JP4748751B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐衝撃性と流動性のバランス、耐候性に優れ、特に耐薬品性に極めて優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂として、PS樹脂、AS樹脂(又はSAN樹脂)、HIPS樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂及びAES樹脂等がその代表として例示され、これらの樹脂は、成形性、衝撃性、外観及び耐候性等の特性に優れ、必要特性に応じてそれぞれの樹脂が選択され、広く使用されている。しかしながら、これらに代表される樹脂は、ポリアミド樹脂、PBT樹脂、PET樹脂及びPP樹脂等の結晶性樹脂に比較して、耐薬品性に劣り、その改良のために、過去種々の方法が提案されてきた。例えば、樹脂の分子量を増加する方法、結晶性樹脂をブレンドする方法、また、ABS系樹脂では、アクリロニトリルの含有量を極めて高くする方法やグラフト共重合体のグラフト率を制限する方法等が知られている。しかしながら、上記方法においては、次のような問題があった。樹脂の分子量を増加する方法では、耐薬品性の改良効果が小さいばかりでなく、成形時の流動性が極めて低くなり、成形加工性に問題があった。
【0003】
また、ポリアミド樹脂、PBT樹脂、PET樹脂及びPP樹脂等の耐薬品性に優れる結晶性樹脂をブレンドする方法(例えば、特開平6−313091号公報及び特開平6−329852号公報等)は、これら結晶性樹脂との相溶性が十分ではないことから、機械的強度に劣り、更に、結晶性樹脂に起因して、成形収縮率が大きくなって、スチレン系樹脂の金型には使用できない等の問題があった。
【0004】
更に、ABS系樹脂のグラフト共重合体のグラフト率を制限する方法(例えば、特開平5−78428号公報)は、耐薬品性の改良効果が低く、また、アクリロニトリルの含有量を増加する方法(特開平4−126756号公報)では、アクリロニトリルの含有量がかなり高いレベルにおいて、耐薬品性の改良効果は、認められるものの、アクリロニトリル含有量の高いために、成形加工時に着色したり、流動性の低下を招いたりして、根本的な問題解決に至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決するものとして、衝撃強度等の機械的強度、成形流動性等の成形加工性等の優れた特性を有し、かつ耐薬品性にも優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、重量平均粒子径が100〜300nmで、ゲル含有量が50〜95重量%の交叉結合を有し、アクリル酸エステル系ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体(A)20〜70重量部と、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の単量体を共重合してなる硬質重合体(B)80〜30重量部を配合してなり、該硬質重合体中のシアン化ビニル単量体が30〜50重量%であることを特徴とする耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0008】
本発明者らは、スチレン系樹脂の耐薬品性の改良について、鋭意検討した結果、特定の粒子径・粒子径分布を有するゴム含有グラフト重合体と、特定組成のビニル単量体からなる硬質重合体とを特定量配合することにより、従来に全く見られなかった特異な樹脂構造を有し、特性的にも、予想だにされなかったほどの極めて有用な効果を得、上記目的を達成することを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
本発明の樹脂組成物において、特異な樹脂構造とは、可逆的な網目構造を有した樹脂組成物であり、また、ここでいう網目構造とは、小粒子径グラフトゴムが凝集及び配列により3次元の網目状態になることをいう。マトリックスを形成する樹脂の溶融温度以上で網目構造は自由に変化できることから熱可逆的にあるとした。
【0010】
図1〜図3に本発明の熱可塑性樹脂組成物の可逆的な網目構造を示す走査型電子顕微鏡の写真を示す。また、図4に網目構造を有さない熱可塑性樹脂組成物の走査型電子顕微鏡の写真を示す。
【0011】
図1〜図3においては、黒い部分である、ゴム含有グラフト重合体中の小粒子径ゴム状重合体が凝集及び配列により3次元的に相互に絡み合った網目構造を作っているのに対し、図4では白い部分の硬質重合体中に、黒い部分のゴム含有グラフト重合体中のゴム状重合体が点在するだけで相互の絡み合った網目構造は見られない。
【0012】
本発明で使用されるゴム含有グラフト重合体(A)は、重量平均粒子径が100〜300nmで、ゲル含有量が50〜95%の交叉結合を有し、アクリル酸エステル系ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体である。
【0013】
本発明で用いるグラフト重合体(A)としては、具体的にはAAS樹脂等を例示することができ、このグラフト重合体(A)中のゴム質重合体のゴム成分は、アクリル酸エステル、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又はアクリル酸オクチル等と、交叉結合させるための多官能性単量体としての、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリルホルマール、ジアリルフマレート、エチレングリコールジメタクリレート又はプロピレングリコールジメタクリレート等であり、これらのゴム成分を、重合開始剤として、例えば、過硫酸塩又はクメンハイドロパーオキサイド−ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等のレドックス系の重合開始剤を用い、乳化重合法により、ゲル含有率が50〜95重量%で、重量平均粒子径が100〜300nmとなるように重合して得られるゴム質重合体を用いる。
【0014】
ゴム質グラフト重合体に使用される、上記ゴム質重合体の粒子径は、特定の粒子径の範囲に入る必要があり、すなわち、ゴム質重合体の重量平均粒子径は、100〜300nmであり、好ましくは100〜200nmである。100nm未満では、衝撃性の改善効果が低く、300nmを超えると衝撃性改善効果が低い上に、光沢の低下が起こる。
【0015】
また、ゴム含有グラフト重合体中のゴム質重合体は、粒子径だけでなく、その分布においても制御された方が好ましい。すなわち、ゴム含有グラフト重合体中のゴム質重合体は、100nm未満の粒子径累積重量分率が15重量%以下で且つ300nmを超える粒子径累積重量分率が10重量%以下、好ましくは100nm未満の粒子径累積重量分率が5重量%以下で且つ200nmを超える粒子径累積重量分率が15重量%以下であり、更により好ましくは100nm未満の粒子径累積重量分率が5重量%以下で且つ200nmを超える粒子径累積重量分率が5重量%以下である。100nm未満の粒子径累積重量分率が15重量%を超えると衝撃性の改質効果が十分ではなく、また300nmを超える粒子径累積重量分率が10重量%を超えると衝撃性の改質効果が十分でない。また、上記の、より好ましい粒子径にすることにより、衝撃性の改善効果が極めて著しくなる。
【0016】
ゴム含有グラフト重合体中のゴム質重合体のゲル含有率は、50〜95重量%であることが必須である。ゲル含有率が50重量%未満又は95重量%を超えると衝撃強度の低下が見られ、特にゲル含有率の低い50重量%未満では光学特性や成形収縮が悪くなる。
【0017】
ゴム含有グラフト重合体中のゴム質重合体の含有量は、好ましくは20〜90重量%である。20重量%未満ではグラフト率が過大となり、また90重量%を超えるとグラフト率が低下することにより、どちらも衝撃強度が低下し易くなる。
【0018】
ゴム含有グラフト重合体に使用されるゴム質重合体の製造方法、粒子径の制御方法については、特に制限はなく、いかなる重合方法、制御方法も採用できる。ゴム含有グラフト重合体に使用されるゴム質重合体の粒子径は、比較的小さいが、例えば、乳化重合法により得られた極小さな粒径(例えば、80nm程度)のゴム質重合体を、酸等による化学的凝集法や、ホモミキサー等による物理的凝集法等の公知の粒径肥大法を用いたり、乳化重合に長時間かけて、粒子径を育成して大きな粒径にする方法等が挙げられる。
【0019】
また、ゴム含有グラフト重合体に使用されるゴム質重合体は、上記乳化重合を行うにあたり、電解質成分として添加するピロリン酸ソーダの添加量を制御することにより、得られるゴム質重合体の重量平均粒子径を調節することもできる。すなわち、この添加量が多いと得られるゴム質重合体の重量平均粒子径が大きく、少ないと小さくなる。また、ゲル化率は交叉剤により調節することができる。
【0020】
ゴム含有グラフト重合体に使用されるゴム質重合体は、特定の粒子径、粒子径分布に入れば、必ずしも単峰性である必要はなく、各ゴム質重合体内において多峰性であってもよいが、生産効率等の観点から、できるだけ単峰性が好ましい。
【0021】
また、ゴム含有グラフト重合体に使用されるゴム質重合体は、カルボン酸系乳化剤を用いた乳化重合にて製造されたゴム質重合体であることが好ましい。カルボン酸系乳化剤を用いることにより、粒子径の制御等が容易に行われる共に、耐候性の向上が図られる。
【0022】
ゴム含有グラフト重合体のグラフト重合方法については、塊状重合、溶液重合、塊状懸濁重合、懸濁重合及び乳化重合等の通常公知重合方法も採用できる。この際のゴム質重合体成分、芳香族ビニル単量体成分、シアン化ビニル単量体成分及び必要に応じて用いられるその他の共重合可能な単量体成分の配合比には特に制限はなく、用途に応じて各成分が適宜に配合される。
【0023】
上記グラフト重合方法は、例えば、先ず、乳化重合にて製造されたゴム質重合体を攪拌翼、ジャケット付き反応器内に仕込み、次にグラフト重合させるビニル系単量体の全量又は一部を数回に分けて、一括又は連続して滴下し、攪拌させながら、40〜70℃にて、5〜60分間放置した後、更に開始剤を添加する。これにより、添加した単量体は、ゴム質重合体に含浸し、ゴム質重合体内にて重合体となる。
【0024】
また、グラフト重合体(A)の製造に使用される芳香族ビニル単量体成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−,m−又はp−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン及びビニルナフタレン等が挙げられるが、好ましくはスチレン及びα−メチルスチレンであり、これらの1種又は2種以上を使用することができる。また、シアン化ビニル単量体成分としては、例えば、アクリロニトリル及びメタアクリロニトリル等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0025】
本発明で用いるグラフト重合体(A)の製造においては、上記の芳香族ビニル単量体成分、シアン化ビニル単量体成分の他に、これらと共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。このような共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;メチル(メタ)アクリレート(「(メタ)アクリレート」は「アクリレート及びメタクリレート」を示す)、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のα,β−不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸無水物類;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−o−クロロフェニルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミド化合物類等を挙げることができ、これらの単量体の1種又は2種以上を使用することができる。
【0026】
本発明で使用される硬質重合体は、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体と必要に応じて用いられる他の共重合可能な単量体を共重合してなり、硬質重合体中のシアン化ビニル単量体含有量が30〜50重量%である。
【0027】
硬質重合体の製造に使用される、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体と、更に必要に応じて用いられる共重合可能な他の単量体は、ゴム含有重合体にグラフトさせる単量体と同様な単量体が使用できる。
【0028】
また、ここで、硬質重合体(B)中のシアン化ビニル単量体の含有量は、30〜50重量%であり、好ましくは35〜50重量%であり、特に好ましくは40〜50重量%である。30重量%未満では、グラフト共重合体(A)との混合において、可逆的な樹脂構造にならず、特性として本発明が目指す耐薬品性の効果が十分に発揮されず、50重量%を超えると成形時に熱劣化や熱変色を起こす。
【0029】
上記ゴム含有グラフト重合体(A)と硬質重合体(B)との混合比率は、ゴム含有グラフト重合体を20〜70重量部配合し、好ましくは30〜70重量部、より好ましくは30〜60重量部である。20重量部未満では衝撃性が劣り、70重量部を超えると、光沢が悪化し易くなる。また、ゴム含有グラフト重合体が20〜70重量部配合されると、衝撃性と光沢性特性の効果が発揮される。
【0030】
本発明の耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物は、ゴム含有グラフト共重合体中のゴム質重合体にグラフトした単量体全体に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(GA)と、前記硬質重合体中のシアン化ビニル単量体単位含有量(重量%)(RA)との差(SA=RA−GA)が5(重量%)以上であることが好ましく、更に好ましくは10<SA<40(重量%)であり、特に好ましくは10<SA<30(重量%)であり、最も好ましくは10<SA<25(重量%)である。SAが5重量%未満であると耐薬品性が低下し易く、40重量%以上であると、成形時に樹脂が黄色に着色しまうという問題が発生し易い。
【0031】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、難燃剤を配合することにより、難燃性を付与することができる。この難燃剤としては、一般のゴムや樹脂等の重合体の難燃剤として用いられるものを使用することができ、その例としては、ハロゲン含有化合物、リン含有化合物、チッソ含有化合物及びケイ素含有化合物等が挙げられる。
【0032】
上記ハロゲン含有化合物としては、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロキシエチルエーテル)及びテトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)等のテトラブロモビスフェノールA誘導体;ヘキサブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン及びヘキサブロモシクロドデカン等を挙げることができる。
【0033】
また、モノブロモフェノール、トリブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、トリブロモクレゾール、ジブロモプロピルフェノール及びテトラブロモビスフェノール等を重合することにより、あるいはこれらと上記ハロゲン含有化合物の群から選ばれた少なくとも1種のハロゲン含有化合物とを共重合することにより得られるオリゴマータイプのハロゲン含有化合物が挙げられる。
【0034】
更に、テトラブロモビスフェノールAのポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAとのポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールSのポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールSとのポリカーボネートオリゴマー等も挙げられる。更に、ハロゲン化エポキシオリゴマー等も挙げられる。
【0035】
上記リン含有化合物としては、有機系リン含有化合物、赤リン、ホスフェゼン系化合物及びポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。このうち、有機系リン含有化合物としては、トリフェニルホスフェートに代表されるホスフェート類、トリフェニルホスファイトに代表されるホスファイト類等が挙げられる。これらの有機系リン含有化合物は、単独、又は2種以上を混合してもよい。
【0036】
ここで、有機リン系化合物としては、トリフェニルホスフェート、トリフェニルチオホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリキシレニルチオホスフェート、ハイドロキシノンビス(ジフェニルホスフェート)及びレゾルシノール(ジフェニルホスフェート)等が好ましい。
【0037】
上記チッソ含有化合物としては、トリアジン、トリアゾリシン、尿素、グアニジン、アミノ酸、メラミン及びその誘導体等が挙げられる。上記ケイ素含有化合物としては、オルガノシロキサンに代表される有機シラン化合物及びポリシラン等が挙げられる。
【0038】
本発明の難燃性付与の熱可塑性樹脂組成物における難燃剤の配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して3〜50重量部が好ましく、特には5〜40重量部が好ましい。3重量部未満では、難燃性の付与が不充分であり、50重量部を超えると、耐衝撃性の低下が著しくなり易い。
【0039】
上記難燃剤の効果を更に高めるために、アンチモン含有化合物を用いることができる。アンチモン含有化合物としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0040】
更に、燃焼時の炎の滴下防止のために、耐ドリップ防止剤を添加することができる。耐ドリップ防止剤としては、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル樹脂及びポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
【0041】
本発明の樹脂組成物を混合する方法として、特に制限はないが、溶融混練りが好ましい。例えば、押出機やバンバリーミキサー等が挙げられる。本発明の樹脂組成物には、必要に応じて顔料、染料、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、補強剤及び充填剤等の各種添加剤をその物性等を損なわない範囲内に配合することができる。
【0042】
本発明の樹脂組成物を成形する方法としては、特に制限はなく、射出成形、ブロー成形、異形押出成形、又は、シート状に押出した後、真空成形、圧空成形等各種の成形方法が適用できる。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何らその範囲を限定するものではない。尚、以下において、「部」は重量部を意味するものとし、またゴム質重合体の粒子径は、日機装(株)製Microtrac Model:9230UPAを用いて動的光散乱法より求めた。得られる値は、重量平均(体積)粒子径と粒子径分布、粒子径分布の累積重量分布である。また、得られたゴム含有グラフト共重合体中のゴム質重合体にグラフトした単量体全体に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(GA)は、熱分解ガスクロマトグラフィーにより求めた。更に、各硬質重合体中のシアン化ビニルの含有量は、C.H.N.コーダーを用いて、各元素分析値より算出した。
【0044】
<合成例1>:ブチルアクリレート重合体の合成
耐圧容器に以下の材料を仕込み、
半硬化牛脂ソーダ石鹸 1.5部
ピロリン酸ナトリウム 0.3部
脱イオン水 200部
窒素気流下で、80℃まで昇温し、
ブチルアクリレート 100部
過硫酸カリウム 0.3部
トリアリルシアヌレート 0.3部
を4時間に亘って滴下し、重合させた。滴下終了後、1時間放置後、冷却して反応を終了させた。得られたラテックス(Lx−1)は、固形分32.5重量%、平均粒子径96nmであった。
【0045】
(合成例2)
合成例1の乳化剤量や反応時間等を変更し、ゴム質重合体を合成し、ラテックス(Lx−2)を得た。
【0046】
(実験例1)
合成例1にて得られたブチルアクリレートラテックス(Lx−1)100部(固形分)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.15部を添加した。その後、5%酢酸水溶液を30分間に亘って連続的に、合計60部の酢酸水溶液を滴下した。酢酸水溶液の滴下終了後に、10%水酸化ナトリウム水溶液を10分間に亘り、連続的に滴下した。滴下終了後のラテックスの平均粒子径は230nmであり、塊状物は0.05重量%であった(BLx−1)。
【0047】
(実験例2)
合成例2にて得られた(Lx−2)100部(固形分)を使用した以外は、実験例1と同様にして作製した。ラテックスの平均粒子径は165nmであり、塊状物は0.01重量%であった(BLx−6)。
【0048】
(実験例3〜11)
Lx−1を用いて実験例1と同様にしてラテックスを作製し、変更した点、および得られた肥大化したゴム質重合体含有ラテックスの平均粒子径の結果を表1に示す(BLx−2〜BLx−5)及び(BLx−7〜BLx−11)。
【0049】
【表1】
【0050】
<合成例3>:ゴム含有グラフト重合体(A)の合成
実験例1にて得られたラテックス(BLx−1)を用いて、以下の配合にてゴム含有グラフト重合体を合成した。
【0051】
脱イオン水 240部
半硬化牛脂ソーダ石鹸 1.5部
水酸化カリウム 0.05部
BLx−1 60部
アクリロニトリル 12部
スチレン 28部
クメンハイドロパーオキサイド 0.25部
硫酸第一鉄 0.004部
ピロリン酸ナトリウム 0.02部
結晶ブドウ糖 0.2部
オートクレーブに脱イオン水、半硬化牛脂ソーダ石鹸、水酸化カリウム及びポリブチルアクリレート・ラテックスを仕込み、60℃に加熱後、硫酸第一鉄、ピロリン酸ナトリウム及び結晶ブドウ糖を添加し、60℃に保持したままスチレン、アクリロニトリル及びクメンハイドロパーオキサイドを2時間かけて連続添加し、その後70℃に昇温して1時間保って反応を完結した。かかる反応によって得た重合体を硫酸により凝固し、充分水洗後、乾燥してゴム含有グラフト共重合体(A−1)を得た。得られたゴム含有グラフト共重合体中のゴム質重合体にグラフトした単量体合計中に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(GA)は、27重量%であった。
【0052】
<合成例4〜12>:ゴム含有グラフト重合体(A)の合成
表1に示すラテックスを用いた以外は、合成例1と同様にして合成し、ゴム含有グラフト重合体(A−2〜A−5)及び(A−7〜A−11)を得た。
【0053】
<合成例13>:ゴム含有グラフト重合体(A)の合成
BLx−1の代わりに、合成例2にて得られた(Lx−2)100部(固形分)を使用した以外は、合成例3と同様に合成し、ゴム含有グラフト重合体(A−6)を得た。
【0054】
(合成例14):硬質重合体の合成(B−1)
窒素置換した反応器に水120部、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.002部、ポリビニルアルコール0.5部、アゾイソブチルニトリル0.3部と、アクリロニトリル42部、スチレン58部からなるモノマー混合物を加え、開始温度60℃として5時間加熱後、120℃に昇温し、4時間反応後、重合物を取り出した。転化率は96%で、重量平均分子量は166000、シアン化ビニル単量体単位含有量(RA)は40重量%であった。
【0055】
(合成例15):硬質重合体の合成(B−2)
アクリロニトリル34部、スチレン66部からなるモノマー混合物、t−DM1.0部を使用した以外は、合成例13と同様にして重合を行った。得られた重合物は、転化率:98%、重量平均分子量:94,000、シアン化ビニル単量体単位含有量(RA)は32重量%であった。
【0056】
(合成例16):硬質重合体の合成(B−3)
アクリロニトリル26部、スチレン74部からなるモノマー混合物、t−DM0.01部を使用した以外は、合成例13と同様にして重合を行った。得られた重合物は、転化率:97%、重量平均分子量:126,000、シアン化ビニル単量体単位含有量(RA)は24重量%であった。
【0057】
上記ゴム含有グラフト重合体と硬質重合体とを表2及び表3に示す割合にて、0.5部の滑剤(PRN−208)と共に混合された後、220℃で2軸押出機(日本製鋼(株)製:TEX−44)にて溶融混練し、ペレット化した。ペレットを4オンス射出成形機(日本製鋼(株)製)を用い、240℃にて成形を行い、必要なテストピースを作製した。評価結果を表2及び表3に示す。
【0058】
<評価方法>
・アイゾット衝撃強度:ASTM−D256 (常温) (J/M)
・メルトフローインデックス:ASTM−D1238
(220℃/10Kg) (g/10min)
・光沢(反射率):スガ試験器(株)製デジタル変角光計UGV−5Dを用い、入射角60°、反射角60°での反射率の測定を行う。
【0059】
・耐薬品性(臨界歪み)
射出成形にて作製した短冊状試験片形状150×10×2mmをベンディングホーム法試験治具に沿わして固定後、試験片に薬液を塗布し、23℃の環境下で48時間放置後、クレーズ及びクラックの発生有無を確認し、試験治具の曲率から臨界歪み(%)を求めた。
薬液としては、
エステー化学(株):パワーズ
花王(株):トイレマジックリン
DOP
を使用した。
【0060】
・耐候性
促進試験機としてサンシャインウエザオメーター(スガ(株)製:サンシャイン・スーパーロングライフ・ウエザオメーターWEL−6XS−HCH−B)を用いて、63±3℃、スプレー有りで耐候試験を2000時間行い、照射後の色調変化(△E)を測定した。
【0061】
・難燃性
UL94規格(垂直燃焼性試験)において、厚み1/16で行った。なお、難燃剤、難燃助剤として、大日本インキ化学工業社製(プラサーム:EC20)22部、三酸化アンチモン5部を使用した。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
実施例1〜3、参考例4、実施例5〜10、参考例11、実施例12〜14、参考例15及び比較例1〜6から、特定の粒子径・粒子径分布を有するゴム含有グラフト重合体と、特定組成のビニル単量体からなる硬質重合体とを特定量配合することにより耐薬品性、耐衝撃性、耐候性及び成形加工性に優れ、特にグラフト重合体と硬質重合体とのシアン化ビニル単量体単位含有量の差(SA)が5以上の時に耐薬品性はより向上し、更に10<SA<40の時には耐薬品性は著しく向上することがわかった。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、難燃剤を含有しても耐薬品性には殆ど影響のないことがわかった。
【0065】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、従来のスチレン系樹脂ではできなかったほど、高度に耐薬品性を改善すると共に、耐衝撃性、耐候性、成形加工性等と耐薬品性が高度の状態でバランスがとれており、また、難燃剤の付与により、難燃性にも優れ、従来のスチレン系樹脂、ゴム質重合体を含む熱可塑性樹脂組成物の欠点を改良した画期的な、優れた成形材料である。その工業的な実用価値は極めて大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂組成物(実施例2)の可逆的な網目構造を示す走査型電子顕微鏡の10000倍の写真である。
【図2】本発明の熱可塑性樹脂組成物の可逆的な網目構造を示す走査型電子顕微鏡の40000倍の写真である。
【図3】本発明の熱可塑性樹脂組成物(実施例4)の可逆的な網目構造を示す走査型電子顕微鏡の10000倍の写真である。
【図4】比較例3の熱可塑性樹脂組成物の構造を示す走査型電子顕微鏡の10000倍の写真である。
Claims (4)
- 重量平均粒子径が100〜300nmで、ゲル含有量が50〜95重量%のアクリル酸エステル系ゴム質重合体の存在下、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の単量体をグラフト重合してなるグラフト重合体(A)50〜60重量部と、
芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体、必要に応じて共重合可能な他の単量体を共重合してなる硬質重合体(B)50〜40重量部を配合してなり、
該硬質重合体中のシアン化ビニル単量体が35〜50重量%であり、
該ゴム含有グラフト共重合体中のゴム質重合体にグラフトした単量体全体に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(GA)と、前記硬質重合体中のシアン化ビニル単量体単位含有量(重量%)(RA)との差(SA=RA−GA)が10<SA<40(重量%)であることを特徴とする耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物。 - 前記アクリル酸エステル系ゴム質重合体が、粒子径累積重量分率において、100nm未満が15重量%以下、300nm超が10重量%以下である請求項1に記載の耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物。
- 前記アクリル酸エステル系ゴム質重合体が、粒子径累積重量分率において、100nm未満が5重量%以下、200nm超が15重量%以下である請求項1又は2に記載の耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物。
- 前記ゴム含有グラフト共重合体中のゴム質重合体にグラフトした単量体全体に占めるシアン化ビニル単量体単位含有量(GA)と、前記硬質重合体中のシアン化ビニル単量体単位含有量(重量%)(RA)との差(SA=RA−GA)が10<SA<25(重量%)である請求項1〜3のいずれかに記載の耐薬品性を有する熱可塑性樹脂組成物。
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