発電試験を行った。その結果を図2に示す。なお、図2は、カーボン担体の層間距離と、オーム抵抗を補正した電池電圧が500mVになるときの電流密度との関係を示す。電池電圧が500mVになるときの電流密度の大小は、拡散律速状態での電流密度の大小、つまり、触媒層中の電子伝導・プロトン伝導の影響が現れる状態での電流密度であると考えられる。
図2において、符号7は、実施例2についてのデータを示し、符号9は比較例3についてのデータを示す。図2によると、カーボン担体の層間距離が0.35nm〜0.388nmである場合、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有する場合(実施例2)の電流密度の値は、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有しない場合(比較例3)の電流密度の値と比較した場合、より高い電流密度を示すことが分かる。このような結果が得られたのは、層間距離が0.35〜0.388nm程度のときに、カーボン担体上のプロトン解離性官能基の密度が十分に高く、かつ、カーボン担体の導電性が十分に高くなったからであると考えられる。
以上より、触媒に用いるカーボン担体の表面がプロトン解離性官能基で修飾され、かつカーボン担体の層間距離が0.35〜0.388nmであるときに、特に高い電流密度が得られることが分かり、本発明によれば、高い性能を有する燃料電池を製造することができることが分かった。
以下に示す方法で、種々の比表面積及び層間距離を有する担体を用いて燃料電池を作成し、出力密度を測定した。
実施例3では、比表面積が900〜2170m2/gであり、かつ、カーボン担体の層間距離が0.350〜0.388nmである担体として、表3に示すM、N、O、P、Q、R、S、Tのカーボン担体を用いて、実施例1と同様の方法により燃料電池を製造した。
900〜2170m2/gの範囲の比表面積を有し、かつ層間距離が0.35〜0.388nmの条件を満たさないカーボン担体として、表3に示すU、V、Wのカーボン担体を用いて、実施例1と同様の方法により燃料電池を製造した。
0.35〜0.388nmの範囲の層間距離を有し、かつ比表面積900〜2170m2/gの条件を満たさないカーボン担体として、表3に示すX、Y、Zのカーボン担体を用いて、実施例1と同様の方法により燃料電池を製造した。
比表面積900〜2170m2/g及び層間距離0.35〜0.388nmの何れの条件も満たさないカーボン担体として、表3に示すa、b、cのカーボン担体を用いて、実施例1と同様の方法により燃料電池を製造した。
実施例3、4および比較例4、5で得られた燃料電池について、そのアノード側に加湿した水素を、カソード側に加湿した空気を供給して発電試験を行った。その結果を表3及び図3に示す。なお表3は、電流密度が800mA/cm2の時の出力密度の時の電流密度を示す。図3は、カーボン担体の比表面積及び層間距離と電流密度が800mA/cm2の時の出力密度との関係を示す図である。
図3によると、比表面積900〜2170m2/g及び層間距離0.35〜0.388nmの両方の条件を満たさない比較例5の出力密度は、実施例3、4及び比較例4と比較して低く、0.2W/cm2に満たないことが分かる。
また、比表面積、層間距離の何れの条件も満たす実施例3では、少なくとも一方が条件を満たしていない実施例4、比較例4、5と比べて、高い出力密度が得られることが分かる。
4−1.実験例1の燃料電池の製造
比表面積がそれぞれ56、254、800、1270、1475、1970、2170m2/gであるカーボン担体X1〜X7を担体として、以下の方法により、燃料電池を製造した。
まず、2.2重量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液90gにカーボン担体を3g浸漬させ攪拌した。次に、そこにエタノール10mLを加え、95℃で6時間攪拌することにより白金を担持させた。なお、電極触媒全体に対する白金の担持量は50重量%で一定とした。
次に、白金を担持させたカーボン担体を2(4−クロロスルホニルフェニル)エチルトリクロロシランを含むジクロロメタン溶液中に懸濁させ、室温で2時間攪拌した。次に、それを濾過及び減圧乾燥することにより、プロトン解離性官能基で修飾されたカーボン担体触媒を得た。
次に、得られたカーボン担体触媒を5重量%Nafion(登録商標)分散溶液に浸漬し、超音波処理により分散させてペーストを作製した。これをカーボンペーパー(東レ製、TPG−H−060)上に塗工し触媒層を形成した燃料電池用電極を作製し、この電極で、デュポン社製イオン交換膜であるNafion(登録商標)膜(型式N−117)を挟んで一体化し、本実験例に係る燃料電池を得た。
カーボン担体X1〜X7について、プロトン解離性官能基で修飾する工程を行わずに、それ以外は実験例1と同様の方法により、燃料電池を製造した。
カーボン担体X1〜X7に担持された白金の粒径を測定した。その結果を図4に示す。なお、白金粒径は、粉末X線回折装置を使用して、シェラーの式に基づき算出した。図4によると、比表面積が大きくなるほど、白金粒径が小さくなっていることが分かる。これは、比表面積が大きくなるほど、白金が高度に分散していることを示している。
実験例1および2で得られた燃料電池について、そのアノード側に加湿した水素を、カソード側に加湿した空気を供給して発電試験を行った。その結果を図5に示す。なお、図5は、カーボン担体の比表面積と、オーム抵抗を補正した電池電圧が900mVになるときの電流密度との関係を示す。電池電圧が900mVになるときの電流密度の大小は、反応律速状態での電流密度の大小、言い換えれば、三相界面の大小と相関があると考えられる。
図5において、符号55は、実験例1についてのデータを示し、符号57は、実験例2についてのデータを示す。図5によると、比表面積が900m2/gを超えた辺りから、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有する場合(実験例1)の方が、有しない場合(実験例2)よりも、電流密度が高くなっていることが分かる。また、比表面積が2170m2/gの場合でも、実験例1の方が、実験例2よりも、電流密度が高くなっていることが分かる。従って、カーボン担体の表面がプロトン解離性官能基で修飾され、かつカーボン担体の比表面積が900〜2170m2/gであるときに、高い電流密度が得られることが分かった。
5−1.燃料電池の製造
表4に示すカーボン担体X8〜X10を担体として、実験例1と同様の方法を用いて、燃料電池を製造した。また、実験例1と同様の方法を用いて、電流密度を測定した。但し、電流密度は、オーム抵抗を補正した電池電圧が500mVになるときの値とした。
図6は、層間距離(カーボン担体の[002]面の平均格子面間隔)と、電流密度との関係を示すグラフである。カーボン担体X8〜X10の比表面積は、互いに近い大きさなので、電流密度の違いは、層間距離の違い、すなわち、カーボン担体の黒鉛化度の違いを反映していると考えられる。また、カーボン担体の黒鉛化度は、上述のように、カーボン担体上のプロトン解離性官能基の密度と相関する。
6−1.実験例4の燃料電池の製造
比表面積がそれぞれ56、254、800、1270、1475、1970、2170m2/gであるカーボン担体X1〜X7を担体として、以下の方法により、燃料電池を製造した。
まず、2.2重量%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液90gにカーボン担体を3g浸漬させ攪拌した。次に、そこにエタノール10mLを加え、95℃で6時間攪拌することにより白金を担持させた。次に、そこに、5.2重量%の塩化ルテニウム溶液10gを加え攪拌することによりルテニウムをさらに担持させた。これにより、白金ルテニウム合金(以下、「PtRu合金」という。)が、カーボン担体上に担持された。なお、電極触媒全体に対するPtRu合金の担持量は50重量%で一定とした。
次に、上記触媒を担持させたカーボン担体を5重量%三酸化硫黄溶液(溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)中に懸濁させ、120℃で4時間攪拌させた。次に、それを濾過及び減圧乾燥することにより、プロトン解離性官能基で修飾されたカーボン担体触媒を得た。
次に、得られたカーボン担体触媒を5重量%Nafion(登録商標)分散溶液に浸漬し、超音波処理により分散させてペーストを作製した。これをカーボンペーパー(東レ製、TPG−H−060)上に塗工し触媒層を形成した燃料電池用電極を作製し、この電極で、デュポン社製イオン交換膜であるNafion(登録商標)膜(型式N−117)を挟んで一体化し、本実験例に係る燃料電池を得た。
カーボン担体X1〜X7について、プロトン解離性官能基で修飾する工程を行わずに、それ以外は実験例4と同様の方法により、燃料電池を製造した。
カーボン担体AからIに担持されたPtRu合金の粒径を測定した。その結果を図7に示す。なお、PtRu合金の粒径は、粉末X線回折装置を使用して、シェラーの式に基づき算出した。図7によると、比表面積が大きくなるほど、PtRu合金粒径が小さくなっていることが分かる。これは、比表面積が大きくなるほど、PtRu合金が高度に分散していることを示している。
実験例4及び5で得られた燃料電池について、そのアノード側にメタノール水溶液を、カソード側に空気を供給して、直接メタノール燃料電池として発電試験を行った。その結果を図8に示す。なお、図8は、カーボン担体の比表面積と、オーム抵抗を補正した電池電圧が500mVになるときの電流密度との関係を示す。
図8において、符号65は、実験例4についてのデータを示し、符号67は、実験例5についてのデータを示す。図8によると、比表面積が900m2/gを超えた辺りから、カーボン担体がプロトン解離性官能基を有する場合(実験例4)の方が、有しない場合(実験例5)よりも、電流密度が高くなっていることが分かる。また、比表面積が2170m2/gの場合でも、実験例4の方が、実験例5よりも、電流密度が高くなっていることが分かる。従って、カーボン担体の表面がプロトン解離性官能基で修飾され、かつカーボン担体の比表面積が900〜2170m2/gであるときに、高い電流密度が得られることが分かった。
Claims (6)
- 複数の粒子の会合体からなり、かつ、前記会合体内部の空間の内表面がスルホン酸基で修飾されたカーボンからなる担体と、前記会合体内部の空間の内表面に担持された触媒金属とを備え、
前記担体は、BET法による比表面積が900〜2170m2/gであり、かつ、前記担体の[002]面の平均格子面間隔が0.362〜0.388nmであることを特徴とする燃料電池用電極触媒。 - (1)複数の粒子の会合体からなり、かつ、BET法による比表面積が900〜2170m2/gであり、かつ、[002]面の平均格子面間隔が0.362〜0.388nmであるカーボンからなる担体上に触媒金属を担持し、(2)前記担体の表面をスルホン酸基で修飾する工程により得られ、
前記会合体は、内部に空間を有し、
前記触媒金属は、前記会合体内部の空間の内表面に担持され、
前記スルホン酸基は、前記会合体内部の空間の内表面を修飾することを特徴とする燃料電池用電極触媒。 - 前記触媒金属は、粒子径が1.5nm〜2nmである白金からなる請求項1又は2に記載の触媒。
- 前記触媒金属は、前記担体上に担持量が5〜70重量%となるように担持されている請求項1〜3の何れか1つに記載の触媒。
- 電解質層と、電解質層を挟む一対の電極とを備え、前記電極の少なくとも一方が、請求項1〜4の何れか1つに記載の触媒を備える燃料電池。
- 前記触媒は、イオン交換樹脂と混合されている請求項5に記載の燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006510422A JP4759507B2 (ja) | 2004-02-26 | 2005-02-22 | 燃料電池用電極触媒,これを用いた燃料電池 |
Applications Claiming Priority (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004051921 | 2004-02-26 | ||
JP2004051921 | 2004-02-26 | ||
JP2006510422A JP4759507B2 (ja) | 2004-02-26 | 2005-02-22 | 燃料電池用電極触媒,これを用いた燃料電池 |
PCT/JP2005/002810 WO2005083818A1 (ja) | 2004-02-26 | 2005-02-22 | 燃料電池用電極触媒、これを用いた燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2005083818A1 JPWO2005083818A1 (ja) | 2007-11-29 |
JP4759507B2 true JP4759507B2 (ja) | 2011-08-31 |
Family
ID=34908649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006510422A Expired - Fee Related JP4759507B2 (ja) | 2004-02-26 | 2005-02-22 | 燃料電池用電極触媒,これを用いた燃料電池 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4759507B2 (ja) |
WO (1) | WO2005083818A1 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20060134506A1 (en) * | 2004-12-17 | 2006-06-22 | Kim Min S | Electrode catalyst for fuel cell |
CA2910374C (en) | 2013-04-25 | 2018-10-23 | Nissan Motor Co., Ltd. | Catalyst and electrode catalyst layer, membrane electrode assembly, and fuel cell using the catalyst |
JPWO2014175097A1 (ja) | 2013-04-25 | 2017-02-23 | 日産自動車株式会社 | 触媒およびその製造方法ならびに当該触媒を用いる電極触媒層 |
WO2014175099A1 (ja) * | 2013-04-25 | 2014-10-30 | 日産自動車株式会社 | 触媒ならびに当該触媒を用いる電極触媒層、膜電極接合体および燃料電池 |
US10535881B2 (en) | 2013-04-25 | 2020-01-14 | Nissan Motor Co., Ltd. | Catalyst and electrode catalyst layer, membrane electrode assembly, and fuel cell using the catalyst |
JP6237338B2 (ja) * | 2014-02-28 | 2017-11-29 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | スルホン化炭素触媒及びその製造方法、及び該スルホン化炭素触媒を用いた触媒インキ並びに燃料電池 |
CA2966176C (en) | 2014-10-29 | 2019-12-31 | Nissan Motor Co., Ltd. | Electrode catalyst layer for fuel cell, method for producing the same, and membrane electrode assembly and fuel cell using the catalyst layer |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06275282A (ja) * | 1993-03-18 | 1994-09-30 | Hitachi Ltd | 燃料電池 |
JPH08117598A (ja) * | 1994-10-19 | 1996-05-14 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 高分子固体電解質型燃料電池用触媒 |
JPH1092440A (ja) * | 1996-08-27 | 1998-04-10 | Univ New York State | ポリ(ビニリデンフルオライド)カーボンブレンドを基礎としたガス拡散電極 |
JP2002015745A (ja) * | 2000-06-28 | 2002-01-18 | Asahi Glass Co Ltd | 固体高分子型燃料電池 |
JP2002134120A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-10 | Sanyo Electric Co Ltd | 燃料電池用電極とこれを用いる燃料電池 |
JP2004025024A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | Toyobo Co Ltd | 活性炭担体、触媒担持活性炭およびそれらの製造方法 |
JP2004025022A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | Toyobo Co Ltd | 活性炭担体、触媒担持活性炭およびそれらの製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003128409A (ja) * | 2001-10-22 | 2003-05-08 | Ube Ind Ltd | 多孔質炭素膜構造体、触媒担持体、燃料電池用電極、電極接合体、及び燃料電池 |
JP4634016B2 (ja) * | 2003-06-25 | 2011-02-16 | 東邦化学工業株式会社 | 生分解性ポリエステル系樹脂組成物 |
JP2005056593A (ja) * | 2003-08-04 | 2005-03-03 | Cataler Corp | 固体高分子型燃料電池用カソード触媒層及びその製造方法 |
-
2005
- 2005-02-22 WO PCT/JP2005/002810 patent/WO2005083818A1/ja active Application Filing
- 2005-02-22 JP JP2006510422A patent/JP4759507B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06275282A (ja) * | 1993-03-18 | 1994-09-30 | Hitachi Ltd | 燃料電池 |
JPH08117598A (ja) * | 1994-10-19 | 1996-05-14 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 高分子固体電解質型燃料電池用触媒 |
JPH1092440A (ja) * | 1996-08-27 | 1998-04-10 | Univ New York State | ポリ(ビニリデンフルオライド)カーボンブレンドを基礎としたガス拡散電極 |
JP2002015745A (ja) * | 2000-06-28 | 2002-01-18 | Asahi Glass Co Ltd | 固体高分子型燃料電池 |
JP2002134120A (ja) * | 2000-10-24 | 2002-05-10 | Sanyo Electric Co Ltd | 燃料電池用電極とこれを用いる燃料電池 |
JP2004025024A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | Toyobo Co Ltd | 活性炭担体、触媒担持活性炭およびそれらの製造方法 |
JP2004025022A (ja) * | 2002-06-25 | 2004-01-29 | Toyobo Co Ltd | 活性炭担体、触媒担持活性炭およびそれらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPWO2005083818A1 (ja) | 2007-11-29 |
WO2005083818A1 (ja) | 2005-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4656576B2 (ja) | 燃料電池アノード用Pt/Ru合金触媒の製造方法 | |
KR101679809B1 (ko) | 질소(N)가 도핑된 탄소에 담지된 백금(Pt)촉매의 제조방법 및 이의 이용하여 제조된 질소(N)가 도핑된 탄소에 담지된 백금(Pt)촉매 | |
KR100868756B1 (ko) | 백금/루테늄 합금 담지 촉매, 그 제조방법 및 이를 이용한연료전지 | |
JP4759507B2 (ja) | 燃料電池用電極触媒,これを用いた燃料電池 | |
JP2015138780A (ja) | 燃料電池用電極触媒、その製造方法、それを含んだ燃料電池用電極及び燃料電池 | |
JP4954530B2 (ja) | 白金コロイド担持カーボンおよびその製造方法 | |
CN106784900B (zh) | 铂基纳米颗粒包覆二氧化锡覆盖的碳纳米管及其制备方法 | |
CN108808027B (zh) | 燃料电池用电极催化剂及其制造方法 | |
Habibi et al. | Electrooxidation of formic acid and formaldehyde on the Fe3O4@ Pt core-shell nanoparticles/carbon-ceramic electrode | |
JP6141547B2 (ja) | 触媒担体、その製造方法およびその用途 | |
JP2008041498A (ja) | 固体高分子形燃料電池用触媒担持体の製造方法および固体高分子形燃料電池 | |
JP2012129059A (ja) | 燃料電池用担持触媒及び燃料電池 | |
JP2020047429A (ja) | 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池 | |
JPWO2011136186A1 (ja) | 電極材料 | |
JP2005216772A (ja) | 電極触媒、該触媒を用いた触媒担持電極およびmea | |
CN108682874B (zh) | 一种高效稳定Pt/GC催化剂的制备方法 | |
JP4892811B2 (ja) | 電極触媒 | |
JP2020047432A (ja) | 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池 | |
JP2020047430A (ja) | 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池 | |
JP2010161034A (ja) | 金属触媒担持カーボン粉末の製造方法 | |
JP2012000612A (ja) | 白金コロイド担持カーボン | |
JPWO2009051111A1 (ja) | 燃料電池用担持触媒及び燃料電池 | |
JP2005025947A (ja) | 電極触媒およびその製造方法並びにそれを用いた固体高分子型燃料電池 | |
JP2017050098A (ja) | 燃料電池用電極触媒、燃料電池、及びその電極触媒の製造方法 | |
JP6165359B2 (ja) | 触媒担体及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100202 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100402 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110531 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110606 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |