JP4969911B2 - 熱可塑性樹脂組成物および成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Description

本発明は、艶消し外観を有する成形品を得るための熱可塑性樹脂組成物、艶消し外観を有する成形品に関する。
樹脂材料の耐衝撃性を向上させることは、樹脂材料の用途を拡大させるだけでなく成形品の薄肉化や大型化への対応を可能にするなど、工業的な有用性が非常に高いため、樹脂材料の耐衝撃性向上させる手法については様々なものが提案されてきた。
樹脂材料の耐衝撃性向上させる手法のうち、ゴム状重合体と硬質樹脂とを組み合わせる手法は広く工業化されている。ゴム状重合体と硬質樹脂とを組み合わせた樹脂材料としては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)樹脂、変性PPE樹脂およびMBS樹脂強化ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂材料はゴム状重合体としてポリブタジエンを含んでいるが、ポリブタジエンは不飽和二重結合を有するため、耐候性が低いという問題があった。
そこで、耐候性が求められる場合には、ゴム状重合体としてポリブタジエンの代わりに飽和ゴム、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体とポリオルガノシロキサンとの複合ゴム、エチレン−プロピレン系ゴムが用いられる。
最近、ダッシュボードやインストルメントパネル等の自動車内装用部品や住宅用樹脂化建材等の分野を主体に、光沢が著しく低減された材料、いわゆる艶消し材料に対する需要が高まりつつある。
艶消しにする方法としては、例えば、熱可塑性樹脂組成物中に架橋硬質重合体を配合する方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3に記載の方法によれば、耐候性は向上するものの、耐衝撃性の低下が著しく、得られる熱可塑性樹脂組成物の利用分野が限られるという問題があった。
そこで、耐衝撃性の低下を防止しつつ艶消しにする方法として、ゴム状重合体として粒子径の大きいものを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。
特許文献4〜6に記載の方法では、耐衝撃性の低下は防止できるが、艶消し外観の発現が成形条件に依存しやすく、良好な艶消し外観を得るための成形条件幅が狭くなるため、成形品の部位によって光沢に違いが生じ易く、光沢斑が起こり易い傾向にあった。
良好な艶消し外観を得るための成形条件幅を広くし、斑の発生を少なくする方法としては、反応性の官能基を含有する重合体を配合する方法が提案されている(例えば、特許文献7〜9参照)。
しかしながら、反応性の官能基を含有する重合体を配合して得た熱可塑性樹脂組成物は流動性が低く、成形加工に支障を生じることがあった。
特開昭63−297449号公報 特開平08−199027号公報 特開2000−212293号公報 特開平09−194656号公報 特開2000−198905号公報 特開2002−194034号公報 特開昭61−236850号公報 特開昭63−156847号公報 特開平10−219079号公報
以上のことより、耐候性、耐衝撃性、流動性のいずれもが優れる上に、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が広い熱可塑性樹脂組成物が強く求められていた。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、耐候性、耐衝撃性、流動性のいずれもが優れる上に、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が広い熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、耐候性、耐衝撃性、流動性に優れる上に、良好な艶消し外観を有する成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体として酸基含有共重合体ラテックスにより肥大化処理したものを用いた上で、グラフト鎖中のシアン化ビニル共重合体単位の含有量とビニル系共重合体中のシアン化ビニル系単量体単位の含有量との差を特定範囲にすることにより上記課題を解決できることを見出し、以下の熱可塑性樹脂組成物および成形品を発明した。
すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位とシアン化ビニル化合物単量体単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含むグラフト鎖がグラフトしたグラフト共重合体(A)20〜80質量部と、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含むビニル系共重合体(B)80〜20質量部とを含有し、
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)が酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理された質量平均粒子径300〜600nmのものであり、
グラフト共重合体(A)におけるグラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(GA)と、ビニル系共重合体(B)中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)との差(BA−GA)が8〜25質量部であることを特徴とする。
本発明の成形品は、上述した熱可塑性樹脂組成物が成形されてなることを特徴とする。
本発明の成形品においては、熱可塑性樹脂組成物が押出成形されたものであり、シート成形品または異形成形品である場合に、本発明の効果をとりわけ発揮する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、耐候性、耐衝撃性、流動性のいずれもが優れる上に、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が広い。しかも、耐候性、耐衝撃性、流動性のバランスに優れる。このような熱可塑性樹脂組成物は、各種工業用材料としての利用価値が極めて高い。
本発明の成形品は、耐候性、耐衝撃性、流動性に優れる上に、良好な艶消し外観を有する。
(熱可塑性樹脂組成物)
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)にグラフト鎖がグラフトしたグラフト共重合体(A)と、ビニル系共重合体(B)とを含有するものである。
<グラフト共重合体(A)>
[(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)]
グラフト共重合体(A)を構成する(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含有する重合体である。
(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体を用いることが好ましい。炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルなどが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステル単量体は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がより高くなることから、アクリル酸n−ブチルおよび/またはアクリル酸−2−エチルヘキシルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)中の(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有量は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性がより優れることから、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)100質量部に対して50質量部であることが好ましく、60質量部であることがより好ましく、70質量部以上であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)中には、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位以外に他の単量体単位が含まれてもよい。他の単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルやメタクリル酸グリシジル、メタクリル酸N、N−ジメチルアミノエチル等の官能基を有する他の(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等のジエン系化合物、アクリルアミドやメタクリルアミド、無水マレイン酸、N−置換マレイミドなどが挙げられる。これらは目的に応じて1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と艶消し性とのバランスが良くなる傾向にあることから、架橋剤単位とグラフト交叉剤単位の各々1種以上を含有することが好ましい。
架橋剤およびグラフト交叉剤としては、例えば、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル等のアリル化合物、ジビニルベンゼン等のジビニル化合物、ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコールジエステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。これらのうちの2種類以上を併用し、1種を架橋剤として用い、1種をグラフト交叉剤として用いる。
好ましい組み合わせは、グラフト交叉剤としてアリル化合物を用い、架橋剤としてジ(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いる組合せであり、より好ましい組み合わせは、グラフト交叉剤としてメタクリル酸アリルまたはシアヌル酸トリアリルを用い、架橋剤としてジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステルを用いる組合せである。
架橋剤単位およびグラフト交叉剤単位の合計の含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体100質量部に対して0.1〜3質量部であることが好ましく、0.1〜1質量部であることがより好ましい。
この(メタ)アクリル酸エステル単量体は、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)が酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理されたものである。
未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)は、例えば、上述した(メタ)アクリル酸エステル単量体と、架橋剤と、グラフト交叉剤とを乳化重合することにより得られる。
乳化重合時に使用される乳化剤としては、ラテックスの安定性が優れ、重合率を高めることができることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどのアニオン系乳化剤が好ましい。
また、乳化重合時に使用されるラジカル重合開始剤としては、有機または無機の過酸化物、アゾ系開始剤などが挙げられる。
乳化重合により得られた未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)のラテックスにおいては、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の質量平均粒子径が30〜250nmであることが好ましく、40〜200nmであることがより好ましく、50〜150nmであることが特に好ましい。未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の質量平均粒子径が250nm以下であれば、酸基含有共重合体ラテックス(K)により容易に肥大化し、その結果、得られる熱可塑性樹脂組成物において良好な艶消し外観がより得られやすくなる。一方、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の質量平均粒子径が30nm以上であれば、効率的に肥大化できる。
また、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)のラテックスにおいては、pHが7以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましく、9以上であることが特に好ましい。pHを7以上に調節する方法としては、例えば、該ラテックスに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加する方法などが挙げられる。
肥大化剤として用いられる酸基含有共重合体ラテックス(K)とは、酸基含有単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル単量体単位とを有する酸基含有共重合体のラテックスである。
酸基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。この(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の製造に用いたものと同様のものが使用できるが、中でも、アクリル酸エステル単量体が好ましく、さらに、炭素数が多いアクリル酸エステル単量体がより好ましい。酸基含有共重合体にアクリル酸エステル単量体単位が含まれていると、酸基含有共重合体のガラス転移温度(Tg)が低くなり、その結果、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性よび流動性をより高くでき、また、より良好な艶消し外観の成形品を得ることができる。
酸基含有共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、酸基含有共重合体を100質量部とした際の0.1〜30質量部であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましい。酸基含有共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルの含有量が前記範囲であれば、得られる(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の質量平均粒子径を制御しやすく、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し外観をより良好にできる。
酸基含有重合体ラテックス中の酸基含有重合体の質量平均粒子径は50〜250nmであることが好ましい。酸基含有重合体ラテックス中の酸基含有重合体の質量平均粒子径が前記範囲であれば、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)を肥大化させる際のラテックスの安定性を高くできる。また、肥大化により得られる(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(G)の質量平均粒子径を制御しやすく、しかも得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し外観をより良好にできる。
未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム重合体(g)を酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理する方法は、例えば、特開昭50−25655号公報、特開昭58−61102号公報、特開昭59−149902号公報などに記載された公知の方法を適用できる。
肥大化処理における酸基含有共重合体ラテックス(K)の使用量としては、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の性状や酸基含有共重合体ラテックス(K)の組成や性状にもよるが、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)100質量部(固形分換算)に対して0.1〜10質量部(固形分換算)であることが好ましく、0.3〜5質量部であることがより好ましい。酸基含有共重合体ラテックス(K)の使用量が0.1質量部未満であると、肥大化が進行しないばかりか、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が低下し、しかも耐衝撃性が低下する傾向にある。また、10質量部を超えた場合でも、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が低下する傾向にある。
肥大化処理の際には、肥大化がより進行しやすくなることから、少量の無機電解質を併用することが好ましい。
無機電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウムなどの中性またはアルカリ性の無機電解質が好ましい。
無機電解質は、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体の重合前に予め含有させてもよいし、肥大化処理前に添加してもよい。
また、肥大化処理においては、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(G)中の、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(g)の残存量が15質量部以下となるよう肥大化することが好ましい。未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(g)の残存量が15質量部以下とするためには、例えば、酸基含有共重合体ラテックス(K)の使用量や無機電解質の使用量を多くする方法が採られる。
このような肥大化処理により得られた(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の質量平均粒子径は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と艶消し性とのバランスが優れることから、1000nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、600nm以下であることが特に好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の質量平均粒子径は、使用した未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の粒子径を下回らない範囲であればよく、具体的には200nm以上であることが好ましく、250nm以上であることがより好ましく、300nm以上であることが特に好ましい。
[グラフト鎖]
上述した(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)にグラフトしたグラフト鎖は、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含むものである。
ここで、芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のビニルトルエン類、p−クロルスチレン等のハロゲン化スチレン類、p−t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン類などが挙げられる。これらの中でも、スチレンまたはα−メチルスチレンが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどが挙げられるが、これらの中でも、アクリロニトリルが好ましい。
グラフト鎖におけるシアン化ビニル系単量体単位および芳香族ビニル系単量体単位の割合は、シアン化ビニル系単量体単位が10〜50質量%で芳香族ビニル系単量体単位が50〜90質量%であることが好ましく、シアン化ビニル系単量体単位が15〜45質量%で芳香族ビニル系単量体単位が55〜85質量%であることがより好ましい。
グラフト鎖におけるシアン化ビニル系単量体単位および芳香族ビニル系単量体単位の割合が前記範囲であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および流動性がより高くなる。
また、グラフト鎖には、目的に応じて、芳香族ビニル単量体およびシアン化ビニル系単量体以外の他の単量体(以下、他の単量体と略す。)単位が含まれてもよい。
他の単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル系単量体や、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和ジカルボン酸のイミド化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
グラフト鎖に他の単量体単位が含まれる場合には、その含有量は40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
グラフト共重合体(A)は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に単量体成分を乳化グラフト重合させることにより得られる。
乳化グラフト重合させる際には、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)を10〜80質量部とし、単量体成分を90〜20質量部(ゴム状重合体と単量体成分の合計量が100質量部)とすることが好ましく、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)を30〜70質量部とし、単量体成分を70〜30質量部(ゴム状重合体と単量体成分の合計量が100質量部)とすることがより好ましい。単量体成分の量が10質量部以上であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および流動性がより高くなり、80質量部以下である場合にも耐衝撃性がより高くなり、また、艶消し外観をより良好にできる。
乳化グラフト重合に用いる乳化剤としては、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)を得る際と同様に、ラテックスの安定性が優れ、重合率を高めることができることから、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどのアニオン系乳化剤を用いることが好ましい。なお、乳化剤は、乳化グラフト重合時にあらたに添加せず、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の重合時に用いた乳化剤をそのまま利用しても構わない。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ系化合物、またはこれらに酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることができる。これらの中でも、レドックス系開始剤が好ましく、特に、硫酸第一鉄・ピロリン酸ナトリウム・ブドウ糖・ハイドロパーオキサイドの組み合わせ、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ハイドロパーオキサイドの組み合わせが好ましい。
また、乳化グラフト重合の際には、グラフト率やグラフト鎖の質量平均分子量を制御するために、連鎖移動剤を添加してもよい。
乳化グラフト重合では、グラフト共重合体(A)がラテックスの状態で得られる。グラフト共重合体(A)のラテックスからグラフト共重合体(A)を回収する方法としては、例えば、凝固剤が含まれる熱水中に、グラフト共重合体(A)のラテックスを添加してグラフト共重合体(A)を凝固させ、その凝固物を分離回収する方法などが挙げられる。
凝固剤としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸や、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩等を用いることができる。ここで、凝固剤の種類は、重合の際に使用した乳化剤の種類に応じて選択することが好ましい。例えば、重合時に脂肪酸石鹸やロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみを使用した場合には、いずれの凝固剤を用いてもグラフト共重合体(A)を回収できるが、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤を使用した場合には、金属塩を用いることが好ましい。
分離回収したグラフト共重合体(A)は、再び水または温水中に再分散させてスラリー状とし、グラフト共重合体(A)中に残存する乳化剤残渣を水中に溶出させて、洗浄することが好ましい。洗浄後は、スラリーを脱水機等で脱水し、得られた固形物を気流乾燥機等で乾燥することにより、粉体状または粒子状のグラフト共重合体(A)を得ることができる。
<ビニル系共重合体(B)>
ビニル系共重合体(B)は、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体を含むものである。また、ビニル系共重合体(B)には、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位以外の他の単量体単位が含まれてもよい。
ビニル系共重合体(B)における芳香族ビニル系単量体単位、シアン化ビニル系単量体単位、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位以外の他の単量体単位としては、グラフト共重合体(A)のグラフト鎖を構成するものと同様のものを使用できる。中でも、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および流動性の点から、芳香族ビニル系単量体単位がスチレン単位、シアン化ビニル系単量体単位がアクリロニトリル単位であることが好ましい。
ビニル系共重合体(B)における芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位の割合は、芳香族ビニル系単量体単位が40〜90質量%、シアン化ビニル系単量体単位が10〜60質量%であることが好ましく、芳香族ビニル系単量体単位が45〜85質量%、シアン化ビニル系単量体単位が15〜55質量%であることが好ましい。
グラフト鎖における芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位の割合が前記範囲であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および流動性がより高くなる。
また、ビニル系共重合体(B)に他の単量体単位が含まれる場合には、その含有量は50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
[熱可塑性樹脂組成物の配合]
本発明の熱可塑性樹脂組成物では、グラフト共重合体(A)20〜80質量部と、ビニル系共重合体(B)80〜20質量部とを含有する。熱可塑性樹脂組成物中のグラフト共重合体(A)の含有量が20質量部以上であることにより、耐衝撃性を高くでき、グラフト共重合体(A)の含有量が80質量部以下であることにより、流動性を高くできる。
また、この熱可塑性樹脂組成物においては、グラフト共重合体(A)におけるグラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(GA)と、ビニル系共重合体(B)中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)との差(BA−GA)が8〜25質量部であり、10〜20質量部であることが好ましい。
BA−GA)が8質量部以上であることにより、得られる熱可塑性樹脂組成物は、良好な艶消し外観が得られる成形条件を広くでき、その結果、安定した艶消し外観が得られる。また、(BA−GA)が25質量部以下であることにより、光沢の斑を抑制でき、しかも耐衝撃性を向上させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、その性能を損なわない範囲でグラフト共重合体(A)およびビニル系共重合体(B)以外の他の熱可塑性樹脂(C)が含まれてもよい。
他の熱可塑性樹脂(C)としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂、ポリアミド(ナイロン)等が挙げられる。これら熱可塑性樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、耐候性向上の点からは、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、ポリメタクリル酸メチルが好ましく、耐衝撃性向上の点からは、ポリカーボネートが好ましく、耐薬品性向上の点から、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が好ましく、成形加工性向上の点からは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレンが好ましく、耐熱性向上の点からは、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリアミドが好ましい。
これら他の熱可塑性樹脂(C)が含まれる場合には、その含有量が、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して0〜60質量部であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じて、顔料や染料等の着色剤、熱安定剤、光安定剤、補強剤、充填材、難燃剤、発泡剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、加工助剤等が含まれてもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、グラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)、必要に応じて他の熱可塑性樹脂(C)とを、V型ブレンダーやヘンシェルミキサー等の混合装置で混合し、その混合装置により得た混合物を溶融混練することで製造される。その溶融混練の際には、単軸または二軸の押出機、バンバリーミキサー、加熱ニーダー、ロール等の混練機などが用いられる。
上述したように、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体(A)を構成する(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)が、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体を酸基含有共重合体ラテックス(K)で肥大化処理したものである。また、グラフト鎖中のシアン化ビニル共重合体単位の含有量とビニル系共重合体中のシアン化ビニル系単量体単位の含有量との差が特定範囲のものである。このような熱可塑性樹脂組成物は、耐候性、耐衝撃性、流動性のいずれもが優れる上に、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が広い。
(成形品)
本発明の成形品は、上述した熱可塑性樹脂組成物が成形されてなるものである。
熱可塑性樹脂組成物の成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。これらの中でも、上記熱可塑性樹脂組成物が発揮する効果が特に有用になることから、押出成形法が好ましく、また、押出成形法により得る成形品としては、シート成形品または異形成形品が好ましい。
本発明の成形品は、他の樹脂や金属等で被覆されてもよい。ここで、被覆に使用される他の樹脂としては、例えば、上述した他の熱可塑性樹脂(C)や、ABS樹脂やハイインパクトポリスチレン樹脂(HIPS)等のゴム変性熱可塑性樹脂、フェノール樹脂やメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。
本発明の成形品は、上述した熱可塑性樹脂組成物が成形されてなるものであるため、耐候性、耐衝撃性、流動性に優れる上に、良好な艶消し外観を有する。
このような成形品は様々な用途で使用することができる。例えば、工業的用途として、車両部品、特に無塗装で使用される各種外装・内装部品、壁材、窓枠等の建材部品、食器、玩具、掃除機ハウジング、テレビジョンハウジング、エアコンハウジング等の家電部品、インテリア部材、船舶部材および通信機器ハウジング、ノートパソコンハウジング、PDAハウジング、液晶プロジェクターハウジング等の電機機器ハウジングなどに好適に使用される。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されない。なお、以下の例における「%」および「部」は明記しない限りは質量基準である。
[製造例1]未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)の製造
攪拌装置および温度制御ジャケット付き10リットルのステンレス製オートクレーブに、脱イオン水(以下、水と略す。)400部、アルケニルコハク酸ジカリウム(花王(株)製ラテムルASK)1.0部、硫酸ナトリウム0.3部、アクリル酸n−ブチル97部、アクリロニトリル3部、シアヌル酸トリアリル0.8部、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステル0.3部を攪拌下で仕込んだ。次いで、オートクレーブ内を窒素置換後、温度制御ジャケットによりオートクレーブ内を55℃に昇温した。
次いで、内温55℃にて、過硫酸カリウム0.2部および水5部を含む開始剤水溶液を添加して重合を開始させた。重合発熱が確認された後、ジャケット温度を50℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続した。そして、重合開始から3時間後に冷却して、固形分濃度が19.9%、質量平均粒子径が75nm、pHが8.6の未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)ラテックスを得た。
[製造例2]未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−2)の製造
製造例1において、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステルを使用しなかったこと以外は製造例1と同様の方法で重合して、固形分濃度が19.9%、質量平均粒子径が80nm、pHが8.4の未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−2)ラテックスを得た。
[製造例3]未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−3)の製造
製造例1において、シアヌル酸トリアリルを使用しなかったこと以外は製造例1と同様の方法で重合して、固形分濃度が20.0%、質量平均粒子径が75nm、pHが8.5の未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−3)ラテックスを得た。
[製造例4]酸基含有共重合体ラテックス(K)の調製
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、ナトリウム2.5部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物0.3部、水200部、オレイン酸カリウム2.2部、ジオクチルスルホコハク酸、硫酸第一鉄七水塩0.003部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム0.009部を窒素気流下で仕込んだ後、反応器内を60℃に昇温した。
60℃になった時点から、アクリル酸n−ブチル81.5部、メタクリル酸18.5部、クメンヒドロパーオキシド0.5部からなる混合物を120分かけて反応器内に連続的に滴下した。滴下終了後、さらに2時間60℃のまま保持して、固形分濃度が33.0%、重合転化率が99%、質量平均粒子径が145nmの酸基含有共重合体ラテックス(K)を得た。
[製造例5](メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a〜1c,G−2,G−3)の製造
製造例1〜3で得た各未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)〜(g−3)に、1%水酸化ナトリウム水溶液を添加してラテックスのpHを9〜10に調節した。
次いで、温度65℃にて、pHが調節された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)〜(g−3)に、表1に示す量の酸基含有共重合体ラテックス(K)を一括で添加し、その温度を保ちながら30分間攪拌を継続して、肥大化された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a)〜(G−1c)、(G−2)、(G−3)ラテックスを得た。
得られた(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a〜1c,G−2,G−3)の質量平均粒子径を測定した。その結果を表1に示す。
なお、質量平均粒子径は、マテック・アプライド・サイエンス社製サブミクロン粒度分布測定器CHDF−2000を用いて測定した。
Figure 0004969911
[製造例6]大粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(Z−1)の製造
製造例1において、アルケニルコハク酸ジカリウムの量を0.2部とし、重合終了後にさらに0.8部を追添加したこと以外は製造例1と同様にして重合して、固形分濃度が19.4%、質量平均粒子径が370nm、pHが8.7の大粒子径の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(Z−1)ラテックスを得た。
[製造例7] グラフト共重合体(A−1)の製造
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a)ラテックス50部(固形分換算)、水((メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体ラテックス中の水も含む)170部、ロンガリット0.15部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.5部を仕込み、攪拌しつつ窒素気流下で反応器内を75℃に昇温した。
次いで、アクリロニトリル(表2中ではANと表記する。)5部、スチレン(表2中ではStと表記する。)15部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.08部の混合液を1時間にわたって反応器内に滴下して重合させた。滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後、硫酸第一鉄七水塩0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.15部、イオン交換水10部からなる酸化・還元剤水溶液を添加した。
次いで、アクリロニトリル7.5部、スチレン22.5部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.2部からなる混合物を1.5時間にわたって反応器内に滴下し、反応器内の温度が80℃を超えないようにして重合させた。
滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後、冷却して、グラフト共重合体(A−1)ラテックスを得た。
次いで、1.2%硫酸水溶液150部を75℃に加熱し、この加熱した硫酸水溶液を攪拌しながら、グラフト共重合体(A−1)ラテックス100部を徐々に滴下して凝固させ、さらに90℃に昇温して5分間保持して凝固物を得た。次いで、得られた凝固物を脱水、洗浄、乾燥して、白色粉末状のグラフト共重合体(A−1)を得た。
得られたグラフト共重合体(A−1)におけるグラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(GA)、アセトン不溶分、還元粘度(ηsp/C)を測定した。それらの結果を表2に示す。
なお、グラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(表2中ではGAと表記する。)は、熱分解ガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−14A)を用いて測定した。
また、還元粘度は、まず、アセトン可溶分0.2gを100cmのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、その溶液の粘度を自動粘度計(サン電子工業(株)製)を用いて25℃で測定し、また、同条件で測定した溶媒の粘度を測定した。そして、溶液の粘度および溶媒の粘度よりアセトン可溶分の還元粘度を求めた。
Figure 0004969911
[製造例8〜14]グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)の製造
製造例7記載の例において、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a)を(G−1b)、(G−1c)、(G−2)、(G−3)に各々変更し、また、グラフト重合に使用した単量体組成比を表2のように変更したこと以外は製造例7と同様にして重合を行って、グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)を得た。
グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)について、製造例7と同様にして、グラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(GA)、アセトン不溶分、還元粘度を測定した。それらの結果を表2に示す。
[製造例8]グラフト共重合体(A−9)の製造
製造例7において、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a)を酸基含有共重合体(K)によって肥大化されていない(Z−1)に変更したこと以外は製造例7と同様にして重合を行ってグラフト共重合体(A−9)を得た。
グラフト共重合体(A−9)について、製造例7と同様にして、グラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(GA)、アセトン不溶分、還元粘度を測定した。それらの結果を表2に示す。
[製造例9]ビニル系共重合体(B−1)
アクリロニトリル27部およびスチレン73部を懸濁重合して、N,N−ジメチルホルムアミド溶液における還元粘度(25℃で測定)が0.61dl/gのアクリロニトリル−スチレン共重合体(B−1)を得た。
得られたビニル系共重合体(B−1)におけるシアン化ビニル単量体単位の含有量(表3中ではBAと表記する。)をグラフト共重合体のグラフト鎖と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0004969911
[製造例10]ビニル系共重合体(B−2)〜(B−4)
アクリロニトリルおよびスチレンの仕込み組成比を表3のように変更したこと以外は製造例9と同様に重合してビニル系共重合体(B−2)〜(B−4)を得た。
得られたビニル系共重合体(B−2)〜(B−4)におけるシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)を製造例9と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
[製造例11]ビニル系共重合体(B−5)
アクリロニトリル26部およびα−メチルスチレン74部を懸濁重合して、N,N−ジメチルホルムアミド溶液における還元粘度(25℃で測定)が0.51dl/gのアクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体(B−5)を得た。
得られたビニル系共重合体(B−5)におけるシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)を製造例9と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
[製造例12]ビニル系共重合体(B−6)
アクリロニトリル27部、スチレン30部、メタクリル酸メチル43部を懸濁重合して、N,N−ジメチルホルムアミド溶液における還元粘度(25℃で測定)が0.52dl/gのアクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル三元共重合体(B−6)を得た。
得られたビニル系共重合体(B−6)におけるシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)を製造例9と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
[製造例13]ビニル系共重合体(B−7)
メタクリル酸メチル99部およびアクリル酸メチル1部を懸濁重合して、N,N−ジメチルホルムアミド溶液における還元粘度(25℃で測定)が0.25dl/gのアクリル樹脂(B−7)を得た。
得られたビニル系共重合体(B−7)におけるシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)を製造例9と同様にして測定した。その結果を表3に示す。
[実施例1〜実施例14、比較例1〜比較例7]熱可塑性樹脂組成物の製造
グラフト共重合体(A−1)〜(A−9)、ビニル系共重合体(B−1)〜(B−7)を、表4〜表6に示す割合で配合し、さらにエチレンビスステアリルアミド0.4部、光安定剤(旭電化工業(株)製「アデカスタブLA−63P」0.2部、紫外線吸収剤(旭電化工業(株)製、「アデカスタブLA−36」)0.2部、着色剤である酸化チタン(石原産業(株)製「CR60−2」)3部を添加した。これにより得た混合物をヘンシェルミキサーにより混合した後、バレル温度230℃に加熱した脱気式二軸押出機(池貝鉄工(株)製「PCM−30」)で賦形し、ペレットを作製した。
得られたペレットを、幅60mmのTダイを取り付けた中央機器(株)製40mmφ単軸押出機により、バレル温度190℃または250℃、冷却ロール温度55℃の条件で、押出成形して、幅200mmのシートを得た。その際、巻き取り速度を調節することによって厚みを約1.0mmに調節した。
Figure 0004969911
Figure 0004969911
Figure 0004969911
各実施例および各比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物および成形品を、下記の評価方法により評価した。評価結果を表7〜表9に示す。
(i)シャルピー衝撃強度(耐衝撃性)
ISO 179に準拠し、23℃の環境下で12時間以上放置したノッチあり試験片を用いて測定した。
(ii)メルトボリュームレート(流動性)
ISO 1133に準拠し、バレル温度220℃、加重98Nの条件で測定した。
(iii)成形品の光沢およびその成形温度依存性
光沢度は入射光60°の反射率として測定した。
また、バレル温度190℃の条件で得たシートの光沢度とバレル温度250℃の条件で得たシートの光沢度を下記式(1)に代入して光沢差を求めた。この光沢差が大きい程、光沢が成形温度に依存しやすく、艶消し外観が得られる成形条件幅が狭いことを示す。
(光沢差(%))=(バレル温度250℃でのシートの光沢度)−(バレル温度190℃でのシートの光沢度)・・・式(1)
(iv)成形品外観の目視評価
成形品を目視により観察し、その艶消し性、フィッシュアイやダイラインの発生状態、表面のきめの細かさから外観を以下のように評価した。
○:外観に不良がなかった。
△:外観に不良がわずかに見られたが、実用上問題ない。
×:外観に不良が多数見られ、実用に耐えない。
(v)耐候性(加速曝露試験)
得られたシートを、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製)でブラックパネル温度63℃、サイクル条件60分(降雨:12分)にて1,000時間処理した。そして、処理後のシートと未処理のシートとを色差計により色相を測定し、処理前後の変色度△Eを求めた。△Eが小さい程、耐候性に優れることを示す。
Figure 0004969911
Figure 0004969911
Figure 0004969911
実施例および比較例より、次のことが明らかとなった。
(1)特定のグラフト共重合体(A)とビニル系共重合体(B)とを特定の条件で含有する実施例1〜14の熱可塑性樹脂組成物は、シャルピー衝撃強度とメルトボリュームレートが共に高く、成形温度190℃と250℃において良好な艶消し性を示した。さらにサンシャインウェザーメーターによる耐候性試験で変色が小さかった。すなわち、これらの熱可塑性樹脂組成物は、耐候性、耐衝撃性、流動性のいずれもが優れる上に、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が広かった。このような熱可塑性樹脂組成物は、工業用材料としての利用価値が高い。
(2)(BA−GA)が特定の範囲の下限未満であった比較例1〜4の熱可塑性樹脂組成物は、成形温度190℃における艶消し性は比較的良好であるものの、成形温度250℃において光沢が著しく向上して艶消し性が不充分であった。すなわち、これらの熱可塑性樹脂組成物は、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が狭かった。このような熱可塑性樹脂組成物は、工業用材料としての利用価値が低い。
(3)(BA−GA)が特定の範囲の上限を超えていた比較例5の熱可塑性樹脂組成物は、成形品の外観が著しく悪く、成形品の部位によって光沢斑が発生していた。このような熱可塑性樹脂組成物は、工業用材料としての利用価値が低い。
(3)ビニル系共重合体(B)がシアン化ビニル単量体単位を含まない比較例6の熱可塑性樹脂組成物は、耐候性は良好であり、また、成形温度190℃における艶消し性は比較的良好であるものの、成形温度250℃において艶消し性が不充分であった。すなわち、これらの熱可塑性樹脂組成物は、良好な艶消し外観が得られる成形条件幅が狭かった。このような熱可塑性樹脂組成物は、工業用材料としての利用価値が低い。
(4)グラフト共重合体の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)が酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化されたものではない比較例7の熱可塑性樹脂組成物は、成形温度190℃および250℃のいずれの条件においても艶消し性が得られなかった。このような熱可塑性樹脂組成物は、工業用材料としての利用価値が低い。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル酸エステル単量体単位とシアン化ビニル化合物単量体単位を含有する(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含むグラフト鎖がグラフトしたグラフト共重合体(A)20〜80質量部と、芳香族ビニル系単量体単位およびシアン化ビニル系単量体単位を含むビニル系共重合体(B)80〜20質量部とを含有し、
    (メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、未肥大の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)が酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理された質量平均粒子径300〜600nmのものであり、
    グラフト共重合体(A)におけるグラフト鎖中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(GA)と、ビニル系共重合体(B)中のシアン化ビニル単量体単位の含有量(BA)との差(BA−GA)が8〜25質量部であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物が成形されてなることを特徴とする成形品。
  3. 熱可塑性樹脂組成物が押出成形されたものであり、シート成形品または異形成形品であることを特徴とする請求項2に記載の成形品。
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