JP4667275B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用中の燃料のセタン価を推定するための内燃機関の制御装置に関する。
従来のこの種の制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この制御装置では、内燃機関のアイドル運転中、燃焼室に噴射された燃料の実際の着火時期を、実着火時期として検出する。また、内燃機関において燃焼が良好に行われているときに得られるべき着火時期を、標準着火時期として設定する。そして、実着火時期と標準着火時期との差に基づいて、使用中の燃料の性状を判定する。
このように、この従来の制御装置では、アイドル運転中に求めた実着火時期と標準着火時期との差、すなわち、標準着火時期に対する燃料の着火遅れに基づいて、使用中の燃料の性状を判定する。しかし、アイドル運転中には、通常、内燃機関の回転数が所定の目標アイドル回転数になるように供給燃料量を制御するアイドル制御が行われる。このため、例えばエアコンの負荷などに応じて内燃機関の回転数が変化すると、それに応じて供給燃料量が増減される結果、内燃機関の燃焼状態が変化してしまう。その結果、燃料性状が同じであっても、実際の着火時期が変動するため、実着火時期と標準着火時期との差に基づく判定手法では、燃料性状を精度良く判定できない。また、アイドル運転中であることを条件として、燃料性状の判定を実行するので、例えば、内燃機関を搭載した車両が長時間、継続して走行するような場合には、その間、燃料性状を判定することができない。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、アイドル運転以外の運転状態においても、使用中の燃料のセタン価を精度良く推定することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
特開平2005−171818号公報
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、複数の気筒(実施形態における(以下、本項において同じ)気筒#1〜#4)を有する内燃機関3を制御する内燃機関の制御装置1であって、内燃機関3の要求トルクPMCMDを算出する要求トルク算出手段(クランク角センサ12、アクセル開度センサ17、ECU2、ステップ1)と、算出された要求トルクPMCMDの変化量ΔPMCMDが所定の範囲(しきい値ΔPMCMD)内にあるときに、複数の気筒#1〜#4の少なくとも1つ(気筒#1)において、供給される燃料量(メイン噴射量QINJM#1)を一定量(QBASE#1+CQPCCI−CQD)に保持した状態で、燃料のセタン価の推定用の燃焼を行わせるとともに、他の気筒(気筒#2〜#4)において、パイロット噴射およびメイン噴射による通常燃焼を行わせる燃焼制御手段(インジェクタ4、ECU2、ステップ17、19、23)と、少なくとも1つの気筒#1における燃料の着火時期を、実着火時期CAFMとして検出する実着火時期検出手段(筒内圧センサ11、クランク角センサ12、ECU2、ステップ33、43)と、内燃機関3の運転状態を検出する運転状態検出手段(クランク角センサ12、アクセル開度センサ17、ECU2)と、検出された内燃機関3の運転状態(エンジン回転数NE、要求トルクPMCMD)に応じて、基準着火時期CAFMMを設定する基準着火時期設定手段(ECU2、ステップ32)と、実着火時期CAFMと基準着火時期CAFMMとの比較結果に基づき、燃料のセタン価CETを推定するセタン価推定手段(ECU2、ステップ34、35)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、算出した内燃機関の要求トルクの変化量が所定の範囲内にあるときに、燃焼制御手段により、複数の気筒の少なくとも1つにおいて、供給される燃料量を一定量に保持した状態で、燃料のセタン価の推定用の燃焼を行わせるとともに、他の気筒において、パイロット噴射およびメイン噴射による通常燃焼を行わせる。その状態で、少なくとも1つの気筒における燃料の実着火時期が検出される。そして、検出された実着火時期と、内燃機関の運転状態に応じて設定された基準着火時期との比較結果に基づき、セタン価推定手段によって、燃料のセタン価が推定される。
以上のように、本発明では、複数の気筒のうちの少なくとも1つの気筒への供給燃料量を一定量に保持した状態で、その気筒における実着火時期を検出し、セタン価を推定するとともに、他の気筒では通常燃焼を行う。したがって、セタン価の推定中、その気筒における燃焼状態が安定し、実着火時期も安定するので、セタン価に応じた着火遅れを良好に表す実着火時期を適正に検出でき、基準着火時期との差に基づくセタン価の推定を精度良く行うことができる。また、要求トルクの変化量が所定の範囲内にあるときにのみ、セタン価の推定を実行するので、アイドル運転以外の運転状態、例えば内燃機関を搭載した車両の走行中においても、要求トルクの変動が大きい場合の誤った推定を排除しながら、セタン価を精度良く推定でき、それにより、セタン価推定の実行頻度を高めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関の制御装置1において、少なくとも1つの気筒#1における出力の変化を補償するために、他の気筒#2〜#4に供給される燃料量(メイン噴射量QINJM#2〜#4)を補正する供給燃料量補正手段(ECU2、ステップ22、23)をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、セタン価の推定中、少なくとも1つの気筒への供給燃料量を一定量に保持したことに伴い、その気筒において所要の出力が得られない場合、その過不足分を補償するように、他の気筒への供給燃料量が補正される。これにより、内燃機関全体として所要の出力が確保されるので、セタン価推定の開始時におけるトルク段差の発生を防止できるとともに、ドライバビリティを良好に維持することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は、本実施形態による内燃機関の制御装置1を、これを適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3とともに示している。エンジン3は、1番〜4番の気筒#1〜#4を有する直列4気筒型のディーゼルエンジンであり、車両(図示せず)に搭載されている。
また、エンジン3には、燃料噴射弁(以下「インジェクタ」という)4(供給燃料量保持手段)が、気筒#1〜#4ごとに設けられている。インジェクタ4の燃料噴射量および燃料噴射時期は、ECU2からの駆動パルス信号SINJによって、気筒#1〜#4ごとに制御される。
エンジン3には、EGR管7aおよびEGR制御弁7bを有するEGR装置7が設けられている。EGR管7aは、エンジン3の吸気管5および排気管6に、これらをつなぐように接続されており、EGR管7aを介して、エンジン3の排ガスの一部が吸気管5にEGRガスとして還流し、気筒#1〜#4に供給される。
EGR制御弁7bは、EGR管7aに設けられたバタフライ弁とこれを開閉駆動するDCモータ(いずれも図示せず)で構成されている。DCモータに供給される電流をECU2で制御し、バタフライ弁の開度をリニアに制御することによって、EGRガス量が制御される。
また、エンジン3の1番気筒#1には、筒内圧センサ11(実着火時期検出手段)が設けられている。筒内圧センサ11は、圧電素子で構成された、グロープラグ(図示せず)と一体型のものであり、気筒#1内の圧力の変化量(以下「筒内圧変化量」という)DPを表す検出信号をECU2に出力する。
エンジン3のクランクシャフトには、マグネットロータとMREピックアップ(いずれも図示せず)で構成されたクランク角センサ12(要求トルク算出手段、実着火時期検出手段、運転状態検出手段)が設けられている。クランク角センサ12は、クランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。
CRK信号は、所定のクランク角(例えば1゜)ごとに出力される。ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを求める。TDC信号は、ピストン(図示せず)が吸気行程開始時のTDC(上死点)付近の所定のクランク角度位置にあることを表す信号である。また、エンジン3には、気筒判別センサ(図示せず)が設けられており、この気筒判別センサは、気筒#1〜#4を判別するためのパルス信号を気筒判別信号としてECU2に出力する。
さらに、エンジン3の本体には、水温センサ13が取り付けられている。水温センサ13は、エンジン3のシリンダブロック(図示せず)内を循環する冷却水の温度(以下「エンジン水温」という)TWを検出し、その検出信号をECU2に出力する。
吸気管5および排気管6には、エアフローセンサ14および排気温センサ15が、それぞれ設けられている。前者14は吸入空気量QAを、後者15は排気温TEをそれぞれ検出し、それらの検出信号をECU2に出力する。
また、ECU2には、油温センサ16、アクセル開度センサ17(要求トルク算出手段、運転状態検出手段)および車速センサ18から、エンジン3の潤滑油の温度(以下「油温」という)TOIL、アクセルペダル(図示せず)の操作量(以下「アクセル開度」という)AP、および車速VPを表す検出信号が、それぞれ出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよびROMなどからなるマイクロコンピュータで構成されている。ECU2は、前述した各種のセンサ11〜18からの検出信号に応じ、ROMに記憶された制御プログラムなどに従って、燃料噴射制御を含むエンジン制御を実行するとともに、使用中の燃料のセタン価を推定する。なお、本実施形態では、ECU2は、要求トルク算出手段、燃焼制御手段、実着火時期検出手段、運転状態検出手段、基準着火時期設定手段、セタン価推定手段、および供給燃料量補正手段に相当する。
図2は、セタン価推定の実行条件が成立しているか否かを判定する処理を示している。本処理は、TDC信号の発生に同期して実行される。まず、ステップ1(「S1」と図示。以下同じ)では、エンジン3の要求トルクPMCMDを算出する。要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって算出される。また、要求トルクPMCMDの今回値と前回値との差を、要求トルク変化量ΔPMCMDとして算出する(ステップ2)。
次いで、算出した要求トルク変化量ΔPMCMDの絶対値が、所定のしきい値PMREF以下であるか否かを判別する(ステップ3)。この答がNOのときには、要求トルクPMCMDが安定していないため、セタン価推定の実行条件が成立していないとして、通常の燃料噴射制御を実行する(ステップ4)とともに、実行条件成立フラグF_CEOKを「0」にセットし(ステップ5)、本処理を終了する。
上記の通常の燃料噴射制御では、気筒#1〜#4のそれぞれにおいて、吸気行程中から圧縮行程中の任意の期間に燃料を噴射するパイロット噴射と、圧縮行程中に燃料を噴射するメイン噴射の双方を行うことにより、通常燃焼が行われる。気筒#1〜#4のパイロット噴射用の燃料噴射量(以下「パイロット噴射量」という)QINJP#1〜#4、およびメイン噴射用の燃料噴射量(以下「メイン噴射量」という)QINJM#1〜#4は、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じて設定される。また、パイロット噴射用の燃料噴射時期(以下「パイロット噴射時期」という)TINJP#1〜#4、およびメイン噴射用の燃料噴射時期(以下「メイン噴射時期」という)TINJM#1〜#4は、それぞれ、対応するパイロット噴射量QINJP#1〜#4およびメイン噴射量QINJM#1〜#4などに応じて設定される。
一方、前記ステップ3の答がYESで、要求トルク変化量ΔPMCMDがΔPMREFで規定される所定の範囲内にあるときには、要求トルクPMCMDが安定しているとして、エンジン3の他の運転条件が成立しているか否かを判別する(ステップ6)。この運転条件としては、例えば、排気温TEが所定温度TEREF(例えば90℃)以上であり、かつエンジン水温TWまたは油温TOILが、エンジン3の暖機状態を表す所定温度TUP(例えば80℃)以上であることが設定されている。
このステップ6の答がNOのときには、セタン価推定の実行条件が成立していないとして、前記ステップ4および5を実行する一方、YESのときには、実行条件が成立しているとして、セタン価推定用の燃料噴射制御を実行する(ステップ7)とともに、実行条件成立フラグF_CEOKを「1」にセットし(ステップ8)、本処理を終了する。
図3は、このセタン価推定用の燃料噴射制御の処理内容を示すサブルーチンである。この処理では、筒内圧センサ11を設けた気筒#1において、実着火時期CAFMを検出するために予混合燃焼を行うとともに、他の気筒#2〜#4では、パイロット噴射およびメイン噴射による通常燃焼が行われる。予混合燃焼とは、メイン噴射のみを行い、その噴射時期を通常燃焼の場合よりも早めることによって、燃料の噴射後、遅れ時間が経過したときに燃料が燃焼するような燃焼を意味する。予混合燃焼を行うと、通常燃焼の場合よりも、燃料のセタン価の違いによる着火時期の差が大きくなるので、着火遅れに基づくセタン価の推定を精度良く行うことができる。なお、このセタン価推定用の燃料噴射制御の実行中、EGRガス量は値0に制御される。
まずステップ11では、気筒判別信号で表される気筒番号#nが「1」であるか否かを判別する。この答がYESで、今回、噴射を行う気筒が気筒#1のときには、ステップ12以降において、気筒#1で予混合燃焼を行うための燃料噴射量および燃料噴射時期の設定を行う。
ステップ12では、パイロット噴射量QINJP#1を値0に設定する。次いで、メイン噴射量QINJM#1の初期設定フラグF_INTが「1」であるか否かを判別する(ステップ13)。この答がNOで、メイン噴射量QINJM#1の初期設定がまだ行われていないときには、実行条件が成立する直前に設定された前回のメイン噴射量QINJ#1Zを、基本値QBASE#1として設定する(ステップ14)。
次に、燃焼補正項CQPCCIを算出する(ステップ15)。この燃焼補正項CQPCCIは、予混合燃焼の燃焼効率が通常燃焼のそれよりも低いという両燃焼間の燃焼効率の差異を補償するためのものであり、後述するように基本値QBASE#1に加算することによって、予混合燃焼を行うことによる気筒#1でのトルク不足を回避することができる。燃焼補正項CQPCCIは、例えば、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって算出される。
次いで、減算補正項CQDを算出する(ステップ16)。この減算補正項CQDは、主として、予混合燃焼を行ったときに生じやすい騒音・振動を抑制するために、基本値QBASE#1に減算項として適用されるものである。減算補正項CQDは、例えば、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって算出される。
次に、上述のようにして算出した基本値QBASE#1、燃焼補正項CQPCCIおよび減算補正項CQDを用い、次式(1)によって、気筒#1のメイン噴射量QINJM#1を設定する(ステップ17)。また、メイン噴射量QINJM#1の初期設定が終了したことを表すために、初期設定フラグF_INTを「1」にセットする(ステップ18)。
QINJM#1=QBASE#1+CQPCCI−CQD ・・・(1)
このステップ18を実行した後には、前記ステップ13の答がYESになり、その場合には、ステップ19に進み、メイン噴射量QINJM#1をその前回値QINJM#1Zに保持する。前記ステップ18または19に続くステップ20では、気筒#1のメイン噴射時期TINJM#1を算出し、本処理を終了する。このメイン噴射時期TINJM#1は、例えばエンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって、通常燃焼の場合よりも進角側に設定される。
以上のように、セタン価推定用の燃料噴射制御中には、気筒#1においてのみ予混合燃焼を行うとともに、気筒#1のメイン噴射量QINJM#1は、前記式(1)によって算出された保持値に保持される。
一方、前記ステップ11の答がNOで、今回、噴射を行う気筒が気筒#2〜#4のいずれかであるときには、ステップ21以降において、これらの気筒#n(#2〜#4)で通常燃焼を行うための燃料噴射量および燃料噴射時期の設定を行う。
まず、ステップ21では、今回該当する気筒#nのパイロット噴射量QINJP#nを算出する。次に、メイン噴射量の基本値QBASE#nを、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって算出する(ステップ22)。次に、この基本値QBASE#nを用い、次式(2)によって、メイン噴射量QINJM#nを算出する(ステップ23)。
QINJM#n=QBASE#n+(CQD/3)×KCCPI・・・(2)
ここで、右辺第2項のQCD/3は、減算補正項CQDによる気筒#1のメイン噴射量QINJM#1の減少分を、気筒#2〜#4に振り分けたものである。また、KCCPIは、予混合燃焼との燃焼効率の差異を補償するための燃焼補正係数であり、1.0よりも小さな所定値(例えば0.9)に設定されている。この補正により、減算補正項CQDを適用したことによる気筒#1での出力トルクの不足を、他の気筒#2〜#4によって適切に補うことができる。
次に、パイロット噴射時期TINJP#nおよびメイン噴射時期TINJM#nを、例えばエンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、マップ(図示せず)を検索することによって、それぞれ算出し(ステップ24、25)、本処理を終了する。
次に、図4を参照しながら、セタン価の推定処理について説明する。本処理は、CRK信号の発生に同期して実行される。まず、ステップ31では、実行条件成立フラグF_CEOKが「1」であるか否かを判別する。この答がNOで、実行条件が成立していないときには、セタン価SETを推定することなく、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップ31の答がYESで、実行条件が成立しているときには、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、図5に示すCAFMMマップを検索することによって、基準着火時期CAFMMを算出する(ステップ32)。
このCAFMMマップは、所定のセタン価(例えば57)の燃料を予混合燃焼で燃焼させたときに得られる着火時期を、エンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じ、基準着火時期CAFMMとして設定したものである。
次いで、気筒#1における実着火時期CAFMを検出する(ステップ33)。図6は、この実着火時期CAFMの検出処理を示している。まず、ステップ41では、筒内圧センサ11から出力される筒内圧変化量DPを、バンドパスフィルタ(図示せず)によってフィルタリングする。このバンドパスフィルタは、筒内圧センサ11の出力のうちの所定の周波数域の成分を通過させ、出力中のノイズ成分を除去する。
次いで、フィルタリングした筒内圧変化量DPに対して、位相遅れ補正を行う(ステップ42)。これにより、フィルタリングによって生じる筒内圧変化量DPの位相遅れが補正される。次に、位相遅れ補正を行った筒内圧変化量DPに基づいて、実着火時期CAFMを検出し(ステップ43)、本処理を終了する。
この実着火時期CAFMの検出は、例えば図7に示すようにして行われる。すなわち、クランク角度位置CAIMでインジェクタ4への駆動パルス信号SINJが出力された後、筒内圧変化量DPが所定のしきい値DPPを超えたときのクランク角度位置を、実着火時期CAFMとして検出する。なお、実着火時期CAFMの検出は、駆動パルス信号SINJの出力後、所定の角度範囲RDET(例えば10度)内において行われる。これにより、ECU2の演算負荷を増大させることなく、実着火時期CAFMを適切に検出することができる。
図4に戻り、前記ステップ33に続くステップ34では、上述したようにして求めた基準着火時期CAFMMと実着火時期CAFMとの差を、着火遅れ角DCAとして算出する。
次いで、算出した着火遅れ角DCAに応じてセタン価CETを算出し(ステップ35)、本処理を終了する。具体的には、着火遅れ角DCAを、そのときのエンジン回転数NEを用いて着火遅れ時間TDFMに換算し、次いで、着火遅れ時間TDFMに応じ、図8に示すCETTテーブルを検索することによって、セタン価の暫定値CETTを算出する。このCETTテーブルでは、暫定値CETTは、着火遅れ時間TDFMが大きいほど、より小さな値に設定されている。次に、算出した暫定値CETTとセタン価の前回値CETZを加重平均することによって、今回のセタン価CETを算出する。以上のようにして推定したセタン価CETは、パイロットおよびメイン噴射量QINJP、QINJMや、パイロットおよびメイン噴射時期TINJP、TINJMの制御などに用いられる。
図9は、これまでに述べた制御処理によって得られる動作例を示している。この例では、タイミングt1以前においては、要求トルク変化量ΔPMCMDが大きく、しきい値ΔPMREFで規定される所定の範囲から外れた状態になっている(図2のステップ3:NO)。このため、実行条件成立フラグF_CEOKが「0」にセットされ、セタン価CETの推定は行われないとともに、通常の燃料噴射制御が実行されることにより、メイン噴射量QINJM#1〜#4が要求トルクPMCMDなどに応じた値に設定され、気筒#1〜#4において通常燃焼が行われる。
この状態から、要求トルク変化量ΔPMCMDが減少し、所定の範囲に入ると(ステップ3:YES)、他の運転条件が満たされていること(ステップ6:YES)を条件として、実行条件成立フラグF_CEOKが「1」にセットされ、セタン価推定用の燃料噴射制御が開始される(タイミングt1)。これにより、メイン噴射量QINJM#1を式(1)で算出された保持値に保持した状態で(ステップ17、19)、気筒#1において予混合燃焼が行われるとともに、他の気筒#2〜#4では、式(2)で算出されたメイン噴射量QINJM#2〜#4に用いて、通常燃焼が行われる。そして、その状態で、気筒#1における実着火時期CAFMを検出し、検出された実着火時期CAFMと基準着火時期CAFMMとの差に基づき、前述したようにしてセタン価CETが推定される。
その後、要求トルク変化量ΔPMCMDが増加し、所定の範囲を外れると(タイミングt2)、セタン価CETの推定が禁止され、通常の燃料噴射制御に復帰するとともに、要求トルク変化量ΔPMCMDが所定の範囲に入ると(タイミングt3)、セタン価推定用の燃料噴射制御が再開され、所定の範囲から外れるまで(タイミングt4)、セタン価CETの推定が行われる。
以上のように、本実施形態によれば、気筒#1において予混合燃焼を行うとともに、そのメイン噴射量QINJM#1を式(1)で算出された保持値に保持した状態で、気筒#1における実着火時期CAFMを検出し、セタン価CETを推定する。したがって、セタン価CETの推定中、気筒#1における燃焼状態が安定し、実着火時期CAFMも安定するので、セタン価CETに応じた着火遅れを良好に表す実着火時期CAFMを適正に検出でき、基準着火時期CEFMMとの差に基づくセタン価CETの推定を精度良く行うことができる。
また、エンジン3の要求トルク変化量ΔPMCMDがしきい値ΔPMREFで規定される所定の範囲内にあるときのみ、セタン価CETの推定を実行するので、アイドル運転以外の、例えば車両の走行中においても、要求トルクの変動が大きい場合の誤った推定を排除しながら、セタン価CETを精度良く推定でき、それにより、セタン価推定の実行頻度を高めることができる。
さらに、セタン価CETの推定中に保持されるメイン噴射量QINJM#1を設定する際、その基本値QBASE#1を、セタン価推定の実行条件が成立する直前のメイン噴射量QINJM#1Zに設定するとともに、燃焼補正項CQPCCIで補正するので、セタン価推定中のメイン噴射量QINJM#1を、エンジン3の運転状態および通常燃焼との燃焼効率の差異に応じて適切に設定することができる。また、減算補正項CQDによってメイン噴射量QINJM#1を低減するので、予混合燃焼を行ったときに生じやすい騒音・振動を確実に抑制することができる。
また、セタン価CETの推定中、上記の減算補正項CQDによる気筒#1のメイン噴射量QINJM#1の減少分を、通常燃焼が行われる気筒#2〜#4に振り分けるとともに、燃焼補正係数KCCPIで補正するので、減算補正項CQDを適用したことによる気筒#1での出力トルクの不足を、気筒#2〜#4によって適切に補うことができる。その結果、エンジン3全体として所要の出力トルクが確保されるので、セタン価推定の開始時におけるトルク段差の発生を防止できるとともに、ドライバビリティを良好に維持することができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、セタン価推定の開始時および終了時において、メイン噴射量QINJM#1の保持値への設定およびその解除を、それぞれ一度に行っているが、トルクショックを低減するために、これらを徐々に行うようにしてもよい。また、実施形態では、減算補正項CQDを、予混合燃焼を行った際の騒音・振動を抑制するためのものとして説明したが、これに限らず、例えば、エンジン3が、燃焼をより少ない燃料量で行ったときにセタン価に応じた着火遅れが大きくなる傾向をもつような場合には、この傾向をさらに加味して、減算補正項CQDを設定してもよい。
さらに、実施形態では、燃焼補正係数KCCPIを所定値に設定しているが、これを、エンジン3の運転状態、例えばエンジン回転数NEおよび要求トルクPMCMDに応じて設定してもよい。また、実施形態では、要求トルクとして、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに基づいて要求トルクPMCMDを算出しているが、アクセル開度APを直接、用いてもよい。
また、実施形態では、実着火時期CEFMを検出する気筒#1において予混合燃焼を行っているが、これに代えて、通常燃焼を行ってもよい。また、セタン価CETを推定するための燃料噴射量の保持制御および実着火時期の検出を、気筒#1に限らず、筒内圧センサの配置などに応じて、他の1つの気筒または2以上の気筒について行うこともまた、本発明の趣旨の範囲内である。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
さらに、本発明は、クランク軸が鉛直方向に配置された船外機などのような船舶推進機用エンジンを含む、様々な産業用の内燃機関に適用できることはもちろんである。
本実施形態による制御装置を、これを適用した内燃機関とともに概略的に示す図である。 セタン価推定の実行条件の判定処理を示すフローチャートである。 セタン価推定用の燃料噴射制御処理を示すサブルーチンである。 セタン価CETの算出処理を示すフローチャートである。 図4の処理で用いられるCAFMMマップの一例である。 実着火時期CAFMの検出処理を示すフローチャートである。 実着火時期CAFMの検出方法を説明するための図である。 図4の処理で用いられるCETTテーブルの一例である。 実施形態の制御処理によって得られる動作例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 制御装置
2 ECU(要求トルク算出手段、燃焼制御手段、実着火時期検出手段、
運転状態検出手段、基準着火時期設定手段、セタン価推定手段、
供給燃料量補正手段)
3 エンジン
4 インジェクタ(供給燃料量保持手段)
#1〜#4 気筒
11 筒内圧センサ(実着火時期検出手段)
12 クランク角センサ(要求トルク算出手段、実着火時期検出手段、
運転状態検出手段)
17 アクセル開度センサ(要求トルク算出手段、運転状態検出手段)
QINJM#1〜#4 メイン噴射量(供給燃料量)
PMCMD 要求トルク
ΔPMCMD しきい値
QBASE#1 メイン噴射量の基本値
CQPCCI 燃焼補正項
CQD 減算補正項
CAFM 実着火時期
NE エンジン回転数
CAFMM 基準着火時期
CET セタン価
KPCCI 燃焼補正係数

Claims (2)

  1. 複数の気筒を有する内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の要求トルクを算出する要求トルク算出手段と、
    当該算出された要求トルクの変化量が所定の範囲内にあるときに、前記複数の気筒の少なくとも1つにおいて、供給される燃料量を一定量に保持した状態で、燃料のセタン価の推定用の燃焼を行わせるとともに、他の気筒において、パイロット噴射およびメイン噴射による通常燃焼を行わせる燃焼制御手段と、
    当該少なくとも1つの気筒における燃料の着火時期を、実着火時期として検出する実着火時期検出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    当該検出された内燃機関の運転状態に応じて、基準着火時期を設定する基準着火時期設定手段と、
    前記実着火時期と前記基準着火時期との比較結果に基づき、燃料のセタン価を推定するセタン価推定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記少なくとも1つの気筒における出力を補償するために、前記他の気筒に供給される燃料量を補正する供給燃料量補正手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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