JP2002311201A - 光フィルター用基板および光フィルター - Google Patents

光フィルター用基板および光フィルター

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JP2002311201A JP2001113879A JP2001113879A JP2002311201A JP 2002311201 A JP2002311201 A JP 2002311201A JP 2001113879 A JP2001113879 A JP 2001113879A JP 2001113879 A JP2001113879 A JP 2001113879A JP 2002311201 A JP2002311201 A JP 2002311201A
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Hideki Kawai
秀樹 河合
Toshiharu Mori
登史晴 森
Hiroshi Yugame
博 遊亀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ溶出が少なく、膜の温度安定性に優
れ、透過率の高い光フィルター用のガラス基板及び光フ
ィルターを提供する。 【解決手段】 光フィルター用基板であって、1cm2当た
りのアルカリ金属成分の溶出量Ar[μg/cm2]及び25℃
〜100℃における線熱膨張係数α[×10-7/℃]及び厚さ
1mmの基板の波長500〜1700nmに対する最低透過率T
[%]がそれぞれ以下の条件を満たすことを特徴とす
る。 Ar≦0.1 70≦α≦150 T≧90

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光フィルター用基
板及び光フィルターに関する。特に結晶化ガラスを使用
した光フィルター用基板及び光フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】光フィルターには、光量を減衰させた
り、入射した光を選択的に透過・反射したり、偏光面を
回転させたりするものがある。その中でも波長選択性の
光フィルターには、特定の波長領域のみを透過・反射す
るバンドパスフィルター、特定の波長のみをカットする
ノッチパスフィルター、特定の波長より短波長側の光や
長波長側の光のみを透過するハイパスフィルター、ロー
パスフィルターなどがある。通常、これらの光フィルタ
ーでは、ガラスなどの基板上に、高い屈折率を持つ誘電
体薄膜と低い屈折率を持つ誘電体薄膜とを交互に積層し
た誘電体多層膜を形成したものが用いられている。この
ような光フィルター用基板には、透過率・耐久性・低価
格の点に優れる通常のアモルファスガラスを用いること
が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、光フィ
ルターの基板にアモルファスガラスを使用する場合、基
板のアルカリ金属成分が基板上に成膜した多層膜に移動
するという問題がある。すなわち、膜にアルカリ金属成
分が拡散し、透過率の低下、表面散乱の増大、波長シフ
ト等を引き起こす。特にガラス基板で高膨張特性を得る
場合、アルカリ金属成分を多量に含有させる必要があ
り、アルカリ溶出の問題は重要になってくる。なお、ア
ルカリ溶出は、成膜時及び経時的に生じる。
【0004】また、アモルファスガラスは、熱膨張係数
が十分高くなく、成膜時に堆積する膜に圧縮応力を与え
られず、均質かつ高密度な膜が得られないという問題が
ある。膜が圧縮されないと、膜の密度は成膜時の疎な状
態のままとなり、膜の屈折率の温度依存性が大きくな
る。例えば、バンドパスフィルターの基板にアモルファ
スガラスを使った場合、膜の屈折率変動が大きくなり、
バンドパスの中心波長が大きくシフトするので、バンド
幅を狭く設定できない。
【0005】本発明は、上記課題に鑑み、アルカリ溶出
が少なく、膜の温度安定性に優れ、透過率の高い光フィ
ルター用のガラス基板及び光フィルターを提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載された発明は、光フィルターにおい
て以下の条件を満たすことを特徴とする。
【0007】Ar≦0.1 70≦α≦150 T≧90 ただし、 Ar:1cm2当たりのアルカリ金属成分の溶出量[μg/c
m2] α:25℃〜100℃における線熱膨張係数[×10-7/℃] T:厚さ1mmの基板の波長500〜1700 nmに対する光線透過
率の最低値[%] である。
【0008】また、請求項2に記載された発明は、請求
項1に記載された発明において、クリストバライト、ク
リストバライト固溶体、石英、石英固溶体のうち少なく
とも1つを主結晶とする結晶化ガラスであることを特徴
とする。
【0009】さらに、請求項3に記載された発明は、請
求項1及び2のいずれかに記載されい重量%で以下の各
成分を含有する結晶化ガラスであることを特徴とする請
求項1または2に記載の光フィルター用基板: SiO2 60w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。
【0010】さらに、請求項4に記載された発明は、請
求項3の光フィルター用基板において、重量%で0.1w%
以上、15w%以下のZnOを含有することを特徴とする。
【0011】さらに、請求項5に記載された発明は、請
求項3の光フィルター用基板において、実質的に、ZnO
を含有しないことを特徴とする。
【0012】さらに、請求項6に記載された発明は、請
求項1乃至5のいずれかに記載された光フィルター用基
板において、ヤング率が75GPa以上であることを特徴と
する。
【0013】さらに、請求項7に記載された発明は、ビ
ッカース硬度が600以上であることを特徴とする請求項
1乃至6のいずれかに記載の光フィルター用基板。
【0014】さらに、請求項8記載に記載された発明
は、請求項1乃至7のいずれかに記載の光フィルター用
基板を用いた光フィルターであって、0℃〜100℃の温度
変化における波長シフト量TS0 /100 が±0.1nm以下
であることを特徴とする。
【0015】さらに、請求項9記載に記載された発明
は、請求項1乃至7のいずれかに記載の光フィルター用
基板を用いた光フィルターであって、0℃〜100℃の温度
変化における波長シフト量TS0 /100 が次式で表わせ
ることを特徴とする。
【0016】TS0 /100 = −1.45×105αS+1.721×1
010αf2+2.921×105αf+1.376 ただし、 αS:0℃〜100℃範囲における基板の線熱膨張係数、 αf:0℃〜100℃範囲における多層膜の平均線熱膨張係
数、 である。
【0017】さらに、請求項10記載に記載された発明
は、請求項1乃至7のいずれかに記載の光フィルター用
基板に薄膜を積層して製造されたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。本実施形態の光フィルター用基板は、以下の
条件式(1)を満たしている。
【0019】Ar≦0.1 70≦α≦150 T≧90 ただし、 Ar:1cm2当たりのアルカリ金属成分の溶出量[μg/c
m2] α:25℃〜100℃における線熱膨張係数[×10-7/℃] T:厚さ1mmの基板の波長500〜1700 nmに対する光線透過
率の最低値[%] である。
【0020】条件式(1)は、基板からのアルカリ金属成
分の水への移動量の範囲を規定している。移動量Arは、
鏡面状態の基板を80℃の純水中に24時間保持した場合
の、基板表面1cm2あたりのアルカリ成分溶出量を表した
ものである。移動量Arの値が0.1[μg/cm2]を超える
と、基板上に形成される膜を基板のアルカリ金属成分が
侵食することによって発生する透過率の低下、表面散乱
の増大、波長シフト等が顕著となり、望ましくない。
【0021】条件式(2)は、基板の熱膨張係数の範囲を
規定している。線熱膨張係数が、70[×10-7/℃]未満
だと基板の上に堆積した膜に圧縮応力が発生せず、均質
かつ高密度な膜が得られない。従って、膜の屈折率の温
度安定性が劣化し、温度変化によって波長特性が変化す
る。また、線熱膨張係数が、150[×10-7/℃]を越える
と基板と膜との膨張係数差が大きくなりすぎて、膜の剥
離等の問題を生じやすくなり、望ましくない。
【0022】条件式(3)は、基板の光線透過率Tの範囲を
規定している。光線透過率は大きいほど好ましいが、90
%未満となると、光通信で使用されるレーザ光の信号の
S/Nが十分とれなくなるおそれがあり、望ましくない。
【0023】本実施形態の光フィルター用基板は、クリ
ストバライト、クリストバライト固溶体、石英、石英固
溶体のうち少なくとも1つを主結晶相とする結晶化ガラ
スである。前記これらの結晶相を析出させることによっ
て、アルカリ溶出を抑え、線熱膨張係数を格段に高くす
ることができ、かつ、700nm〜1700nmの波長
域において、厚さ1mmの基板の光線透過率を90%以上
とする事ができる。
【0024】本実施形態の光フィルター用基板は、重量
%で以下の各成分を含有している。
【0025】SiO2 60w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。
【0026】上記ガラス成分を有する系において、SiO2
はガラス形成酸化物であり、主結晶相として析出するク
リストバライト、クリストバライト固溶体、石英、石英
固溶体の成分である。ただし本実施形態において、SiO2
が60w%より少ないと、前述の結晶が析出しにくくなり望
ましくない。一方、SiO2が70w%を越えると、溶融温度が
高くなるとともに失透性が大きくなるため、溶融性が悪
くなり望ましくない。
【0027】Al2O3は、ガラス中間酸化物であり、副結
晶相としてリチウムアルミのシリケート、リチウムアル
ミノシリケート固溶体が析出する場合はこれら結晶相の
構成成分となる。ただし本実施形態において、Al2O3が3
w%より少ないと、機械的強度及び化学的耐久性が得られ
ない。一方、Al2O3が10w%を越えると溶融温度が高くな
り溶融性と失透性が悪化する。
【0028】Li2Oは、融剤として働くため生産時の安定
性を向上させる。また、リチウムアルミノシリケート、
リチウムアルミノシリケート固溶体、リチウムジンクシ
リケート、リチウムジンクシリケート固溶体が析出する
場合はこれら結晶相の構成成分となる。ただし本実施形
態において、Li2Oが4w%より少ないと溶融性が悪くな
る。一方、Li2Oが8w%を越えると、結晶相として、リチ
ウムモノシリケート(Li2O・SiO2)及びリチウムダイシ
リケート(Li2O・2SiO2)等の結晶相が析出するため、前
述のアルカリ金属成分に関するコロージョンの値が大き
くなり基板からのアルカリ金属成分の溶出が発生するた
め望ましくない。
【0029】ZrO2は、結晶核剤として有効に機能すると
ともに、ガラス修飾酸化物として機能する。ただし本実
施形態において、ZrO2が1w%より少ないと必要な結晶核
が形成されない。さらに、化学的耐久性および耐マイグ
レーションが低下し、基板上の膜に悪影響を与える。一
方、5w%を越えると、溶融温度が高くなり失透しやすく
なるため溶融成形が困難となる。さらに、結晶粒子が粗
大化したり、析出結晶相が変化したりして求める特性が
得られにくくなる。また、微細で均質な結晶構造が得ら
れなくなり、研磨加工において光フィルター用基板とし
て必要な平滑面が得られなくなる。
【0030】P2O5は、融剤として働き、さらにシリケー
ト系結晶を析出させる核形成剤であり、ガラス全体に結
晶を均一に析出させるために重要な成分である。ただし
本実施形態において、P2O5が1w%より少ないと必要な結
晶核が形成されない。さらに、化学的耐久性および耐マ
イグレーションが低下し、基板上の膜に悪影響を与え
る。一方、5w%を越えると、溶融温度が高くなり失透し
やすくなるため溶融成形が困難となる。また、結晶粒子
が粗大化したり、析出結晶相が変化し求める特性が得ら
れにくくなったり、研磨加工において光フィルター用基
板として必要な平滑面が得られなくなる。さらに、溶融
時の炉材に対する反応性が増し、また失透性も強くなる
ことから溶融成形時の生産性が低下する。加えて、ガラ
ス構造の安定性が低下し、アルカリ金属成分の溶出が発
生しやすくなる。
【0031】本実施形態において、ZnOを実質的に含ま
ない組成とすることが可能である。ZnOを加えないこと
によって、熱膨張係数の値を大きくすることが可能にな
る。
【0032】一方、ZnOを加えた場合、ZnOは、融剤とし
て働くため均一な結晶析出を補助する。また、リチウム
ジンクシリケート、リチウムジンクシリケート固溶体が
析出する場合はこれら結晶相の構成成分となる。ただし
本実施形態において、ZnOが0.1w%未満では、ZnOの上記
効果を得ることはできず、ZnOが15w%を越えると、ガラ
スが安定となり結晶化が抑制され求める強度が得られに
くくなる。
【0033】本実施形態の光フィルター用基板は、ヤン
グ率が75GPa以上である。光フィルターの剛性が前記程
度であれば、基板のたわみや割れを比較的留意すること
なく、光フィルターを保持することができる。ヤング率
が75GPa未満では基板の剛性が不足し、保持によってフ
ィルター特性が変化するおそれがあり望ましくない。
【0034】本実施形態の光フィルター用基板は、ビッ
カース硬度が600以上である。光フィルターの硬度が前
記程度であれば、光フィルターを取り扱うが容易になり
望ましい。ビッカース硬度が600未満では基板の硬度が
不足し、治具等に不用意に当てると傷が入るおそれがあ
り望ましくない。
【0035】本実施形態の光フィルターは、高屈折率誘
電体薄膜(H層)と低屈折率誘電体薄膜(L層)を交互に
積層した膜構成からなり、0℃〜100℃の温度変化におけ
る波長シフト量TS0 /100 が±0.1nm以下である。波
長シフト量を前記範囲に抑えれば、波長多重の光に対し
て安定して波長分離できる。±0.1nmを超えると、隣接
する波長の信号と混在して、S/N比が低下し、望ましく
ない。
【0036】本実施形態の光フィルターは、0℃〜100℃
の温度変化における波長シフト量TS 0 /100 が次式で
表わせる。
【0037】 TS0 /100 = −1.45×105αS+1.721×1010αf 2+2.921×105αf+1.376 (4) ただし、 αS:0℃〜100℃範囲における基板の線熱膨張係数 αf:0℃〜100℃範囲における多層膜の平均線熱膨張係
数 である。
【0038】条件式(4)は、実験から得られたデータの
分布から導いた式であるが、基板と基板上に堆積した多
層膜の線熱膨張係数と波長シフト量の関係を示してい
る。条件式(4)によると、基板の膨張は波長シフトを抑
える方向に寄与するが、多層膜の膨張は波長シフトを増
大させる。また、多層膜の線膨張係数は二乗で効くの
で、線膨張係数がかなり大きい基板を使うのが好ましい
ことがわかる。この式を使うと、基板と多層膜の線膨張
係数がわかれば、その組み合わせからなる光フィルター
の波長シフト量が計算できる。また、波長シフト量を小
さくする組み合わせを見つけることができる。
【0039】以下製造方法を説明する。最終的に生成さ
れるガラス基板の主成分の組成を含む原料を所定の割合
にて充分に混合し、これを白金るつぼあるいはレンガる
つぼに入れ溶融を行う。溶融後金型に流し概略の形状を
形成する。これを室温までアニールする。続いて、50
0〜600℃の1次熱処理温度と1次処理時間により保
持し(熱処理)、結晶核生成が行われる。引き続き、6
00〜750℃の2次熱処理温度と2次処理時間により
保持し結晶核成長を行う。これを除冷することにより目
的とする結晶化ガラスが得られる。
【0040】さらにこれを所望の形状、厚さに研削・研
磨加工を施すことにより、結晶化ガラス基板として利用
できる。
【0041】次に誘電体多層膜を成膜して光フィルター
となるが、その製造方法を図1で説明する。基板を真空
装置の上部で回転する回転ドームに固定する。成膜中、
基板はドーム内を回転することにより、均一な成膜が可
能となる。基板に蒸着させる物質は、真空装置内底面に
配置したるつぼ内にあり、隣接する電子源で蒸発され
る。また、同装置内に配置されたイオン源によりイオン
を発生し、ドーム内の基板に当てることにより膜にエネ
ルギーを与え、膜を緻密にするイオンアシスト法を用い
る。
【0042】誘電体多層膜の実施例として、シャープな
バンドパス特性をもつ2種類の膜を成膜した。
【0043】膜構成Aでは、基板上に、高屈折率誘電体
薄膜(H層)としてTa2O5を、低屈折率誘電体薄膜(L
層)としてSiO2を積層した。膜構成Aは図2に示すよう
に、基板の上に交互にH層と L層 をそれぞれ光学的膜厚
0.25λで43層まで成膜した。最後の2層はH層とL層を光
学的膜厚0.325λで積層した。これで、波長1.55μmを中
心波長とするバンドパスフィルターが得られた。設計上
の半値幅は0.4nmである。
【0044】膜構成Bでは、基板上に、高屈折率誘電体
薄膜(H層)としてHfO2を、低屈折率誘電体薄膜(L層)
としてSiO2を積層した。膜構成Bは図3に示すように、
基板の上に交互にH層と L層 をそれぞれ光学的膜厚0.25
λで47層まで成膜した。最後の2層はH層とL層を光学的
膜厚0.325λで積層した。これで、波長1.55μmを中心波
長とするバンドパスフィルターが得られた。設計上の半
値幅は1nmである。
【0045】表1〜4に、実施例1〜28の結晶化ガラス基
板のガラス組成を重量%で示し、各製造条件とともに示
した。また、表5に、比較例を示した。主析出結晶相欄
の記載内容で、Cristはクリストバライト、Quartz SS(s
olid solution)は石英固溶体、Quartzは石英を意味す
る。透過率は波長1.55μmと波長1.3μmに対する値を示
した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】次に基板からのアルカリ溶出についての比
較を表6に示す。酸化セリウムにて表面を Ra=10Åの
鏡面に研磨した基板上に、線膨張係数1ラ10- 7/℃の膜Aを
成膜した光フィルターを90℃−90%R.H.の高温高湿雰囲
気下に200時間暴露し、基板を含めた波長1.55μmにおけ
る光線透過率の変化を測定した。
【0052】
【表6】
【0053】本実施例では、膜の熱膨張係数に合わせて
熱膨張係数が調整されているため、温度変化による波長
シフト量が非常に小さく抑えられた。さらに、本実施例
では、基板からのアルカリ成分溶出Arが十分に少なく、
光透過率の経時劣化がほとんど見られず、アルカリを含
まない石英ガラス基板に近い優れた耐久性(安定性)を
示している。
【0054】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、アルカリ溶
出が少なく、膜の温度安定性に優れ温度波長シフトが小
さい、また透過率の高い光フィルター用のガラス基板及
び光フィルターを提供することを目的とする。本発明に
よれば、アルカリ金属成分に関し溶出量を少なくした上
で、高い膨張係数を持つ加工性の良好な結晶化ガラス基
板を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】光フィルタの誘電体多層膜を成膜する成膜装置
の構成図
【図2】実施例の膜構成A
【図3】実施例の膜構成B
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 遊亀 博 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA07 GA09 GA13 GA35 GA51 GA60 2K009 BB04 CC03 CC42 DD03 DD07 EE00 4G062 AA04 AA11 BB02 DA06 DB03 DC01 DD03 DE02 DE03 DE04 DF01 EA03 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB01 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM04 NN01 NN30 NN33 NN34 NN40 QQ02 QQ03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の条件を満たすことを特徴とする光フ
    ィルター用基板: Ar≦0.1 70≦α≦150 T≧90 ただし、 Ar:1cm2当たりのアルカリ金属成分の溶出量[μg/c
    m2] α:25℃〜100℃における線熱膨張係数[×10-7/℃] T:厚さ1mmの基板の波長500〜1700 nmに対する光線透過
    率の最低値[%]である。
  2. 【請求項2】クリストバライト、クリストバライト固溶
    体、石英、石英固溶体のうち少なくとも1つを主結晶相
    とする結晶化ガラスであることを特徴とする請求項1に
    記載の光フィルター用基板。
  3. 【請求項3】重量%で以下の各成分を含有する結晶化ガ
    ラスであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    光フィルター用基板: SiO2 60w%以上で70w%以下、 Al2O3 3w%以上で10w%以下、 Li2O 4w%以上で8w%以下、 ZrO2 1w%以上で5w%以下、 P2O5 1w%以上で5w%以下。
  4. 【請求項4】さらに、重量%で0.1w%以上、15w%以下のZ
    nOを含有することを特徴とする請求項3記載の光フィル
    ター用基板。
  5. 【請求項5】実質的に、ZnOを含有しないことを特徴と
    する請求項3記載の光フィルター用基板。
  6. 【請求項6】ヤング率が75GPa以上であることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の光フィルター用
    基板。
  7. 【請求項7】ビッカース硬度が600以上であることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光フィルタ
    ー用基板。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の光フィ
    ルター用基板を用いた光フィルターであって、0℃〜100
    ℃の温度変化における波長シフト量TS0 /100 が±0.
    1nm以下であることを特徴とする光フィルター。
  9. 【請求項9】請求項1乃至7のいずれかに記載の光フィ
    ルター用基板を用いた光フィルターであって、0℃〜100
    ℃の温度変化における波長シフト量TS0 /100 が次式
    で表わせることを特徴とする光フィルター: TS0 /100 = −1.45×105αS+1.721×1010αf2+2.9
    21×105αf+1.376 ただし、 αS:0℃〜100℃範囲における基板の線熱膨張係数、 αf:0℃〜100℃範囲における多層膜の平均線熱膨張係
    数、 である。
  10. 【請求項10】請求項1乃至7のいずれかに記載の光フ
    ィルター用基板に薄膜を積層して製造された光フィルタ
    ー。
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