JP4727767B2 - 合成ガングリオシド誘導体 - Google Patents
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Description
1.技術分野
本発明は、一般に合成ガングリオシド誘導体であって天然で発見されていないものに関し、かかる誘導体は、免疫抑制剤として有用である。本発明は、特に、グリコスフィンゴリピド(glycosphingolipids)、人工的なアンカーガングリオシド、及び、単純な炭水化物部−ガングリオシドに関し、免疫応答を抑制するための薬剤として有用である。
2.関連技術の説明
免疫応答は、通常は有益なものである。しかし、一定の状況の下では、抗原に対する免疫応答は、かかる免疫応答が起きる動物にとって、実は有害な場合がある。免疫応答によりホストが深刻な病理学的結果を惹起する例としては、エリテマトーデス(lupus erythematosus)、リウマチ様関節炎、糖尿病、クローン病(Crohn’s disease)のような自己免疫病が挙げられる。自己免疫病では、免疫応答はホストの組織を対象とするものであり、従って、免疫抑制剤の使用が治療法となる。
顕著に免疫を抑制する必要がある分野であって、最も重要な一つでもあるものとしては、組織移植が挙げられる。組織移植では、免疫応答が抑制できることは、ホストによる移植片の拒絶反応(ホスト、対、移植片反応、HVG)及びホストの移植片の拒絶反応(移植片、対、ホスト拒絶反応、GVG)を防止するために、必須の要件となる。典型的には、移植される組織は異種であり、免疫抑制剤により異種反応性のTリンパ球を阻害することは、異種移植片の拒絶反応を防止するためには必須である。異種移植片(例えば、肝臓、腎臓、骨髄)の性質に依存して、免疫抑制療法の期間は、比較的に短い場合(例えば、月単位)もあれば、期限が定められることなく続けられる場合(例えば、年単位から一生)もある。従来用いられている免疫抑制剤の全ては、顕著な欠点があり、この欠点は、他の臓器系に対する直接的な毒性と、バランスが保たれた免疫抑制を提供できないこととの何れかである。後者の問題は、二つの異なる側面がある。即ち、免疫抑制が不十分な場合には、拒絶反応が起きることになり、一方、免疫抑制が過剰な場合には、日和見的な(opportunistic)感染及び新形成(neoplasia)が惹起される。上記した深刻な合併症を起こさず、かつ、毒性がなく、有効な免疫抑制剤の開発のニーズは持続している。
現在では、複数の薬物(細胞毒性がある薬剤を含む。)からなる治療法が後述する臓器移植で用いられている。典型的には、組み合わせ療法を含むものであり、例えば、シクロスポリンA(cyclosporin A)、アザチオプリン(azathioprine)及びプレデニゾン(prednisone)で治療するものである。かかる治療法をする理由としては、各々の薬物が免疫応答の異なる段階に作用するので、組み合わせ療法(combination therapy)では個々の薬物の投与量が少なくてすむということであり、これに伴って、投与量に起因する副作用が減少するということである。しかしながら、副作用は依然顕著であって、かかる治療法の有効性は未だ満足すべきものではない。腎臓移植では、移植片が喪失する理由の50%近くは、拒絶反応によるものである。また、拒絶反応とシクロスポリンAの腎毒性とを区別することは難しい。
移植片が喪失する他の大きな理由としては、総合的な(systematic)感染、通常は日和見的な感染、が挙げられ、かかる感染では、免疫抑制の減少又は中止が必要となり、移植片の喪失につながる。また、移植における組み合わせ療法では、リンパ腫の発生率が顕著に増加する(Wilkinson, et al.,”Transplantation”47:293-296,1989)。免疫抑制療法が恒常的に失敗するということは、死体の腎臓の移植を受けた患者が三重療法を受けた場合において、移植片の残存率が1年後の85%から5年後の67%に低下するという事実で裏付けられている(Kahan, et al.,”Am. J. Kidney Dis.,”5:288-295, 1985)。明らかに、現在の免疫抑制療法は不十分である。このことは、新たな免疫抑制薬の創薬及び開発を促すものであり、特に、免疫系にも他の臓器系にも直接的に毒性がない薬剤が求められる。現在の免疫抑制薬に関連するこれらの課題を解決するためのアプローチとしては、動物が実際に産生する生物的薬剤(biological agent)を使用するということがある。かかる生物的薬剤の例としては、ガングリオシドが挙げられる。
ガングリオシドは、グリコスフィンゴリピド類である。図1に概要が示されているように、ガングリオシドは、セラミドに結合する炭水化物部を有する構造をしている。この炭水化物部は、糖部を有し、この糖部は、更に、少なくとも一つの単糖と、1以上のシアル酸部(即ち、シアル酸基(N−アセチル又はN−グリコリルノイラミン酸))を有する。図2は、セラミド部を示すために用いられる命名法を説明するためのものである。セラミド部は、長鎖塩基(LCB)部と、脂肪酸(FA)部とを有する。コロンの左側の数字は、脂肪酸又は長鎖塩基における炭素鎖の長さを示し、右側の数字は、不飽和度を示す。通常のヒトの脳のガングリオシドでは、主な長鎖塩基の構造(ハイフンの左側)は、d18:1及びd20:1であり、神経外のガングリオシドでは、d18:1である。主な脂肪酸の構造(ハイフンの右側)は18:0及び20:0である。
ガングリオシドは、炭水化物部における単糖の数及びシアル酸部におけるシアル酸基の数により、分類される。炭水化物部にシアル酸がどこで及びいくつ結合しているかにより、更に細分類される。例えば、国際的なシンボルGM1aが、広範に研究されている一般的なガングリオシドの表記である。このシンボルにおける下付きの「M」が、ガングリオシドが単糖であることを示し、「1」が、4個の糖ユニットが炭水化物部に存在することを示す。下付の「a」、「b」又は「c」は、特定のガングリオシドにおける異性体を示すものであり、これらの異性体はシアル酸の位置が異なる。国際的なガングリオシドのシンボルにおける下付の「D」、「T」及び「Q」は、それぞれ、ガングリオシド、トリシアロンガングリオシド、及び、テトラシアロンガングリオシドを示す。下付の「2」、「3」及び「4」は、それぞれ、三糖類ガングリオシド、二糖類ガングリオシド、及び、単糖類ガングリオシドを示す。末端の糖類とは、炭水化物部の末端に位置するものであってセラミド部に結合する端部の反対側にある糖類をいう。
一般的なヒトの脳のガングリオシド及びその生合成経路を表3に示す。各々のガングリオシドの構造は、セラミド、糖類及びシアル酸(SA)部についての通常の略語により示す。図3は、ガングリオシドの生合成経路を概説するものである。ガングリオシドの生合成については、S.Roseman, Chem. Phys. Lipids, 5:270-297, 1970に詳細に述べられている。
ガングリオシドが神経系の機能において重要であることは知られており、また、ガングリオシドは末梢神経系の異常の治療に有効であると主張されている。数多くのガングリオシド誘導体は、様々な神経系の異常、例えば、大脳虚血性発作の治療に使われている(例えば、米国特許第4,940,694号、第4,937,232号及び4,716,223号参照のこと)。ガングリオシドは、食細胞の活性を影響するために(米国特許第4,831,021号)、及び、胃腸病を引き起こす微生物の治療に用いられている(米国特許第4,762,822号)。
ガングリオシド及びガングリオシド類自体の使用が免疫系を抑制ないし影響するということは、神経系の異常における使用ほどには未だ広範に研究されていない。
ガングリオシドが生体内の免疫応塔を抑制するということは、約20年前にアガルワル(Agarwal)及びネテル(Neter)により報告されたことが最初であり、マウスで、ガングリオシドが、バクテリア抗原に対する抗体の一次応答を抑制することが発見された(Agarwal, et al., J. Immunol.,107:1448-1456,1971)。生体内で生成した腫瘍ガングリオシドがマウスが腫瘍生成を促進することが近年の研究で示されており(Ladisch, et al., J.Clin.Invest.,79:1879-1882, 1987)、かかる知見は他の研究室で確認されている(Allessandri,et al., Cancer Res.47:4243-4347,1987; Saha, et al., Int. J. Cancer, 41:432-435, 1988);間接的な証拠(Ladisch, et al., J.Clin.Invest.,79:1879-1882,1987)では、かかる促進は、免疫学的な機構に起因することが示唆されている。しかしながら、GM1ガングリオシド又は混合ウシ脳ガングリオシド(主にGM1、GD1a、GD1b及びGT1B)による生体内における免疫抑制効果についての研究が、近年Presti,D.et al.,により行われた(Presti, D.et al. J. Neuroimmunology,22:233-239, 1989)。GM1ガングリオシド又は混合脳ガングリオシドにより生体内で体液又は細胞の免疫が抑制される効果が示されたとの証拠はないと、この研究では結論づけられている。
上記したように、ガングリオシドは3個の要素から構成されるものである。しかし、これらの要素が免疫抑制の活性に果たす役割は、未知である。実に、過去において、活性があり、好ましいガングリオシドの構造を同定しようとする場合には、天然に生成するガングリオシドに限られていた。確かに、天然に生成するガングリオシドであっても、その要素の構造はある程度変化している。しかし、入手可能な変異体のみでは、免疫抑制における様々な要素が果たす役割を十二分に探求することができなかった。
従って、化学合成されたガングリオシドを開発するという持続的なニーヅがあり、かかるガングリオシドでは、天然に生成するガングリオシドの様々な要素が合成された又は人工的な部分で置換されているものである。
発明の概要
本発明の第1の側面では、グリコスフィンゴリピドであって、式
で示されるもの、ここで、xは、
であり、
yは、
であり、mは10〜20であり、nは1〜14であり、及び
薬学的に許容されるグリコスフィンゴリピドの担体を包含する組成物が提供される。
本発明のこの側面は、新たな知見に基づくものであり、かかる知見は、合成脂肪族アシル鎖が短いグリコスフィンゴリピドは、脂肪族アシル鎖が長いグリコスフィンゴリピドより、強力に免疫を抑制するというものである。従って、上記したような、脂肪族アシル鎖が短いグリコスフィンゴリピドは、動物の免疫応答の抑制に有効である。
この点、本発明は、免疫応答を抑制するのに有効な量の上記式のグリコスフィンゴリピドを投与することにより、動物の免疫応答を抑制する方法を含むものである。
本発明の他の側面は、人工的な疎水性アンカーを有する合成ガングリオシドであって、式
で示されるものであり、ここで、Aはガングリオシドの炭水化物部であり、nは5〜20であり、mは5〜20である。
本発明のこの側面も新たな知見に基づくものであり、かかる知見は、ガングリオシドのセラミド部が人工的な疎水性アンカー構造に置換することができ、この結果、顕著に免疫を抑制する分子になるというものである。本発明の合成ガングリオシドであって人工的な疎水性アンカーを有するものは、動物の免疫応答の抑制に有効である。
本発明は、免疫応答を抑制するのに有効な量の上記式の人工的な疎水性アンカーを有する合成ガングリオシドを投与する、動物の免疫応答を抑制する方法を含むものである。
本発明が提供するものは、上記式で示される人工的な疎水性アンカーを有する合成ガングリオシドと、人工的な疎水性アンカーを有するこの合成ガングリオシドの担体であって薬学的に許容されるものとを含む組成物である。
本発明の更なる他の側面は、単純化された炭水化物部ガングリオシドであって、式
で示されるものであり、ここで、Bはガングリオシドのセラミド部である。本発明のこの側面も新たな知見に基づくものであり、かかる知見は、ガングリオシドの炭水化物部がシアロシル(sialosyl)部に単純化することができ、この結果、有効な免疫抑制剤になるというものである。
本発明のこの側面が提供するものは、免疫応答を抑制するのに有効な量の上記式の単純化された炭水化物部−ガングリオシドを投与する、動物の免疫応答を抑制する方法を含むものである。
本発明が更に提供するものは、上記式の単純化された炭水化物部−ガングリオシドと、この単純化された炭水化物部−ガングリオシドの担体として薬学的に許容されるものとを含有する組成物である。
本発明における上述した及び他の技術的事項、並びに、これに伴う利点は、下記に記載する詳細な説明を参照して本発明をより理解することに伴って、明白になるものである。
【図面の簡単な説明】
図1は、ガングリオシドの構造を示す。
図2は、ガングリオシドのセラミド部の構造及び命名法を示す。
図3は、10個の天然に生成するガングリオシドの炭水化物構造及び生合成経路を示す。
図4は、GM3N=1(●)及びリソGM3(■)によるヒトのリンパ増殖応答(3H−チミジンの摂取)の阻害のグラフである。
図5は、GM3n=1、n=13、n=17、及びn=23によるヒトのリンパ増殖応答(3H−チミジンの摂取)の阻害のグラフである。
図6は、ジアルキルGM3によるヒトのリンパ増殖応答(3H−チミジンの摂取)の阻害のグラフである。
図7は、ジアルキルGM3(●)及びd18:1−C18:0 GM3(▲)によるヒトのリンパ増殖応答(3H−チミジンの摂取)の阻害のグラフである。
発明の詳細な説明
本発明の第1の側面では、グリコスフィンゴリピドであって、式
で示されるもの、ここで、xは、
であり、
yは、
であり、mは10〜20であり、nは1〜14であり、及び
薬学的に許容されるグリコスフィンゴリピドの担体を包含する組成物に関する。が提供される。本発明の他の側面は、免疫応答を抑制するのに有効な量の上記式のグリコスフィンゴリピドを投与する工程を含む、動物の免疫応答を抑制する方法である。
本発明のこれらの側面は、新たな知見に基づくものであり、かかる知見は、合成脂肪族アシル鎖が短いグリコスフィンゴリピドは、脂肪族アシル鎖が長いグリコスフィンゴリピドであって同一の炭水化物構造を有するものより、強力に免疫を抑制するというものである。従って、上記したような、脂肪族アシル鎖が短いグリコスフィンゴリピドは、動物の免疫応答の抑制に有効である。例えば、上記式においてnが1である本発明のグリコスフィンゴリピドは、nが17〜23であるグリコスフィンゴリピドよりも、免疫抑制活性が大きい。nが1〜14であり、かつ、mが10〜20であるグリコスフィンゴリピドは、より長い脂肪族アシル鎖を有する対応するグリコスフィンゴリピドと比べて、免疫抑制活性が高いことが期待される。従って、上記したように脂肪族アシル鎖が短いセラミド部が、天然に生成するガングリオシドの何れかに対応する炭水化物部に結合していてもよい。
本発明の方法及び組成物のグリコスフィンゴリピドでは、mが13であり、かつ、nが1〜5であることが好ましく、mが13であり、かつ、nが1であることが最も好ましい。このことは、本発明により開示されるグリコスフィンゴリピドを用いる組成物及び方法でも同様である。
本発明のグリコスフィンゴリピドであって、好ましいものの例としては、Xは、好ましくは、
であり、かつ、Yは好ましくはHである。更に好ましくは、X及びYはこの段落に記載されたものであり、mが好ましくは13であり、かつ、nが好ましくは1〜5である。最も好ましくは、X及びYはこの段落に記載されたものであり、mが好ましくは13であり、かつ、nが好ましくは1である。
本発明のガングリオシドであって合成脂肪族アシル構造を有するものは、いわゆる当業者にはよく知られている方法で合成することができる。例えば、Murase et al.(1989)Carbohydr.Res. 188, 71-80を参照のこと。KDN類似体は、Terada, et al.(1993)J.Carbohydr.Chem. 12,425-440に従って、合成する。
本発明の他の側面は、人工的な疎水性アンカーを有する合成ガングリオシドであって、式
で示されるものであり、ここで、Aは、天然に生成するガングリオシドの炭水化物部に対応する炭水化物部であり、nは5〜20であり、mは5〜20である。本発明については、「炭水化物部」は、図2に示すように、オリゴ糖のコアと、そのコアに結合し、かつ、天然に生成するガングリオシドのシアル酸残基とを含むものである。Aが選ばれてもよい炭水化物部は、例えば、図3に示されるものを含む。本発明の他の二つの側面は、本段落に記載する式で示される人工的な疎水性アンカーを有する合成ガングリオシドと、この合成ガングリオシドの担体であって薬学的に許容されるものとを含む組成物、並びに、;免疫応答を抑制するのに有効な量の本段落に記載した式の合成ガングリオシドを投与する工程を含む、動物の免疫応答を抑制する方法とである。
本発明のこの側面は新たな知見に基づくものであり、かかる知見は、ガングリオシドのセラミド部が人工的な疎水性アンカー構造に置換することができ、この結果、天然に生成するガングリオシドと比べて、強力な免疫抑制剤になるというものである。本発明において、人工的な疎水性アンカーとして、他の系列を用いることもでき、例えば、上記式で酸素原子とアルカン鎖との間に更にメチレン基を有するものが挙げられる。
本発明の合成ガングリオシドであって人工的な疎水性アンカーを有するものとしては、nが13であることが好ましい。また、mが14であることが好ましい。最も好ましくは、nが13であり、かつ、mが14である。
本発明の合成ガングリオシドであって人工的な疎水性アンカーを有するものとしては、Aが
であることが好ましい。
本発明において最も好ましい実施態様は、例えば、Aが上記したものであり、nが13であり、かつ、mが14である。
合成ガングリオシドであって人工的な疎水性アンカーを有するものの好ましい実施態様は、これに関連する組成物及び動物の免疫応答を抑制する方法としても好ましい実施態様である。
本発明の合成ガングリオシドであって人工的な疎水性アンカーを有するものは、一般的には、実施例に記載される合成ガングリオシドであって人工的な疎水性アンカーを有するものと同様な方法により合成することができる。
炭水化物部は、下記の引例に従って合成する:
T.Murase,A.Kameyama,K.P.R.Kartha,H.Ishida,M.Kiso,and A.Hasegawa,J.Carbohydr.Chem.,8,265(1989). T.Murase,H.Ishida,M.Kiso,and A.Hasegawa,Carbohydr.Res.,188,71(1989);A.Hasegawa,T.Murase,K.Adachi,M.Morita,and M.Kiso,J.Carbohydr.Chem.,J.Carbohydr.Chem.,9,181(1990);A.Hasegawa,T.Murase,M.Morita,H.Ishida,and M.Kiso,J.Carbohydr.Chem.,9,201(1990).T.Terada,M.Kiso,and A.Hasegawa,J.Carbohydr.Chem.,12,425(1993);T.Terada,M.Kiso,and A.Hasegawa,Carbohydr.Res.,259,201(1994);Carbohydrates--Synthetic Methods adn Applications in Medicinal Chemistry---pp 243-266(1992)Eds.by H.Ogura,A.Hasegawa,and T.Suami,Kodansha-VCH;Synthetic Oligosaccharide---Indispensable Probes for the Life Sciences---Ed.by P.Kovac,ACS Symposium Series 560,American Chemical Society,pp.184-197(1994),by A.Hasegawa.
本発明の更なる他の側面は、単純化された炭水化物部ガングリオシドであって、式
で示されるものであり、ここで、Bはセラミド部であって天然に存在するガングリオシドのセラミド部に相当するものである。Bが選ばれてもよいセラミド部は、例えば、図2の命名法を使用して、d18:1又はd20:1の長鎖塩基が下記の何れかと組み合わせられたものが含まれる:C16:0、C18:0、C20:0、C22:0、C24:0及びC24:1。更に、本発明のグリコスフィンゴリピドの側面と関連してここに記載される合成セラミド部は、上記したシアロシル残基と結合したときには、強力な免疫抑制剤を提供することが期待される。合成セラミド基の例には、C2:0、C10:0及びC14:0が含まれる。
本発明の他の二つの関連する側面は、上記式で示される単純化された炭水化物部−ガングリオシドと、この単純化された炭水化物部−ガングリオシドの担体であって薬学的に許容されるものとを含む組成物、並びに、;免疫応答を抑制するのに有効な量の上記式で示される単純化された炭水化物部−ガングリオシドを投与する工程を含む、動物の免疫応答を抑制する方法とである。
本発明のこの炭水化物部−ガングリオシドの側面も新たな知見に基づくものであり、かかる知見は、ガングリオシドの炭水化物部がシアロシル(sialosyl)部に単純化することができ、この結果、有効な免疫抑制剤になるというものである。
本発明の単純化された炭水化物部−ガングリオシドにおいて、Bは好ましくは、
である。
これは、単純化された炭水化物部−ガングリオシドを用いる方法及び組成物においても、好ましい実施態様である。
本発明の単純化された炭水化物部−ガングリオシドは、一般的には、実施例に記載される単純化された炭水化物部−ガングリオシドと同様な方法により合成することができる。セラミド部は、一般的には、Ito et al., J.Carbohydr. Chem.,6,117(1987)に従って合成することができる。
後述する実施例で示されるように、グリコスフィンゴリピド、人工的なアンカーガングリオシド及び単純化された炭水化物部−ガングリオシド、並びに、これらに対応する組成物は、強力な免疫抑制剤であり、免疫応答を削減することが望ましい場合にヒトを含む動物を治療するのに有用である。例えば、組織の移植片の拒絶反応の阻害を目的とする場合に、免疫応答を削減することが望ましい。
本発明において、「抑制」という用語は、動物が治療を受ける際に、望ましくない免疫応答の悪影響を軽減することをいう。本発明において、「免疫応答を抑制するのに有効な量」という用語は、使用される薬剤の量が、望ましくない免疫応答に起因する病気又は症状の原因を抑制するために十分な量であることを意味する。「動物」という用語は、ヒトをもいう。
本発明のグリコスフィンゴリピド、人工的なアンカーガングリオシド、及び単純化された炭水化物部−ガングリオシド(「免疫抑制剤」)の投与量の範囲は、望ましい作用、即ち、免疫応答がある程度抑制されることが示されること、を惹起するのに十分な量である。投与量は、副作用を起こすほど、多量であってはならない。一般的には、投与量は、年齢、条件(condition)、性別、動物の病気の程度により異なるものであり、いわゆる当業者により決定されるものでもある。投与量は、反対の指標がある場合には、個々の医者が調整することができる。投与量は、1mg/kg/投与以下から約100mg/kg/投与まで変わりうるものであり(好ましくは、約5mg/kg/投与から10mg/kg/投与)、1日に一回又は数回投与されてもよい。
本発明の免疫抑制剤は、注射又は時間をかけて徐々に注入することによる、非経口的に投与されてもよい。免疫抑制剤は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、膣内、又は、経皮的に投与されてもよい。
薬学的に許容される担体は、滅菌した溶液(水溶液であっても水溶液でなくてもよい)、懸濁液、乳濁液を包含する。非水溶性の溶媒としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイル等の植物油、オレイン酸エチル等の注入可能な有機エステルが挙げられる。水溶性の担体は、水、アルコール水溶液、乳濁液、又は懸濁液を包含し、生理的食塩水及び緩衝液であってもよいものである。非経口的な賦形剤は、塩化ナトリウム溶液、リンガー(Ringer’s)ブドウ糖、ブドウ糖及び塩化ナトリウムの混合体、乳酸化されたリンガー(Ringer’s)又は固定化(fixed)油を包含し、静脈注射の賦形剤は、流体、栄養補充液、電解質補充液(例えば、リンガーブドウ糖に基づくもの)等を包含する。保存剤及び他の添加物が共存してもよく、例えば、抗菌剤、酸化防止剤、キレート化剤、及び不活性ガス等が挙げられる。
薬効の持続時間を制御するための薬学的方法を使用してもよい。制御された放出の製法は、本発明の免疫抑制剤と錯形成又は吸着する高分子の使用により達成することができる。制御された到達(delivery)は、適切な巨大分子(macromolecule)及び巨大分子の濃度を選択することにより、並びに、放出を制御するための包含(incorporation)の方法により、達成することができる。なお、巨大分子としては、例えば、ポリエステル、ポリアミノカルボキシメチルセルロース、硫酸プロタミンが挙げられる。制御された放出の製法により薬効の持続時間を制御する更に可能な方法は、本発明の免疫抑制剤を高分子材料からなる粒子の内部に包含させることであり、かかる高分子材料としては、ポリエステル、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ乳酸、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられる。
免疫抑制剤が血漿タンパクと結合するのを防止するために、ガングリオシドがマイクロカプセルに包まれていることが好ましく、かかるマイクロカプセルは、例えば、コアセルベーション法、界面重合(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチン−マイクロカプセル及びポリメチルメタクリル酸エステル−マイクロカプセル)、コロイド状薬物到達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、ミクロ乳化、ナノ粒子及びノナカプセル)又はマクロ乳化により合成できる。これらの教示は、「レミントン薬科学」(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、A.Oslo編、Mack, Easton, PA, 1989)に記載されている。
本発明の免疫抑制剤は、標的への薬物到達システムの使用に適しており、かかる薬物到達システムとしては、巨大錯体、ナノカプセル、ミクロスフィア(microsphere)若しくはビーヅ(beads)の形態にある合成若しくは天然高分子、又は、水中の油からなる乳濁液、リポソーム及び再封孔(resealed)された赤血球を含む脂質系が挙げられる。ミセル又は混合ミセルは、本発明の免疫抑制剤を到達させるためには、特に好ましい。これらの系は、コロイド状薬物到達システムとして総称されるものである。典型的には、分散したガングリオシドを含有するコロイド状粒子は、直径が約50nm〜2μmのものである。コロイド状粒子のサイズに鑑み、これらの粒子は注射等により静脈内に投与できるとともに、エアロゾルとして投与することもできる。コロイド状システムの合成に用いられる材料は、典型的には、フィルター滅菌で滅菌でき、無毒であり、かつ、生分解性のものであり、例えば、アルブミン、エチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、レシチン、リン脂質、大豆油が挙げられる。高分子コロイド状システムは、コアセルベーションによるマイクロカプセル化の方法と同様な方法により合成できる。
本発明の免疫抑制剤の標的到達システムとして最も好ましいものは、リポソームである。リン脂質が水媒質に穏やかに分散された場合には、リン脂質は膨潤し、水和し、そして、多ラメラからなる同心二重層ベシクルが自発的に形成し、水媒質層が脂質二重層を分離する。かかる系は、一般的には、多ラメラリポソーム又は多ラメラベシクル(MLVs)といい、約100nmから約4μmの直径を有する。かかるMLVsを超音波で処理すると、小さな一ラメラベシクル(SUVs)が形成し、このSUVsは、コアに水溶液を含有するものである。
リポソームの組成は、通常は、リン脂質(特に、高相(high-phase)遷移温度リン脂質)の組み合わせであり、通常は、ステロイド(特にコレステロール)と組み合わせられる。他のリン脂質又は他の脂質が用いられてもよい。
リポソーム生成に有用な脂質としては、例えば、ホスファチジル化合物(例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン)が挙げられる。特に有用なものは、ジアシルホスファチジルグリセロールであり、かかる化合物では、脂質部が14〜18個の炭素原子(特に16〜18個の炭素原子)を含有し、飽和である。リン脂質としては、例えば、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン及びジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。
本発明の免疫抑制剤を含有するリポソームを合成する際には、ガングリオシドのカプセル化の効率、ガングリオシドの遊離、生成するリポソームの集合の均一性及びサイズ、免疫抑制剤に対する脂質の比、浸透性による合成の不安定さ、薬学的に許容される処方等の変数が考慮される(Szoka,et al.,Annual Review of Biophysics and Bioengineering, 9:467,1980;Deamer et al.,「リポソーム」,Marcel Dekker, New York,1983,27:Hope, et al.,Chem.Phys.Lipids,40:89,1986)。
リポソームの標的は、解剖学的及び機構的因子に基づいて分類されている。解剖学的分類は、選択性のレベルに基づくものであり、例えば、臓器選択性、細胞選択性、オルガネラ選択性が挙げられる。機構的な標的は、消極的(passive)か積極的(active)かにより更に区別することができる。消極的な標的では、リポソームが臓器の細網内皮系(reticuloendothelian system;RES)の細胞に自然に分布する傾向にあることを利用するものであり、ここで、RESは洞様毛細血管を有するものである。一方、積極的な標的では、特定の配位子(例えば、モノクロナール抗体、糖、グリコ脂質又はタンパク質)をリポソームに結合させることによりリポソームを変えること、又は、リポソームの組成若しくはサイズを変えることを含み、これにより、自然に発生する局在化された部位でなく、臓器及び細胞のタイプに対する標的を達成することができる。あるいは、リポソームは、毛細血管床(例えば、肺)に物理的に局在化することができ、また、部位を特定した注射をすることもできる。
本発明の免疫抑制剤を用いることができる他の標的到達システムは、再封孔された赤血球である。赤血球を低張性媒質に懸濁したときには、膨潤が起き、細胞膜が破裂する。この結果、直径約200〜500Åの孔が形成され、細胞内の環境と細胞外の環境とで平衡となる。次いで、周囲の媒質のイオン強度を等張性条件に調整し、細胞を37℃で培養すると、孔が閉じ、赤血球が再封孔される。本発明の免疫抑制剤を再封孔された赤血球の内部に閉じこめる際に、かかる手法を用いることができる。免疫抑制剤を含有する再封孔された赤血球は、標的到達に用いることができる。
本発明の免疫抑制剤を含有する標的到達システムは、様々な方法でホスト、特に哺乳類のホストに投与することができ、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脈管内、局所的、膣内、経皮的、鼻腔内、吸入で投与することができる。ガングリオシド濃度は、特定の適用、病気の性質、投与の頻繁さ等により変わるものである。標的到達システム−カプセル化されたガングリオシドは、処方として提供されてもよく、かかる処方は、適切な他の化合物及び生理学的に許容される水媒質(例えば、生理的食塩水、リン酸塩緩衝溶液等)を含有してもよい。
上述した説明が、一般的に本発明を記載するものである。下記の具体的な実施例を参照することにより更に理解をすることができる。ただし、これらの実施例は、限定目的ではなく、例示目的で提供されるものである。
実施例
脂肪族アシル鎖の長さが短いグリコスフィンゴリピドによる免疫抑制活性の増進
この実施例では、脂肪族アシル鎖の長さが短いグリコスフィンゴリピドによる免疫抑制活性が、脂肪族アシル鎖の長さが長い対応グリコスフィンゴリピドの活性と比較された。
下記の式を有するグリコスフィンゴリピド
ここで、xは、
であり、
yはHであり、mは13であり、nは、−1(即ち、脂肪族アシル部を有しないリソグリコスフィンゴリピド)、1、13、17又は23の何れかであるものについて、免疫抑制活性が試験された。試験されたこのグリコスフィンゴリピドの炭水化物部は、GM3に相当するものであり、従って、試験されたこのグリコスフィンゴリピドもまたGM3 n=aの数字は−1〜23となる。
原料及び方法
リンパ球増殖アッセイ:ヒトの細胞免疫応答のアッセイが、本発明の合成ガングリオシド誘導体による免疫応答効果を測定するために用いられ、かかる細胞免疫応答は、特定の抗原たる破傷風毒素(Ladisch et al.,Brochim Biophys.Aota,1125,180-88(1992))で刺激されたリンパ増殖が用いられた。保存剤が入っていないヘパリン(50U/ml)の全血から、フィコール−ヒパーク(Ficoll-hypaque)勾配遠心分離により、通常のヒト末梢血単核白血球が単離された(Boyum,Scand.J.Clin.Lab.Invest. 21,77-89(1968))。細胞は3回洗浄され、HB104完全培地に再懸濁された。自己由来のヒト血漿が添加され、その最終的な濃度は0.5%であった。通常のヒト末梢血単核白血球が、96ウェル(A/2)組織培養クラスターで培養された(コスタル(Costar)番号3696)。
合成ガングリオシド誘導体を短時間、超音波処理して媒体に懸濁し、次いで、細胞培養体に添加した。ウェル当たり10μlの合成ガングリオシド誘導体溶液が添加され、次いで、末梢血単核白血球(PBMC,25μl,2x106細胞/ml完全培地)が添加された。そして、37℃にて3時間、予めインキュベートした後、予め最適化された濃度のリンパ増殖刺激物、即ち、破傷風毒素(3.5Lf/ml、マサチューセッツ健康省、ボストン、MA)10μlが添加された。刺激されていない対照培養体には、10μlの基本媒質のみが添加された。この完全培養体が、37℃、95%酸素/5%CO2にて、6日インキュベートされた(Biochem.Biophys.Aota 1125,180-188(1992))。これらの条件が既に報告されているように(Biochim.Biophys.Aota 1124,180-88(1992))、ガングリオシドは細胞に対して毒性はない。培養期間の終わりに、50μlの媒質中の0.5μCiの[3H]チミジンが各々のウェルに添加された。この培養体は、更に4.5時間インキュベートされ、ガラスファイバーからなるフィルター紙上に採取された。[3H]チミジンの細胞内への摂取は、β−シンチレーションの計数で定量化された。刺激された培養体における[3H]チミジン摂取の総量の平均は、刺激されていない培養体におけるcpmの平均を引くことで決定された。ガングリオシドを含有する培養体における[3H]チミジン摂取の総量の平均と合成ガングリオシド誘導体を含有していない培養体における当該総量の平均とを比較することにより、阻害パーセントが計算された。
免疫抑制活性の生体内アッセイ:試験の対象となる合成ガングリオシド誘導体及び細胞免疫応答の刺激剤(異種細胞)がフットパッドに注射され、次いで、膝窩節が採取される。そして、この節のサイズ、細胞数、特定の増殖応答及び特定の細胞毒性の発現について評価する。
マウス:6週齢のC3H(H−2k)及びBALB/c(H−2d)マウスを取得し、7〜12週齢の間にこれらの試験に用いる。この動物は、ウィルスがいない系統であり、Charles River,ウィルミントン、マサチューセッツより購買する。
刺激細胞の製品:無菌的処置により脾臓が除去され、その直後にネズミ完全培地[RPMI 1640 w/o L-glutamine(Whittaker Bioproducts,Walkersville,Md)に10%FCS、1%MEM可欠アミノ酸(Cellgro)、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン50U/ml、ストレプトマイシン50μg/ml及び10mM ヘペス(Hepes)緩衝液(Whittaker Bioproducts)が補充されたもの]に配置され、次いで、60×10mmペトリ皿に移す。細胞解離ふるい(cell dissociation sieve)に脾臓を穏やかに押しつけることにより、無菌化された1個の細胞からなる懸濁液を得る。単核細胞は、フィコール−ヒパーク(Ficoll-hypaque)勾配遠心分離により単離され、次いで、赤血球が溶解される(ACK溶解緩衝液 pH7.4)。この細胞は洗浄され、その活性はトリパン青圧排法により決定される。異種(BALB/c)の脾細胞が生理的食塩水で適切な濃度に希釈され、試験される合成ガングリオシド誘導体とともに、C3Hマウスのフットパッドに注射される。
合成ガングリオシド誘導体の合成:合成ガングリオシド誘導体は、HPLC級のクロロホルム:メタノール(1:1)でアリコートされ、ガラス製マイクロバイアルで乾燥する。合成ガングリオシド誘導体は、0.9%塩化ナトリウム水溶液中で注射用に再懸濁され、ブランソン(Branson)水浴超音波機で、2分間超音波処理される。
注射:脾細胞又は腫瘍細胞、並びに、試験される合成ガングリオシド誘導体は、左後のフットパッドに、合計体積で30μl注射される。シクロスポリンAが腹腔内に投与される。
膝窩リンパ節の単離:成熟した動物が、4日目に脊椎脱臼により殺され、左及び右フットパッドを排出する膝窩リンパ節が、無菌処置により除去され、過剰な脂肪がトリムされ、重量を測り、組織培養培地を含有する試験管の中にある氷の上に配置された。そして、この節は、3mlシリンジの平らな端部でかき裂かれ、0.1%2−メルカプトエタノール(Gibco,NY)を含有するネズミ完全培地で洗浄される。次いで、この細胞は定量化され、生育力がトリパン青圧排法により決定される。細胞濃度は、2x106細胞/mlに調整される。
細胞培養体:100μl中の2×105リンパ節が、0.5μC[3H]チミジンを包含している完全培地で18時間培養される。ここで、チミジンについては、β−シンチレーションによる計数で定量化されたものであり、生体内におけるリンパ細胞の活性(50)の目安になるものである。
結果
グリコスフィンゴリピドの免疫抑制活性の決定におけるセラミド構造の役割:二つの合成グリコスフィンゴリピド、即ち、GM3n=1及びGM3n=−1(リソGM3)の活性が、様々な濃度におけるヒトリンパ増殖応答の阻害として、比較された(図4)。図4の各点は、3つの培養体の±SEMの平均を現し、対照の刺激は、11.5±3.0×103CPMであった。n=−1(リソGM3)であるグリコスフィンゴリピドの免疫抑制活性と比べて、n=1であるグリコスフィンゴリピドの免疫抑制活性が高い程度であることにより、脂肪族アシル構造の重要性は、免疫抑制活性が高い程度であることにより示された。
次に、多くのグリコスフィンゴリピドの相対的な免疫抑制活性を比較した:GM3(n=1、n=13、n=17、及び、n=23)(図5)。各々のバーは、5μMの表示されたGM3化合物に曝された培養体における±SEM[3H]チミジンの摂取量の平均を現す。対照の刺激は、11.5±3.0×103CPMであった。試験されたグリコスフィンゴリピドにおいて、脂肪族アシル部の長さが減少するにつれて、免疫抑制効果の増加が示され、n=1の場合に、免疫抑制活性が最大であった。
GM3n=1については、生体内における免疫抑制活性も試験された。GM3n=1の一回の投与は、システム的に投与されたシクロスポリンA(公知の免疫抑制剤)とほぼ同等な免疫抑制であることが分かった(表1)。GM3n=1の生体内における免疫抑制活性は、ヒト脳混合ガングリオシドの活性とも比較され、GM3n=1は、この脳混合ガングリオシドよりも活性であることが分かった。
人口アンカーガングリオシドの免疫抑制特性
この実施例では、構造
を有する人口疎水性アンカーを有する合成ガングリオシドを試験して、これが免疫抑制性であるか否かを決定した。この化合物は、GM3に対応する炭水化物部分を有し、ジアルキルGM3とも称される。
材料および方法
ジアルキルGM3の合成:
ジアルキルGM3は、以下の一般的計画によって合成した。
A. 2−(テトラデシルヘキサデシル)O−(メチル5−アセタミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート)−(2→3))−O−(2,4−ジ−O−アセチル−6−O−ベンゾイル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−3−O−アセチル−2,6−ジ−O−ベンゾイル−β−D−グルコピラノシドの合成(上記一般的計画からの3)
CH2Cl2(3mL)中のトリクロルアセチミデート(Murase, et al. Carbohydr. Res. 188, 71-80(1989))(1;150mg、0.11mmol)および2−テトラデシルヘアデシル−1−オール(2;120mg、0.27mmol)の溶液に、モレキュラーシーブ4A,AW300(2g)を添加し、混合物を30分間攪拌し、次いで0℃に冷却した。ホウ素トリフルオリドエーテレート(0.04mL)をこの混合物に添加し、これを0℃で4時間攪拌し、濾過した。ジクロロメタン(50mL)を濾液に添加し、これをMNa2CO3および水で洗浄し、乾燥して(Na2SO4)蒸発させた。3:2の酢酸エチル−ヘキサンを用いてシリカゲル(30g)上で残渣をカラムクロマトグラフィーに付して、非結晶物として3(0.16g、89%)が得られた。
B. 2−(テトラデシルヘキサデシル)O−(5−アセタミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロン酸)−(2→3)−O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシドの合成(上記一般的計画からの4)
メタノール(5mL)中の3(75mg、0.045mmol)の溶液に、メタノール中の28%ナトリウムメトキシド溶液を5滴添加し、混合物を室温で10時間攪拌し、次いで水(0.5mL)を添加した。溶液をさらに8時間攪拌し、Amberlite IR−120(H+)樹脂で中和し、次いで濃縮した。Sephadex LH-20(30g)上で残渣をカラムクロマトグラフィー(MeOH)に付して、非結晶物として4(定量的)を得た。
C. 2−テトラデシルヘキサデシル−1−01の合成(一般的計画からの2)
化合物2を、メチルエステル化および続くメチルエステルとLiAlH4との反応を通じて2−テトラデシル−ヘキサデカン酸から非結晶物として得た。
分析:免疫抑制のインビボおよびインビトロ分析は下記の通りである。
ジアルキルGM3の定量および定性分析:ジアルキルGM3をレソルシノール分析(Svennerholm, Biochem. Biophys. Acta 24, 604-611(1957))により定量し、高速TLCによって分析した。展開溶媒系は、クロロホルム/メタノール/0.2%CaCl22H2O(60:40:9、容量比)であり、グリココンジュゲートは、レソルシノール−HClで染色した(Ledeen et al., Methods Enzymol. 83, 139-191(1982))。
結果
ジアルキルGM3の免疫抑制活性;化学合成したジアルキルGM3を、一定範囲のグリココンジュゲート濃度(0〜20μM)に渡って、破傷風トキソイド誘導ヒトリンパ球増殖分析における免疫抑制活性に関して評価した。グリココンジュゲート処理培養物による細胞増殖の阻害%は、3連のグリココンジュゲート処理培養物の平均正味[3H]チミジン取り込み量を対照培養物と比較することによって、5回の別個の実験において計算した。各点は、3回の実験における平均阻害±SDを示す。対照刺激は、2.2±0.6×104cpmであった。ジアルキルGM3についてのID50は、0.3μMより低かった。図6に示されるように、ジアルキルGM3は、免疫抑制活性を示した。抗原誘導ヒトリンパ球増殖応答を50%阻害する濃度(ID50)は、1μMより低く、90%阻害が<7μMで観察された。これらの高度の阻害を平行実験でGM3(d:18:1−C18:0)、天然由来種のGM3の一つ(これも化学合成により得られた)により得られたものと比較した場合、GM3のものよりジアルキルGM3の方がより高い阻害度を示すことが容易に観察される。化学合成したジアルキルGM3(●)およびd18:1−C18:0GM3(▲)を、一定範囲のガングリオシド濃度(0〜10μM)に渡って、破傷風トキソイド誘導ヒトリンパ球増殖分析における免疫抑制活性に関して評価した。各点は、3重の培養の平均±SEMを示す。対照刺激は1.6±0.4×104cpmであった。ジアルキルGM3は、0.2μMのID50を有しており、GM3D18:1−c18:0より4倍以上強力であった(図7)。これらの結果は、化学合成したジアルキルGM3が、破傷風トキソイド誘導ヒトリンパ球増殖により測定した場合で、インビトロにおいてヒト細胞免疫応答を強く阻害することを実証している。
インビボでの異質遺伝子的免疫応答の阻害:図6および7に示されるジアルキルGM3のインビトロ免疫抑制活性の潜在的有意性を測定するために、ネズミモデルを使用してジアルキルGM3のインビボ免疫抑制活性を評価した。このモデルでは、異質遺伝子的細胞に対して向けられた局所的微環境における免疫応答が評価される。異質遺伝子的(C3Hマウス)脾細胞をBALB/cマウスの足に注入し、流出する膝窩リンパ節を4日後に屠殺したマウスから除去した。異質遺伝子的刺激により、特異的免疫応答が膝窩リンパ節中に発達し(Kroczek et al. J. Immunol. 139, 3597-3603(1987))、これを増加したリンパ節重量、リンパ球の数、およびインビトロリンパ球増殖応答によって評価した。シクロスポリンAの規則的投与は、異質遺伝子的免疫応答に対する著しい阻害効果を有する(Morris et al. Transplant Proc. 22, 1638-1641(1990))。ジアルキルGM3(10nmolまたは11μg/マウス)を異質遺伝子的細胞と共に投与する場合、免疫応答の著しい抑制が見られた(表2)。これは3個のパラメーターによって評価される通り明白であった。最初に、リンパ節重量の増加における顕著な抑制がある。異質遺伝子的細胞と共に刺激した対照群のマウス中のリンパ節重量の正味の増加は1.6mgであり、ジアルキルGM3を異質遺伝子的細胞と共に同時注入した場合、増加は僅か0.45mgであり、これは規則的に投与したシクロスポリンAの場合(0.3mg)と非常に近似している。
これらの結果は、流出する刺激膝窩リンパ節から回収された全部の単核細胞を数えることによって確認された。リンパ球(単核−白血球)の数は、ジアルキルGM3処理群では0.8×107であり(5匹のマウスからの5個の節)、シクロスポリンA処理群では0.3×107である。これらの数は対照群の数(2.3×107細胞)の1/3以下である。さらに、これらの回収されたリンパ球によるインビトロ自発増殖分析は、ジアルキルGM3が、シクロスポリンAと同様に、3種の異なる細胞密度の条件下で[3H]チミジン取り込み量によって測定した場合で、増殖を著しく抑制することを示す(図2)。例えば、2×105細胞の条件下では、ジアルキルGM3処理の群に関する[3H]チミジン取り込み量は対照群の20%にすぎない。また、これらの結果は、ジアルキルGM3の実質的なインビボ免疫抑制活性を示している。
単純化された糖質部分のガングリオシドは免疫抑制剤である
本実施例においては、以下の構造
を有するが、但しBは
であり、そして波線により示される立体化学はαまたはβのいずれかである単純化糖質部分ガングリオシドを免疫抑制剤特性に関して試験した。この単純化糖質部分ガングリオシドもGM5(αGM5またはβGM5)と呼ばれる。
材料と方法
合成:GM5を合成するための一般的合成ストラテジーは以下に示される:
波線により示される結合は、その位置における立体化学がαまたはβのいずれかであることを示す。各々の合成は以下に記載荒れる。
A.(2S,3R,4E)−3−O−ベンジル−1−O−(メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−およびβ−D−ガラクト−2−ノンウロピラノシロネート)−2−オクタデカンアミド−4−オクタデセン−1,3−ジオール(7αおよび7β)の合成。
分子篩4A(200mg)、2,4,6−トリメチルピリジン(0.16ml)および銀(385mg)存在下におけるジクロロメタン(5ml)中の6(300mg,0.45mmol)および5(460mg,0.9mmol)の、室温における一晩暗黒下での濃縮により、カラムクロマトグラフィー後(シリカゲル、30:1 CH2C12−MeOH)、7α(133mg,26%)および7β(159mg,31%)をそれぞれ生じた。
B.(2s,3R,4E)−1−O−(5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセローα−およびβ−D−ガラクトーf2−ノンウロピラノシロン酸)−2−オクタデカンアミド−4−オクタデセン−1,3−ジオールの合成(8αおよび8β)。7α(300mg)および7β(300mg)のO−脱アセチルは、メタノール溶液中の触媒量のナトリウムメトキシドを用いて実施した。メチルエステル基のサポニン化はメタノール溶液(3ml)中の0.1M水酸化カリウム(0.43ml)を用いて室温において実施することにより、それぞれ等量の8α(αGM5)および8β(βGM5)を得た。
結果
インビトロにおけるαおよびβGM5の免疫抑制剤活性:αおよびβGM5の免疫抑制剤活性は、上記のヒトリンパ細胞増殖により測定した。表3は、αおよびβGM5の両者が可能性のある免疫抑制剤であることを示す。αGM5は、2.5nMおよび5.0nMの両方においてヒトリンパ細胞の増殖の99%阻害を示す。βGM5はやや劣る阻害を示し、2.50nMにおいて86%そして5.0nMにおいて97%である。
さらに、αGM5のID90が約2.5μMであると測定された(図8)。
インビボにおけるαGM5の免疫抑制剤活性:インビボにおける膝窩リンパ節を排出における同種異系免疫応答を阻害するαGM5の能力(上記)を測定した(表4)。αGM5は、全身投与されたシクロスポリンA(CSA)に比して、インビボにおける高い免疫抑制作用を形成した。αGM5は、細胞免疫応答における2/3の低下を引き起こした(リンパ重量の増加はインビボ同種異系刺激により引き起こされた)。
即ち、記載された本発明の例示的態様を基にすると、開示された範囲は例示にすぎず、そしてさまざまな変更、改変および修飾がオン発明の範囲でんされうることを、当業者は注目すべきである。したがって、本発明は本明細書に例示された特定の態様に限定されず、請求の範囲よってのみ限定される。
7 同種異系脾臓細胞(BALB/C,2.5×106)をC3Hマウスの左後脚のフットパッドに注入した。ガングリオシド処理群においては、10nmolの各ガングリオシドを同種異系細胞と共に注射し、CSAの全身投与と比較した(24mg/kg/日 i.p.×4投薬量)。4日目に、左脚(刺激)および右脚(非刺激)を流出する(draining)膝窩リンパ節を取り除き、そしてリンパ節の重量を測定した。データは、この代表的実験における各群中の5マウスの平均値±SDを表す。対照群とガングリオシド(またはシクロスポリンA)処理群の違いは統計的に顕著であると考えられる。P値は、<0.01。
Claims (12)
- nが1ないし5であり、そしてmが13である請求項2の組成物。
- nが1である請求項3の組成物。
- nが1ないし5であり、そしてmが13である請求項1の組成物。
- nが1である請求項5の組成物。
- nが1ないし5であり、そしてmが13である、請求項8の免疫応答の抑制方法。
- nが1である、請求項9の免疫応答の抑制方法。
- nが1ないし5であり、そしてmが13である請求項7の免疫応答の抑制方法。
- nが1である、請求項11の免疫応答の抑制方法。
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