JP4726437B2 - 基礎コンクリートの改善方法 - Google Patents

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Description

本発明は、特に既存住宅等の鉄筋コンクリート造の基礎において、コンクリート表面の強度や耐久性、コンクリートの中性化の進行改善する基礎コンクリートの改善方法に関するものである。
建物の基礎は鉄筋コンクリート造であることが一般的である。このような基礎コンクリートは、補強鉄筋やアンカーボルトを組み込んだ型枠にコンクリートを打設した後、コンクリートにバイブレーターによって振動を与えることで締め固め、密な充填を実現し、所定の養生期間を経過させた後、型枠を外して完成する。この基礎コンクリートは、下部側が地中に埋設され、上部側が大気に暴露されるのが一般的である。
上記基礎コンクリートでは、打設されたコンクリートの乾燥硬化に伴う収縮や、夏,冬の温度変化による膨張収縮により、或いは地震や車の振動により、基礎コンクリートの表面に微細なヒビ割れが生じることがあるが、このヒビ割れが基礎コンクリートの強度を直接低下させるようなことはない。
また施工時の締め固め不足,型枠の不良や他の種々の原因により気泡や気孔が形成される。また基礎コンクリートの長期間の暴露に伴う風化で、表面に発生する隙間、気泡、気孔などの空隙により、該表面が脆弱化してしまうという問題が生じる。
またコンクリートが乾燥する過程で水分が表面から蒸発し、或いはその後も地中の水分が基礎コンクリートに沿って浸透して表面から蒸発する。これに伴って、基礎コンクリートの表面にコンクリートの成分が白い華状に析出する白華現象が生じることがある。これは、コンクリート表層のセメント分の溶出にもつながり、表面劣化を促進することにもなり得る。
また地上に露出した基礎コンクリートでは、大気中の炭酸ガスがコンクリート内部に侵入して、或いは水に溶けた炭酸ガスと反応して炭酸化反応を起し、経時的に中性化が進行する。コンクリートの中性化が進行すると、埋設された補強鉄筋等に対する防錆性能が低下するという問題が生じることになる。
上記各問題を解決するために幾つかの提案がなされている。その中で、特許文献1に記載された技術は、基礎コンクリートの表面に弾性モルタルを塗布し、或いは基礎コンクリートの表面に一体化させた断熱材の表面に弾性モルタルを塗布するものである。この技術では、基礎コンクリートにヒビ割れが生じたとしても、表面に塗布された弾性モルタルに伸びが生じることでヒビ割れを大気に暴露することがない。従って、基礎コンクリートに形成されたヒビ割れに水が浸透することを防止出来る。特に、ラテックス、セメント、骨材を含む弾性モルタルとしてアクリル系ラテックスを用いることで、耐候性が改善され且つヒビ割れの有無に関わらず雨水や散水の基礎コンクリートに対する浸透を防止出来る。
また特許文献2に記載された技術は、セメント、細骨材、スラグを含む主剤と、カチオン性アクリル系共重合体エマルジョンと、顔料と、鉱物性繊維を含む混和液を混合した塗装材を基礎コンクリートの表面にハケ引き仕上げすることによって、基礎コンクリートに生じたヒビ割れを補修し、セメントモルタルの色ムラや、エフロレッセンス(白華)或いは水分の吸い上げ等によるシミを補修するものである。この技術では、ヒビ割れが小さい場合にこのヒビ割れの存在に関わらず基礎表面のリフレッシュをはかり、且つ前記色ムラやシミ等を補修して美観を向上することが出来る。
また中性化したり、脆弱化した基礎コンクリートを補修する場合、これらの部分をはつって除去した後、この基礎表面にアルカリ性付与材を塗布し樹脂モルタル等を充填し、更に、薄層の樹脂モルタル及び上塗り仕上施工をすることにより、基礎コンクリートのリフレッシュ化をはかることが出来る。
特開2003−328371号公報 特開平11−100287号公報
上記特許文献1の技術は主として新しい基礎を対象としてなされたものであり、基礎コンクリートに高い防水性とヒビ割れの発生に対する追随性を発揮することが出来る。しかし、長期間経年した物件のような基礎コンクリートでは、白華現象が生じていたり、微細なヒビが生じていたり、表面が風化等により脆弱化して表面に空隙があるような部分では、弾性モルタル仕上げは空隙等があるため、ヒビや空隙を充分に埋めることが出来ないこともあって接着強度が確保されず、弾性モルタルが長期間の暴露の間に剥がれ落ちないとはいえない。
また特許文献2の技術では、短期的にはコンクリートに白華現象が生じた基礎の美観を向上させたり、小さいヒビ割れを補修して耐食性や耐候性を向上させることが出来る。しかし長期的に風化による脆弱化や、白華の再発や、中性化の進行などを防ぐことは困難である。
また脆弱化したり、中性化したコンクリートをはつった後、アルカリ性を付与して樹脂モルタルを充填する方法では、はつり作業や樹脂モルタルのコテ塗り作業が必須となり、はつりの範囲、深さの管理、はつり部と充填した樹脂モルタル,基礎表面と薄塗りの樹脂モルタルとの接着強度が不確定なことがあり、工程が複雑で工期がかかるという問題が生じる虞がある。またはつった部分に施工する樹脂モルタルの接着強度は長期的には低下してしまい、樹脂モルタルが長期間暴露の間に剥がれ落ちないとはいえない。
上記の如く、基礎コンクリート表面の劣化、即ち、長期間にわたる風化などによる脆弱化、基礎コンクリートの膨張収縮等によるヒビ割れの補修改善、また白華の再発防止や、中性化進行の遅延化などの改善を一度に実現し得る工法は開発されていないのが現状である。
本発明の目的は、特に長期間(例えば50年以上)使用する住宅等の基礎に於いて、表面に微細ヒビ割れや白華或いは風化により脆弱化した基礎コンクリート表面の改善をはかると共に中性化進行を遅延させ、また防水性と耐候性を向上させることが出来、表面が劣化した基礎コンクリートを改善するための方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る基礎コンクリートの改善方法は、経年により微細なヒビ割れが生じた基礎コンクリートの立ち上がりの表面に浸透性と防水性を有する未硬化状態における粘度がJIS A6833に基づく値で約350Pa・S〜450Pa・Sの範囲のエポキシ樹脂塗料からなる第1塗料をその下部側が地中に埋設されるように、且つ表面の微細なヒビ割れに浸透し充填されるように塗布すると共に該第1塗料の表面に弾力性と耐候性を有する弾性モルタルからなる第2塗料を塗布するものである。
長年使用された基礎コンクリートの表面付近に発生した亀裂、ヒビ割れ、僅かな隙間、気泡、気孔などの空隙に対して該基礎コンクリートの立ち上がりの表面(以下単に「基礎コンクリートの表面」ということもある)第1塗料は、エポキシ樹脂塗料が浸透性と防水性を有するため、浸透して空隙を埋めることが出来、脆弱化したコンクリート表面を基礎コンクリート表面に固化接着出来、且つ気泡や気孔或いはヒビ割れから水の浸透を防止することが出来る。また基礎コンクリートの表面に塗布された第1塗料の表面に弾力性と耐候性を有する弾性モルタルを塗布することによって、基礎コンクリートにその後新たに亀裂やヒビ割れが生じた場合であっても第2塗料に伸びが生じ、該ヒビ割れが表面に露出することを防止出来、且つ第1塗料の表面を被って該第1塗料の寿命を延長することが出来る。従って、風化による脆弱化も阻止することが可能となる。
このため、雨水や散水の基礎コンクリートへの浸透を防止することで、ヒビ割れの拡大や補強鉄筋への悪影響を防止することが可能となり、コンクリートに浸透した水分の蒸発に伴う白華の発生や、水分に溶け込んだ炭酸ガスによる中性化の進行を阻止することが出来る。
従って、基礎コンクリートの表面が風化により気泡や孔が露出して脆弱化しているような場合でも、これらの気泡や孔にエポキシ樹脂塗料が浸透し固化接着して防水性を向上させ、且つ将来ヒビ割れや微小な凹凸が生じても、弾性モルタルからなる第2塗料がこれらを露出させることなく美観を維持することが出来、更に、耐候性を向上させて長期間の使用に対しても基礎コンクリートの中性化進行を防止することが出来る。
基礎コンクリートの表面第1塗料を浸透性の高いエポキシ樹脂からなるエポキシ樹脂塗料としたので、基礎コンクリート表面に対し高い浸透性を有することで防水性を高め、且つ接着強度を確保することが出来、これにより通気の遮断性を向上させることが出来る。しかし、エポキシ樹脂塗料は耐候性に劣る。このため、エポキシ樹脂塗料の表面第2塗料を弾性モルタルとすることで、エポキシ樹脂塗料の大気に対する暴露を防止して弾性モルタルの持つ耐候性を発揮させることが出来る。また弾性モルタルは弾力性を有するので、基礎コンクリートにヒビ割れが生じても、このヒビ割れに追随することが出来る。更に、エポキシ樹脂塗料と弾性モルタルとは互いの接着性が良いため、長期間にわたって耐候性を保持することが出来る。
従って、基礎コンクリートの表面の大気との接触及び雨水等の水分との接触がなくなり、風化による脆弱化や炭酸ガスの作用による中性化進行を阻止することが出来る。また地中の水分が基礎の上部側から蒸発する現象に対しては、地中の水分がコンクリートに浸透しても表面に出る力に充分に抵抗出来る接着強度を有するため、基礎コンクリートの成分が析出することがなく、白華現象の発生を防止することが出来る。
従って、本発明に係る基礎では、基礎コンクリートの経時変化の如何に関わらず、高い防水性を発揮すると共に通気を遮断することが出来、更に、耐候性に優れた、また白華も発生せず、外観的にも美観的にも優れた基礎を構成することが出来、且つ中性化進行も防止出来、長期間に渡って安定した性能を保持した基礎とすることが出来る。
上記の如く、本発明では、従来25年程度の寿命であった一般住宅が50年以上の寿命を確保するための方法として活用出来る。
以下、本発明に係る基礎コンクリートの改善方法の最良の形態について説明する。
本発明に係る基礎コンクリートの改善方法は、基礎コンクリートの表面にエポキシ樹脂塗料からなる第1塗料を塗布し、更にこの第1塗料の表面に第2塗料を塗布するものである。エポキシ樹脂塗料は高い浸透性と防水性を有し、弾性モルタルは弾力性と耐候性を有する。
特に高い浸透性と防水性を発揮し得るエポキシ樹脂塗料としては、例えば、コンクリート構造物に発生したヒビ割れを容易に充填し得るように、未硬化状態に於ける粘度(JIS K 6833に基づく試験)が約350mPa・s〜約450mPa・s程度の範囲に調整されたヒビ割れ浸透型のエポキシ樹脂塗料であることが好ましい。前記エポキシ樹脂塗料を基礎コンクリートの表面に塗布した場合、該基礎コンクリートに幅が0.2mm程度のヒビ割れが発生していても、該ヒビ割れ部位に浸透して充填することが可能である。
また上記した浸透型のエポキシ樹脂塗料が硬化したとき、例えば4週間の養生期間経過後の、圧縮強度は約45N/mm2 程度、曲げ強度は約35N/mm2 程度を発揮することが可能である。
また弾力性と耐候性を有する弾性モルタルとしては、基礎コンクリートにヒビ割れが発生する際のコンクリートの膨張収縮に追随して伸びることが可能な弾性を有する弾性モルタルであることが好ましい。乾燥による収縮で基礎コンクリートに生じるヒビ割れは約1mm以下程度であり、弾性モルタルとしてはこの程度の伸びを発揮し得るものであれば良い。このような性質を持ったラテックス、セメント、骨材を含む弾性モルタルとして、特許文献1に記載されたアクリル系ラテックスを用いたものであることが好ましい。このアクリル系ラテックスを用いた弾性モルタルでは、1.4mm幅のヒビ割れに追随し得ることが判明している。また雨水等に対して防水性を有している。
基礎コンクリートの表面に形成されたエポキシ樹脂塗料層は該基礎コンクリートの表面を固めると共に防水性を向上させ、更に、通気を遮断する機能を有し、且つエポキシ樹脂塗料層の表面に形成された弾性モルタル層はエポキシ樹脂塗料層を大気や水から遮断する機能と、基礎コンクリートにヒビ割れが発生したときに伸長してヒビ割れを暴露させない機能を有する。
従って、表面にエポキシ樹脂塗料層と、このエポキシ樹脂塗料層の表面に弾性モルタル層を形成した基礎コンクリートは、高い防水性と非通気性を有し、且つヒビ割れに対する高い追随性をも有することとなり、基礎コンクリートを大気及び水から遮断して炭酸ガスの作用による中性化の進行を防止することが可能となる。また基礎コンクリートの表面が大気や雨水から遮断されることから、風化の影響をほとんどなくすることが可能となり、風化による表面の脆弱化を防止することが可能となる。
更に、エポキシ樹脂塗料層が比較的高い強度と防水性と非通気性を有することから、基礎コンクリートに於けるエポキシ樹脂塗料層が形成されていない部分から地下水が浸透したとしても、該地下水の大気への蒸発を防止することが可能となる。このため、水分の蒸発に伴うコンクリート成分の析出を防止することが可能となり、白華現象を防止することが可能となる。従って、白華現象の発生に伴う塗料層の剥離による美観の劣化を防止することが可能となる。
本発明に於いて、基礎は設置直後の新しいものであっても良いが、長期間経た既存の基礎であるとより効果的である。即ち、本発明の基礎では、基礎コンクリートの中性化進行の防止、白華の再発防止、美観の向上に高い効果を発揮する。このため、基礎コンクリートの中性化が進行しているような既存の基礎に適用したとき、前記各効果に加えて、施工の容易さ、職種の単一化及びこれに伴う工程の単純化等をはかることが可能となり好ましい。
エポキシ樹脂塗料は未硬化の液状で基礎コンクリートの表面に塗布されて乾燥し、これにより、エポキシ樹脂塗料層が形成される。特に高い浸透性を有するエポキシ樹脂塗料を用いることによって、基礎コンクリートに発生したヒビ割れの内部に浸透して該ヒビ割れを充填し、且つ風化によって基礎コンクリートの表面に生じている微小な空隙や凹凸に浸透して充填することが可能である。
基礎コンクリートの表面に形成されるエポキシ樹脂塗料層の厚さは特に限定するものではなく、固化したエポキシ樹脂塗料層が、基礎コンクリートや弾性モルタルが発揮する圧縮強度と同等か或いは大きい強度を発揮することが可能で、且つ基礎コンクリートに対して充分な防水性能と非通気性能を発揮し得る厚さ(約0.2mm程度)であれば良い。
またエポキシ樹脂塗料層の表面に形成される弾性モルタルの厚さも特に限定するものではなく、エポキシ樹脂塗料層の大気に対する暴露を遮断し得る厚さであれば良い。
基礎コンクリートの表面にエポキシ樹脂塗料を塗布する際の塗布方法は特に限定するものではないが、作業性や膜厚の均一化をはかる上でローラーによる塗布であることが好ましい。同様に、エポキシ樹脂塗料層の表面に弾性モルタルを塗布する際の塗布方法も、ローラーによる塗布であることが好ましい。このように、基礎コンクリートの表面にエポキシ樹脂塗料を塗布し、このエポキシ樹脂塗料層の表面に弾性モルタルを塗布する作業をローラーによる塗布とすることで、左官職を必要とせずに作業を進めることが可能となる。
エポキシ樹脂塗料を基礎コンクリートに塗布するに際し、該基礎コンクリートに白華現象が生じている場合、基礎コンクリートの表面を水洗する程度の処理で良い。特に、エポキシ樹脂塗料が高い浸透性を有することから、基礎コンクリートに塗布されたエポキシ樹脂塗料は、該基礎コンクリートに生じているヒビ割れに浸透して該ヒビ割れを充填し、且つ基礎コンクリート表面に生じている微小な孔や凹凸に浸透して充填することが可能である。
次に、本発明に係る基礎コンクリートの改善方法の好ましい実施例について図を用いて説明する。図1は基礎の断面図である。図に於いて、基礎Aは、フーチング1aと立ち上がり1bからなる基礎コンクリート1を有しており、この基礎コンクリート1を建物の外周に沿って設置した布基礎として構成されている。フーチング1a,立ち上がり1bには夫々図示しない補強鉄筋が埋設されると共に、立ち上がり1bにはこれも図示しないアンカーボルトが埋設されている。
基礎コンクリート1の立ち上がり1bの天端には、床スラブ2が設置されると共に外壁3が設置されている。尚、本発明に於いて、床スラブ2や外壁3の構造は何ら限定するものではなく、床スラブ2は、複数の床パネルを敷き込んで或いはコンクリートを打設して構成することが可能であり、また外壁3は、図示しない柱,梁に複数のコンクリート系の壁パネル或いは木製の壁パネルを取り付けて、或いは型枠に打設したコンクリートによって構成することが可能である。
基礎コンクリート1を構成する立ち上がり1bの表面、本実施例では建物の外側に対応する表面(外壁3と対応する表面、屋外側の面)には、エポキシ樹脂塗料層10が形成され、該エポキシ樹脂塗料層10の更に表面に弾性モルタル層11が形成されている。エポキシ樹脂塗料は、主剤と硬化剤からなる2液性の塗料である。更に、本実施例では、弾性モルタル層11の表面に耐候性をより向上させるためのトップコート層12が形成されている。前記各層10〜12は、基礎Aを構成する立ち上がり部1bの表面に形成されており、上部側が大気に暴露され下部側は地中に埋設されることとなる。
上記トップコート層12は、弾性モルタル層11の表面が汚れてしまうことを嫌うような部位に設けると有利である。即ち、トップコート層12を形成することによって、基礎Aの表面が汚れ難く、且つ汚れが付着したような場合でも容易に掃除することが可能である。また弾性モルタル層11の表面にトップコート層12を形成することによって、耐候性をより向上させることも可能である。
エポキシ樹脂塗料層10は平均的な厚さが約0.2mm程度(約0.1mm〜約0.3mmの範囲)の層として形成されている。そして、エポキシ樹脂塗料層10が前記厚さであれば、基礎コンクリート1の立ち上がり1bに対する防水性を満足させると共に、該立ち上がり1bに発生しているヒビ割れ部位に浸透して充填することが可能である。
弾性モルタル層11は平均的な厚さが約1mm〜2mm程度の層として形成されている。この程度の厚さを有することで、エポキシ樹脂塗料層10が大気に暴露されることを防止することが可能である。特に、弾性モルタル層11は、エポキシ樹脂塗料層10に対し充分な強度を持って付着しており、基礎コンクリート1の立ち上がり1bにヒビ割れ等が生じた場合であっても、このヒビ割れに追随して伸び、エポキシ樹脂塗料層10から剥離することがない。
上記の如く構成された基礎Aでは、基礎コンクリート1の立ち上がり1bは屋外側の面に雨水や散水等の水が付着しても、付着した水は弾性モルタル層12、エポキシ樹脂塗料層11によって浸透が防止され、且つ大気の浸透が防止される。このため、大気中の炭酸ガスや水分に溶け込んだ炭酸ガスが基礎コンクリート1にふれることがなく、該基礎コンクリート1の中性化の進行を防止することが可能となる。更に、雨水や大気が直接立ち上がり部1bの表面に触れることがないため、該表面に風化が生じることを防止することが可能である。
また地中に含まれた水分がフーチング1aから立ち上がり1bに浸透したとしても、該立ち上がり1bの屋外面がエポキシ樹脂塗料層10によって高い接着強度と防水性を発揮しているため、該エポキシ樹脂塗料層10が剥離することがなく、且つ屋外側の面から大気に蒸発することがない。このため、立ち上がり1bの屋外側の面にはコンクリート成分の析出による白華現象が生じることがほとんどなくなり、美観を損なうことがない。
本件発明者は次の実験を行った。長さ130mmの棒状コンクリートの端部から100mmにエポキシ樹脂と弾性モルタルを塗り重ねたテストピースを作り、他端部30mmの無処理部分を水浸させた状態にして20年相当の促進試験を行い、異常は見られなかった。
次に、本発明に係る基礎の施工手順について図2により説明する。尚、図に於いて、前述の実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
既存の基礎Aであって長期間の使用により、コンクリートの中性化が進行し、或いは白華現象が生じている基礎コンクリート1を改善するに当たって、先ず、同図(a)に示すように、基礎Aに沿って土砂を掘り、フーチング1aの一部と立ち上がり1bを露出させる。この状態で、立ち上がり1bの屋外側の面を水洗し、付着している土を洗い流す。このとき、白華現象によって表面に析出したコンクリート成分は排除され美観の改善がなされる。また中性化している部分であっても、水洗とブラシかけ程度の清掃を行うことで良く、はつりは必要としない。
基礎コンクリート1の立ち上がり1bに対する水洗が終了して乾燥した後、同図(b)に示すように、ローラー15によってエポキシ樹脂塗料を塗布し、立ち上がり1bの表面にエポキシ樹脂塗料層10を形成する。このとき、基礎コンクリート1に多くのヒビ割れが生じているような場合、塗布したエポキシ樹脂塗料がヒビ割れの内部に浸透して表面に充分な厚さのエポキシ樹脂塗料層10を形成し得ないことがある。従って、基礎コンクリート1に対するエポキシ樹脂塗料の塗布量や塗布回数は、立ち上がり1bの状況に応じて適宜設定することが好ましい。
立ち上がり1bの表面に塗布したエポキシ樹脂塗料が適度に乾燥した後(気候に応じて変化するものの、略1日後)、同図(c)に示すように、エポキシ樹脂塗料層10の表面にローラー15によって弾性モルタルを塗布し、エポキシ樹脂塗料層10の表面に弾性モルタル層11を形成する。このとき、弾性モルタルの塗布回数は何ら限定するものではなく、該弾性モルタルの1回の塗布によって形成し得る塗膜の厚さ等の条件に応じて適宜設定することが好ましい。
また必要に応じて弾性モルタル層11の更に表面にトップコートを塗布し、所定期間の養生を行った後、基礎Aの屋外側の面に沿って土砂の埋め戻しを行い、これにより、図1に示す基礎Aが構成される。
上記基礎Aでは、前述したように、基礎コンクリート1に対する防水性と非通気性が向上し、該基礎コンクリート1の立ち上がり1bの表面に水が付着することがなく、且つ大気が触れることがない。このため、水に溶け込んだ炭酸ガスの作用や、大気中の炭酸ガスの作用による中性化進行を防止することが可能となる。
また地中から浸透した水分が立ち上がり1bの屋外側の面から蒸発することがないため、該面に白華現象が生じることがなく、立ち上がり1bの屋外側の面の美観を損なうことがない。
特に、エポキシ樹脂塗料、及び弾性モルタルをローラーを利用して塗布することで、左官職を必要としない。また既存の基礎に風化による微小な凹凸が生じている場合であっても、エポキシ樹脂塗料が凹部に浸透して付着し、該表面を固めるため、基礎コンクリート1の改善を容易に行うことが可能となる。
本発明に係る基礎コンクリートの改善方法は、主として長期間使用してヒビ割れや表面が風化により劣化した基礎に適用したとき、美観を向上させて効果的である。またコンクリートの中性化が進行している基礎に適用したとき、この中性化の進行を防止することが可能となり効果的である。しかし。新築の建物に設置する基礎に適用しても良い。
基礎の断面図である。 基礎コンクリートの施工手順を説明する図である。
A 基礎
1 基礎コンクリート
1a フーチング
1b 立ち上がり
2 床スラブ
3 外壁
10 エポキシ樹脂塗料層
11 弾性モルタル層
12 トップコート層
15 ローラー

Claims (1)

  1. 経年により微細なヒビ割れが生じた基礎コンクリートの立ち上がりの表面に浸透性と防水性を有する未硬化状態における粘度がJIS A6833に基づく値で約350Pa・S〜450Pa・Sの範囲のエポキシ樹脂塗料からなる第1塗料をその下部側が地中に埋設されるように、且つ表面の微細なヒビ割れに浸透し充填されるように塗布すると共に該第1塗料の表面に弾力性と耐候性を有する弾性モルタルからなる第2塗料を塗布することを特徴とする基礎コンクリートの改善方法
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