JP4731732B2 - 撮像装置及び撮像方法、並びに記録媒体及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体に放射線を照射し、被写体像を撮像する撮像装置及び撮像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断を目的とするX線撮影は、増感紙とX線写真フィルムを組み合わせたフィルムスクリーンシステムがよく用いられている。この方法によれば、被写体を透過したX線は被写体の内部情報を含み、それが増感紙によってX線の強度に比例した可視光に変換され、X線フィルムを感光させ、X線画像をフィルム上に形成する。
【0003】
最近では、従来X線フィルムで撮影されてきた胸部などの一般撮影領域にもディジタル撮影装置が普及しており、診断画像の分野においてディジタル画像の取得が可能となってきた。
【0004】
一般的なX撮像システムは、X線室及びX線制御室を備えており、X線室にはX線を発生するX線発生器が置かれる。X線発生器は、X線を発生するX線管球、撮像制御器により制御されてX線管球を駆動する高圧発生源、及びX線管球により発生されたX線ビームを所望の撮像領域に絞り込むX線絞りからなる。
【0005】
ホストコンピュータは、X線撮影装置から得た画像データをの内部RAMに記憶する。記憶された画像データは、オフセット補正やゲイン補正などの適切な処理を施した後、操作者の要求により、ディスプレイに表示されたり、あるいはハードディスクや外部記憶装置に保存されたりする。
【0006】
ディジタルX線撮影装置の断面構造の概略図を図7に示す。
撮像部は、蛍光体501と光電変換素子502とを組み合わせて構成される。光電変換素子502は、光電変換層として、例えば非結晶シリコン(a-Si膜)が利用されている。これは、大面積のガラス基板のようなセンサ基板に容易に形成することが可能なばかりでなく、スイッチング素子としてのTFTの半導体材料としても用いることが可能である点で好適だからである。
【0007】
入射されたX線は蛍光体501で可視光へと変換される。そして、光電変換素子の半導体層で吸収された光によってフォトキャリアが形成され、蓄積される。
【0008】
図8はX線検出器の撮像動作を含むタイミングチャートである。この図8を中心にX線検出器の動作について説明する。200は操作者インターフェースに対するX線撮像要求信号、202は実X線曝射状態、203は操作者の指示に基づいた撮像制御器から駆動器へのX線撮像要求信号、204はX線検出器の撮影レディ信号、205はX線検出器の駆動状態(特に光検出器アレーからの電荷読み出し動作)をそれぞれ表している。
【0009】
操作者の操作者インターフェースに対する撮影準備の要求指示(200 1stSW)により、撮像制御器はX線発生器を撮影レディ状態に遷移させるとともに、X線検出器に対して撮影準備状態へ移行させる指示を出す。指示を受けた駆動器は光検出器アレーにバイアスを印加するとともに、(リフレッシュ及び)空読みFiを繰り返す。
【0010】
検出器準備状態では、光電変換モードにおいて、空読み後、光検出部に暗電流が徐々に蓄積されてコンデンサが飽和状態で保持されることを避けるため、(リフレッシュR及び)空読みFiを所定間隔で繰り返す。
【0011】
次に、操作者から操作者インターフェースに対す撮影要求指示(200:2ndSW)により、撮像制御器はX線発生器とX線検出器との同期を取りながら撮影動作を制御する。撮影要求指示(200:2ndSW)に従いX線撮像要求信号203に示すタイミングでX線検出器に対し、撮像要求信号をアサートする。駆動器は撮像要求信号に呼応して撮像駆動状態205に示すように所定の撮像準備シーケンス駆動を行う。
【0012】
X線検出器の撮像準備が整った時点で、駆動器は撮像制御器に対し、X線検出器レディ信号204を返し、撮像制御器はこの信号の遷移を基にして、X線曝射要求信号202としてX線発生器にアサートする。X線発生器は、X線曝射要求信号202が与えられている間、X線を発生する。所定X線量を発生したら撮像制御器はX線曝射要求信号202をネゲートするとともにX線撮像要求信号203をネゲートすることによりX線検出器へ画像取得タイミングを通知し、このタイミングを基にしてそれまで待機状態だった信号読出し回路の動作を開始させる。信号読み出し回路の制定のための所定ウェイト時間後、駆動器に基づいてX線検出器アレーから画像データを読み出して画像処理器に生画像を取得する。転送が完了すると駆動器は読み出し回路を再び待機状態に遷移させる。
【0013】
引き続き、X線検出器は補正画像を取得する。即ち、先の撮像のための撮像シーケンスと同様のシーケンスを繰り返し、X線照射の無い暗画像を取得し、画像処理器に補正用画像として転送する。この時、撮像シーケンスは撮影の度にX線曝射時間など若干異なる可能性が有るが、それも含めて全く同じ撮影シーケンスを再表して補正画像を取得することにより、より高画質な画像が得られる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の撮像方式では、X線発生装置に対してX線曝射要求信号が発生されてから、X線撮影装置の撮像準備シーケンス駆動を行っていた。そのため、X線曝射要求をしてから実際の曝射が行われるまでに一定の時間を有し、例えば小児撮影などの、撮影タイミングが要求される撮影においては、撮影ミスの原因につながっていた。
【0015】
そこで本発明は、上記問題に鑑みて、短時間の放射線曝射を行い、作業性に優れた信頼性の高い撮像装置及び撮像方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、放射線発生手段から照射された放射線が被写体を透過した前記被写体の放射線像を撮像する撮像手段と、前記放射線発生手段に放射線曝射要求信号を発生する前に前記撮像手段の撮影準備駆動を開始する撮像手順と、前記撮像手順と異なる他の撮像手順とを、指示された撮影対象によって自動的に切り替えて前記放射線発生手段及び前記撮像手段の駆動を制御する制御手段とを備える。
本発明の撮像装置の一態様では、撮影対象を切り替えることができる操作者インターフェース手段を更に含み、前記制御手段は、前記操作者インターフェース手段からの撮影対象選択の指示によって自動的に切り替える。
本発明の撮像装置の一態様では、前記撮影準備駆動を開始するタイミングは、前記放射線発生手段の放射線曝射準備開始時である。
本発明の撮像装置の一態様では、特定の音声を判定する音声認識手段を更に含み、前記音声認識手段の指示により、前記撮像手段の前記撮影準備駆動が開始される。
本発明の撮像方法は、放射線発生手段により被写体に放射線を照射し、撮像手段により前記被写体の放射線像を撮像する撮像方法であって、前記放射線発生手段に放射線曝射要求信号を発生する前に前記撮像手段の撮影準備駆動を開始する撮像手順と、前記撮像手順と異なる他の撮像手順とを、指示された撮影対象によって自動的に切り替えて前記放射線発生手段及び前記撮像手段の駆動を制御する。
本発明の記録媒体は、コンピュータを、前記撮像装置の前記各手段として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なものである。
本発明の記録媒体は、前記撮像方法の前記各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能なものである。
本発明のプログラムは、コンピュータを、前記撮像装置の前記各手段として機能させるためのものである。
本発明のプログラムは、前記撮像方法の前記各ステップをコンピュータに実行させるためのものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
本実施形態のX撮像システムの概略構成を図1に示す。
このX撮像システムは、X線室104と、X線制御室105と、操作者インターフェース114及びディスプレイ115等を備えて構成されている。
【0030】
X線室104には、X線を発生するX線発生器117と、被写体を透過したX線を検出するX線検出器101が置かれる。X線発生器117は、X線を発生するX線管球119、撮像制御器107により制御されてX線管球119を駆動する高圧発生源118、及びX線管球119により発生されたX線ビームを所望の撮像領域に絞り込むX線絞り120からなる。X線検出器101には、X線制御室105側からの指示に従ってX線検出器101を駆動する駆動器102が設けられている。
【0031】
他方、X線制御室105には、ホストコンピュータ106が設けられており、このホストコンピュータ106は、内部RAM111と、ディスプレイ115を制御する表示制御器112と、操作者インターフェース104と接続されたセンサ切り替え部113と、ハードディスク109及び外部記憶装置110と、X線検出器101により得られた撮像データに基づき画像補正データを作成し、画像補正データを用いて撮像データの補正処理を行う補正手段を含む各種画像処理を実行する画像処理器108と、X線発生器117を制御すると共に、駆動器102を介してX線検出器101及び画像処理器108を制御する撮像制御器107が設けられている。
【0032】
ホストコンピュータ106がX線検出器101から得た画像データを内部RAM111に記憶する。記憶された画像データは、オフセット補正やゲイン補正などの適切な処理を施した後、操作者116の要求により、ディスプレイ115に表示されたり、あるいはハードディスク109や外部記憶装置110に保存されたりする。また、センサ切り替え部113は、操作者インターフェース114を介した操作者116の指示により、本実施形態で説明する撮像手順と、他の撮像手順とを自動的に切り替えるものである。
【0033】
図2に光電変換素子の等価回路の一例を示す。
1素子は、光検出部601と電荷の蓄積及び読み取りを制御するスイッチング薄膜トランジスタ(TFT)603とからなり、一般には、ガラス基板上にアモルファスシリコン(a−Si)を用いて形成される。光検出部601は更に、光ダイオード601aとコンデンサ601bの並列回路からなり、光電効果による電荷を定電流源602として記述している。コンデンサ601bは光ダイオード601aの寄生容量でも、光ダイオード601aのダイナミックレンジを改善する追加的なコンデンサでもよい。光検出部601(光ダイオード601a)のカソードは共通電極(D電極)であるバイアス配線Lbを介してバイアス電源604に接続する。光検出部601(光ダイオード601a)のアノードは、ゲート電極(G電極)からスイッチングTFT603を介してコンデンサ605及び電荷読出し用プリアンプ606に接続する。プリアンプ606の入力はまた、リセット用スイッチ608及び信号線バイアス電源609を介してアースに接続する。
【0034】
先ず、スイッチングTFT603とリセット用スイッチ608を一時的にオンにして、コンデンサ601bをリセットし、スイッチングTFT603とリセット用スイッチ608をオフにする。その後、X線を発生させて、被検体610に曝射する。蛍光体501が被検体610を透過してきたX線像を可視光線像に変換し、光ダイオード601aは、その可視光線像により導通状態になり、コンデンサ601bの電荷を充電させる。スイッチングTFT603をオンにして、コンデンサ601bとコンデンサ605を接続する。これにより、コンデンサ601bの放電量の情報がコンデンサ605にも伝達される。プリアンプ606によりコンデンサ605の蓄積電荷による電圧の増幅、もしくは点線で示されたコンデンサ607により電荷−電圧変換され、外部に出力される。
【0035】
次に、図2に示す光電変換素子を2次基に拡張して構成した場合の光電変換動作を説明する。図3は2次元配列の光電変換素子を具備する光検出器アレーの等価回路である。
【0036】
光検出器アレーは、2000×2000〜4000×4000程度の画素から構成され、アレー面積は200mm×200mm〜500mm×500mm程度である。図3では、光検出器アレーは2048×2048の画素から構成され、アレー面積は215mm×215mmである。よって、1画素のサイズは約105×105μmである。横方向に配置した2048個の画素を1ブロックとし、2048個のブロックを縦方向に配置して、2次元構成としている。
【0037】
図2で説明したように、1画素は、1つの光検出部601とスイッチングTFT603とからなる。光電変換素子PD(1,1)〜(2048,2048)は光検出部601に対応し、転送用スイッチSW(1,1)〜(2048,2048)はスイッチングTFT603に対応する。光電変換素子PD(m,n)のゲート電極(G電極)は、対応するスイッチSW(m,n)を介してその列に対する共通の列信号線Lcmに接続する。例えば、第1列の光電変換素子PD(1,1)〜(2048,1)は、第1の列信号線Lc1に接続する。各光電変換素子PD(m,n)の共通電極(D電極)は全て、バイアス配線Lbを介してバイアス電源604に接続する。
【0038】
同じ行のスイッチSW(m,n)の制御端子は、共通の行選択線Lrnに接続する。例えば、第1行のスイッチSW(1,1)〜(1,2048)は、行選択線Lr1に接続する。行選択線Lr1〜2048は、ゲート駆動回路703を介してタイミング制御回路704に接続する。ゲート駆動回路703は、タイミング制御回路704からの制御信号を解読し、どのラインの光電変換素子の信号電荷を読み出すべきかを決定するアドレスデコーダ710と、アドレスデコーダ710の出力に従って開閉される2048個のスイッチ素子から構成される。この構成により、任意のラインLrnに接続するスイッチSW(m,n)に接続する光電変換素子PD(m,n)の信号電荷を読み出すことができる。ゲート駆動回路703は、最も簡単な構成としては、単に液晶ディスプレイなどに用いられているシフトレジスタによって構成してもよい。
【0039】
列信号線Lc1〜2048は、タイミング制御回路704により制御される信号読出し回路702に接続する。信号読出し回路702で、706−1〜2048は、それぞれ列信号線Lc1〜2048からの信号電位を増幅するプリアンプ、707−1〜2048はそれぞれプリアンプ706−1〜2048の出力をサンプルホールドするサンプルホールド(S/H)回路、708は707−1〜2048の出力を時間軸上で多重化するアナログ・マルチプレクサ、709はマルチプレクサ708のアナログ出力をディジタル化するA/D変換器である。A/D変換器709の出力は通信用フレームメモリ705に入力される。
【0040】
図3に示す光検出器アレーでは、2048×2048個の画素を列信号線Lc1〜2048により2048個の列に分け、1行あたりの2048画素の信号電荷を同時に読み出し、各列信号線Lc1〜2048、プリアンプ706−1〜2048及びS/H回路707−1〜2048を介してアナログ・マルチプレクサ708に転送し、ここで時間軸多重化して、順次、A/D変換器709によりディジタル信号に変換する。
【0041】
A/D変換器の出力は通信用フレームメモリ705に接続される。フレームメモリはタイミング制御回路704に接続されており、タイミング制御回路704の制御の基にホストコンピュータへとデータ転送するようになっている。タイミング制御回路704は、ホストコンピュータ106に接続されており、ホストの制御の基に動作する。
【0042】
本実施形態の撮像動作を含むタイミングチャートを図4に示す。この図4を中心にX線検出器101の動作について説明する。300は操作者インターフェース114に対するX線撮像要求信号、302は実X線曝射状態、303は操作者116の指示に基づいた撮像制御器107から駆動器102へのX線撮像要求信号、304はX線検出器101の撮影レディ信号、305はX線検出器101内のパワー制御信号、306はX線検出器の駆動状態(特に光検出器アレーからの電荷読み出し動作)をそれぞれ表している。
【0043】
操作者116からX線発生装置へ曝射要求指示(300:1stスイッチ(通常は管球のロータアップなどが開始される。))が発生されると、X線撮像要求信号303をアサートし、X線検出器は撮影準備シーケンス駆動を開始する。すなわち、リフレッシュが必要な場合はリフレッシュを行い、そして、撮像シーケンスのための専用空読みFpを所定回数及び電荷蓄積状態専用空読みFpfを行って電荷蓄積状態(撮像ウィンドウ:T4)に遷移する。
【0044】
補正用画像撮像シーケンスのための空読みFpの回数及び時間間隔T2は、撮像制御器107から撮像要求に先んじて予め設定された値に基づいて行う。これは操作者114の要求により操作性重視か画質重視かということや、または撮像部位により自動的に最適な駆動を選択して切り替える。撮影準備完了までの期間(T3)は所用時間が短いことが実使用上要求されるので、そのために撮像準備シーケンス専用空読みFpを行う。X線検出器101の撮像準備が整った時点で、駆動器102は撮像制御器107に対し、X線検出器レディ信号304を返す。
【0045】
次に、操作者116から操作者インターフェース114に対する撮影要求指示(300:2ndSW)により、撮像制御器107はX線発生器117とX線検出器101との同期を取りながら撮影動作を制御する。
【0046】
X線撮影装置の撮影準備は既に整えられているので、直ちにX線曝射要求信号302としてX線発生器117にアサートする。X線発生器117は、X線曝射要求信号302が与えられている間、X線を発生する。所定X線量を発生したら撮像制御器107はX線曝射要求信号302をネゲートするとともにX線撮像要求信号303をネゲートすることによりX線検出器101へ画像取得タイミングを通知する。
【0047】
このタイミングを基にして駆動器102はそれまで待機状態だった信号読出し回路702の動作を開始させる。信号読み出し回路702の制定のための所定ウェイト時間後、駆動器102に基づいてX線検出器アレーから画像データを読み出して画像処理器108に生画像を転送する。転送が完了すると駆動器102は読み出し回路702を再び待機状態に遷移させる。
【0048】
引き続き、X線検出器101は補正画像を取得する。即ち、先の撮像のための撮像シーケンスを繰り返し、X線照射の無い暗画像を取得し、画像処理器108に補正用暗画像を転送する。この時、撮像シーケンスは撮影の度にX線曝射時間など若干異なる可能性が有るが、それも含めて全く同じ撮影シーケンスを再表して暗画像を取得することによって、より高画質な画像が得られる。
【0049】
図5は画像処理器108を示しており、画像データの流れを表している。801はデータパスを選択するマルチプレクサ、802及び803はそれぞれX線画像用及び暗画像用フレームメモリ、804はオフセット補正回路、805はゲイン補正データ用フレームメモリ、806はゲイン補正用回路、807は欠陥補正回路、808はその他の画像処理回路を代表してそれぞれ表している。
【0050】
図3でFrXoフレームで取得されたX線画像が、マルチプレクサ801を経由してX線画像用フレームメモリ802に記憶され、続いてFrnoフレームで取得された補正画像が、同様にマルチプレクサ801を経由して補正用画像用フレームメモリ803に記憶される。暗画像の記憶完了から、オフセット補正回路804によりオフセット補正(例えばFrXo−Frno)が行われ、引き続き予め取得されゲイン補正用フレームメモリに記憶してあるゲイン補正用データFgを用いて、ゲイン補正回路806がゲイン補正(例えば、(FrXo−Frno)/Fg)を行う。
【0051】
引き続き、欠陥補正回路807に転送されたデータは、不感画素や複数パネルで構成されたX線検出器101のつなぎ目部などに違和感を生じないように画像を連続的に補間して、X線検出器101に由来するセンサ依存の補正処理を完了する。更に、その他の画像処理回路808にて、一般的な画像処理、例えば、階調処理、周波数処理、強調処理などの処理を施した後、表示制御器112に処理済データを転送して、モニタ115に撮影画像を表示する。
【0052】
その後、X線撮影装置は撮影準備状態へと移行する。撮影準備状態では、光電変換モードにおいて、空読み後、光検出部601に暗電流が徐々に蓄積されてコンデンサ601bが飽和状態で保持されることを避けるため、(リフレッシュR及び)空読みFiを所定間隔で繰り返す。
【0053】
この検出器準備状態に行う空読みFiを所定時間間隔T1で繰り返す駆動を以後「アイドリング駆動」と呼び、アイドリング駆動を行っている検出器準備状態の期間を「アイドリング駆動期間」と呼ぶ。このアイドリング駆動期間は、どの程度続くかが実使用上、未定義のため、光検出器アレー(特にTFT)に負荷のかかる読み出し動作は極力少なくするためにT1は通常の撮影動作時よりも長く設定し、通常の読み出し駆動FrよりもTFTのON時間の短いアイドリング専用空読み駆動Fiを行う。また、リフレッシュR動作が必要なセンサの場合には、空読みFi数回に対して1回のリフレッシュR動作を行うようにする。
【0054】
そして、再びX線発生装置へ曝射要求指示が発生されると、先の撮像シーケンスを繰り返す。
【0055】
なお、本実施形態では、X線撮影装置が撮影準備シーケンス駆動を開始するタイミングを、操作者116からX線発生装置へ曝射要求信号が発生したタイミングとしたが、例えば特定の音声を認識できる手段を備えておき、X線撮影を行う直前における操作者が撮影を促す音声(例えば「息を止めて」など)を認識して、撮影準備シーケンス駆動を開始してもよい。
【0056】
また、撮影準備シーケンス駆動が終了してから、X線曝射要求信号が一定時間発生されない場合は、タイムアウトとして、操作者に通知してもよい。これは、補正用画像と暗画像との撮像条件が異なれば、補正の効果が薄れるからである。この一定時間は、例えば、素子温度などの撮影条件が大きく異なるとみなされる30秒を目安に設定しておく。
【0057】
また、本発明のX線撮影シーケンスと、従来のX線撮影シーケンスを、その撮影により自動的に切り替えてもよい。例えば、操作者が操作者インターフェース114を通じて、その撮影対象を選択すれば、それに適した撮影駆動方式が自動的に選択されるような機能を設けてもよい。すなわち、小児撮影など、そのタイミングが要求される撮影においては、本発明の撮影シーケンスが選択され、その他一般撮影には、電荷蓄積状態の時間が短い従来の撮影シーケンスが選択されるなどしてもよい。
【0058】
なお、上述した本実施形態によるX線撮像装置を構成する各機能、及び放射線撮像方法を構成する各ステップは、コンピュータのRAMやROMなどに記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明の実施形態に含まれる。
【0059】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、上記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体(光ファイバ等の有線回線や無線回線等)を用いることができる。
【0060】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全てあるいは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明の実施形態に含まれる。
【0061】
例えば、図6は、一般的なパーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図6において、1200はコンピュータPCである。PC1200は、CPU1201を備え、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、あるいはフレキシブルディスクドライブ(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、短時間の放射線曝射を行い、作業性に優れた信頼性の高い撮像装置及び撮像方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線撮像システムを示すブロック図である。
【図2】光電変換素子の等価回路図である。
【図3】光検出アレーの構成例を示す回路図である。
【図4】本発明の撮影動作におけるタイミングチャートである。
【図5】画像処理部の流れを示すブロック図である。
【図6】一般的なパーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。
【図7】従来の撮影動作におけるタイミングチャートである。
【図8】電子カセッテの概略断面図である。
【符号の説明】
101:X線検出器
104:X線室
105:X線制御室
106:システム制御器
107:撮像制御器
108:画像処理器
113:センサ切り替え部
116:操作者
115:モニタ
117:X線発生器
601:光検出部
603:スイッチング薄膜トランジスタ(TFT)
604:バイアス電源
701:光検出器アレー
702:信号読出し回路
703:ゲート駆動回路
704:タイミング制御回路
802:X線画像用フレームメモリ
803:補正用画像用フレームメモリ
Claims (9)
- 放射線発生手段から照射された放射線が被写体を透過した前記被写体の放射線像を撮像する撮像手段と、
前記放射線発生手段に放射線曝射要求信号を発生する前に前記撮像手段の撮影準備駆動を開始する撮像手順と、前記撮像手順と異なる他の撮像手順とを、指示された撮影対象によって自動的に切り替えて前記放射線発生手段及び前記撮像手段の駆動を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする撮像装置。 - 撮影対象を切り替えることができる操作者インターフェース手段を更に含み、
前記制御手段は、前記操作者インターフェース手段からの撮影対象選択の指示によって自動的に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 - 前記撮影準備駆動を開始するタイミングは、前記放射線発生手段の放射線曝射準備開始時であることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- 特定の音声を判定する音声認識手段を更に含み、前記音声認識手段の指示により、前記撮像手段の前記撮影準備駆動が開始されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 放射線発生手段により被写体に放射線を照射し、撮像手段により前記被写体の放射線像を撮像する撮像方法であって、
前記放射線発生手段に放射線曝射要求信号を発生する前に前記撮像手段の撮影準備駆動を開始する撮像手順と、前記撮像手順と異なる他の撮像手順とを、指示された撮影対象によって自動的に切り替えて前記放射線発生手段及び前記撮像手段の駆動を制御することを特徴とする撮像方法。 - コンピュータを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置の前記各手段として機能させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項5に記載の撮像方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- コンピュータを、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置の前記各手段として機能させるためのプログラム。
- 請求項5に記載の撮像方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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