JP4722239B2 - 電気二重層キャパシタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電気機器及び電気自動車用の回生用や、電力貯蔵用として用いられる電気二重層キャパシタおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気二重層キャパシタとしては、例えば特開平3−280518号公報に記載されたものが知られている。こうした電気二重層キャパシタは、電極塗膜の表面に形成された電極箔を、セパレータを間に挟んで捲回され、非水系電解液中と共にケースの中に封止されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気二重層キャパシタにおいては、大容量化、低コスト化、信頼性の改善が要求されている。
【0004】
従来提案されていた電気二重層キャパシタでは、フッ素を含んだ樹脂を樹脂(結着剤あるいは接着剤、多くの場合は樹脂)として用いることも提案されていたが、分散方法や専用溶剤が課題になっていた。そこで例えば、特公昭59−42448号公報で提案されているようなカルボキシメチルセルロースやカルボキシメチルデンプン等の多糖類を樹脂として用いるものが、特開平4−88619号公報では分極性電極が活性炭の結着剤としてカルボキシメチルセルロースや水溶性チキン等の水溶性の多糖類およびその誘導体を用いるものや、また特開昭63−181307号公報では電極の樹脂としてカルボキシル基またはそのアルカリ金属塩を有するアルギン酸ナトリウム等の多糖類を用いるものが提案されている。そしてこうした材料を樹脂として、活性炭を接着させ、集電体(電気二重層の構成部分であり、ベースとなる金属箔の上に形成された活性炭塗膜を指す)として用いる。
【0005】
しかしこうした材料は、原料がパルプ(セルロース)となるため、これらセルロース誘導体はすべて分子鎖の中央はセルロース(グルコピラノース分子が1,4位置でβグルコシド結合をした長鎖状構造をとる)であり、このセルロース分子はミセル状の構造を持ち、結晶化しやすいため、硬く(植物の骨に相当するため)て脆い。こうした樹脂材料を用いた電極塗膜に対して、塗膜密度を上げるために特開昭57−60828号公報等で提案されているプレスを行おうとしても、柔軟性が無いため、高圧のプレスでないと塗膜密度が上がらない。
【0006】
電気二重層キャパシタの大容量化のため、集電体の膜厚を100μm以上に厚くした場合、集電体を捲回したり積層したりする際に、集電体が割れたり導電箔から剥離することが問題になっていた。こうした場合、集電体中に水分を残した(柔らかい)状態のままで捲回したり積層したりすることが考えられるが、捲回したり積層した後は、集電体中の残留水分を除去することに時間と手間がかかりコストを高めていた。
【0007】
特に非水系電解液を用いた電気二重層キャパシタの場合、内部に水分が残ると、耐電圧劣化原因(有機溶剤系の分解電圧は3Vであるが、水系の分解電圧は1V程度と低い)になりやすい。こうした従来の樹脂の場合、それ自体が水溶性であるため、水分の吸着性が高く、残留水分の除去が難しい。こうした現象は特開昭63−181307号公報等で提案されているアルギン酸の多糖類でも同様に発生する。
【0008】
一方、特開昭62−179711号公報や特開昭62−16506号公報では、活性炭を人造ラテックスに分散させて混合溶液を作成し、更に脱水処理して得られた凝集物を乾燥し、ついで凝集物を粉砕し、さらにこれを造粒し、この造粒粉末を加圧、成形することが提案されているが、このような電気二重層コンデンサの製造方法ではボタン形やコイン形にしか対応できないため、現在、産業用や電気自動車用に要求されている大容量(例えば100F以上)の捲回形あるいは積層形の電気二重層キャパシタの製造には応用することができなかった。
【0009】
本発明は、電気二重層キャパシタの部材である集電体部分に、含まれる水を可能な限り(粘度上昇を最小限に抑えながら)少なくすることで長期の信頼性を改善するとともに、大容量化、低コスト化を目的とするものである。
【0010】
なお、特開平6−316784号公報ではカーボンブラックとPTFEの均一混合粉末の製造手法として超音波ホモジナイザーの使用が、特開平6−203849号公報及び特開平8−203536号公報では燃料電池の燃料電極とその触媒製造方法及び電池の運転方法において、触媒及びニッケルをカーボンブラックと共に分散させる手法として超音波ホモジナイザーの使用が提案されているが、こうした超音波ホモジナイザーでは、250kg/cm2以上の高圧分散に用いることはできない。
【0011】
また特開昭63−104316号公報では、ケッチェンブラックにガラス転移温度が−10℃以下のエラストマーからなる分極性電極を用いることが提案されている。ここでエラストマーとしては、共重合体や各種ゴム材料が提案されている。しかしこうした材料は、有機溶剤で樹脂を溶解し、これにケッチェンブラックを混合し両者を分散し、溶剤を蒸発させた後、更にロールでブレンドし、成形しようとするものである。しかし、こうした手法は、昔よりタイヤを初めとするゴム練物の製法で作成されたものであり、リチウム二次電池や鉛二次電池に並ぶ高容量のものを作成することは難しい。
【0012】
こうした事例としては、特開平7−331201号公報でも、膨張黒鉛の樹脂として、ゴム材を混練することが提案されている。この場合、ゴム材はトルエン等の溶媒に溶解され、炭素粉末を加えて混練された後、熱処理するものである。また特開平8−250380号公報では、アクリルニトリルブタジエンゴム等の粉末をキシレン等の溶剤に溶解させた後、活性炭粉末やアセチレンブラックと混合させ、最後に溶剤を蒸発させて得られた混合物を加圧成形法や押し出し成形金型を用い厚み50〜500μmに成形する方法が提案されている。こうした、従来の溶解方法では、ゴム剤が完全溶解(言い換えると数オングストロームの分子状態まで溶解もしくは分散)してしまうため、活性炭表面の数オングストロームの微細孔まで塞いでしまい、製品の容量値を下げてしまうことが問題になっていた。こうした課題を解決するため、ゴムとの混練や成形方法を工夫することが行われていたが、どうしても限度があった。
【0013】
またより環境を考慮したもの作りとして、活性炭や導電性付与剤を樹脂と共に集電体として誘電箔の上に塗工する際、有機溶剤ではなく水を主体とした溶剤を用いることが考えられている。しかし水を主体とした場合、低沸点の有機溶剤を用いた場合より集電体の乾燥エネルギーが必要になる。あるいは集電体自体(さらには用いる樹脂自体)が吸湿しやすいため、集電体内部に残る残留水分や、仕掛り品での水分吸収、水分吸着が問題になる。一般的な電気二重層キャパシタとしては、製品中の残留水分を200ppm以下にしないと、長期の信頼性に悪影響を与える可能性があることも実験的に確かめられている。こうした原因としては、電圧を印加した際に残留水分にも電圧が印加され、このため非水系電解液より低電圧で残留水分が電気分解してしまうためと考えられている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、水溶性樹脂と、エマルジョン状態のラテックス樹脂と、を含む分散液の中に、活性炭と、導電性付与剤と、が分散した集電体液を電極箔上に塗布し乾燥させて結着した集電体を有する前記電極箔が、複数枚、セパレータを介して捲回もしくは積層され、非水系電解液中に取出し電極と共に封口された電気二重層キャパシタであって、前記電極箔がアルミ箔からなり、前記活性炭100重量部に対して、前記水溶性樹脂は乾燥重量として1重量部以上200重量部以下であると共に、前記活性炭100重量部に対して、前記ラテックス樹脂が乾燥重量として4重量部以上20重量部以下である電気二重層キャパシタであり、電気二重層キャパシタに適した柔軟性、結着力、捲回性、積層性を有した集電体を用いることで、電気二重層キャパシタの性能を高められるという作用を有する。
【0016】
本発明の請求項2に記載の発明は、水溶性樹脂は、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースのいずれか一種類以上であるキャパシタ用集電体であり、電気二重層キャパシタに適した柔軟性、結着力、捲回性、積層性を有した集電体を用いることで、電気二重層キャパシタの性能を高められるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、水溶性樹脂と、エマルジョン状態のラテックス樹脂と、を含む分散液中に、活性炭と、導電性付与剤とが、分散した集電体液をアルミ箔からなる電極箔上に塗布し乾燥させて結着した集電体を形成し、セパレータを介して捲回もしくは積層され、非水系電解液中に取出し電極と共に封口する工程と、を含む電気二重層キャパシタの製造方法であって、前記活性炭100重量部に対して、前記水溶性樹脂を乾燥重量として1重量部以上200重量部以下含有させ、前記活性炭100重量部に対して、前記ラテックス樹脂が乾燥重量として4重量部以上20重量部以下含有させる電気二重層キャパシタの製造方法であり、エマルジョン状態のラテックス樹脂は微粒子状態で、活性炭や導電性付与剤と結合しあい、これらの表面の微細な孔を塞いだり凝集体を作ったりすることを防止できるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、前記電極上の前記集電体をプレスもしくはカレンダー加工を行った後、セパレータを介して捲回もしくは積層する請求項3に記載の電気二重層キャパシタの製造方法であり、電極箔の変形を最小限に抑えながら、塗膜密度を大幅に増加できるという作用効果を有する。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、水溶性樹脂と、エマルジョン状態のラテックス樹脂と、を含む分散液中に、活性炭と、導電性付与剤と、からなる集電体液を、高圧分散機を用いて少なくとも100kg/cm2以上の圧力で分散した後、電極箔上に塗布する請求項3に記載の電気二重層キャパシタの製造方法であり、高圧分散機を用いて製造することで高特性の集電体が得られ、電気二重層キャパシタを高特性化することができるという作用を有する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1に、本発明の電気二重層キャパシタの構造図を示す。図1は100F(ファラッド)〜数千F大電力用の捲回形電気二重層キャパシタの構造図を示したものであり、図1において、1はケース、2は導電箔であり、導電箔2の表面には集電体3が片面もしくは両面に形成されている。5は捲回体であり、複数枚の集電体3が間にセパレータ4を挟んで、捲回されている。6aは取出し電極であり、複数の導電箔2に互いに接続されている。7は封口材であり、8は端子である。
【0023】
また図2は、積層形電気二重層キャパシタの構造図を示したものである。図2において、1はケースで、導電箔2の片面もしくは両面には集電体3が形成されている。集電体3の形成された複数枚の導電箔2は、間にセパレータ4を挟んで、所定形状に複数枚が積層され、積層体9を形成する。なお図2において、図1における取出し電極6a、封口材7、端子8相当は図示していない。
【0024】
本発明において、集電体は活性炭及び導電性付与剤をカルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ラテックス、4フッ化エチレン、低軟化点樹脂のいずれか一種類以上の樹脂と共に、導電箔の表面に密度が0.35g/cc以上1.50g/cc以下で集電体として形成されている。特に、カルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース樹脂等に、ラテックスや4フッ化エチレン、低軟化点樹脂等を混合して用いることで、集電体自体の柔軟性や丈夫さ、電極箔との結着力を高められ、容易に集電体の密度を0.35g/cc以上1.50g/cc以下に形成した電気二重層キャパシタを製造できる。
【0025】
なお、低軟化点樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が、−10℃以下のものが望ましい。Tgが10℃以上のものは、室温では硬く、集電体を形成した場合に、ヒビや剥がれ、微細クラックの原因になりやすい。こうした低軟化点樹脂は、重合や架橋可能なものも多く、こうしたものを選ぶことでより製品の信頼性を高められる。
【0026】
また、低軟化点樹脂としては、Tg(ガラス転移温度)が−10℃以下のものとしては、可塑剤が添加されたものでも良いが、例えば、塩化ビニル、エチレン−塩ビ共重合樹脂、塩化ビニリデン系ラテックス、塩素化樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニールブチラール、ポリビニールホルマール、ビスフェノール系エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等がある。またSBR(スチレンブタディエンラバー)、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、NBR(アクリルニトリル−ブタジエン−共重合ゴム)、ウレタンゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、各種エラストマーを用いることができる。更に、こうした樹脂を水溶性化したり、微粒子化(ラテックス化)することで、高圧分散を行う際、電極液の作業性、安全性を高めることができる。なお、こうして低軟化点樹脂は、硬化タイプ、重合タイプであってもよい。
【0027】
(実施の形態2)
図3は高圧分散機の概念図を示し、図3において投入口10から投入された電極液は、圧力部11で100kg/cm2以上の圧力に加圧され、分散混合部12で高圧分散され、排出口13から排出される。このようにして、電極液を高圧分散することで、高性能の電極液を製造することができる。このように活性炭及び導電性付与剤を、カルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ラテックス、4フッ化エチレン、低軟化点樹脂のいずれか一種類以上の樹脂と共に、水中で、活性炭と導電性付与剤と共に、高圧分散機を用いて圧力100kg/cm2以上で分散されて電極液とすることで、高特性の電気二重層キャパシタを製造することができる。
【0028】
更に詳しく説明する。まず純水中にカルボキシメチルセルロース樹脂を溶解し、ここに活性炭及び導電性付与剤(アセチレンブラックやケッチェンブラックを用いた)を添加し、混合液を作成した。この混合液を図3に示す高圧分散機を用いて、圧力200kg/cm2で分散し、高圧分散電極液を作成した。また比較のために従来例として前記混合液を市販のボールミルで30時間分散し、ボールミル分散電極液を作成した。こうして作成した各電極液を、電極箔(アルミ箔を用いた)の上に、厚みが20μmになる様に塗布し、集電体を形成した。これら集電体の密度を測定したところ、高圧分散電極液は密度が0.40から0.60程度有ったのに比較し、ボールミル分散電極液による集電体は密度が0.30であった。またこれら集電体を用いて図1、図2に示すような電気二重層キャパシタを作成したところ、ボールミル分散電極液で作成したものに比べ、高圧分散電極液の方が電気容量が20%以上増加していた。
【0029】
しかし、こうした電極液を用いて、別の活性炭を用いて同様に、電極箔の上に50μmの厚みになるように集電体を形成し捲回したところ、サンプルによっては捲回途中に集電体の表面に割れや剥がれが出るものも有った。そこで、実施の形態3として、集電体塗膜の密度を保ちながらに柔軟性と丈夫さを与えることを検討した。
【0030】
なお高圧式分散機の圧力は、100kg/cm2以上が必要である。80kg/cm2以下では圧力が足りず分散効果も不十分であることが多い。分散圧力は250kg/cm2以上、500kg/cm2以下が望ましい。こうした高圧分散を行う場合、電極液が50℃から80℃程度に自己発熱し、電極液のロット変動の原因になることがある。そのため電極液の発熱を最小限に抑える水冷機構を付加することが望ましい。また1000kg/cm2以上の分散が可能な超高圧分散機を用いることもできる。また分散回数は、1回に限る必要は無い。所定の電極液を複数回、同じ分散機で繰返し処理することにより、電極液の品質を安定化できる。また分散圧力が脈動する(圧力が規則的に上下する)場合でも、複数回繰返して分散させることで、分散度合いを安定化できる。
【0031】
なお捲回形電気二重層コンデンサ以外に、積層形電気二重層コンデンサへも応用できることは言うまでもない。また、捲回形や積層形に関係なく、複数個を直列接続することにより高容量化すると共に、等価直列抵抗を低減でき、大電流を短時間に取出せるようになる。
【0032】
また同様に捲回形や積層形に関係なく、複数個を並列接続することにより、等価直列抵抗を低減でき、大電流を短時間に取出せるようになる。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態3として、集電体の密度を保ちながら柔軟性と丈夫さを与えた例について説明する。ここでは、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩単体を用いた場合と、ラテックスや4フッ化エチレン、低軟化点樹脂等の樹脂での比較を行う。
【0034】
まず純水中500重量部にラテックス(固形分50%のエマルジョンを乾燥重量として)12重量部を分散させ、更にこの中に活性炭粉末100重量部と導電性付与剤としてのアセチレンブラック10重量部を投入し、均一に分散させ、電極液とした。こうして分散させた電極液を表面を化学エッチングにより粗面化した電極箔(幅100mm、長さ20m)の両面に、塗布機を用いて塗布し、片面80μm厚の塗膜を形成し、これを集電体とした。
【0035】
なおここで集電体塗膜の密度が0.50g/cc以上1.00g/cc以下になるように、電極液の組成及び分散プロセスを工夫した。得られた箔状電極塗膜に取出し電極を接続しセパレータを介して所定長さ分を捲回して、アルミケースに入れた。電極液としてはプロピレンカーボネート液にテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを1mol/l溶解したものを前記アルミケースに入れ、前記集電体を濡らし、更に取出し電極の一部が外部に露出するようにゴムパッキンを用いて封口し電気二重層キャパシタを作成した(以下発明品1と呼ぶ)。
【0036】
比較のため、従来例としてカルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩を用いて、純水500重量部に6重量部を溶解させ、更にこの中に活性炭粉末10重量部とアセチレンブラック10重量部を投入し、均一に分散させ、電極液としようとした。しかし活性炭、特にアセチレンブラックは純水中に分散させることができなかった。そこでエチルアルコール300重量部を追加し分散させた(アルコール以外にアンモニアの添加も同様な効果が得られた)。この電極液(以下、従来電極液と呼ぶ)を、同様に粗面化した電極箔の両面に塗布し、乾燥後に片面80μm厚の塗膜を形成した。更に110℃で120分遠赤外線乾燥した。この箔状電極塗膜を同じ長さ(同じ面積だけ)セパレータを介して捲回し、同様に電気二重層キャパシタを作成した(以下従来品1と呼ぶ)。
【0037】
次に発明品1と従来品1の加速試験をしたところ、発明品1の方が特性の劣化は少なかった。そこで、集電体を形成する各塗膜の非水系電解液や水に対する再溶解試験を行い、更にこの前後での結着強度を測定した。発明品の場合、再溶解試験でも異常が無く、結着強度も再溶解試験の前後で変化もなかった。一方、従来品では、再溶解が見られ、結着強度も再溶解試験後で下がっていた。また樹脂自体の水分吸着性(湿潤させた後の水の蒸発速度)を測定したところ、発明品の方が、従来品より1桁以上、水分吸着性が小さいことがわかった。また各集電体を何度も曲げたり伸ばしたりしたところ、発明品ではクラックや剥離は発生しなかったが、従来品ではこうした現象が発生した。
【0038】
このようにラテックスを用いることで(ラテックス自体には吸水性、水溶性が無いため)、集電体の物理特性を向上でき、製品の信頼性も向上できた。なおラテックス自体は弾性ゴムであるが、こうした材料を水の中にエマルジョン状態として分散させることで取扱いや電極液の製造が楽になる。ラテックスとしては、天然ラテックス以外に、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)等の合成品も用いることができる。
【0039】
このような合成ラテックスには、他にもブタジエン共重合体、スチレンブタジエン共重合体、カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体が有る。こうしたラテックスのエマルジョンは水の中に30から70重量%の濃度でエマルジョン状態で分散されているものが多いため、電極液に用いる場合、所定濃度に純水で希釈して、活性炭や導電性付与剤を添加することが望ましい。電極塗膜用として用いるラテックスのエマルジョンの場合、エマルジョン粒子の大きさは0.1μm以下のものが望ましい。0.3μm以上のものを用いて作成した電極液の場合、凝集や沈殿が起きる場合がある。
【0040】
ラテックスの場合、純水中に界面活性剤を用いて分散されている場合が多い。そのため出来上がったラテックスの種類によってはPHが異なる。電気二重層キャパシタの電極液を製造する場合は、中性もしくは弱アルカリ性のものが望ましい。電気二重層キャパシタに用いる活性炭の種類によっては、活性炭の処理によっては表面化学物質としてカルボキシル基が残留物として残っている場合が有る。こうした活性炭は、弱アルカリ性の樹脂溶液中に分散させることは容易である。しかし樹脂溶液が酸性度が高い場合、活性炭を均一に分散させにくくなる。このためラテックスの分散液のPHは、5以上12以下が望ましい。
【0041】
なお日本化学会編(丸善株式会社発行)の標準化学用語辞典(平成3年発行)によると、ラテックスは、”従来は天然ゴムラテックスをさしたが、合成ゴム及びゴム系以外の合成樹脂エマルジョンを出現してからは、これらを総称してラテックスと言うようになった”と記載されている。つまり、本発明においてラテックスとは、天然ゴムや合成ゴムにこだわるものでなく、合成樹脂のエマルジョンも含むものであり、こうした樹脂が活性炭もしくはアセチレンブラック、ケッチェンブラック等の粒子間に点在し、これらが前記粒子同士を点接触させるものである。
【0042】
また本発明においてエマルジョンとは、同標準化学用語辞典に示すように”液体溶質中に、これに難溶な他の液体微粒子が分散している系”であるが、液体微粒子以外に、粘着性や弾性を有するゲル状微粒子であってもよい。また溶媒は油であっても良いが、環境問題や作業性を考えると、水系が望ましい。
【0043】
また溶解とは、同標準化学用語辞典によると、”物質が液体に溶けて均一な液相になる現象”と記載されているように、従来の溶剤に溶解された樹脂材料では、活性炭等の微粒子の表面(及びその表面の微細孔自体も)覆うため製品特性を下げてしまう可能性が有る。しかし本発明のようなエマルジョンもしくはラテックスは電極液内に分散された場合でも、出来上がった集電体3中で、点在することが予想され、活性炭が賦活化されてできた微細孔を塞ぐ可能性も少なくなる。
【0044】
なおラテックスエマルジョンの添加量は、活性炭100重量部に対して、ラテックス固形分で(乾燥重量として)4重量部以上20重量部以下が望ましい。ラテックスだけを樹脂として電極液を作成する場合、3重量部以下の場合は接着強度が低くなる。一方、25重量部以上の場合、製品の容量を落としてしまう。このようにエマルジョン状態のラテックスを用いることで、ラテックス中の分散剤を有効に活用でき、アルコールやアンモニア等の環境負荷物質を添加することなく電極液を作成できる。特に電極液中の揮発成分を水(あるいは純水)だけにすることで、設備の清掃を含む作業環境を改善できる。
【0045】
(実施の形態4)
実施の形態4として、カルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩に、ラテックス樹脂を混合、ブレンドして用いた例について説明する。
【0046】
純水中500重量部にラテックス(固形分30%のエマルジョンを使用)12重量部、カルボキシメチルセルロース樹脂の一部をNH4イオンで置換したもの(カルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩)を分散させ、更にこの中に活性炭粉末10重量部とアセチレンブラック10重量部を投入し、均一に分散させ、電極液とする。なおこの分散には、図3に示すような高圧分散機を用いた。図3において、10は投入口であり、ここから予備混練の終了した電極液を投入する。11は圧力部で、投入された電極液を油圧ポンプ等で100kg/cm2以上の高圧状態にすることができる。また12は分散混合部で、ここでは高圧状態の電極液を特殊な治具に吹き付けたり、複数個のキャピラリーから高圧で噴出された電極液同士をぶつけ合わせたりすることで、分散を行う場所である。
【0047】
圧力部11において、電極液は少なくとも100kg/cm2以上の高圧力に昇圧させられる。この分散時の圧力は、圧力部11(もしくは圧力部11と分散混合部12の間)に圧力計を取付けることでモニターすることができる。また分散混合部12の内部は、局所的にダイヤモンド製もしくはセラミック製もしくは超硬金属製で形成しておくことで、摩耗から守ることができる。こうして、100kg/cm2以上の高圧を印加した電極液を分散混合部分に導入して、音速を超える速度で液同士を(または液を所定治具に)衝突、分散させるものである。こうして高圧分散された電極液は排出口13から排出される。
【0048】
こうした装置としては、米国ゴーリン社製の圧力式ホモジナイザー等を用いることができる。こうした装置を用いることで電極液に100kg/cm2以上(装置仕様によっては3,000kg/cm2以上)の高圧を印加しながら分散させることで、容易に集電体塗膜の密度を0.50g/cc以上に向上させられる。なお電極液への不純物混入を避けながら分散機の長寿命化、分散の安定化をするには、分散混合部分の材質には、ダイヤモンド製もしくはセラミック製もしくは超硬金属製のものを用いることが望ましい。次にこの電極液を同様に粗面化した電極箔上に塗布し、乾燥させ、実施の形態1と同様に電気二重層キャパシタを作成した(以下発明品2と呼ぶ)。
【0049】
比較のため、従来例としてカルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩だけを用いて、電気二重層キャパシタを作成した(以下従来品2と呼ぶ)。出来上がった塗膜を各々比較したところ、発明品2の集電体の場合1mmφとより細い径にまで巻くことができた。一方、従来品2の場合、3mmφより小さい径に巻いたところ割れや剥がれが発生した。このため製品(アルミケース)の中に巻回できる集電体の長さは、発明品の方が従来品2に比較して長くすることができ、製品の容量及びエネルギー密度を高くすることができた。
【0050】
なおラテックスと従来の水溶性樹脂(カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)を混合して用いる場合、添加される活性炭や導電性付与剤(特に、これら材料の粒径や比表面積によって)によって、出来上がる電極液の濃度は大きく変化することがある。そのため電極液の粘度は2ポイズ以上200ポイズ以下の範囲になるように組成を設定することが望ましい。1ポイズ以下では粘度が低すぎて、50μm以上の厚みの塗膜を形成することは難しく、出来上がっても厚み差が±5μmより大きくなってしまう。
【0051】
また300ポイズ以上の粘度の場合、50μm以上の厚い塗膜の形成は容易であるが、レベリング性(電極液自体が重力の作用によって塗布ムラを無くするように流れること)が悪くなり、生産性が落ちる。なお、ラテックス、4フッ化エチレン樹脂だけを用いて電極液を作成することもできるが、この中にカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂を添加することで、電極液の粘度を調整でき、塗工を容易にすることもできる。
【0052】
電気二重層キャパシタとして製造するには集電体の厚み差(最大厚みと最小厚みの差)は、5μm以下が望ましい。10μmを超えると、同じ長さの集電体を捲回した場合であっても、出来上がった捲回物の直径が異なってしまう場合が有る。このため塗工機(ドクターブレードコーター等)で塗布する際は、ここに説明したように、水溶性高分子を添加することで、塗布しやすい粘度(5〜100ポイズ程度が望ましい)を最適化することで、塗膜の厚み差を5μm以下に抑えることができ、製造工程の安定化と製品のばらつき低減が可能になる。
【0053】
また従来の電極液の分散方法として、回転式のホモジナイザー、超音波式ホモジナイザー、及びその他各種ミキサー、ボールミル、サンドミル等を用いて実験したが、塗膜の密度は0.30g/cc程度であった。一方、高圧分散を行った場合の塗膜密度は0.50g/ccから0.65g/ccとなり、製品の容量密度を大幅に改善することができた。また比較のために超音波ホモジナイザーを用いたが、塗膜密度は殆ど増加せず、その分散効果は見られなかった。
【0054】
またラテックスの場合、安定化剤として各種の界面活性剤が添加されている場合が多い。このため、従来の分散方法(各種ミキサー、ボールミル、サンドミル等)では、空気と共に電極液をかき回すため泡が発生しやすくなる。電極液に発生した泡は、真空脱泡処理しても完全には抜けきれず、塗膜集電体内部に残ったり(密度低下や容量低下の原因になる)、乾燥表面に痘痕状の痕跡を残してしまう。いずれの場合も、製品の容量密度を下げる原因になってしまう。一方、高圧分散方法の場合は、電極液は高圧下(空気に触れることなく)で液同士をぶつけたり、当て板に打ち付けたりすることで分散するため、泡は発生しにくい。
【0055】
このように電極塗膜にラテックス(特に電極液の状態で)添加することで、活性炭表面の微細な孔を塞ぐことなく塗膜の柔軟性及び曲げに対する強度を大幅に改善できた。そのため塗膜の厚みを、500μm以上(5mm程度まで)上げた場合でも、捲回の際にクラック(塗膜割れや塗膜剥がれ)等の不良を発生させることなく所定の製品を製造化できた。また塗膜の柔軟性と結着力を両立しながら大幅に改善できたため、電極箔の変形を最小限に抑えながらプレスやカレンダー加工を行うこともできた。この結果、塗膜密度を0.75から0.95まで大幅に増加でき、更に製品の高性能化を可能にできた。なお塗膜密度を1.60g/cc以上にした場合、製品容量が下がってしまった。この原因は、密度が高くなりすぎ、電気二重層を形成するだけの非水系電解液(及びイオン)が集電体内部に充填もしくは浸透できなかったためと考えられる。
【0056】
また従来例として、アクリルニトリルブタジエンゴム等の粉末をキシレン等の溶剤に溶解させた後、活性炭粉末やアセチレンブラックと混合させ、最後に溶剤を蒸発させて得られた混合物を加圧成形法や押し出し成形金型を用い厚み50〜500μmに成形してみたが、充分な特性は得られず、有機溶剤を多量に使い作業性に問題が有った。このように本発明で提案するようにラテックスはエマルジョン状態で活性炭等と混ぜ合わせることが望ましい。
【0057】
(実施の形態5)
ラテックス樹脂を少なくし、従来の水溶性樹脂を増やし、更に水溶性樹脂の重合(硬化)による不溶化(耐水化)することを試みた。まず純水中500重量部にラテックス2重量部、ポリビニールアルコール樹脂を10重量部溶解させ、更にここに重合剤としてジルコニア化合物を添加した。次にこの中に活性炭粉末10重量部とアセチレンブラック10重量部を投入し、均一に分散させ、電極液とする。次にこの電極液を同様に粗面化した電極箔に塗布し、片面80μm厚になるようにした。この電極塗膜の耐水化を試みたところ、120℃から150℃の温度で5分から10分程度熱処理することで、耐水化(不溶化)することがわかった。こうして作成した電極塗膜を耐水化することで塗膜の残留水分が吸着されにくくなった。
【0058】
なお、300℃以上の温度では、樹脂の分解が進むため塗膜が脆くなる。なお重合剤を添加していない場合、130℃以下で12時間熱処理しても電極塗膜を充分耐水化することはできなかった。なお、こうした重合開始剤もしくは反応開始剤としてジルコニア化合物を用いる場合は、樹脂100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下添加させ、乾燥もしくは熱処理によって、非水溶化させることが望ましい。添加量が少ないと水溶性樹脂の非水溶化が不十分となり、添加量が多すぎると電気二重層キャパシタの製品特性(容量値やエネルギー密度など)を下げてしまう。
【0059】
こうした重合開始剤や反応開始剤としては、反応後は、イオン化せず安定した金属酸化物になるものが望ましい。こうすることで、残った重合開始剤や反応開始剤であっても電気二重層キャパシタの特性を劣化させることはない。また重合開始剤もしくは反応開始剤を用いることで、ほかにもメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の各種高分子材料も用いることができる。この場合であっても、ラテックスの添加と併用することが望ましい。なお未反応のジルコニア化合物に関しては、酸素のある状態で熱処理を行うことで安定したジルコニア酸化物に変化させられる。電気二重層キャパシタ中の残留水分や非水系電解液と反応することはない。
【0060】
なおラテックス樹脂のガラス転移温度(軟化点の一種)は、20℃以上の場合、できあがった集電体の塗膜の柔軟性が低くなる。このためラテックス樹脂のガラス転移温度は0℃以下、望ましくは−10℃以下の低いものが望ましい。
【0061】
(実施の形態6)
ラテックスの添加した集電体のプレス実験を行った。すると発明品の場合、従来品1、2に比較して半分以下の圧力で、密度を10%以上上げられた。またプレス前後で塗膜の柔軟性や結着強度を低下することは無かった。また集電体の伸び(特に電極箔の変形)も無かった。こうしてプレス圧力やカレンダー圧力を下げることで、設備費を抑えるとともに生産性を上げることにつながり、集電体の伸び(特に電極箔の変形)が抑えられた。一方、従来品の場合、プレスをすることで塗膜の柔軟性や結着強度が低下した。また圧力を上げると集電体が変形した。
【0062】
なお、導電性付与剤としては、アセチレンブラックの他にも、ケッチェンブラック、グラファイト微粉末等の炭素系導電材料を用いることができる。あるいはポリピロール等の導電性高分子や金属微粉末を用いることができる。このとき、導電性付与剤の量は、活性炭100重量部に対して、2重量部以上10重量部以下が望ましい。導電性付与剤の量が1重量部以下の場合は、電極塗膜の導電性が落ちるため、製品に組んだときのESR(等価直列抵抗)やインピーダンスが高くなる可能性がある。また15重量部以上添加した場合は、製品中に充填できる活性炭量がその分、減少することになり、製品容量を下げる可能性が有る。
【0063】
なお塗膜密度は、用いる活性炭の平均粒径や粒度分布によっても左右される。しかしどの場合においても、高圧式分散方法を用いた場合、その塗膜密度を10%から30%向上させることができ、製品容量を50%以上高めることができた。
【0064】
なお高圧式分散機の圧力は、100kg/cm2が必要である。80kg/cm2以下では圧力が足りず分散効果も不十分であることが多い。分散圧力は250kg/cm2以上、500kg/cm2以下が望ましい。こうした高圧分散を行う場合、電極液が50℃から80℃程度に自己発熱し、電極液のロット変動の原因になることがある。そのため電極液の発熱を最小限に抑える水冷機構を付加することが望ましい。また1000kg/cm2以上の分散が可能な超高圧分散機を用いることもできる。また分散回数は、1回に限る必要はない。所定の電極液を複数回、同じ分散機で繰返し処理することにより、電極液の品質を安定化できる。また分散圧力が脈動する(圧力が規則的に上下する)場合でも、複数回繰返して分散させることで、分散度合を安定化できる。なお分散度合いや電極液の評価方法としては、市販の粒度分布計や粘度計を用いることができる。
【0065】
(実施の形態7)
実施の形態7として、高圧分散機による電極液の低粘度化(及び高濃度化)について、図4を用いて説明する。図4は本実施の形態により作成した電極液の粘度を測定した結果であり、X軸はずり速度(単位は1/s)、Y軸は粘度(単位はmPa・s:なお1ポイズは0.1Pa・sに相当)である。14の白丸は高圧分散する前の電極液の粘度である。また15の黒丸は、高圧分散した後の電極液の粘度である。このように高圧分散することにより、電極液の粘度を大幅に低下させられる。また電極液を低粘度化できると言うことは、言い換えれば、電極液の高濃度化(もしくは高固形分化)が可能になるということになる。このように高圧分散を行うことで、電極液の高濃度化が可能であり、電極液の乾燥コストを下げたり、集電体の形成速度を高められる。また電極液を高濃度化、低粘度化することにより、集電体自身の密度も高められる。
【0066】
更に詳しく説明する。純水中に、カルボキシメチルセルロース樹脂を溶解し、ここに活性炭粉末と導電性付与剤としてのアセチレンブラックを添加し、充分攪拌し、これを電極液とした。次にこの電極液を、図3に示す高圧分散機を用いて、数回分散した。この結果、電極液の粘度が大幅に低くなった。図4は粘度変化の一例を対数グラフにて示すものであり、14は高圧分散処理前の電極液の粘度であり、15は高圧分散処理後の電極液の粘度である。このように、高圧分散処理することにより、電極液の粘度を大幅に低減することができる。こうして作成した電極液(図4の15に相当)をろ過し、そのまま電極箔の上に片面の乾燥厚みが50μmになるように塗工した。最後に図2に示す様に組立て、所定の電解液を注入し製品とした(低粘度品と呼ぶ)。
【0067】
比較のために、高圧分散機を通す前の電極液(図4の14に相当)をろ過し、そのまま電極箔の上に片面の乾燥厚みが50μmになる様、塗工した。最後に図2に示す様に組立て、所定の電解液を注入し製品とした(高粘度品と呼ぶ)。こうして作成したサンプル電気特性を測定したところ、従来品1に比べ、発明品1の方が、50%以上容量値が高くなっていた。また発明品1の方が従来品に比べ、インピーダンス(及び等価直列抵抗)が半分以下に下がっていた。このように、高圧分散を行うことで、容量やインピーダンスを大幅に改善することができた。またこれらサンプルの信頼性評価を行ったが、共に問題は発生しなかった。
【0068】
次に、なぜ同じ材料を用いて作成したもの同士が、これだけ特性が異なるのかを、試作サンプルを分解して調べた。各集電体の密度を測定したところ、従来品は0.30g/ccであったが、発明品では0.50g/ccであった。このことから、高圧分散を行うことで、活性炭や導電性付与剤がより緻密化できたことが判った。なお、カルボキシメチルセルロース樹脂や同樹脂のアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースであっても同様な効果があった。
【0069】
(実施の形態8)
図5は本発明における電気二重層キャパシタの構造図を示す。図5において、1はケース、2は導電箔、3は集電体である。導電箔2は、アルミ箔、チタン箔等であり、この導電箔2の片面もしくは両面に集電体3として、活性炭及び導電性付与剤が形成されている。ここで導電性付与剤としては、アセチレンブラックやケッチェンブラック等を用いることができる。また複数枚の導電箔2は、セパレータ4を介して捲回され、捲回体5を形成している。また複数の導電箔2には複数の取出し電極6b,6cが接続されている。図5において、複数本の取出し電極6bは同じ導電箔2(仮に第1の導電箔と呼ぶ)に接続されている。また複数本の取出し電極6cは別の導電箔2(仮に第2の導電箔と呼ぶ)に接続されている。また取出し電極6bと取出し電極6cは、封口材7を介して夫々異なる端子8に接続されている。なお取出し電極6bと取出し電極6cは、セパレータ4を介して絶縁されている。
【0070】
図5の構造により、1枚の導電箔2に複数の取出し電極を形成し、前記複数の取出し電極間に電流を流すことによって、導電箔2を発熱させ捲回体5を内部から加熱し、捲回体5内部に残留している水分を蒸発除去することができる。
【0071】
(実施の形態9)
図6は本発明における捲回形電気二重層キャパシタの製造方法を説明する図である。図6において、16は電源、17は熱電対、18は熱電対リード線、19は水蒸気であり、捲回体5の内部から蒸発もしくは揮散する残留水分に相当する。図6において、捲回体5の内部には、複数の導電箔2がセパレータ(図示していない)を介して捲回されている。また取出し電極6bは同一の導電箔2に接続されている。このようにして電源16から取出し電極6bを介して、導電箔2に電流を流すことによって、捲回体5を内部から通電加熱することができる。また捲回体5の中心部に熱電対17及び熱電対リード線18を挿入することにより、捲回体5の内部温度を逐次測定することができる。
【0072】
図7は、発明品と従来品の捲回体の温度上昇の度合いを測定比較した図である。図7において、X軸は通電時間(分)であり、図6における取出し電極6bを介して導電箔2に電流を流し出してからの経過時間になる。Y軸は中心温度(℃)であり、図6における捲回体5の中心温度であり、熱電対17によって測定した結果である。図7において20の黒丸は発明品に相当する通電加熱品の通電時間に対する中心温度の変化を実測したものであり、21の白丸は比較のための従来品での中心温度の変化であり、従来の加熱手法によるものである。これらは共に真空乾燥機を100℃にセットし、真空中でその温度変化を測定したものである。通電加熱品は通電後1分程度では、室温+10℃ぐらいであるが、通電後10分を超えると、中心温度は100℃近くになっている。また100分後には中心温度は110℃程度であり、水の沸点である100℃や真空乾燥機の設定温度である100℃も超えている。こうして乾燥されたものは集電体中の残留水分が10ppm以下であり、残留水分が問題になることは無かった。
【0073】
なお本実験においては、3V−10Aの電流を流した。また大気中で、図6に示すように捲回体5の内部を通電したところ、図6に示すように白い水蒸気19が捲回体5の上下面から吹き上がった(この水蒸気19は、捲回体5の内部の残留水分と思われる)。なおこの実験中に、捲回体5の側面から水蒸気19が吹き出ることは無かった。これは導電箔2がバリアーとして機能したためと思われる。なお電流や電圧を高めることで、加熱温度、昇温速度等は自由に設定できる。
【0074】
このように、通電加熱品(図7の20の黒丸)は、従来品加熱品(図7の21の白丸)に比較して、短時間に昇温させられる。また図7の従来品加熱品(図7の21の白丸)は、昇温速度が低かったが、これは、真空中では昇温が輻射や遠赤外、熱伝導等でしか行われなかったためと思われる。このように、実施の形態2で説明する加熱方法では、真空や大気中あるいは雰囲気温度に関係なく、捲回体を内部から加熱できるため昇温が早く短時間に水分除去を行うことができる。一方、こうした加熱を行わない場合、捲回体を外部から加熱するため、昇温温度が低く、中心部の温度は上がりにくい。また中心部の温度が上がるまで、長時間の加熱が必要になり、設備費、エネルギー費等が増加する。特に導電箔は水分を通過させないため、水分の揮散は集電体内部の拡散でしか行われないため、従来の手法では、例え内部の温度が100℃以上になったとしても水分除去が確実に行えるまでは長い時間が必要であった。
【0075】
(実施の形態10)
図8は本発明における積層形電気二重層キャパシタの製造方法を説明する図である。図8において、導電箔2の片面もしくは両面には集電体3が形成されている。この集電体3の形成された複数の導電箔2は、間にセパレータを挟んで、所定形状に積層され、積層体9が形成される。なお図8において、図1での封口材7や端子8相当の部分は省略している。図8において、6cは取出し電極である。また同じ導電箔2に複数本の取出し電極6cが接続されている。図8に示すように、複数の取出し電極6cに電源16を接続することで、導電箔2に通電させ自己発熱させることができる。
【0076】
なお、加熱温度は80℃以上300℃以下が望ましい。加熱温度が70℃以下では残留水分の除去が出来ない。また330℃以上の高温では、セパレータや集電体中の樹脂成分が変質してしまう心配が有る。また加熱時間は1分以上(望ましくは10分〜100分程度)である。30秒程度では残留水分は抜け切らない。
【0077】
(実施の形態11)
実施の形態11では各種、集電体について残留水分の除去を行った例について説明する。集電体厚みを500μmになるように試作した。更に詳しく説明する。純水中に、低軟化点樹脂を溶解し、ここに活性炭粉末と導電性付与剤としてのアセチレンブラックを添加し、充分攪拌し、これを電極液とした。次にこの電極液を分散した。この電極液をろ過し、そのまま電極箔の上に片面の乾燥厚みが500μmになるよう塗工した。このように集電体厚みが厚くなると、集電体中の残留水分の絶対量が多くなると共に、その除去も難しくなる。こうした場合でも、導電箔を導電加熱することで、従来品に比べ1/100以下の短時間で残留水分の除去が実現できた。
【0078】
(実施の形態12)
実施の形態12では、ラテックスを用いた集電体での残留水分除去について説明する。このようにラテックスを集電体に添加することで、集電体の柔軟性と丈夫さを向上できる。実際にこのラテックスを含む集電体を添加する場合、200℃以下が望ましい。250℃を超えるとラテックス材料によっては変質してしまうことがある。またラテックス以外に4フッ化エチレン、低軟化点樹脂に関しても同様の効果が得られた。
【0079】
また当然のことながら、ラテックスや4フッ化エチレン、低軟化点樹脂を、カルボキシメチルセルロース樹脂のアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂のいずれか一種類以上の樹脂と共に用いても良い。
【0080】
(実施の形態13)
実施の形態13では、カルボキシメチルセルロース樹脂により活性炭及び導電性付与剤を、集電体として電極箔表面に形成し、電気二重層キャパシタを製造する方法を説明する。まず、活性炭には市販の比表面積1500〜2000m2/gのものを、導電性付与剤としては同様に市販のアセチレンブラックを用いた。次にカルボキシメチルセルロース水溶液とラテックスの混合水溶液の中に、前記活性炭とアセチレンブラックを添加し分散させ、電極液とした。次にこの電極液を、市販の電極箔の上の両面に、片面の乾燥厚みが100μmになる様に、塗工した。次にこの集電体を図1に示すように、所定幅に切断しセパレータ4を介して、複数枚を、最小巻き径2mmφで捲回し始め、最終巻き計8mmφで止め、捲回体5を作成した。
【0081】
得られた箔状電極塗膜に取出し電極を接続しセパレータを介して所定長さ分を捲回して、アルミケースに入れた。そして図6に示す様に、露点管理した室温の窒素雰囲気中で、捲回体を通電加熱し、150℃で10分キープした。その後、露点管理した窒素雰囲気中で冷却し、電解液としてのプロピレンカーボネート液にテトラエチレンアンモニウムテトラフルオロボレートを1mol/l溶解したものを前記アルミケースに入れ、前記集電体を濡らし、更に取出し電極の一部が外部に露出するようにゴムパッキンを用いて封口し電気二重層キャパシタを作成した。比較のために、従来例として同じサンプルを150℃の乾燥機(大気圧)で10時間、150℃の真空乾燥機で10時間行った。次に残留水分除去に十数分要しただけの実施の形態6のサンプルと、残留水分除去に二十数時間要した従来のサンプルを比較したが、1000時間の信頼性測定を行った後も、その信頼性に差が無かった。このように本発明では、真空を用いずとも残留水分除去が行えるため、工程コストが下げられる。
【0082】
(実施の形態14)
実施の形態14では、別の集電体を用いた複数個のサンプルを同時に残留水分除去した例について説明する。まずカルボキシメチルセルロース及びその一部をNH4イオンで置換したものを用いて、純水500重量部に6重量部を溶解させ、塗膜の柔軟性を改善するために、若干量の可塑剤を添加した。更にこの中に活性炭粉末10重量部とアセチレンブラック10重量部を投入し、均一に分散させ、電極液とした。この電極液を粗面化した電極箔の両面に塗布し、乾燥後に片面80μm厚の塗膜を形成した。更に110℃で120分遠赤外線乾燥した(この状態では、塗膜中の残留水分は除去できていない)。この箔状電極塗膜を同じ長さ(同じ面積だけ)セパレータを介して捲回し、電気二重層キャパシタを作成した。次にこのサンプルを複数個、直列に接続し、同時に通電加熱を行ったところ、同様に短時間に全数の残留水分の除去が行えた。特に直列接続することによって、多数個の捲回体もしくは積層体に対しても、例外なく全数を一度に残留水分除去を行うことができる。こうして、多量の製品を流した場合でも、品質を安定化させられる。
【0083】
なお、集電体の柔軟性を改善するために、沸点150℃以上の水溶性有機溶剤を添加した集電体に対しても活用できる。こうした可塑剤としては、水溶性のものを選ぶことができる。こうした可塑剤としては、沸点150℃以上の有機溶媒(望ましくは水溶性もしくは水と相溶性のあるもの)が望ましい。具体的には、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、ブテンジオール、ペンタンジオール、ブタンジオール、プロパンジオール、プロピレングリコール、グリセリン、ヘキサグリセロール、ヘキサントリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、メトキシメトキシエタノール、イソプロキシエタノール、ブトキシエタノール、イソペンチルオキシエタノール、ヘキシルオキシエタノール、フェノキシエタノール、ベンジルオキシエタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メトキシプロパノール、エトキシプロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ジアセトンアルコールやアルコール類、ケトン類を用いることができる。こうした可塑剤が添加されたものに対しても、本通電加熱方法を用いることで、可塑剤に混じった残留水分に対しても低コストで除去することができる。
【0084】
(実施の形態15)
実施の形態15では、ラテックス樹脂を少なくし、従来の水溶性樹脂を増やし、更に水溶性樹脂の重合(硬化)による不溶化(耐水化)することを試みた。まず純水中500重量部にラテックス2重量部、ポリビニールアルコール樹脂を10重量部溶解させ、更にここに重合剤としてジルコニア化合物を添加した。次にこの中に活性炭粉末10重量部とアセチレンブラック10重量部を投入し、均一に分散させ、電極液とする。次にこの電極液を同様に粗面化した電極箔に塗布し、片面80μm厚の乾燥膜厚になるようにした。
【0085】
次に図1に示すような捲回体を形成し、導電箔を通電加熱した。この結果、120℃から150℃の温度で5分から10分程度熱処理することで、耐水化(不溶化)することがわかった。こうして作成した電極塗膜を耐水化することで、集電体の残留水分が除去できると共に、塗膜自体が耐水化するため残留水分が吸着されにくくなる。なお、300℃以上の温度では、樹脂の分解が進むため塗膜が脆くなる。なお重合剤を添加していない場合、130℃以下で12時間熱処理しても電極塗膜を充分耐水化することはできなかった。
【0086】
なおこうした重合開始剤もしくは反応開始剤としてジルコニア化合物を用いる場合は、樹脂100重量部に対して、1重量部以上10重量部以下添加させ、乾燥もしくは熱処理によって、非水溶化させることが望ましい。添加量が少ないと水溶性樹脂の非水溶化が不十分となり、添加量が多すぎると電気二重層キャパシタの製品特性(容量値やエネルギー密度など)を下げてしまう。こうした重合開始剤や反応開始剤としては、反応後は、イオン化せず安定した金属酸化物になるものが望ましい。こうすることで、残った重合開始剤や反応開始剤であっても電気二重層キャパシタの特性を劣化させることはない。また重合開始剤もしくは反応開始剤を用いることで、ほかにもメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等の各種高分子材料も用いることができる。この場合であっても、ラテックスの添加と併用することが望ましい。なお未反応のジルコニア化合物に関しては、酸素のある状態で熱処理を行うことで安定したジルコニア酸化物に変化させられる。電気二重層キャパシタ中の残留水分や非水系電解液と反応することはない。
【0087】
なおラテックス樹脂のガラス転移温度(軟化点の一種)は、20℃以上の場合、できあがった集電体や塗膜の柔軟性が低くなる。このためラテックス樹脂のガラス転移温度は0℃以下、望ましくは−10℃以下の低いものが望ましい。
【0088】
(実施の形態16)
実施の形態16では異なる密度の集電体への応用例について説明する。まず異なる密度の集電体を形成するため、4フッ化エチレン樹脂及びラテックス樹脂を集電体に添加し、更にこの集電体をプレスした。こうして異なる密度の複数の集電体を作成した。これら異なる密度の集電体についても同様な通電加熱による残留水分の除去実験を行ったが、同様に1時間以内に確実な水分除去が行えた。一方、従来の真空加熱乾燥方法では、集電体の密度が高くなった場合や、集電体自体の大きさが大きくなった場合、数十時間から百時間以上の乾燥時間が必要であった。
【0089】
なお、導電性付与剤としては、アセチレンブラックの他にも、ケッチェンブラック、グラファイト微粉末等の炭素系導電材料を用いることができる。あるいはポリピロール等の導電性高分子や金属微粉末を用いることができる。このとき、導電性付与剤の量は、活性炭100重量部に対して、2重量部以上10重量部以下が望ましい。導電性付与剤の量が1重量部以下の場合は、電極塗膜の導電性が落ちるため、製品に組んだときのESR(等価直列抵抗)やインピーダンスが高くなる可能性が有る。また15重量部以上添加した場合は、製品中に充填できる活性炭量がその分、減少することになり、製品容量を下げる可能性が有る。なお塗膜密度は、用いる活性炭の平均粒径や粒度分布によっても左右される。しかしどの場合においても、通電加熱することで、残留水分を確実に除去することができた。
【0090】
なお、通電加熱を真空中で行う場合、0.1気圧以下で行うことが望ましい。0.2気圧以上では水分の除去速度が遅い。また真空中で通電加熱する場合、サンプルを遠赤外線等を用いて外部から加熱してもよい。また集電体の厚みは10μm以上10000μm以下が望ましい。集電体の厚みが5μm以下の場合、通電加熱しても乾燥時間が短くなりすぎるため、印加する電圧や電流を微調整しなければならない。また20000μm以上の厚みの場合、乾燥時間が長くなる。
【0091】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、活性炭及び導電性付与剤と樹脂よりなる集電体を、電極箔上に形成する際、カルボキシメチルセルロースやラテックス、4フッ化エチレン、低軟化点樹脂を用い、必要に応じて高圧分散することで容易に密度が0.50g/cc以上1.50g/cc以下の集電体を得ることができ、更に導電箔を通電加熱することで集電体中の残留水分の除去も容易に行え、低コスト、高特性の電気二重層キャパシタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1における電気二重層キャパシタの構造を示す斜視図
【図2】 同実施の形態における積層形電気二重層キャパシタの構造を示す分解斜視図
【図3】 本発明の実施の形態2における高圧分散機の概念図
【図4】 本発明の実施の形態7における電極液の粘度測定結果を示す特性図
【図5】 本発明の実施の形態8における電気二重層キャパシタの構造を示す斜視図
【図6】 本発明の実施の形態9における捲回形電気二重層キャパシタの製造方法を説明するための斜視図
【図7】 発明品と従来品の捲回体の温度上昇の度合いを測定比較した特性図
【図8】 本発明の実施の形態10における積層形電気二重層キャパシタの製造方法を説明するための分解斜視図
【符号の説明】
1 ケース
2 導電箔
3 集電体
4 セパレータ
5 捲回体
6a,6b,6c 取出し電極
7 封口材
8 端子
9 積層体
10 投入口
11 圧力部
12 分散混合部
13 排出口
14 高圧分散する前の電極液の粘度
15 高圧分散した後の電極液の粘度
16 電源
17 熱電対
18 熱電対リード線
19 水蒸気
20 通電加熱品の通電時間に対する中心温度の変化
21 従来品での中心温度の変化
Claims (5)
- 水溶性樹脂と、エマルジョン状態のラテックス樹脂と、を含む分散液の中に、活性炭と、導電性付与剤と、が分散した集電体液を電極箔上に塗布し乾燥させて結着した集電体を有する前記電極箔が、複数枚、セパレータを介して捲回もしくは積層され、非水系電解液中に取出し電極と共に封口された電気二重層キャパシタであって、
前記電極箔がアルミ箔からなり、前記活性炭100重量部に対して、前記水溶性樹脂は乾燥重量として1重量部以上200重量部以下であると共に、前記活性炭100重量部に対して、前記ラテックス樹脂が乾燥重量として4重量部以上20重量部以下である電気二重層キャパシタ。 - 水溶性樹脂は、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩、ポリビニールアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースのいずれか一種類以上である請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
- 水溶性樹脂と、エマルジョン状態のラテックス樹脂と、を含む分散液中に、活性炭と、導電性付与剤とが、分散した集電体液をアルミ箔からなる電極箔上に塗布し乾燥させて結着した集電体を形成し、セパレータを介して捲回もしくは積層され、非水系電解液中に取出し電極と共に封口する工程と、を含む電気二重層キャパシタの製造方法であって、
前記活性炭100重量部に対して、前記水溶性樹脂を乾燥重量として1重量部以上200重量部以下含有させ、前記活性炭100重量部に対して、前記ラテックス樹脂が乾燥重量として4重量部以上20重量部以下含有させる電気二重層キャパシタの製造方法。 - 前記電極上の前記集電体をプレスもしくはカレンダー加工を行った後、セパレータを介して捲回もしくは積層する請求項3に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
- 水溶性樹脂と、エマルジョン状態のラテックス樹脂と、を含む分散液中に、活性炭と、導電性付与剤と、からなる集電体液を、高圧分散機を用いて少なくとも100kg/cm2以上の圧力で分散した後、電極箔上に塗布する請求項3に記載の電気二重層キャパシタの製造方法。
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