JP4706670B2 - ディーゼル機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼル機関への実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを学習して燃料噴射量を補正するディーゼル機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来、車両用のディーゼル機関では、燃焼騒音の低減、NOxの抑制等のために、メイン噴射に先立って極少量の燃料噴射を行うパイロット噴射が行われているが、このパイロット噴射では、燃料噴射装置からの実燃料噴射量と指令噴射量とにずれが生じると、その効果を充分に発揮することができない。また、メイン噴射においても、燃料噴射装置からの実燃料噴射量と指令噴射量とにずれが生じると、ディーゼル機関の燃焼騒音、振動大やエミッション悪化が生じる。
そこで、ディーゼル機関の燃料噴射制御装置においては、通常、燃料噴射装置からの実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを燃料噴射の学習値として算出して、その学習値に基づきディーゼル機関への燃料噴射量を補正する、所謂学習制御を実行するようにされている。
また、この学習制御としては、下記(1)〜(6)のように種々の方式が知られており、ディーゼル機関では、その内の一つが選択的に利用されている。
(1)ディーゼル機関への燃料噴射が停止される減速運転時に、各気筒毎に、燃料噴射装置から微少燃料を単発的に噴射させて、その単発噴射によって生じるディーゼル機関の回転速度及び回転変動を検出し、その検出結果から、ディーゼル機関に発生したトルク、延いては、実燃料噴射量を推定して、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを求め、学習値として設定する、減速式の学習制御(例えば、特許文献1等、参照)。
(2)ディーゼル機関のアイドル運転時に、各気筒毎に、インジェクタからの燃料噴射を複数回に分けて行い、そのとき生じたディーゼル機関の回転速度及び回転変動に基づき、各気筒間で回転変動を平滑化するための第1燃料噴射補正量、及び、全気筒の平均回転速度を目標回転速度(アイドル回転速度)に制御するための第2燃料噴射補正量を求め、これら両燃料噴射補正量を実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表すパラメータとして、学習値を設定する多段式の学習制御(例えば、特許文献2等、参照)。
(3)ディーゼル機関の運転状態が安定しているときに、各気筒毎に、筒内圧センサを用いて燃料噴射後の筒内圧を検出し、その検出した筒内圧とディーゼル機関の運転状態から求めた筒内圧との圧力差を、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表すパラメータとして求め、この圧力差をなくす方向に学習値を更新する、筒内圧検出方式の学習制御(例えば、特許文献3等、参照)。
(4)ディーゼル機関の運転状態が安定しており、高圧燃料を蓄えるコモンレールへの燃料供給が停止しているときに、各気筒のインジェクタを、気筒内への燃料噴射を生じない範囲で駆動(空打ち)して、コモンレール圧の単位時間当たりの圧力降下量を測定することにより、燃料噴射時に各気筒のインジェクタから燃料排出通路にリークする燃料量を求め、これを実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表すパラメータとして、学習値を設定するコモンレール圧検出方式の学習制御(例えば、特許文献4等、参照)。
(5)ディーゼル機関の所定の運転条件下で、各気筒毎に、燃料の燃料時に気筒内に発生したイオンによってグロープラグに流れるイオン電流を検出することにより、燃料の着火期間を求め、各気筒の着火期間と全気筒の平均着火期間とのずれ、及び、全気筒の平均着火期間と目標着火期間とのずれを、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表すパラメータとして求め、これら各着火期間のずれがなくなるように学習値を更新するイオン電流検出方式の学習制御(例えば、特許文献5等、参照)。
(6)ディーゼル機関の所定の運転条件下で、炭化水素濃度等の所定の排気ガス組成を測定し、その測定結果の目標値からのずれを、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表すパラメータとして求め、そのずれがなくなるように学習値を更新する排ガス組成検出方式の学習制御(例えば、特許文献6等、参照)。
特開2005−36788号公報 特開2003−254139号公報 特開2004−251208号公報 特開2005−307885号公報 特開平10−252542号公報 特開平11−294227号公報
しかしながら、従来の燃料噴射制御装置では、上記複数の学習制御の一つで得られる学習値を用いてディーゼル機関の気筒内に噴射供給される燃料噴射量を補正することから、学習制御でノイズ、外乱等により誤学習されると、燃料噴射量を適正に補正することができなくなる。
そして、この場合、燃焼騒音の低減、NOx抑制、といった学習制御による所期の目的を達成することができなくなり、場合によっては、燃焼騒音や振動が大きくなって、運転者に不快感を与えてしまうことも考えられる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、燃料噴射装置からの実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを学習値として算出して燃料噴射量を補正するディーゼル機関の燃料噴射制御装置において、誤学習によりディーゼル機関の運転性能が悪化するのを防止することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明のディーゼル機関の燃料噴射制御装置には、互いに異なる学習条件下で動作して、燃料噴射装置に対する指令噴射量と実燃料噴射量とのずれを表す学習値を気筒毎に算出する、複数の学習手段が備えられており、比較手段が、その複数の学習手段にて算出された学習値を気筒毎に比較し、各学習値の差が許容範囲内にあるときに、その複数の学習値の少なくとも一つを用いて、各気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する。
このように、本発明の燃料噴射制御装置においては、ディーゼル機関の気筒毎に、複数の学習手段にて得られた学習値を相互監視し、各学習値が略一致している場合に、その学習値を用いて燃料噴射量の補正値を設定することから、その補正値の信頼性を高めることができ、学習手段の誤学習によってディーゼル機関の運転性能(騒音、振動、排気等)が悪化するのを防止できる。
ここで、比較手段は、各学習手段で得られた学習値の差が許容範囲内にないときには、全ての学習値を破棄して、補正値の設定(更新)を禁止するようにしてもよいが、このようにすると、各学習手段で得られた学習値に基づき補正値が更新される確率が低くなり、学習制御による効果を充分発揮できなくなることも考えられる。
このため、比較手段は、各学習手段で得られた学習値の差が許容範囲内にないときには、各学習手段で得られた複数の学習値の内、変動幅の大きい学習値を破棄し、残りの学習値を用いて補正値を設定するように構成するとよい。
つまり、各学習手段で得られる学習値は、通常、大きく変動することはなく、燃料噴射装置の特性変化等によって徐々に変化することから、各学習手段で得られた学習値の差が許容範囲内にないときには、複数の学習値の中から、変動幅が小さく信頼性が高い学習値を選択して、補正値を設定するようにするとよい。
そこで、本発明では、各学習手段で得られた学習値の差が許容範囲内にないときにも、変動幅が大きく信頼性が低い学習値を破棄することで、補正値を設定できるようにするために、比較手段を、請求項1又は請求項2に記載のように構成している。
すなわち、請求項1に記載の燃料噴射制御装置において、比較手段は、各学習手段で得られた学習値の差が前記許容範囲内にない気筒があるときには、その気筒に対する複数の学習値のうち、全気筒の学習値の平均値との差が大きい学習値を破棄し、残りの学習値を用いて当該気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する。
また、請求項2に記載の燃料噴射制御装置において、比較手段は、各学習手段で得られた学習値の差が前記許容範囲内にない気筒があるときには、その気筒に対する複数の学習値のうち、前回値からの変化量と他の気筒の学習値の前回値からの変化量の平均値との差が大きい学習値を破棄し、残りの学習値を用いて当該気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する。
従って、請求項1、2に記載の燃料噴射制御装置によれば、各学習手段にて気筒毎に算出された学習値の差が許容範囲内にないときにも、ディーゼル機関の気筒毎に、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを補正するための補正値を設定することができる。また、何れかの学習手段で特定気筒の学習値に異常が生じたときには、その特定気筒で異常が生じた学習値を、他の気筒の学習値を利用して、より正確に特定することができる。
なお、請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置のように、各学習手段にて、ディーゼル機関の気筒毎に学習値を算出するようにするには、各学習手段を、上述した学習制御(1)〜(5)の何れかを実行するように構成すればよい。
そして、これらの学習制御(1)〜(5)のうち、特に、減速式の学習制御(1)と多段式の学習制御(2)とは、ディーゼル機関に通常設けられている回転速度センサを用いて、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを求めることができるので、請求項1又は請求項2に記載の燃料噴射制御装置においては、請求項3に記載のように、複数の学習手段として、減速式の学習制御を実行する第1学習手段と、多段式の学習制御を実行する第2学習手段とを設けるとよい。
つまり、上述した学習制御(1)〜(5)のうち、筒内圧検出方式の学習制御(3)及びイオン電流検出方式の学習制御(5)では、筒内圧センサやイオン電流センサ等、学習制御専用の特別なセンサを設ける必要がある。また、コモンレール圧検出方式の学習制御(4)は、インジェクタの空打ちによって生じるコモンレール圧の変化に基づき、インジェクタから燃料排出通路にリークする燃料量を学習値として算出するものであるため、インジェクタからリークする燃料以外の要因で実燃料噴射量と指令噴射量とにずれが生じたときには、燃料噴射量を補正することができない。
これに対し、減速式及び多段式の学習制御(1)、(2)であれば、ディーゼル機関に通常設けられている回転速度センサを用いて燃料噴射系全体で生じる実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを学習値として求めることができるので、本発明の複数の学習手段として採用すれば、燃料噴射制御装置のコストアップを招くことなく、燃料噴射の制御精度を高めることができる。
一方、本発明(請求項1〜3)の燃料噴射制御装置において、各学習手段は、互いに異なる学習条件下で動作することから、例えば、複数の学習手段のうちの一つで学習条件が成立するのに時間がかかり、比較手段で各学習値を比較して補正値を設定(更新)するのに要する時間が長くなることも考えられる。
そこで、本発明(請求項1〜3)の燃料噴射制御装置には、更に請求項4に記載のように、比較動作制限手段を設けるようにしてもよい。
つまり、請求項4に記載の燃料噴射装置において、比較動作制限手段は、複数の学習手段の一つから学習値を取得し、その学習値と全気筒の学習値の平均値との差が設定範囲内にあれば、その学習値に基づき補正値を設定し、その学習値と全気筒の学習値の平均値との差が設定範囲内になければ、比較手段を動作させる。
このため、請求項4に記載の燃料噴射制御装置によれば、複数の学習手段の一つで得られた学習値と全気筒の学習値の平均値との差(換言すれば学習値の変動幅)が小さく、その学習値の信頼性が高い場合には、その学習値だけで補正値を設定(更新)できることになり、比較手段だけで補正値を設定(更新)するようにした場合に比べて、補正値の更新頻度を高めることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の蓄圧式の燃料噴射システム10全体の構成を表す概略構成図である。
本実施形態の燃料噴射システム10は、例えば、自動車用の4気筒のディーゼル機関2に燃料を供給するためのものであり、高圧燃料を蓄えるコモンレール20と、コモンレール20より供給される高圧燃料をディーゼル機関2の各気筒の燃焼室に噴射するインジェクタ30と、本システムを制御する電子制御ユニット(ECU)50とを備える。
また、当該燃料噴射システム10には、コモンレール20に燃料を供給するために、燃料タンク12から燃料を汲み上げるフィードポンプ14と、フィードポンプ14から供給された燃料を加圧してコモンレール20に供給する高圧ポンプ16とが備えられている。
ここで、高圧ポンプ16は、カムシャフトのカムの回転に伴いプランジャが往復移動することにより加圧室に吸入した燃料を加圧する公知のポンプである。そして、この高圧ポンプ16には、吸入行程でフィードポンプ14から吸入する燃料量を調量するための調量弁18が設けられている。
また、コモンレール20には、内部の燃料圧力(コモンレール圧)を検出する圧力センサ22、及び、内部の燃料を燃料タンク12側へ溢流させることで内部の燃料圧力を減圧する減圧弁24が設けられている。
また、ディーゼル機関2には、その運転状態を検出するセンサとして、回転速度NEを検出する回転速度センサ32、運転者によるアクセル操作量(アクセル開度ACC)を検出するアクセルセンサ34、冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ36、吸入空気の温度(吸気温TA)を検出する吸気温センサ38、等が設けられている。
一方、ECU50は、CPU,ROM,RAM等を中心とするマイクロコンピュータにて構成されている。
そして、ECU50は、コモンレール20に設けられた圧力センサ22や、ディーゼル機関2に設けられた各種センサ32,34,36,38…から検出信号を取り込み、コモンレール圧やインジェクタ30からの燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する。
つまり、ECU50は、ディーゼル機関2の運転状態に基づきコモンレール20の目標圧力を算出し、圧力センサ22にて検出されたコモンレール圧が目標圧力となるよう調量弁18及び減圧弁24を通電制御するコモンレール圧制御、及び、ディーゼル機関2の運転状態に基づき燃料噴射量及び燃料噴射時期を算出し、その算出結果に応じて各気筒のインジェクタ30を所定タイミングで所定時間開弁することで、各気筒に燃料を噴射供給させる燃料噴射制御を実行する。
また、この燃料噴射制御では、ECU50は、メイン噴射に先立ってパイロット噴射を実行させる。そして、インジェクタ30に対する燃料噴射の指令値(指令噴射量)とインジェクタ30から実際に噴射される燃料量(実燃料噴射量)とのずれは燃焼騒音悪化、振動大、エミッション悪化等を発生させてしまうため、これらを防止するため、ECU50は、インジェクタ30からの実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを燃料噴射量に対する補正値(学習値)として算出する、学習処理を実行する。
以下、この学習処理を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
この学習処理は、ディーゼル機関2の運転時に、ECU50において燃料噴射制御と並列的に実行されるものであり、図2に示すように、処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)にて、上述した減速式の学習制御を実行する。
つまり、S110では、アクセル開度ACCが零となって、ディーゼル機関2が減速運転に入り、各気筒への燃料噴射量が零となっているときに、学習対象となる気筒i(iは気筒番号を表す)のインジェクタ30から学習用の燃料量(一定量)だけ燃料噴射を単発的に実行させ、その後ディーゼル機関2に生じる回転変動量と回転速度とから、ディーゼル機関2の発生トルクを求め、その発生トルクから実燃料噴射量を推定して、指令噴射量とのずれを算出する、といった手順で、各気筒i毎に、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表す学習値△Q1iを算出する。
そして、S110の減速式学習制御により、全ての気筒i(i:1〜4)の学習値△Q1iが算出されると、S120に移行して、減速式学習制御で算出された各気筒iの学習値△Q1iの平均値△Q1AVEを算出し、続くS130に移行する。
S130では、上述した多段式の学習制御を実行する。つまり、S130では、アクセル開度ACCが零となって、ディーゼル機関2がアイドル運転されているときに、各気筒iのインジェクタ30からの燃料噴射を複数回(多段階)に分けて行い、その燃料噴射によって生じるディーゼル機関2の回転速度及び回転変動を各気筒i毎に検出して、各気筒i間で回転変動を平滑化するための第1燃料噴射補正量と、全気筒の平均回転速度を目標回転速度(アイドル回転速度)に制御するための第2燃料噴射補正量とを求め、これら各補正量を加算して移動平均をとることで、各気筒i毎に、実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを表す学習値△Q2iを算出する。
そして、S130の多段式学習制御により、全ての気筒i(i:1〜4)の学習値△Q2iが算出されると、S140に移行して、多段式学習制御で算出された各気筒iの学習値△Q2iの平均値△Q2AVEを算出し、続くS150に移行する。
なお、S110及びS130にて実行される減速式及び多段式の学習制御の詳細については、上述した特許文献1、2等に記載されており、従来より公知であるため、ここでは、より詳細な説明は省略する。
次に、S150では、以降の処理で、上記2種類の学習制御で得られた学習値に基づき、ディーゼル機関2の気筒i毎に燃料噴射量の補正値を設定するために、設定対象となる気筒iを特定するためのカウンタiに初期値「1」をセットする。
そして、続くS160では、S110及びS130の学習制御で得られた気筒毎の学習値のうち、気筒iに対する学習値△Q1i、△Q2iを比較し、その偏差(△Q1i−△Q2i)の絶対値が、予め設定された閾値(換言すれば許容範囲)△QTHを越えたか否かを判断する。
S160にて、学習値△Q1i、△Q2iの偏差の絶対値が閾値△QTHを越えていないと判断されると、S170に移行して、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして、気筒iの2種類の学習値△Q1i、△Q2iの平均値「(△Q1i+△Q2i)/2」を設定し、S220に移行する。
一方、S160にて、学習値△Q1i、△Q2iの偏差の絶対値が閾値△QTHを越えていると判断されると、S180に移行して、減速式の学習制御で得られた気筒iの学習値△Q1iと全気筒平均値△Q1AVEとの差△Q1Ai、及び、多段式の学習制御で得られた気筒iの学習値△Q2iと全気筒平均値△Q2AVEとの差△Q2Aiをそれぞれ算出する。
そして、続くS190では、S180で算出された各学習制御毎の差△Q1Ai、△Q2Aiを比較し、減速式学習制御での差△Q1Aiが多段式学習制御での差△Q2Aiよりも大きいか否かを判断する。
そして、S190にて、減速式学習制御での差△Q1Aiが多段式学習制御での差△Q2Aiよりも大きいと判断された場合には、減速式学習制御で得られた学習値△Q1iよりも多段式学習制御で得られた学習値△Q2iの方が、信頼性が高いと判断して、S200に移行し、信頼性が高いと判断した学習値△Q2iを、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして設定し、S220に移行する。
また、S190にて、減速式学習制御での差△Q1Aiが多段式学習制御での差△Q2Ai以下であると判断された場合には、多段式学習制御で得られた学習値△Q2iよりも減速式学習制御で得られた学習値△Q1iの方が、信頼性が高いと判断して、S210に移行し、信頼性が高いと判断した学習値△Q1iを、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして設定し、S220に移行する。
次に、S220では、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数n(本実施形態ではn=4)以上であるか否か、つまり、S160〜S210の処理をディーゼル機関2の全ての気筒iに対して行ったか否か、を判断する。
そして、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数n以上で、S160〜S210の処理をディーゼル機関2の全ての気筒に対して行っていれば、当該学習処理を一旦終了し、逆に、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数nよりも小さく、S160〜S210の処理を行っていない気筒が残っていれば、S230にて、カウンタiをカウントアップ(+1)した後、S160に移行し、次の気筒iに対して、上記と同様の手順で燃料噴射量の補正値△Qiを設定する。
以上説明したように、本実施形態の燃料噴射システム10においては、燃料噴射制御装置としてのECU50が、ディーゼル機関2の各気筒のインジェクタ30からの実燃料噴射量と指令噴射量とのずれを検出して燃料噴射量を補正するための学習処理を実行する。
そして、この学習処理では、ディーゼル機関2の減速時に気筒毎に学習値△Q1iを算出する減速式の学習制御と、ディーゼル機関2のアイドル運転時に気筒毎に学習値△Q2iを算出する多段式の学習制御との2種類の学習制御を順に実行し、各学習制御で得られた学習値△Q1i、△Q2iが略一致しているとき(|△Q1i−△Q2i|≦△QTH)には、2種類の学習値△Q1i、△Q2iの平均値を、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして設定する。
また、各学習制御で得られた学習値△Q1i、△Q2iの偏差が大きいとき(|△Q1i−△Q2i|>△QTH)には、2種類の学習値△Q1i、△Q2iのうち、全気筒平均値△Q1AVE、△Q2AVEとの偏差△Q1Ai、△Q2Aiが大きい方を破棄し、残りの(換言すれば偏差△Q1Ai、△Q2Aiが小さい方の)学習値△Q1i又は△Q2iを、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして設定する。
このため、本実施形態によれば、例えば、図3(a)に示すように、減速式学習制御で得られた第1気筒#1の学習値△Q1i(図に示すA)が、他の気筒#2〜#4の学習値△Q1iに比べて、前回値から大きく変化した場合、図3(b)に点線で示すように、多段式学習制御で得られた第1気筒#1の学習値△Q2i(図に示すB)も、減速式学習制御で得られた学習値Bと同様に前回値から大きく変化しており、これら各値A、Bが略一致している場合には、各学習制御で誤学習は発生していないものと判定されて、これら学習値A、Bの平均値が第1気筒#1の燃料噴射量の補正値として設定される。
これに対し、図3(b)に実線で示すように、多段式学習制御で得られた第1気筒#1の学習値△Q2i(図に示すC)が、他の気筒#2〜#4の学習値△Q2iと同様に前回値から大きく変化しておらず、第1気筒#1の学習値A、Cが大きく異なる場合には、一方の学習制御で誤学習が発生したと判定されて、全気筒平均値△Q2AVEに近い多段式学習制御による学習値Cが、第1気筒#1の燃料噴射量の補正値として設定される。
従って、本実施形態によれば、各方式の学習制御で得られた学習値△Q1i、△Q2iを気筒毎に比較することにより、一方の学習制御の誤学習が発生したことを正確に判定することができ、しかも、誤学習の発生を判定した際には、2種類の学習値△Q1i、△Q2iの中から正常な学習値を選択して、燃料噴射量に対する補正値を設定することができる。よって、本実施形態によれば、学習値の誤学習によってディーゼル機関2の運転性能(騒音、振動、排気等)が悪化するのを防止することができる。
また、本実施形態では、学習処理で実行する学習制御として、減速式と多段式の2種類の学習制御を採用していることから、各学習制御では、回転速度センサ32からの検出信号を用いてディーゼル機関2の気筒毎に学習値を算出することができ、ディーゼル機関の気筒毎に学習値を算出するために、筒内圧センサやイオン電流センサ等の学習制御用の特別なセンサを別途設ける必要がない。よって、本実施形態によれば、ディーゼル機関2の気筒毎に燃料噴射量に対する補正値を正確に設定し得る燃料噴射制御装置を、低コストで実現できることになる。
なお、本実施形態においては、燃料噴射制御装置としてのECU50にて実行される学習処理のうち、S110の処理が、本発明の第1学習手段に相当し、S130の処理が、本発明の第2学習手段に相当し、S150〜S220の一連の処理が、本発明の比較手段に相当する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、第1実施形態と異なる点は、燃料噴射制御装置としてのECU50にて実行される学習処理の一部であり、燃料噴射システム10全体の構成等は、全て第1実施形態と同じであるため、以下の説明では学習処理における第1実施形態との相違点についてのみ説明し、構成等の他の説明は省略する。
図4は、本実施形態のECU50にて実行される学習処理を表すフローチャートである。
図4に示すように、本実施形態の学習処理では、S110の減速式学習制御にて、各気筒の学習値△Q1iを算出すると、S125に移行して、各気筒i毎に、S110で今回算出された学習値△Q1iの前回学習値からの変化量△Q1Diを算出し、S130に移行する。
同様に、S130の多段式学習制御にて、各気筒の学習値△Q2iを算出すると、S145に移行して、各気筒i毎に、S130で今回算出された学習値△Q2iの前回学習値からの変化量△Q2Diを算出し、S150に移行する。
一方、S160にて、学習値△Q1i、△Q2iの偏差の絶対値が閾値△QTHを越えていると判断された場合には、S185に移行して、S125、S145にて算出した気筒iの学習値変化量△Q1Di、△Q2Diと、当該気筒iを除く他の気筒の学習値変化量の平均値△Q1AD、△Q2ADとの差△Q1Ei、△Q2Ei(△Q1Ei=|△Q1ADi−△Q1Di|、△Q2Ei=|△Q2ADi−△Q2Di|)をそれぞれ算出し、S195に移行する。
そして、S195では、S185で算出された学習値変化量と他気筒の平均値との差△Q1Ei、△Q2Eiを比較し、減速式学習制御での差△Q1Eiが多段式学習制御での差△Q2Eiよりも大きいか否かを判断し、減速式学習制御での差△Q1Eiが多段式学習制御での差△Q2Eiよりも大きいと判断された場合には、S200に移行し、減速式学習制御での差△Q1Eiが多段式学習制御での差△Q2Eiよりも大きくないと判断された場合には、S210に移行する。
このように、本実施形態では、減速式及び多段式の各学習制御で得られた学習値△Q1i、△Q2iの偏差が大きいとき(|△Q1i−△Q2i|>△QTH)には、各学習値△Q1i、△Q2i毎に、その学習値の前回学習値からの変化量△Q1Di、△Q2Diと、他の気筒の学習値変化量の平均値△Q1AD、△Q2ADとの差△Q1Ei、△Q2Eiを、各学習値△Q1i、△Q2iの他の気筒との変化傾向の違いを表すパラメータとして算出し、その差△Q1Ei、△Q2Eiが小さい方の学習値△Q1i又は△Q2iを、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして設定する。
このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様、各方式の学習制御で得られた学習値△Q1i、△Q2iを気筒毎に比較することにより、一方の学習制御の誤学習が発生したことを正確に判定することができるだけでなく、誤学習の発生を判定した際には、2種類の学習値△Q1i、△Q2iの中から正常な学習値を選択して、燃料噴射量に対する補正値を設定することができ、学習値の誤学習によってディーゼル機関2の運転性能(騒音、振動、排気等)が悪化するのを防止することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
なお、本実施形態において、上記各実施形態と異なる点は、燃料噴射制御装置としてのECU50にて実行される学習処理であり、燃料噴射システム10全体の構成等は、全て上記各実施形態と同じであるため、以下の説明では学習処理だけについて説明する。
図5は、本実施形態のECU50にて実行される学習処理を表すフローチャートである。
図5に示すように、本実施形態の学習処理が開始されると、まずS310にて、以降の処理で使用する全気筒共通のフラグXQDA、及び気筒i毎のフラグXCYLiをリセット(OFF)状態に初期化し、続くS320にて、上述したS110と同様の手順で、減速式の学習制御を実行する。
そして、続くS330では、S320の学習制御で得られた各気筒iの学習値△Q1iとその学習値△Q1iの全気筒平均値△Q1AVEとの差△Q1Aiを各気筒i毎に算出し、続くS340にて、カウンタiに初期値「1」をセットした後、S350に移行する。
S350では、S330で気筒iに対して算出された差△Q1Aiと予め設定された第1閾値△QTH1とを比較し、差△Q1Aiが第1閾値△QTH1を越えたか否かを判断する。そして、差△Q1Aiが第1閾値△QTH1を越えていなければ、S370にて、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして、S320にて算出された気筒iの学習値△Q1iを設定した後、S380に移行し、逆に、差△Q1Aiが第1閾値△QTH1を越えていれば、S360にて、フラグXQDA及び気筒iに対するフラグXCYLiをセット(ON)した後、S380に移行する。
次に、S380では、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数n(本実施形態ではn=4)以上であるか否か、つまり、S350〜S370の処理をディーゼル機関2の全ての気筒iに対して行ったか否か、を判断する。
そして、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数n以上で、S350〜S370の処理をディーゼル機関2の全ての気筒に対して行っていれば、S400に移行し、逆に、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数nよりも小さく、S350〜S370の処理を行っていない気筒が残っていれば、S390にて、カウンタiをカウントアップ(+1)した後、S350に移行し、次の気筒iに対し上記と同様の処理を実行する。
次に、S400では、フラグXQDAがセット(ON)されているか否か、つまり、上記S350にて、何れかの気筒iの学習値△Q1iと全気筒平均値△Q1AVEとの差△Q1Aiが第1閾値△QTH1を越えたと判断されたか否かを判断する。
そして、フラグXQDAがリセット(OFF)状態であり、S350〜S380の処理によって、全ての気筒iに対して補正値が設定されている場合には、当該処理を一旦終了し、逆に、フラグXQDAがリセット(OFF)状態である場合、つまり、少なくとも一つの気筒iについては、S350にて、学習値△Q1iと全気筒平均値△Q1AVEとの差△Q1Aiが第1閾値△QTH1を越えたと判断されて、燃料噴射量に対する補正値が未設定である場合には、S410に移行する。
S410では、上述したS130と同様の手順で、多段式の学習制御を実行し、続くS420にて、この多段式の学習制御で得られた各気筒iの学習値△Q2iとその学習値△Q2iの全気筒平均値△Q2AVEとの差△Q2Aiを各気筒i毎に算出する。そして、続くS430では、カウンタiに初期値「1」をセットし、S440に移行する。
S440では、カウンタiに対応した気筒iに対するフラグXCYLiがセット(ON)されているか否か、つまり、気筒iに対する燃料噴射量の補正値は未設定状態であるか否か、を判断する。そして、フラグXCYLiがセット(ON)されていなければ、S500に移行し、逆に、フラグXCYLiがセット(ON)されていれば、S450に移行する。
S450では、上述したS160と同様に、S320及びS420の学習制御で得られた気筒毎の学習値のうち、気筒iに対する学習値△Q1i、△Q2iを比較し、その偏差(△Q1i−△Q2i)の絶対値が、予め設定された第2閾値△QTH2を越えたか否かを判断する。
そして、S450にて、学習値△Q1i、△Q2iの偏差の絶対値が第2閾値△QTH2を越えていないと判断されると、S460に移行して、気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして、気筒iの2種類の学習値△Q1i、△Q2iの平均値「(△Q1i+△Q2i)/2」を設定し、S500に移行する。
一方、S450にて、学習値△Q1i、△Q2iの偏差の絶対値が第2閾値△QTH2を越えていると判断されると、S470に移行し、上記S190と同様に、S330で算出した気筒iの学習値△Q1iと全気筒平均値△Q1AVEとの差△Q1Ai、及び、S420で算出した気筒iの学習値△Q2iと全気筒平均値△Q2AVEとの差△Q2Aiを比較する。
そして、S470にて、差△Q1Aiが差△Q2Aiよりも大きいと判断された場合には、減速式学習制御で得られた学習値△Q1iよりも多段式学習制御で得られた学習値△Q2iの方が、信頼性が高いと判断して、S480に移行し、上述したS200と同様に、学習値△Q2iを気筒iの補正値△Qiとして設定した後、S500に移行する。
また、S470にて、差△Q1Aiが差△Q2Ai以下であると判断された場合には、多段式学習制御で得られた学習値△Q2iよりも減速式学習制御で得られた学習値△Q1iの方が、信頼性が高いと判断して、S490に移行し、上述のS210と同様に、学習値△Q1iを気筒iの燃料噴射量に対する補正値△Qiとして設定し、S500に移行する。
そして、S500では、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数n(本実施形態ではn=4)以上であるか否か、つまり、S440〜S490の処理をディーゼル機関2の全ての気筒iに対して行ったか否かを判断し、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数n以上で、S440〜S490の処理をディーゼル機関2の全ての気筒に対して行っていれば、当該学習処理を一旦終了し、逆に、カウンタiの値がディーゼル機関2の気筒数nよりも小さく、S440〜S490の処理を行っていない気筒が残っていれば、S510にて、カウンタiをカウントアップ(+1)した後、S440に移行し、次の気筒iに対して、上記と同様の手順で燃料噴射量の補正値△Qiを設定する。
このように、本実施形態の学習処理では、減速式の学習制御を実行してから、減速式の学習制御で得られた学習値△Q1iの中に、全気筒平均値△Q1AVEと大きく異なる(△Q1A1>△QTH1となる)学習値が存在するか否かを判定して、全気筒平均値△Q1AVEと大きく異なる学習値が存在しなければ、多段式の学習制御を実行することなく、減速式の学習制御で得られた学習値△Q1iをそのまま各気筒iの補正値△Qiとして設定する。
また、減速式の学習制御で得られた学習値△Q1iの中に、全気筒平均値△Q1AVEと大きく異なる学習値が存在する場合には、多段式の学習制御を実行して、その気筒iの補正値△Qiを、第1実施形態と同様に、各学習制御で得られた学習値△Q1i、△Q2iを比較することにより設定する。
このため、本実施形態の燃料噴射システム10によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる他、減速式の学習制御で得られた学習値△Q1iの中に全気筒平均値△Q1AVEと大きく異なる学習値が存在しなければ、多段式の学習制御を実行することなく、補正値△Qiを設定できるので、補正値△Qiをより速やかに設定することができるようになり、補正値△Qiの更新頻度を高めることができる。
なお、本実施形態においては、図5に示した学習処理のうち、S320の処理が、本発明の第1学習手段に相当し、S340〜S400の処理が、本発明の比較動作制限手段に相当し、S410の処理が、本発明の第2学習手段に相当し、S430〜S500の一連の処理が、本発明の比較手段に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
例えば、第3実施形態では、減速式の学習制御を優先的に実行して、この減速式学習制御で得られた学習値△Q1iの中に、全気筒平均値△Q1AVEとの偏差△Q1Aiが第1閾値△QTH1を越える学習値△Q1iが存在する場合に、多段式の学習制御を実行するものとして説明したが、減速式学習制御及び多段式学習制御は、各々の学習条件成立時にそれぞれ実行するようにし、各学習制御実行後に、それぞれ、その学習制御で得られた学習値と全気筒平均値との偏差を比較して、偏差が小さい場合には、その学習制御で得られた学習値を用いて補正値を設定するようにし、その学習制御で得られた学習値の中に全気筒平均値との偏差が大きい学習値が存在するときに限って、その学習値を用いた補正値の更新を禁止し、その後、他の学習制御で得られた学習値と比較することで補正値を更新するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、燃料噴射量の学習制御として、減速式及び多段式の2種類の学習制御を実行するものとして説明したが、上述した筒内圧検出方式、コモンレール圧検出方式、イオン電流検出方式、排ガス組成検出方式、…等、減速式や多段式の学習制御以外の学習制御を組み合わせて実行するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、本発明を、コモンレール20を備えた蓄圧式の燃料噴射システムに適用した場合について説明したが、本発明は、分配型燃料噴射ポンプを備えた燃料噴射システムであっても適用することはできる。
実施形態の燃料噴射システム全体の構成を表す概略構成図である。 第1実施形態の学習処理を表すフローチャートである。 第1実施形態の学習処理の動作を説明する説明図である。 第2実施形態の学習処理を表すフローチャートである。 第3実施形態の学習処理を表すフローチャートである。
符号の説明
2…ディーゼル機関、10…燃料噴射システム、12…燃料タンク、14…フィードポンプ、16…高圧ポンプ、18…調量弁、20…コモンレール、22…圧力センサ、24…減圧弁、30…インジェクタ、32…回転速度センサ、34…アクセルセンサ、36…水温センサ、38…吸気温センサ、50…ECU(電子制御ユニット)。

Claims (4)

  1. ディーゼル機関の運転状態に基づき燃料噴射量を算出し、該算出結果に応じて燃料噴射装置を駆動することによりディーゼル機関の複数の気筒内にそれぞれ燃料を噴射供給する燃料噴射制御装置において、
    互いに異なる学習条件下で動作し、燃料噴射後のディーゼル機関の所定の動作状態に基づき、ディーゼル機関の気筒毎に、前記燃料噴射装置に対する指令噴射量と実燃料噴射量とのずれを表す学習値を算出する複数の学習手段と、
    ディーゼル機関の気筒毎に、前記複数の学習手段にて算出された学習値を比較し、各学習手段で得られた学習値の差が許容範囲内にあるとき、該複数の学習値の少なくとも一つを用いて、当該気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する比較手段と、
    を備え、
    前記比較手段は、前記各学習手段で得られた学習値の差が前記許容範囲内にない気筒があるときには、当該気筒に対する複数の学習値のうち、全気筒の学習値の平均値との差が大きい学習値を破棄し、残りの学習値を用いて当該気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する、
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  2. ディーゼル機関の運転状態に基づき燃料噴射量を算出し、該算出結果に応じて燃料噴射装置を駆動することによりディーゼル機関の複数の気筒内にそれぞれ燃料を噴射供給する燃料噴射制御装置において、
    互いに異なる学習条件下で動作し、燃料噴射後のディーゼル機関の所定の動作状態に基づき、ディーゼル機関の気筒毎に、前記燃料噴射装置に対する指令噴射量と実燃料噴射量とのずれを表す学習値を算出する複数の学習手段と、
    ディーゼル機関の気筒毎に、前記複数の学習手段にて算出された学習値を比較し、各学習手段で得られた学習値の差が許容範囲内にあるとき、該複数の学習値の少なくとも一つを用いて、当該気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する比較手段と、
    を備え、
    前記比較手段は、前記各学習手段で得られた学習値の差が前記許容範囲内にない気筒があるときには、当該気筒に対する複数の学習値のうち、前回値からの変化量と他の気筒の学習値の前回値からの変化量の平均値との差が大きい学習値を破棄し、残りの学習値を用いて当該気筒の燃料噴射量に対する補正値を設定する、
    ことを特徴とするディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記複数の学習手段として、
    ディーゼル機関への燃料噴射量が零となる減速運転時に、ディーゼル機関の気筒毎に、燃料噴射装置から単発的に燃料噴射を実行させて、燃料噴射後に生じるディーゼル機関の回転変動を検出し、該検出結果から実燃料噴射量を算出して指令噴射量とのずれを求め、前記学習値を設定する第1学習手段と、
    ディーゼル機関のアイドル運転時に、ディーゼル機関の気筒毎に、燃料噴射装置からの燃料噴射を複数回に分けて行い、そのとき生じたディーゼル機関の回転速度及び回転変動に基づき、各気筒間で回転変動を平滑化するための第1燃料噴射補正量、及び、前記気筒の平均回転速度を目標回転速度に制御するための第2燃料噴射補正量を求め、これら両燃料噴射補正量に基づき前記学習値を設定する第2学習手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記ディーゼル機関の複数の気筒毎に、前記複数の学習手段の一つから学習値を取得し、該学習値と全気筒の学習値の平均値との差が設定範囲内にあれば、該学習値に基づき前記補正値を設定し、該学習値と全気筒の学習値の平均値との差が設定範囲内になければ、前記比較手段を動作させる比較動作制限手段、
    を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のディーゼル機関の燃料噴射制御装置。
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