JPH08333503A - レーザーマーキング用樹脂組成物 - Google Patents

レーザーマーキング用樹脂組成物

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JPH08333503A
JPH08333503A JP7166793A JP16679395A JPH08333503A JP H08333503 A JPH08333503 A JP H08333503A JP 7166793 A JP7166793 A JP 7166793A JP 16679395 A JP16679395 A JP 16679395A JP H08333503 A JPH08333503 A JP H08333503A
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rubber
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夏希 山崎
Hiroyuki Ito
博幸 伊藤
Masaaki Motai
政明 馬渡
Hisao Nagai
久男 永井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はレーザー光照射によって樹脂表面に
鮮明なマーキングを呈することができる成形加工性、成
形品表面光沢、耐衝撃性、難燃性に優れたレーザーマー
キング用樹脂組成物の提供を目的とする。 【構成】 (ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)99〜70
重量%と難燃剤(B)1〜30重量%とからなる樹脂組
成物100重量部に対し、着色剤(C)を0.001〜
5重量部含有することを特徴とするレーザーマーキング
用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光照射によっ
て樹脂表面に鮮明なマーキングを呈することができ、か
つ成形加工性、成形品表面光沢、耐衝撃性、難燃性に優
れたレーザーマーキング用樹脂組成物に関する。
【従来の技術】樹脂表面への印刷技術として、従来の印
刷技術にかわってレーザーマーキングの利用が増えてい
る。レーザーマーキングとは、レーザー光のエネルギー
を利用することによって、樹脂表面の化学変化、樹脂中
の着色剤など添加剤の化学変化によって樹脂表面の素地
の色と区別できる文字、絵、記号をマーキングする技術
である。これまでの検討では、文字のかすれ(茶色の変
色)、不鮮明なマーキングなどの問題があった。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、樹脂表面に
鮮明なマーキングを呈する成形加工性、成形品表面光
沢、耐衝撃性、難燃性に優れたレーザーマーキング用樹
脂組成物の提供を目的とする。
【0002】
【課題を解決するための手段】本発明は、1.請求項1
としてゴム状重合体(e)の存在下に、芳香族ビニル系
単量体(a)、シアン化ビニル単量体(b)、(メタ)
アクリル酸エステル単量体(c)、マレイミド系単量体
(d)から選ばれた少なくとも1種の単量体を重合して
得られるグラフト共重合体(イ)および/または、芳香
族ビニル系単量体(a)、シアン化ビニル単量体
(b)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(c)、マ
レイミド系単量体(d)から選ばれた少なくとも1種を
重合して得られる重合体(ロ)とからなる(ゴム強化)
熱可塑性樹脂(A)99〜70重量%と、難燃剤(B)
1〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量部に対
し、着色剤(C)を0.001〜5重量部含有すること
を特徴とするレーザーマーキング用樹脂組成物。 2.請求項1において、(ゴム強化)熱可塑性樹脂
(A)のシアン化ビニル単量体(b)の共重合量が
(a)+(b)+(c)+(d)中に10〜50重量%
であることを特徴とするレーザーマーキング用樹脂組成
物。 3.請求項1において、(ゴム強化)熱可塑性樹脂
(A)の(メタ)アクリル酸エステル(c)の共重合量
が(a)+(b)+(c)+(d)中に10〜97重量
%であることを特徴とするレーザーマーキング用樹脂組
成物。 4.請求項1、2、3に記載のレーザーマーキング用樹
脂組成物1〜99重量%と、他の熱可塑性樹脂99〜1
重量%とからなるレーザーマーキング用樹脂組成物。 を提供する。以下、本発明のレーザーマーキング用樹脂
組成物について詳細に説明する。請求項1の(ゴム強
化)熱可塑性樹脂(A)について説明する。本発明の
(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)は、下記のグラフト共
重合体(イ)、重合体(ロ)ならびに該(イ)、(ロ)
の混合物からなる。 グラフト共重合体(イ):ゴム状重合体(e)の存在下
に、芳香族ビニル系単量体(a)、シアン化ビニル単量
体(b)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(c)、
マレイミド系単量体(d)から選ばれる少なくとも1種
の単量体を重合して得られるグラフト共重合体である。 重合体(ロ):芳香族ビニル系単量体(a)、シアン化
ビニル単量体(b)、(メタ)アクリル酸エステル単量
体(c)、マレイミド系単量体(d)から選ばれる少な
くとも1種を重合して得られる重合体(ロ)。
【0003】本発明の(A)成分に用いることができる
芳香族ビニル単量体(a)、シアン化ビニル単量体
(b)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(c)、マ
レイミド系単量体(d)、ゴム状重合体(e)について
以下に詳述する。上記芳香族ビニル単量体(a)として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、メチルスチ
レン、p−ヒドロキシスチレン、α−エチルスチレン、
メチル−α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ブロ
モスチレンなどが挙げられる。これらのなかでスチレ
ン、メチルスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
さらにシアン化ビニル単量体(b)としては、例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ
る。これらのなかでアクリロニトリルが好ましい。(メ
タ)アクリル酸エステル単量体(c)としては、例えば
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
アリルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル;メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ジメチルア
ミノエチルメタクリレートなどのアクリル酸エステルな
どが挙げられる。これらのなかでメタクリル酸メチルが
好ましい。マレイミド系単量体(d)としては、例えば
マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマ
レイミド、N−(2−メチルフェニル)マレイミド、N
−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、トリブロモ
フェニルマレイミドなどが挙げられる。これらのなかで
N−フェニルマレイミドおよびN−シクロヘキシルマレ
イミドが好ましい。上記に示された単量体(a)、
(b)、(c)、(d)は単独で、または2種以上組み
合わせて用いることができる。グラフト共重合体(イ)
に使用することのできるゴム状重合体(e)としては次
のものが挙げられる。ゴム状重合体(e)としては、例
えばポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体
(スチレン含量5〜60重量%が好ましい。)、ポリイ
ソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、エ
チレン−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、エチ
レン−ブテン−1−(非共役ジエン)共重合体、イソブ
チレン−イソプレン共重合体、アクリルゴム、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−
ブタジエン−スチレンラジアルテレブロック共重合体、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、S
EBSなどの水素添加ジエン系(ブロック、ランダムお
よびホモ)重合体、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、
シリコーンゴムなどが挙げられる。これらのなかでポリ
ブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、エチレン
−プロピレン−(非共役ジエン)共重合体、水素添加ジ
エン系重合体およびシリコーンゴムが好ましい。上記の
ゴム状重合体(e)は単独で、または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0004】本発明の(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)
は、レーザーマーキングによる発色を目的とするもので
あるが、より優れた発色を得る目的から使用されるゴム
状重合体(e)としては、シリコーンゴムまたはシリコ
ーンゴムをゴム状重合体(e)成分中に10重量%以上
含有するものが好ましい。またシリコーンゴムを(e)
成分中に含有することにより、摺動性の優れる樹脂が得
られる。また本発明の(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)
に用いる(イ)、(ロ)は、例えば塊状重合法、溶液重
合法、懸濁重合法、乳化重合法などの重合法によって重
合することができる。このようにして得られる(ゴム強
化)熱可塑性樹脂(A)のグラフト率は、10〜150
重量%、好ましくは20〜120重量%、さらに好まし
くは40〜110重量%である。グラフト率が10重量
%未満では、ゴム成分の添加効果が十分発揮されず、例
えば十分な耐衝撃性が得られない。一方、150重量%
を超えると成形加工性が劣る。ここで、グラフト率は
(A)成分1gを精秤採取し、これにメチルエチルケト
ン20ccを加え10時間振とうさせ、その後回転数2
0,000rpmの遠心分離機を用いて可溶分と不溶分
を分離し不溶分を真空乾燥機で乾燥し不溶分(X)を得
た。一方、重合組成と重合転化率から不溶分(X)中の
ゴム量(R)を算出し、次式を用いてグラフト率が求め
られる。 グラフト率(%)=〔(X)−(R)〕×100/
(R) さらに上記ゴム強化熱可塑性樹脂(A)成分中のマトリ
ックス樹脂の極限粘度[η](メチルエチルケトン中、
30℃で測定)は、0.1〜1.5dl/g、好ましく
は0.2〜0.8dl/gである。極限粘度[η]が
0.1dl/g未満であると、衝撃強度が十分に発現さ
れず、一方1.5dl/gを超えると、成形加工性が低
下する。ここでマトリックス樹脂とは(A)成分中のグ
ラフト化ゴム成分以外の樹脂成分のことであり、上記極
限粘度[η]は、(A)成分のうちメチルエチルケトン
溶解分を常法に従って測定することによって求めた値で
ある。また(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)の(イ)の
好ましいゴム粒径は1,000〜10,000オングス
トローム、さらに好ましくは2,000〜5,000オ
ングストローム、特に好ましくは2,000〜3,50
0オングストロームである。本発明の好ましい(ゴム強
化)熱可塑性樹脂(A)について以下に記すが、本発明
の請求範囲は、その要旨を超えない限り下記の例示に限
定されるものではない。 ABS樹脂 AES樹脂 ABS樹脂/AS樹脂(共重合AN量=B′dAN
=30wt%) ABS樹脂/メチルメタクリレート(MMA)−S
T−AN共重合体 ABS樹脂/PMMA/MMA−ST−AN共重合
体 シリコーンゴム変性スチレン系樹脂/MMA−ST
−AN共重合体
【0005】次に請求項1の難燃剤(B)について説明
する。本発明の難燃剤(B)は下記の臭素系難燃剤(B
−1)、リン系難燃剤(B−2)、ならびに該(B−
1)、(B−2)の混合物からなる。臭素系難燃剤(B
−1)としては、例えばテトラブロモビスフェノール
A、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2−ヒドロ
キシエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA
のオリゴマー(末端がエポキシ基、トリブロモフェノキ
シ基など)、テトラブロモビスフェノールAのポリカー
ボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールSの
ポリカーボネートオリゴマー、デカブロモジフェニルエ
ーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ビス(トリ
ブロモフェノキシ)エタンなどが挙げられる。好ましく
はテトラブロモビスフェノールAのオリゴマー(末端が
エポキシ基、トリブロモフェノキシ基など)、テトラブ
ロモビスフェノールAのポリカーボネートオリゴマーで
ある。臭素系難燃剤(B−1)の好ましい軟化点(また
は融点)は、80〜350℃、さらに好ましくは100
〜280℃である。臭素系難燃剤(B−1)の軟化点
(融点)が上記の範囲であると、成形性のよい本発明の
(ゴム強化)熱可塑性樹脂組成物が得られる。臭素系難
燃剤としては、上記のような化合物が好ましく用いられ
るが、これらの化合物はレーザー光により脱臭素化反応
が生じ、生成するベンゼン環のラジカルが他のベンゼン
環と反応して芳香族系が広がるために、レーザーマーキ
ング性(特に黒文字発色性)の向上としての働きがあ
る。リン系難燃剤(B−2)としては、例えば有機系リ
ン含有化合物、赤リン、ホスファゼン系化合物、ポリリ
ン酸アンモニウムなどが挙げられる。これらのうち有機
系リン含有化合物が好ましい。有機系リン含有化合物と
しては、トリフェニルホスフェートに代表されるホスフ
ェート類、トリフェニルホスファイトに代表されるホス
ファイト類などが挙げられる。本発明においては有機系
リン含有化合物としては、トリフェニルホスフェート、
トリフェニルチオホスフェート、トリキシレニルホスフ
ェート、トリキシレニルチオホスフェート、トリフェニ
ルホスフェートのオリゴマー、ハイドロキノンビス(ジ
フェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジフェ
ニルホスフェート)などが好ましく、トリフェニルホス
フェート、ハイドロキノンビス(ジフェニルホスフェー
ト)が特に好ましい。リン系難燃剤(B−2)中のリン
濃度は、好ましくは4〜30重量%、さらに好ましくは
5〜15重量%である。また、好ましい融点としては3
0〜150℃であり、さらに好ましくは40〜140℃
である。さらに難燃性を向上させるために、アンチモン
系化合物、ポリテトラフルオロエチレンなどを添加して
もよい。アンチモン系化合物としては三酸化アンチモ
ン、五酸化アンチモンが挙げられる。アンチモン系化合
物の配合量としては、(A)成分、(B)成分からなる
樹脂組成物100重量部に対して好ましくは0.1〜2
0重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部、特に
好ましくは1〜8重量部である。アンチモン系化合物が
0.1重量部未満であると難燃性付与効果は小さく、2
0重量部を超えると耐衝撃性が劣る。またアンチモン系
化合物の粒径は、好ましくは10μm以下、さらに好ま
しくは5μm以下、特に好ましくは1μm以下である。
また好ましいポリテトラフルオロエチレンとしては、平
均分子量10万〜500万、平均粒子径500〜100
0μm、密度100〜1000g/l、融点250〜3
00℃、および比重1.8〜2.5である。ポリテトラ
フルオロエチレンの重合方法は乳化重合、懸濁重合など
が挙げられるが、懸濁重合が特に好ましい。さらに粘着
防止のために次の3元共重合型のフッ素含有ポリマーも
使用できる。融点、滴点あるいは軟化点が100〜30
0℃、好ましくは110〜230℃のフッ素含有ポリマ
ーであり、100℃未満または300℃を超えると熱安
定性が劣る。フッ素含有ポリマーとしては、フッ化ビニ
リデンとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエ
チレンの共重合あるいはフッ化ビニリデンとヘキサフル
オロプロピレンとテトラフルオロエチレンの三元共重合
により作られる。特に好ましいのは、フッ化ビニリデン
とヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレン
の三元共重合体である。またフッ素含有量が50重量%
以上のものが好ましく、特に68〜76重量%のものが
好ましい。ポリテトラフルオロエチレン、またはポリテ
トラフルオロエチレンおよびフッ素含有ポリマーの配合
量は、(A)成分、(B)成分からなる樹脂組成物10
0重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、
さらに好ましくは0.1〜8重量部である。上記の範囲
であると、難燃性向上(ドリップ防止)、粘着防止の向
上としても効果的である。
【0006】次に請求項1の着色剤(C)について説明
する。本発明の着色剤(C)は下記の有機顔料(C−
1)、無機顔料(C−2)、染料(C−3)、ならびに
該(C−1)、(C−2)、(C−3)の少なくとも2
種の混合物からなる。特に(C−2)成分に掲げた化合
物の少なくとも1種以上を配合すると優れたレーザーマ
ーキングが得られる。有機顔料(C−1)として、例え
ばアゾ顔料;アセトアセトアリールイド系、ピラゾロン
系、2,3−オキシナフトイルアリールアミド系、パル
ピツール酸素、チオパルピツール酸素、2,4,6−ト
リアミノ−1,3−ピリミジン系、3−シアノ−4−メ
チル−ピリドン系のモノアゾまたはジスアゾ化合物なら
びにアゾ化合物の金属塩からなる群から選択されるも
の、ジアゾ顔料;アセトアセトアリールイド系、ピラゾ
ロン系または2,3−オキシナフトイルアリールアミド
系から選択されるもの、その他有機顔料;銅フタロシア
ニン、塩素化鉛フタロシアニン、群青などが使用でき
る。無機顔料(C−2)としては、プルシアンブルー、
クロム酸銅、スルホクロム酸鉛、チタンブラック、ケッ
チエンブラック、カーボンブラック、黒色酸化鉄、ベン
ガラ、白色チタンなどが挙げられる。染料(C−3)と
しては、カーボンブラックを含有する黒色染料などが挙
げられる。上記着色剤(C)の中で、特に好ましくはチ
タンブラック、カーボンブラック、黒色酸化鉄、カーボ
ンブラックを含有する黒色染料などが挙げられる。また
着色剤(C)は、200〜700nm波長を部分的にで
も吸収する化合物でもよい。
【0007】請求項1の各成分配合量について説明す
る。(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)は99〜70重量
%、好ましくは95〜70重量%、特に好ましくは90
〜75重量%である。(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)
が70重量%未満であると、成形加工性が低下する。ま
た99重量%を超えると難燃性が劣る。難燃剤(B)は
1〜30重量%、好ましくは5〜30重量%、特に好ま
しくは10〜25重量%である。難燃剤(B)が1重量
%未満であると難燃性が劣り、30重量%を超えると樹
脂の表面光沢、耐衝撃性および成形加工性が低下する。
着色剤(C)は、(ゴム強化)熱可塑性樹脂(A)99
〜70重量%と難燃剤(B)1〜30重量%とからなる
樹脂組成物100重量部に対し、0.001〜5重量
部、好ましくは0.05〜5重量部、さらに好ましくは
0.1〜5重量部である。着色剤(C)が0.001重
量部未満であると鮮明なレーザーマーキングが得られ
ず、5重量部を超えると成形外観および耐衝撃性が劣
る。また、特に耐衝撃性を必要とする場合には、
(A)、(B)からなる樹脂組成物100重量部中にゴ
ム状重合体(e)が、好ましくは1〜30重量%、さら
に好ましくは2〜20重量%、特に好ましくは3〜15
重量%である。(e)が上記の範囲であると耐衝撃性に
優れ、かつレーザーマーキング性に優れる本発明のレー
ザーマーキング用樹脂組成物が得られる。
【0008】次に請求項2について説明する。本発明の
請求項1に掲げる(ゴム強化)スチレン系樹脂(A)に
おいて、(a)+(b)+(c)+(d)の合計量に対
し、共重合しているシアン化ビニル単量体(b)の共重
合量は10〜50重量%、好ましくは20〜40重量
%、さらに好ましくは20〜35重量%であることを特
徴とする請求項1記載のレーザーマーキング用樹脂組成
物である。(A)成分中のシアン化ビニル単量体が上記
の範囲であると優れたレーザーマーキング性(特に黒文
字発色)が得られる。シアン化ビニル単量体(b)の含
有量が10重量%未満であると鮮明な黒色マーキングが
得られない。一方シアン化ビニル単量体(b)が50重
量%を超えると十分な耐衝撃性、成形時の熱安定性、成
形加工性が得られない。良好なレーザーマーキング(黒
文字発色)を得るためには、重合体中のアクリロニトリ
ルの結合状態において、アクリロニトリルが二分子以上
連続して結合している割合、すなわち二連鎖以上の割合
が高いほど好ましい。この二連鎖の測定方法としてはN
MR(核磁気共鳴分析)が挙げられる。NMRによれ
ば、スチレン−アクリロニトリル共重合体の場合、スチ
レン−スチレン連鎖のメチレン基由来の炭素のケミカル
シフトが41〜45ppmに、アクリロニトリル−スチ
レン連鎖が36〜41ppmに、アクリロニトリル−ア
クリロニトリル連鎖が31〜30ppmに表われる。こ
のNMRでの前記3種の各連鎖のピーク強度(チャート
の面積)の和に占めるアクリロニトリル−アクリロニト
リル連鎖のピーク強度(面積)の割合が2〜50%が好
ましく、さらに好ましくは5〜30%、特に好ましくは
8〜25%であると良好な黒色発色が得られる。なお、
50%を超えると樹脂の熱安定性が低下する。また、鮮
明な黒色発色を得るために、下記に掲げる金属含有化合
物を添加することができる。好ましい金属の元素として
は、ビスマス、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銅、ケイ
素、コバルト、鉄などが挙げられ、これらの金属元素の
酸化物、水酸化物、有機金属が挙げられる。具体的に
は、無機化合物の酸化ビスマス、ギ酸ニッケル、ホウ酸
亜鉛、ホウ酸カルシウム、リン酸系亜鉛、ケイ酸カルシ
ウム、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、塩基性酢
酸ビスマス、水酸化ニッケル、ショウ酸銅、塩基性炭酸
銅、チオシアン酸銅、クエン酸銅、シュウ酸鉄などを配
合することでより優れた黒色発色を得ることができる。
金属含有化合物の好ましい配合量は、本発明の(ゴム強
化)熱可塑性樹脂(A)99〜70重量%と難燃剤
(B)1〜30重量%からなる樹脂組成物100重量部
に対して0.01〜30重量部、さらに好ましくは0.
05〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部
である。金属含有化合物の配合量が0.01重量部未満
であると黒色発色の効果が小さく、30重量部を超える
と耐衝撃性が劣る。なお、請求項2に用いる単量体、難
燃剤(B)および着色剤(C)は、請求項1に掲げたも
のを使用できる。また(A)、(B)および(C)の配
合割合も請求項1に掲げた範囲である。
【0009】次に請求項3について説明する。本発明の
請求項1の(ゴム強化)スチレン系樹脂(A)において
(a)+(b)+(c)+(d)の合計量に対し、共重
合している(メタ)アクリル酸エステル(c)の共重合
量は、10〜97重量%、好ましくは20〜75重量
%、さらに好ましくは35〜55重量%であることを特
徴とする請求項1のレーザーマーキング用樹脂組成物で
ある。(A)成分中の(c)成分が上記の範囲である
と、特に優れたレーザーマーキング性(白文字発色性)
が得られる。(メタ)アクリル酸エステル(c)の含有
量が10重量%未満であると、鮮明な白色マーキングが
得られない。一方、(メタ)アクリル酸エステル量が9
7重量%を超えると十分な耐衝撃性、難燃性が得られな
い。(メタ)アクリル酸エステル(c)は、(A)成分
中のグラフト重合体(イ)、および、または重合体
(ロ)に共重合して用いることができる他に、(メタ)
アクリル酸エステルのホモポリマー〔例えばPMMA
(ポリメチルメタクリレート)など〕を配合することも
できる。(メタ)アクリル酸エステルのホモポリマーの
好ましい流動性(MFR)としては、0.5〜50g/
10min(220℃×10kg)である。なお、請求
項3に用いる単量体、難燃剤(B)および着色剤(C)
は請求項1に掲げたものを使用できる。また(A)、
(B)、(C)の配合割合も請求項1に掲げた範囲であ
る。
【0010】次に請求項4について説明する。本発明の
請求項1、2、3に記載のレーザーマーキング用樹脂組
成物1〜99重量%、好ましくは30〜90重量%と他
の熱可塑性樹脂99〜1重量%、好ましくは70〜10
重量%からなるレーザーマーキング用樹脂組成物であ
る。他の熱可塑性樹脂がこの数値範囲にあると該他の熱
可塑性樹脂の添加による物性の向上およびレーザーマー
キング性の向上効果が得られる。本発明に使用できる他
の熱可塑性樹脂としては、以下に例示するが、これらの
例示に限定されるものではない。例えばナイロン6、ナ
イロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン12などのポ
リアミド、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステ
ル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボ
ネート(PC)、ポリフェニレンオキサイド(PP
O)、ポリオキシメチレン(POM)などのポリアセタ
ール、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(P
E)、ポリエステルエラストマー、ポリエーテルエステ
ルアミド、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミ
ドエラストマー、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリレー
ト、塩化ビニル樹脂(PVC)などの塩素系ポリマー、
エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、液
晶ポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体、ノボラック樹脂および熱可塑性エラストマー
の群から選ばれた少なくとも1種のポリマーが挙げられ
る。これらのなかでは、ポリアミド、PBT、PET、
PPSおよびPPOの群から選ばれた少なくとも1種の
ポリマーが好ましい。特にナイロン6、ナイロン12、
POM、PP、PEを配合した場合には白文字発色性に
優れ、PC、PBTを配合すると黒文字発色性に優れ
る。なお、本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物、
あるいはこれと他の熱可塑性樹脂との混合物の製造に際
しては、重合体間の相溶性を向上させるために相溶化剤
を用いることにより、耐衝撃性および成形品表面外観を
向上させることができる。相溶化方法としては、混練り
時に酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ
基、オキサゾリン基、およびイミド基の群から選ばれた
少なくとも1種の官能基を有する官能基含有不飽和化合
物、および必要に応じて過酸化物を存在させる方法、上
記官能基を有する他の重合体を用いる方法などがある。
上記官能基を有する重合体は、上記官能基を有する不飽
和化合物と、これと共重合可能な他のビニル単量体との
ランダム、ブロックおよびグラフト共重合体である。相
溶化剤の具体例としては、スチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−メタクリル酸共重合体などのスチレンと
上記官能基含有不飽和化合物と必要に応じてこれらと共
重合可能な単にビニル単量体の1種以上とを共重合した
共重合体が挙げられる。また、エチレン−グリシジルメ
タクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリ
レート−酢酸ビニル共重合体などのエチレンと上記官能
基含有不飽和化合物と必要に応じてこれらと共重合可能
な他のビニル単量体の1種以上とを共重合した共重合体
も挙げられる。これらの共重合体には、これらのエチレ
ン共重合体上に他の重合体をグラフト反応させたものも
含まれる。グラフト反応させる他の重合体としては、例
えばポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体など
のラジカル重合可能なビニル単量体を用いて重合された
重合体が挙げられる。
【0011】本発明のレーザーマーキング用樹脂組成物
は、各種押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロー
ルを用いて混練することによって得られる。本発明のレ
ーザーマーキング用樹脂組成物は、レーザー光照射によ
りマーキングを行なう。レーザー光の種類にはHe−N
e、Arレーザー、CO2 レーザー、エキシマレーザー
などの気体レーザー、YAGレーザーなどの固体レーザ
ー、半導体レーザー、色素レーザーなどがあり、レーザ
ーマーキング用としてはCO2 レーザー、エキシマレー
ザー、YAGレーザーなどが用いられる。本発明におい
てはYAGレーザーが好ましい。さらに、本発明のレー
ザーマーキング用材料には、必要に応じて酸化防止剤、
紫外線吸収剤などの安定剤、シリコーンオイル、低分子
量のポリエチレンなどの滑剤、炭酸カルシウム、タル
ク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、マイカ、ガラ
スビーズ、ガラス繊維、金属フィラー、木粉などの充填
剤、分散剤、発泡剤、抗菌剤などを添加することができ
る。本発明のレーザーマーキング用材料は押し出し成
形、射出成形、圧縮成形などにより成形することがで
き、得られた成形品は難燃性、耐衝撃性および実用成形
性に優れており、表面外観も良好である。このため家庭
用品、電気用品、OA機器などの物品、自動車などの製
品、および建築材料として極めて有用である。
【0012】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量
%である。また、実施例中各種の測定項目は下記に従っ
た。グラフト率 材料1gを精秤採取し、これにアセトン20ccを加
え、10時間振とうさせ、その後、回転数20,000
rpmの遠心分離機を用いて可溶分と不溶分を分離し、
不溶分を真空乾燥機で乾燥し、不溶分(X)を得た。一
方、重合組成と重合添加率から不溶分(X)中のゴム量
(R)を算出し、次式よりグラフト率を求めた。 グラフト率(%)=〔(X)−(R)〕100/(R)極限粘度[η] 前記可溶分を真空乾燥機を用いて乾燥し、溶媒であるメ
チルエチルケトンに溶解し、30℃の温度条件によりウ
ベローデ型粘度計で測定した。アイゾット衝撃強度(IMP) ASTM D256に準拠し、肉厚1/4″、23℃、
ノッチ付きの試験条件で測定した。単位はkg・cm/
cmである。動摩擦係数 鈴木式摺動試験機を使用し、相手材としてはスチール
(S45C)を用いた。試験片は、外径25.6mm、
内径20.0mmの中空円筒状のものを用い、相手材も
同様の形状のものを用いた。動摩擦係数の測定条件は、
室温23℃、湿度50%の雰囲気中で荷重0.5kg、
走行速度50cm/秒、走行距離3kmで測定し、動摩
擦係数および摩耗量を測定した。動摩擦係数は、次式に
よって算出する。 μ=〔3×F×(r2 2 −r1 2 )〕/〔P×(r2 3
−r1 3 )〕 (式中、μは動摩擦係数、Fはロードセルに与える力、
Pは荷重、Rはロードセルまでのアーム長、r1 は内
径、r2 は外径を表わす。)難燃性の測定方法 難燃性の測定は、UL−94規格の垂直試験方法に基づ
き行なった。NCは規定外であることを示す。 試験片寸法;1×16″×1/2″×5″
【0013】参考例1〔(ゴム強化)熱可塑性樹脂
(A)の製造方法〕 A−イ−、の製造 還流冷却器、温度計および撹拌器を備えたセパラブルフ
ラスコに、ポリブタジエンラテックスを固形分換算で4
0重量部、イオン交換水65重量部、ロジン酸石ケン
0.3重量部、スチレン15重量部およびアクリロニト
リル10重量部を加え、次にピロリン酸ナトリウム0.
2重量部、硫酸第1鉄7水和物0.01重量部およびぶ
どう糖0.4重量部をイオン交換水20重量部に溶解し
た溶液を加えた。そしてキュメハイドロパーオキサイド
0.07重量部を加えて重合を開始し、1時間重合した
のち、さらにイオン交換水45重量部、ロジン酸石ケン
0.7重量部、スチレン20重量部、アクリロニトリル
15重量部およびキュメンハイドロパーオキサイド0.
01重量部を2時間かけて連続的に添加し、さらに1時
間重合させて反応を完結させた。得られた共重合体ラテ
ックスに硫酸を加え凝固し、水洗い乾燥してA−イ−
を得た。以下同様にして表1に示すA−イ−を得た。
【0014】
【表1】
【0015】 A−イ−の製造方法 p−ビニルフェニルメチルジメトキシシラン1.5重量
部とオクタメチルシクロテトラシラン98.5重量部を
混合し、これをドデシルベンゼンスルホン酸2.0重量
部を溶解した蒸留水300重量部中に入れ、ホモミキサ
ーにより3分間撹拌して乳化分散させた。この混合液を
コンデンサー、窒素導入口および撹拌器を備えたセパラ
ブルフラスコに移し、撹拌混合しながら90℃で6時間
加熱し、5℃で24時間冷却することによって縮合を完
結させた。得られたポリオルガノシロキサン系重合体中
のオクタメチルシクロテトラシロキサンの縮合率は9
2.8%であった。このポリオルガノシロキサン系重合
体ラテックスを炭酸ナトリウム水溶液でpH7に中和
し、ポリオルガノシロキサン系重合体ラテックスを得
た。次に、撹拌器を備えた内容積7リットルのガラス製
フラスコに、イオン交換水100重量部、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、水酸化カリウ
ム0.01重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1重
量部、上記ポリオルガノシロキサン系共重合体40重量
部、スチレン15重量部およびアクリロニトリル5重量
部からなるバッチ重合成分を加え、撹拌しながら昇温し
た。温度が45℃に達した時点でエチレンジアミン四酢
酸ナトリウム0.1重量部、硫酸第1鉄7水和物0.0
03重量部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラ
ート2水煙0.2重量部およびイオン交換水15重量部
からなる活性剤水溶液、ならびにジイソプロピルベンゼ
ンヒドロパーオキシド0.1重量部を添加し、1時間反
応を続けた。さらに、イオン交換水50重量部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量部、水酸化カリ
ウム0.02重量部、t−ドデシルメルカプタン0.1
重量部、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド
0.2重量部、スチレン25重量部およびアクリロニト
リル15重量部からなるインクレメント重合成分の混合
物を3時間にわたって連続的に添加し、反応を続けた。
添加終了後、さらに撹拌しながら1時間反応を続けたの
ち、2,2−メチレン−ビス−(4−エチレン6−t−
ブチルフェノール)0.2重量部を添加し、反応生成物
をフラスコより取り出した。次いで、塩化カリウム2重
量部を用いて生成物を凝固させ、脱水、水洗、乾燥を行
なって、粉末状のA−イ−を得た。特性を表2に示
す。
【0016】
【表2】
【0017】 A−ロ−、の製造方法 還流冷却器、温度計および撹拌器を備えたセパラブルフ
ラスコに、イオン交換水250重量部、ラウリル酸カリ
ウム3.0重量部、スチレン70重量部、アクリロニト
リル30重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.1
重量部を加え、次にエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
0.05重量部、硫酸第1鉄7水和物0.002重量部
およびナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート
0.1重量部をイオン交換水8重量部に溶解した溶液を
加えた。そしてジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キシド0.1重量部を加えて重合を開始し、約1時間重
合して反応を完結させた。得られた共重合体ラテックス
に硫酸を加え、凝固し水洗い乾燥して共重合体A−ロ−
を得た。特性を表3に示す。以下同様にして表3に示
す共重合体A−ロ−を得た。
【0018】
【表3】
【0019】 A−ロ−、、の製造方法 スチレン40部、アクリロニトリル15部、メタクリル
酸メチル45部を用いる以外は、重合体A−ロ−と同
様の方法で重合を行ない、反応を完結させ、重合体A−
ロ−を得た。 A−ロ−;ポリメタクリル酸メチル(呉羽化学、パラ
ペットGF)を用いた。 A−ロ−;スチレン54部、アクリロニトリル17
部、N−フェニルマレイミド29部を乳化重合して重合
体A−ロ−を得た。
【0020】参考例2〔難燃剤(B)〕難燃剤B−1 テトラブロモビスフェノールAとエピクロルヒドリンか
らなる分子両末端エポキシ系オリゴマーの両末端をトリ
ブロモフェノールで封止したもので分子量約2,000
のものを用いた。難燃剤B−2 グレートレークス社製臭素化ポリフェニレンエーテルP
O64Pを用いた。難燃剤B−3 リン系難燃剤としてトリフェニルフォスフェートを用い
た。 参考例3〔その他の樹脂(D)〕 PA;ポリアミド樹脂 PBT;ポリブチレンテレフタレート 相溶化剤−1;メタクリル酸−スチレン−アクリロニト
リル共重合体(メタクリル酸/ST/AN=5/70/
25wt%) 相溶化剤−2;エチレン−グリシジルメタクリレート重
合体にAS樹脂をグラフト重合した重合体。 レーザーマーキング用樹脂組成物の製造;表4〜6に示
す各成分を内径50mmに押出機で温度190〜240
℃の範囲で溶融混練し、ペレットを作製した。このペレ
ットを5OZ射出成形機を用い、成形温度200〜240
℃の範囲で成形して試験片を作製し、そのレーザーマー
キング性を評価した。表4、5から明らかのように、実
施例1〜16によると、本発明の目的とするレーザーマ
ーキング用樹脂組成物が得られている。これに対し、表
6の比較例1〜5は本発明の請求範囲外であり、本発明
の目的とする効果を得ることができない。すなわち比較
例1は本発明の(A)成分が99重量%を超えており難
燃性が劣る。比較例2は、他の熱可塑性樹脂が本発明の
範囲外であり、難燃性、成形加工性が劣る。比較例3
は、(C)成分が本発明の範囲外であり、成形外観が劣
る。比較例4は、(C)成分が含有されておらず、鮮明
な発色が得られない。比較例5は、(B)成分が本発明
の範囲を超えており、成形加工性、成形外観、耐衝撃性
が劣る。
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】
【表6】
【0024】
【発明の効果】本発明の樹脂の成形品は、レーザー光照
射により鮮明なマーキングが得ることができる。しかも
成形加工性、成形品表面光沢、耐衝撃性、難燃性に優れ
たレーザーマーキング用樹脂組成物である。従ってOA
機器などの事務機器や電気機器の成形が可能で実用上優
れた材料であり、工業的価値が極めて高く、産業上有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/08 LLS C08L 51/08 LLT LLT H01S 3/00 B H01S 3/00 B23K 26/00 B // B23K 26/00 7416−2H B41M 5/26 S (72)発明者 永井 久男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム状重合体(e)の存在下に、芳香族
    ビニル系単量体(a)、シアン化ビニル単量体(b)、
    (メタ)アクリル酸エステル単量体(c)、マレイミド
    系単量体(d)から選ばれた少なくとも1種の単量体を
    重合して得られるグラフト共重合体(イ)および/また
    は、芳香族ビニル系単量体(a)、シアン化ビニル単量
    体(b)、(メタ)アクリル酸エステル単量体(c)、
    マレイミド系単量体(d)から選ばれた少なくとも1種
    を重合して得られる重合体(ロ)とからなる(ゴム強
    化)熱可塑性樹脂(A)99〜70重量%と、難燃剤
    (B)1〜30重量%とからなる樹脂組成物100重量
    部に対し、着色剤(C)の少なくとも1種0.001〜
    5重量部含有することを特徴とするレーザーマーキング
    用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、(ゴム強化)熱可塑
    性樹脂(A)のシアン化ビニル単量体(b)の共重合量
    が(a)+(b)+(c)+(d)中に10〜50重量
    %であることを特徴とするレーザーマキング用樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1において、(ゴム強化)熱可塑
    性樹脂(A)の(メタ)アクリル酸エステル(c)の共
    重合量が(a)+(b)+(c)+(d)中に10〜9
    7重量%であることを特徴とするレーザーマーキング用
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3に記載のレーザーマー
    キング用樹脂組成物1〜99重量%と、他の熱可塑性樹
    脂99〜1重量%とからなるレーザーマーキング用樹脂
    組成物。
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