JP4736207B2 - 光フィルタ基板用結晶化ガラスおよび光フィルタ - Google Patents

光フィルタ基板用結晶化ガラスおよび光フィルタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分割多重方式(WDM)光通信システムに用いられるバンドパスフィルタ等の光フィルタの基板に用いられる結晶化ガラスおよび光フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
WDM光通信システムにおいては特定範囲の波長の光、たとえば1530〜1620nmの特定の波長の光を選択的に透過させるバンドパスフィルタが必要とされ、当該バンドパスフィルタとしては、ガラス基板、結晶化ガラス基板等の基板の上に誘電体多層膜が形成されているバンドパスフィルタが使用されている。
前記誘電体多層膜は、TiO2、Ta25等の高屈折率誘電体の薄膜とSiO2等の低屈折率誘電体の薄膜とが交互に積層された膜であって、典型的には100層程度の多層膜である。
【0003】
このようなバンドパスフィルタに用いられる基板には、誘電体多層膜の屈折率の温度変化を補償してバンドパスフィルタ通過波長の温度変化を抑制するために、−30℃〜70℃における平均線膨張係数αLが95×10-7/℃〜130×10-7/℃の範囲にあることが求められる。
【0004】
モル%表示の組成が、SiO2:47.3%、TiO2:24.2%、Na2O:15.6%、K2O:6.3%、Li2O:4.6%、BaO:1.8%、MgO:0.2%、であるガラス(「従来ガラス」)は、そのαLが101×10-7/℃であり、バンドパスフィルタの基板として使用されている。
【0005】
しかし前記従来ガラスからなるガラス基板には成膜時の基板の反りが大きい問題があった。これは、従来ガラスのヤング率E(=83GPa)が小さいことによると考えられ、よりEの大きな基板が求められている。
この問題を解決する基板として、モル%表示の組成が、SiO2:74.1%、Al23:4.0%、ZrO2:0.6%、K2O:1.2%、Li2O:18.1%、MgO:1.1%、ZnO:0.4%、P25:0.4%、であって二珪酸リチウム結晶が析出している結晶化ガラス(「従来結晶化ガラス」)からなる結晶化ガラス基板が提案されている。この従来結晶化ガラスのαLは111×10-7/℃、Eは96GPaである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来結晶化ガラスからなる結晶化ガラス基板はαLおよびEに関する課題を解決するものではあるが、従来ガラスからなるガラス基板に多層膜を成膜する場合に比べ成膜条件の調整が困難な問題があった。
本発明は、以上の課題を解決する光フィルタ基板用結晶化ガラスおよび光フィルタの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、−30℃〜70℃における平均線膨張係数αLが95×10-7/℃〜130×10-7/℃であって、Na4-xxAl4Si416(0≦x≦1)である結晶または固溶体が析出している光フィルタ基板用結晶化ガラスを提供する。
また、前記光フィルタ基板用結晶化ガラスからなる光フィルタ基板に誘電体多層膜が形成されていることを特徴とする光フィルタを提供する。
【0008】
本発明者は、従来結晶化ガラスからなる結晶化ガラス基板において成膜条件の調整が困難である原因が、70℃以上における膨張特性が従来結晶化ガラスと従来ガラスにおいて違うことに存在するものと考え、本発明に至った。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における結晶化ガラスとは、ガラス中に結晶または固溶体が存在しているものであり、当該結晶または固溶体の存在は公知のX線回折法によって調べられる。
また、本発明の光フィルタ基板用結晶化ガラス(「本発明の結晶化ガラス」)は、バンドパスフィルタ等の光フィルタの基板に用いられる結晶化ガラスである。
【0010】
本発明の結晶化ガラスのαLは95×10-7/℃〜130×10-7/℃であり、これにより、本発明の結晶化ガラスをWDM光通信用バンドパスフィルタ等の基板に適用できる。αLは、好ましくは100×10-7/℃〜120×10-7/℃以上である。
【0011】
本発明の結晶化ガラスの70〜100℃における平均線膨張係数α70は、95×10-7/℃〜125×10-7/℃であることが好ましい。なお、従来ガラスのα70は105×10-7/℃である。
本発明の結晶化ガラスの100〜140℃における平均線膨張係数α100は、110×10-7/℃〜135×10-7/℃であることが好ましい。なお、従来ガラスのα100は127×10-7/℃である。
本発明の結晶化ガラスの140〜190℃における平均線膨張係数α140は、115×10-7/℃〜140×10-7/℃であることが好ましい。なお、従来ガラスのα140は135×10-7/℃である。
【0012】
本発明の結晶化ガラスの190〜220℃における平均線膨張係数αHは、好ましくは80×10-7/℃〜150×10-7/℃、より好ましくは110×10-7/℃〜145×10-7/℃、特に好ましくは120×10-7/℃〜140×10-7/℃である。なお、従来ガラスのαHは137×10-7/℃、従来結晶化ガラスのαHは65×10-7/℃である。
【0013】
本発明の結晶化ガラスは、従来結晶化ガラスと比較して、WDM光通信用バンドパスフィルタ製造時の成膜が行われる典型的な温度、すなわち190〜220℃における膨張特性が従来ガラスの膨張特性により近く、したがって、成膜条件の調整が容易である。
【0014】
本発明の結晶化ガラスにおいて、Na4-xxAl4Si416(0≦x≦1)である結晶または固溶体(以下これらを併せて「ネフェリン系結晶」という。)の析出は必須である。ネフェリン系結晶が析出していない場合、70℃以上における膨張特性、特にαHを従来ガラスに近づけることが困難になる。
なお、本発明の結晶化ガラスには、本発明の目的を損なわない範囲でその他の結晶または固溶体が析出していてもよい。
【0015】
本発明の結晶化ガラスのEは85GPa以上であることが好ましい。85GPa未満では成膜時の基板の反りが大きくなるおそれがある。
【0016】
本発明の結晶化ガラスのビッカース硬度HVは650以上であることが好ましい。650未満では、研磨または切断時に、割れまたはチッピングが発生するおそれがある。
【0017】
本発明の結晶化ガラスの、波長1550nmの光に対する吸光係数μ1550は0.03mm-1以下であることが好ましい。0.03mm-1超ではWDM光通信用バンドパスフィルタへの適用が困難になるおそれがある。より好ましくは0.02mm-1以下、特に好ましくは0.01mm-1以下、最も好ましくは0.005mm-1以下である。なお、前記吸光係数は、たとえば、厚さの異なるサンプルの透過率から算出され、散乱などエネルギー吸収をともなわない損失による項を含む。
【0018】
本発明の結晶化ガラスは、典型的には次のようにして作製される。すなわち、原料を調合、混合し、次にこれを溶解して溶融ガラスとする。該溶融ガラスを所望の形状に成形、冷却後、熱処理を行ってネフェリン系結晶等の結晶または固溶体を析出させる。
【0019】
本発明の結晶化ガラスは、下記酸化物基準のモル%表示で、
SiO2 30〜65%、
Al23 5〜35%、
TiO2+ZrO2 1〜15%、
Na2O 5〜40%、
2O 0〜20%、
Li2O 0〜15%、
MgO 0〜15%、
CaO 0〜15%、
SrO 0〜15%、
BaO 0〜15%、
ZnO 0〜15%、
23 0〜15%、
25 0〜15%、
23 0〜15%、
から本質的になることが好ましい。
【0020】
下記酸化物基準のモル%表示で、
SiO2 44〜55%、
Al23 15〜25%、
TiO2+ZrO2 2〜10%、
Na2O 10〜20%、
2O 0〜10%、
Li2O 0〜5%、
MgO 0〜10%、
CaO 0〜10%、
SrO 0〜10%、
BaO 0〜10%、
ZnO 0〜10%、
23 0〜10%、
25 0〜5%、
23 0〜10%、
から本質的になることがより好ましい。
【0021】
次に、上記好ましい態様について、モル%を単に%と表示して説明する。
SiO2はネットワークフォーマであり、またネフェリン系結晶の主成分であって、必須である。30%未満では失透しやすくなる、または緻密なネフェリン系結晶が得られない。好ましくは35%以上、より好ましくは40%以上、特に好ましくは44%以上である。65%超ではαL、αH等の膨張係数(以下単に膨張係数という。)またはEが小さくなる。好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下である。
【0022】
Al23は化学的耐久性を向上させる成分であり、またネフェリン系結晶の主成分であって、必須である。5%未満ではネフェリン系結晶が析出しにくい。好ましくは10%以上、より好ましくは13%以上、特に好ましくは15%以上である。35%超ではガラスの溶解が困難になる。好ましくは30%以下、より好ましくは27%以下、特に好ましくは25%以下である。
【0023】
TiO2およびZrO2はネフェリン系結晶析出のための核形成剤であり、少なくともいずれか一方は必須である。TiO2およびZrO2の含有量の合計が1%未満ではネフェリン系結晶の析出が困難になる。好ましくは2%以上である。前記合計が15%超では、ガラスの溶解が困難になる、または失透しやすくなる。
好ましくは10%以下である。
【0024】
TiO2は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下である。
ZrO2は、好ましくは10%以下、より好ましくは6%以下、特に好ましくは4%以下である。
【0025】
Na2Oはネフェリン系結晶の主成分であり、膨張係数を大きくし、またガラスの溶解性を向上させる成分であり、必須である。5%未満では、ネフェリン系結晶の析出が困難になる、膨張係数が小さくなる、またはガラスの溶解が困難になる。好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上である。40%超では、Eが小さくなる、または化学的耐久性が低下する。好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、特に好ましくは25%以下、最も好ましくは20%以下である。
【0026】
2Oは必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために、または膨張係数を大きくするために20%まで含有してもよい。20%超では、Eが小さくなる、または化学的耐久性が低下する。好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。K2Oを含有する場合、その含有量は1%以上であることが好ましい。より好ましくは2%以上、特に好ましくは3%以上である。なお、Eをより大きくしたい場合、または化学的耐久性をより向上させたい場合、K2Oを実質的に含有しないことが好ましい。
【0027】
Li2Oは必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために、膨張係数を大きくするために、またはEを大きくするために15%まで含有してもよい。15%超では失透しやすくなる。好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。Li2Oを含有する場合、その含有量は0.5%以上であることが好ましい。より好ましくは1%以上、特に好ましくは2%以上である。
【0028】
MgOは必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために、またはEを大きくするために15%まで含有してもよい。15%超では失透しやすくなる。好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下である。MgOを含有する場合、その含有量は1%以上であることが好ましい。より好ましくは2%以上である。
【0029】
CaO、SrOおよびBaOはいずれも必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために、または膨張係数を大きくするためにそれぞれ15%まで含有してもよい。15%超では失透しやすくなる、またはネフェリン系結晶が析出しにくくなる。好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下である。CaO、SrOまたはBaOを含有する場合、その含有量は1%以上であることが好ましい。より好ましくは2%以上である。
【0030】
ZnOは必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために、またはEを大きくするために15%まで含有してもよい。15%超では失透しやすくなる。好ましくは12%以下、より好ましくは10%以下である。ZnOを含有する場合、その含有量は1%以上であることが好ましい。より好ましくは2%以上である。
【0031】
23は必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために15%まで含有してもよい。15%超ではEが小さくなりすぎる、または化学的耐久性が低下する。好ましくは10%以下である。B23を含有する場合、その含有量は0.1%以上であることが好ましい。より好ましくは1%以上、特に好ましくは3%以上である。また、化学的耐久性をより向上させたい場合、B23は実質的に含有しないことが好ましい。
【0032】
25は必須ではないが、ネフェリン系結晶析出のための核形成を促進するために15%まで含有してもよい。15%超ではEが小さくなりすぎる、ガラスの溶解性が低下する、または失透しやすくなるおそれがある。好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。P25を含有する場合、その含有量は1%以上であることが好ましい。より好ましくは2%以上、特に好ましくは3%以上である。なお、ガラスの溶解性をより向上させたい場合、またはEをより大きくしたい場合、P25は実質的に含有しないことが好ましい。
【0033】
23は必須ではないが、ガラスの溶解性を向上させるために、またはEを大きくするために、15%まで含有してもよい。15%超では失透しやすくなる。好ましくは10%以下である。Y23を含有する場合、その含有量は0.1%以上であることが好ましい。より好ましくは1%以上、特に好ましくは3%以上である。
【0034】
前記好ましい態様において本発明の結晶化ガラスは本質的に上記成分からなるが、その他の成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。前記その他成分の含有量の合計は、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。
【0035】
前記その他成分について以下に述べる。
Eを大きくするために、V25、Cr23、MnO、Fe23、CoO、NiO、CuO、Ga23、GeO2、Nb25、MoO3、La23、CeO2、Pr23、Nd23、Pm23、Sm23、Eu23、Gd23、Tb23、Dy23、Ho23、Er23、Tm23、Yb23、HfO2、Ta25およびWO3からなる群(以下この群を群Aという。)から選ばれる1種以上の成分を含有してもよい。なお、群Aの成分の含有量の合計は15%以下であることが好ましい。15%超では、失透しやすくなる、または膨張係数が小さくなるおそれがある。より好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下、最も好ましくは3%以下である。また、群Aの成分を含有する場合、それらの含有量の合計は好ましくは0.1%以上、より好ましくは1%以上、特に好ましくは2%以上である。
【0036】
また、清澄剤として、SO3、As25、Sb25、F、Cl等を含有してもよい。清澄剤の含有量の合計は2%以下であることが好ましく、特にSO3、As25、Sb25、FおよびClの含有量の合計は1.9%以下であることが好ましい。
また、PbOは実質的に含有しないことが好ましい。
【0037】
前記好ましい態様の本発明の結晶化ガラスは、たとえば次のようにして作製される。すなわち、ガラスを溶解し、板状に成形後、冷却してガラス板を得る。次に、該ガラス板を所望の寸法に切断後、当該切断されたガラス板について、500〜750℃に1時間〜5時間保持して結晶核を生成させ、その後700〜1000℃に1時間〜5時間保持して結晶を成長させる熱処理を行い、結晶化ガラスを得る。
【0038】
本発明の光フィルタは、本発明の結晶化ガラスからなる光フィルタ基板に、蒸着法、スパッタリング法等により誘電体多層膜を形成して作製される。前記誘電体多層膜は、TiO2、Ta25等の高屈折率誘電体の薄膜とSiO2等の低屈折率誘電体の薄膜とが交互に積層された膜であって、典型的には100層程度の多層膜である。
【0039】
本発明の光フィルタは、WDM光通信システムにおいて用いられるバンドパスフィルタ、エッジフィルタ、利得平坦化フィルタ、ビームスプリッタ等に好適であるが、用途はこれらに限定されない。
【0040】
【実施例】
表に示す例1〜例4は実施例であり、例5、例6はそれぞれ市販の従来結晶化ガラス、従来ガラスであって比較例である。なお、表のSiO2〜P25の欄に示す組成はモル%表示の組成である。
例1〜例4については、原料を調合して白金るつぼに入れ、1650℃に加熱し5時間溶融した。なお、この際白金スターラにより2時間撹拌し溶融ガラスを均質化した。次いで溶融ガラスを流し出して板状に成形後、徐冷し、ガラス板を得た。該ガラス板を、室温から500℃まで300℃/時間の速度で、500〜750℃まで50℃/時間の速度で、750〜900℃まで300℃/時間の速度で昇温し、900℃にt時間保持する熱処理を行った。前記t(単位:時間)は表に示す。
【0041】
例1〜例6について、密度d(単位:g/cm)、E(単位:GPa)、膨張係数αL、α70、α100、α140、αH(単位:10-7/℃)、μ1550(単位:mm-1)、厚さ1mmでの内部透過率T(単位:%)、HV、析出結晶、を次のようにして測定または同定した。結果を表に示す。表中の「−」は当該データがないことを示す。
【0042】
d:アルキメデス法により測定した。
E:両面が平行になるように研磨された厚さが10〜20mm、大きさが4cm×4cmの板状試料について、超音波パルス法により測定した。
【0043】
αL、α70、α100、α140、αH:直径5mm、長さ20mmの円柱状に加工された試料について、熱機械分析装置(リガク(株)製、商品名:TMA8140)を用いて5℃/分の速度で−50℃から+230℃まで昇温し、温度−伸びの関係を示す膨張曲線を得、該膨張曲線から算出した。
【0044】
μ1550:両面が鏡面研磨された、大きさが4cm×4cm、厚さが1mmの板状試料、および厚さが4mmである以外は前記板状試料と同じ板状試料のそれぞれについて、分光光度計((株)日立製作所製、商品名:U−3500)を用いて波長1550nmの光に対する透過率を測定した。該測定によって得られた厚さ1mmにおける透過率T1と厚さ4mmにおける透過率T4とから、次式により算出した。
μ1550=−loge(T4/T1)/3。
【0045】
T:次式により算出した。
T=100×exp(−μ1550)。
【0046】
V:両面が平行になるように研磨された厚さが4mm、大きさが4cm×4cmの板状試料に、1Nの荷重でビッカース圧子を押しつけて測定した。
【0047】
析出結晶:X線回折法により析出結晶を同定した。例1〜例4においてはNa3KAl4Si416結晶(ネフェリン)が析出していた。なお、例6については調べなかった。
【0048】
また、例3に関連して、900℃に1時間保持することを行わない以外は例3と同じようにしてサンプル3aを作製し、X線回折法により析出結晶を同定した。その結果、サンプル3aには、マグネシウム−チタン酸化物(MgTi25)およびマグネシウム−アルミニウム−チタン酸化物(Mg4Al2Ti925)の結晶の析出が認められた。すなわち、これら結晶が例3における結晶核であると考えられる。
【0049】
【表1】
Figure 0004736207
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、WDM光通信システムに使用されるバンドパスフィルタの製造に際し従来ガラスからなるガラス基板に対すると同様に成膜でき、前記バンドパスフィルタ通過波長の温度変化を抑制でき、かつ、Eが大きい光フィルタ基板を提供できる。さらに、吸光係数が小さい、すなわち内部透過率が大きい光フィルタ基板、または硬度の大きい光フィルタ基板を提供できる。
【0051】
本発明の結晶化ガラスはEが大きいので成膜後の基板の反りを小さくでき、その結果、成膜後の基板の研磨、切断が容易になる。
また、本発明の結晶化ガラスは硬度が大きいので、研磨または切断時の基板の割れまたはチッピングが少なくなる。
【0052】
本発明の光フィルタは、その通過波長の温度依存性が小さく、波長間隔の小さく多重度の大きい光通信用フィルタを提供できる。

Claims (6)

  1. −30℃〜70℃における平均線膨張係数αLが95×10-7/℃〜130×10-7/℃であって、Na4-xxAl4Si416(0≦x≦1)である結晶または固溶体が析出している光フィルタ基板用結晶化ガラスであって、190〜220℃における平均線膨張係数α H が80×10 -7 /℃〜150×10 -7 /℃である光フィルタ基板用結晶化ガラス。
  2. αHが110×10-7/℃〜145×10-7/℃である請求項1に記載の光フィルタ基板用結晶化ガラス。
  3. ヤング率が85GPa以上である請求項1またはに記載の光フィルタ基板用結晶化ガラス。
  4. 波長1550nmの光に対する吸光係数が0.03mm-1以下である請求項1、2またはに記載の光フィルタ基板用結晶化ガラス。
  5. 下記酸化物基準のモル%表示で、
    SiO2 30〜65%、
    Al23 5〜35%、
    TiO2+ZrO2 1〜15%、
    Na2O 5〜40%、
    2O 0〜20%、
    Li2O 0〜15%、
    MgO 0〜15%、
    CaO 0〜15%、
    SrO 0〜15%、
    BaO 0〜15%、
    ZnO 0〜15%、
    23 0〜15%、
    25 0〜15%、
    23 0〜15%、
    から本質的になる請求項1〜のいずれかに記載の光フィルタ基板用結晶化ガラス。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の光フィルタ基板用結晶化ガラスからなる光フィルタ基板に誘電体多層膜が形成されていることを特徴とする光フィルタ。
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