JPWO2011136186A1 - 電極材料 - Google Patents

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Abstract

担持率が高く、耐久性も良好で、高活性である電極材料の提供。カーボンナノチューブに直接白金を担持させてなる電極材料。特にカーボンナノチューブに、液相で還元析出させた白金を担持させてなることが好ましい。また、カーボンナノチューブのラマン分光法によるDバンドとGバンドのピーク比(D/G)が0.17以下であることが好ましい。さらに、液相で還元析出させた白金を担持させてなる場合は、液相での還元抽出を白金塩の水素還元により行うことが好ましい。

Description

本発明は、燃料電池、空気電池などに適する電極材料に関する。
燃料電池等の電極には、カーボンに白金等の触媒を担持させた電極材料が多く用いられている。特に触媒の担持方法により、電極材料の電極特性は大きく変化する。高出力密度を特徴とする固体高分子形燃料電池(PEFC)においては、反応ガスや生成物の拡散性確保のため、触媒層を薄くする必要が有り、高担持率触媒が使用される。そのため、従来は触媒粒子間距離を大きく確保できる高比表面積のカーボンブラック等の担体が用いられてきた。例えば白金微粒子を高分散に担持させる等の提案がなされている(特許文献1、2参照。)。
しかし、燃料電池自動車用PEFCにおいては頻繁な起動停止に対する耐久性が求められている。従来の高比表面積のカーボン系担体では耐久性、特に耐酸化性が不充分であった。このため、グラファイト化したカーボンやチタニア等の金属酸化物担体も検討されているが比表面積が小さく、担持率を高くしにくいという問題があった。
カーボンナノチューブは耐酸化性、電子伝導性に優れる担体であるが、撥水性を有し比表面積が低いなどの問題を有する。このため、未処理のカーボンナノチューブをそのまま使用して触媒を担持させることは困難であった。カーボンナノチューブの処理方法としては、混酸等で処理して官能基を形成させることが行われている。しかし、この場合に、活性は必ずしも充分なものではなく、かつ、耐酸化性も期待されるレベルではないことが多い。
特開2009−255058号公報 特開2007−179963号公報
本発明は、触媒の担持率が高く、耐久性も良好で、高活性である電極材料を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、以下の発明を提供する。
(1)カーボンナノチューブに直接白金を担持させてなる電極材料。
(2)カーボンナノチューブに、液相で還元析出させた白金を担持させてなる(1)に記載の電極材料。(3)カーボンナノチューブのラマン分光法によるDバンドとGバンドのピーク比(D/G)が0.17以下である(1)または(2)に記載の電極材料。(4)前記液相での還元析出が、白金塩の水素還元により行われる(1)〜(3)のいずれか一項に記載の電極材料。(5)前記カーボンナノチューブの直径が200nm以下である(1)〜(4)のいずれか一項に記載の電極材料。(6)前記カーボンナノチューブのアスペクト比が10以上である(1)〜(5)のいずれかに記載の電極材料。(7)(1)〜(6)のいずれか一項に記載の電極材料を用いた電極。(8)カーボンナノチューブに親水化処理を施さずに白金を担持させることを特徴とする電極材料の製造方法。
本発明によれば、従来のように親水化処理しなくとも触媒の高い担持率が得られ、また、従来では困難であった高い電極活性と大きい耐久性を有する電極材料が提供される。
本発明の電極材料は、燃料電池の電極(水素極または空気極)、空気電池の空気極に好適であり、さらに、FED、平面蛍光管、冷陰極管のカソードとしても適用できる。
図1は本発明の電極材料を用いて測定したサイクリックボルタモグラム(CV曲線)である。 図2は市販のカーボンブラックに白金触媒を担持させた電極材料を用いて測定したCV曲線である。 図3は市販のカーボンブラックを用いて測定したCV曲線である。 図4は市販のカーボンブラックを用いて測定したCV曲線である。 図5はカップ積層型カーボンナノファイバーを用いて測定したCV曲線である。 図6は多層カーボンナノチューブを用いて測定したCV曲線である。
本明細書において、電位は特に記載がない限り標準水素電極基準の電位とする。
<カーボンナノチューブ>
本発明の電極材料にはカーボンナノチューブ(以下、「CNT」と略記することもある。)を用いる。CNTは、他の炭素系材料(カーボンブラック、カーボンナノホーン等)より耐酸化性に優れている。図3〜図6はその比較を示すサイクリックボルタモグラム(CV曲線)である。図3〜図6のいずれも、破線は金(Au)基板のみの場合であり、実線は炭素系材料を塗布した場合のCV曲線である。CV曲線の測定条件は後述する実施例と同じである。また試料電極の作製方法は実施例に準じ、金基板に炭素系材料のみを担持させた。なお、図3では市販のカーボンブラック(比表面積が1200m/gのケッチェンブラック)を用いた。図4では市販のカーボンブラック(比表面積が250m/gのバルカンXC−72)を用いた。図5ではカップ積層型のカーボンナノファイバーを用いた。図6では、実施例の例1で用いたものと同じCNTを用いた。
図3、図4または図5のCNT以外の炭素系材料では、特に0.6Vより高電位において酸化されやすいことを示している。一方、図6に示すようにCNTは基板に用いた金のCV曲線とほぼ同じ特性が得られている。これによりCNTが耐酸化性に優れていることが確認された。
これはCNTの表面のほとんどが、グラファイト構造の基底面に相当する表面であるためと考えられている。またCNTを用いた電極材料は電子伝導性が高く、かつ、ガス透過性も高い。このためPEFC用電極(ガス拡散電極)の材料として好適である。さらにCNTはケッチェンブラックのような微細孔の発達したカーボンブラックとは異なり、電極触媒を膜電極接合体(MEA)へ適用する際に、イオン交換樹脂等のアイオノマの被覆も容易である点でも好ましい。
CNTとしては、単層CNTであっても多層CNTであってもよいが、材料として酸化を受けにくく扱いやすいことから多層CNTが好ましい。
CNTは、カーボンナノホーン等と比較して、白金が高活性の微粒子として担持されると考えられる。これは炭素のsp混成軌道で構成されるCNT表面に担持された白金が高い活性を示すためと考えられる。一方、エッジ部分においては、sp混成軌道が多くなり、この部分に存在する白金の活性が低下すると考えられる。
本発明に用いるCNTは、ラマン分光法によるDバンドとGバンドのピーク比(D/G)が0.17以下であることが好ましく、0.10以下がより好ましい。ただしラマン分光法によるDバンドのピークとは、1350cm−1付近のピークであり、点欠陥や結晶端の欠陥に起因する。またGバンドのピークとは、1580cm−1付近のピークであり、グラファイトに共通して観測されるピークである。D/Gが小さい値であることは、CNTの表面または端部の欠陥が少ないことを示す。すなわち欠陥の少ない良好な表面が多く、長いCNTであることを意味する。欠陥が少ないことは、酸化反応の起点となる欠陥が少ないことを意味し、耐久性に優れることを意味する。
なお、上記のラマン分光法によるDバンドとGバンドのピーク比は、以下の条件でラマン分光の測定を行った場合の値である。半導体レーザー 波長:532nm、出力:100mW、減光率:10%のときサンプル上でレーザーパワーが約0.6mW、対物レンズ:100倍、時間:30〜180秒。
CNTの直径は、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、10〜100nmがさらに好ましく、10〜60nmが特に好ましい。直径が前記範囲であれば、CNTの表面に白金微粒子が、微粒子として分散したまま高活性の状態を保ちながら担持されることになるため、電極活性が高くなると推定される。
なおCNTの直径は、FE−SEM(Field Emission-Scanning Electron Microscope)またはTEM(Transmission Electron Microscope)写真の画像解析の結果から求められる。またCNTのアスペクト比は、10以上が好ましく、50以上がより好ましい。アスペクト比の上限は特に無いが一般的には1000以下である。アスペクト比が大きいとD/Gの値は小さくなりやすい。なおCNTのアスペクト比は、FE−SEMまたはTEM写真の画像解析の結果から求められる。
本発明においては、白金はCNTに直接担持させる。ここで、直接担持させるとは、CNTの表面を修飾しないことを意味する。すなわち、CNTの表面を例えば有機基等で修飾しないことである。特に、親水化を目的とした化学的処理を行わないことである。これは白金の微粒子が、CNTの特定の表面に担持されているか、または金属(白金以外の金属)が担持された表面に担持されていることで、所定の活性を発現していると考えられるからである。
<触媒微粒子>
本発明においては、電極材料として、CNTに触媒として白金を担持させる、すなわち触媒微粒子としては白金微粒子を用いるのが好ましい。ここで触媒としては、白金のみを用いてもよく、白金と白金以外の金属とを併用してもよい。併用する白金以外の金属としては、ニッケル、パラジウム、銀、金等が挙げられる。
<還元析出>
本発明では、液相で還元析出させた白金が用いられることが好ましい。液相で析出させると、CNTの表面に微粒子として担持されやすいと考えられる。還元は白金塩の水素還元により行うことが好ましい。水素還元であれば、簡便でかつ白金微粒子の活性の発現を妨げる化学的活性種の影響を受けにくいためと考えられる。
従前、触媒微粒子の担持法としては、触媒のコロイド粒子を生成させ、同時に担持させるコロイド保護法等が採用されてきた。コロイド保護法では、比表面積が小さく、撥水性の高い表面を有するCNTに、そのまま未処理の状態で、触媒微粒子を担持させることは困難であった。この担持のために官能基を導入し、表面を親水化処理することが行われてきた。
しかし官能基を導入したCNTを用いた電極材料の活性は低かった。その活性は、従来のカーボンブラックを用いた場合と同等か約半分程度に過ぎなかった。さらに官能基を導入することで高電位において容易に酸化されやすくなり、CNTの高電位における耐酸化性を低下させる結果となり不適当となっていた。
これに対し、本発明においては、好適には、白金塩を液相で還元させることにより、触媒である白金微粒子をCNT表面に析出させる。このように液相で還元析出させた白金を用いることにより、官能基を導入する必要がなくなる。このため高電位においてCNTが酸化されにくくなり、電極材料として望ましいものが得られるようになる。また、白金の微粒子とCNTの特定の表面への担持により、所定の活性が発現していると考えられる。
<白金塩>
白金塩としては、ハロゲン原子を含まないものが好ましい。白金塩としては、白金のニトロ塩(ニトロ錯体)またはニトロアンミン塩(ニトロアンミン錯体)が好ましい。ニトロ塩としては、K[Pt(NO]、Pt(NO(OC)、[Pt(NO(OC)]Hが例示できる。ニトロアンミン塩としては、[Pt(NH(NO]、Pt(NH(NO(OC)、Pt(NH(NO(OC)(NO)、Pt(NH)(NO)(OC)、[Pt(NH)(NO(OC)]H、Pt(NH(NO(COCH)、Pt(NH(NO)(COCH)、[Pt(NH)(NO(COCH)]H、Pt(NH(NO(OCOCH)、Pt(NH(NO)(OCOCH)、[Pt(NH)(NO(OCOCH)]H等が例示できる。
本発明において、液相還元法を採用する場合、つまり、液相で還元析出させた白金を用いる場合は凝集防止剤を用いない。凝集防止剤は一般にコロイド保護法で用いられているものである。凝集防止剤を用いないため、その除去工程も不要となる。一般的な除去工程である加熱は、触媒微粒子の合一の原因となり、触媒分散度の低下の要因となる。
<水素還元>
水素還元の方法としては、CNTを水中に分散させ、白金塩を加え、水素ガスを水中に導入する方法が挙げられる。CNT、特に長い(アスペクト比の大きい)多層CNTを液中に安定に分散させることは困難なことが知られている。本発明においては必ずしも永続的な分散状態は必要としない。CNTを水中に分散させる濃度としては、100〜900mg/Lが好ましく、100〜300mg/Lがより好ましい。CNTの水中への分散を促進するために、超音波処理を行うことが好ましい。また同じ目的のため、エタノール等のアルコール類を添加してもよい。アルコール類としては、短鎖のものが好ましく、炭素数1〜10のアルコール類が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等のモノオール類;エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類が例示できる。このうちメタノールまたはエタノールが特に好ましい。添加されるアルコール類の濃度は、特に制限はない。例えばエタノールを用いる場合に、白金塩を析出させる際の溶液中で10〜300g/Lが好ましく、20〜200g/Lがより好ましい。
白金塩はCNTが分散された系に、固体として添加されてもよく、水溶液として添加されてもよい。操作が容易であることから白金塩の水溶液をCNTの分散系に添加することが好ましい。白金塩の濃度としては、白金塩を析出させる際の溶液中で10〜1000mg/Lが好ましく、10〜100mg/Lがより好ましい。白金塩の希薄溶液を還元することにより、高活性の白金微粒子が析出すると考えられる。
水素ガスの導入量は、1〜20g/L・Hrが好ましい。水素ガス導入時の圧力は、常圧であってもよく、加圧であってもよい。また、水素ガスを導入する前に系中の酸素を除去することが好ましい。溶液の場合には、減圧で除去してもよく、不活性ガスでバブリングすることにより酸素を除去してもよい。操作が簡便であることから不活性ガスでバブリングすることが好ましい。不活性ガスとしては、アルゴンまたは窒素ガスが好ましい。
なお電極材料が極少量の場合には、CNTを不活性な基体(グラッシーカーボン等が例示できる。)の上に堆積させた後、白金塩水溶液を滴下し、その後水素を含む気流中に暴露させることでも製造が可能である。
還元の際の温度は特に制限されないが、5〜95℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。
還元が終わった後、ろ過でCNTを捕集し、乾燥させて電極材料にできる。乾燥温度は、20〜150℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。
<電極>
本発明の電極は、上記電極材料を用いる。具体的には例えば、電極材料をバインダーと混練し必要な形に成形して電極が得られる。バインダーとしては、スルホン酸を有する含フッ素樹脂が例示できる。スルホン酸を有する含フッ素樹脂としては、旭硝子社製の樹脂(商品名:フレミオン)や、デュポン社製の樹脂(商品名:ナフィオン)が例示できる。
本発明の電極は、燃料電池の電極(水素極または空気極)に好適である。また空気電池の空気極にも適用可能である。さらにFED(Field Emission Display)、平面蛍光管、冷陰極管のカソードとしても適用が期待される。
本発明を以下の実施例で説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されない。例1〜3、8は実施例、例4〜7、9は比較例である。
(電極材料の調製)
(例1)
CNTとしては、保土谷化学社製、MWNT−7を用いた。D/Gは0.08、直径は60nm、アスペクト比は約120の多層CNTである。該CNTの3mgを混合溶媒Aの30mL(リットル)に投入し、超音波を15分間照射して分散させ溶液1Aとした。ただし混合溶媒Aとは、テトラヒドロフランとHFE−347pc−f(CFCHOCFCFH、旭硝子社製)を1:1(質量比)で混合した溶媒である。この溶液1Aからピペットで70μLを分取して、回転電極のディスク電極上に滴下し、乾燥させてCNTを堆積させた。ただしディスク電極とは、直径が5mmのグラッシーカーボン製の電極である。
超純水の80gとエタノールの20gとを混合した溶媒(混合溶媒B)に、白金塩溶液(石福金属興業社製、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液、白金濃度100.93g/L)([Pt(NH(NO]/HNO溶液)の200μLを加えよく撹拌し、溶液1Bとした。この溶液1Bからマイクロピペットを用いて15μLを分取し、ディスク電極上に堆積させたCNT上に滴下した。
このディスク電極を反応管内(石英製、内径17mm、長さ19cmの円筒)にセットし、常圧で水素ガスを0.1g/Hrで導入した。温度は25℃であった。1時間後に水素ガスの導入を停止し、ヘリウムガスで置換した後に電極を取り出した。ヘリウムガスで置換するのは、触媒表面の水素を除去し、空気中の酸化に由来する触媒表面の過熱・劣化を防止するためである。アイオノマ分散溶液(デュポン社製、ナフィオン溶液)を滴下し乾燥して、試料電極1を得た。この試料電極1を電極特性評価に供した。
図1は後述の条件に従い測定した、試料電極1を用いた場合のCV曲線である。
図1に示すように、CV曲線からは、水素の吸脱着ピークは、一般的な触媒のそれに比較してかなり低い電位、すなわち水素の平衡電位に近い部分で認められた。さらに、白金の酸化還元電位が、一般的な触媒のそれに対して、高いという本発明の電極材料特有の特徴が確認された。水素のUPD(アンダーポテンシャルデポジション)として生起する水素の平衡電位より、貴な電位での水素原子の吸着現象が認められた。
(例2)
混合溶媒Bの100gに例1と同じCNTの14mgを分散させ溶液2Aとした。例1と同じジニトロジアンミン白金硝酸液を超純水で希釈し、白金を0.2g/L含む溶液2Bとした。溶液2Bの30mLを溶液2Aに添加した。この混合溶液に常圧で水素ガスを0.1g/Hrで、バブリングにより導入した。温度は25℃であった。1時間後に水素ガスの導入を停止し、得られた液を吸引濾過(濾紙:アドバンテック社製No.2、直径:110mm)により捕集した。これを大気中、80℃で3時間、常圧で乾燥させて、30質量%Pt/CNT(計算値)の電極材料を得た。この材料の3mgを混合溶媒Aの30mLに分散させた。マイクロピペットで70μLを分取して、例1と同じディスク電極に滴下し、例1と同様にアイオノマ分散溶液で処理し、乾燥して、試料電極2を得た。この試料電極2を電極特性評価に供した。CV曲線は例1の場合と同様であった。
(例3)
CNTとしては、マイクロフェーズ社製、Thin−MWCNTを用いた。D/Gは0.08、直径は25nm、アスペクト比は約30以上の多層CNTである。CNTを変更した以外は例2と同様に処理し30質量%Pt/CNT(計算値)の電極材料を得た。この材料を例2と同様に処理し、3mgを混合溶媒Aの30mLに分散させた。マイクロピペットで70μLを分取して、例1と同じディスク電極に滴下し、例1と同様にアイオノマ分散溶液で処理し、乾燥して、試料電極3を得た。この試料電極3を電極特性評価に供した。CV曲線は例1の場合と同様であった。
(例4)
例3と同じCNTを40℃の混酸(硫酸:硝酸=3:1(体積比))中に24時間浸漬して親水化処理した。その結果、BET表面積は37m/g(未処理では25m/g)になり、D/Gは0.23になり未処理のものと比較して約3倍となった。この担体を用いて例1と同様にして30質量%Pt/CNT(計算値)の電極材料を調製し、試料電極4を得て、活性評価を行った。CV曲線は、例7の図2と同様に、比較的高い電位で水素の吸脱着が起こる一般的な形状を示した。
(例5)
CNTに代えて、カップ積層型のカーボンナノファイバー(CNF)を用いた。D/Gは0.18。直径は50nmであった。例1と同様にして30質量%Pt/CNF(計算値)の電極材料を調製し、試料電極5を得て、同様にして特性評価を行った。CV曲線は、例7の図2と同様に、比較的高い電位で水素の吸脱着が起こる一般的な形状を示した。
(例6)
例4と同様にして親水化処理をした70mgのCNT(例3と同じ)をエタノール中に分散し、超音波を30分間照射してCNT分散溶液を調製した。石福金属興業社製のジニトロジアンミン白金硝酸溶液(例1と同じ)を、ロータリーエバポレータを用いて、80℃で蒸発乾固させて黄褐色粉末を得た。温度を50℃以下に保持しながら、この黄褐色粉末にエタノールを徐々に加えて、白金濃度50g/Lの白金アンミンエトキシド錯体溶液を調製した。白金量で換算して30mgを含むこのエタノール溶液を、CNT分散溶液に添加し、超音波を30分間照射した。ホットスターラーを用いて60℃に加温しゆっくり乾燥した。その後水素10%(体積比)を含むアルゴン気流中で還元して、30質量%Pt/CNT(計算値)の電極材料を得た。還元の際の温度は、室温からゆっくりと60℃まで昇温した後、毎分5℃の割合で120℃まで昇温して、1時間保持した。その後毎分5℃の割合で200℃まで昇温し、2時間保持した後、室温までゆっくり冷却した。この材料を用いて試料電極6を得て、同様にして特性評価を行った。CV曲線は、例7の図2と同様に、比較的高い電位で水素の吸脱着が起こる一般的な形状を示した。
(例7)
市販触媒(田中貴金属工業社製、TEC10E50E)を用いて試料電極7を得て、同様に特性評価を行った。CV曲線は、図2に示すように、比較的高い電位で水素の吸脱着が起こる一般的な形状を示した。特に水素の酸化・還元電流ピークはブロードになり、触媒の活性も低くなった。
図1と図2とを比較すると、0.6V(Ag/AgCl電極基準)付近に認められる白金酸化物の還元電流のピーク電位は両者で70mVの差がある。これは本発明の電極材料においては、白金が酸化されにくい状態にあるためと考えられる。
ここに示された電極材料を1.2Vから5mV/秒の速度でカソーディックに掃引した時の0.85Vにおける質量活性は、本発明の電極材料では0.041A/mgPt、市販触媒では0.0051A/mgPtであった。本発明の電極材料は高い酸素還元活性が得られることがわかる。
<活性評価>
活性は以下の電気化学的測定により求めた。セルとしては北斗電工社製のものを用いた。作用極としては上記各例で調製した各試料電極を用いた。対極にはグラッシーカーボンを用いた。参照電極は、ダブルジャンクション型の銀/塩化銀電極を用いた。セルの温度を60℃とし、0.5M硫酸水溶液を用い、窒素ガスをバブリングした後に測定した。試料電極を毎分1000回転で回転させながら測定を行った。この状態でサイクリックボルタンメトリ(CV)測定を行った。結果を下記表1に示す。なお、各試料1〜7は、上記の例1〜7に対応する。
質量活性比は以下のように求めた。市販の触媒(例7)を1とした場合の0.85Vにおける同一白金量当たりの電流値の比を活性比として求めた。
例1〜3に示されるように本発明の電極材料は、市販触媒の2.8倍を超える活性を示した。D/Gが0.1以下と小さく、かつ、親水化処理などを施さず、CNTに白金微粒子を直接に担持させたためと考えられる。
一方例4、6は親水化処理を施したCNTを用いている。このため白金が高い活性を発現していないと考えられる。例5に示されるように、D/Gの高いCNFにおいても、活性は低くなっていた。
Figure 2011136186
(例8)
例1と同様にし、CNTに白金を30質量%担持させた。この電極を用いて60℃、0.5M硫酸水溶液中で、以下の条件で電位ステップサイクル試験を行った。
[1.3V、30秒保持:0.9V、30秒保持]300回繰り返し
この電位ステップサイクル試験前後の質量活性を比較し、活性の低減率を算出した。
(例9)
担持体として、比表面積が大きなケッチェンブラックをCNTの替わりに使用した他は、例8と同様にして電極の調製および電位ステップサイクル試験を実施した。
白金は比表面積が小さい担持体上では、粒子間の距離が短く、劣化が起こりやすくなる。そこで比表面積が極めて大きなカーボンブラック(KB)に液相水素還元法で白金を担持した電極材料と、本発明の電極材料との、電位変動耐性を電位ステップサイクル試験により比較した。その結果、表2に示すように、CNTでは比表面積が圧倒的に小さいにもかかわらず、活性の低下率は小さいことが確認された。すなわち電極材料として活性は低下しにくく耐久性に優れることが示された。
Figure 2011136186
本発明の電極材料は、燃料電池の電極(水素極または空気極)、空気電池の空気極に好適である。さらにFED、平面蛍光管、冷陰極管のカソードとしても適用できる。
なお、2010年4月26日に出願された日本特許出願2010−101279号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. カーボンナノチューブに直接白金を担持させてなる電極材料。
  2. カーボンナノチューブに、液相で還元析出させた白金を担持させてなる請求項1に記載の電極材料。
  3. カーボンナノチューブのラマン分光法によるDバンドとGバンドのピーク比(D/G)が0.17以下である請求項1または2に記載の電極材料。
  4. 前記液相での還元析出が、白金塩の水素還元により行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極材料。
  5. 前記カーボンナノチューブの直径が200nm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極材料。
  6. 前記カーボンナノチューブのアスペクト比が10以上である請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電極材料を用いた電極。
  8. 電極が燃料電池用、または空気電池用である請求項7に記載の電極。
  9. 液相中で白金塩を還元により析出させてカーボンナノチューブに白金を担持させる電極材料の製造方法。
  10. 白金塩を水素還元により析出させる請求項9に記載の電極材料の製造方法。
  11. カーボンナノチューブに、親水化処理を施さずに白金を担持させる請求項9又は10に記載の電極材料の製造方法。
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