JP4728536B2 - 多重露光描画方法及び多重露光描画装置 - Google Patents

多重露光描画方法及び多重露光描画装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4728536B2
JP4728536B2 JP2001278031A JP2001278031A JP4728536B2 JP 4728536 B2 JP4728536 B2 JP 4728536B2 JP 2001278031 A JP2001278031 A JP 2001278031A JP 2001278031 A JP2001278031 A JP 2001278031A JP 4728536 B2 JP4728536 B2 JP 4728536B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exposure
unit
distance
dmd
size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001278031A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003084444A (ja
JP2003084444A5 (ja
Inventor
隆志 奥山
裕之 鷲山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Orc Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Orc Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Orc Manufacturing Co Ltd filed Critical Orc Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001278031A priority Critical patent/JP4728536B2/ja
Priority to US10/188,097 priority patent/US7136087B2/en
Priority to DE10230378A priority patent/DE10230378A1/de
Publication of JP2003084444A publication Critical patent/JP2003084444A/ja
Publication of JP2003084444A5 publication Critical patent/JP2003084444A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4728536B2 publication Critical patent/JP4728536B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70383Direct write, i.e. pattern is written directly without the use of a mask by one or multiple beams
    • G03F7/704Scanned exposure beam, e.g. raster-, rotary- and vector scanning

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマトリックス状に配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて描画面上に所定のパターンを描画する描画方法及び描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述したような描画装置は一般的には適当な被描画体の表面に微細なパターンや文字等の記号を光学的に描画するために使用される。代表的な使用例としては、フォトリゾグラフィ(photolithography)の手法によりプリント回路基板を製造する際の回路パターンの描画が挙げられ、この場合には被描画体はフォトマスク用感光フィルム或いは基板上のフォトレジスト層となる。
【0003】
近年、回路パターンの設計プロセスから描画プロセスに至るまでの一連のプロセスは統合されてシステム化され、描画装置はそのような統合システムの一翼を担っている。統合システムには、描画装置の他に、回路パターンの設計を行うためのCAD(Computer Aided Design)ステーション、このCADステーションで得られた回路パターンデータ(ベクタデータ)に編集処理を施すCAM(Computer Aided Manufacturing)ステーション等が設けられる。CADステーションで作成されたベクタデータ或いはCAMステーションで編集処理されたベクタデータは描画装置に転送され、そこでラスタデータに変換された後にビット・マップ・メモリに格納される。
【0004】
露光ユニットの一タイプとして、例えばデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)或いはLCD(liquid crystal display)アレイ等から構成されるものが知られている。周知のように、DMDの反射面には、マイクロミラーがマトリックス状に配置され、個々のマイクロミラーの反射方向が独立して制御されるようになっており、このためDMDの反射面の全体に導入された光束は個々のマイクロミラーによる反射光束として分割されるようになっており、このため各マイクロミラーは変調素子として機能する。また、LCDアレイにおいては、一対の透明基板間に液晶が封入され、その双方の透明基板には互いに整合させられた多数対の微細な透明電極がマトリックス状に配置され、個々の一対の透明電極に電圧を印加するか否かにより光束の透過及び非透過が制御されるようになっており、このため各一対の透明電極が変調素子として機能する。
【0005】
描画装置には被描画体の感光特性に応じた適当な光源(例えば、超高圧水銀灯、キセノンランプ、フラッシュランプ、LED(light emitting diode)、レーザ等)が設けられ、また露光ユニットには結像光学系が組み込まれる。光源から射出した光束は適当な照明光学系を通して露光ユニットに導入させられ、露光ユニットの個々の変調素子はそこに入射した光束を回路パターンデータ(ラスタデータ)に従って変調し、これにより回路パターンが被描画体(フォトマスク用感光フィルム或いは基板上のフォトレジスト層)上に露光されて光学的に描画される。この場合、描画回路パターンの画素のサイズは変調素子のサイズに対応したものとなり、例えば、上述した結像光学系の倍率が等倍であるとき、描画回路パターンの画素のサイズと変調素子のサイズとは実質的に等しくなる。
【0006】
通常、被描画体に描画されるべき回路パターンの描画面積は露光ユニットによる露光面積よりも遥かに大きく、このため被描画体上に回路パターンの全体を描画するためには、被描画体を露光ユニットで走査することが必要となる。即ち、被描画体に対して露光ユニットを相対的に移動させつつ回路パターンを部分的に描画してその全体の回路パターンを得ることが必要となる。そこで、従来では、描画装置には、例えば、所定の走査方向に沿って移動可能な描画テーブルが設けられ、この描画テーブルの移動経路の上方に露光ユニットが固定位置に配置される。描画テーブル上には被描画体が所定位置に位置決めされ、描画テーブルを走査方向に沿って間欠的に移動させつつ回路パターンを部分的に順次描画して継ぎ足すことにより、全体の回路パターンが得られることになる。なお、このような露光方式についてはステップ・アンド・リピート(Step & Repeat)方式と呼ばれる。
【0007】
また、別のタイプの露光ユニットとして、例えばレーザビーム走査光学系から構成されるものも知られている。このようなタイプの露光ユニットを用いる描画装置にあっては、被描画体の移動方向を横切る方向にレーザビームを偏向させて該レーザビームでもって被描画体を走査すると共に該走査レーザビームを一ライン分の描画データ(ラスタデータ)でもって順次変調させることによって、所望の回路パターンの描画が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上で述べたような従来の描画装置のいずれのタイプのものにあっては、回路パターンの描画解像度は個々の描画装置で予め決められた画素サイズ(ドットサイズ)によって決まる。即ち、マトリックス状に配列された変調素子から成る露光ユニットを持つ描画装置にあっては、回路パターンの描画解像度は個々の変調素子サイズ即ち画素サイズによって決まり、またレーザビーム走査光学系を持つ描画装置にあっては、走査レーザビームのビーム径即ち画素サイズによって決まる。
【0009】
かくして、従来では、CADステーション或いはCAMステーションで回路パターンを設計する際の一画素サイズはその回路パターンを描画すべき個々の描画装置によって予め決められた画素サイズに一致させることが必要である。換言すれば、CADステーション或いはCAMステーションでの回路パターンの設計の自由度を高めるためには、種々の画素サイズに対応できる描画装置が用意されなければならないし、種々の画素サイズに対応できる描画装置を用意できなければ、CADステーション或いはCAMステーションでの回路パターンの設計の自由度が制限されるということになる。
【0010】
従って、本発明の目的は、マトリックス状に配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて描画面上に所定のパターンを描画する描画方法及び描画装置であって、パターンデータの画素サイズがどのような大きさのものであってもそのパターンデータに基づいて所定のパターンを適正に描画し得るようになった新規な多重露光描画方法及び多重露光描画装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による多重露光描画方法にあっては、マトリックス状に配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて所定のパターンが描画面上に多重露光により描画される。このような多重露光描画方法は、露光ユニットのマトリックス状に配置された変調素子の一方の配列方向に沿ってしかも該配列方向に対して所定の角度だけ傾斜させて該露光ユニットを描画面に対して相対的に移動させる移動段階と、露光ユニットの変調素子によって描画面上に得られる単位露光領域のサイズの整数倍の距離Aに該サイズより小さい距離aを加えた距離(A+a)だけ露光ユニットが描画面上に対して相対的に移動する度毎に該露光ユニットの変調素子を所定のパターンデータに基づいて選択的に露光作動させる露光段階とより成る。
【0012】
本発明による多重露光描画方法においては、露光ユニットが前記距離(A+a)だけ移動する度毎に該露光ユニットが該露光ユニットの変調素子の他方の配列方向に距離bだけ変位するように上述の角度が設定されているとき、距離a及びbについては単位露光領域のサイズの数値を割り切れるような数値としてもよいし、或いは単位露光領域のサイズの数値を割り切れないような数値とすることもできる。
【0013】
本発明による多重露光描画方法においては、露光ユニットが距離(A+a)だけ移動する度毎に一旦停止され、そこで露光段階が実施された後に該露光ユニットが再び移動させられてもよい。しかしながら、好ましくは、露光ユニットは連続的に一定速度で移動させられ、該露光ユニットの移動距離が距離(A+a)の倍数の距離に到達する度毎に露光段階が実施される。この場合、その実施時間については該露光ユニットが単位露光領域のサイズより小さい距離移動する間の時間とされる。
【0014】
本発明による多重露光描画装置はマトリックス状に配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて所定のパターンを描画面上に多重露光により描画するものであって、露光ユニットのマトリックス状に配置された変調素子の一方の配列方向に沿ってしかも該配列方向に対して所定の角度だけ傾斜させて該露光ユニットを描画面に対して相対的に移動させる移動手段と、露光ユニットの変調素子によって描画面上に得られる単位露光領域のサイズの整数倍の距離Aに該サイズより小さい距離aを加えた距離(A+a)だけ該露光ユニットが描画面上に対して相対的に移動する度毎に該露光ユニットの変調素子を所定のパターンデータに基づいて選択的に露光作動させる露光手段とを具備して成る。
【0015】
本発明による多重露光描画装置は、更に、露光ユニットが距離(A+a)だけ移動する度毎に該露光ユニットを停止させて、露光手段による露光作動が終了した後に該露光ユニットを再び移動させる間欠駆動手段を具備してもよい。別の局面にあっては、本発明による多重露光描画装置は、更に、露光ユニットを連続的に一定速度で移動させつつ該露光ユニットの移動距離が距離(A+a)の倍数の距離に到達する度毎に露光手段による露光作動を実施させる際にその実施時間について該露光ユニットが単位露光領域のサイズより小さい距離移動する間の時間として設定する時間設定手段を具備してもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して、本発明による多重露光描画装置の実施形態について説明する。
【0020】
先ず、図1を参照すると、本発明による多重露光描画装置の第1実施形態が斜視図として概略的に示され、この多重露光描画装置はプリント回路基板を製造するための基板上のフォトレジスト層に回路パターンを直接描画するように構成されているものである。
【0021】
図1に示すように、多重露光描画装置は床面上に据え付けられる基台10を具備し、この基台10上には一対のガイドレール12が平行に敷設される。一対のガイドレール12上には描画テーブル14が搭載され、この描画テーブル14は図1には図示されない適当な駆動機構例えばボール螺子等をステッピングモータ等のモータで駆動することにより一対のガイドレール12に沿って移動し得るようになっている。描画テーブル14上にはフォトレジスト層を持つ基板即ち被描画体が設置され、このとき該被描画体は図示されない適当なクランプ手段によって描画テーブル14上で適宜固定され得るようになっている。
【0022】
図1に示すように、基台10上には一対のガイドレールを跨ぐようにゲート状構造体16が設けられ、このゲート状構造体16の上面には複数の露光ユニットが描画テーブル14の移動方向に対して直角方向に二列に配列される。第1列目には8つの露光ユニットが含まれ、これら露光ユニットのそれぞれは参照符号181、182、183、184、185、186、187及び188で示される。また、第2列目には7つの露光ユニットが含まれ、これら露光ユニットのそれぞれは201、202、203、204、205、206及び207で示される。第1列目の露光ユニット(181、…188)と第2列目の露光ユニット(201、…207)とは所謂千鳥状に配置される。即ち、第1列目及び第2列目の露光ユニット(181、…188;201、…207)の配列ピッチは共に等しく露光ユニットのほぼ2つ分の幅とされるが、第2列目の露光ユニット(201、…207)の配列ピッチは第1列目の露光ユニット(181、…188)の配列ピッチに対して半ピッチだけずらされている。
【0023】
本実施形態では、各露光ユニット(181、…188;201、…207)はDMDユニットとして構成され、このDMDユニットの反射面は例えば1024×1280のマトリックス状に配列されたマイクロミラーから形成される。各DMDユニットの設置については、描画テーブル14の移動方向に沿って1024個のマイクロミラーが配列されるように行われる。換言すれば、描画テーブル14の移動方向に対して横切る方向に1280個のマイクロミラーが配列されることになる。
【0024】
図1に示すように、ゲート状構造体16の上面の適当な箇所には光源装置22が設けられ、この光源装置22には複数のLED(light emitting diode)が含まれ、これらLEDから得られる発光は集光されて平行光束として光源装置22の射出口から射出されるようになっている。光源装置22の射出口には15本の光ファイバケーブル束が接続され、個々の光ファイバケーブル30は15個のDMDユニット(181、…188;201、…207)のそれぞれに対して延設され、これにより光源装置22から各DEDユニットに対して光が導入されるようになっている。
【0025】
図2を参照すると、DMDユニット(181、…188;201、…207)の機能が概念図として図示されている。同図において、参照符号24は各DMDユニットの反射面を示し、この反射面24は既に述べたように1024×1280のマトリックス状に配列されたマイクロミラーから形成される。また、図2に示すように、各DMDユニットには、参照符号26で全体的に示す照明光学系と、参照符号28で全体的に示す結像光学系とが組み込まれる。
【0026】
照明光学系26は凸レンズ26A及びコリメートレンズ26Bを含み、凸レンズ26Aは光源22から延設された光ファイバケーブル30と光学的に結合される。このような照明光学系26により、光ファイバケーブル30から射出した光束はDMDユニット(181、…188;201、…207)の反射面24の全体を照明するような平行光束LBに成形される。結像光学系28には第1の凸レンズ28Aと、リフレクタ28Bと、第2の凸レンズ28Cが含まれ、この結像光学系28の倍率は例えば等倍(倍率1)とされる。
【0027】
各DMDユニット(181、…188;201、…207)に含まれる個々のマイクロミラーはそこに入射した光束を結像光学系28に向けて反射させる第1の反射位置と該光束を結像光学系28から逸らすように反射させる第2の反射位置との間で回動変位するように動作させられる。図2では、任意のマイクロミラーが第1の反射位置に置かれたとき、そこから反射されて結像光学系28に入射された光束の光軸が参照符号LB1で示され、同マイクロミラーが第2の反射位置に置かれたとき、そこから反射されて結像光学系28から逸らされた光束の光軸が参照符号LB2で示されている。
【0028】
図2において、描画テーブル14上に設置された被描画体の描画面が参照符号32で示され、この描画面32上には、結像光学系28に入射された光束(LB1)によってマイクロミラーの反射面が結像される。例えば、各DMDユニット(181、…188;201、…207)に含まれる個々のマイクロミラーのサイズが20μm×20μmであるとすると、結像光学系28の倍率は等倍であるから、マイクロミラーの反射面は描画面32上の20μm×20μmの露光領域として結像される。なお、個々のマイクロミラーによって得られる露光領域については以下で単位露光領域として言及される。
【0029】
各描画ユニット(181、…188;201、…207で、個々のマイクロミラーは通常は第2の反射位置即ち非露光位置に置かれているが、露光作動を行うとき、マイクロミラーは第2の反射位置(非露光位置)から第1の反射位置即ち露光位置に回動変位させられる。マイクロミラーの非露光位置から露光位置への回動変位の制御については、後述するように回路パターンデータ(ラスタデータ)に従って行われる。なお、図2においては、図示の都合上、結像光学系28から逸らされた光束(LB2)も描画面32に向けられているが、しかし実際にはそのような光束(LB2)については描画面32に到達しないように処理されることは言うまでもない。
【0030】
各DMDユニット(181、…188;201、…207)に含まれる全てのマイクロミラーが第1の反射位置即ち露光位置に置かれたときは、全てのマイクロミラーから反射された全光束(LB1)が結像光学系28に入射させられ、このため描画面32上にはDMDユニットの反射面による全露光領域が得られ、その全露光領域のサイズについては(1024×20)μm×(1280×20)μmとなり、そこに含まれる総画素数は勿論1024×1280個となる。
【0031】
ここで以下の説明の便宜上、図3に示すように、被描画体の描画面32を含む平面上にX−Y直交座標系が定義される。なお、同図において、参照符号Z181ないしZ188で示される斜線領域は第1列目の8つのDMDユニット(181、…188)のそれぞれによってX−Y平面上で得られる全露光領域であり、参照符号Z201ないしZ207で示される斜線領域は第2列目の7つのDMDユニット(201、…207)のそれぞれによってX−Y平面上で得られる全露光領域である。なお、X−Y直交座標系に対する描画テーブル14の相対位置を明らかにするために該描画テーブル14が想像線(二点鎖線)で図示されている。
【0032】
図3から明らかなように、X−Y直交座標系のX軸はDMDユニット(181、…188;201、…207)の配列方向に対して直角とされ、このため各DMDユニット内の1024×1280個のマイクロミラーもX−Y直交座標系のX軸及びY軸に沿ってマトリックス状に配列される。図3では、X−Y直交座標系の座標原点は第1列目のDMDユニット181によって得られる全面露光領域の角に一致しているように図示されているが、正確には、座標原点は第1列目のDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーのうちの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域の中心に位置する。上述したように、本実施形態では、単位露光領域のサイズは20μm×20μmであるので、Y軸は第1列目の露光ユニット(181、…188)による全露光領域(Z181、…Z188)の境界から10μmだけ内側に侵入したものとなっている。換言すれば、第1列目の8つのDMDユニット(181、…188)のそれぞれの第1ラインに含まれる1280個のマイクロミラーの中心はY軸上に位置することになる。
【0033】
図3において、矢印ARは描画テーブル14の移動方向を示し、その移動方向はX軸に対して角度αだけ傾斜させられる。従って、描画テーブル14が矢印ARの方向に向かって移動するにつれ、全露光領域(Z181、…Z188;Z201、…Z207)は描画テーブル14上をY軸の負側に向かってシフトすることになる。図3では、描画テーブル14の移動方向がX軸に対して傾斜させられているが、描画テーブル14の移動方向をX軸に対して平行として、露光ユニットの配列方向をY軸に対して傾斜させるようにしてもよい。なお、後の記載から明らかなように、角度αはきわめて小さな角度とされるが、図3では誇張して示されている。
【0034】
本実施形態では、多重露光描画装置による描画作動時、描画テーブル14はX軸に沿ってその負側に間欠的に移動させられ、これにより描画テーブル14上の被描画体はDMDユニット(181、…188;201、…207)の個々のマイクロミラーからの反射光束でもって走査され得る。従って、描画テーブル14の移動中、先ず、第1列目のDMDユニット(181、…188)を露光作動させて8つの全面露光領域(Z181、…Z188)を描画面32上に形成した後に、所定のタイミングだけ遅れて第2列目のDMDユニット(201、…207)を露光動作させて7つの全面露光領域(Z201、…Z207)を描画面32上に形成することにより、8つの全面露光領域(Z181、…Z188)と7つの全面露光領域(Z201、…Z207)とを描画面32上でY軸方向に沿って整列させることが可能である。かくして、第1列目のDMDユニット(181、…188)と第2列目のDMDユニット(201、…207)とによる描画面32上での回路パターンの描画が可能となる。
【0035】
本発明による多重露光描画装置にあっては、描画テーブル14を所定の移動間隔で間欠的に移動させつつ、回路パターンデータ(ラスタデータ)に従って回路パターンを多重露光により描画する描画法が採られ、このような描画法の原理について以下に説明する。
【0036】
図4を参照すると、DMDユニット181によって描画面32上に投影される全面露光領域の一部が示され、この全面露光領域は個々のマイクロミラーから得られる単位露光領域U(n,m)から成る。ここで、NはDMDユニット181のY軸方向に沿うライン番号を示し、MはDMDユニット181のY軸方向に沿う行番号を示し、本実施形態では、1≦n≦1024及び1≦m≦1280となる。要するに、図4において、単位露光領域(U(1,1)、U(1,2)、U(1,3)、U(1,4)、U(1,5)、…)はDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーから得られるものであり、単位露光領域(U(2,1)、U(2,2)、U(2,3)、U(2,4)、U(2,5)、…)はDMDユニット181のY軸に沿う第2ラインのマイクロミラーから得られるものであり、単位露光領域(U(3,1)、U(3,2)、U(3,3)、U(3,4)、U(3,5)、…)はDMDユニット181のY軸に沿う第3ラインのマイクロミラーから得られるものである。
【0037】
描画テーブル14がX軸に沿ってその負側に移動させられると、被描画体の描画面32上の描画開始位置がY軸に到達し、そこで一旦描画テーブル14は停止させられる。ここで説明の便宜上、DMDユニット181が描画テーブル14に対してX軸の正側に向かって移動させられるものとすると、DMD181が描画面32上の描画開始位置に到達すると、そこで一旦停止させられるということになる。描画開始位置とは第1回目露光位置のことであり、その第1回目露光位置でDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーが所定の回路パターンのラスタデータに従って動作させられて第1回目の露光作動が行われる。
【0038】
第1回目の露光作動が終了すると、DMDユニット181は再びX軸に沿ってその正側に移動させられ、その移動量が(A+a)となったとき、DMDユニット181は停止され、その停止位置は第2回目露光位置となる。ここで、Aは単位露光領域のサイズ(20μm)の整数倍とされ、aは単位露光領域のサイズより小さい値とされる。例えば、Aが単位露光領域のサイズの4倍(80μm)であるとき、第2回目露光位置では、DMDユニット181のY軸に沿う第1ラインないし第5ラインのマイクロミラーが所定の回路パターンのラスタデータに従って動作させられて第2回目の露光作動が行われる。
【0039】
第2回目の露光作動が終了すると、DMDユニット181は更にX軸に沿ってその正側に移動量(A+a)だけ移動させられて停止され、その停止位置は第3回目露光位置となる。第3回目露光位置では、DMDユニット181のY軸に沿う第1ラインないし第9ラインのマイクロミラーが所定の回路パターンのラスタデータに従って動作させられて第3回目の露光作動が行われる。要するに、このようにDMDユニット181がX軸に沿ってその正側に移動量(A+a)だけ移動させられる度毎に停止されて露光作動が繰り返される。
【0040】
既に述べたように、描画テーブル14の移動方向はX軸に対して角度αだけ傾斜させられているので(図3)、DMDユニット181がX軸に沿ってその正側に移動量(A+a)だけ移動させられる度毎に単位露光領域U(n,m)はY軸に沿ってその負側に所定距離だけシフトすることになる。図5を参照すると、第1回目露光位置での単位露光領域U(n,m)が破線で示され、第2回目露光位置での単位露光領域U(n,m)が一点鎖線で示され、第3回目露光位置での単位露光領域U(n,m)が実線で示され、それら単位露光領域U(n,m)のY軸の負側に沿う移動距離がbで示されている。
【0041】
ここで、例えば、DMDユニット181の第1回目露光位置でそのY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(1,1)、U(1,2)、U(1,3)、U(1,4)、…)に注目すると、これら単位露光領域(U(1,1)、U(1,2)、U(1,3)、U(1,4)、…)に対して、DMDユニット181の第2回目露光位置でそのY軸に沿う第5ラインのマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(5,1)、U(5,2)、U(5,3)、U(5,4)、…)がX軸及びY軸に沿ってそれぞれ+a及び−bだけずれて互いに重なり合い、またDMDユニット181の第3回目露光位置でそのY軸に沿う第9ラインのマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(9,1)、U(9,2)、U(9,3)、U(9,4)、…)は、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ+2a及び−2bだけずれて互いに重なり合うことになる。なお、図5では、3つの互いに重なり合う単位露光領域U(1,1)、U(5,1)及びU(9,1)がそれぞれ破線、一点鎖線及び実線の引出し線で例示的に示されている。
【0042】
図6を参照すると、上述したように互いに重なり合う単位露光領域(U(1,1)、U(1,2)、U(1,3)、U(1,4)、…;U(5,1)、U(5,2)、U(5,3)、U(5,4)、…;U(9,1)、U(9,2)、U(9,3)、U(9,4)、…)の個々の中心が黒丸で示され、このときDMDユニット181のY軸に沿う各ライン(第1ライン、第5ライン及び第9ライン)のマイクロミラーによって得られる互いに隣接した中心位置間の距離は20μmとなる。ここで、上述した例のように、距離Aが単位露光領域U(n,m)のサイズ(20μm)の4倍とされるとき、距離a及びbを適当に選ぶことにより、個々の単位画素領域と同じ大きさの面積(20μm×20μm)内に単位露光領域の中心を均一に分布させることができる。
【0043】
例えば、図7に示すように、単位露光領域と同じ大きさの面積(20μm×20μm)内に256個の単位露光領域の中心を分布させるためには、X軸及びY軸に沿ってそれぞれ256個の単位露光領域の中心を16個ずつ配列させればよいことになる。即ち、距離a及びbは以下の計算によって求められる。
Figure 0004728536
【0044】
なお、言うまでもないが、距離bを0.078125μmに設定するということは、描画テーブル14がX軸の負側に距離(A+a=81.25μm)だけ移動したとき、個々の単位露光領域U(N,M)がY軸の負側に0.078125μmだけシフトするように描画テーブル14の移動方向の角度αを設定するということに他ならない。
【0045】
図7において、参照符号CN1で示される中心が例えば第1回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(1,1)のものであるとすると、先の記載から明らかなように、中心CN2は第2回目露光位置におけるDMD181のY軸に沿う第5ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(5,1)のものであり、中心CN3は第3回目露光位置におけるDMD181のY軸に沿う第9ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(9,1)のものとなる。即ち、一般的に、中心CNk(1≦k≦256)が第k回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第nラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(n,1)のものであるとすると、nは以下の式で表せる。
n=(k−1)*4+1
【0046】
例えば、図7に示すように、中心CN16は第16回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第61ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(61,1)のものとなり、中心CN17は第17回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第65ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(65,1)のものとなる。同様に、中心CN241は第241回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第961ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(961,1)のものとなり、中心CN256は256回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第1021ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域U(1021,1)のものとなる。
【0047】
かくして、第1列目のDMDユニット(181、…188)及び第2列目のDMDユニット(201、…207)に対して描画テーブル14が上述した条件下でX軸の負側に間欠的に移動させられると、図8に部分的に示されるように、それらDMDユニット(181、…188;201、…207)の個々のマイクロミラーよって得られる単位露光領域の中心がX軸及びY軸のそれぞれに沿ってピッチa及びbで描画面32の全体にわたって配列されることになる。図8から明らかなように、個々の単位画素領域と同じ大きさの面積(20μm×20μm)内には256個の単位露光領域の中心が均一に分布させられる。
【0048】
DMDユニット(181、…188;201、…207)の個々のマイクロミラーによって得られる単位露光領域の中心を描画面32の全体にわたって更に高密度に分布させることもできる。例えば、20μm×20μmの面積内に512個の単位露光領域の中心を均一に配列させることも可能であり、この場合には、距離Aについては単位露光領域のサイズの2倍(40μm)とされ、距離aについては1.25μm/2とされ、距離bについては0.078125μm/2とされる。
【0049】
一方、図8に示す例では、単位露光領域の中心はY軸に沿って平行に配列されているが、距離a及びbの値を僅かに変化させることによって、図9に示すように、単位露光領域の中心をY軸に沿って斜めに配列させることも可能である。図9の例では、距離aについては1.25μmに0.0049μmを加えた1.2549μmとされ、距離bについては0.078125μmに0.000306μmを加えた0.078431とされる。このような値の距離a及びbで単位露光領域のサイズ(20μm)を除したとき、余りがでるので、描画テーブル14をX軸の負側に(A+a)ずつ移動させると、その余り分だけ単位露光領域の中心位置がX軸方向にずれ、このため単位露光領域の中心が図9に示すようにY軸に沿って斜めに配列させられることになる。例えば、図7を参照して具体的に説明すると、a=1.25μmのとき、20μmはaで割り切れるために、中心CN17は中心CN1に対してY軸に沿って整列するが、しかしa=1.2549μmのとき、中心CN17は中心CN1に対してX軸の正側に0.0049μmだけずれることになり、このため単位露光領域の中心は図9に示すようにY軸に沿って斜めに配列されることになる。
【0050】
本発明による多重露光描画装置で回路パターンデータ(ラスタデータ)に基づいて回路パターンの描画が行われるとき、該回路パターンデータの画素サイズがどのようなサイズであっても、その回路パターンを描画することが可能である。換言すれば、本発明による多重露光描画装置側には、描画されるべき回路パターンに対する画素の概念は存在しない。
【0051】
例えば、回路パターンデータ(ラスタデータ)の画素サイズが20μm×20μmであり、しかも任意の1ビットデータに“1”が与えられているとすると、露光作動時に個々の単位露光領域U(n,m)の中心がその1ビットデータに対応する一画素領域(20μm×20μm)に含まれているとき、該単位露光領域U(n,m)に対応したマイクロミラーが該1ビットデータによって動作されて第2の反射位置(非露光位置)から第1の反射位置(露光位置)に回動させられ、これによりかかる一画素領域(20μm×20μm)が露光される。従って、図8或いは図9に示すような例にあっては、一画素領域(20μm×20μm)は総計256回にわたって多重露光を受けることになる。
【0052】
また、別の例として、回路パターンデータ(ラスタデータ)の画素サイズが10μm×10μmであり、しかも任意の1ビットデータに“1”が与えられているとすると、露光作動時に個々の単位露光領域U(n,m)の中心がその1ビットデータに対応する一画素領域(10μm×10μm)に含まれているとき、該単位露光領域U(n,m)に対応したマイクロミラーが該1ビットデータによって動作されて第2の反射位置(非露光位置)から第1の反射位置(露光位置)に回動させられ、これによりかかる一画素領域(10μm×10μm)が露光される。従って、図8或いは図9に示すような例にあっては、一画素領域(10μm×10μm)は総計64(8×8)回にわたって多重露光を受けることになる。
【0053】
更に、別の例として、回路パターンデータ(ラスタデータ)の画素サイズが30μm×30μmであり、しかも任意の1ビットデータに“1”が与えられているとすると、露光作動時に個々の単位露光領域U(n,m)の中心がその1ビットデータに対応する一画素領域(30μm×30μm)に含まれているとき、該単位露光領域U(n,m)に対応したマイクロミラーが該1ビットデータによって動作されて第2の反射位置(非露光位置)から第1の反射位置(露光位置)に回動させられ、これによりかかる一画素領域(30μm×30μm)が露光される。従って、図8或いは図9に示すような例にあっては、一画素領域(30μm×30μm)は総計576(24×24)回にわたって多重露光を受けることになる。
【0054】
なお、露光時間、即ち個々のマイクロミラーが露光位置(第1の反射位置)に留められる時間については、一画素領域内での露光回数、被描画体(本実施形態では、フォトレジスト層)の感度、光源装置22の光強度等に基づいて決められ、これにより各一画素露光領域について所望の露光量が得られるようにされる。
【0055】
図10を参照すると、本発明による多重露光描画装置の制御ブロック図が示される。同図に示すように、本発明による多重露光描画装置にはシステムコントロール回路34が設けられ、このシステムコントロール回路34は例えばマイクロコンピュータから構成される。即ち、システムコントロール回路34は中央演算処理ユニット(CPU)、種々のルーチンを実行するためのプログラム、定数等を格納する読出し専用メモリ(ROM)、データ等を一時的に格納する書込み/読出し自在なメモリ(RAM)及び入出力インターフェース(I/O)から成り、多重露光描画装置の作動全般を制御する。
【0056】
図10において、参照符号36は描画テーブル14をX軸方向に沿って駆動させるための駆動モータを示す。勿論、描画テーブル14と駆動モータ36との間には先に述べたようにボール螺子等を含む駆動機構が介在させられるが、そのような駆動機構については図10では破線矢印で象徴的に示されている。駆動モータ36は例えばステッピングモータとして構成され、その駆動制御は駆動回路38から出力される駆動パルスに従って行われる。
【0057】
駆動回路38は描画テーブル制御回路40の制御下で動作させられ、この描画テーブル制御回路40は描画テーブル14に設けられた描画テーブル位置検出センサ42に接続される。描画テーブル位置検出センサ42は描画テーブル14の移動経路に沿って設置されたリニアスケール44からの光信号を検出して描画テーブル14のX軸方向に沿うその位置を検出するものである。なお、図10では、リニアスケール44からの光信号の検出が破線矢印で象徴的に示されている。
【0058】
描画テーブル14の移動中、描画テーブル位置検出センサ42はリニアスケール44から一連の光信号を順次検出して一連の検出信号(パルス)として描画テーブル制御回路40に対して出力する。描画テーブル制御回路40では、そこに入力された一連の検出信号が適宜処理され、その検出信号に基づいて一連の制御クロックパルスが作成される。描画テーブル制御回路40からは一連の制御クロックパルスが駆動回路38に対して出力され、駆動回路38ではその一連の制御クロックパルスに従って駆動モータ36に対する駆動パルスが作成される。要するに、リニアスケール44の精度に応じた正確さで描画テーブル14をX軸方向に沿って移動させることができる。なお、このような描画テーブル14の移動制御自体は周知のものである。
【0059】
図10に示すように、描画テーブル制御回路40はシステムコントロール回路34に接続され、これにより描画テーブル制御回路40はシステムコントロール回路34の制御下で行われる。一方、描画テーブル位置検出センサ42から出力される一連の検出信号(パルス)は描画テーブル制御回路40を介してシステムコントロール回路34にも入力され、これによりシステムコントロール回路34では描画テーブル14のX軸に沿う移動位置を常に監視することができる。
【0060】
システムコントロール回路34はLAN(local area network)を介してCADステーション或いはCAMステーションに接続され、CADステーション或いはCAMステーションからはそこで作成処理された回路パターンデータ(ベクタデータ)がシステムコントロール回路34に転送される。システムコントロール回路34にはデータ格納手段としてハードディスク装置46が接続され、CADステーション或いはCAMステーションから回路パターンデータ(ベクタデータ)がシステムコントロール回路34に転送されると、システムコントロール回路34は回路パターンデータ(ベクタデータ)を一旦ハードディスク装置46に書き込んで格納する。また、システムコントロール回路34には外部入力装置としてキーボード48が接続され、このキーボード48を介して種々の指令信号や種々のデータ等がシステムコントロール回路34に入力される。
【0061】
図10において、参照符号50はラスタ変換回路を示し、このラスタ変換回路50はシステムコントロール回路34の制御下で動作させられる。描画作動に先立って、ハードディスク装置46から回路パターンデータ(ベクタデータ)が読み出されてラスタ変換回路50に出力され、この回路パターンデータ(ベクタデータ)はラスタ変換回路50によってラスタデータに変換され、このラスタデータはビット・マップ・メモリ52に書き込まれる。要するに、ビット・マップ・メモリ52には回路パターンデータとして二値化データ即ちビットデータとして格納される。ラスタ変換回路50でのデータ変換処理及びビット・マップ・メモリ52でのデータ書込みについてはキーボード48を介して入力される指令信号により行われる。
【0062】
図10において、参照符号54は読出しアドレスメモリを示し、この読出しアドレスメモリ54はシステムコントロール回路34の制御下で動作させられる。読出しアドレスメモリ54にはDMDユニット(181、…188;201、…207)が露光作動させられる際にビット・マップ・メモリ52から読み出されるべきビットデータの読出しアドレスデータが格納され、このような読出しアドレスデータはDMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動が繰り返される度毎に書き換えられる。なお、読出しアドレスデータの書換えについては後で詳しく説明する。
【0063】
読出しアドレスメモリ54から一連の読出しアドレスデータがビット・マップ・メモリ52に対して出力されると、その読出しアドレスデータに従ってビット・マップ・メモリ52からは所定のビットデータがDMD駆動回路56に対して出力され、DMD駆動回路56はそのビットデータに基づいてDMDユニット(181、…188;201、…207)を作動し、これにより各DMDユニットの個々のマイクロミラーは選択的に露光作動を行うことになる。なお、図10では、個々のマイクロミラーの露光作動が破線矢印で象徴的に図示されている。
【0064】
図11を参照すると、ビット・マップ・メモリ52上に展開された回路パターンデータ(ラスタデータ)の一部が模式的に示されている。同図に示すライン番号Lは描画面32上に描画されるべき回路パターンのY軸に沿う描画ライン番号に対応し、各ラインには1280×15個のビットデータが含まれる。同図に示すように、個々のビットデータは“B”で示され、この“B”には描画されるべき回路パターンに従って“1”か“0”のうちのいずれかの値が与えられる。
【0065】
本発明によれば、回路パターンデータ(ラスタデータ)の一画素サイズ(即ち、個々のビットデータ“B”のサイズ)についてはその回路パターンの設計段階で種々の大きさを与えることが可能である。例えば、ビットデータ“B”のサイズが10μm×10μmであれば、描画面32上に描かれるべき描画ラインの幅も10μmとなり、ビットデータ“B”のサイズが20μm×20μmであれば、描画ラインの幅も20μmとなり、ビットデータ“B”のサイズが30μm×30μmであれば、描画ラインの幅も30μmとなる。
【0066】
図11に示すように、各ラインに含まれる1280×15個のビットデータは1280ビット毎に第1番目ないし第15番目のグループに分けられる。第1列目の8つのDMDユニット(181、…188)のそれぞれの露光作動については奇数番目のグループのビットデータに従って行われ、第2列目の7つのDMDユニット(201、…207)のそれぞれの露光作動については偶数番目のグループのビットデータに従って行われる。
【0067】
各グループの個々のビットデータ“B”に対しては、図12に模式的に示すようなアドレスデータ[Lx,Ry]が与えられる。アドレスデータ成分Lxはライン番号L(図11)を示し、アドレスデータ成分Ryは各グループの最上ビットから数えて何ビット目に当たるかを表す。例えば、アドレスデータ[000001,0001]は各グループのライン番号1の最上位ビットのビットデータ“B”を表し、アドレスデータ[000003,0001]は各グループのライン番号3の最上位ビットのビットデータ“B”を表し、またアドレスデータ[000001,1278]は各グループのライン番号1の最上位ビットから数えて1278番目のビットデータ“B”を表し、アドレスデータ[000003,1278]は各グループのライン番号3の最上位ビットから数えて1278番目のビットデータ“B”を表し、更にアドレスデータ[000001,1280]は各グループのライン番号1の最下位ビットのビットデータ“B”を表し、アドレスデータ[000003,1280]は各グループのライン番号3の最下位ビットのビットデータ“B”を表す。
【0068】
図13に模式的に示すように、読出しアドレスメモリ54内には、8つのメモリ領域AD181ないしAD188と7つのメモリ領域AD201ないしAD207との総計15個のメモリ領域が含まれる。メモリ領域AD181ないしAD188のそれぞれには、図11に示す奇数番目のビットデータ“B”の読出しアドレス[Lx,Ry]が格納され、またメモリ領域AD201ないしAD207のそれぞれには、図11に示す偶数番目のビットデータ“B”の読出しアドレス[Lx,Ry]が格納される。各メモリ領域(AD181、…AD188;AD201、…AD207)には最大記憶容量としてそれぞれの該当グループにおける1024ライン分のビットデータ“B”の読出しアドレスデータ[Lx,Ry]を格納し得る容量が与えられる。
【0069】
既に述べたように、各露光作動毎に各DMDユニット(181、…188;201、…207)の個々のマイクロミラーによって得られる単位露光領域はX軸の正側に所定距離(A+a)だけ移動させられので、各DMDユニットの個々のマイクロミラーが各露光位置でどのビットデータ“B”に従って動作させられるべきかを描画作動前に確定することが必要である。また、各DMDユニットの個々のマイクロミラーが各露光位置でどのビットデータ“B”に従って動作させられるべきかについては、各DMDユニットの露光作動毎の移動距離(A+a)だけでなくビットデータ“B”サイズによっても変動する。
【0070】
図14を参照して、第1列目のDMDユニット181の個々のマイクロミラーが各露光位置でどのビットデータ“B”に従って動作されるべきかについて以下に説明する。
【0071】
先ず、図14について説明すると、第1列目のDMDユニット181に含まれる1024×1280個のマイクロミラーによって得られる単位露光領域の一部(U(1,1)、U(1,2)、U(1,3)、U(1,4)、U(1,5);U(2,1)、U(2,2)、U(2,3)、U(2,4)、U(2,5);U(3,1)、U(3,2)、U(3,3)、U(3,4)、U(3,5))の輪郭が破線で示され、これら単位露光領域の中心がそれぞれ“×”で表されると共に参照符号CN(1,1)、CN(1,2)、CN(1,3)、CN(1,4)及びCN(1,5)と、CN(2,1)、CN(2,2)、CN(2,3)、CN(2,4)及びCN(2,5)と、CN(3,1)、CN(3,2)、CN(3,3)、CN(3,4)及びCN(3,5)とで示されている。同図から明らかなように、DMDユニット181のY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーに対応する単位露光領域の中心(CN(1,1)、CN(1,2)、CN(1,3)、CN(1,4)、CN(1,5)、…)はY軸上に位置している。換言すれば、DMDユニット181は描画面32上の描画開始位置即ち第1回目露光位置に位置されている。
【0072】
また、図14では、描画面32上の描画領域が20μm×20μmの格子に区分される。DMDユニット181によって露光作動が上述したように順次繰り返されると、各格子領域(20μm×20μm)内には図8或いは図9に示すように256個の単位露光領域の中心が均一に分布させられることになる。
【0073】
ここで、もしビットデータ“B”のサイズが10μm×10μmであるとすると、図11に示す第1番目のグループのライン番号1のビットデータのうち例えばアドレスデータ[000001,0001]のビットデータ“B”により定義される一画素領域は図15に示すような斜線領域HZ10となる。同様に、ビットデータ“B”のサイズが20μm×20μmであれば、図11に示す第1番目のグループのライン番号1のビットデータのうちのアドレスデータ[000001,0001]のビットデータ“B”により定義される一画素領域は図16に示すような斜線領域HZ20となる。また、ビットデータ“B”のサイズが30μm×30μmであれば、図11に示す第1番目のグループのライン番号1のビットデータのうちのアドレスデータ[000001,0001]のビットデータ“B”により定義される一画素領域は図17に示すような斜線領域HZ30となる。更に、ビットデータ“B”のサイズが40μm×40μmのときには、図11に示す第1番目のグループのライン番号1のビットデータのうちのアドレスデータ[000001,0001]のビットデータ“B”により定義される一画素領域は図18に示すような斜線領域HZ40となる。従って、描画面32上で回路パターンを描画する際の描画領域のY軸に沿う負側の境界線はビットデータ“B”のサイズによって変動する。即ち、図1に示す境界線BO10、BO20、BO30、BO40はビットデータ“B”のサイズがそれぞれ10μm×10μm、20μm×20μm、30μm×30μm及び40μm×40μmの場合の境界線を示す。
【0074】
以上述べたことを念頭に置いて、DMDユニット181の個々のマイクロミラーと各露光位置でのビットデータ“B”との関係について説明する。
【0075】
先ず、DMDユニット181が露光開始位置即ち第1回目露光位置に置かれている場合にその任意のマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(n,m))の中心CN(n,m)のX−Y座標については以下のように表される。
Figure 0004728536
【0076】
ここで、DMDユニット181が第1回目露光位置から距離(A+a)ずつ順次移動させられて第i回目露光位置まで到達したとすると、座標P[x(n),y(m)]のX成分x(n)及びY成分y(m)は以下のように変化する。
x(n)=(i−1)(A+a)−(n−1)C … (1)
y(m)=(m−1)C−(i−1)b … (2)
ここで、“i”は露光回数であり、“C”は単位露光領域のサイズCである。勿論、本実施形態では、C=20μmであり、A=4Cである。
【0077】
第i回目露光位置において、任意のマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(n,m))の中心CN(n,m)の座標P[x(n),y(m)]が或る一画素領域内に含まれるとき、その一画素領域に対応するビットデータ“B”のアドレス[Lx,Ry]は上述の2つの式(1)及び(2)の演算結果を用いて以下の式で表せる。
x=INT[x(n)/PS]+1 … (3)
y=INT[y(m)/PS]+1 … (4)
ここで、一般的に、除算e/fが行われるとき、演算子INT[e/f]は除算e/fの商を表し、e<fのとき、INT[e/f]=0として定義される。また、“PS”はビットデータ“B”のサイズを表す。
【0078】
かくして、第i回目露光位置では、座標P[x(n),y(m)]に対応したマイクロミラーは上述の2つの式(3)及び(4)の演算結果によって決まるアドレス[Lx,Ry]のビットデータ“B”に従って動作されることになる。
【0079】
上述の式(1)の演算結果、即ち座標P[x(n),y(m)]のX成分の演算結果が以下の関係となったとき、
x(n)<0
座標P[x(n),y(m)]は未だ描画面32上の描画領域に侵入していないことになる。従って、この場合には、座標P[x(n),y(m)]に対応したマイクロミラーを動作すべきビットデータは存在しないことになり、このとき該マイクロミラーはダミーデータ“0”に従って動作させられる。
【0080】
また、上述の式(2)の演算結果y(m)、即ち座標P[x(n),y(m)]のY成分の演算結果が以下の関係となったとき、
y(m)<0 かつ |y(m)|>PS
座標P[x(n),y(m)]はビットデータ“B”の一画素サイズ(PS)によって決まる描画領域のY軸に沿う負側の境界線(BO10、BO20、BO30、BO40)を越えることになる。従って、この場合にも、座標P[x(n),y(m)]に対応したマイクロミラーを動作すべきビットデータは存在しないことになり、このとき該マイクロミラーはダミーデータ“0”に従って動作させられる。
【0081】
第1列目のその他のDMDユニット(182、…188)のそれぞれの任意のマイクロミラーを各露光動作時にどのビットデータ“B”によって動作させるべきかも上述の場合と同様な態様で確定することが可能であるが、しかしその場合には、上述の演算時にDMDユニット(182、…188)の各々がDMDユニット181よりも座標原点からY軸に沿って正側に離れていることが考慮されなければならない。また、第2列目のDMDユニット(201、…207)のそれぞれの任意のマイクロミラーを各露光動作時にどのビットデータ“B”によって動作させるべきかも上述の場合と同様な態様で確定することが可能であるが、しかしその場合には、上述の演算時にDMDユニット(201、…207)の各々がDMDユニット181よりも座標原点からX軸に沿って負側にしかもY軸に沿って正側に離れていることが考慮されなければならない。
【0082】
図19を参照すると、システムコントロール回路34で実行される描画ルーチンのフローチャートが示され、この描画ルーチンの実行は多重露光描画装置の電源スイッチ(図示されない)をオンすることにより開始される。
【0083】
ステップ1901では、キーボード48上に割り当てられた描画開始キーが操作されたか否かが判断される。なお、描画開始キーの操作前には、回路パターンデータ(ベクタデータ)からラスタデータへの変換処理が行われていてビット・マップ・メモリ52には回路パターンデータ(ラスタデータ)が既に展開され、また描画ルーチンの実行に必要な種々のデータ、例えば距離A、距離a、描画時間及び描画テーブル14の移動速度等のデータについてはキーボード48を介して入力されてシステムコントロール回路34のRAMに既に格納されているものとする。
【0084】
ステップ1901で描画開始キーの操作が確認されると、ステップ1902に進み、そこで駆動モータ36が始動されて描画テーブル14がその原点位置からX軸の負側に向かって所定の速度で移動させられる。換言すれば、第1列目のDMDユニット(181、…188)と第2列目のDMDユニット(201、…207)とが描画テーブル14に対してX軸の正側に移動することとなる。なお、ここでは、描画テーブル14上には被描画体が所定位置に設置されていて、その被描画体の描画面上の描画開始位置は描画テーブル14の原点位置でX−Y座標系に対して特定されているものとされる。
【0085】
ステップ1903では、フラグFが“0”に初期化され、またカウンタiが“1”に初期化される。フラグFは第1列目のDMDユニット(181、…188)が描画テーブル14上の被描画体の描画面32の描画開始位置(即ち、第1回目露光位置)に到達したか否かを指示するためのフラグであり、第1列目のDMDユニット(181、…188)が第1回目露光位置に到達したことが確認されると、フラグFは“0”から“1”に書き換えられる。また、カウンタiは描画装置によって行われる露光作動の回数をカウントするものであり、従ってカウンタiには初期値として“1”が設定される。
【0086】
フラグF及びカウンタiの初期化後、ステップ1904に進み、そこで第1回目露光作動時にビット・マップ・メモリ52から読み出されるべきビットデータ“B”のアドレスデータを作成するための読出しアドレス作成ルーチンがサブルーチンとして実行される。なお、この読出しアドレス作成ルーチンについては図20を参照して後で詳しく説明される。
【0087】
ステップ1905では、フラグFが“0”であるか否かが判断される。現初期段階では、F=0であるから、ステップ1906に進み、そこで第1列目のDMDユニット(181、…188)が描画開始位置即ち第1回目露光位置に到達したか否かが監視される。第1回目露光位置への第1列目のDMDユニット(181、…188)の到達が確認されると、ステップ1907に進み、そこでフラグFが“0”から“1”に書き換えられる。次いで、ステップ1908に進み、そこで駆動モータ36の駆動が止められて描画テーブル14の移動が停止される。
【0088】
ステップ1909では、読出しアドレス作成ルーチンの実行(ステップ1904)によって作成されたアドレスデータ[Lx,Ry]が読出しアドレスメモリ54からビット・マップ・メモリ52に対して出力され、これによりビット・マップ・メモリ52からは所定のビットデータ“B”が読み出されてDMD駆動回路56に対して出力され、かくしてDMDユニット(181、…188)による第1回目露光作動がその読出しビットデータ“B”に従って行われる。
【0089】
なお、第1回目露光作動では、第1列目のDMDユニット(181、…188)のY軸に沿う第2ライン以降のマイクロミラーによって得られる単位露光領域の中心は描画面32上の描画領域に未だ侵入していないので、第1列目のDMDユニット(181、…188)のY軸に沿う第1ラインのマイクロミラーだけが動作させられ、その第2ライン以降のマイクロミラーはダミーデータ“0”に従って動作させられるだけである。また、この時点では、第2列目のDMDユニット(201、…207)は描画開始位置に到達していないので、第2列目の各DMDユニット(201、…207)の個々のマイクロミラーもダミーデータ“0”に従って動作させられるだけであり、第2列目のDMDユニット(201、…207)による露光作動も実質的には行われることはない。
【0090】
ステップ1910では、所定の露光時間が経過したか否かが監視され、所定の露光時間の経過が確認されると、ステップ1911に進み、そこでDMDユニット(181、…188)による露光作動が停止される。次いで、ステップ1912に進み、DMDユニット(181、…188;201、…207)による回路パターンの描画が完了したか否かが判断される。
【0091】
勿論、この時点では、回路パターンの描画は未だ完了されていないので、ステップ1913に進み、そこで描画テーブル14が再びX軸の負側に向かって移動させられる。次いで、ステップ1914では、そこでカウンタiのカウント数が“1”だけインクレメントされ、DMDユニット(181、…188)による第2回目露光作動に備え、その後ステップ1904に戻る。
【0092】
ステップ1904では、再び読出しアドレス作成ルーチンが実行され、このとき第2回目露光作動時にビット・マップ・メモリ52から読み出されるべきビットデータ“B”のアドレスデータが作成される。次いで、ステップ1905に進み、そこでフラグFが“0”であるか否かが判断される。現時点では、F=1であるので、ステップ1905からステップ1915に進み、そこで描画テーブル14が距離(A+a)だけ移動したか否かが監視される。描画テーブル14の移動距離が距離(A+a)に到達したことが確認されると、ステップ1908に進み、そこで駆動モータ36の駆動が止められて描画テーブル14の移動が停止され、続いてステップ1909でDMDユニット(181、…188)による第2回目露光作動が読出しビットデータ“B”に従って行われる。
【0093】
要するに、ステップ1912でDMDユニット(181、…188;201、…207)による回路パターンの描画が完了したことが確認されるまで、描画テーブル14が距離(A+a)だけ移動する度毎に、DMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動が順次繰り返される。
【0094】
ステップ1912でDMDユニット(181、…188;201、…207)による回路パターンの描画が完了したことが確認されると、ステップ1912からステップ1916に進み、そこで駆動モータ36が逆駆動させられて描画テーブル14はその原点位置に向かって戻される。次いで、ステップ1917では、描画テーブル14が原点位置に到達したか否かが監視され、描画テーブル14の原点位置への到達が確認されると、駆動モータ36の駆動が停止されて、本ルーチンの実行が終了する。
【0095】
次に、図20を参照して、図19に示す描画ルーチンのステップ1904でサブルーチンとして実行される読出しアドレス作成ルーチンについて説明する。なお、本ルーチンのステップ2001からステップ2012までは読出しアドレスメモリ54のメモリ領域AD181に書き込まれるべき読出しアドレスデータを作成するためのものであり、勿論、その読出しアドレスデータによってビット・マップ・メモリ52から読み出されたビットデータ“B”は第1列目のDMDユニット181のマイクロミラーを動作させるために用いられるものである。
【0096】
ステップ2001では、カウンタn及びmのそれぞれに初期値“1”が設定される。次いで、ステップ2002では、以下の演算が行われる。即ち、
x(n)←(i−1)(A+a)−(n−1)C
y(m)←(m−1)C−(i−1)b
【0097】
以上の演算式は先に説明した演算式(1)及び(2)と同じものであり、x(n)及びy(m)のそれぞれは第i回目露光位置におけるDMDユニット181の任意のマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(n,m))の中心CN(n,m)のX−Y座標P[x(n),y(m)]のX成分及びY成分を表す。なお、i=1、n=1及びm=1であれば、勿論、第1回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインの先頭のマイクロミラーによって得られる単位露光領域(U(1,1))の中心CN(1,1)の座標はP[x(1)=0,y(1)=0]で表せる。
【0098】
ステップ2003では、演算結果x(n)が“0”以上となっているか否かが判断される。もしx(n)≧0であれば、ステップ2004に進み、そこで演算結果y(m)が“0”以上となっているか否かが判断される。もしx(n)≧0でしかもy(m)≧0であれば、演算結果x(n)及びy(m)によって決まる座標P[x(n),y(m)]が描画面32上の描画領域内に含まれることになる。一方、もしステップ2004でy(m)<0であれば、ステップ2005に進み、そこでその絶対値がビットデータ“B”のサイズPS以下であるか否かが判断される。もし|y(m)|≦PSであるならば、座標P[x(n),y(m)]はビットデータ“B”の一画素サイズ(PS)によって決まる描画領域のY軸に沿う負側の境界線(BO10、BO20、BO30、BO40)を越えていないことになる。
【0099】
要するに、ステップ2003、2004及び2005では、演算結果x(n)及びy(m)によって決まる座標P[x(n),y(m)]が描画面32上の描画領域内に含まれるか否かが判断され、もし座標P[x(n),y(m)]が該描画領域に含まれるとなると、ステップ2006に進み、そこで上述の演算結果x(n)及びy(m)に基づいて以下の演算が行われる。即ち、
x=INT[x(n)/PS]+1
y=INT[y(m)/PS]+1
【0100】
以上の演算式は先に説明した演算式(3)及び(4)と同じものであり、Lx及びRyのそれぞれは第1回目露光位置におけるDMDユニット181の任意のマイクロミラーを動作させるべきビットデータ“B”のアドレスデータ[Lx,Rx]の成分を表す。なお、i=1、n=1及びm=1であれば、勿論、アドレスデータは[Lx=000001,Ry=0001]で表され、このアドレスデータのビットデータ“B”は第1回目露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインの先頭のマイクロミラーを動作させるためのものとなる。
【0101】
ステップ2006でアドレスデータ[Lx,Ry]の演算が完了すると、ステップ2007に進み、そこでアドレスデータ[Lx,Ry]が読出しアドレスメモリ54のメモリ領域AD181に書き込まれる。次いで、ステップ2008に進み、そこでカウンタmのカウント値が1280に到達したか否かが判断される。
【0102】
なお、ステップ2003でx(n)<0であれば、その座標P[x(n),y(m)]は被描画体上の描画領域に未だ侵入していないので、ステップ2003からステップ2008までスキップし、この場合には、アドレスデータ[Lx,Ry]の演算(ステップ2006)は行われず、既に述べたように、該座標P[x(n),y(m)]に対応したマイクロミラーはダミーデータ“0”によって動作させられる。また、ステップ2004でy(m)<0しかもステップ2005で|y(m)|>PSであれば、その座標P[x(n),y(m)]はビットデータ“B”の一画素サイズ(PS)によって決まる描画領域のY軸に沿う負側の境界線(BO10、BO20、BO30、BO40)を越えたことになるので、ステップ2005からステップ2008までスキップし、この場合にもアドレスデータ[Lx,Ry]の演算(ステップ2006)は行われず、既に述べたように、該座標P[x(n),y(m)]に対応したマイクロミラーはダミーデータ“0”によって動作させられる。
【0103】
ステップ2008でm<1280であれば、ステップ2009に進み、そこでカウンタmのカウント値が“1”だけインクレメントされ、次いでステップ2002に戻る。例えば、n=1のとき、第i番目の露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第1ラインに含まれる1280個のマイクロミラーを動作させるべきビットデータ“B”の読出しアドレスデータ[Lx,Ry]が順次求められる。
【0104】
ステップ2008でカウンタmのカウント値が1280に到達したことが確認されると、DMDユニットステップ2010に進み、そこでカウンタmには初期値“1”が再設定される。次いで、ステップ2011では、カウンタnのカウント値が1024に到達したか否かが判断される。n<1024であれば、ステップ2012に進み、そこでカウンタnのカウント値が“1”だけインクレメントされ、次いでステップ2002に戻る。例えば、n=1のとき、カウンタnのカウント値は“2”とされ、このとき第i番目の露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う第2ラインに含まれる1280個のマイクロミラーを動作させるべきビットデータ“B”の読出しアドレスデータ[Lx,Ry]が順次求められる。
【0105】
ステップ2011でカウンタnのカウント値が1024に到達したことが確認されると、即ち第i番目の露光位置におけるDMDユニット181のY軸に沿う全ての1024本のラインに含まれる1024×1280個のマイクロミラーを動作させるべきビットデータ“B”の読出しアドレスデータ[Lx,Ry]の演算が完了すると、ステップ2013に進み、そこでカウンタnには初期値“1”が再設定される。次いで、ステップ2014に進み、そこでその他のDMD(182、…188;201、…207)のそれぞれの任意のマイクロミラーを動作させるべきビットデータ“B”の読出しアドレスデータ[Lx,Ry]が同様な態様で順次演算され、その読出しアドレスデータ[Lx,Ry]は読出しアドレスメモリ54のメモリ領域(AD182、…AD188;AD201、…AD207)のそれぞれに書き込まれる。全てのDMD(181、…188;201、…207)の個々のマイクロミラーを動作させるべきビットデータ“B”の読出しアドレスデータ[Lx,Ry]の演算が完了すると、図19の描画ルーチンに戻る。
【0106】
上述した第1実施形態では、描画作動時、描画テーブル14が露光位置に到達する度毎に停止され、その停止位置でDMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動が行われている。しかしながら、後述する第2実施形態のように描画作動時、描画テーブル14を間欠的に移動させることなく連続的に一定速度で移動させつつ、所定の条件下でDMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動を行うことも可能である。詳述すると、描画テーブル14が距離(A+a)だけ移動する度毎にDMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動が開始されることは上述の第1実施形態と同じであるが、しかし露光時間については、描画テーブル14が各DMDユニットの個々のマイクロミラーによって得られる単位露光領域のサイズ(20μm)より小さい距離dを移動する間の時間とされる。
【0107】
このように露光時間を設定すれば、第1実施形態の場合と同様な態様で回路パターンの描画を行うことができるだけでなく、回路パターンの描画に必要とされる描画時間も短縮することもできる。また、描画作動時、描画テーブル14を連続的に一定速度で移動させる別の利点として、描画テーブル14の駆動系が故障し難いということも挙げられる。
【0108】
図21には第2実施形態の多重露光描画装置において、描画作動時に描画テーブル14を一定速度で連続的に移動させる際の描画ルーチンのフローチャートが示され、この描画ルーチンの実行も多重露光描画装置の電源スイッチ(図示されない)をオンすることにより開始される。
【0109】
ステップ2101では、キーボード48上に割り当てられた描画開始キーが操作されたか否かが判断される。なお、図19に示す描画ルーチンの場合と同様に、描画開始キーの操作前には、回路パターンデータ(ベクタデータ)からラスタデータへの変換処理が行われていてビット・マップ・メモリ52には回路パターンデータ(ラスタデータ)が既に展開され、また描画ルーチンの実行に必要な種々のデータ、例えば距離A、距離a及び描画テーブル14の移動速度等のデータについてはキーボード48を介して入力されてシステムコントロール回路34のRAMに既に格納されているものとする。
【0110】
ステップ2101で描画開始キーの操作が確認されると、ステップ2102に進み、そこで駆動モータ36が始動されて描画テーブル14がその原点位置からX軸の負側に向かって所定の一定速度で移動させられる。換言すれば、第1列目のDMDユニット(181、…188)と第2列目のDMDユニット(201、…207)とが描画テーブル14に対してX軸の正側に移動することとなる。なお、図19の描画ルーチンの場合と同様に、ここでも、描画テーブル14上には被描画体が所定位置に設置されていて、その被描画体の描画面上の描画開始位置は描画テーブル14の原点位置でX−Y座標系に対して特定されているものとされる。
【0111】
ステップ2103では、フラグFが“0”に初期化され、またカウンタiが“1”に初期化される。なお、フラグF及びカウンタiの機能は図19の描画ルーチンの場合と同様である。
【0112】
フラグF及びカウンタiの初期化後、ステップ2104に進み、そこで第1回目露光作動時にビット・マップ・メモリ52から読み出されるべきビットデータ“B”のアドレスデータを作成するための読出しアドレス作成ルーチンがサブルーチンとして実行される。なお、この読出しアドレス作成ルーチンについては図20に示したものと同じである。
【0113】
ステップ2105では、フラグFが“0”であるか否かが判断される。現初期段階では、F=0であるから、ステップ2106に進み、そこで第1列目のDMDユニット(181、…188)が描画開始位置即ち第1回目露光位置に到達したか否かが監視される。第1回目露光位置への第1列目のDMDユニット(181、…188)の到達が確認されると、ステップ2107に進み、そこでフラグFが“0”から“1”に書き換えられる。
【0114】
ステップ2108では、読出しアドレス作成ルーチンの実行(ステップ2104)によって作成されたアドレスデータ[Lx,Ry]が読出しアドレスメモリ54からビット・マップ・メモリ52に対して出力され、これによりビット・マップ・メモリ52からは所定のビットデータ“B”が読み出されてDMD駆動回路56に対して出力され、かくしてDMDユニット(181、…188)による第1回目露光作動がその読出しビットデータ“B”に従って行われる。
【0115】
ステップ2109では、描画テーブル14がDMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動開始時から距離dだけ移動したか否かが監視される。勿論、先に述べたように、距離dは各DMDユニットの個々の単位露光領域のサイズC(20μm)より小さい距離となる。ステップ2109で描画テーブル14による距離dの移動が確認されると、ステップ2110に進み、そこでDMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動が停止される。次いで、ステップ2111に進み、DMDユニット(181、…188;201、…207)による回路パターンの描画が完了したか否かが判断される。
【0116】
勿論、この時点では、回路パターンの描画は未だ完了されていないので、ステップ2112に進み、そこでカウンタiのカウント数が“1”だけインクレメントされ、DMDユニット(181、…188)による第2回目露光作動に備え、その後ステップ2104に戻る。
【0117】
ステップ2104では、再び読出しアドレス作成ルーチンが実行され、このとき第2回目露光作動時にビット・マップ・メモリ52から読み出されるべきビットデータ“B”のアドレスデータが作成される。次いで、ステップ2105に進み、そこでフラグFが“0”であるか否かが判断される。現時点では、F=1であるので、ステップ2105からステップ2113に進み、そこで描画テーブル14が露光作動開始時(ステップ2108)から距離(A+a)だけ移動したか否かが監視される。描画テーブル14の移動距離が距離(A+a)に到達したことが確認されると、ステップ2108に進み、そこでDMDユニット(181、…188)による第2回目露光作動が読出しビットデータ“B”に従って行われる。
【0118】
要するに、ステップ2111でDMDユニット(181、…188;201、…207)による回路パターンの描画が完了したことが確認されるまで、描画テーブル14が露光作動開始時から距離(A+a)だけ移動する度毎に、DMDユニット(181、…188;201、…207)による露光作動が順次繰り返される。
【0119】
ステップ2111でDMDユニット(181、…188;201、…207)による回路パターンの描画が完了したことが確認されると、ステップ2111からステップ2114に進み、そこで駆動モータ36が逆駆動させられて描画テーブル14はその原点位置に向かって戻される。次いで、ステップ2115では、描画テーブル14が原点位置に到達したか否かが監視され、描画テーブル14の原点位置への到達が確認されると、駆動モータ36の駆動が停止されて、本ルーチンの実行が終了する。
【0120】
以上で述べた第2実施形態にあっては、ビットデータ“B”の画素サイズはC×Cとされているが、即ち画素サイズのX軸方向のサイズもそのY軸方向のサイズも共に等しくされているが、しかし本発明による多重露光方法及び多重露光装置においては、ビットデータ“B”のX軸方向のサイズとそのY軸方向のサイズと互いに異なっていてもよい。但し、その場合には上述の演算式(1)及び(2)は以下のように書き換えることが必要である。
x(n)=(i−1)(A+a)−(n−1)Cx … (1)
y(m)=(m−1)Cy−(i−1)b … (2)
勿論、ここで、Cxはビットデータ“B”のX軸方向に沿うサイズであり、Cyはビットデータ“B”のY軸方向に沿うサイズであり、Cx≠Cyとなる。
【0121】
図22は、本発明による多重露光描画装置の第3実施形態を部分的に示す平面図である。第1実施形態では光源装置22から出射された照明光は15本の光ファイバケーブル30により各DMDユニット181、…188;201、…207に分配されていたが、第3実施形態においては光ファイバケーブル30の換わりに15個のハーフミラー23001〜23015を用いている。その他の構成は第1実施形態と同様であり、同じ構成については同符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0122】
光源装置22は図中最も左方に位置するDMDユニット181の後方に配され、光源装置22とDMDユニット181との間の光路上に第1ハーフミラー23001が設けられる。第1ハーフミラー23001は、光源装置22からの照明光を2方向に分岐する、即ち照明光の一部を透過してDMDユニット181に導くと共に、残りの照明光を右隣の第2ハーフミラー23002に向かって反射する。次に、第2ハーフミラー23002は、第1ハーフミラー23001からの照明光の一部を透過して第3ハーフミラー23003に導くと共に、DMDユニット201に向かって反射する。同様に、第3ハーフミラー23003は、第2ハーフミラー23002からの照明光の一部を透過して第4ハーフミラー23004に導くと共に、DMDユニット182に向かって反射する。第4〜第15ハーフミラー23004〜23015も同様に、それぞれ左方から入射した照明光の一部を図中右隣のハーフミラーへ供給すると共に残りの照明光を図中下方のDMDユニットへ供給する。なお、最も右端の第15ハーフミラー23001は反射のみを行う反射ミラーであってもよい。
【0123】
このように、単一の光源装置22から出射された照明光は、Y方向に沿って一列に並んだ15個のハーフミラーによって順に分岐させられ、各DMDユニット181、…188;201、…207に供給される。なお、各ハーフミラー23001〜23015における反射光と透過光との光強度の割合は、各DMDユニット181、…188;201、…207への入射光の強度が全て等しくなるように、適宜設定される。
【0124】
図23は本発明による多重露光描画装置の第4実施形態を示す概念図である。第3実施形態においては、各ハーフミラー23001〜23015は光源装置22とDMDユニット181、…188;201、…207との間に設けられていたが、第4実施形態では、各ハーフミラー330はDMDユニット内部、具体的には照明レンズ26と反射面24との間に設けられる。
【0125】
第3および第4実施形態のように、光源22から各DMDユニットの反射面24にいたる光路上であって、かつコリメート光である場合には、光分岐手段としてハーフミラーを用いることができる。
【0126】
【発明の効果】
以上の記載から明らかなように、本発明にあっては、パターンデータがどのような大きさの画素サイズを持っていても、所定のパターンを適正に描画することができるので、本発明による多重露光装置を1台だけ用意するだけでCADステーション或いはCAMステーションでの回路パターンの設計の自由度を大巾に高めることができる。
【0127】
また、本発明により得られる特徴的な作用効果の1つとして、露光ユニット内の変調素子の幾つかが正常に機能しなくなったとしても、画素欠陥を生じさせることなくパターンの描画を適正に行い得るという点も挙げられる。というのは、描画パターン領域は複数回の露光作動にわたる多重露光によって得られるので、そのうちの数回程度の露光作動が正常に行われなかったとしても、その描画パターン領域の総露光量は十分に得られるからである。
【0128】
本発明による多重露光方式から得られる別の作用効果として、個々の露光ユニットに組み込まれる結像光学系に起因する露光むらがあたとしても、その露光むらの影響は多重露光のために小さくされるという点も挙げられる。
【0129】
本発明による多重露光方法から得られる更に別の作用効果として、光源装置の出力が低くても、多重露光のために十分な露光量が確保し得るので、光源装置を安価に構成し得る点も挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多重露光描画装置の第1実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明による多重露光描画装置で用いるDMDユニットの機能を説明するための概略概念図である。
【図3】図1に示す多重露光描画装置の描画テーブル上の被描画体の描画面を含む平面上に定義されたX−Y直交座標系を説明するための平面図である。
【図4】本発明による多重露光描画装置により実行される多重露光描画方法の原理を説明するための模式図であって、X−Y座標系のX軸に沿う複数の露光位置にDMDユニットを順次移動させた状態を経時的に示す図である。
【図5】図4と同様な模式図であって、X−Y座標系のX軸に沿う複数の露光位置にDMDユニットを順次移動させた際に該DMDユニットがY軸に沿って所定距離だけ変位する状態を経時的に示す図である。
【図6】DMDユニットを図4及び図5に示すように複数の露光位置に順次移動させた際に該DMDユニットの所定のマイクロミラーによって得られる単位露光領域の中心の移動状態を経時的に示す説明図である。
【図7】本発明の多重露光方法に従ってDMDユニットを複数の露光位置に順次移動させた際に該DMDユニットの所定のマイクロミラーによって得られる単位露光領域の中心が所定領域内にどのように分布するかを示す説明図である。
【図8】図7に示す単位露光領域の中心の分布状態を更に広範囲にわたって示す説明図である。
【図9】図8と同様な説明図であって、DMDユニットの移動条件を変えた際に得られる単位露光領域の中心の分布状態を示す図である。
【図10】本発明による多重露光描画装置のブロック図である。
【図11】本発明による多重露光描画装置で描画すべき回路パターンの描画データ(ラスタデータ)の一部をビット・マップ・メモリ上に展開した状態で示す模式図である。
【図12】図11に示すビットデータの一部とその読出しアドレスデータとの関係を示す模式図である。
【図13】図10に示すビット・マップ・メモリの内部を複数のメモリ領域に区分した状態で示す模式図である。
【図14】DMDユニットが露光開始位置即ち第1回目露光位置に置かれているという条件下で該DMDユニットの一部のマイクロミラーによって得られる単位露光領域と描画面上の描画領域との関係を示す模式図である。
【図15】図14と同様な模式図の一部であって、ビットデータのサイズが10μm×10μmとされたとき、そのビットデータのサイズを斜線領域として示す図である。
【図16】図14と同様な模式図の一部であって、ビットデータのサイズが20μm×20μmとされたとき、そのビットデータのサイズを斜線領域として示す図である。
【図17】図14と同様な模式図の一部であって、ビットデータのサイズが30μm×30μmとされたとき、そのビットデータのサイズを斜線領域として示す図である。
【図18】図14と同様な模式図の一部であって、ビットデータのサイズが40μm×40μmとされたとき、そのビットデータのサイズを斜線領域として示す図である。
【図19】本発明による多重露光式描画装置で実行される描画ルーチンのフローチャートである。
【図20】図19の描画ルーチンでサブルーチンとして実行される読出しアドレス作成ルーチンのフローチャートである。
【図21】本発明による多重露光描画装置の第2実施形態を示す図であって、多重露光描画装置で実行される別の描画ルーチンのフローチャートである。
【図22】本発明による多重露光描画装置の第3実施形態を示す部分平面図である。
【図23】本発明による多重露光描画装置の第4実施形態を示す概念図である。
【符号の説明】
10 基台
12 ガイドレール
14 描画テーブル
16ゲート状構造体
181…188 第1列目の露光ユニット
201…207 第2列目の露光ユニット
24 各DMDユニットの反射面
26 各DMDユニットの照明光学系
28 各DMDユニットの結像光学系
30 光ファイバケーブル
32 描画面
34 システムコントロール回路
36 駆動モータ
38 駆動回路
40 描画テーブル制御回路
42 描画テーブル位置検出センサ
44 リニアスケール
46 ハードディスク装置
48 キーボード
50 ラスタ変換回路
52 ビット・マップ・メモリ
54 読出しアドレスメモリ
56 DMD駆動回路
23001〜23015、330 ハーフミラー

Claims (8)

  1. マトリックス状に配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて所定のパターンを描画面上に多重露光により描画する多重露光描画方法であって、
    前記露光ユニットのマトリックス状に配置された変調素子の一方の配列方向に沿って、しかも該配列方向に対して所定の角度だけ傾斜させて該露光ユニットを前記描画面に対して相対的に移動させる移動段階と、
    前記露光ユニットの変調素子によって前記描画面上に得られる単位露光領域のサイズの2以上の整数倍の距離Aに、該サイズより小さい距離aを加えた距離(A+a)だけ、前記露光ユニットが該描画面上に対して相対的に移動する度毎に、該露光ユニットの変調素子を所定のパターンデータに基づいて選択的に露光作動させる露光段階とより成る多重露光描画方法。
  2. 請求項1に記載の多重露光描画方法において、前記露光ユニットが前記距離(A+a)だけ移動する度毎に、該露光ユニットが前記変調素子の他方の配列方向に距離bだけ変位するように、前記角度が設定されているとき、前記距離a及びbが、前記単位露光領域のサイズの数値を割り切れるような数値とされていることを特徴とする多重露光描画方法。
  3. 請求項1に記載の多重露光描画方法において、前記露光ユニットが前記距離(A+a)だけ移動する度毎に、該露光ユニットが前記変調素子の他方の配列方向に距離bだけ変位するように、前記角度が設定されているとき、前記距離a及びbが、前記単位露光領域のサイズの数値を割り切れないような数値とされていることを特徴とする多重露光描画方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の多重露光描画方法において、前記露光ユニットが前記距離(A+a)だけ移動する度毎に一旦停止され、そこで前記露光段階が実施された後に前記露光ユニットが再び移動させられることを特徴とする多重露光描画方法。
  5. 請求項1から3までのいずれか1項に記載の多重露光描画方法において、前記露光ユニットが連続的に一定速度で移動させられ、該露光ユニットの移動距離が前記距離(A+a)の倍数の距離に到達する度毎に前記露光段階が実施され、その実施時間については該露光ユニットが前記単位露光領域のサイズより小さい距離を移動する間の時間とされることを特徴とする多重露光描画方法。
  6. マトリックス状に配置された多数の変調素子を持つ露光ユニットを用いて、所定のパターンを描画面上に多重露光により描画する多重露光描画装置であって、
    前記露光ユニットのマトリックス状に配置された変調素子の一方の配列方向に沿って、しかも該配列方向に対して所定の角度だけ傾斜させて、該露光ユニットを前記描画面に対して相対的に移動させる移動手段と、
    前記露光ユニットの変調素子によって、前記描画面上に得られる単位露光領域のサイズの2以上の整数倍の距離Aに該サイズより小さい距離aを加えた距離(A+a)だけ、前記露光ユニットが、該描画面上に対して相対的に移動する度毎に、該露光ユニットの変調素子を所定のパターンデータに基づいて選択的に露光作動させる露光手段と、を具備して成る多重露光描画装置。
  7. 請求項6に記載の多重露光描画装置において、更に、前記露光ユニットが前記距離(A+a)だけ移動する度毎に該露光ユニットを停止させて、前記露光手段による露光作動が終了した後に、前記露光ユニットを再び移動させる、間欠駆動手段が設けられることを特徴とする多重露光描画装置。
  8. 請求項6に記載の多重露光描画装置において、更に、前記露光ユニットを連続的に一定速度で移動させつつ、該露光ユニットの移動距離が前記距離(A+a)の倍数の距離に到達する度毎に前記露光手段による露光作動を実施させる際に、その実施時間について、該露光ユニットが前記単位露光領域のサイズより小さい距離を移動する間の時間として設定する時間設定手段が設けられることを特徴とする多重露光描画装置。
JP2001278031A 2001-07-05 2001-09-13 多重露光描画方法及び多重露光描画装置 Expired - Lifetime JP4728536B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001278031A JP4728536B2 (ja) 2001-07-05 2001-09-13 多重露光描画方法及び多重露光描画装置
US10/188,097 US7136087B2 (en) 2001-07-05 2002-07-03 Multi-exposure drawing method and apparatus therefor
DE10230378A DE10230378A1 (de) 2001-07-05 2002-07-05 Mehrfachbelichtungs-Zeichenverfahren und Einrichtung hierfür

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001204550 2001-07-05
JP2001-204550 2001-07-05
JP2001204550 2001-07-05
JP2001278031A JP4728536B2 (ja) 2001-07-05 2001-09-13 多重露光描画方法及び多重露光描画装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2003084444A JP2003084444A (ja) 2003-03-19
JP2003084444A5 JP2003084444A5 (ja) 2008-06-19
JP4728536B2 true JP4728536B2 (ja) 2011-07-20

Family

ID=26618193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001278031A Expired - Lifetime JP4728536B2 (ja) 2001-07-05 2001-09-13 多重露光描画方法及び多重露光描画装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7136087B2 (ja)
JP (1) JP4728536B2 (ja)
DE (1) DE10230378A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW529172B (en) * 2001-07-24 2003-04-21 Asml Netherlands Bv Imaging apparatus
US6819469B1 (en) * 2003-05-05 2004-11-16 Igor M. Koba High-resolution spatial light modulator for 3-dimensional holographic display
JP4085204B2 (ja) * 2003-09-05 2008-05-14 株式会社オーク製作所 描画用ベクタデータの処理方法及び描画装置
JP4203649B2 (ja) * 2003-09-05 2009-01-07 株式会社オーク製作所 多重露光描画方法及び多重露光描画装置
JP4647355B2 (ja) * 2004-03-29 2011-03-09 富士フイルム株式会社 マルチビーム露光方法及び装置
JP2005300807A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Pentax Corp 描画装置
JP5134767B2 (ja) * 2005-04-19 2013-01-30 株式会社オーク製作所 描画データ補正機能を有する描画装置
JPWO2007142350A1 (ja) * 2006-06-09 2009-10-29 株式会社ニコン パターン形成方法及びパターン形成装置、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法
JP5001638B2 (ja) * 2006-12-22 2012-08-15 株式会社オーク製作所 露光データ作成装置
JP5175600B2 (ja) 2008-04-09 2013-04-03 株式会社日立ハイテクノロジーズ 検査装置
JP5253037B2 (ja) * 2008-08-18 2013-07-31 株式会社日立ハイテクノロジーズ 露光装置、露光方法、及び表示用パネル基板の製造方法
US8351020B2 (en) * 2008-11-26 2013-01-08 Micronic Laser Systems Image reading and writing using a complex two-dimensional interlace scheme
US8335999B2 (en) 2010-06-11 2012-12-18 Orbotech Ltd. System and method for optical shearing
JP6119035B2 (ja) * 2012-07-03 2017-04-26 株式会社ブイ・テクノロジー 露光装置
JP2014168040A (ja) * 2013-01-30 2014-09-11 Hitachi High-Technologies Corp パターン形成方法及び装置、露光装置並びに表示用パネル製造方法
KR102592916B1 (ko) 2018-07-31 2023-10-23 삼성전자주식회사 마스크리스 노광 장치와 노광 방법, 및 그 노광 방법을 포함한 반도체 소자 제조방법
NO20190617A1 (en) * 2019-05-16 2020-11-17 Visitech As System and method for exposing a material with images
JP7437212B2 (ja) * 2020-03-26 2024-02-22 株式会社オーク製作所 露光装置および露光方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10147007A (ja) * 1996-11-19 1998-06-02 Asahi Optical Co Ltd マルチビーム記録装置
JPH11147326A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 画像記録装置
JPH11320968A (ja) * 1998-05-13 1999-11-24 Ricoh Microelectronics Co Ltd 光像形成方法及びその装置、画像形成装置並びにリソグラフィ用露光装置
JP2001500628A (ja) * 1996-02-28 2001-01-16 ケニス シー ジョンソン マイクロリトグラフィ用マイクロレンズスキャナ及び広フィールド共焦顕微鏡
WO2002041196A1 (en) * 2000-11-14 2002-05-23 Ball Semiconductor, Inc. Digital photolithography system for making smooth diagonal components

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5049901A (en) 1990-07-02 1991-09-17 Creo Products Inc. Light modulator using large area light sources
US6121984A (en) * 1995-01-11 2000-09-19 Texas Instruments Incorporated DMD modulated continuous wave light source for imaging systems
JPH0917718A (ja) 1995-07-03 1997-01-17 Canon Inc 露光装置及びこれを用いたデバイス生産方法
US6251550B1 (en) 1998-07-10 2001-06-26 Ball Semiconductor, Inc. Maskless photolithography system that digitally shifts mask data responsive to alignment data
US6537738B1 (en) * 2000-08-08 2003-03-25 Ball Semiconductor, Inc. System and method for making smooth diagonal components with a digital photolithography system
EP1206115A3 (en) * 2000-11-14 2004-02-11 Fuji Photo Film Co., Ltd. Image recording method and image recording apparatus

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001500628A (ja) * 1996-02-28 2001-01-16 ケニス シー ジョンソン マイクロリトグラフィ用マイクロレンズスキャナ及び広フィールド共焦顕微鏡
JPH10147007A (ja) * 1996-11-19 1998-06-02 Asahi Optical Co Ltd マルチビーム記録装置
JPH11147326A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 画像記録装置
JPH11320968A (ja) * 1998-05-13 1999-11-24 Ricoh Microelectronics Co Ltd 光像形成方法及びその装置、画像形成装置並びにリソグラフィ用露光装置
WO2002041196A1 (en) * 2000-11-14 2002-05-23 Ball Semiconductor, Inc. Digital photolithography system for making smooth diagonal components

Also Published As

Publication number Publication date
US20030011860A1 (en) 2003-01-16
JP2003084444A (ja) 2003-03-19
US7136087B2 (en) 2006-11-14
DE10230378A1 (de) 2003-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5144863B2 (ja) 多重露光描画方法及び多重露光描画装置
JP4728536B2 (ja) 多重露光描画方法及び多重露光描画装置
JP4320694B2 (ja) 多重露光描画装置および多重露光式描画方法
JP4114184B2 (ja) 多重露光描画装置および多重露光描画方法
US6903798B2 (en) Pattern writing apparatus and pattern writing method
US7268856B2 (en) Pattern writing apparatus and block number determining method
JP4324645B2 (ja) 多重露光描画装置および多重露光描画方法
US6833908B2 (en) Computer architecture for and method of high-resolution imaging using a low-resolution image transducer
US20020092993A1 (en) Scaling method for a digital photolithography system
JP2004514280A (ja) スムーズなデジタル成分を作成するためのデジタルフォトリソグラフィーシステム
WO2002073288A1 (en) Point array maskless lithography
JP4553313B2 (ja) 画像記録装置
JP4203649B2 (ja) 多重露光描画方法及び多重露光描画装置
CN101364050A (zh) 光刻***
JP4258013B2 (ja) 多重露光描画装置および多重露光描画方法
JP4390189B2 (ja) パターン描画装置
JP4273291B2 (ja) 多重露光描画装置および多重露光描画方法
US7262832B2 (en) Exposure apparatus and exposure method for performing high-speed and efficient direct exposure
EP1443364B1 (en) Projection exposure apparatus
JP4273290B2 (ja) 多重露光描画装置および多重露光描画方法
JP2005353927A (ja) パターン描画装置
JP4324646B2 (ja) パターン描画装置
JP2010021409A (ja) 露光方法、露光装置および基板製造方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080425

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4728536

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term