JP3313807B2 - 注射器、注射器用容器および注射器本体 - Google Patents

注射器、注射器用容器および注射器本体

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JP3313807B2
JP3313807B2 JP06923593A JP6923593A JP3313807B2 JP 3313807 B2 JP3313807 B2 JP 3313807B2 JP 06923593 A JP06923593 A JP 06923593A JP 6923593 A JP6923593 A JP 6923593A JP 3313807 B2 JP3313807 B2 JP 3313807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、注射器、注射器用容器
および注射器本体、特に薬液の配合に用いられる注射
器、注射器用容器および注射器本体に関する。
【0002】
【従来の技術】患者に輸液を投与するのに先立って、輸
液バッグ内に充填された輸液に、例えばビタミン剤、ヘ
パリン、抗生物質のような薬剤を必要に応じて配合する
ことが行われている。
【0003】このような薬剤の配合は、まず、注射器の
穿刺針を輸液バッグの弾性栓に刺通し、プランジャーを
引いて輸液バッグ内の輸液を注射器内に採取し、次い
で、この採取した輸液を配合する薬剤(粉末状)が入れ
られた容器に移し、この容器内で薬剤を溶解、混合した
後、再びこの薬剤混合液を前記注射器で吸引、採取し、
穿刺針を輸液バッグの弾性栓に刺通し、プランジャーを
押して薬剤混合液を輸液バッグ内に注入することにより
行われている。
【0004】しかしながら、このような薬液の配合は、
操作手順が複雑であり、配合に要する時間が長くかかる
という欠点がある。特に、救急患者に対しては、迅速な
対応が不可欠であるが、このような患者に投与する薬液
を配合する場合には不利である。
【0005】さらに、上記薬液の配合操作、特に薬剤の
溶解、混合は、そのほとんどが大気と接触した状態で行
われるため、細菌汚染や異物混入のおそれがあった。
【0006】また、複数種の薬剤を配合する場合には、
上記配合操作を繰り返し行うため、上記欠点がより顕著
なものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薬剤
の注入や配合を、汚染を生じることなく簡単な操作で短
時間に行うことができる注射器、注射器用容器および注
射器本体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(13)の本発明により達成される。
【0009】(1) 後端側に連結部を有する管体と、
前記管体の内腔を開封可能に封止する封止手段とを有す
る注射器本体と、有底筒状の容器本体と、前記連結部が
係止する係止部を有し、前記容器本体の内面に沿って液
密に摺動し得るガスケットと、該ガスケット内に設置さ
れた針管とで構成される少なくとも1つの容器とを有
し、前記針管を前記管体の後端側の内腔に挿入するとと
もに、前記連結部と前記係止部とを係止した状態で、前
記容器本体を前記注射器本体に対し軸方向に相対的に移
動して前記ガスケットを前記容器本体内で摺動させるこ
とにより、前記管体を介して前記容器内の物質を少なく
とも排出することを特徴とする注射器。
【0010】(2) 前記注射器本体は、前記管体の先
端側に他の針管を有する上記(1)に記載の注射器。
【0011】(3) 前記注射器本体は、可撓性を有す
るバッグに、前記管体の内腔と前記バッグの内部とが連
通し得るよう液密に固着されている上記(1)に記載の
注射器。
【0012】(4) 前記注射器本体は、前記管体の外
周に、前記容器を挿入可能な外筒を有する上記(1)な
いし(3)のいずれかに記載の注射器。
【0013】(5) 前記封止手段は、前記管体の後端
側に設けられた膜であり、前記連結部と前記係止部とを
係止した状態で、前記ガスケット内に設置された針管が
前記膜を刺通するよう構成された上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載の注射器。
【0014】(6) 前記連結部および前記係止部は、
これらを相対的に回転することにより、これらの係止お
よびその解除を行うよう構成されている上記(1)ない
し(5)のいずれかに記載の注射器。
【0015】(7) 前記連結部と前記係止部との係止
により、前記ガスケットを前記容器本体内で往復動可能
とする上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の注射
器。
【0016】(8) 前記ガスケットの前記容器本体に
対する軸方向の位置を規制する規制手段を有する上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の注射器。
【0017】(9) 前記ガスケット内に設置された針
管を被包し、該針管にて刺通可能な被包部材を有する上
記(1)ないし(8)のいずれかに記載の注射器。
【0018】(10) 前記容器の内部が減圧状態とさ
れている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の注
射器。
【0019】(11) それぞれ成分の異なる薬剤が収
納されている複数の容器を交換して使用する上記(1)
ないし(10)のいずれかに記載の注射器。
【0020】(12) 後端側に連結部を有する管体
と、前記管体の内腔を開封可能に封止する封止手段とを
有する注射器本体とともに使用され、有底筒状の容器本
体と、前記連結部が係止する係止部を有し、前記容器本
体の内面に沿って液密に摺動し得るガスケットと、該ガ
スケット内に設置された針管とで構成される容器であっ
て、前記ガスケットの前記容器本体に対する軸方向の位
置を規制する規制手段を有し、前記針管を前記管体の後
端側の内腔に挿入するとともに、前記連結部と前記係止
部とを係止した状態で、前記容器本体を前記注射器本体
に対し軸方向に相対的に移動して前記ガスケットを前記
容器本体内で摺動させることにより、前記管体を介して
前記容器内の物質を少なくとも排出することを特徴とす
る注射器用容器。
【0021】(13) 後端側に連結部を有する管体
と、前記管体の内腔を開封可能に封止する封止手段とを
有する注射器本体であって、有底筒状の容器本体と、前
記連結部が係止する係止部を有し、前記容器本体の内面
に沿って液密に摺動し得るガスケットと、該ガスケット
内に設置された針管とで構成される容器とともに使用さ
れ、前記針管を前記管体の後端側の内腔に挿入するとと
もに、前記連結部と前記係止部とを係止した状態で、前
記容器本体を前記注射器本体に対し軸方向に相対的に移
動して前記ガスケットを前記容器本体内で摺動させるこ
とにより、前記管体を介して前記容器内の物質を少なく
とも排出することを特徴とする注射器本体。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の構成】以下、本発明の注射器、注射器用容器お
よび注射器本体を添付図面に示す好適実施例に基づいて
詳細に説明する。
【0027】本発明の注射器100は、注射器本体1
と、容器10とで構成されている。以下、これらの構成
について順次説明する。
【0028】図1は、本発明における注射器本体の構成
例を示す縦断面図、図2は、図1中のII−II線視図であ
る。なお、説明の都合上、図1中の上側を先端、下側を
後端という。図1に示すように、注射器本体1は、先端
側に底部2aを有する筒状の外筒2を有し、この外筒2
の先端部には、底部2aより突出した針管3が設置され
ている。
【0029】図示の構成例における針管3は、例えば、
輸液バッグ105の開口を封止する弾性栓106に刺通
される瓶針であり(図4および図5参照)、先端部付近
の側部には、針管3の内腔と連通する複数の側孔31が
形成されている。なお、この針管3は、図示のような瓶
針に限らず、通常の金属製の穿刺針等であってもよい。
【0030】外筒2内には、管体4が外筒2とほぼ同心
的に設置されている。この場合、管体4の長さは外筒2
の長さより短く、すなわち、管体4の後端は、外筒2の
後端開口2bより外筒2の内側に位置している。
【0031】また、管体4の内腔41は、先端側におい
て前記針管3の内腔と連通している。図示の例では、管
体4は、針管3と一体的に形成され、外筒2の底部2a
に好ましくは融着または接着により固定されている。
【0032】管体4の後端側においては、内腔41が拡
径した拡径部42が形成されている。この拡径部42
は、後述する針管16の先端部が挿入されるものであり
(図4参照)、従って、拡径部42の内径は、針管16
の外径より大きいものとされる。
【0033】拡径部42の外周部には、後述する容器1
0のガスケット12に形成された係止部14に連結(螺
合)する連結部6が形成されている。この連結部6は、
横断面が円形の凸部よりなり、その外周部には、図1に
示すように、雄ねじが形成されている。なお、連結部6
は、管体4と一体的に形成されたものでも、別部材を接
合したものでもよい。
【0034】また、連結部6の内部には、管体4の内腔
41を開封可能に封止する封止手段として、拡径部42
の後端開口を封止する膜7が張設されている。この膜7
は、後述する針管16により刺通可能なものであり、例
えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、シ
リコーンゴム、ラテックスゴムのような各種ゴム材料、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイ
オノマー、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−
1)、ポリアミド等の各種樹脂、またはアルミ箔のよう
な金属箔よりなる単一層のもの、あるいはこれらのうち
の2以上の層を積層(ラミネート)した積層体が好適に
使用される。
【0035】連結部6の後端面と膜7との間には、後述
する針管16を膜7に刺通した際に、針管16の基部
(後端)側に寄せられて蛇腹状に変形、圧縮された被包
部材18を収納、保持する空間5が形成されている。
【0036】外筒2、針管3、管体4および連結部6の
それぞれの構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、
アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例
えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・1
0、ナイロン12)のような各種樹脂またはアルミナ等
のセラミックスが挙げられるが、その中でも、成形が容
易であるという点で、ポリプロピレン、ポリエステル、
ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂が好ま
しい。なお、これらの材料は、内部の視認性を確保する
ために、実質的に透明であるのが好ましい。
【0037】外筒2の後端開口2bの周囲には、板状の
フランジ2cが外筒2と一体的に形成されている。後述
する容器10を外筒2内に挿入する際、または外筒2内
から引き抜く際には、このフランジ2cに指をあてて注
射器本体1を固定する。
【0038】また、未使用時の注射器本体1において、
フランジ2cの後端面には、外筒2の後端開口2bを好
ましくは気密的に封止するフィルム8が貼着されてい
る。これにより、注射器本体1の内部の汚染が防止さ
れ、無菌性が保持される。なお、注射器本体1の使用時
には、このフィルム8を剥す。このとき、フィルム8を
剥し易いように、フィルム8の縁部には、タブ81が形
成されている。
【0039】フィルム8としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリ−(4−メチ
ルペンテン−1)、ポリアミド等の樹脂、またはアルミ
箔のような金属箔よりなる単一層のもの、あるいはこれ
らのうちの2以上の層を積層(ラミネート)した積層体
が好適に使用される。なお、金属箔と樹脂層との積層体
は、気体透過性が低いので、フィルム8としてこのよう
なものを用いれば、外筒2内の密閉性が向上し、細菌等
の侵入を有効に防止できるので好ましい。
【0040】外筒2の先端側には、針管3を被包するキ
ャップ9が装着されている。このキャップ9は、危険防
止および針管3の汚染防止の機能を有する。
【0041】なお、本発明の注射器においては、図示の
注射器本体1と異なり、管体4の長さが外筒2の長さよ
り長く、すなわち、管体4の後端が外筒2の後端開口2
bより外筒2外に突出している構成であってもよい。ま
た、注射器本体1は、外筒2を有さないものであっても
よい。
【0042】また、本発明の注射器において、フィルム
8、19およびキャップ9は、それぞれ必要に応じて設
ければよく、これらが存在しなくてもよい。
【0043】図3は、本発明における容器の構成例を示
す縦断面図である。なお、説明の都合上、図3中の上側
を先端、下側を後端という。
【0044】図3に示すように、容器10は、主に、先
端が開放した有底筒状の容器本体11と、この容器本体
11の内面に沿って液密に摺動し得るガスケット12と
で構成されている。
【0045】容器本体11は、前記外筒2等と同様の樹
脂材料またはガラス材で構成され、内部の視認性を確保
するために、実質的に透明であるのが好ましい。
【0046】容器本体11の外径は、前記外筒2の内径
より小さく、また、容器本体11の内径は、前記管体4
および連結部6より大きい。これにより、容器本体11
を外筒2の奥部まで挿入することが可能となる。
【0047】また、容器本体11の全長は、外筒2の全
長とほぼ等しいかまたはそれ以上とするのが好ましく、
特に、容器10の姿勢にかかわらず容器10内の薬液を
できるだけ残らずに排出することができるように、容器
本体11を外筒2の最奥部まで挿入したとき、ガスケッ
ト12の後端面122が容器本体11の底部内面113
に接触し得る程度とするのが好ましい。
【0048】容器本体11の内面であって、先端開口1
11から後端側に所定距離(例えば、5〜20mm程度)
離間した位置には、容器本体11の内周に沿ってリング
状の突部112が形成されている。この突部112は、
後述するガスケット12の後端面122に係止してガス
ケット12の容器本体11に対する軸方向の位置を規制
するための規制手段である。すなわち、容器10内が減
圧状態であるときに、大気圧との差圧によりガスケット
12が容器本体11の後端側に移動するのを防止する役
割、連結部6と係止部14とを連結(螺合)する際に、
針管16の刺通抵抗等によりガスケット12が押圧され
て容器本体11の後端側に移動するのを防止する役割、
あるいは、ガスケット12を容器本体11の先端側へ移
動する際や容器10を注射器本体1から抜き取る際に、
容器本体11からガスケット12が容易に抜けるのを防
止する役割を果たす。
【0049】未使用時の容器10において、容器本体1
1の先端には、先端開口111を好ましくは気密的に封
止するフィルム19が貼着されている。これにより、ガ
スケット12の係止部14内等の汚染が防止され、無菌
性が保持される。また、未使用時に容器10内を減圧状
態としておく場合、気体不透過性のフィルム19を用い
ることにより、被包部材18を設けない場合でも、先端
開口111の気密性が得られ、容器10内の減圧状態維
持に有利である。なお、このフィルム19としては、前
記フィルム8と同様のものを用いることができる。
【0050】ガスケット12は、例えば、天然ゴム、ブ
チルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材
料(特に加硫処理したもの)や、ポリウレタン系、ポリ
エステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系
等の各種エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾
性材料で構成される略円柱状の部材である。なお、ガス
ケット12は、その全体が上記材料で構成されているも
のに限らず、少なくとも突部13と、被包部材18とが
上記材料で構成されているものでもよい。
【0051】ガスケット12の先端側には、係止部14
が形成されている。この係止部14は、前記連結部6が
嵌合し得る横断面が円形の凹部より構成され、その内周
面には、連結部6の外周の雄ねじ61と螺合し得る雌ね
じ15が形成されている。
【0052】また、係止部14内の中心部には、針管1
6が立設されている。この針管16は、後端に鍔部16
2を有し、この鍔部162を係止部14の底面141よ
り後端側のガスケット12内に埋設することにより固定
されている。
【0053】針管16の先端部付近の側部には、針管1
6の内腔と連通する複数の側孔161が形成されてい
る。また、針管16の内腔の後端は、空間17に開放し
ている。これにより、針管16が被包部材18を刺通し
た際、係止部14とガスケット12より後端側の容器1
0の内部とが、針管16を介して連通する。
【0054】針管16の外径は特に限定されないが、
0.1〜5mm程度、特に0.5〜2mm程度とするのが好
ましい。
【0055】なお、針管16および鍔部162の構成材
料としては、前記針管3と同様の材料、特に硬質樹脂
や、例えばステンレス鋼、チタン、アルミニウム等の金
属材料を用いることができる。また、針管16は、図示
のような瓶針タイプのものに限らず、通常の金属製の穿
刺針等であってもよい。
【0056】針管16の周囲には、針管16の少なくと
も先端部を被包する被包部材18が設置されている。こ
の被包部材18は、未使用時に針管16の汚染を防止す
る役割や、側孔161からの液漏れを防止する役割を果
たす。
【0057】このような被包部材18としては、前記ガ
スケット12と同様の材料による膜で構成され、針管1
6の先端により容易に刺通可能なものが好適に使用され
る。また、被包部材18の後端は、係止部14の底面1
41と接合または一体化されているのが好ましい。
【0058】なお、針管16の先端および被包部材18
の先端は、ガスケット12の先端面121より先端側へ
突出していないのが好ましい。
【0059】ガスケット12の外周面123には、全周
に渡って複数のリング状の突部13が形成されている。
図示の構成では、ガスケット12の先端および後端付近
の外周面123にそれぞれリング状の突部13が形成さ
れている。この突部13は、ガスケット12が摺動する
際に、容器本体11の内周面に密着し、気密性を保持す
るとともに、適度な摺動性を保つ機能を有している。
【0060】このような容器10では、容器本体11が
ガスケット12を容器本体11に対し移動させるための
プランジャーとしての機能を兼ね備えており、また、ガ
スケット12が容器本体11を密封するための封止部材
としての機能と、管体4内との連通・遮断を得る機能と
を兼ね備えている。そのため、容器10を必要最低限の
部材である容器本体11およびガスケット12のみで構
成することができ、針管刺通専用のゴム栓やプランジャ
ーロッドを有する従来の容器に比べ、部品点数が少な
く、構成が極めて簡単であり、操作も容易である。
【0061】なお、ガスケット12の内部には、一端が
鍔部162の後端側の空間17または後端面122に開
放し、他端がガスケット12の外周面123に開放する
少なくとも1つの通気孔(図示せず)が形成されていて
もよい。この通気孔は、容器10内に入れられた薬剤を
凍結乾燥する際に、水蒸気を排出するためのものであ
る。従って、この通気孔は、容器10内に収納される薬
剤の形態により、必要に応じて設けられる。
【0062】このような容器10の内部は、未使用時に
空の状態であってもよいが、通常は、予め所定量の薬剤
が入れられているのが好ましい。薬剤としては、液状の
もの、固体状(半固形物を含む)のもののいずれでもよ
い。固体の薬剤の代表例としては、錠剤または図示のよ
うな粉末(顆粒)状の薬剤109が挙げられ、特に、容
器10内に導入された液体により溶解または分散され易
いという点で、粉末状のものが好ましい。このような粉
末状の薬剤109は、例えば、凍結乾燥により容易に得
ることができる。
【0063】また、容器10の内部に固体の薬剤が入れ
られている場合、容器10の内部は、大気圧とほぼ等し
い状態でもよいが、減圧状態(例えば、0.1〜760
mmHg)とされているのが好ましい。
【0064】なお、1つの容器10内に封入される薬剤
109は、通常、単一の有効成分よりなるものである
が、2以上の有効成分を含む配合剤であってもよい。
【0065】薬剤109の具体例としては、ビタミン剤
(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリンのような
抗血栓剤、インシュリン、抗生物質、抗腫瘍剤、鎮痛
剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療
剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質等が
挙げられる。
【0066】本発明では、容器10内において溶解また
は分散しきれなかった固形の薬剤が針管3の側孔31か
ら排出されるのを防止するために、管体4の内腔41や
針管16の内腔等の流路内、あるいはガスケット12の
空間17内等に、固形の薬剤の通過を阻止するフィルタ
ー(図示せず)を設けることもできる。このフィルター
としては、例えば、メンブランフィルター、メッシュ、
織布、不織布等が挙げられる。
【0067】なお、注射器本体1および容器10の少な
くとも内部には、予め高圧蒸気滅菌、ガス滅菌または放
射線滅菌等の滅菌処理が施されているのが好ましい。
【0068】次に、本発明の注射器100の使用方法の
一例を、図4および図5に基づいて説明する。
【0069】A.容器10内が予め減圧状態とされてい
る場合の使用方法
【0070】[1] まず、図4に示すように、キャッ
プ9を取り外し、注射器100の針管3を、薬剤109
を配合しようとする輸液バッグ105の開口を封止する
弾性栓106に刺通する。
【0071】[2] 次に、フィルム8および19をそ
れぞれ剥し、外筒2の後端開口2bより、容器10を先
端側から外筒2内に挿入し、注射器本体1と容器10と
を相対的に回転して連結部6と係止部14とを螺合す
る。この螺合にともない、針管16の先端が被包部材1
8の先端部を刺通し、さらに膜7を刺通し、側孔161
を含む針先部分が拡径部42内に挿入される。
【0072】このようにして容器10内と管体4の内腔
41とが針管16を介して連通するが、容器10内が予
め減圧状態とされているため、大気圧との圧力差によ
り、輸液バッグ105内の輸液107は、図4中の矢印
で示すように、側孔31、針管3の内腔、管体4の内腔
41および拡径部42内、針管16の内腔および空間1
7を順次経て、容器10内に導入される。
【0073】なお、針管16が被包部材18および膜7
を刺通する際には、被包部材18は膜7を越えないた
め、この被包部材18は、針管16の後端側に寄せられ
て蛇腹状に圧縮、変形され、この状態で空間5内に収
納、保持される。
【0074】[3] 次に、容器10に揺動または振動
を与え、容器10内に導入された輸液に薬剤109を溶
解または分散させ、薬剤109の有効成分を含む薬液1
08とする。なお、この薬液108としては、薬剤10
9の溶解液、懸濁液(乳濁液)等が挙げられる。
【0075】[4] 次に、図5に示すように、容器1
0の後端(底部)を先端方向に押圧して、容器本体11
を外筒2内に挿入して行く。連結部6と係止部14とが
係止しているため、ガスケット12が管体4の後端に連
結されたまま、容器本体11のみが先端方向に移動す
る。これにより、ガスケット12の後端と容器本体11
とで囲まれる部分の容積が減少し、容器10内の薬液1
08は、図5中の矢印で示すように、針管16の内腔、
管体4の拡径部42および内腔41、針管3の内腔およ
び側孔31を順次経て、輸液バッグ105内に注入さ
れ、輸液に配合される。
【0076】容器本体11を押圧して外筒2内に挿入し
て行く際、外筒2の内面がガイド(案内面)の役割を果
たし、揺動したり傾斜したりすることなく容器本体11
を管体4の軸方向に確実に移動することができる。
【0077】[5] 上記[4]の薬液注入操作におい
ては、ガスケット12の後端面122が容器本体11の
底部内面113に接触するまで容器本体11を外筒2内
に挿入したとしても、管体4内や針管3内等に薬液10
8が残存するため、1回の容器10の押入操作では、薬
液108の全量を輸液バッグ105内に注入することは
できない。そこで、外筒2内に容器本体11をある程度
の深さまで挿入したら、逆に、容器本体11を後端側へ
引き、輸液バッグ105内の輸液107を前記と同様の
経路で容器10内に導入して残存している薬液108を
希釈し、再度容器本体11を外筒2内に押圧、挿入す
る。このような容器本体11の往復動を数回繰り返して
行うことにより、薬液108を無駄なく輸液バッグ10
5内に供給することができ、また、正確な量の薬剤の配
合が可能となる。
【0078】なお、ガスケット12の摺動に際し、突部
13が容器本体11の突部112を通過するときには所
定の抵抗が加わるため、容器本体11から誤ってガスケ
ット12を抜き取ってしまうことが防止される。
【0079】[6] 輸液バッグ105内にさらに成分
の異なる薬剤を配合する場合には、針管3を輸液バッグ
105の弾性栓106に刺通したままで、容器10を注
射器本体1に対し前記と逆方向に回転し、連結部6と係
止部14との螺合を解除して容器10を注射器本体1か
ら取り外し、次いで、新たに配合しようとする薬剤が入
った同様の容器10を前記[2]と同様にして注射器本
体1にセットし、以後、前記[3]〜[5]と同様の操
作を行う。このように、成分の異なる複数種の薬剤を配
合する場合、それぞれの薬剤が収納されている複数の容
器10を用意し、これらを適宜交換して用いればよいた
め、その操作が極めて簡単であり、配合に要する時間も
短い。さらに、このような薬剤の配合では、外気と接触
する機会が極めて少なく、細菌汚染や異物混入のおそれ
もない。
【0080】なお、使用済みの容器10は、容器10内
の残液量をできるだけ少なくするために、ガスケット1
2の後端面122が容器本体11の底部内面113に接
触または接近した状態のまま注射器本体1から取り外す
のが好ましい。
【0081】また、連結部6と係止部14との螺合を解
除したとき、針管16は膜7から抜き取られるが、蛇腹
状に圧縮されていた被包部材18が瞬時に元の形状に復
元して針管16の先端を被包するので、側孔161から
液が漏れて周囲に飛散することが防止される。
【0082】B.容器10内の圧力がほぼ大気圧と同等
である場合の使用方法
【0083】まず、フィルム8および19をそれぞれ剥
し、外筒2の後端開口2bより、容器10を先端側から
外筒2内に挿入し、前記と同様にして連結部6と係止部
14とを螺合して、針管16の側孔161を含む針先部
分を拡径部42内に位置させる。
【0084】次に、容器本体11を先端方向に押圧し
て、容器本体11を外筒2内に挿入して行き、ガスケッ
ト12の後端と容器本体11とで囲まれる部分の容積を
減少させる。
【0085】次に、キャップ9を取り外し、針管3を輸
液バッグ105の弾性栓106に刺通する。なお、この
操作は、前記容器本体11の外筒2内への挿入操作の前
に行ってもよい。
【0086】次に、容器本体11を後端側へ引き、輸液
バッグ105内の輸液107を前記と同様の経路で容器
10内に導入する。その後、前記[3]〜[6]と同様
の操作を行う。
【0087】C.容器10内に予め液体の薬剤(薬液)
が収納されている場合の使用方法
【0088】前記[1]および[2]と同様の操作を行
った後、前記[4]〜[6]と同様の操作を行う。
【0089】本発明の注射器では、容器10が上記A〜
Cのうちのいかなる形態のものであっても、注射器本体
1に対しそれらを適宜交換して用いることができる。
【0090】なお、以上のような薬剤の配合(注入)
は、輸液バッグ105に対して行われるのに限定され
ず、例えば、生理食塩水や透析液のような輸液以外の液
体や、血液、血漿等を収納するバッグに対して行うこと
もできる。さらには、静注、動注、皮下注のような生体
への薬液の投与に用いることもできる。
【0091】図6は、本発明における容器の他の構成例
を示す平面図、図7は、図6に示す容器10Bの先端部
の構成を示す縦断面図、図8は、容器10Bのガスケッ
ト移動時における構成を示す縦断面図である。なお、説
明の都合上、図7および図8中の上側を先端、下側を後
端という。
【0092】これらの図に示す容器10Bは、主に、ガ
スケットおよびガスケットの容器本体11に対する軸方
向の位置を規制する規制手段の構成が異り、その他は前
記容器10と同様である。
【0093】容器10Bでは、容器本体11の内周面
に、前記突部112が設けられていない。
【0094】容器10Bにおけるガスケット20は、そ
の中心部に例えば前述したような樹脂で構成される芯材
21が埋設されている。この場合、芯材21の先端側
は、ガスケット20の先端面より所定長さ突出してい
る。
【0095】また、この芯材21の内部には、前記係止
部14と同様の係止部22が形成されている。係止部2
2の内周面には、連結部6の外周の雄ねじ61と螺合し
得る雌ねじ23が形成されている。
【0096】係止部22内の中心部には、係止部22の
底面から立設された前記針管16と同様の針管24が設
けられている。針管24の先端部付近の側部には、針管
24の内腔と連通する複数の側孔241が形成されてい
る。また、針管24の内腔の後端は、ガスケット20内
の空間25に開放している。これにより、係止部22と
ガスケット20より後端側の容器10の内部とが、針管
24を介して連通する。
【0097】また、芯材21の先端には、芯材21の中
心部からそれぞれ120°の間隔で径方向に延びた3つ
の扇状の小片27が形成されている。
【0098】一方、容器本体11の先端には、リング状
の係止部材28が、容器本体11の先端縁部114に嵌
合することにより固定されている。この係止部材28の
内側開口には、図7に示すように、芯材21のガスケッ
ト20より突出した胴部211が挿通されている。
【0099】係止部材28の内側開口は、その直径が芯
材21の胴部211の外径とほぼ等しいかまたはそれよ
り若干大きい値である部分(小片27に対応するよう、
中心部からそれぞれ120°の間隔で3箇所形成)と、
前記各小片27の最外周を結ぶ円の直径より大きい内径
の内径拡大部29とが、円周方向に沿って交互に配置さ
れた形状となっている。この場合、各内径拡大部29
は、中心部からそれぞれ120°の間隔で配置され、か
つその内径および開き角は、小片27のそれらより大き
くなっている。
【0100】図6および図7に示す状態では、ガスケッ
ト20の先端面が係止部材28の後端面(容器内側の
面)に当接するとともに、芯材21の各小片27が、係
止部材28の隣接する内径拡大部29間の部分に係止
し、いわゆるロック状態となっているので、ガスケット
20の先端側および後端側への移動が規制される。
【0101】また、芯材21を係止部材28に対し60
°回転し、各小片27を対応する内径拡大部29に重ね
ると、3つの小片27が同時に内径拡大部29を通過
し、図8に示すように、ガスケット20の後端側への移
動規制が解除され、ガスケット20は容器本体11内を
後端側に向かって摺動することが可能となる。
【0102】図9、図11および図13は、それぞれ本
発明における容器の他の構成例を示す縦断面図、図10
および図12は、それぞれ図9および図11に示す容器
の底面図である。
【0103】これらの図に示す容器は、いずれもその容
器本体11の後端部(底部)外周にリング状のリブ11
5が形成されており、このリブ115に係合して容器本
体11の底部に固定的に装着された把持部材(容器移動
用補助具)30A〜30Cを有している。以下、順次説
明する。
【0104】図9および図10に示す把持部材30A
は、リブ115に係合する係合部300と、この係合部
300と反対側に形成されたフランジ301とを有して
いる。
【0105】図11および図12に示す把持部材30B
は、リブ115に係合する係合部300と、この係合部
300と反対側に形成されたフランジ302とを有し、
係合部300とフランジ302とが軸303により連結
された構成となっている。
【0106】図13に示す把持部材30Cは、リブ11
5に係合する係合部300を有し、この係合部300と
反対側の外周に、指等による把持に適した凹部304が
形成された構成となっている。
【0107】このような容器では、把持部材30A〜3
0Cのフランジ301、302または凹部304を指等
で把持しつつ、容器の注射器本体に対する移動操作を行
うので、その操作、特に注射器本体から容器を引き抜く
方向に移動する操作を容易かつ確実に行うことができ
る。特に、容器本体11の長さが比較的短いときには有
効である。
【0108】なお、把持部材の形状、構造は、各図に示
すものに限定されない。また、図9〜図13に示す構成
例では、容器本体11と把持部材30A〜30Cとが別
部材で構成されているが、これらは一体的に形成されて
いてもよい。
【0109】図14、図15、図16および図17は、
それぞれ、本発明における注射器本体の他の構成例を示
す縦断面図である。これらに示す注射器本体1B、1
C、1Dおよび1Eは、いずれも前記注射器本体1にお
ける針管3を有さず、注射器本体自体が可撓性を有する
バッグ103に、管体4の内腔41とバッグ103の内
部とが連通するよう液密に固着されているものである。
以下、順次説明する。なお、説明の都合上、図14〜図
17中の上側を先端、下側を後端という。
【0110】図14に示す注射器本体1Bは、針管3お
よびキャップ9を有しない以外は前記注射器本体1と同
様の構成であり、外筒2の先端部には、樹脂製シート材
を重ね、その縁部を融着(例えば熱融着、高周波融着)
または接着によりシールして袋状に成形してなるバッグ
(輸液バッグ)103の後端部が液密に固着されてい
る。これにより、管体4の先端面43がバッグ103内
に露出し、バッグ103内と内腔41とが連通してい
る。
【0111】なお、このバッグ103内には、例えば5
0〜2000ml程度の輸液107が入れられている。
【0112】注射器本体1Bとバッグ103との接合
は、バッグ103の後端縁部に形成されたシート材のシ
ール部104において、外筒2の先端部を両シート材間
に挟んで融着または接着することによりなされている。
【0113】バッグ103を構成するシート材として
は、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリアミド、ポリウレタン系、ポリエステル系、
ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種エラ
ストマー、あるいはそれらの混合物のような可撓性を有
する樹脂で構成されたものが挙げられる。
【0114】図15に示す注射器本体1Cは、注射器本
体1Cのほぼ全体がバッグ103の内側に突出してお
り、外筒2の後端部付近をバッグ103の後端のシール
部104において液密に固着した構成であり、それ以外
の構成は、前記注射器本体1Bと同様である。
【0115】なお、本発明では、前記注射器本体1B、
1Cの他、外筒2の先端から後端に至る途中の任意の位
置でバッグ103のシール部104に固着することがで
きる。
【0116】図16に示す注射器本体1Dは、外筒2を
有しておらず、管体4の先端部をバッグ103の後端の
シール部104において液密に固着した構成であり、そ
れ以外の構成は、前記注射器本体1Bと同様である。
【0117】なお、この注射器本体1Dにおける管体4
とバッグ103との接合は、管体4の先端部をシール部
104の両シート材間に挟んで融着または接着すること
によりなされている。
【0118】本発明の注射器は、針管16がガスケット
内、すなわち容器10または10B側に設置されている
ため、注射器本体1Dのように外筒2を省略した構成と
しても、管体4の後端側に針管が露出して危険を生じる
ということがない。
【0119】図17に示す注射器本体1Eは、管体4の
内腔41を開封可能に封止する封止手段の構成が異なる
以外は、前記注射器本体1Bと同様の構成である。すな
わち、注射器本体1Eにおいては、膜7を設けず、可撓
性を有するチューブ51と、このチューブ51内の流路
を封止するようチューブ51内に液密に嵌入された封止
部材52とで構成される封止手段50を有している。
【0120】封止部材52は、中実柱状部53によりそ
の先端が閉塞された筒体で構成され、その外周には薄肉
で脆弱な破断部54が形成されている。手指等によりバ
ッグ103の外部からチューブ51の先端部をつまみ、
チューブ51ごと中実柱状部53を折り曲げて破断部5
4を破断し、中実柱状部53を分離することにより、流
路の開封が可能となる。なお、チューブ51は、中実柱
状部53の破断分離に際し、破断により生じた鋭利なエ
ッジ部がバッグ103のシート材を損傷することを防止
する機能を持っている。
【0121】封止部材52の構成材料としては、例え
ば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステルのような硬質樹脂
が挙げられる。
【0122】このような封止部材52としては、テルモ
(株)社製の商品名:クリックチップを用いることがで
きる。
【0123】また、チューブ51の構成材料としては、
例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等の軟質樹脂、シリコーンゴム、またはウレタン
系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、ス
チレン系等の各種エラストマー、あるいはそれらの混合
物が挙げられる。
【0124】なお、注射器本体1Eにおいては、分離さ
れた中実柱状部53がチューブ51外に出てバッグ10
3内に落下するのを防止するための手段を設けることも
できる。この手段の一例としては、チューブ51の先端
に、分離された中実柱状部53のストッパーとして、例
えば中実柱状部53の外径より小さな内径を有するリン
グ(図示せず)を嵌入した構成が挙げられる。
【0125】本発明において、管体4の内腔41を開封
可能に封止する封止手段としては、上述した針管等によ
り破くことができる膜7や封止手段50のような破断に
より開封可能なものに限らず、例えば、チューブ51を
挟んで圧閉し得る部材、あるいは管体4の先端に着脱自
在に嵌合される栓体等であってもよい。
【0126】なお、注射器本体1B〜1Eをバッグ10
3に固着する位置は、図示のごときバッグ103の後端
縁部に限らず、先端または側端の縁部であってもよく、
あるいは図14〜図17中の正面または背面であっても
よい。
【0127】図18および図19は、それぞれ、本発明
における注射器本体のさらに他の構成例を示す部分縦断
面図である。これらの図に示す注射器本体1Fおよび1
Gは、前記注射器本体1Bおよび1Cと同様と同様の構
成であり、注射器本体自体が可撓性を有するバッグに対
し、管体4の内腔41とバッグの内部とが連通するよう
液密に固着されているものである。以下、順次説明す
る。なお、説明の都合上、図18および図19の上側を
先端、下側を後端という。
【0128】注射器本体1Fおよび1Gが固着されるバ
ッグは、従来より使用されている輸液107入りの輸液
バッグ200である。この輸液バッグ200は、筒状に
成形された前記と同様の樹脂製シート材の両端部を融着
(例えば熱融着、高周波融着)または接着によりシール
し、切断してなるもので、先端側のシール部201のバ
ッグ幅方向中央部には、輸液バッグ200をフック等に
引っ掛けて吊り下げるための孔202が形成されてお
り、後端側のシール部203のバッグ幅方向中央部に
は、輸液107の排出口204が形成されている。
【0129】図18に示す注射器本体1Fは、輸液バッ
グ先端側のシール部201において、外筒2の先端部
(開口2b側)を両シート材間に挟んで融着または接着
することにより、輸液バッグ200に液密に固着されて
いる。この場合、注射器本体1Fのほぼ全体が輸液バッ
グ200の内側に突出している。
【0130】また、図19に示す注射器本体1Gは、輸
液バッグ後端側のシール部203において、外筒2の先
端部(底部2a側)を両シート材間に挟んで融着または
接着することにより、輸液バッグ200に液密に固着さ
れている。この場合、注射器本体1Gのほぼ全体が輸液
バッグ200の外側に突出している。
【0131】なお、図示と異なり、輸液バッグ先端側の
シール部201において、注射器本体1Fのほぼ全体が
輸液バッグ200の外側に突出している構成や、輸液バ
ッグ後端側のシール部203において、注射器本体1G
のほぼ全体が輸液バッグ200の内側に突出している構
成であってもよい。
【0132】また、輸液バッグ200に固着される注射
器本体としては、前記注射器本体1Dまたは1Eと同様
の構成のものであってもよい。この場合、注射器本体1
Dは外筒2を有さないため、注射器本体1Dのほぼ全体
が輸液バッグ200の外側に突出するように、管体4の
一端部をシール部201または203において固着す
る。
【0133】また、1つの輸液バッグ200に対し、同
一または異なる構成の複数の注射器本体1D〜1Fを設
けてもよい。この場合、例えば、シール部201および
203のそれぞれに注射器本体1D〜1Fを設ける場
合、シール部201の孔202の両側にぞれぞれ注射器
本体1D〜1Fを設ける場合、シール部203の排出口
204の両側にぞれぞれ注射器本体1D〜1Fを設ける
場合等が挙げられる。
【0134】このような構成では、既存の輸液バッグ2
00に本発明の注射器を組み合わせることができ、製造
が容易であるとともに、既存の輸液バッグ等の用途、機
能を併有することができるという利点がある。
【0135】以上本発明の注射器を添付図面に示す各構
成例について説明したが、本発明はこれらに限定される
ものではない。例えば、連結部および係止部の構成につ
いては、図示のごとき凸部および凹部で構成されたも
の、これらを相対的に回転することによりこれらの係止
およびその解除を行うものに限らず、例えば、互いに接
合する面であってもよい。この場合、容器本体11の外
筒2内への挿入等によりガスケット12を容器本体11
に対しその後端側に摺動させることのみ可能となる。
【0136】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の注射器、注
射器用容器および注射器本体によれば、例えばバッグ内
への液体の注入や薬剤の配合を簡単な操作で短時間に行
うことができ、緊急時への対応が有利となる。また、薬
剤の配合等の操作中において、容器内部等の注射器各所
が外気と接触する機会が極めて少ないため、細菌汚染や
異物の混入を防止することができる。
【0137】特に、有効成分の異なる複数の薬剤を配合
する場合、注射器本体をバッグ等に接合した状態のまま
で、それぞれ異なる薬剤が収納された複数の容器を適宜
交換して使用すればよく、上記優れた操作性および無菌
保持性の効果がより有効に発揮される。この場合、薬剤
の形態が相違するもの、例えば液体と固体のそれぞれを
別の容器から配合することもできる。
【0138】また、本発明の注射器では、針管が容器の
ガスケット内に設置されているため、外筒を省略する
等、注射器本体の構成を簡素化することができ、製造も
容易である。
【0139】また、係止部と連結部との係止によりガス
ケットを容器本体内で往復動可能とした場合には、容器
内の薬剤を無駄なく排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における注射器本体の構成例を示す縦断
面図である。
【図2】図1中のII−II線視図である。
【図3】本発明における容器の構成例を示す縦断面図で
ある。
【図4】本発明の注射器の使用状態を示す縦断面図であ
る。
【図5】本発明の注射器の使用状態を示す縦断面図であ
る。
【図6】本発明における容器の他の構成例を示す平面図
である。
【図7】図6に示す容器の先端部の構成を示す縦断面図
である。
【図8】図6に示す容器の先端部の構成(ガスケット移
動時)を示す縦断面図である。
【図9】本発明における容器の他の構成例を示す縦断面
図である。
【図10】図9に示す容器の底面図である。
【図11】本発明における容器の他の構成例を示す縦断
面図である。
【図12】図11に示す容器の底面図である。
【図13】本発明における容器の他の構成例を示す縦断
面図である。
【図14】本発明における注射器本体の他の構成例を示
す縦断面図である。
【図15】本発明における注射器本体の他の構成例を示
す縦断面図である。
【図16】本発明における注射器本体の他の構成例を示
す縦断面図である。
【図17】本発明における注射器本体の他の構成例を示
す縦断面図である。
【図18】本発明における注射器本体の他の構成例を示
す部分縦断面図である。
【図19】本発明における注射器本体の他の構成例を示
す部分縦断面図である。
【符号の説明】
100 注射器 1、1B、1C、1D、1E、1F、1G 注射器本体 2 外筒 2a 底部 2b 後端開口 2c フランジ 3 針管 31 側孔 4 管体 41 内腔 42 拡径部 5 空間 6 連結部 61 雄ねじ 7 膜 8 フィルム 81 タブ 9 キャップ 10、10B 容器 11 容器本体 111 先端開口 112 突部 113 底部内面 114 先端縁部 115 リブ 12 ガスケット 121 先端面 122 後端面 123 外周面 13 突部 14 係止部 141 底面 15 雌ねじ 16 針管 161 側孔 162 鍔部 17 空間 18 被包部材 19 フィルム 20 ガスケット 21 芯材 211 胴部 22 係止部 23 雌ねじ 24 針管 241 側孔 25 空間 27 小片 28 係止部材 29 内径拡大部 30A、30B、30C 把持部材 300 係合部 301、302 フランジ 303 軸 304 凹部 50 封止手段 51 チューブ 52 封止部材 53 中実柱状部 54 破断部 103 バッグ 104 シール部 105 輸液バッグ 106 弾性栓 107 輸液 108 薬液 109 薬剤 200 輸液バッグ 201 シール部 202 孔 203 シール部 204 排出口
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 39/00 A61M 5/178

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後端側に連結部を有する管体と、前記管
    体の内腔を開封可能に封止する封止手段とを有する注射
    器本体と、 有底筒状の容器本体と、前記連結部が係止する係止部を
    有し、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガ
    スケットと、該ガスケット内に設置された針管とで構成
    される少なくとも1つの容器とを有し、 前記針管を前記管体の後端側の内腔に挿入するととも
    に、前記連結部と前記係止部とを係止した状態で、前記
    容器本体を前記注射器本体に対し軸方向に相対的に移動
    して前記ガスケットを前記容器本体内で摺動させること
    により、前記管体を介して前記容器内の物質を少なくと
    も排出することを特徴とする注射器。
  2. 【請求項2】 前記注射器本体は、前記管体の先端側に
    他の針管を有する請求項1に記載の注射器。
  3. 【請求項3】 前記注射器本体は、可撓性を有するバッ
    グに、前記管体の内腔と前記バッグの内部とが連通し得
    るよう液密に固着されている請求項1に記載の注射器。
  4. 【請求項4】 前記注射器本体は、前記管体の外周に、
    前記容器を挿入可能な外筒を有する請求項1ないし3の
    いずれかに記載の注射器。
  5. 【請求項5】 前記封止手段は、前記管体の後端側に設
    けられた膜であり、前記連結部と前記係止部とを係止し
    た状態で、前記ガスケット内に設置された針管が前記膜
    を刺通するよう構成された請求項1ないし4のいずれか
    に記載の注射器。
  6. 【請求項6】 前記連結部および前記係止部は、これら
    を相対的に回転することにより、これらの係止およびそ
    の解除を行うよう構成されている請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の注射器。
  7. 【請求項7】 前記連結部と前記係止部との係止によ
    り、前記ガスケットを前記容器本体内で往復動可能とす
    る請求項1ないし6のいずれかに記載の注射器。
  8. 【請求項8】 前記ガスケットの前記容器本体に対する
    軸方向の位置を規制する規制手段を有する請求項1ない
    し7のいずれかに記載の注射器。
  9. 【請求項9】 前記ガスケット内に設置された針管を被
    包し、該針管にて刺通可能な被包部材を有する請求項1
    ないし8のいずれかに記載の注射器。
  10. 【請求項10】 前記容器の内部が減圧状態とされてい
    る請求項1ないし9のいずれかに記載の注射器。
  11. 【請求項11】 それぞれ成分の異なる薬剤が収納され
    ている複数の容器を交換して使用する請求項1ないし1
    0のいずれかに記載の注射器。
  12. 【請求項12】 後端側に連結部を有する管体と、前記
    管体の内腔を開封可能に封止する封止手段とを有する注
    射器本体とともに使用され、有底筒状の容器本体と、前
    記連結部が係止する係止部を有し、前記容器本体の内面
    に沿って液密に摺動し得るガスケットと、該ガスケット
    内に設置された針管とで構成される容器であって、 前記ガスケットの前記容器本体に対する軸方向の位置を
    規制する規制手段を有し、 前記針管を前記管体の後端側の内腔に挿入するととも
    に、前記連結部と前記係止部とを係止した状態で、前記
    容器本体を前記注射器本体に対し軸方向に相対的に移動
    して前記ガスケットを前記容器本体内で摺動させること
    により、前記管体を介して前記容器内の物質を少なくと
    も排出することを特徴とする注射器用容器。
  13. 【請求項13】 後端側に連結部を有する管体と、前記
    管体の内腔を開封可能に封止する封止手段とを有する注
    射器本体であって、 有底筒状の容器本体と、前記連結部が係止する係止部を
    有し、前記容器本体の内面に沿って液密に摺動し得るガ
    スケットと、該ガスケット内に設置された針管とで構成
    される容器とともに使用され、前記針管を前記管体の後
    端側の内腔に挿入するとともに、前記連結部と前記係止
    部とを係止した状態で、前記容器本体を前記注射器本体
    に対し軸方向に相対的に移動して前記ガスケットを前記
    容器本体内で摺動させることにより、前記管体を介して
    前記容器内の物質を少なくとも排出することを特徴とす
    る注射器本体。
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