JP2000351815A - ビニル系架橋重合体およびその製造方法並びに制振材料 - Google Patents

ビニル系架橋重合体およびその製造方法並びに制振材料

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JP2000351815A
JP2000351815A JP11162968A JP16296899A JP2000351815A JP 2000351815 A JP2000351815 A JP 2000351815A JP 11162968 A JP11162968 A JP 11162968A JP 16296899 A JP16296899 A JP 16296899A JP 2000351815 A JP2000351815 A JP 2000351815A
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vinyl
compound
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polymer
metal salt
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JP11162968A
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English (en)
Inventor
Minoru Kobayashi
稔 小林
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制振材料の用途の多様化、要求性能の高度化
に対する従来の制振材料の性能上の問題点や製造時の作
業性の問題点が無く、動的損失が大きく、制振性に優
れ、制振材料に好適に用いることができるビニル系架橋
重合体を提供する。 【解決手段】 ビニル系架橋重合体は、多官能ビニル化
合物と、分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属塩
化合物と、これら化合物と共重合可能な他のビニル化合
物(a)とを含む重合性組成物を重合してなり、25
℃、10Hzでの動的粘弾性測定における動的損失は
0.9以上である。上記ビニル化合物(a)は、スチレ
ンおよび/またはスチレン誘導体等の芳香族ビニル化合
物を含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニル系架橋重合
体およびその製造方法並びに該ビニル系架橋重合体を含
む制振材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の大きな社会問題の1つとして、騒
音、振動による環境問題が挙げられ、また、近年頻発し
ている地震による大きな被害から、制振技術に高い関心
が寄せられている。そこで、近年、制振材料としての高
分子材料が、その複合化も含めて注目されている。
【0003】制振材料は、例えば分子摩擦による振動エ
ネルギーの減衰により、振動衝撃による騒音の発生を抑
え、騒音、振動を低減するために用いられる材料であ
る。このような振動エネルギーの減衰現象は、金属、ガ
ラス、コンクリート、木材、ゴム、プラスチック等、材
料によって各々異なる挙動を示す。これら材料のうち最
も減衰の大きな材料はゴム、プラスチック材料であり、
一般に、外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変
換することによって制振性能が発揮される。このような
挙動は、動的粘弾性測定における貯蔵弾性率、動的損失
(tanδ)の変化で説明され、高分子材料の粘弾性挙
動におけるガラス領域とゴム弾性挙動との中間、即ち、
ガラス転移領域において、力学的エネルギーの蓄積と損
失とが共存する不完全な弾性挙動を示す粘弾性領域(Vis
co elasticity)と呼ばれる挙動を示し、分子間の摩擦に
よる発熱が最も大きくなることを意味している。
【0004】そこで、高減衰制振材料として、動的損失
が大きな制振材料が求められている。このような高減衰
特性を有する制振材料としては、例えば、ノルボルネン
ゴムのようなオイル含浸型材料、シリコーンゲルのよう
なゲル体、スポンジ構造体、または制振フィラー等を配
合した複合ゴム等が用いられている(「第7回高分子系
制振材、防振材の特性と振動、騒音防止対策−高機能製
品開発と応用事例」1−2頁〜1−5頁、1998年1
2月8日、プラスチック工業技術研究会発行、参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来公知の制振材料は、何れも純粋な架橋重合体ではな
く、引張強度や引張伸び、圧縮永久歪み等の各種材料特
性に劣り、この結果、クリープが大きくなるという問題
点を有している。また、これら従来公知の制振材料は、
制振材料としての複合化や成形加工性等の使い易さにも
問題があると共に、使用上の制限を受ける。
【0006】従って、動的損失が大きく、これら材料特
性にも優れた制振材料、特に、純粋な架橋重合体からな
る制振材料を提供することは、適用用途範囲の拡大にお
いて非常に重要な役割を果たす。
【0007】尚、これら材料特性に優れた架橋重合体と
して、本願出願人等は、耐熱性、耐油性、耐候性等の各
種物性に優れ、自動車、土木建築、船舶等の用途分野に
おいてシール材やパッキング材、ホース材として好適に
用いられているアクリルゴムの機械的強度を改良すべ
く、架橋性モノマーとして多官能ビニルモノマーと金属
塩とを併用した(メタ)アクリル系架橋エラストマーに
ついて先に出願した(特開平10−245421号公
報、特開平10−245422号公報)。該(メタ)ア
クリル系架橋エラストマーは、引張強度や引張伸び、圧
縮永久歪みに優れ、実用性の高い架橋ゴムである。
【0008】しかしながら、上記公報においては、制振
性については特に考慮しておらず、得られた架橋重合体
は、制振材料として未だ満足できる性能を有するもので
はなかった。そこで、該架橋重合体、即ち、上記(メ
タ)アクリル系架橋エラストマーの制振性を向上すべ
く、例えば従来の複合化技術等を適用しようとすると、
結果的に、材料の強度/伸び特性、即ち、引張強度や引
張伸びが低下したり、あるいは、圧縮永久歪みが大きく
なる。このため、制振性と上述した各種材料特性、特
に、制振性と強度とを共に満足することは困難であり、
制振性の向上は、高クリープ性やゴム弾性の低下、耐熱
性の低下等の材料性能上の欠点を招来する。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、制振材料の用途の多様化、
要求性能の高度化に対する上記従来の制振材料の性能上
の問題点や製造時の作業性の問題点が無く、動的損失が
大きく、制振性に優れ、制振材料に好適に用いることが
できるビニル系架橋重合体およびその簡便な製造方法並
びに制振材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、動的粘弾性測定にお
ける動的損失が0.9以上と大きく、制振材料に好適で
あり、上記従来の問題点を招来しないビニル系架橋重合
体を得ることに成功して本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、請求項1記載の発明のビニル系架橋
重合体は、上記の課題を解決するために、多官能ビニル
化合物と、分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属
塩化合物と、これら化合物と共重合可能な他のビニル化
合物(a)とを含む重合性組成物を重合してなり、25
℃、10Hzでの動的粘弾性測定における動的損失が
0.9以上であることを特徴としている。
【0012】請求項2記載の発明のビニル系架橋重合体
は、上記の課題を解決するために、請求項1記載のビニ
ル系架橋重合体において、25℃における引張強度が5
0kgf/cm2 以上および/または25℃における引
張伸びが300%以上であることを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明のビニル系架橋重合体
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2記
載の重合体において、圧縮率25%で90℃において7
0時間圧縮したときの圧縮永久歪みが50%以下である
ことを特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明のビニル系架橋重合体
は、上記の課題を解決するために、請求項1〜3の何れ
か1項に記載のビニル系架橋重合体において、上記ビニ
ル化合物(a)が、芳香族ビニル化合物を含むことを特
徴としている。
【0015】請求項5記載の発明のビニル系架橋重合体
は、上記の課題を解決するために、請求項4記載のビニ
ル系架橋重合体において、上記重合性組成物が、多官能
ビニル化合物0.1重量%〜30重量%と、金属塩化合
物0.1重量%〜30重量%と、芳香族ビニル化合物5
重量%〜60重量%とを含むことを特徴としている。
【0016】上記ビニル系架橋重合体は、25℃、10
Hzでの動的粘弾性測定における動的損失が0.9以上
という高い動的損失を実現するものであり、優れた制振
性を有している。そして、該ビニル系架橋重合体は、上
記重合性組成物が多官能ビニル化合物と分子内に複数個
の重合性ビニル基を有する金属塩化合物とを併用してい
ることで、引張強度や引張伸び等の強度/伸び特性や圧
縮永久歪み等の各種材料特性にも優れ、低クリープを実
現することができると共に、耐熱性にも優れ、制振材料
の用途の多様化、要求性能の高度化に対する従来の制振
材料にみられる性能上の問題点や製造時の作業性の問題
点を招来する虞れが無く、制振材料用重合体として制振
材料に好適に用いることができる。上記ビニル系架橋重
合体は、例えば、請求項2または請求項3に示すような
優れた材料特性を有している。従って、本発明によれ
ば、制振性と、上述した各種材料特性、好適には、25
℃における引張強度が50kgf/cm2 以上、25℃
における引張伸びが300%以上、圧縮率25%で90
℃において70時間圧縮したときの圧縮永久歪みが50
%以下という物性のうちの少なくとも1つ、より好適に
は2つ、特に好適には3つを共に満足するビニル系架橋
重合体を提供することができる。該ビニル系架橋重合体
は、上記したように、制振特性と、引張強度や引張伸
び、圧縮永久歪み等の材料特性とのバランスに優れ、そ
のまま制振材料として用いることもできる。従って、本
発明によれば、純粋な架橋重合体からなり、種々の用途
分野において好適に用いることができる制振材料を提供
することができる。このため、上記の構成によれば、使
用上の制限を受けることがなく、また、制振材料として
の複合化や成形加工性等の使い易さにおける問題点を招
来することがない。また、上記重合性組成物中に、ビニ
ル化合物(a)として、特に、スチレンおよび/または
スチレン誘導体等の芳香族ビニル化合物を配合すること
により、広範囲の温度領域で高い制振性を示すビニル系
架橋重合体を得ることができる。
【0017】請求項6記載の発明のビニル系架橋重合体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1
記載のビニル系架橋重合体の製造方法であって、多官能
ビニル化合物および/またはビニル化合物(a)の存在
下で、金属化合物と不飽和酸とを反応させて、分子内に
複数のビニル基を有する金属塩化合物を含む混合物を得
た後、得られた混合物から、分子内に複数のビニル基を
有する金属塩化合物を単離することなく、最終的に、該
多官能ビニル化合物と、分子内に複数の重合性ビニル基
を有する金属塩化合物と、上記ビニル化合物(a)とを
含む重合性組成物を調製して重合することを特徴として
いる。
【0018】上記の方法によれば、請求項1記載のビニ
ル系架橋重合体を、簡便な工程で生産性、施工作業性が
良く、かつ、安価に製造することができる。
【0019】本発明で用いられる上記の重合性組成物
は、粘度の低い、取り扱い易い組成物である。このた
め、フィラー等の副資材の混合や注型、含浸、積層、コ
ーティング等の成形、加工、施工作業を極めて簡便に行
うことができ、かつ、常温硬化、加熱硬化、光照射等の
常用の方法により重合させることにより、速やかに重合
物とすることができる。上記の方法によれば、上記の重
合性組成物を、従来公知の種々の重合法、例えば、塊状
重合、乳化重合、懸濁重合、分散重合等により重合する
ことにより、各種の形態の重合物、例えば、エラストマ
ー、フィルム、粒子、エマルション等として、自動車、
OA機器、電気・電子機器、建築分野等の広い分野で、
例えば制振ゴムや制振塗料等の用途での使用が可能なビ
ニル系架橋重合体を得ることができる。
【0020】請求項7記載の発明の制振材料は、上記の
課題を解決するために、請求項1〜5の何れか1項に記
載のビニル系架橋重合体を含むことを特徴としている。
【0021】上記の構成によれば、上記ビニル系架橋重
合体が、制振材料の用途の多様化、要求性能の高度化に
対する従来の制振材料の性能上の問題点や製造時の作業
性の問題点が無く、動的損失が大きく、制振特性と、引
張強度や引張伸び、圧縮永久歪み等の材料特性とを共に
満足し得ることから、上記ビニル系架橋重合体を含む制
振材料もまた、制振材料の用途の多様化、要求性能の高
度化に対する従来の制振材料の性能上の問題点や製造時
の作業性の問題点が無く、動的損失が大きく、制振特性
と、引張強度や引張伸び、圧縮永久歪み等の材料特性と
を共に満足し得るものである。また、上記ビニル系架橋
重合体は、上述したように、制振特性と、引張強度や引
張伸び、圧縮永久歪み等の材料特性とのバランスに優れ
ている。従って、本発明にかかる上記ビニル系架橋重合
体は、そのまま制振材料として用いてもよいし、複合化
して用いてもよい。上記ビニル系架橋重合体をそのまま
上記制振材料として用いる場合には、純粋な架橋重合体
からなり、種々の用途分野において好適に用いることが
できる制振材料を提供することができる。
【0022】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかるビニル系架橋重合体は、多官能ビニル化合物と、
分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属塩化合物
と、これら化合物と共重合可能な他のビニル化合物
(a)とを含む重合性組成物を重合してなり、25℃、
10Hzでの動的粘弾性測定における動的損失(以下、
tanδと記す)が0.9以上、好ましくは1.0以
上、より好ましくは1.1以上の架橋重合体である。
【0023】該ビニル系架橋重合体は、引張強度、引張
伸び、圧縮永久歪み等の材料特性と制振性とのバランス
に優れた重合体であり、これら引張強度、引張伸び、圧
縮永久歪みが、(1) 〜(3) で表される以下の物性、即
ち、(1) 25℃における引張強度が好ましくは50kg
f/cm2 以上、より好ましくは65kgf/cm2
上、特に好ましくは69kgf/cm2 以上、(2) 25
℃における引張伸びが好ましくは300%以上、より好
ましくは450%以上、特に好ましくは700%以上、
(3) 圧縮率25%で90℃において70時間圧縮したと
きの圧縮永久歪みが好ましくは50%以下、より好まし
くは32%以下、特に好ましくは26%以下、のうち少
なくとも1つ、好ましくは2つ、より好ましくは(1) 〜
(3) で表される全ての物性を満たすと共に、上述したよ
うに、(4) 25℃、10Hzでの動的粘弾性測定におけ
るtanδが0.9以上、好ましくは1.0以上、より
好ましくは1.1以上という条件を満足している。
【0024】上記(1) 〜(3) の物性は、架橋ゴムとして
必要な最も基本的な物性であり、その数値レベルはかな
り高い。特に、上記引張伸びと引張強度との積で表され
る抗張積が15,000(kgf・%/cm2 ;引張伸
び×引張強度=50×300=15,000)という数
値は、高水準であり、また、圧縮率25%で90℃にお
いて70時間圧縮したときの圧縮永久歪みが50%以下
という値も高水準である。従って、本発明にかかる上記
ビニル系架橋重合体は、上記各種材料特性と制振性とに
優れ、両者のバランスのよい制振材料用重合体として、
制振性が必要とされる種々の用途・分野に特に好適に用
いることができる。
【0025】該ビニル系架橋重合体は、例えば、多官能
ビニル化合物と、該多官能ビニル化合物および/または
分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属塩化合物と
共重合可能な他のビニル化合物(a)とからなる群より
選ばれる少なくとも一種の成分の存在下で、金属化合
物、好ましくは多価金属(水)酸化物と不飽和酸とを反
応させて、分子内に複数のビニル基を有する金属塩化合
物を含む混合物を得た後、得られた混合物から金属塩化
合物を単離することなく、最終的に、多官能ビニル化合
物と、分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属塩化
合物と、上記ビニル化合物(a)とを含む重合性組成物
を調製して重合することにより、容易に製造される。
【0026】本発明で用いられる上記重合性組成物を構
成する成分のうち、多官能ビニル化合物とは、分子内に
重合性ビニル基を2個以上有する化合物であり、一般に
多官能ビニルモノマーと称される低分子化合物の他に、
後述するように、より大きな分子量を有する重合体も含
まれる。
【0027】上記多官能ビニル化合物のうち、いわゆる
多官能ビニルモノマーと称される低分子化合物として
は、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、エチレングリコールジフタレートのジ(メ
タ)アクリレート化物、ジエチレングリコールジフタレ
ートのジ(メタ)アクリレート化物、ジビニルベンゼ
ン、ダイマー酸のジグリシジル(メタ)アクリレート化
物、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチ
レングリコールジビニルエーテル等の二官能ビニル化合
物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等の三官能ビニル化合物;等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら化合物は、一種類のみを用
いてもよく、適宜、二種類以上を併用して用いてもよ
い。
【0028】上記多官能ビニル化合物のうち、重合体、
即ち、分子内に重合性ビニル基を2個以上有する重合体
(以下、ビニル基含有重合体と記す)としては、特に限
定されるものではないが、好ましくは該ビニル基含有重
合体を除く本発明にかかる上記重合性組成物に溶解し、
かつ、該重合性組成物に含まれる成分と共重合可能な重
合体であればよい。より具体的には、上記ビニル基含有
重合体としては、数平均分子量(Mn)が500以上で
あり、かつ、重合反応に関与するビニル基を側鎖および
/または末端に2つ以上有する重合体であればよい。ビ
ニル基含有重合体の合成方法は、特に限定されるもので
はない。該ビニル基含有重合体としては、(メタ)アク
リル酸エステル系重合体、ポリビニルエステル、不飽和
ポリエステル等が挙げられる。
【0029】上記の(メタ)アクリル酸エステル系重合
体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを主成分とする、ビニル化合物の混合物を、溶液重
合や塊状重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法でビ
ニル重合した後、得られる重合体(以下、重合体(A)
と記す)にビニル基を導入することによって合成される
化合物が挙げられるが、特に限定されるものではない。
上記混合物における(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル以外のビニル化合物としては、具体的には、例えば、
(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、マレイミド類
等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0030】上記の重合体(A)にビニル基を導入する
方法としては、具体的には、例えば、重合体(A)が
カルボキシル基を有している場合には、該重合体(A)
に(メタ)アクリル酸グリシジルエステル類を反応させ
る方法;重合体(A)がヒドロキシル基を有している
場合には、該重合体(A)にトルエンジイソシアネート
等の多官能イソシアネートを反応させた後、該反応生成
物にヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロ
キシル基含有ビニルモノマーを反応させる方法;等を採
用することができる。尚、上記方法においては、必要に
応じて、触媒や重合禁止剤等を用いることができる。
【0031】また、例えば、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分とする、ビニル化合物の混合物を塊
状重合し、該重合反応を中断して得られるポリマーシラ
ップ(つまり、重合体(A)と、未反応の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルとを含む混合物)にビニル基を
導入することによって、(メタ)アクリル酸エステル系
重合体を含む(メタ)アクリルシラップを得ることもで
きる。
【0032】上記のポリビニルエステルとしては、例え
ば、エポキシ系ビニルエステル、ウレタン系ビニルエス
テル、ポリエステル系ビニルエステル等の公知のポリビ
ニルエステルが挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。エポキシ系ビニルエステルは、エポキシ樹脂に
(メタ)アクリル酸を反応させてなる化合物である。該
エポキシ樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェ
ノール類やノボラックフェノール類のグリシジルエーテ
ル化物等が挙げられる。ウレタン系ビニルエステルは、
ポリイソシアネート化合物に(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシアルキルエステルを反応させてなる化合物である。
該ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例
えば、トルエンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート等が挙げられる。ポリエステル系ビニルエステ
ルとしては、例えば、カルボキシル基を両末端に有する
オリゴエステルに(メタ)アクリル酸グリシジルエステ
ル類を反応させてなる化合物や、ヒドロキシル基を両末
端に有するオリゴエステルに(メタ)アクリル酸を反応
させてなる化合物等が挙げられる。
【0033】上記の不飽和ポリエステルとしては、例え
ば、酸成分とアルコール成分とを縮合させることにより
得られる公知の化合物が挙げられるが、特に限定される
ものではない。また、該縮合反応の反応条件も、特に限
定されるものではない。酸成分としては、具体的には、
例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、アジ
ピン酸等の、飽和多塩基酸並びにその無水物;マレイン
酸、フマル酸等の、不飽和多塩基酸並びにその無水物;
等が挙げられる。アルコール成分としては、具体的に
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル等の二官能アルコール;トリメチロールプロパン等の
三官能アルコール;エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド等のモノエポキシド;等が挙げられる。また、不飽
和ポリエステルは、ジシクロペンタジエン等のジエン化
合物;官能基を末端に有するブタジエン−アクリロニト
リル共重合体等のゴム成分;等の種々の化合物によって
変性されていてもよい。
【0034】また、本発明にかかる上記重合性組成物を
構成する成分のうち、分子内に複数の重合性ビニル基を
有する金属塩化合物(金属塩含有ビニルモノマー)は、
金属化合物と不飽和酸との反応生成物(塩)である。本
発明にかかる金属化合物としては、例えば、金属酸化
物、金属水酸化物、金属塩化物、炭酸金属塩等の無機金
属化合物;酢酸金属塩等のカルボン酸金属塩、アセチル
アセトン錯体等の錯体、金属プロピラートや金属ブチラ
ート等の金属アルコラート、等の有機金属化合物;が挙
げられるが、特に限定されるものではない。これら化合
物は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
併用してもよい。尚、上記の金属は、一価金属であって
もよく、多価金属であってもよい。
【0035】これら金属化合物のなかでも、金属酸化
物、金属水酸化物がより好ましく、多価金属酸化物、多
価金属水酸化物がさらに好ましい。該多価金属酸化物と
しては、具体的には、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸
化マグネシウム等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。該多価金属水酸化物としては、具体的には、
例えば、水酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウム、水酸化カルシウム等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。上記の多価金属酸化物や多価金
属水酸化物を用いることにより、最終的に得られるビニ
ル系架橋重合体の機械的強度等の物性がより一層向上す
る。
【0036】本発明にかかる上記不飽和酸は、金属化合
物と反応して上記金属塩化合物を生成する不飽和酸であ
れば、特に限定されるものではない。上記不飽和酸は、
例えば、ビニル化合物(a)として用いられるビニルモ
ノマーであってもよい。上記不飽和酸としては、具体的
には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、ケイ皮酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸;2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタ
クリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイル
オキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキ
シエチルピロメリット酸等の、エステル基を有する不飽
和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノメチルエステル等
の、不飽和ジカルボン酸と一価アルコールとのモノエス
テル;2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフ
ェート等の不飽和リン酸エステル;等が挙げられる。こ
れら化合物は、一種類のみを用いてもよく、また、適宜
二種類以上を併用して用いてもよい。
【0037】本発明にかかる上記金属塩化合物は、上記
の金属化合物と不飽和酸とを、本発明にかかる上記重合
性組成物中の上記金属塩化合物以外の他の成分、即ち、
多官能ビニル化合物と、該多官能ビニル化合物および/
または分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属塩化
合物と共重合可能な他のビニル化合物(a)とからなる
群より選ばれる少なくとも一種の成分、より具体的に
は、ビニル化合物(a)として後述する芳香族ビニル化
合物、その他のビニル化合物等の1種または2種以上の
成分(以下、選択成分と記す)の存在下で反応させるこ
とにより容易に得ることができる。ここで、選択成分と
は、最終的に形成される重合性組成物から金属塩化合物
を除いた成分の、一部若しくは全部を示す。この場合、
生成した金属塩化合物は、単離することなく、重合性組
成物の構成成分としてそのまま使用することができる。
【0038】上記不飽和酸と金属化合物との当量比(不
飽和酸/金属化合物)は、用いる不飽和酸や金属化合物
の種類、両者の組み合わせ、並びに、最終的に得られる
ビニル系架橋重合体の用途や要求される各種物性等に応
じて設定すればよく、特に限定されるものではないが、
1.0〜1.2の範囲内がより好ましい。
【0039】選択成分の存在下で金属化合物と不飽和酸
とを反応させる方法は、特に限定されるものではない
が、具体的には、例えば、金属化合物と不飽和酸とを選
択成分中で混合し、常温または加熱下で攪拌する方法が
挙げられる。これにより、両者の反応が進行して、金属
塩化合物が形成され、選択成分に該金属塩化合物が溶解
した状態の混合物が得られる。
【0040】金属化合物と不飽和酸との反応が完結した
か否かは、例えば用いた金属化合物が選択成分および/
または得られる混合物に不溶である場合には、得られた
混合物が常温で均一かつ透明となっているか否かで確認
すればよい。常温で均一かつ透明な混合物が得られた時
点が、上記反応の終点である。従って、上記時点で、攪
拌等の操作を終了すればよい。反応温度や反応時間等の
反応条件は、上記反応が進行し、かつ、選択成分並びに
得られる混合物が変質しない条件であればよく、特に限
定されるものではない。
【0041】また、上記の反応においては、必要に応じ
て反応系に水を添加してもよい。つまり、選択成分と水
との存在下で、金属化合物と不飽和酸とを反応させても
よい。水の存在下で上記の反応を行うことにより、該反
応をより一層速くかつ円滑に進行させることができると
共に、得られる金属塩化合物の選択成分に対する溶解性
をより一層向上させることができる。水の添加量は、特
に限定されるものではないが、金属化合物1モルに対し
て、4.0モル以下となるように設定することがより好
ましい。水を添加することによって上記の効果を奏する
詳細な理由は明らかではないが、得られる金属塩化合物
に水が配位することによって、該金属塩化合物が可溶化
されるためではないかと推察される。
【0042】上記の反応方法により、金属塩化合物が選
択成分に溶解した状態で得られるので、得られる混合物
における該金属塩化合物の濃度を、簡単に比較的高濃度
にすることができる。つまり、最終的に形成される重合
性組成物における該金属塩化合物の濃度を比較的高濃度
にすることができるので、最終的に得られるビニル系架
橋重合体のイオン架橋度を充分に大きくすることができ
る。それゆえ、機械的強度や伸び等が向上して、靱性に
優れたビニル系架橋重合体を製造することができる。従
って、靱性に優れた制振材料用重合体を製造することが
できる。
【0043】そして、上記の混合物に、所望する重合性
組成物が最終的に形成されるように、必要に応じて、多
官能ビニル化合物や後述するビニル化合物(a)を混合
する。つまり、重合性組成物における各成分の割合(組
成比)が、それぞれ所望する割合(組成比)となるよう
に、これら成分を上記混合物に適宜混合する。
【0044】このように、得られた混合物から、分子内
に複数のビニル基を有する金属塩化合物を単離すること
なく、該混合物に多官能ビニル化合物やビニル化合物
(a)を必要量、混合することによって、本発明にかか
る重合性組成物、即ち、制振材料の製造に好適に用いる
ことができる制振材料用重合性組成物が形成される。
尚、上記重合性組成物には、上記金属塩化合物の製造に
用いた不飽和酸(カルボキシル基を有する不飽和単量
体)が、本願の重合性組成物の重合性やその物性に悪影
響を与えない範囲で含まれていても構わない。
【0045】また、本発明にかかる上記重合性組成物
は、分子内に複数のビニル基を有する金属塩化合物を上
記多官能ビニル化合物や後述するビニル化合物(a)と
は別の反応系で合成し、その後、該金属塩化合物を、上
記重合性組成物から上記多官能ビニル化合物を除く他の
成分からなる重合性組成物に添加することによっても製
造することができる。
【0046】本発明にかかる上記重合性組成物を構成す
る成分のうち、上記多官能ビニル化合物および/または
金属塩化合物と共重合可能な他のビニル化合物(a)と
しては、上記多官能ビニル化合物および/または金属塩
化合物と共重合可能であり、かつ、上述したtanδを
実現することができるビニル化合物であれば特に限定さ
れるものではない。
【0047】上記ビニル化合物(a)としては、好適に
は、分子内にビニル基を1個とフェニル基を1個以上有
する化合物、具体的には、芳香族ビニル化合物が挙げら
れる。該芳香族ビニル化合物としては、より具体的に
は、スチレン;p−メチルスチレン、p−n−ブチルス
チレン、p−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン誘導体;ビニルナフタレン、アルキル基置
換ビニルナフタレン等のビニルナフタレン類;ビニルア
ントラセン、アルキル基置換ビニルアントラセン等のビ
ニルアントラセン類;ビニルカルバゾール、アルキル基
置換ビニルカルバゾール等のビニルカルバゾール類;等
が挙げられ、これら芳香族ビニル化合物を必須に含むこ
とが、25℃、10Hzでの動的粘弾性測定におけるt
anδが0.9以上であり、制振性と引張強度、引張伸
び、圧縮永久歪み等の材料特性とのバランスに優れ、制
振材料用重合体として制振材料に好適に用いることがで
きるビニル系架橋重合体を得る上で好ましい。
【0048】これらビニル化合物(a)は、一種類のみ
を用いてもよく、適宜二種類以上を混合して用いてもよ
い。これらビニル化合物(a)のなかでも、入手が容易
であり、かつ、前記(1) 〜(4) に示す優れた物性が得ら
れることから、スチレンおよび/またはスチレン誘導体
が好ましい。
【0049】本発明によれば、例えば、上記芳香族ビニ
ル化合物、好適にはスチレンおよび/またはスチレン誘
導体が5重量%〜60重量%の範囲内、好ましくは15
重量%〜60重量%の範囲内、より好ましくは20重量
%〜50重量%の範囲内であり、多官能ビニル化合物が
0.1重量%〜30重量%の範囲内、好ましくは2重量
%〜20重量%の範囲内であり、金属塩化合物が0.1
重量%〜30重量%の範囲内、好ましくは2重量%〜1
5重量%の範囲内であり、必要に応じて、上記以外の他
のビニル化合物(a)を0〜94.8重量%の範囲内で
含む重合性組成物(但し、これらの合計は100重量
%)を重合することにより、25℃、10Hzでの動的
粘弾性測定における動的損失が0.9以上であり、広範
囲の温度に対して優れた制振性を有すると共に、引張強
度、引張伸び、圧縮永久歪み等の材料特性に優れ、前記
(1) 〜(4) の物性を満たすと共に、これら材料特性と制
振性とのバランスに優れたビニル系架橋重合体を得るこ
とができる。
【0050】特に、高分子材料を用いた制振材料が、該
高分子材料の粘弾性挙動における粘弾性領域において分
子間の摩擦による発熱が大きくなり、制振特性を発現す
ることから、制振材料の選択に当たっては、高分子材料
の2次転移点と実用温度範囲とを如何に適合させるかが
重要であるが、上記重合性組成物を重合してなる本発明
にかかるビニル系架橋重合体は、後述する実施例にて示
すように、−20℃〜100℃の実用温度範囲における
広い温度範囲で、制振特性が発現されるtanδ値を連
続して得ることができるものであり、優れた制振特性を
発揮するものである。また、上記重合性組成物は、安定
性に優れ、長時間放置しても金属塩化合物が沈殿するこ
とがなく、該重合性組成物の増粘やゲル化等を生じるこ
ともない。
【0051】上記重合性組成物における芳香族ビニル化
合物の割合が5重量%未満であると、得られるビニル系
架橋重合体、即ち、制振材料用重合体の制振性が低下す
る。具体的には、実用温度範囲でのtanδが低下す
る。一方、上記芳香族ビニル化合物の割合が60重量%
を越えると、得られるビニル系架橋重合体の靭性が低下
し、材料特性と制振特性とのバランスに優れ、制振材料
用重合体として好適に用いることができるビニル系架橋
重合体を得ることができなくなるおそれがあるので好ま
しくない。また、上記芳香族ビニル化合物、特に、スチ
レンおよび/またはスチレン誘導体を15重量%〜60
重量%の範囲内で用いれば、1.0以上の高いtanδ
を実現することができると共に、上記材料特性と制振性
とを共に満足することができ、制振材料用重合体として
好適なビニル系架橋重合体を得ることができる。
【0052】一般的に、最もtanδの大きい材料とし
ては、高分子材料が挙げられ、tanδのみを考慮した
場合、25℃、10Hzでの動的粘弾性測定におけるそ
のtanδは、0.01〜1.0である。従って、1.
0以上の高いtanδを実現することは、特に、純粋な
架橋重合体からなる制振材料として、従来越えることが
困難であった一種のハードルを越えるものであり、非常
に大きな意味を有する。そして、従来、高いtanδを
実現するために、制振材料分野においては、オイル含浸
型材料、シリコーンゲルのようなゲル体、スポンジ構造
体、または制振フィラー等を配合した複合ゴム等のよう
に、純粋な架橋重合体ではなく、複合化を中心としたア
プローチが行われており、制振性と、引張強度、引張伸
び、圧縮永久歪み等の各種材料特性とのバランスに優れ
た制振材料が知られておらず、また、自ずと使用用途・
分野が限られるという問題が生じていることから、純粋
な架橋重合体で、tanδ値が0.9以上、好ましくは
1.0以上、より好ましくは1.1以上であり、かつ、
前記(1) 〜(3) の物性を満たす制振材料を提供すること
は、制振材料の使用用途・分野の拡大において非常に大
きな意味を有するものである。
【0053】また、上記の組成を有する重合性組成物に
おいて、多官能ビニル化合物の割合が0.1重量%未満
では、得られるビニル系架橋重合体の圧縮永久歪みや伸
び(引張永久伸び)等のクリープが大きくなり、ゴム弾
性が不良となるので好ましくない。一方、上記多官能ビ
ニル化合物の割合が30重量%を越えると、得られるビ
ニル系架橋重合体の機械的強度や伸びが低下して靭性が
乏しくなり、また、広い温度範囲でtanδが小さくな
り、制振性が低下するので好ましくない。上記多官能ビ
ニル化合物を2重量%〜20重量%の範囲内で用いるこ
とは、圧縮率25%で90℃において70時間圧縮した
ときの上記ビニル系架橋重合体の圧縮永久歪みを32%
以下に抑える上で、特に有効に作用する。
【0054】上記重合性組成物における金属塩化合物の
割合が0.15重量%未満では、得られるビニル系架橋
重合体の機械的強度や伸び、耐熱性が低下するので好ま
しくない。一方、上記金属塩化合物の割合が30重量%
を越えると、得られるビニル系架橋重合体のクリープが
大きくなったり、広い温度範囲でtanδが小さくな
り、制振性が低下するので好ましくない。
【0055】また、上記の重合性組成物が、上記芳香族
ビニル化合物、多官能ビニル化合物、および金属塩化合
物以外の他のビニル化合物(a)を含む場合に用いるこ
とができる、上記芳香族ビニル化合物、多官能ビニル化
合物、および金属塩化合物以外の他のビニル化合物
(a)としては、これら重合性組成物を構成する化合
物、即ち、これら芳香族ビニル化合物、多官能ビニル化
合物、金属塩化合物と共重合可能なビニルモノマーであ
ればよい。
【0056】よって、本発明のビニル化合物(a)とし
て用いることができるビニルモノマーとしては、具体的
には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、ケイ皮酸等のα,β−エチレン性不飽和カルボン
酸;2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタ
クリロイルオキシエチルフタル酸、2−メタクリロイル
オキシエチルトリメリット酸、2−メタクリロイルオキ
シエチルピロメリット酸等の、エステル基を有する不飽
和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノメチルエステル等
の、不飽和ジカルボン酸と一価アルコールとのモノエス
テル;2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフ
ェート等のビニル基含有不飽和リン酸エステル;アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸ア
ルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−
エチルヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステル;ア
クリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシエチル、
アクリル酸ブトキシエチル等のアクリル酸アルコキシア
ルキルエステル;メタクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸エトキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル等
のメタクリル酸アルコキシアルキルエステル;グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等
のエポキシ基含有ビニル化合物;ビニルクロロアセテー
ト、アリルクロロアセテート、ビニルベンジルクロライ
ド等のハロゲン基含有ビニル化合物;(メタ)アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシプロピル、エチレングリコールモノアリルエ
ーテル等の水酸基含有ビニル化合物;アクリルアミド、
メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル化合物;(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基含有
ビニル化合物;ビニルメトキシシラン、ビニルエトキシ
シラン等のシリル基含有ビニル化合物;シクロヘキシル
マレイミド、フェニルマレイミド等のマレイミド類;ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含
有ビニル化合物;ジシクロペンタジエン、エチリデンノ
ルボルネン等の脂環式ビニル化合物;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;クロロ
プレン、イソプレン、ブタジエン等のオレフィン化合
物;n−ブチルビニルエーテル、sec −ブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、エチルビニルエー
テル、2−エチルヘキシルビニルエーテル等のアルキル
ビニルエーテル化合物;等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。これら化合物は、必要に応じて、一
種類を用いてもよく、また、二種類以上を用いてもよ
い。
【0057】上記ビニルモノマーのなかでも、本発明の
他のビニル化合物(a)として、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルや(メタ)アクリル酸アルコキシアルキ
ルエステルを前記芳香族ビニル化合物と併用すること
は、得られるビニル系架橋重合体(硬化物)の物性の上
述したバランスを保つ上で好ましい。
【0058】上記不飽和酸は、本発明の多官能ビニル化
合物として例示されているアクリルシラップの中でカル
ボキシル基を含有するアクリルシラップを製造する際に
使用する不飽和酸がアクリルシラップ中に存在する場合
もあり、本願の重合性組成物の一部として使用できる他
のビニル化合物(a)として使用されていても支障はな
い。
【0059】よって、本発明の重合性組成物には、必要
に応じて、本発明の重合性組成物の重合性やその物性に
悪影響を与えない範囲で、他のビニル化合物(a)とし
て、不飽和酸であるカルボキシル基含有単量体を含ませ
ることができる。上記他のビニル化合物(a)として上
記不飽和酸を用いることは、重合体形成後、該不飽和酸
が、金属塩化合物由来の構造とイオン架橋を形成するの
で、得られるビニル系架橋重合体のエラストマーとして
の特性(強度等)が向上するので、本発明においては好
ましい形態である。このとき使用される不飽和酸の量は
特に限定されるものではない。上記の多官能ビニル化合
物で使用可能なアクリルシラップや分子内に複数の重合
性ビニル基を有する金属塩化合物を合成した後等におけ
る本発明の重合性組成物中の不飽和酸の量としては、該
重合性組成物に対して20重量%以下が好ましく、10
重量%以下がさらに好ましく、5重量%以下がより好ま
しい。
【0060】また、上記の重合性組成物には、必要に応
じて、該重合性組成物に溶解若しくは分散する合成樹脂
が添加されていてもよい。該重合性組成物に合成樹脂を
添加することにより、該重合性組成物中の金属塩化合物
の溶解性や分散安定性をさらに一層向上させることがで
きると共に、重合性組成物に必要に応じて添加される種
々の添加剤(後述する)の分散安定性をより一層向上さ
せることができる。また、重合性組成物に適度な粘性を
付与することができるので、該重合性組成物の取り扱い
性や成形性、作業性、生産性等をより一層向上させるこ
とができる。
【0061】上記合成樹脂としては、重合性組成物に溶
解若しくは分散し、かつ、該重合性組成物を重合してな
る本発明にかかるビニル系架橋重合体が備えるべき性能
(各種物性)を損なわない合成樹脂であればよく、特に
限定されるものではない。また、合成樹脂の添加量は、
特に限定されるものではない。尚、重合性組成物に合成
樹脂が添加されている場合には、該重合性組成物は、合
成樹脂の存在下で重合されることになる。
【0062】該合成樹脂としては、具体的には、例え
ば、ポリアルキル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル
ゴム等のアクリル樹脂;ポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ジエン系重合体等のポリオレフィン樹
脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂;ポリスチレン樹
脂;等の公知の合成樹脂が挙げられる。これら合成樹脂
は、必要に応じて、一種類のみを用いてもよく、また、
二種類以上を適宜混合して用いてもよい。このうち、ア
クリル樹脂が、最終的に得られるビニル系架橋重合体の
透明性がより一層良好となるので、より好ましい。尚、
本発明において、合成樹脂には、ビニル基含有重合体は
含まれない。
【0063】また、上記重合性組成物には、必要に応じ
て、カーボンブラック、ポリマーグラフト型カーボンブ
ラック等の表面処理されたカーボンブラック、含水シリ
カ等の補強用微粒子;マイカ、タルク、グラファイト等
の制振用鱗片状または平板状フィラー;炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の、上記制振用鱗片状または
平板状フィラー以外のフィラー類;酸化亜鉛や酸化マグ
ネシウム、ポリイソシアネート化合物、親水性無水ケイ
酸等の増粘剤;ガラス繊維、ガラスクロス、チタン酸カ
リウム繊維等の補強材;芳香族油等の可塑剤;難燃剤;
老化防止剤;顔料等の着色剤;等を添加して使用でき
る。
【0064】上記構成の重合性組成物は、低粘度の液状
またはプリプレグ状であることより、不織布、ガラスク
ロス、ガラス繊維等に含浸、積層して複合化された形態
で重合に供し、複合制振材料として使用したり、基材に
塗布して重合に供し、制振塗料としても使用することが
できる。
【0065】本発明によれば、上記構成の重合性組成物
を重合することにより、本発明にかかるビニル系架橋重
合体が得られる。該重合性組成物の重合方法は、特に限
定されるものではなく、例えば、加熱による重合方法;
紫外線や、電子線等の放射線を照射する重合方法;ラジ
カル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方法;等の
公知の種々の重合方法を採用することができる。また、
重合反応の形態としては、例えば、塊状重合、懸濁重
合、乳化重合、分散重合等の公知の種々の反応形態を採
用することができる。従って、得られるビニル系架橋重
合体は、重合反応の形態等に応じて、エラストマー、フ
ィルム、粒子、エマルション等の種々の形状で得られ
る。このうち、重合性組成物にラジカル重合開始剤を添
加して塊状重合する方法が、製造工程が最も簡便とな
り、かつ、本発明にかかるビニル系架橋重合体を安価に
製造することができるので、特に好ましい。そして、該
塊状重合を工業的に実施する場合における好適な形態、
つまり、成形方法や塗工方法としては、例えば、注型成
形、プレス成形、射出成形、RIM(反応射出成形)、
押出成形、積層、スプレー塗工等が挙げられる。
【0066】上記のラジカル重合開始剤としては、具体
的には、例えば、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチ
ルケトンパーオキシド、t−アミルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル等の有機アゾ化合物;ベンゾフ
ェノン、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキシ
ド;等が挙げられる。ラジカル重合開始剤の添加量は、
特に限定されるものではない。また、重合促進剤を上記
ラジカル重合開始剤と併用してもよい。該重合促進剤と
しては、具体的には、例えば、オクテン酸コバルト、ス
テアリン酸亜鉛等の有機金属塩;ジメチルアニリン等の
芳香族三級アミン類;トリフェニルホスフィン;等が挙
げられる。さらに、重合調節剤(いわゆる重合防止剤)
や光増感剤等をラジカル重合開始剤と併用することもで
きる。該重合調節剤としては、具体的には、例えば、ベ
ンゾキノン、パラメトキシフェノール、ハイドロキノン
等が挙げられる。尚、重合促進剤や重合調節剤、光増感
剤等を用いる場合におけるこれらの添加量は、特に限定
されるものではない。
【0067】重合反応における反応圧力や反応温度、反
応時間等の反応条件は、該重合反応が完結するように、
例えば、重合性組成物の組成;水や可溶化剤、合成樹脂
の添加の有無;重合方法;重合反応の形態;添加剤の有
無;等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるも
のではない。また、得られるビニル系架橋重合体の平均
分子量も特に限定されるものではない。
【0068】以上のように、本発明にかかるビニル系架
橋重合体は、多官能ビニル化合物と、分子内に複数の重
合性ビニル基を有する金属塩化合物と、これら化合物と
共重合可能な他のビニル化合物(a)とを含む重合性組
成物を重合してなる架橋重合体であり、25℃、10H
zでの動的粘弾性測定における動的損失が0.9以上と
いう優れた制振特性を有していると共に、上述した構成
を有していることで、引張強度や引張伸び等の強度/伸
び特性並びに圧縮永久歪み等の各種材料特性に優れ、低
クリープ性や耐熱性等に優れている。
【0069】この理由の一つとしては、本発明における
重合性組成物が、架橋性化合物として、多官能ビニル化
合物および/または上記金属塩化合物(金属塩含有ビニ
ルモノマー)と共重合可能な上記ビニル化合物(a)に
対し、上記多官能ビニル化合物と、上記金属塩化合物
(金属塩含有ビニルモノマー)とを併用しており、重合
時に、共有結合架橋と金属イオン結合架橋の2種類の架
橋構造の形成が同時に進行することによる同時相互貫通
網目構造(S−IPN:Simultaneous-Inter Penetrate
Network) の形成により、両方の架橋の特性が発揮され
たことが考えられる。
【0070】本発明によって得られるビニル系架橋重合
体は、このように、強度/伸び特性や圧縮永久歪み等の
各種材料特性に優れ、この結果、低クリープ性であり、
かつ、制振特性が実用温度範囲で優れたものである。こ
のため、該ビニル系架橋重合体は、自動車、OA機器、
電気・電子機器、建築分野等の広い分野で、高度の性能
要求レベルに対応して、制振材料に用いられる制振材料
用重合体あるいは制振材料そのものとして使用すること
ができる。また、本発明において用いられる上記重合性
組成物およびその重合体(硬化物)であるビニル系架橋
重合体は、これら種々の用途において、成形や塗工の作
業性が良好なことから、制振材料としての生産性を向上
させることができる。また、本発明によって得られる上
記ビニル系架橋重合体は、耐熱性についても良好であ
り、150℃で500時間加熱したときの硬さ変化の度
合いが少ない。本発明において得られる上記ビニル系架
橋重合体の上記硬さ変化の度合いは、好ましくは30%
以下であり、より好ましくは20%以下である。
【0071】本発明にかかる上記ビニル系架橋重合体
は、上述したように、それ自身、制振特性と、引張強度
や引張伸び、圧縮永久歪み等の材料特性とのバランスに
優れた架橋重合体であり、そのまま制振材料として用い
ることができるが、その使用用途・分野に応じて、上述
したように、例えば、他のフィラー等と複合化して用い
てもよい。上記ビニル系架橋重合体を他のフィラー等と
複合化することにより、tanδをさらに向上すること
が可能であり、このように複合化したものを制振材料と
して使用してもよい。
【0072】上記ビニル系架橋重合体の複合化方法とし
ては、常用の方法を用いることができ、その複合化材料
並びに使用量は、上記ビニル系架橋重合体が有する上記
の特性を阻害しないものであれば、特に限定されない。
【0073】本発明にかかる制振材料は、このように、
上記ビニル系架橋重合体を含んでなり、上記ビニル系架
橋重合体が上述した特性に優れていることから、本発明
にかかる制振材料もまた、上述した特性に優れ、従来の
制振材料にみられる問題点や製造時の作業性の問題点が
無く、動的損失が大きく、制振性と、引張強度や引張伸
び、圧縮永久歪み等の材料特性とのバランスに優れてい
る。そして、上記ビニル系架橋重合体をそのまま上記制
振材料として用いる場合には、純粋な架橋重合体からな
り、種々の用途分野において好適に用いることができる
制振材料を提供することができる。
【0074】また、本発明にかかる上記ビニル系架橋重
合体の製造方法は、上記多官能ビニル化合物と、該多官
能ビニル化合物および/または分子内に複数の重合性ビ
ニル基を有する金属塩化合物と共重合可能な他のビニル
化合物(a)とからなる群より選ばれる少なくとも一種
の成分の存在下で、金属化合物と不飽和酸とを反応させ
て、分子内に複数のビニル基を有する金属塩化合物を含
む混合物を得た後、得られた混合物から金属塩化合物を
単離することなく、最終的に、多官能ビニル化合物と、
分子内に複数の重合性ビニル基を有する金属塩化合物
と、上記ビニル化合物(a)とを含む重合性組成物を調
製して重合する方法である。上記不飽和酸としては、上
記ビニル化合物(a)に含まれる不飽和酸を用いること
ができる。
【0075】該方法の最大の特徴点は、架橋性モノマー
を含む重合性組成物を重合して、一挙に架橋重合体(架
橋ゴム)を製造する点にある。即ち、上記の方法によれ
ば、上記重合性組成物を形成すべき原料(各種モノマ
ー)から上記ビニル系架橋重合体を、いわゆる1pot
で製造することができる。該方法は、後架橋を必要とせ
ず、簡便な工程で生産性良く、かつ、安価に本発明にか
かる上記ビニル系架橋重合体(架橋重合体)を形成する
方法であり、施工作業性に優れた方法である。
【0076】また、上記の方法によれば、金属塩化合物
を含む混合物を得るので、金属塩化合物の溶解性が改善
され、最終的に形成される重合性組成物における該金属
塩化合物の濃度を、例えば可溶化剤等を用いなくとも高
濃度にすることができる。従って、該重合性組成物を重
合することにより、得られる重合体の樹脂骨格に、金属
塩を多量にかつ安定的に導入することができる。つま
り、得られる重合体のイオン架橋度を充分に大きくする
ことができる。それゆえ、引張強度や引き裂き強度等の
機械的強度、耐熱性、耐油性、耐候性、透明性等の各種
物性に優れたビニル系架橋重合体を製造することができ
る。
【0077】さらに、上記重合性組成物が、金属塩化合
物と共に多官能ビニル化合物として分子内に複数の重合
性ビニル基を有する重合体を含む場合、該重合性組成物
に適度な粘性を付与することができると共に、例えば増
粘剤の添加による増粘効果を利用して粘度を調節するこ
とができる。このため、上記重合性組成物に必要に応じ
て添加される種々の添加剤の混合性や分散安定性を向上
させることができると共に、該重合性組成物を重合させ
る際の取り扱い性や成形性、作業性、生産性等をより一
層向上させることができる。その上、上記重合性組成物
が多官能ビニルモノマーを含んでいる場合には、上記機
械的強度並びにクリープ等の各種物性のバランスを特に
良好にすることができる。
【0078】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示している。また、硬化物の
諸物性、つまり、タイプAデュロメータ硬さ、引張強さ
(引張破断強さ)、引張伸び(引張破断伸び)、および
圧縮永久歪みは、JIS K 6301等の試験方法に
準じて測定した。
【0079】上記引張破断強さ、引張破断伸びの測定
は、厚さ3mmのダンベル2号型試験片を用い、引張速
度500mm/分で行った。上記圧縮永久歪みの測定
は、直径20mm、厚さ12mmの円柱試験片を用い、
圧縮率25%、90℃で70時間圧縮した後、荷重を除
くと共に徐冷し、荷重を除いてから30分間経過後にお
ける厚さを測定することにより行った。
【0080】硬化物の耐熱性の評価は、150℃のオー
ブン中で500時間加熱したときの上記硬化物の硬さ
(上記タイプAデュロメータ硬さ)の変化を測定するこ
とにより行った。
【0081】硬化物の制振特性の評価は、動的粘弾性
(tanδ)の測定により行った。tanδの測定に
は、厚さ1.5mm〜3mm、幅3mm〜6mm、長さ
35mmの試験片を用いた。この試験片を、動的粘弾性
測定装置(レオメトリックス社製RSA−II) により、
−50℃〜−100℃の温度範囲内で、昇温速度5℃/
分で昇温し、このときの動的貯蔵弾性率(E')および動
的損失弾性率(E'') を周波数1〜10Hzで測定し
た。tanδは、次式 tanδ=E' /E'' により求められる。
【0082】〔実施例1〕先ず、金属塩化合物(金属塩
含有ビニルモノマー)のモノマー溶液を合成した。即
ち、攪拌機、冷却管、温度計、および、ガス導入管を備
えた容量200mlの反応器に、不飽和酸としての2−
メタクリロイルオキシエチルフタル酸(新中村化学
(株)製;商品名「NKエステルCB−1」)70.5
部、n−ブチルアクリレート19.1部、および水1.
1部を仕込み、溶解させた。さらに、金属化合物として
の酸化亜鉛(堺化学(株)製亜鉛華2種)9.3部を加
えた。上記金属化合物(酸化亜鉛)と不飽和酸(2−メ
タクリロイルオキシエチルフタル酸)と水とのモル比は
1.0:2.1:0.54であった。次に、反応器の内
容物を 室温で30分間攪拌した後、攪拌しながら70
℃に昇温し、1時間反応させた。得られた反応混合物は
均一かつ透明であり、室温に冷却した後においても、均
一かつ透明な状態を維持していた。さらに、該反応混合
物は、室温で1週間放置した後においても、均一かつ透
明な状態を維持していた。このことから、添加した酸化
亜鉛の全量が2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸
の亜鉛塩に変換されていることを確認した。これによ
り、金属塩含有ビニルモノマーのモノマー溶液(以下、
金属塩モノマー溶液(1)と記す)が得られたことを確
認した。該金属塩モノマー溶液(1)中の金属塩含有ビ
ニルモノマーとしての亜鉛塩の生成量は76.0部であ
った。尚、該金属塩モノマー溶液(1)中のn−ブチル
アクリレート量は19.1部である。
【0083】次に、上記の金属塩モノマー溶液(1)を
用いて重合性組成物を調製した。即ち、ビニル化合物
(a)としてのスチレン30部およびn−ブチルアクリ
レート67.5部、多官能ビニル化合物としてのジエチ
レングリコールジフタレートのジメタクリレート化物
2.5部、上記の金属塩モノマー溶液(1)13.2部
を混合することにより、本発明にかかる重合性組成物を
得た。該重合性組成物の組成を表1に示す。
【0084】次いで、上記の重合性組成物100部に、
ラジカル重合開始剤としてのメチルエチルケトンパーオ
キシドの55重量%ジメチルフタレート溶液0.5部
と、重合促進剤としてのオクテン酸コバルトのミネラル
スピリット溶液(コバルト含有量8重量%)0.5部と
を添加、混合した。そして、得られた混合物を、2枚の
ガラス板とシリコーン樹脂製ガスケットとを用いて組み
立て、所定の厚み(1.5〜3mm)に設定したセル中
に注入し、65℃で7時間重合した後、120℃で2時
間さらに重合させた。これにより、本発明にかかるビニ
ル系架橋重合体を得た。また、上述した圧縮永久歪み測
定用の所定の円柱試験片を得るために所定のセルを用い
て、本発明にかかるビニル系架橋重合体からなる圧縮永
久歪み測定用の円柱試験片を得た。次いで、本実施例に
より得られたビニル系架橋重合体の諸物性を、上記の方
法により測定した。この結果を表2に示す。
【0085】〔実施例2〕実施例1において、重合性組
成物におけるスチレンの使用量を30部から49部に変
更すると共にn−ブチルアクリレート67.5部に代え
て2−エチルヘキシルアクリレート48.5部を用いた
以外は、実施例1と同様の反応・操作を行い、本発明に
かかる重合性組成物を得た。該重合性組成物の組成を表
1に示す。
【0086】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行い、本発明にかかるビニル
系架橋重合体を得た。得られたビニル系架橋重合体の諸
物性を、上記の方法により測定した。この結果を表2に
示す。
【0087】〔実施例3〕実施例1において、スチレン
30部に代えてp−t−ブチルスチレン30部をビニル
化合物(a)として用いて重合性組成物を調製した以外
は、実施例1と同様の反応・操作を行い、本発明にかか
る重合性組成物を得た。該重合性組成物の組成を表1に
示す。
【0088】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行い、本発明にかかるビニル
系架橋重合体を得た。得られたビニル系架橋重合体の諸
物性を、上記の方法により測定した。この結果を表2に
示す。
【0089】〔比較例1〕実施例1において、スチレン
30部に代えてメチルメタクリレート30部を用いて重
合性組成物を調製した以外は、実施例1と同様の反応・
操作を行い、比較用の重合性組成物を得た。該重合性組
成物の組成を表1に示す。
【0090】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行うことにより、比較用の重
合体を得た。得られた比較用の重合体の諸物性を、上記
の方法により測定した。この結果を表2に示す。
【0091】〔比較例2〕実施例1において、スチレン
30部に代えてメチルメタクリレート40部を用いると
共にn−ブチルアクリレート67.5部に代えて2−エ
チルヘキシルアクリレート57.5部を用いて重合性組
成物を調製した以外は、実施例1と同様の反応・操作を
行い、比較用の重合性組成物を得た。該重合性組成物の
組成を表1に示す。
【0092】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行うことにより、比較用の重
合体を得た。得られた比較用の重合体の諸物性を、上記
の方法により測定した。この結果を表2に示す。
【0093】〔比較例3〕実施例1において、重合性組
成物におけるn−ブチルアクリレートの使用量を67.
5部から70部に変更すると共に金属塩モノマー(1)
を使用しなかった以外は、実施例1と同様の反応・操作
を行い、比較用の重合性組成物を得た。該重合性組成物
の組成を表1に示す。
【0094】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行うことにより、比較用の重
合体を得た。得られた比較用の重合体の諸物性を、上記
の方法により測定した。この結果を表2に示す。
【0095】〔比較例4〕実施例1において、ジエチレ
ングリコールジフタレートのジメタクリレート化物を使
用しないで重合性組成物を調製した以外は、実施例1と
同様の反応・操作を行い、比較用の重合性組成物を得
た。該重合性組成物の組成を表1に示す。
【0096】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行うことにより、比較用の重
合体を得た。得られた比較用の重合体の諸物性を、上記
の方法により測定した。この結果を表2に示す。
【0097】〔実施例4〕先ず、多官能ビニル化合物と
してのビニル基含有重合体を含むモノマー混合物である
アクリルシラップを合成した。即ち、攪拌機、冷却管、
温度計、および、ガス導入管を備えた容量500mlの
反応器に、メタクリル酸メチル177部と、メタクリル
酸22.8部とを仕込んだ後、該反応器内を窒素ガス置
換した。次に、この混合物を攪拌しながら、該混合物
に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(ラジカル
重合開始剤)0.1部と、n−ドデシルメルカプタン
(重合調整剤)0.28部とを添加した。その後、窒素
ガス気流下で反応器の内温を80℃に昇温させ、該温度
を維持しながら上記混合物を重合させた。
【0098】そして、重合率が凡そ40%に達した時
点、即ち、不揮発分(メタクリル酸メチル/メタクリル
酸共重合体、つまり、重合体(A))の量が凡そ40重
量%に達した時点で、反応液に、メタクリル酸グリシジ
ル37.6部、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロ
ライド(触媒)0.15部、およびヒドロキノン(重合
禁止剤)0.02部を添加・混合し、反応器を急冷し
た。
【0099】急冷後、再び、空気雰囲気下で攪拌しなが
ら反応器の内温を100℃に昇温させ、該温度を維持し
ながら上記混合物を23時間、反応させた。即ち、重合
体(A)にメタクリル酸グリシジルを反応させることに
より、該重合体(A)の側鎖にビニル基を導入した。こ
れにより、ビニル基を側鎖に2つ以上有するメタクリル
酸メチル/メタクリル酸共重合体と、未反応のメタクリ
ル酸メチルおよびメタクリル酸とを含む混合物、つま
り、メタクリル酸エステル系重合体を含むメタクリルシ
ラップ(以下、シラップ(A)と記す)を得た。
【0100】該シラップ(A)は透明であり、不揮発分
の量が45.1重量%であった。また、シラップ(A)
中のメタクリル酸エステル系重合体の酸価は21.0m
gKOH/gであった。そして、重合体(A)の酸価
と、メタクリル酸エステル系重合体の酸価との差が4
1.7mgKOH/gであることから、重合体(A)が
有するカルボキシル基のうち、66.5%がビニル基に
変換されたことが判った。上記組成のシラップ(A)を
用いて重合性組成物を調製した。
【0101】該重合性組成物の調製に際しては、実施例
1において、重合性組成物におけるスチレンの使用量を
30部から15部に変更すると共にジエチレングリコー
ルジフタレートのジメタクリル化物2.5部に代えて上
記のシラップ(A)を15部用いた以外は、実施例1と
同様の反応・操作を行い、本発明にかかる重合性組成物
を得た。該重合性組成物の組成を表1に示す。
【0102】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行い、本発明にかかるビニル
系架橋重合体を得た。得られたビニル系架橋重合体の諸
物性を、上記の方法により測定した。この結果を表2に
示す。
【0103】〔比較例5〕実施例1において、スチレン
30部に代えてメチルメタクリレート15部を用いると
共にジエチレングリコールジフタレートのジメタクリル
化物2.5部に代えて実施例4で得られたシラップ
(A)を15部用いた以外は、実施例1と同様の反応・
操作を行い、比較用の重合性組成物を得た。該重合性組
成物の組成を表1に示す。
【0104】次に、上記の重合性組成物を用いて、実施
例1と同様の反応・操作を行うことにより、比較用の重
合体を得た。得られた比較用の重合体の諸物性を、上記
の方法により測定した。この結果を表2に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】表2に示すように、実施例1〜4で得られ
たビニル系架橋重合体は上述した各物性に優れるもので
あった。一方、比較例3で得られた重合体は金属塩含有
ビニルモノマーを用いておらず、引張強度および耐熱性
が低かった。また、比較例4で得られた重合体は、多官
能ビニル化合物を用いておらず、圧縮永久歪みが大き
く、ゴム弾性に乏しいものであった。
【0108】さらに、実施例1〜4で得られたビニル系
架橋重合体は、常温でのtanδ値や変動温度測定での
tanδ最大値が大きく、また、tanδ値が0.2以
上の値を示す実用温度範囲(ΔT)が広い。これらのこ
とは、これらビニル系架橋重合体が広い温度範囲で優れ
た制振性を発揮するものであることを示す。一方、比較
例1・2・5で得られた各tanδ値やΔT値は実施例
1〜4で得られた重合体の値よりも小さく、制振性の低
いものであった。
【0109】以上のように、実施例1〜4から、本発明
にかかる重合性組成物は、簡便な方法で容易に重合物と
することができ、また、上記重合性組成物を重合してな
る本発明にかかるビニル系架橋重合体は、強度/伸び特
性、圧縮永久歪み、耐熱性等の物性に優れることから、
低クリープ性であり、かつ、優れた制振性を有するもの
であり、広い用途・分野で制振材料として利用すること
ができるものであることが判る。
【0110】
【発明の効果】本発明の構成によれば、制振材料の用途
の多様化、要求性能の高度化に対する従来の制振材料の
性能上の問題点や製造時の作業性の問題を招来すること
が無く、動的損失が大きく、制振性に優れ、制振材料に
好適に用いることができるビニル系架橋重合体およびそ
の簡便な製造方法並びに制振材料を提供することができ
るという効果を奏する。上記ビニル系架橋重合体は、2
5℃、10Hzでの動的粘弾性測定における動的損失が
0.9以上という高い動的損失を実現するものであり、
優れた制振性を有している。そして、該ビニル系架橋重
合体は、上記重合性組成物が多官能ビニル化合物と分子
内に複数個の重合性ビニル基を有する金属塩化合物とを
併用していることで、引張強度や引張伸び等の強度/伸
び特性や圧縮永久歪み等の各種材料特性にも優れ、低ク
リープを実現することができると共に、耐熱性にも優れ
ている。上記ビニル系架橋重合体は、例えば、請求項2
または請求項3に示すような優れた材料特性を有してい
る。従って、本発明の構成によれば、制振性と、上述し
た各種材料特性、好適には、25℃における引張強度が
50kgf/cm2 以上、25℃における引張伸びが3
00%以上、圧縮率25%で90℃において70時間圧
縮したときの圧縮永久歪みが50%以下という物性のう
ちの少なくとも1つ、より好適には2つ、特に好適には
3つを共に満足するビニル系架橋重合体を提供すること
ができる。該ビニル系架橋重合体は、上記したように、
制振特性と、引張強度や引張伸び、圧縮永久歪み等の材
料特性とのバランスに優れ、そのまま制振材料として用
いることもできる。従って、本発明によれば、純粋な架
橋重合体からなり、種々の用途分野において好適に用い
ることができる制振材料を提供することができる。上記
の構成によれば、使用上の制限を受けることがなく、ま
た、制振材料としての複合化や成形加工性等の使い易さ
における問題点を招来することがない。また、上記重合
性組成物中に、ビニル化合物(a)として、特に、スチ
レンおよび/またはスチレン誘導体等の芳香族ビニル化
合物を配合することにより、広範囲の温度領域で高い制
振性を示すビニル系架橋重合体並びに成形材料を提供す
ることができるという効果を奏する。
【0111】また、本発明の方法によれば、上記のビニ
ル系架橋重合体を簡便な工程で生産性、施工作業性が良
く、かつ、安価に製造することができる方法を提供する
ことができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AB00R AB02R AB03R AB04R AB08R AB16P AE02R AE04R AE06R AE09R AE18R AE19R AE76P AG02R AG04R AG08R AG15R AJ01R AJ02R AJ03R AJ08R AJ09R AK12Q AK13Q AK14Q AK21Q AL03R AL04R AL08Q AL08R AL09R AL10R AL41Q AL41R AL62P AL63P AL65P AM02R AM15R AM47R AP16R AQ26R AR22R AS02R AS03R AS07R AS15R BA02P BA04R BA05R BA06R BA15P BA15Q BA15R BA16R BA17Q BA31R BA64Q BA64R BA77R BB01R BC04R BC43P BC43Q BC43R BC54R CA05 JA00 JA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能ビニル化合物と、分子内に複数の重
    合性ビニル基を有する金属塩化合物と、これら化合物と
    共重合可能な他のビニル化合物(a)とを含む重合性組
    成物を重合してなり、25℃、10Hzでの動的粘弾性
    測定における動的損失が0.9以上であることを特徴と
    するビニル系架橋重合体。
  2. 【請求項2】25℃における引張強度が50kgf/c
    2 以上および/または25℃における引張伸びが30
    0%以上であることを特徴とする請求項1記載のビニル
    系架橋重合体。
  3. 【請求項3】圧縮率25%で90℃において70時間圧
    縮したときの圧縮永久歪みが50%以下であることを特
    徴とする請求項1または2記載のビニル系架橋重合体。
  4. 【請求項4】上記ビニル化合物(a)が、芳香族ビニル
    化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載のビニル系架橋重合体。
  5. 【請求項5】上記重合性組成物が、多官能ビニル化合物
    0.1重量%〜30重量%と、金属塩化合物0.1重量
    %〜30重量%と、芳香族ビニル化合物5重量%〜60
    重量%とを含むことを特徴とする請求項4記載のビニル
    系架橋重合体。
  6. 【請求項6】多官能ビニル化合物および/またはビニル
    化合物(a)の存在下で、金属化合物と不飽和酸とを反
    応させて、分子内に複数のビニル基を有する金属塩化合
    物を含む混合物を得た後、 得られた混合物から、分子内に複数のビニル基を有する
    金属塩化合物を単離することなく、最終的に、該多官能
    ビニル化合物と、分子内に複数の重合性ビニル基を有す
    る金属塩化合物と、上記ビニル化合物(a)とを含む重
    合性組成物を調製して重合することを特徴とする請求項
    1記載のビニル系架橋重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5の何れか1項に記載のビニル
    系架橋重合体を含むことを特徴とする制振材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002338632A (ja) * 2001-05-22 2002-11-27 Mitsubishi Rayon Co Ltd 金属含有共重合体および塗料
US7368494B2 (en) 2001-10-19 2008-05-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Emulsion for damping materials and chipping-resistant materials

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