JP4696792B2 - 車載警報装置 - Google Patents

車載警報装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4696792B2
JP4696792B2 JP2005257180A JP2005257180A JP4696792B2 JP 4696792 B2 JP4696792 B2 JP 4696792B2 JP 2005257180 A JP2005257180 A JP 2005257180A JP 2005257180 A JP2005257180 A JP 2005257180A JP 4696792 B2 JP4696792 B2 JP 4696792B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alarm
collision
driver
vehicle
warning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005257180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007072631A (ja
Inventor
健一 大上
祐之 宇佐美
重康 魚住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005257180A priority Critical patent/JP4696792B2/ja
Publication of JP2007072631A publication Critical patent/JP2007072631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4696792B2 publication Critical patent/JP4696792B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Description

本発明は、車載警報装置に係り、特に、カメラの撮像画像に基づいて車両運転者の視線方向を検出し、その検出結果に応じて運転者への警報制御を行う車載警報装置に関する。
従来から、車両前方の障害物に対する自車両の衝突可能性が所定レベルに達したときに車両運転者に衝突警報を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置においては、車室内に設けられたカメラの撮影する画像を用いて運転者が視線を正面方向から外す脇見をしているか否かが検出される。そして、運転者の脇見が検出されたときは、車両運転者にスピーカ出力やディスプレイ表示による警報を行うための前方障害物との衝突可能性に関する上記所定レベルが小さく変更される。このため、上記従来の装置によれば、車両運転者が脇見をしたときに上記の衝突警報を早目に出力させることができ、その結果として、車両走行時における安全性を向上させることが可能となる。
特開2004−145725号公報
ところで、上記従来の装置において、運転者の脇見を検出するために設けられるカメラは、ステアリングホイールのコラムカバー上に設けられるため、太陽や街灯,他車のヘッドライトなどの光の影響によっては、カメラの撮像画像が画像処理されても、運転者の脇見検出に必要な特徴部が抽出されず、その脇見の有無を検出することができないことがある。また、カメラ自体が何らかの要因で故障することがある。しかしながら、上記従来の装置では、脇見有無に応じた上記の警報制御を行ううえで、上述の如く運転者の脇見検出が不可能な状況になった場合における対応がなされていないので、運転者への警報が適切なタイミングで行われないおそれがあった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、カメラの撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況になった場合においても適切に警報制御を実行することが可能な車載警報装置を提供することを目的とする。
上記の目的は、カメラの撮像画像に基づいて車両運転者の視線方向を検出する視線方向検出手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にあるときは前方障害物との衝突可能性が所定レベルに達してから、一方、前記視線方向が正面方向にないときは前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から、車両運転者に向けて第1の警報を行う第1の警報手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にないときに、前記第1の警報手段により第1の警報を開始するタイミングを一律に早めるタイミング変更手段と、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から第1の警報が開始された後、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間が所定時間以上である場合に、第1の警報とは異なる第2の警報を車両運転者に向けて行う第2の警報手段と、を備える車載警報装置であって、前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあるか否かを判別する検出状況判別手段を備え、前記第1の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達してから第1の警報を行うと共に、前記第2の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、車両運転者に向けた第2の警報を禁止する車載警報装置により達成される。


この態様の発明において、通常は、カメラの撮像画像に基づいて検出される車両運転者の視線方向が正面方向にあるときは前方障害物との衝突可能性が所定レベルに達してから第1の警報が行われ、一方、その視線方向が正面方向にないときは衝突可能性がその所定レベルに達する前から第1の警報が行われるが、カメラの撮像画像に基づく車両運転者の視線方向の検出が不可能な状況にある場合には、視線方向に関係なく、衝突可能性が所定レベルに達してから第1の警報が行われる。従って、カメラの撮像画像に基づく車両運転者の視線方向の検出が不可能な状況になっても適切に警報制御を実行することができる。
また、上記の目的は、カメラの撮像画像に基づいて車両運転者の視線方向を検出する視線方向検出手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にあるときは前方障害物との衝突可能性が所定レベルに達してから、一方、前記視線方向が正面方向にないときは前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から、車両運転者に向けて第1の警報を行う第1の警報手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間に応じて、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前において第1の警報を開始するタイミングを変更するタイミング変更手段と、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から第1の警報が開始された後、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間が所定時間以上である場合に、第1の警報とは異なる第2の警報を車両運転者に向けて行う第2の警報手段と、を備える車載警報装置であって、前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあるか否かを判別する検出状況判別手段を備え、前記タイミング変更手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、前記タイミングの変更を禁止すると共に、前記第2の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、車両運転者に向けた第2の警報を禁止する車載警報装置により達成される。
この態様の発明において、通常、カメラの撮像画像に基づいて検出される車両運転者の視線方向が正面方向にないときは衝突可能性がその所定レベルに達する前から第1の警報が行われ、その視線方向が正面方向にない状態の継続時間に応じてその第1の警報の開始タイミングが変更されるが、カメラの撮像画像に基づく車両運転者の視線方向の検出が不可能な状況にある場合には、その第1の警報の開始タイミングの変更が禁止される。従って、カメラの撮像画像に基づく車両運転者の視線方向の検出が不可能な状況になっても第1の警報を適切なタイミングで開始させることができる。
ところで、上記した車載警報装置において、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から第1の警報が開始された後、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間が所定時間以上である場合に、第1の警報とは異なる第2の警報を車両運転者に向けて行う第2の警報手段を備え、前記第2の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、車両運転者に向けた第2の警報を禁止する。かかる構成においては、車両運転者の視線方向の検出が不可能な状況になっても第2の警報が誤って行われることはなく、これにより、第2の警報の適切な実行を確保することが可能となる。
尚、上記した車載警報装置において、前記第1の警報は、車両運転者の視覚又は聴覚を刺激する警報表示又はブザー吹鳴であると共に、前記第2の警報は、車両運転者が体感する車輪制動又はステアリング振動であることとしてもよい。

尚、上記した車載警報装置において、前記検出状況判別手段は、前記視線方向検出手段によりカメラの撮像画像から車両運転者の視線方向の検出がなされないか否かを判別することとしてもよく、また、前記検出状況判別手段は、前記カメラに故障が生ずるか否かを判別することとしてもよい。
尚、これらの発明において、「正面方向」とは、運転者が一般に直線走行時に視線をほぼ車両進行方向に向けているときの方向のことである。
本発明によれば、カメラの撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況になった場合においても適切に警報制御を実行することができる。
図1は、本発明の一実施例である車載警報装置10の構成図を示す。また、図2は、本実施例の車載警報装置10が備える車両運転者の顔を撮影するために設けられたカメラの配置図を示す。尚、図2(A)には車両横方向から見た際の図を、また、図2(B)には図1(A)に示す矢視IIIの方向へ見た際の図を、それぞれ示す。本実施例の車載警報装置10は、自車両と自車両の前方に存在する先行車両や対向車両,静止物などの障害物との衝突を予測して、その衝突可能性が比較的高くなったときに車両運転者に向けて衝突回避或いは衝突緩和のための警報を行うプリクラッシュセーフティ(PCS)システムである。
図1に示す如く、車載警報装置10は、コンピュータを主体に構成された電子制御ユニット(以下、PCS−ECUと称す)12を備えている。PCS−ECU12には、車体前端のバンパやフロントグリル等に配設された障害物センサ14が接続されている。障害物センサ14は、例えばミリ波レーダやレーザレーダ,カメラ等により構成されており、自車両の前方(特に自車両の進路上)に存在する障害物に応じた信号をPCS−ECU12に対して出力する。PCS−ECU12は、障害物センサ14の出力信号に基づいて、前方障害物の有無を検出すると共に、前方障害物が存在するときには自車両とその前方障害物との距離を検出し、そして、その検出距離と車速センサなどを用いて検出される自車速とに基づいて両者の相対速度を検出する。
車載警報装置10は、また、上記のPCS−ECU12とシリアル通信接続された、コンピュータを主体に構成されたカメラECU16を備えている。カメラECU16には、車両運転者の顔を撮影するために設けられた顔画像撮影カメラ18が接続されている。顔画像撮影カメラ18は、図2に示す如く例えば、運転者が操舵時に左右に回転操作するステアリングホイール20の軸部を覆う非回転部材であるステアリングコラムカバー22の上面又はコンビネーションメータ24内に配置されている。顔画像撮影カメラ18は、ステアリングホイール20の表面に運転者がそのステアリングホイール20を手で握るためかつコンビネーションメータ24を視認するために開口する開口部を通して、車両進行方向と正対する方向かつ車両運転者の頭部が存在する方向に指向されており、車両運転者の顔をほぼ正面から撮影する。尚、夜間撮影のため、車両運転者の顔へ向けて赤外線を投光するランプを設けることとしてもよい。
顔画像撮影カメラ18の映像信号は、カメラECU16に供給されている。カメラECU16は、顔画像撮影カメラ18から供給される映像信号に基づいて2値化処理や特徴点抽出処理を行うことにより、運転者の顔を映した画像を抽出し、その抽出画像から運転者の顔幅及び顔中心線を検出し、それらのパラメータから画像に映る顔の左右間隔比率を算出し、そして、その左右間隔比率から運転者の顔が向く方向すなわち正面からの角度(以下、運転者が直線走行時にその走行レーンに沿って車両進行方向に真正面に視線を向けたときを0°とする。;顔向き角度)を検出する。
カメラECU16は、また、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づいて運転者の顔向き角度を検出する過程において、太陽などの光の影響などに起因してエッジ点や特徴点の抽出を行うことができないため顔向き角度の検出を行うことができない状況にあるか否かを判別する。更に、顔画像撮影カメラ18の電源電圧異常や同期信号未発信などの故障並びに顔画像撮影カメラ18との通信ラインの途絶などの異常を検出することができる。
カメラECU16の検出した車両運転者の顔向き角度の情報並びに顔向き角度の未検出及び故障の情報は、PCS−ECU12に供給される。PCS−ECU12は、カメラECU16からの顔向き角度の情報に基づいて、車両運転者が視線を向けた方向としてその顔向き角度θを把握する。また、顔向き角度未検出や故障の情報の有無に基づいて、顔画像撮影カメラ18を用いた運転者の顔向き角度の検出が不可能であるか否かを判別する。
PCS−ECU12には、警報表示ディスプレイ26、警報ブザー28、及びブレーキ装置30が接続されている。警報表示ディスプレイ26は、例えば車室内のインストルメントパネルに設けられたメータユニットであり、後述の如くPCS−ECU12からの駆動指令に従って警報表示を行うことで車両運転者に対する注意喚起を行う。また、警報ブザー28は、車室内に設けられたブザー警報器であり、後述の如くPCS−ECU12からの駆動指令に従ってブザー吹鳴を行うことで車両運転者に対する注意喚起を行う。更に、ブレーキ装置30は、車両の車輪を制動させる油圧式や電動式のブレーキアクチュエータを有しており、運転者のブレーキ操作が行われた場合及びPCS−ECU12からの指示がなされた場合にそのブレーキアクチュエータを駆動して車輪を制動させる。
次に、本実施例の車載警報装置10の動作について説明する。図3は、本実施例の車載警報装置10の動作を説明するための図を示す。図4は、本実施例において用いられる後述の脇見継続時間としきい値タイムとの関係を表したマップを示す。また、図5は、本実施例の車載警報装置10の動作を説明するための図を示す。
本実施例において、PCS−ECU12は、障害物センサ14の出力に基づいて前方障害物の存在を検知したときには、以後一定時間ごとに、その前方障害物との距離及び相対速度並びに自車両の進路及びその進路に対する前方障害物の位置等に基づいて、自車両が現時点で前方障害物と衝突する可能性(衝突可能性)を演算する。尚、自車両が前方障害物と衝突するまでの時間が短いほどその衝突可能性は高まるので、PCS−ECU12が演算する衝突可能性は、自車両と前方障害物との距離を両者の相対速度で割って求まる時間(衝突予測時間)に対応した値とすればよく、この際には、その衝突予測時間が短いほど大きな値となる。
一般に、車両運転者は、自車両と同じ車線上で前方にある前方障害物(例えば停止車両)に対して、その前方障害物と衝突する前所定時間(例えば、1.8秒や2秒;時速60km/hのときは約30メートル手前)までに、衝突回避のためのステアリング操作やブレーキ操作などの行動を開始することが多い。従って、衝突前において、早いタイミングで車両運転者に向けて表示やブザーによる警報を行うことは衝突回避や被害軽減を図るうえでは有効であるが、車両運転者が衝突回避行動をとり得る上記の所定時間内に運転者への警報が行われるものとすると、運転者が近い将来に衝突回避行動をとることを予定しているときにも警報が行われる事態が起こり得、運転者が警報を煩わしく感じ、不快な思いをすることがある。そこで、PCS−ECU12は、運転者が不快な思いをするのを抑えつつ衝突回避行動を有効にとることが可能な衝突可能性すなわち衝突までの時間(例えば、1.8秒や2秒)を、警報を開始するための基準しきい値レベル(衝突までの基準タイムt1)として予め記憶装置に格納している。
また、車両の前面衝突は、運転者がインナーミラーや運転席側や助手席側のアウターミラー,車室内のディスプレイ表示を見たり、或いは、車体左右の安全確認のために車外を視認したりする脇見による前方不注意が原因となって起こることが多い。従って、自車両の衝突回避や被害軽減を図るうえでは、衝突前、運転者の車両前方への注意力が低下しているときは、通常よりも早いタイミングで車両運転者に向けて上記の警報を行うことが適切である。
ここで、上述の如き運転者の脇見は、その視線が正面からある程度の角度を伴って行われるものである。そこで、PCS−ECU12は、運転者が視線を正面方向から外す脇見を行っているか否かを判別するための顔向き角度のしきい値θ0(例えば、±15°)を、予め記憶装置に格納している。PCS−ECU12は、カメラECU16から運転者の顔向き角度θの情報が供給されるごとに、その顔向き角度θを記憶装置に格納されているしきい値θ0と比較する。
PCS−ECU12は、上記比較の結果として顔向き角度θがしきい値θ0内に収まる状況では、運転者の視線がほぼ正面に向いていると判断して、上記の如く現時点での自車両と前方障害物との衝突可能性を演算した際に、その衝突可能性を記憶装置に格納されている基準しきい値レベルと比較する。尚、運転者の視線がほぼ正面に向いていると判断するのは、顔向き角度θがしきい値θ0内に収まる状態の継続時間が所定時間に達してから、顔向き角度θがしきい値θ0外にある状態の継続時間が所定時間に達するまでであってもよく、かかる判断がなされた際に、演算した衝突可能性を基準しきい値レベルと比較することとなる。
そして、かかる比較結果から、衝突可能性が基準しきい値レベルに達したとき、すなわち、衝突予測時間が基準タイムt1以下になったとき、その時点から衝突時まで警報がなされるように警報表示ディスプレイ26及び警報ブザー28に対して駆動指令を行う。この場合には、自車両と前方障害物との衝突回避又は衝突緩和を運転者に促すため、警報表示ディスプレイ26が警報表示を行い、警報ブザー28がブザー吹鳴を行うこととなる(図3(A)参照)。
また、PCS−ECU12は、上述の比較結果として顔向き角度θがしきい値θ0外にある状況では、運転者の視線が正面方向に向いていないと判断して、まず、運転者への警報を開始するうえで前方障害物との衝突予測時間が至るべきしきい値タイムttを上記の基準タイムt1よりも長くすること(衝突時を基準にして早めにすること)で、衝突可能性が達すべきしきい値レベルを上記の基準しきい値レベルから低下させる。尚、運転者の視線が正面方向に向いていないと判断するのは、顔向き角度θがしきい値θ0外にある状態の継続時間が所定時間(例えば0.3秒)に達してから、顔向き角度θがしきい値θ0内に収まる状態の継続時間が所定時間に達するまでであってもよい。
尚、PCS−ECU12は、このようにしきい値レベルの低下を実施するうえでは、まず、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の顔向き角度θが脇見判別のためのしきい値θ0外にあることにより運転者の視線が正面方向に向いていないと判断したとき、以後その状態が継続する継続時間を計数する。そして、その計数した脇見の継続時間の長さに応じて、運転者への警報を開始するうえで前方障害物との衝突可能性が達すべきしきい値レベルの上記基準しきい値レベルからの低下量を変更する、すなわち、運転者への警報を開始するうえで前方障害物との衝突予測時間が至るべきしきい値タイムttの上記基準タイムt1からの前出し時間を変更する。
具体的には、PCS−ECU12は、図4に示す如き脇見継続時間としきい値タイムttとの関係を表したマップを予め記憶装置に格納している。このマップは、両者の関係を下向きに凸の曲線状としたものであり、脇見継続時間が所定時間s1(例えば、0.5秒)よりも短いときはしきい値タイムttがほぼ基準タイムt1に一致する(=前出し時間がゼロである)が、脇見継続時間が所定時間s1以上であるときはその継続時間が長いほどしきい値タイムttが基準タイムt1よりも長くなり(衝突時を基準にして早めになり=前出し時間が長くなり)、脇見継続時間が所定時間s1よりも長い所定時間s2(例えば、1秒)以上であるときは、しきい値タイムttが基準タイムt1よりも長い所定タイムt2(例えば、衝突まで3秒や3.5秒)となる(=前出し時間が最大となる)ように設定されている。尚、このマップは、両者の関係を直線状や階段状などにしたものであってもよい。
従って、PCS−ECU12は、図4に示す如き脇見継続時間としきい値タイムttとの関係を表したマップを参照して、脇見継続時間の長さに応じたしきい値レベルの低下量すなわちしきい値タイムttの前出し時間を設定すると共に、以後、脇見継続時間が更新されるごとに、その脇見継続時間に対応したしきい値レベルの低下量すなわちしきい値タイムttの前出し時間を設定する。
そして、PCS−ECU12は、運転者の視線が正面方向に向いていないと判断する状況において、各時点での自車両と前方障害物との衝突可能性を演算した際に、その演算された衝突可能性を上記の如く脇見継続時間に対応した量だけ低下されるしきい値レベルと比較する、具体的には、その演算された衝突予測時間が上記の如く脇見継続時間に対応した時間だけ基準タイムt1から前出しされるしきい値タイムtt以下になっているか否かを判別する。
その比較結果から、衝突予測時間が上記基準タイムt1よりも長いしきい値タイムttよりも長く、衝突可能性がレベル低下後のしきい値レベルに達していないときは、何ら警報表示ディスプレイ26及び警報ブザー28に対する駆動指令を行わない一方、衝突予測時間が上記のしきい値タイムtt以下となり、衝突可能性が上記のしきい値レベルに達したときは、その時点から衝突時まで警報が行われるように警報表示ディスプレイ26及び警報ブザー28に対して駆動指令を行う。この場合には、自車両と前方障害物との衝突回避又は衝突緩和を運転者に促すため、警報表示ディスプレイ26が警報表示を行い、警報ブザー28がブザー吹鳴を行うこととなる(図3(B)参照)。
従って、本実施例の車載警報装置10においては、前方障害物との衝突前、衝突回避又は被害軽減のための警報表示ディスプレイ26による警報表示及び警報ブザー28によるブザー吹鳴の警報を、運転者が視線を正面方向に向けているときは運転者が通常衝突回避行動をとり得るタイミングを経過した時点で行い、一方、運転者が視線を正面方向から外しているときは運転者が通常衝突回避行動をとり得るタイミングを経過する前から行うことができる。すなわち、前方障害物との衝突前、運転者が視線を正面方向から外しているときは、衝突回避又は被害軽減のための警報開始タイミングを、運転者が視線を正面方向に向けているときに比べて早めることができる。このため、本実施例によれば、前方障害物との衝突前において、できるだけ警報によって運転者に煩わしさを与えるのを抑制しつつ、運転者の脇見に起因して衝突回避行動が遅れるのを防止することができ、これにより、車両走行時における安全性を向上させることが可能となっている。
また、本実施例の構成において、前方障害物との衝突までの時間がある程度十分にある(具体的には、しきい値タイムttの基準タイムt1からの前出し時間の最大時間とその前出し時間を最大にするのに脇見が継続すべき時間の最小時間とを加算した時間よりも長い)状況で運転者の視線が正面を向かない脇見が生じ、その脇見状態が長時間(s2)にわたって継続した場合には、しきい値タイムttの基準タイムt1からの前出し時間が最大となり、この際には、脇見が継続する状態で衝突予測時間がその前出し時間が最大となったしきい値タイムtt(所定タイムt2)以下となった時点で警報が開始される。
また、前方障害物との衝突までの時間が上記の如く十分にはない状況で運転者の視線が正面を向かない脇見が生じた場合には、その後の脇見状態の継続時間に応じて上記の前出し時間が増加するが、その増加過程で衝突予測時間がそのしきい値タイムtt以下となるので、その衝突予測時間がしきい値タイムtt以下となった時点で警報が開始される。このことは、衝突時を基準にした脇見の開始タイミングによってはしきい値タイムttの基準タイムt1からの前出し時間が制限されることを意味する。
尚、前方障害物との衝突前に運転者の脇見が生じたが、衝突予測時間がその脇見継続時間の増加に伴って前出し時間が増加されるしきい値タイムtt以下となる前に、その脇見が解消されて運転者の視線が正面方向に向き直った場合には、前出し時間をゼロにしてしきい値タイムttを通常の基準タイムt1に設定するのが好適である。これは、運転者の視線が正面方向に向き直れば、警報開始タイミングを通常のタイミングよりも早める必要性が少なくなるからである。この場合には、通常どおり、衝突予測時間が基準タイムt1以下となった時点で警報が開始されることとなる。
このように、本実施例の車載警報装置10によれば、運転者が視線を正面方向から外しているときに早める警報の開始タイミングを、その視線が外れて脇見が生じている状態の継続時間の長さに応じて変更することができる。具体的には、脇見継続時間が長いほど、運転者への警報を開始するうえで前方障害物との衝突予測時間が至るべきしきい値タイムttの上記基準タイムt1からの前出し時間を長くすることで衝突可能性が達すべきしきい値レベルの上記基準しきい値レベルからの低下量を大きくし、上記の警報開始タイミングを早めることができる。
このため、前方障害物との衝突前において、車両運転者の脇見継続時間が比較的短いときは、警報開始タイミングが衝突可能性が基準しきい値レベルに達する時点よりも大きく早まることはないので、運転者に対して警報による不快な思いを与えるのを抑止することが可能となる。また、車両運転者の脇見継続時間が比較的長いときは、警報開始タイミングが衝突可能性が基準しきい値レベルに達する時点よりも大きく早まることとなるので、視線が正面に向き直らない運転者に衝突回避や被害軽減のための行動を早期に促すことが可能となる。従って、本実施例の車載警報装置10によれば、車両衝突前において警報によって運転者に煩わしさを与えるのを抑えつつ運転者の脇見状態に合わせた適切な警報を行うことが可能となっており、これにより、車両走行時における安全性を向上させることが可能となっている。
また、本実施例において、PCS−ECU12は、前方障害物との衝突可能性が運転者の脇見に起因して基準しきい値レベルから低下させたしきい値レベルに達することにより、警報表示ディスプレイ26による警報表示及び警報ブザー28によるブザー吹鳴の一次警報を開始した後、(1)その警報開始前から始まった運転者の視線が正面方向に向いていない脇見状態の継続する継続時間が、しきい値タイムttの基準タイムt1からの前出し時間を最大とする上記所定時間s2よりも長い所定時間s3(例えば、2秒)以上であり、かつ、(2)現時点でもその脇見状態が継続するか否かを判別する。
その結果、上記した(1)及び(2)の条件が共に成立すると判別する場合は、次に、(3)現時点で演算される自車両と前方障害物との衝突予測時間が上記基準タイムt1以下であることでその衝突可能性が上記基準しきい値レベルに達しているか否か、及び、衝突可能性が基準しきい値レベルに達していると判別する場合は、(4)自車両の前方障害物に対する相対速度が所定相対速度(例えば+40km/h)以上であり、かつ、(5)自車両の速度が所定速度(例えば40km/h)以上であるか否かを判別する。
その結果、上記した(3)〜(5)の条件の何れかが成立しないと判別する場合は、以後何ら処理を進めることはないが、かかる(3)〜(5)の条件のすべてが成立すると判別する場合は、その時点から所定時間(例えば、0.5秒間)だけ車輪制動が行われるようにブレーキ装置30に対して駆動指示を行う。この場合には、自車両と前方障害物との衝突回避又は衝突緩和を体感警報により運転者に促すため、ブレーキ装置30が二次警報としての車輪制動(警報制動)を行うこととなる。尚、かかる二次警報としての車輪制動は、予め定められた所定減速度(例えば2m/s)で行われるものであればよい。
かかる処理によれば、例えば図5(A)に示す如く、前方障害物との衝突前に運転者の脇見に起因して衝突可能性が基準しきい値レベルに達する前から警報表示ディスプレイ26による警報表示及び警報ブザー28によるブザー吹鳴の一次警報が開始されても、その後、衝突可能性が基準しきい値レベルに達する前(衝突予測時間が基準タイムt1以下となる前)に運転者の視線が正面に向き直って脇見状態が解消した場合は、それまでの脇見状態の継続時間に関係なく、二次警報としての車輪制動が行われることはない。
一方、図5(B)に示す如く、前方障害物との衝突前に運転者の脇見に起因して衝突可能性が基準しきい値レベルに達する前から上記の警報表示及びブザー吹鳴の一次警報が開始された後、衝突可能性が基準しきい値レベルに達した時点で、その時点を含めた脇見状態の継続時間が所定時間s3以上である場合は、直ちにその時点で二次警報としての車輪制動が行われる。また、図5(C)に示す如く、前方障害物との衝突前に運転者の脇見に起因して衝突可能性が基準しきい値レベルに達する前から上記の警報表示及びブザー吹鳴の一次警報が開始された後、衝突可能性が基準しきい値レベルに達した時点ではその時点を含めた脇見の継続時間が所定時間s3未満であるが、その後に脇見継続時間が所定時間s3以上となった場合は、その時点で始めて二次警報としての車輪制動が行われる。
このように、本実施例の車載警報装置10によれば、前方障害物との衝突前に運転者の脇見に起因して衝突可能性が基準しきい値レベルに達する前から警報表示ディスプレイ26による警報表示及び警報ブザー28によるブザー吹鳴の一次警報が開始された後、前方障害物との衝突予測時間が基準タイムt1以下となることで衝突可能性が基準しきい値レベル以上にあり、かつ、脇見継続時間が所定時間s3以上である場合には、更に、ブレーキ装置30を用いた車輪制動の二次警報が行われる。すなわち、前方障害物との衝突前、運転者の脇見に起因して通常よりも早いタイミングで開始された警報表示やブザー吹鳴の一次警報が実行されている最中に、運転者の脇見があまり長時間継続することなく運転者の視線が正面に向き直ったときは、一次警報とは別の新たな警報が行われることはないが、上記の通常よりも早いタイミングで開始された一次警報が行われているにもかかわらず、運転者の脇見が所定時間s3以上継続するときは、衝突可能性が基準しきい値レベルに達していることを条件に、車輪制動の二次警報が所定時間だけ実施される。
このような車輪制動の二次警報が行われれば、運転者は、視覚や聴覚を刺激する警報とは別に、車両から制動を伴った体感警報がなされているのを知ることが可能となる。従って、本実施例の車載警報装置10によれば、前方障害物との衝突前、視覚や聴覚を刺激する警報が行われても車両運転者の脇見が継続する状況においては、その車両運転者に、その視覚や聴覚を刺激する警報とは異なる体感を伴う警報により、その視線を正面に向き直らせ易くすると共に、衝突回避や衝突軽減のための行動を更に促進することができ、これにより、運転者の脇見状態に合わせた適切な警報を実行することが可能となっている。
また、本実施例において、車輪制動の二次警報は、上記の如く、衝突可能性が運転者の非脇見時に一次警報を開始するうえで達すべき基準しきい値レベルに達していることを条件に実施される。すなわち、運転者の脇見が長時間継続していても衝突可能性が基準しきい値レベルに達していなければ、二次警報がなされることはない。従って、本実施例の車載警報装置10によれば、前方障害物との衝突前、警報表示及びブザー吹鳴の一次警報が開始された後に車輪制動の二次警報が不必要に早いタイミングで行われることはないので、かかる二次警報によって運転者に煩わしさを与えるのを防止することが可能である。
ところで、本実施例の車載警報装置10は、顔画像撮影カメラ18の撮像画像を処理することにより運転者の視線が正面方向から外れる脇見を検出するものであり、検出される運転者の脇見の有無及び継続時間に応じて一次警報の開始タイミングを早めること(一次警報の前出し)を可能とし、更に、検出される運転者の脇見に起因して通常よりも早いタイミングで開始された警報表示やブザー吹鳴の一次警報の開始後、運転者の脇見の継続時間に応じて一次警報とは異なる二次警報を行うことを可能としている。この点、本実施例において、顔画像撮影カメラ18の撮像画像を処理することにより運転者の視線が正面方向から外れる脇見を検出することは極めて重要であって、運転者の脇見検出を適正に行うためには、顔画像撮影カメラ18に故障が生ずることなく、かつ、カメラECU16におけるカメラ撮像画像に対する2値化処理や特徴点抽出などの画像処理により運転者の顔幅や顔中心線が検出されてその顔向き角度θが適正に検出されることが必要である。
すなわち、顔画像撮影カメラ18に何らかの故障が生じたときやカメラ撮像画像から運転者の顔幅や顔中心線などが検出されず顔向き角度θが適正に検出されないときは、運転者の脇見検出が適正に行われないとして、上記の一次警報や二次警報の制御を行うことが適切である。そこで、本実施例の車載警報装置10においては、上記の如き運転者の脇見の検出が不可能な状況にあるか否かを判別して、その検出が不可能な状況にある場合に、脇見検出不能に対応させて一次警報や二次警報の制御を行うこととしている。以下、図6を参照して、本実施例の特徴部について説明する。図6は、本実施例の車載警報装置10においてPCS−ECU12が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
本実施例において、カメラECU16は、上述の如く、光の影響などに起因して顔向き角度の検出を行うことができない状況にあるか否かを判別すると共に、顔画像撮影カメラ18の故障並びに顔画像撮影カメラ18との通信ラインの途絶などの異常を検出する。カメラECU16は、運転者の顔向き角度の検出を行うことができなかったとき又は顔画像撮影カメラ18の故障や通信ラインの異常を検出したときは、顔向き角度の情報に代えて、運転者の顔向き角度の検出が不可能である旨を示す情報をPCS−ECU12に対して供給する。
PCS−ECU12は、カメラECU16から顔向き角度検出が不可能である旨を示す情報が供給されるか否かに基づいて、顔画像撮影カメラ18を用いた運転者の脇見検出が不可能であるか否かを判別する(ステップ100)。そして、かかる情報が供給されないときは、通常どおり、顔向き角度の情報に基づいて運転者の顔向き角度θを把握して脇見検出を行ったうえで、その脇見の有無に応じて警報表示及びブザー吹鳴の一次警報を開始するうえで前方障害物との衝突可能性が達すべきしきい値レベルを設定し、また、その脇見の継続時間の長さに応じて脇見時におけるしきい値レベルの低下量を変更し、更に、脇見に起因して通常よりも早いタイミングで開始された一次警報の開始後、その脇見の継続時間の長さに応じて車輪制動の二次警報を行うか否かの制御を行う(ステップ102)。
一方、上記の顔向き角度検出が不可能である旨を示す情報が供給されたときは、カメラ画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況にあると判断し、その時点までの脇見継続時間に関係なく、以後、その時点までに警報表示及びブザー吹鳴の一次警報を開始していないときは、警報表示及びブザー吹鳴の一次警報を開始するうえで衝突予測時間が至るべきしきい値タイムttを基準タイムt1に戻すことで前方障害物との衝突可能性が達すべきしきい値レベルを基準しきい値レベルに戻すと共に、更に、脇見継続時間の計数値をゼロにしてその計数を中止することで脇見継続時間の長さに応じた衝突可能性のしきい値レベルの変更及び車輪制動の二次警報を共に禁止する(ステップ104)。
このように、本実施例の車載警報装置10においては、顔画像撮影カメラ18等に故障・異常が生ずる事態、及び、光の影響などに起因してカメラ画像から顔向き角度の検出を行うことができない事態が生じないときは、運転者の脇見検出が可能な状況にあるとして、通常どおりの上記した一次警報や二次警報の制御を実行する一方、顔画像撮影カメラ18等に故障・異常が生ずる事態、又は、太陽光の影響などに起因してカメラ画像から顔向き角度の検出を行うことができない事態が生じたときは、運転者の脇見検出が不可能な状況にあるとして、一次警報を開始するための前方障害物との衝突可能性のしきい値レベルを通常の基準しきい値レベルに戻しかつ脇見継続時間に応じた衝突可能性のしきい値レベルの変更を禁止したうえで、警報表示及びブザー吹鳴の一次警報の制御を実行すると共に、車輪制動の二次警報を禁止することができる。
運転者の脇見検出が不可能な状況において、その時点までの脇見継続時間に関係なく、一次警報の開始タイミングが図3(A)に示す如く非脇見時と同様の通常のタイミングに復帰され、脇見継続時間の長さに応じた一次警報の開始タイミングの変更が禁止されることによって、前方障害物との衝突可能性が基準しきい値レベルに達した時点からその一次警報が開始されるものとすれば、一次警報が通常よりも早いタイミングで開始されることはなくなるので、脇見検出不能時に警報表示及びブザー吹鳴の一次警報によって運転者に煩わしさを与えるのをできる限り防止することが可能である。
従って、本実施例の車載警報装置10によれば、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況になっても、運転者に煩わしさを与えることのない適切なタイミングで一次警報を行うことが可能となっている。また、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の脇見状態に応じて行われる一次警報の制御や衝突可能性のしきい値レベルの変更制御を、運転者の脇見が検出可能な適切な環境下でのみ実行することができ、これにより、運転者の脇見状態に合わせた適切な一次警報の制御を実行することが可能となっている。
また、本実施例において、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況では、上記の如く通常よりも早いタイミングで一次警報が開始されることはなく、また、一次警報が通常よりも早いタイミングで開始された後に脇見継続時間の長さが所定時間以上である場合に行われる車輪制動の二次警報の実行は禁止される。この点、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能なときに二次警報が誤って行われることは回避されるので、従って、車輪制動の二次警報を運転者の脇見が検出可能な適切な環境下でのみ実行することができ、これにより、運転者の脇見状態に合わせた適切な二次警報の制御を実行することが可能となっている。
尚、上記の実施例においては、顔画像撮影カメラ18が特許請求の範囲に記載した「カメラ」に、基準しきい値レベルが特許請求の範囲に記載した「所定レベル」に、警報表示ディスプレイ26による警報表示及び警報ブザー28によるブザー吹鳴の一次警報が特許請求の範囲に記載した「第1の警報」に、ブレーキ装置30による車輪制動の二次警報が特許請求の範囲に記載した「第2の警報」に、それぞれ相当している。
また、PCS−ECU12が、カメラECU16からの情報に基づいて運転者の顔向き角度θを検出することにより特許請求の範囲に記載した「視線方向検出手段」が、警報表示及びブザー吹鳴の一次警報がなされるように警報表示ディスプレイ26及び警報ブザー28に対して駆動指令を行うことにより特許請求の範囲に記載した「第1の警報手段」が、上記図6に示すルーチン中ステップ100の処理を実行することにより特許請求の範囲に記載した「検出状況判別手段」が、運転者の脇見継続時間の長さに応じて運転者への警報を開始するうえで前方障害物との衝突可能性が達すべきしきい値レベルの上記基準しきい値レベルからの低下量を変更すること、及び、脇見検出が不可能である状況でかかるしきい値レベルの変更を禁止することにより特許請求の範囲に記載した「警報タイミング変更手段」が、通常よりも早いタイミングで一次警報が開始された後、運転者の脇見継続時間が所定時間以上である場合に車輪制動の二次警報を行うこと、及び、脇見検出が不可能である状況でかかる二次警報を禁止することにより特許請求の範囲に記載した「第2の警報手段」が、それぞれ実現されている。
ところで、上記の実施例においては、車両運転者の視線方向としてその顔が正面から向く角度を検出することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両運転者の目の向く方向そのものを検出することとしてもよい。
また、上記の実施例においては、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況で、一次警報の開始タイミングを非脇見時と同様の通常タイミングに復帰させ、脇見継続時間の長さに応じた一次警報の開始タイミングの変更を禁止することで、前方障害物との衝突可能性が基準しきい値レベルに達した時点から一次警報を行うこととしているが、更に、カメラ画像を利用した運転者の脇見検出が不可能である旨をコンビネーションメータ24にインジケータ表示することとしてもよい。
また、上記の脇見検出が不可能な状況で、脇見継続時間の長さに応じた一次警報の開始タイミングの変更を禁止する一方で、その開始タイミングを固定して、衝突可能性のしきい値レベルをその時点でのレベルに維持することとしてもよい。この場合においては、前方障害物との衝突可能性がその時点までの脇見継続時間に応じたレベルに達した時点から一次警報が行われることとなる。尚、この構成においても、脇見検出が不可能である状況で、運転者の脇見継続時間が所定時間以上である場合に行う車輪制動の二次警報を禁止することとしてもよい。
また、上記の実施例においては、顔画像撮影カメラ18の撮像画像に基づく運転者の脇見検出が不可能な状況では、脇見継続時間の長さに応じた一次警報の開始タイミングの変更を禁止すると共に、前方障害物との衝突可能性が基準しきい値レベルに達した時点からその一次警報を行い、脇見継続時間が所定時間以上である場合になされる二次警報を禁止するが、その後にカメラ画像に基づく運転者の脇見検出が可能な状況に移行した場合は、以後、上記した各種警報制御を元通りに復帰させることとしてもよい。
また、上記の実施例においては、運転者の視線が外れて脇見が生じている状態の継続時間の長さに応じて、視線を正面方向から外しているときに早める警報の開始タイミングを変更することとしているが、その脇見状態の継続時間の長さに関係なく、視線を正面方向から外しているときは正面方向に向けているときに比べて警報の開始タイミングを一律に早めるシステムに適用することも可能である。
また、上記の実施例においては、運転者の脇見に起因して通常よりも早いタイミングで警報表示やブザー吹鳴の一次警報が開始された後、運転者の脇見継続時間が所定時間以上である場合に、ブレーキ装置30を用いて運転者に衝突回避や衝突軽減を図る行動を促がすための車輪制動の二次警報を行うこととしているが、車両の運転席自体やステアリングホイール20を微小振動させ得る装置を車両に搭載したときはその装置を作動させて運転者に衝突回避や衝突軽減を図る行動を促がすための二次警報を行うこととしてもよい。また、車輪制動の二次警報を実施することとしているが、かかる二次警報を実施しないシステムに適用することも可能である。
本発明の一実施例である車載警報装置の構成図である。 本実施例の車載警報装置が備える車両運転者の顔を撮影するために設けられたカメラの配置図である。 本実施例の車載警報装置の動作を説明するための図である。 本実施例において用いられる脇見継続時間としきい値タイムttとの関係を表したマップである。 本実施例の車載警報装置の動作を説明するための図である。 本実施例の車載警報装置において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
符号の説明
10 車載警報装置
12 PCS−ECU
14 障害物センサ
16 カメラECU
18 顔画像撮影カメラ
20 警報表示ディスプレイ
22 警報ブザー
24 ブレーキ装置

Claims (5)

  1. カメラの撮像画像に基づいて車両運転者の視線方向を検出する視線方向検出手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にあるときは前方障害物との衝突可能性が所定レベルに達してから、一方、前記視線方向が正面方向にないときは前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から、車両運転者に向けて第1の警報を行う第1の警報手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にないときに、前記第1の警報手段により第1の警報を開始するタイミングを一律に早めるタイミング変更手段と、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から第1の警報が開始された後、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間が所定時間以上である場合に、第1の警報とは異なる第2の警報を車両運転者に向けて行う第2の警報手段と、を備える車載警報装置であって、
    前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあるか否かを判別する検出状況判別手段を備え、
    前記第1の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達してから第1の警報を行うと共に、
    前記第2の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、車両運転者に向けた第2の警報を禁止することを特徴とする車載警報装置。
  2. カメラの撮像画像に基づいて車両運転者の視線方向を検出する視線方向検出手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にあるときは前方障害物との衝突可能性が所定レベルに達してから、一方、前記視線方向が正面方向にないときは前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から、車両運転者に向けて第1の警報を行う第1の警報手段と、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間に応じて、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前において第1の警報を開始するタイミングを変更するタイミング変更手段と、前記第1の警報手段により前方障害物との衝突可能性が前記所定レベルに達する前から第1の警報が開始された後、前記視線方向検出手段により検出される前記視線方向が正面方向にない状態の継続時間が所定時間以上である場合に、第1の警報とは異なる第2の警報を車両運転者に向けて行う第2の警報手段と、を備える車載警報装置であって、
    前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあるか否かを判別する検出状況判別手段を備え、
    前記タイミング変更手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、前記タイミングの変更を禁止すると共に、
    前記第2の警報手段は、前記検出状況判別手段により前記視線方向検出手段による検出が不可能な状況にあると判別される場合には、車両運転者に向けた第2の警報を禁止することを特徴とする車載警報装置。
  3. 前記第1の警報は、車両運転者の視覚又は聴覚を刺激する警報表示又はブザー吹鳴であると共に、
    前記第2の警報は、車両運転者が体感する車輪制動又はステアリング振動であることを特徴とする請求項1又は2記載の車載警報装置。
  4. 前記検出状況判別手段は、前記視線方向検出手段によりカメラの撮像画像から車両運転者の視線方向の検出がなされないか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の車載警報装置。
  5. 前記検出状況判別手段は、前記カメラに故障が生ずるか否かを判別することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の車載警報装置。
JP2005257180A 2005-09-05 2005-09-05 車載警報装置 Active JP4696792B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005257180A JP4696792B2 (ja) 2005-09-05 2005-09-05 車載警報装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005257180A JP4696792B2 (ja) 2005-09-05 2005-09-05 車載警報装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007072631A JP2007072631A (ja) 2007-03-22
JP4696792B2 true JP4696792B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=37934029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005257180A Active JP4696792B2 (ja) 2005-09-05 2005-09-05 車載警報装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4696792B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8340894B2 (en) * 2009-10-08 2012-12-25 Honda Motor Co., Ltd. Method of dynamic intersection mapping
KR101169337B1 (ko) * 2010-03-08 2012-07-30 경상대학교산학협력단 차량 제어 장치 및 그 제어 방법
JP6463120B2 (ja) 2014-06-10 2019-01-30 矢崎総業株式会社 効果音吹鳴装置
JP6498941B2 (ja) * 2015-01-07 2019-04-10 矢崎総業株式会社 効果音吹鳴装置
JP6498940B2 (ja) * 2015-01-07 2019-04-10 矢崎総業株式会社 効果音吹鳴装置
JP2016173651A (ja) * 2015-03-16 2016-09-29 株式会社デンソーアイティーラボラトリ ドライバ状態改善支援装置及びドライバ状態改善支援方法
JP6237685B2 (ja) * 2015-04-01 2017-11-29 トヨタ自動車株式会社 車両制御装置
JP6512475B2 (ja) * 2015-04-30 2019-05-15 株式会社リコー 情報提供装置、情報提供方法及び情報提供用制御プログラム
JP6819038B2 (ja) * 2015-12-10 2021-01-27 いすゞ自動車株式会社 安全装置
WO2021166206A1 (ja) * 2020-02-21 2021-08-26 三菱電機株式会社 運転支援制御装置及び運転支援制御方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001138767A (ja) * 1999-11-17 2001-05-22 Nissan Motor Co Ltd 車両用警報装置
JP2003118423A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Nissan Motor Co Ltd 自動巡航制御装置
JP2004133749A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Tokai Rika Co Ltd 顔の向き検知装置
JP2005018651A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Nissan Motor Co Ltd 運転者状態検出装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001138767A (ja) * 1999-11-17 2001-05-22 Nissan Motor Co Ltd 車両用警報装置
JP2003118423A (ja) * 2001-10-11 2003-04-23 Nissan Motor Co Ltd 自動巡航制御装置
JP2004133749A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Tokai Rika Co Ltd 顔の向き検知装置
JP2005018651A (ja) * 2003-06-27 2005-01-20 Nissan Motor Co Ltd 運転者状態検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007072631A (ja) 2007-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4696792B2 (ja) 車載警報装置
JP4852941B2 (ja) 車載警報装置
US10435018B2 (en) Posture information based pedestrian detection and pedestrian collision prevention apparatus and method
KR101996418B1 (ko) 센서 융합 기반 보행자 탐지 및 보행자 충돌 방지 장치 및 방법
US10166918B2 (en) Drive assisting apparatus
US9346401B2 (en) Motor vehicle and method for operating a motor vehicle
JP4517393B2 (ja) 運転支援装置
JP4788778B2 (ja) 逸脱警報装置、および逸脱警報プログラム
JP4508050B2 (ja) 車載警報装置
CN107111955B (zh) 操作控制装置
JP2013514592A (ja) 視線技術、死角インジケータ及びドライバ経験を用いる予測ヒューマン・マシン・インタフェース
JP2010049383A (ja) 車両の警報装置
CN111204333A (zh) 车辆前方盲点检测和警告***
JP2010125923A (ja) 緊急退避装置
JP2010137778A (ja) 操舵支援装置
CN106218644A (zh) 基于汽车的并线辅助装置、方法及汽车
JP4751894B2 (ja) 自動車の前方にある障害物を検知するシステム
JP2007128430A (ja) 車両用警報装置
JP2006256493A (ja) 車両用走行支援装置
JP2007072632A (ja) 車載警報装置
JP2014002610A (ja) 運転支援装置
JP6398182B2 (ja) 信号情報提示装置
CN205440116U (zh) 一种主动式车辆后方辅助预警***
JP6428376B2 (ja) 情報表示装置
JP4396604B2 (ja) 車載警報装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080521

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4696792

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151