JP4671461B2 - 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 - Google Patents

長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は湿気硬化型シリコーン系シーリング材の改良に関する。
【0002】
【従来技術】
シリル化ポリアルキレン系シーリング材は、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とし、プロセスオイル等の可塑剤、無機充填材、必要に応じ顔料、揺変剤、老化防止剤を配合したシーリング材組成物である。このシーリング材において、アルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造がポリイソブチレンのシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材組成物(以下、「PIB系シーリング材」という。)が市場導入段階にある。このシーリング材の使用に当たっては、シーリング材組成物にスズ系触媒及びアミン化合物を配合した硬化剤を混合する2成分形シーラントとする。さらに目的によっては、着色顔料を可塑剤等に分散した着色ペースト類を配合する。このシーリング材は、分子末端がアルコキシシリル基で主鎖構造が有機化合物系ポリマーであるため、変成シリコーン系シーラントに分類される。硬化機構はアルコキシシリル基が、湿気硬化によりシロキサン結合をつくりゴム状弾性体を形成することによる。その硬化物の特性は、親水性のポリエーテル化合物を主鎖構造とする市販の変成シリコーン系シーラントに比べ、疎水性の炭化水素を主鎖構造とするため、格段に耐候性、耐湿性、耐久性などが優れている。ところが主鎖構造が炭化水素であるので一旦硬化すれば優れた耐湿性を与えるが、疎水性のため湿気硬化が深部まで至りにくいとの大きな難点がある。
【0003】
さらに、このシーリング材は使用段階における総合的シール作業性に著しい難点のあることが指摘されている。この総合的シール作業性とは、硬化剤配合時の混合容易性(以下、「混合性」という。)、目地充填時の作業のしやすさ(以下、「シール作業適性」という。)、垂直目地充填後の塑性流動による仕上がり不良(以下、「スランプ性」という。)に分類されるが、業界ではこの総合的シール作業性の良否は、硬化物性と同じくらい重視されている。ところで、この総合的シール作業性が劣る原因は、そのシーラントのベースポリマーが粘度が非常に高く、構造粘性の付与が困難なことによる。そのため混合加工したシーリング材は業界でいう重たくキレの悪い粘性を有しており、この改良が必要である。
【0004】
従来、この難点を改良すべき技術手段として、水を配合する試みがなされている。この水の配合で、内部硬化性が改良され、水による部分乳化に由来するためか構造粘性が向上し、総合的シール作業性も幾分改善する。しかし、加水分解性を持つアルコキシシリル基含有ポリマーに水分を配合することは、貯蔵時の大幅な粘度変化をまねき、重大な品質低下の原因となる。つまり貯蔵安定性(以下、「貯安性」という。)の維持に大きな問題点がある。
【0005】
そこでこのシーリング材の硬化後の優れた各種特性を維持しながら、内部硬化性、貯安性、総合的シール作業性などの諸問題を改良するものとして、発明者らはPIB系シーリング材、すなわち分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に分子量400以下の多価アルコール、及び、ガラスバルーンやシラスバルーンやセラミックバルーンなどの中空構造を有する充填材を配合した変成シリコーン系シーラントを開発している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したガラスバルーンなどの無機材質中空構造の充填材を配合した分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に比して、さらに内部まで深く均質に分散して優れた内部硬化性を与え、かつヘラ切れ性などの総合的シール作業性にも優れた特性を付与する充填材を配合した分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記のとおり、発明者らは、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材組成物に分子量400以下の多価アルコール、及び、ガラスバルーンやシラスバルーンやセラミックバルーンなどの中空構造を有する無機充填材を配合した変成シリコーン系シーラントを開発している。この開発の経緯を述べる。シーリング材の内部硬化性を改良する技術手段である水分配合は、本質的に貯安性が乏しい。そこで水分配合に代わる手段を探すこととした。一般に主鎖構造が親水性のポリエーテル化合物である変成シリコーン系シーラントにアルコールを配合することは、経時増粘、経時硬化遅延など貯安性の低下の原因となるため技術手段として避けられている。しかし、主鎖構造が疎水性のポリアルキレン化合物なら、アルコキシシリル基に与える影響が変わるのではないかと考えた。そこで、親水性を付与するため、低分子から高分子に至る各種アルコールを配合したところ、主鎖構造が疎水性のポリアルキレン構造なら内部硬化性を低下させず、貯安性を改良できることに気づいた。その実験過程で、特定のアルコールの配合が粘性までも著しく変化させることも発見した。その粘性の変化とは、構造粘性の付与であった。当初は内部硬化性を配慮した貯安性の改良しか考えていなかったが、この構造粘性を著しく変化させる予期せぬ特性を、懸案となっている総合的シール作業性の改良にまで利用できないかと考えた。この考えを基に、鋭意実験を重ねたところ、このシーリング材に多価アルコールを配合する時に限り、内部硬化性を低下させることなく、貯安性の改良と著しい総合的シール作業性の改善を与えること、しかも硬化後の本来の物性になんら悪影響を与えないことを確認した。しかし、発明者らはヘラ切れ性のさらなる改善に努めた。ヘラ切れ性は、シーリング材施工工程中のヘラ仕上げ時の作業性に大きな影響を与える。ヘラ切れ性の乏しいものではシーリング材が目地周辺に付着して美観を著しく損なうこととなる。ところが各種の有機又は無機充填材や揺変剤などを配合する中で、中空構造を有するガラスバルーンやシラスバルーンやセラミックバルーンなどの充填材を配合した場合には、ヘラ切れ性が格段に向上することを発見し、PIB系シーリング材にガラスバルーンやシラスバルーンやセラミックバルーンなどの中空構造を有する充填材を配合したシーリング材を開発した。
【0008】
さらに発明者らは、上記のガラスバルーンやシラスバルーンやセラミックバルーンなどの中空構造を有する充填材を配合したPIB系シーリング材に比して、各種性質が劣ることなく、さらに内部まで均質に深く分散して優れた内部硬化性を有するシーリング材を探究したところ、水分含有型プラスチックバルーンを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、水分含有型プラスチックバルーンは、表面に水分を吸着して含有しているので系内に十分な水分を供給することができ、また水分とプラスチックバルーンとの相互作用による構造粘性の向上、すなわちシール作業性が著しく向上することが分かった。
【0009】
本来ならば、シーラントは作業性アップに効果のある中空構造のバルーンと硬化過程に必要とされる水分の2種類の原料の配合となる。すなわち、現行のシーラントでは、水分源として水や芒硝を単独で1原料として配合し、さらに作業性アップのための中空構造材を添加している状況である。これに対して本発明における水分含有型プラスチックバルーンを配合するものでは、1種類の原料の配合で済むという大きな利点を有する。
【0010】
すなわち、課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材を配合して形成の基剤と使用時に該基剤に配合する硬化剤とからなる常温硬化型の2成分形のシーリング材組成物であることを特徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物である。
【0011】
上記において、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーとは、トリアルコキシシリル基、アルキルジアルコキシシリル基、ジアルキルアルコキシシリル基の1種以上を分子末端に有し、主鎖構造がエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのような繰り返し単位のポリアルキレン構造を持つ数平均分子量が1000〜30000のポリマーである。この内、アルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造がポリイソブチレンであり数平均分子量が5000〜20000であるポリマーが耐候性、耐湿性、耐久性に優れるため好ましい。
【0012】
本発明に用いる水分含有型プラスチックバルーン(商品名:エクスパンセル551WE、エクスパンセル091WE、日本フィライト社販売)とは、有機系充填材で、粒子サイズが20〜80μmのポリマーを外殻とするポリマーバルーンで、系内に水分を含有し、例えば、エクスパンセル091WEの水分含有率は自由に設定できるが、ハンドリングの面から一般に85%である。この水分含有型プラスチックバルーンをPIB系シーリング材に配合することで、初期硬化性やヘラ切れ性などの作業性に優れたシーリング材が得られる。
【0013】
本発明のシーリング材ベースは、上記シリコーン系ポリマー、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの無機充填材、プロセスオイルのようなパラフィン系可塑剤、ジオクチルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑剤、必要に応じてチタン白などの着色顔料、脂肪酸アミド、無水シリカなどの揺変剤、及び、芒硝のような分子内に結晶水を有する化合物などを配合したものである。このシーリング材ベースは、シリコーン系ポリマー100重量部に対し、無機充填材50〜300重量部、可塑剤10〜200重量部が好ましい。
【0014】
請求項2の発明では、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に分子量400以下の多価アルコール、及び、水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材を配合して形成の基剤と使用時に該基剤に配合する硬化剤とからなる常温硬化型の2成分形のシーリング材組成物であることを特徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物である。すなわち、請求項1の手段において、さらに分子量400以下の多価アルコールを含有するものであり、作業性がより向上する。
【0015】
上記において、多価アルコールとは、−CH2−CH2O−を繰り返し単位とするエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、−CH2−CH(CH3)O−を繰り返し単位とするプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールなどのアルキレングリコール、及び、グリセリンである。そして本手段の効果は低分子量の多価アルコールに限られ、その分子量の上限は400である。400を超えた場合は内部硬化性が低下し、総合的シール作業性の改良効果も乏しく、実用的性能は得られない。この内、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが本来の硬化物性を維持しながら内部硬化性、構造粘性の付与、総合的シール作業性の改良効果を与えるため好ましい。
【0016】
本発明のシーリング材は、このシーリング材ベースの製造時又は製造後に上記の水分含有型プラスチックバルーンや多価アルコールを配合したものである。本発明のシーリング材は、密閉容器に貯蔵し、使用時にスズ系触媒及びアミン化合物、また必要に応じてアルミニウムシリケートやケイ酸カルシウムを配合した公知の硬化剤を混合して用いる。
【0017】
請求項3の発明では、分子量400以下の多価アルコールはモノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンから選択した多価アルコールを1種以上配合することを特徴とする請求項2の手段における長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物である。
【0018】
請求項4の発明は、アルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基であって、主鎖構造がポリイソブチレンであるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段における長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物である。
【0019】
すなわち、このシーリング材組成物が、優れた貯安性と総合的シール作業性、特にヘラ切れ性と保形性に著しい向上を示す。さらに、内部硬化性と硬化物性にも悪影響を与えない好ましい組成物である。
【0020】
請求項5の発明は、上記シーリング材において、上記シリコーン系ポリマー100重量部に対し、上記水分含有型プラスチックバルーンの中空構造を有する充填材0.5〜50重量部、及び、多価アルコール0.1〜50重量部を配合することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項の手段における長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物である。この範囲の配合を行ったとき、本発明の効果は優れる。
【0021】
すなわち、水分含有型プラスチックバルーンの中空構造を有する充填材が0.5重量部以下の場合は、ヘラ切れ性が不足しがちとなり、50重量部以上の場合はシーリング材のきめの細かさなどの均質性が不足しがちとなる。特に好ましくは1〜30重量部が本発明の効果が最も発揮される。また、多価アルコールが0.1重量部以下の場合は、構造粘性に導く粘性改良効果が少ないため総合的シール物性の改良効果が不足しがちとなり、50重量部以上の場合は、硬化後の耐候性、耐湿性、耐久性が不足しがちとなる。このうち、特に好ましくは0.5〜30重量部が本発明の効果が最も発揮される。
【0022】
請求項6の発明は、水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材の粒子径が5〜500μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項の手段における長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物である。
【0023】
すなわち、水分含有型プラスチックバルーンは、ヘラ切れ性から有効な粒子径は、5〜500μmであり、特に好ましくは20〜200μmが本発明の効果が最も発揮される。そして、例えば市販の商品のエクスパンセルの場合では、上記のとおり粒径は20〜80μmであるので、小径すぎてヘラ切れ性が不足するようなことはなく、また、大きすぎてシーリング材のきめの細かさなどの均質性が不足しがちとなることもない。
【0024】
本発明は含水状態にあるプラスチックバルーンを配合することを特徴とするが、通常のプラスチックバルーンと水を個別に配合し、シーリング系内にて水分をプラスチックバルーンに吸着せしめて含水状態にある発泡バルーンにしてもかまわない。この場合、水を配合するに際しグリセリン等の多価アルコールを配合させることはプラスチックバルーンに対し水分の吸着を促進させるため好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明のシリル化ポリアルキレン系シーリング材の実施の形態を説明する。シリル化ポリアルキレン系ポリマーは、アルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基であって主鎖構造がポリイソブチレンであり、数平均分子量が5000〜20000(以下、このポリマーを「PIBポリマー」という。)が市販されているのでこれを用いて説明する。この市販品は、取り扱いやすい液状にするため、プロセスオイルと呼ばれるパラフィン系可塑剤を希釈剤として10〜40重量%含有している。このポリマーを窒素気流装置、攪拌機、減圧脱水装置及び加熱装置を備えたシーラント製造装置に仕込む。この装置はウレタンシーリング材又は変成シリコーンシーリング材を製造する装置でよい。この装置にプロセスオイルで希釈したPIBポリマーを仕込み、攪拌しながら炭酸カルシウムなどの無機充填材、必要に応じて可塑剤、揺変剤、老化防止剤などを順次仕込み、均質混合を行う。この中で本発明の多価アルコールの混合時期は特に定めがない。
【0026】
本発明の水分含有型プラスチックバルーンの中空構造の充填材の混合時期も特に定めはないが、シーリング材の製造装置で過度のせん断力が負荷されるような装置では、バルーンが破壊されるため、初期に配合するより均質混合できる範囲で後工程で配合した方がよい。かくして混合加工後、密閉な金属缶に取り出す。
【0027】
本発明のシーリング材を使用する方法は、上記のようにして製造したシーリング材を主剤として、シーラント工事等の施工前に市販の混合装置を用いて硬化剤を配合すればよい。この硬化剤は、スズ触媒などの金属系化合物、アミン化合物など、公知のものを適宜選択すればよい。また、必要に応じて着色カラーペーストなどの着色剤を適宜配合することもできる。混合後は、定められた可使時間内に通常業界で実施されている方法でシーラント工事する。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
市販のシール混合機である加熱、攪拌、減圧、窒素気流装置を備えた5Lプラネタリーミキサー(商品名プラネタリーミキサーPLM5:井上製作所製)に、数平均分子量(以下Mnと表記)20000の分子末端がメチルジメトキシシリル基で主鎖がポリイソブチレンであるシリコーン系ポリマー100重量部を含むパラフィン系可塑剤溶液(商品名エピオン:鐘淵化学工業社製)150重量部、可塑剤としてパラフィン系プロセスオイル(商品名ダイアナプロセスオイルPS−32:出光興産社製)50重量部、コロイド炭酸カルシウム(商品名MC−K:丸尾カルシウム社製)150重量部、エチレングリコール10重量部、粒子径35〜55μmの水分含有型プラスチックバルーン(商品名エクスバンセル091WE:日本フィライト社販売)10重量部を加え、粗練り工程として50Torrの減圧下で室温にて攪拌を30分間行った。その後、パラフィン系プロセスオイル(商品名ダイアナプロセスオイルPS−32:出光興産社製)20重量部を加え、50Torrの条件で攪拌を60分間行ない、2成分形シーリング材の基剤を作製した。
【0029】
(実施例2)
実施例1の製造工程において、エチレングリコールは配合せず、それ以外は実施例1と同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
【0030】
(比較例1)
実施例1の製造工程において、エチレングリコールは配合せず、また水分含有型プラスチックバルーンに替えてガラスバルーンを配合し、それ以外は実施例1と同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
【0031】
(比較例2)
実施例1の製造工程において、水分含有型プラスチックバルーン及びエチレングリコールは配合せず、それ以外は実施例1と同じ方法で2成分形シーリング材の基剤を得た。
【0032】
このようにして得られた2成分形シーリング材の基剤について硬化性、粘性、貯安性、総合的シール作業性、シール物性を下記の方法にて評価した。
【0033】
シーラント作業に用いる硬化性を備えたシーリング材(以下、「硬化性試料」という)は、実施例及び比較例の基剤100重量部に対して、硬化剤(硬化剤はスズ触媒、アミン化合物、及び、アルミニウムシリケート、プロセスオイルの混合物で構成したペースト状のもの)を10重量部配合した。それぞれの硬化性試料を深さ15mm、直径50mmの円柱型の容器に充填する。充填したものを標準条件(22±1℃、55±5%RH)に調整された屋内に放置し、24時間後と48時間後にJIS K6031のスプリング式硬さ試験機A形を押しあてて、測定値が1以上を示したときゴム弾性発現とみなした。
【0034】
粘性は、上記の硬化性試料にて、BS型回転粘度計(商品名ビスコメーターBS:トキメック社製)の回転数10r/minにおける粘度および2r/minにおける粘度(23℃)を測定し、(2r/minにおける粘度)/(10r/minにおける粘度)の値を小数点下一桁のところまで計算した。この値は通常その数値が大きい方が一般的に保形性などの総合的シール作業性が良いことを示しているが、絶対的な指標とはならないため、総合的シール作業性の項目でも作業性を確認した。
【0035】
貯安性は、硬化剤を配合しないそれぞれの基剤を深さ100mm、直径150mmの円柱形ふた付き金属容器中に上記基剤を500g入れ、50℃のオーブン(商品名パーフェクトオーブン:田葉井製作所社製)に放置し、3日後、30日後に各基剤を50℃のオーブンから取出した後、23℃に24時間放置した。その後、上記粘度計にて各基剤の回転数2r/minの粘度を測定した。
【0036】
総合的シール作業性は、粘性に示した値だけでは、シール作業性の絶対的な指標にはならないので、それぞれの硬化性試料での実際の作業性を評価した。評価は、金属製のヘラで基剤300gと硬化剤30gとを3分間混合することで行った。すなわち、混合性は、上記のヘラでの混合初期に大きな抵抗感を示すかどうかを評価し、ヘラ切れ性は、硬化性試料を上記のヘラですくい取った時の糸引き性(糸が引かない方がよい)を評価し、保形性は上記のヘラ上での硬化性試料の形状保持性を評価した。評価は、◎、○、△、×の4段階とした。◎は極めて良好、○は良好、△は実用上の下限だが、実用範囲にあり、×は実用上使用困難であることを示す。また、スランプ性はJIS A1439に準拠して行った。すなわち、長さ150mm、両端が開き、底面の一方が50mm長く、幅10mm、深さ10mmに金属製溝形容器に試料を溝形容器の内側に充填する。試料の表面は溝形容器の上面及び両端と同一になるように平滑にならす。その試験体を長さ方向に鉛直に懸垂して(容器の底面の長い方を下にして)、50℃の上記と同様のオーブンに24時間置き、充填した試料が溝部分の下端から垂れ下がった先端までの距離を測定した。
【0037】
【表1】
Figure 0004671461
【0038】
シール物性はJIS A1439(引張接着性試験)に準拠して行った。すなわち、試験体は、2枚の被着体(アルミニウム製、50×50×3mm、試料との接着面にはコニシ社製プライマーを使用)と2枚の試験体作製用スペーサー(50×19×12mm、試料が接着しないもの)を組み合わせて作った50×12×12mmのスペースに硬化性試料を充填し、23℃×7日+50℃×7日間養生させたものを使用した。この試験体を引張試験機(商品名オートグラフAGS500G:島津製作所社製)にて引張速度50mm/minで引張試験を行った。
【0039】
表1において、M50は目地幅が初期の目地幅の150%の時の引張応力、Tmaxは硬化物の最大引張応力を示し、Emaxは初期の目地幅に対する最大荷重時の目地幅の伸び率を、また破壊状態は試験後の状態を目視にて確認した。破壊状態の凝集破壊は、硬化物の破断を示す。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のシーリング材は、分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に水分含有型プラスチックバルーンの中空構造を有する充填材を配合し、或いは、この充填材に加えて分子量400以下の多価アルコール、特にモノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコールを1種以上を配合してなるシーリング材組成物であり、ガラスバルーンなどの中空構造を有する無機充填材を配合したPIB系シーリング材に比して優るとも劣ることのない、構造粘性および内部硬化性に優れ、さらに貯安性に優れると共に、ヘラ切れ性、保形性、混合性、スランプ性などの総合的シール作業性、特にヘラ切れ性において優れた効果を奏するものである。

Claims (6)

  1. 分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材を配合して形成の基剤と使用時に該基剤に配合する硬化剤とからなる常温硬化型の2成分形のシーリング材組成物であることを特徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物。
  2. 分子末端にアルコキシシリル基を有し主鎖構造がアルキレン構造であるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材に分子量400以下の多価アルコール、及び、水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材を配合して形成の基剤と使用時に該基剤に配合する硬化剤とからなる常温硬化型の2成分形のシーリング材組成物であることを特徴とする長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物。
  3. 分子量400以下の多価アルコールはモノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンから選択した多価アルコールを1種以上配合することを特徴とする請求項2に記載の長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物。
  4. 分子末端に有するアルコキシシリル基がメチルジメトキシシリル基であって、アルキレン構造の主鎖構造がポリイソブチレンであるシリコーン系ポリマーを主成分とするシーリング材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物。
  5. シリコーン系ポリマー100重量部に対し、水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材0.5〜50重量部、及び、上記多価アルコール0.1〜50重量部を配合することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物。
  6. 水分含有型プラスチックバルーンからなる中空構造を有する充填材の粒子径が5〜500μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の長期粘度安定性に優れ、シーリング作業時の作業適性、特にヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物。
JP2000015000A 2000-01-24 2000-01-24 長期粘度安定性、作業適性及びヘラ切れ性に優れたシーリング材組成物 Expired - Fee Related JP4671461B2 (ja)

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