JP4758423B2 - 車両シート - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前提項の特徴を有する車両シートに関し、特に、自動車シートに関する。

欧州特許出願公開第ＥＰ１１１０８０９Ａ２号公報が、この種類の従来の車両シートを開示しており、これには、基本モジュールが、標準シートフレーム及び／又は背もたれフレームにストラップ又はワイヤの形態のアダプターによって（その構造を変えずに）固定されており、その基本モジュールは、前弯支持体、両側面、支持ブラケット、肩部支持体、換気部材あるいはシート空調システム等の別の部分組立品を支持している。
このアダプターは、フレームにあるいはそのフレームに固定されたナットに、例えば、ねじ接続あるいはリベット接続によって、強度が前記フレームに対してできるだけ弱められるように固定されている。

本発明の目的は、前述したような従来の車両シートを改良することである。

本発明の目的は、請求項１の特徴を備えた車両シートによって達成される。
有利な改良は、従属する請求項の要旨である。

アダプターが、構造物の広範囲に形態嵌合接続、すなわち、凹凸嵌合状態で支持されているので、第一に、純粋な点タイプ接触を超え、アダプター及び構造物の相互対向面のかなりの部分で支持し（広範囲に渡る支持）、第二に、この相互対向面のかなりの部分での支持の場合に、前記構造物のプラスの突起とマイナスの凹みが、アダプターの逆の輪郭によって相互一致されることからわかるように、必要とされる固定接続がなくても、アダプターと構造物との間の相対的な動きが、ほとんどの方向において制限されるようになっている。
このような動きは、構造物の相互に反対側の間、例えば、フレームの２つの対峙したリム間に延在するアダプターによって、装着方向に好適にさらに制限されるようになっている。
この残りの運動可能性は、アダプター上に位置するパッドやアダプターに覆い被さるとともに少なくとも部分的に構造物に固定されるカバーで抑制され、その結果、アダプターと構造物が共に固定して保持されているのが好ましい。
しかし、アダプターを構造物にさらに固定しても良く、そのため、他の理由から構造物に形成された開口などを利用するのが好ましい。

アダプターは、構造物とパッドとの間のインターフェースとしての役割を果たしている。
この構造物に配置されたアダプターが、第一に、パッドを形成する機能を果たす、すなわち、特に、アダプターがかなり輪郭形成されれば、アダプターが（それ自体の形状と構成によって）パッドの形状に影響を及ぼすようになっている。
この点で、アダプターは、パッドに割り当てられてパッドの一体成形部材として扱われ、例えば、アダプターとパッドが一般的なカバーで覆われると、後者は好適に構造物の所までとどくようになっている。
第二に、構造物は、パッド形成機能に必要な支持体をアダプターに付与するようになっており、その付与は、この発明に係るベアリングによって行われるようになっている。
この点において、アダプターが、スポーツカーの性能、機能、快適さの点で構造物を改善するという利点を構成物に付加するようになっている。
アダプターが無い他のやり方では、構造物が、パッドを簡単に（形成の度合いも小さく、機能も持たずに）支持できるに過ぎない。

アダプターは、剛性の発泡体からなる一体型の構成部材であることが好ましく、これにより、製造と装着とが簡便になるようになっている。
アダプターが、シート構成部材の長手方向に延在しているとともに、支持機能を備えた側方形成部が、支持要素が無い場合と比較して使用者の側方支持性能を改良するため、そして、溶接支持要素と比較して歪が無い装着を保証するために、アダプター上に一体的に形成されている場合に、このアダプターの設計が有効となっている。
この場合、成形とは、側方形成部や前方形成部などの対応する材料部がアダプターの形状にかなりの影響を有することを意味しており、例えば、材料部が材料部無しのアダプターの高さを二倍にする。
さらに、アダプターが間接的な衝突保護機能を有する必要があれば、使用される材料は、有利であり、これによれば、アダプターの材料が衝突の際にエネルギーを吸収及び／放散し、それにより使用者の保護を強化するようになっている。
シート部材の場合、潜り込み防止傾斜面をアダプターに一体形成しても良く、これにより、衝突保護機能を更に向上できるようになっている。

アダプターは、アダプターに配置され、あるいは、一体化され、あるいは、装着され、特に、装着及び／又は固定された個々の部分組立品、特に、両側面調整部材、制御装置及びカバー取付け部材、カバー分離部材及びカバーガイド部材により、使用者の快適性を増すように使用され、それは、（背もたれの場合は）前弯支持体及び／又は肩部傾斜調整部材であり、（シート部材の場合は）シート面延長部であるのが好ましい。
任意に部分組立品を備えたアダプターは、車両シートをスポーツシートに向上させる。
本発明を図面に示した実施例に基づいて、以下に詳細に説明する。

スポーツシートとして設計された自動車用の車両シート１が、第１シート構成部材としてのシート部材３の場合、シートの長手方向を調整する２対の平行なシートレール５と、このシートレール５に連結される高さ調整用の２対のロッカー７と、このロッカー７に連結支持されるシートクッション構造物１１とを有しており、このシートクッション構造物１１は、４つのリムを備えた囲みフレームからなりシートフレームとも呼ばれている。

そのシートクッション構造物１１は、硬質の発泡体、特に、ポリウレタンからなる一体型のシートクッションアダプター１５を支持している。
このシートクッション構造物１１のように、シートクッションアダプター１５は、囲みフレームとして設計されている。
支持されたシートクッションアダプター１５は、シートクッション構造物１１上の広範囲に形態嵌合接続、すなわち、凹凸嵌合状態で載っている。
その結果、シートクッションアダプター１５とシートクッション構造物１１との相対的な動きが制限され、シートクッション構造物１１の４つのリム全てを圧迫するシートクッションアダプター１５によって、装着方向の動きしか残らないようになっている。
したがって、シートクッションアダプター１５を装着するとき、シートクッション構造物１１は、変化せず、特に弱められない。

シートの長手方向において、シートクッションアダプター１５が、比較的平坦なシートクッション構造物１１に関して使用者の側方支持手段として、支持機能を備えた側方に高めの側方形成部１７を有している。
このシートクッションアダプター１５は、衝突の際に潜り込み防止傾斜面として機能する、前方に高くなった前方部分となる前方形成部１９も備えている。
硬質の発泡体が、更なる間接的な衝突保護機能として、衝突の際にエネルギーを吸収して放散することができるようになっている。

個々の部分組立品が、シートクッションアダプター１５に任意に配置され、あるいは一体化され、あるいは装着されている。
特に、例えば、シートクッションアダプター１５に対して車両シート１の長手方向に発泡体組み込みレールによって変位可能なシート面延長部２１と、少なくともシートのほぼ長手方向に走る軸の周りを旋回できる（例えば、膨張する袋状のもの（Ｂｌａｓｅ）で駆動される）図では両側面調整部材２３の右側だけを示した一対の両側面調整部材２３が、装着及び／又は固定されている。
調整などのための制御装置を、このシートクッションアダプター１５に固定しても良い。
カバー取付け部材、断路機器及びガイド手段を、シートクッションアダプター１５に一体化しても良く、例えば、シール板用接着性閉鎖部材又はリセプタクルを、特に、シート面延長部２１の下あるいは後方に配置された前方形成部１９に一体化しても良い。

シートクッションパッド２５が、シートクッションアダプター１５と関連する部分組立品上に載っており、このシートクッションパッド２５は、特に、軟質の発泡体部材として設計されているとともに、露出した側でシートクッションアダプター１５の全体にあるいは一部に装着可能となっている。
シートクッションカバー２７が、シートクッションパッド２５及びシートクッションアダプター１５にかぶさって伸張されるような予荷重を受けて、シートクッション構造物１１に、場合によってはシートクッションアダプター１５に固定されている。
これにより、シートクッションアダプター１５とシートクッション構造物１１とが相互に固定保持されている。
このシートクッション構造物１１と、シートクッションアダプター１５と、シートクッションパッド２５と、シートクッションカバー２７と、関連する部分組立品がシートクッションを構成している。

広範囲な形態嵌合接続に加えて、シートクッションアダプター１５とシートクッション構造物１１との固定保持は、例えば、シートクッションアダプター１５の材料部とシートクッション構造物１１の開口との間でスナップファスナー、ばね鋼のクリップ、他の摩擦接続、あるいは、シートクッション構造物１１の開口を使用するねじ接続などで達成されるようになっている。
また、ナットなど、また穴あきプレートなどの固定手段をシートクッションアダプター１５に発泡成形しても良い。

車両シート１は、背もたれ構造物３２付きの傾斜調整可能で自由に旋回可能な第２シート構成部材としての背もたれ３０を有している。
背もたれフレームとも称する背もたれ構造物３２は、２つの留め具３３によってシートクッション構造物１１の後方端部に固定され、そしてその最大寸法に沿って背もたれ３０の長手方向を規定している。

シートクッションの場合のように、一体化した剛性の発泡体からなるアダプターが、ここでも設けられている。
車両シート１の両側に、それぞれのポリウレタン剛性の発泡体からなる背もたれ両側面アダプター３４（その右側だけが図示されている）が、背もたれ構造物３２の下部領域に設けられている。
各背もたれ両側面アダプター３４は、背もたれ構造物３２に対して、広範囲に形態嵌合接続で、もたれかかっている。
さらに、背もたれ３０の長手方向に作用する力を横に伝えるために、背もたれ両側面アダプター３４が、背もたれ構造物３２に、他の理由で存在する開口を使用して、ねじ止めあるいは他の方法で固定されている。
本実施例の変形例においては、２つの背もたれ両側面アダプター３４が互いに接続され、装着方向にしか運動の可能性がないならば、このねじ止め又は他の方法での接続が省略されている。

背もたれ３０の長手方向において、背もたれ両側面アダプター３４が、背もたれ構造物３２に対する使用者の側方支持性能を向上させるため、支持機能を備えた側方に高くなった側方形成部３６を有している。
間接的な衝突保護機能として、衝突の際には、剛性の発泡体がエネルギーを吸収して放散することができるようになっている。
個々の部分組立品が、背もたれ両側面アダプター３４に任意に配置され、あるいは一体化され、あるいは適合され、特に、例えば、原理上は両側面調整部材２３のように構成され、背もたれ３０の少なくともほぼ長手方向に走る軸の周りを旋回できる、図では２つの背もたれ両側面調整部材３８の右側のみが示されているような背もたれ両側面調整部材３８と、他方の背もたれ両側面アダプター３４に他方の側に固定された前弯支持体４０とが、装着及び／又は固定されている。
調整装置などのための制御装置を、背もたれ両側面アダプター３４に固定しても良い。
カバー取付け部材、断路機器及びガイド手段、例えば、シール板用接着性閉鎖部材又はリセプタクルを、背もたれ両側面アダプター３４に一体化しても良い。

この２つの背もたれ両側面アダプター３４上には、背もたれ構造物３２の広範囲に形態嵌合接続で支持される肩部支持アダプター４２が配置されている。
この形態嵌合支持は、背もたれ構造物３２の双方の反対側で行われるため、装着方向の運動だけが可能であるようになっている。
従って、この肩部支持アダプター４２を、例えば、他の理由で存在する開口を使用して、背もたれ構造物３２にねじ止めあるいは他の方法で固定することは選択自由である。

背もたれ３０の長手方向において、肩部支持アダプター４２が、背もたれ構造物３２に対する使用者の側方支持性能を向上させるために、支持機能を備えた側方に高くなった側方形成部４４を有している。
間接的な衝突保護機構として、剛性の発泡体が、衝突の際に、エネルギーを吸収して放散するようになっている。
個々の部分組立品が、肩部支持アダプター４２に任意に配置され、あるいは一体化され、あるいは適合され、特に、例えば、原理上は両側面調整部材２３のように構成され、背もたれ３０の少なくともほぼ長手方向に走る軸の周りを旋回できる、図では２つの肩部両側面調整部材４６の右側の１つだけが示されているような一対の肩部両側面調整部材４６と、同じく原理上は両側面調整部材２３のように構成され、背もたれ３０の長手方向に少なくともほぼ垂直に走る軸の周りを旋回できる、図示されているような一対の肩部傾斜調整部材４８とが、装着及び／又は固定されている。
調整などのための制御装置を、この肩部両側面調整部材４６に固定しても良い。
カバー取付け部材、断路機器及びガイド手段を、肩部支持アダプター４２に一体化しても良い。

背もたれパッド５０が、背もたれ両側面アダプター３４と、肩部支持アダプター４２と、関連する部分組立品に支持されており、背もたれ構造物３２には部分的かつ直接的に支持されており、背もたれパッド５０は、特に、軟質の発泡体パッドとして設計されているとともに、露出した側で背もたれ両側面アダプター３４及び肩部支持アダプター４２全体にあるいは一部に装着可能であるように設計されている。
背もたれカバー５２が、背もたれパッド５０及び背もたれ両側面アダプター３４及び肩部支持アダプター４２上にかぶさって伸張されるように予荷重を受けて、背もたれ構造物３２に、場合によっては背もたれ両側面アダプター３４及び肩部支持アダプター４２に固定されている。
そのため、背もたれ両側面アダプター３４及び肩部支持アダプター４２が、特に、一方で肩部支持アダプター４２、そして、他方で背もたれ構造物３２が、さらなる接続の１つを採用したかどうかに係わらず、共に固定保持されている。

本発明の一実施例である車両シートに組み込まれたシートクッションの分解組付図。 車両シートの側面図。 背もたれの分解組付図。

符号の説明

１ ・・・ 車両シート
３ ・・・ シート部材
５ ・・・ シートレール
７ ・・・ ロッカー
１１ ・・・ シートクッション構造物
１５ ・・・ シートクッションアダプター
１７ ・・・ シートクッションアダプターの側方形成部
１９ ・・・ シートクッションアダプターの前方形成部
２１ ・・・ シート面延長部
２３ ・・・ 両側面調整部材
２５ ・・・ シートクッションパッド
２７ ・・・ シートクッションカバー
３０ ・・・ 背もたれ
３２ ・・・ 背もたれ構造物
３３ ・・・ 留め具
３４ ・・・ 背もたれ両側面アダプター
３６ ・・・ 背もたれ両側面アダプターの側方形成部
３８ ・・・ 背もたれ両側面調整部材
４０ ・・・ 前弯支持体
４２ ・・・ 肩部支持アダプター
４４ ・・・ 肩部支持アダプターの側方形成部
４６ ・・・ 肩部両側面調整部材
４８ ・・・ 肩部傾斜調整部材
５０ ・・・ 背もたれパッド
５２ ・・・ 背もたれカバー

Claims (9)

1. シート構成部材としてのシート部材（３）および背もたれ（３０）と、該シート部材（３）および背もたれ（３０）の少なくとも一方に設けられた構造物（１１，３２）と、該構造物（１１，３２）に配置された少なくとも１つのアダプター（１５，３４，４２）とを備えた車両シート（１）において、
   前記アダプター（１５，３４，４２）が、前記構造物（１１，３２）の広範囲に亙って形態嵌合接続で支持され、
   少なくとも前記構造物（１１，３２）に固定されているとともにパッド（２５，５０）およびアダプタ（１５，３４，４２）に被さって予荷重を受けた状態で伸張されたカバー（２７，５２）が、前記アダプタ（１５，３４，４２）と該アダプタ（１５，３４，４２）上で支持されるパッド（２５，５０）とを構造物（１１，３２）に固定していることを特徴とする車両シート（１）。
2. 前記アダプター（１５，４２）が、前記構造物（１１，３２）の相互に対峙する２つの側面の間に配置されていることを特徴とする請求項１記載の車両シート（１）。
3. 前記アダプター（１５，３４，４２）が、前記構造物（１１，３２）に更に固定されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の車両シート（１）。
4. 前記アダプター（１５，３４，４２）が、剛性の発泡体からなる一体成形された部材として構成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか一つに記載の車両シート（１）。
5. 前記アダプター（１５，３４，４２）が、前記シート部材（３）および背もたれ（３０）の長手方向に延在するとともに支持機能を有した側方形成部（１７，３６，４４）を一体に備えていることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか一つに記載の車両シート（１）。
6. 前記アダプター（１５，３４，４２）が、衝突事故の発生時にエネルギーを吸収及び／又は放散して間接的に衝突保護機能を発揮するようになっていることを特徴とする請求項１ないし請求項５のいずれか一つに記載の車両シート（１）。
7. 個々の部分組立品、特に、両側面調整部材（２３，３８，４６）、制御装置、カバー取付け部材、カバー分離部材、カバーガイド部材が、前記アダプター（１５，３４，４２）に配置または一体成形または係合され、特に、装着及び／又は固定されていることを特徴とする請求項１ないし請求項６のいずれか一つに記載の車両シート（１）。
8. 前記アダプター（１５，３４，４２）が、前記背もたれ（３０）に設けられているとともに前弯支持体（４０）及び／又は肩部傾斜調整部材（４８）を有していることを特徴とする請求項７に記載の車両シート（１）。
9. 前記アダプター（１５，３４，４２）が、前記シート部材（３）に設けられているとともに一体成形された潜り込み防止傾斜面としての前方形成部（１９）及び／又はシート面延長部（２１）を有していることを特徴とする請求項１ないし請求項８のいずれか一つに記載の車両シート（１）。

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