JP4758564B2 - 塗料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料等の被覆材料に使用される金属含有共重合体に関するものであり、詳しくは、長期にわたって光沢を保持し、かつ耐汚染性、耐溶剤性、耐熱黄変性といった塗膜性能に優れた塗膜を提供でき、金属被覆用塗料として特に有用な金属含有共重体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プレコートメタルは、屋根材、壁材、エアコン室外機等に用いられ、予め塗膜が形成された状態で折り曲げ等の加工が施されるため、その塗膜としては光沢や加工性が長期間保持される特性が要求され、その要求は年々厳しくなっている。
プレコートメタルに用いられる金属被覆用塗料には、耐候性、耐汚染性、耐食性等に優れていることから、ポリフッ化ビニリデンが広く利用されているが、基材との密着性、外観、硬度等に劣るという問題点を有しているため、これを単独で使用することは少ない。例えば、特公昭43−10363号公報に記載されているように、ポリフッ化ビニリデンをアクリル系共重合体とブレンドする等の方法によって、基材との密着性の改善が図られており、一般的には、アクリル系共重合体の溶解した高沸点溶剤に、ポリフッ化ビニリデンの微粉末を分散させたものが使用されている。また、特公昭58−32183号公報には、耐溶剤性、屈曲性等の塗膜性能を改善するため、N−アルコキシアルキルアミド基含有熱硬化性重合体および熱可塑性アクリル系共重合体からなる樹脂組成物をポリフッ化ビニリデンとブレンドしたものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭43−10363号公報に開示されている塗膜は、屋外暴露等のように長時間高温にさらされると、ポリフッ化ビニリデンとアクリル系共重合体との相分離が進行し、塗膜の光沢が失われるとともに、塗膜の伸度が低下するため、予め折り曲げ等の加工を施された塗膜は、剥離やクラック等が発生しやすくなるという問題点を有している。また、特公昭58−32183号公報に開示されている塗膜は、成膜時の焼付炉内の温度ムラやラインスピード向上のためと称し焼付温度を上げ、その分焼付時間を短くするいわゆる高温短時間焼付が行われているため、高熱によって黄変が生じやすいという耐熱黄変性の問題を有している。また、特開平5−171066号公報および特開平10−158547号公報には、金属含有共重合体を使った防汚塗料組成物が開示されているが、プレコートメタル用に使用されるものではない。
【0004】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、金属含有共重合体を含有することを特徴とする塗料を用いて、長期にわたって光沢を保持し、かつ耐溶剤性、耐熱黄変性といった塗膜性能に優れた塗膜を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、金属被覆用塗料に用いられる共重合体について鋭意検討した結果、金属含有重合性単量体(a)0.1〜10質量%と該(a)成分と共重合可能なα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)90〜99.9質量%とを共重合させた金属含有共重合体を用いて、光沢の保持および優れた塗膜の提供が可能であることを見いだした。
具体的には、前記金属含有重合性単量体(a)としては、下記(I)で示される金属含有重合性単量体(a1)、または2個の不飽和基を有する金属含有重合性単量体(a2)、または下記(I)で示される該金属含有重合性単量体(a1)と2個の不飽和基を有する該金属含有重合性単量体(a2)との混合物であることが望ましい。
【化3】
Figure 0004758564
(式中、R1は水素原子またはメチル基、MはMg、ZnまたはCa、R2は有機酸残基を示す)
【0006】
本発明の塗料は、上記金属含有共重合体を含有することを特徴とするもので、ポリフッ化ビニリデンを含有する塗料に特に好適なものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の金属含有共重合体は、金属含有重合性単量体(a)0.1〜10質量%、(a)成分と共重合可能なα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)90〜99.9質量%を共重合して得られることを特徴とする。
本発明の金属含有共重合体に使用される金属含有重合性単量体(a)は金属含有重合性単量体(a1)及びまたは(a2)からなるものが望ましい。金属含有重合性単量体(a1)は、上記の一般式(I)で表わされるものである。上記の一般式(I)で表される化合物の具体例としては、モノクロル酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート((メタ)アクリレートは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。以下、同じ。)、モノクロル酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノクロル酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、モノフルオロ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プロピオン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プロピオン酸カルシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オクチル酸亜鉛(メタ)アクリレート、オクチル酸カルシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸マグネシウム(メタ)アクリレート、バーサチック酸亜鉛(メタ)アクリレート、バーサチック酸カルシウム(メタ)アクリレート、オレイン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、オレイン酸亜鉛(メタ)アクリレート、オレイン酸カルシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、イソステアリン酸亜鉛(メタ)アクリレート、イソステアリン酸カルシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、パルミチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、パルミチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、クレソチン酸亜鉛(メタ)アクリレート、クレソチン酸カルシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、α−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸マグネシウム(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸亜鉛(メタ)アクリレート、β−ナフトエ酸カルシウム(メタ)アクリレート、安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸マグネシウム(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸亜鉛(メタ)アクリレート、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸カルシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、キノリンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロ安息香酸カルシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸亜鉛(メタ)アクリレート、ニトロナフタレンカルボン酸カルシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸マグネシウム(メタ)アクリレート、プルビン酸亜鉛(メタ)アクリレート、プルビン酸カルシウム(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら金属含有重合性単量体(a1)は、1種または2種以上を必要に応じて適宜選択して使用することができるが、特に、亜鉛含有重合性単量体が好ましい。
【0008】
上記の一般式(I)において、R1は水素原子またはメチル基、MはMg、ZnまたはCaの金属を表し、R2は有機酸残基を示す。有機酸残基としては、モノクロル酢酸、モノフルオロ酢酸、プロピオン酸、オクチル酸、バーサチック酸、オレイン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、クレソチン酸、α−ナフトエ酸、β−ナフトエ酸、安息香酸、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸、キノリンカルボン酸、ニトロ安息香酸、ニトロナフタレンカルボン酸、プルビン酸等の一価の有機酸から誘導されるものが例示される。これらの有機酸残基の中でも本発明の金属含有共重合体としては脂肪酸系のものが特に好ましく、それにより長期にわたりクラックや剥離のない塗膜を維持することができる。
【0009】
前記金属含有重合性単量体(a1)は、後述するα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)との溶解性において、無機金属化合物とカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体の反応物と、少なくともアルコール系化合物を含む有機溶剤と、非重合性有機酸残基とからなり、無機金属化合物のモル数に対して非重合性有機酸を等モル含有する金属含有モノマー混合物として使用することが、工業生産上好ましい。これらは、必要に応じて単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。
【0010】
本発明の金属含有共重合体に使用される金属含有重合性単量体(a)のうち、金属含有重合性単量体(a2)は2個の不飽和基を有する金属含有重合性単量体であり、例えば、ジアクリル酸マグネシウム[(CH2=CHCOO)2Mg]、ジメタクリル酸マグネシウム[(CH2=C(CH3)COO)2Mg]、ジアクリル酸亜鉛[(CH2=CHCOO)2Zn]、ジメタクリル酸亜鉛[(CH2=C(CH3)COO)2Zn]、ジアクリル酸カルシウム[(CH2=CHCOO)2Ca]、ジメタクリル酸カルシウム[(CH2=C(CH3)COO)2Ca]等を挙げることができる。これら金属含有重合性単量体(a2)は、1種または2種以上を必要に応じて適宜選択して用いることができるが、特にジ(メタ)アクリル酸亜鉛が好ましい(なお、(メタ)アクリルとは、アクリルまたはメタクリルのことを意味する。以下、同じ)。
【0011】
上記2個の不飽和基を有する金属含有重合性単量体(a2)は通常粉末であり、粉末のまま使用すると一般的な有機溶剤やアクリルモノマーと相溶性が悪く溶解しないため、重合が難しく、例えば単量体混合物を送液する配管内で析出し、重合溶液中に不溶解物が多量生成する傾向が見られる。しかしながら、金属含有重合性単量体(a2)を無機金属化合物とカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体の反応物と、少なくともアルコール系溶剤合物を有機溶剤と、水とからなり、水の含有量が0.01〜30質量%である金属含有モノマー混合物として使用すると、上記問題が解決され工業生産上好ましい。
金属含有重合性単量体(a)として、上記の一般式()で示される金属含有重合性単量体(a1)と2個の不飽和基を有する金属含有重合性単量体(a2)とを併用することもできるが、金属含有重合性単量体同士の相溶性の観点から同種金属が好ましく、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛と、脂肪酸系亜鉛(メタ)アクリレートの組み合わせが特に好ましい。
【0012】
本発明の金属含有共重合体に使用される金属含有重合性単量体(a)は、耐溶剤性、耐汚染性、下地との付着性及びそれによる加工性の低下を抑制するための成分であり、金属含有共重合体の単量体の総計に対して、0.1〜10質量%の範囲で用いられる。これは、金属含有重合性単量体(a)が0.1質量%以上で、塗膜の耐溶剤性、耐汚染性、加工性が良好となり、10質量%以下であると、塗膜の光沢等の美粧性が良好となるからである。より好ましくは、0.5〜5質量%の範囲である。
【0013】
本発明の金属含有共重合体に使用されるα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)は、塗膜を形成するための成分であり、金属含有共重合体の単量体の総計に対して、90〜99.9質量%の範囲で用いられる。本発明の金属含有共重合体に使用されるα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、フマール酸、イタコン酸、マレイン酸、シトラコン酸等の一塩基酸または二塩基酸単量体類、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチル、シトラコン酸モノエチル等に代表される二塩基酸または酸無水物単量体のモノエステル類等のカルボキシル基含有単量体を挙げられる。これらカルボキシル基含有単量体は、必要に応じて単独であるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0014】
さらに本発明の金属含有共重合体に使用されるα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)としては(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとε−カプロラクトンとの開環反応生成物(例えば、ダイセル化学工業(株)製プラクセルFA及びFMシリーズ)、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物、(メタ)アクリルアミドおよびそのメチロール化物、さらにそれらを低級アルコール化合物で変性した末端アルコキシ化メチル(メタ)アクリルアミド類、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸及びその金属塩やアミン塩、(メタ)アクリロニトリルが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステルは、単独であるいは2種以上を併用して使用することができる。これらは共重合可能なものであれば特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等の公知の重合法により製造することができる。また、α、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)の使用量は金属含有共重合体の単量体の総計に対して、85〜99.9重量%の範囲で用いられる。これは(メタ)アクリル酸エステルが、85質量%以上であると、塗膜の光沢等の美粧性が良好であり、99.9質量%以下で塗膜の耐溶剤ラビング性が良好となるためである。また、α、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)が、90質量%以上で、塗膜の耐溶剤ラビング性、下地への付着性が良好であり、99.9質量%以下で、塗膜の光沢等の美粧性が良好であるためである。より好ましくは、95〜99.5質量%の範囲である。
【0015】
本発明の金属被覆用塗料に用いる金属含有共重合体は、前記の単量体(a)および(b)を特定の比率で共重合させて得られるものであり、酸価(フェノールフタレインの変色点を基準にして、共重合体溶液に、エタノールに溶解したKOHを滴下して滴定し、共重合体1gを中和するのに必要なKOHのmg数)は、0.5〜50mgKOH/g、重量平均分子量は8000〜150000、ガラス転移温度(Tg)は0〜110℃の範囲であることが好ましい。
【0016】
本発明の金属含有共重合体の酸価については0.5mgKOH/g以上であると、塗膜の金属への密着性が良好にあり、50mgKOH/g以下にてポリフッ化ビニリデンとの相溶性が良く塗膜の外観など美粧性が良好となるからである。より好ましくは、2〜30mgKOH/gの範囲である。
本発明の金属含有共重合体の重量平均分子量については8000以上であると、塗膜の硬度、耐溶剤ラビング性が良好となり、150000以下にて、ポリフッ化ビニリデンとの相溶性や塗膜の外観が良好である。より好ましくは、20000〜100000の範囲である。
本発明の金属含有共重合体のガラス転移温度(以下Tgと略記する)についてはTgが0℃以上であると、塗膜の硬度が良好で有り、110℃以下にて、折り曲げ等の加工性が良好となる。より好ましくは、30〜80℃の範囲である。金属含有共重合体のTgは、例えば金属含有重合性単量体(a)及びα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)のそれぞれのホモポリマーのTgが既知であればT.G.Foxの式から計算にて求めることができ、また、DSC(示差熱質量分析)法などにより実測することもできる。
【0017】
本発明の金属含有共重合体は単独で金属被覆用塗料として使用することができるが、耐候性、耐汚染性、耐食性等に優れていることから、ポリフッ化ビニリデンを併用することが特に好ましい。ポリフッ化ビニリデンとしては、フッ化ビニリデンのホモポリマーあるいはフッ化ビニリデンを70質量%以上含有する共重合体を使用することができ、それ以外の他の単量体としては、エチレン、塩化ビニル、テトラフルオロエチレン、ジクロロフルオロエチレン、1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチレン等が挙げられる。
【0018】
本発明の金属含有共重合体とポリフッ化ビニリデンの配合割合は、質量比で10/90≦(金属含有共重合体/ポリフッ化ビニリデン)≦80/20の範囲が好ましい。これは、金属含有共重合体/ポリフッ化ビニリデンが10/90以上では、形成される塗膜の基材密着性、外観、硬度等が良好であり、80/20以下では、形成される塗膜の耐候性が良好となるからである。より好ましくは、20/80≦(金属含有共重合体/ポリフッ化ビニリデン)≦70/30の範囲である。本発明の金属含有共重合体に併用されるポリフッ化ビニリデンとしては、重量平均分子量が、50000〜400000の範囲であることが好ましい。これはポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量が50000以上であると、塗膜の耐候性が良好であり、400000以下で、塗膜の平滑性が良好であり塗膜形成が容易であるためである。より好ましくは、100000〜300000の範囲である。
【0019】
本発明の金属含有共重合体、および併用されるポリフッ化ビニリデンに対しては高沸点溶剤を主体に用いることが特に好ましく、沸点が120〜250℃程度である有機溶剤が好ましい。高沸点溶剤の具体例としては、イソホロン、キシレン、シクロヘキサノン、ソルベッソ150(エクソン化学(株)商品名;炭化水素系溶剤)、スーパーゾール1500(日石三菱(株)商品名;炭化水素系溶剤)エトキシエチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテートあるいはこれらの混合物を挙げることができる。高沸点溶剤を使用する理由としてはポリフッ化ビニリデンを高温では溶解し、室温では微粒子状で高沸点溶剤中に分散しており、金属含有共重合体は高沸点溶剤中に溶解した状態が好ましいからである。
【0020】
本発明の金属含有共重合体を塗料化する際には、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂等の柔軟性付与材、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の密着性向上剤、メラミン樹脂等の塗膜硬度向上剤、顔料、希釈剤、表面調製剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、垂れ止め剤等を必要に応じて添加することができる。
【0021】
本発明の金属含有共重合体からなる塗料は、例えば、各種基材に直接あるいはプライマー、中塗り塗料等を塗布した塗膜上に、吹き付け塗り、ローラー塗り等の方法で塗布し、180℃以上で1〜30分間焼き付けた後、冷水、空気圧送等により急冷することにより塗膜を形成することができる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。 例中の部および%は、全て質量基準である。
[金属含有共重合体および非金属含有共重合体の物性の定義]
加熱残分:重合体溶液0.5gをアルミ製皿に取り、少量のキシレンを加えてウオーターバス上で均一に溶解・分散し、次に熱風乾燥機で200℃×2時間乾燥し、乾燥質量から算出した。
ガードナー粘度:重合体溶液をガードナー粘度管に入れJISK5400に準じて溶液粘度を測定した。
酸価:金属含有共重合体溶液1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を測定し、酸価(mgKOH/g)とした。
重量平均分子量:ゲルパーミエーションクロマトグラフ(HLC−8020型、東ソー製)にて測定した。
【0023】
[塗膜性能の定義]
初期外観:リン酸亜鉛処理された鋼鈑上に形成させた塗膜を目視判定した。
耐汚染性:リン酸亜鉛処理された鋼鈑上に形成させた塗膜上に赤マジックインキにて2cm角の正方形になるよう描き、5分経過後直ちにn−ブタノールを染み込ませたガーゼにてよく拭き取り、拭き取り部分とそれ以外の部分とを目視比較し、全く赤マジックインキの痕跡が無い塗膜を◎、極僅かに赤マジックインキの痕跡が見られる塗膜を○、処理後僅かに赤マジックインキの痕跡が見られる塗膜を△、著しい赤マジックインキの痕跡が見られる塗膜を×とした。
耐溶剤性:リン酸亜鉛処理された鋼板上に形成させた塗膜にメチルエチルケトンをしみこませたガーゼをラビングテスター(大栄科学精機製作所(株)製)に取りつけ、荷重1kgにて300回ラビングし、この塗膜の外観を目視判定した。
耐熱黄変性:リン酸亜鉛処理された鋼板上に形成させた塗膜を沸騰水中に浸漬し5時間後取り出して、処理後に黄変のない塗膜を◎、処理後極僅かに黄変が見られる塗膜を○、処理後僅かに黄変が見られる塗膜を△、著しい黄変が見られる塗膜を×とした。
耐候性:リン酸亜鉛処理された鋼鈑上に形成させた塗膜をJISK5400に従い、サンシャインウエザオメーターにて3000時間経過後の60度光沢保持率にて比較した。
【0024】
[目視判定の基準]
◎:良好な光沢を持ち、塗膜の曇りもない場合。
○:極僅かに光沢が低く、塗膜の曇りもない場合。
△:僅かに光沢が低く、塗膜の曇りが発生している場合。
×:著しく光沢が低く、塗膜の曇りが著しい場合。
【0025】
製造例1
[金属含有共重合体(A−1)の製造]
攪拌機、温度制御装置、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートを備えた四つ口フラスコに酢酸n−ブチル55部、キシレン45部を仕込み攪拌しながら90℃に加熱し、この温度を維持した。次に、メチルメタクリレート51部、t−ブチルメタクリレート10部、エチルアクリレート30部、オレイン酸亜鉛メタクリレート8.5部、プロピオン酸亜鉛メタクリレート0.5部、t−ブチルパーオクトエート0.8部を添加した混合物を滴下ロートから5時間かけて四つ口フラスコ中の溶液に滴下した。滴下終了後1時間後に、キシレン30部、t−ブチルパーオクトエート0.3部との混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後30分かけて溶液の温度を100℃に昇温した後、この状態を1時間保持した。この後、冷却しながら酢酸n−ブチル20部を添加して反応を終了させ、加熱残分が40.3%の金属含有共重合体(A−1)を得た。得られた金属含有共重合体のガードナー粘度は+V、酸価5.7mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は31000であった。得られた値を表1に示した。
【0026】
【表1】
Figure 0004758564
【0027】
製造例2〜7
[金属含有共重合体(A−2)〜(A−6)、および非金属含有共重合体(A−7)の製造]
金属含有共重合体(A−1)の製造方法と同様な操作で表1に示す金属含有重合性単量体およびα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体を用いてそれぞれ重合し、金属含有共重合体(A−2)〜(A−6)、および非金属含有共重合体(A−7)を得た。得られた金属含有共重合体(A−2)〜(A−6)、および非金属含有共重合体(A−7)の加熱残分およびガードナー粘度、酸価、重量平均分子量(Mw)を表1に示した。
【0028】
[実施例1〜5、比較例1〜2]
上記製造例で得た金属含有共重合体溶液および非金属含有共重合体溶液と、酸化チタン(石原産業(株)製CR−95))、KYNER#500(ペンウォルト社製、フッ化ビニリデンホモポリマー、重量平均分子量:270000)と、シンナー(キシレン/イソホロン=66.7/33.3(質量比))を表2の割合で配合し、遊星ボールミルで攪拌混合して、金属含有共重合体溶液および非金属含有共重合体溶液とポリフッ化ビニリデンの質量比が30/70であり、固形分35%である塗料組成物を得た。次いで、リン酸亜鉛処理された鋼板に塗料組成物を乾燥膜厚が40μmになるように塗装し、250℃で3分間焼き付けた後冷水で急冷して塗膜を得た。得られた塗膜の試験結果を表2に示した。
【0029】
【表2】
Figure 0004758564
【0030】
本発明の金属含有共重合体を含有する塗膜は、実施例1〜5に示されているように、外観、塗膜性能に優れていた。これに対して、本発明が規定する条件を満たさない金属含有共重合体および非金属含有共重合体は、比較例1〜2に示されているように、塗膜の外観、塗膜性能等の点で満足な特性を示さなかった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の金属含有共重合体を含有した塗膜は、長期にわたって光沢を保持し、かつ耐汚染性、耐溶剤性、耐熱黄変性といった塗膜性能に優れ、工業上非常に有益なものである。

Claims (1)

  1. 脂肪酸系亜鉛(メタ)アクリレートおよび/またはジ(メタ)アクリル酸亜鉛からなる金属含有重合性単量体(a)0.1〜10質量%と該(a)成分と共重合可能なα、β−モノエチレン性不飽和基含有重合性単量体(b)90〜99.9質量%とが共重合した金属含有共重合体と、
    ポリフッ化ビニリデンとを含有することを特徴とする塗料。
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