JP2008267293A - 内燃機関の制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の運転性能への影響を回避しつつ、燃焼室内の構成要素に対するデポジットの付着を抑制できる技術を提供する。
【解決手段】内燃機関におけるトルクが略最大となる点火時期であるMBTより前まで点火時期を進角させることができる内燃機関の制御システムに関する。冷間時における始動停止がN1回以上連続して行われ(S101)、且つ、冷却水温が所定温度T1以下(S102)、という条件が満たされることによって、点火プラグにデポジットが付着していることを検出する。点火プラグへのデポジットの付着が検出された場合には、点火時期をMBTより前へ過進角させることにより燃焼室内の温度のピーク値を上昇させ、デポジットを酸化除去する(S103)。
【選択図】図6

Description

本発明は、火花点火式の内燃機関を制御するシステムに関し、特に、内燃機関の燃焼室内に付着したデポジットを除去するシステムに関する。
内燃機関の使用に伴って、燃料および潤滑油の不完全燃焼物と考えられる堆積物(デポジット)が燃焼室壁面及び、燃焼室内に臨んで配置される部材に付着、堆積されることが知られている。このデポジットは、内燃機関の運転性能の低下や、エミッションの悪化の原因となることが知られている。このため従来より、燃焼室内に堆積したデポジットを除去するための技術が種々開示されている。
例えば、複数の気筒を備えた内燃機関において、ノックセンサからの振動に基づいて少なくとも一つの気筒で堆積物付着を検出したときに、複数の気筒のうちの一部ずつを強制ノッキング対象として選択する技術が提案されている。この技術においては、点火時期を進角させて強制的にノッキングを発生させて堆積物の除去を図っている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記の技術においては堆積物(デポジット)の除去のためにはノッキングの発生が不可避であり、車輌のドライバビリティに悪影響を及ぼすおそれがあった。
一方、火花点火式の内燃機関において、点火時期を、MBT(Minimum spark advance for Best Torque)より前へ進角させることにより、冷却水の温度上昇を促進し、以て内
燃機関の暖機性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。上記した従来の技術は内燃機関の暖機性は考慮しているものの、燃焼室内のデポジットについては考慮されていない。
特開2006−118483号公報 特開2000−240547号公報
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の運転性能への影響を回避しつつ、燃焼室内の構成要素に対するデポジットの付着を抑制できる技術を提供することである。
本発明は、上記した課題を解決するために、内燃機関におけるトルクが略最大となる点火時期であるMBTより前まで点火時期を進角させることができる内燃機関の制御システムにおいて、内燃機関の燃焼室内の構成要素にデポジットが付着していることが検出または推定された場合に、点火時期をMBTより前へ進角させることにより燃焼室内の温度のピーク値を上昇させることを最大の特徴とする。
より詳しくは、火花点火式の内燃機関の点火時期をMBTより前へ進角させる過進角手段と、
前記内燃機関の燃焼室内の構成要素へのデポジットの付着を検出または推定するデポジット検出手段と、
前記デポジット検出手段が前記燃焼室内の構成要素へのデポジットの付着を検出または推定した場合には、前記過進角手段に前記点火時期をMBTより前へ進角させるデポジッ
ト除去手段と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、燃焼室内の構成要素には、内燃機関の使用に伴ってデポジットが付着することがあるが、このデポジットによって、燃焼室自体の容積、形状が実質的に変化してしまい運転性能が低下したり、騒音の増大、エミッションの悪化などを招来したりする場合があった。また、燃焼室内に臨んで配置される機能部品の正常な作動の障害となる場合もある。
これに対し、火花点火式の内燃機関において点火時期がMBTより前へ進角(以下、「過進角」とも称する)されると、筒内温度のピーク値を上昇させることができることが見出された。これは、点火時期が過進角された場合は、圧縮上死点前に燃焼する混合気の量が増加するため、混合気の燃焼による昇圧・昇温効果とピストンの上昇動作による昇圧・昇温効果との相乗効果が生じることに因ると考えられる。
本発明に係る内燃機関の制御システムは、この過進角の効果を利用して、燃焼室内に付着した不完全燃焼物としてのデポジットの酸化を促進して除去することとした。すなわち、デポジット検出手段によって燃焼室内の構成要素へのデポジットの付着が検出または推定された場合には、内燃機関における点火時期をMBTより前まで進角させて筒内温度のピーク値を上昇させ、デポジットを酸化除去する。
これによれば、ノッキングの発生などによって内燃機関のドライバビリティに与える悪影響を抑制しつつ、燃焼室内の構成要素に付着したデポジットを除去することができる。
また、本発明において点火時期を過進角させる際には、前記過進角手段は、前記内燃機関の点火時期をMBTより前であって、前記内燃機関の気筒内の圧力がTDC付近で最高となる点火時期まで進角させるようにしてもよい。
ここで、内燃機関の点火時期をMBTより前であって、内燃機関の気筒内の圧力がTDC付近で最高となる点火時期とした場合に、筒内温度のピーク値を略最高にできることが分かっている。従って、本発明において点火時期を過進角させる際に、内燃機関の点火時期をMBTより前であって、内燃機関の気筒内の圧力がTDC付近で最高となる点火時期まで進角させることによって、より効率よく、燃焼室内の構成要素に付着したデポジットを除去することができる。
また、本発明においては、前記燃焼室内の構成要素は、前記内燃機関の点火プラグであってもよい。
内燃機関の点火プラグにデポジットが付着した場合には、点火プラグの絶縁抵抗が低下し、所謂点火プラグのくすぶりが発生する場合がある。すなわち点火プラグにおける火花点火が正常に行われないため、失火や着火タイミングの不安定が生じる場合があった。本発明においては、このようなプラグくすぶりまたは、プラグくすぶりが生じる可能性がある場合に、点火時期を過進角することでデポジットを点火プラグから除去する。これによって、プラグくすぶりを回避または解消することが可能となる。
また、本発明においては、前記燃焼室内の構成要素は、前記内燃機関の燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式燃料噴射弁としてもよい。
内燃機関の直噴式燃料噴射弁にデポジットが付着した場合には、燃料噴射量や燃料の噴霧形状が変化するので、より直接的に内燃機関の運転性能に悪影響を及ぼすおそれがある
。従って、本発明によって直噴式燃料噴射弁のデポジットを除去することにより、より確実に、デポジットの付着による内燃機関の運転性能の低下を抑制することができる。
なお、本発明において燃焼室内の構成要素とは、気筒内壁、ピストン頂面などの燃焼室自体を構成する部分及び、燃焼室内に臨んで配置される機能部品を含んでいる。また、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
本発明によれば、内燃機関の運転性能への影響を回避しつつ、燃焼室内の構成要素に対するデポジットの付着を抑制することができる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
以下、本発明の具体的な実施形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施例における内燃機関の制御システムの概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、複数の気筒2を有する4ストロークサイクルの火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。内燃機関1の気筒2は、吸気ポート3を介して吸気通路30に接続されるとともに、排気ポート4を介して排気通路40に接続されている。
吸気通路30には、該吸気通路30内を流通する空気量を制御するスロットル弁6が設けられている。スロットル弁6より下流の吸気通路30には、該吸気通路30内の圧力(吸気圧)を測定する吸気圧センサ7が設けられている。スロットル弁6より上流の吸気通路30には、該吸気通路30を流れる空気量を測定するエアフローメータ8が設けられている。
一方、排気通路40には、排気浄化装置9が配置されている。排気浄化装置9は、三元触媒などの触媒を排気浄化触媒として具備し、所定の活性温度域にある時に排気を浄化する。
また、内燃機関1には、気筒2内に臨む吸気ポート3の開口端を開閉する吸気弁10と、気筒2内に臨む排気ポート4の開口端を開閉する排気弁11が設けられている。これら吸気弁10と排気弁11は、吸気側カムシャフト12と排気側カムシャフト13によりそれぞれ開閉駆動される。
気筒2の上部には、該気筒2内の混合気に点火する点火プラグ14が配置されている。また、気筒2内に直接燃料を噴射する直噴式の燃料噴射弁5が配置されている。さらに、気筒2内にはピストン15が摺動自在に挿入されている。ピストン15はコネクティングロッド16を介してクランクシャフト17と接続されている。
クランクシャフト17の近傍には、該クランクシャフト17の回転角度を検出するクランクポジションセンサ18が配置されている。更に、内燃機関1には、該内燃機関1を循環する冷却水の温度を測定する水温センサ19が取り付けられている。
このように構成された内燃機関1には、ECU20が併設されている。ECU20は、
CPU、ROM、RAM等を備えた電子制御ユニットである。このECU20は、前述したエアフローメータ8、吸気圧センサ7、クランクポジションセンサ18、水温センサ19等の各種センサと電気的に接続され、各種センサの測定値を入力可能になっている。
ECU20は、前記した各種センサの測定値に基づいて燃料噴射弁5、スロットル弁6、点火プラグ14等を電気的に制御する。
ここで、内燃機関1の運転によって気筒2内にカーボンなどのデポジットが付着する場合がある。このデポジットが点火プラグ14に付着した場合には、点火プラグの絶縁部分の絶縁抵抗が低下してプラグの電極間に正常に火花が生じなくなり、所謂プラグくすぶりが生じる場合があった。特に、内燃機関1の冷間始動後で完全暖機に至る前の、燃料噴射増量が行われている状態で内燃機関1を停止するというような運転を繰り返し実施した場合には、プラグくすぶりによって点火プラグ14の点火機能が低下し、内燃機関1の運転性能や始動性が悪化するおそれがあった。
そこで、本実施例においては、点火プラグ14に対するデポジットの付着を検出し、点火プラグ14にデポジットが付着していることが検出された場合には、点火プラグ14の点火時期をMBTより前まで進角させ、気筒2内の筒内温度のピーク値を高め、デポジットを酸化除去することとした。
図2は、気筒2における点火時期によって、気筒2内の種々のパラメータとクランク角との関係が変化する様子を示したグラフである。横軸は内燃機関1のクランク角、縦軸は、気筒2内の各パラメータを示す。図2においては、点火プラグ14の点火がMBTより前に進角(以下、「過進角」と称する)側で行われた場合のグラフを実線で、点火がMBTで行われた場合のグラフを破線で、点火が圧縮上死点(TDC)で行われた場合のグラフを一点鎖線で示している。
点火時期が過進角された場合は、点火時期がMBTに設定された場合及び点火時期が圧縮上死点(TDC)に設定された場合に比べ、圧縮上死点前に燃焼される混合気の量が多くなる。このため、混合気の燃焼により発生する熱エネルギのピーク(図2中の熱発生率、発生熱量、及び燃焼質量割合を参照)が圧縮上死点前へシフトする。
よって、混合気の燃焼による昇温・昇圧効果と、ピストンの上昇動作(下死点から上死点へ向かう動作)による圧縮効果との相乗効果により、圧縮行程から膨張行程までの期間における筒内圧及び筒内温度のピーク値が大幅に上昇する。なお、点火時期のMBTより前への過進角はECU20の指令によって実行されるので、本実施例において過進角手段はECU20を含んで構成される。
図3には、気筒2における点火時期とトルク及び、筒内最高温度との関係のグラフを示す。横軸は点火プラグ14の点火時期、縦軸はトルク及び筒内最高温度である。図3から分かるように、点火時期をMBTの前へ進角していくと、トルクは低下していく一方、筒内最高温度は上昇し、ST1で最高となる。
このように、点火時期をMBTより前まで進角させることにより、筒内最高温度を上昇させることができ、内燃機関1の点火プラグ14に付着したデポジットを効率的に酸化除去することができる。
なお、本実施例において点火時期を過進角させる際の目標の点火時期は、特に、図4に示す、TDCにおいて筒内圧が最高になるような点火時期とすることが望ましい。この点火時期は、図3において、筒内最高温度が最も高くなる点火時期であるST1に相当する
ことが分かっており、点火時期をこのように定めることで、最も効率よく点火プラグ14に付着したデポジットを酸化除去することができる。
但し、図3の下段のグラフに示すように、点火時期を過剰に進角させ、運転状態によって定まる失火限界点火時期(ST2)を超えてしまうと、失火の危険性が大きくなるので、点火時期が失火限界点火時期(ST2)より進角側とならないようにする必要がある。また、同様に、点火時期が、運転状態によって定まるノック限界点火時期(ST3)より進角側となると、ノッキングが発生する危険性が大きくなるので、点火時期がノック限界点火時期より進角側にならないようにする必要がある。従って、本実施例においては、ST1、ST2、ST3をそれぞれ導出し、この3つの点火時期のうち最も遅角側の点火時期をSTFとし、この点火時期STFまで、点火プラグ14の点火時期を進角させることとした。図5には、それぞれ、内燃機関1の運転状態とST1、ST2、ST3との関係のマップの基礎となるグラフの例を示す。
次に、図6には、本実施例における点火プラグデポジット除去ルーチンについてのフローチャートを示す。本ルーチンは、ECU20のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の稼動中はECU20によって、所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されると、まずS101において、内燃機関1の冷間時における始動停止が連続してN1回以上実行されたかどうかが判定される。ここで、内燃機関1の暖機が充分に行なわれ、点火プラグ14が高温に曝された場合には、点火プラグ14に付着したデポジットが自動的に酸化除去されることがある。これに対し、内燃機関1の冷間時における始動停止を繰り返した場合には、点火プラグ14が充分な高温に曝されない状態で、燃料が繰り返し付着することとなるので、デポジットが付着し堆積し易くなる。
従って、本ルーチンでは、内燃機関1の冷間時における始動停止が所定回数N1以上連続して行なわれたか否かによって、点火プラグ14に対するデポジットの付着を推定し検出することとした。ここでN1は、内燃機関1の冷間時における始動停止がこれ以上連続して行なわれると、点火プラグ14に付着したデポジットの量が増加してプラグくすぶりのおそれが生じると判断される閾値としての始動停止回数であり、予め実験などによって求められる。
S101の処理においては、内燃機関1の冷間時における始動停止が連続してN1以上実行されたと判定された場合には、点火プラグ14にデポジットが多量に付着しプラグくすぶりが生じる可能性があると判断されるので、S102に進む。一方、S101において、内燃機関1の冷間時における始動停止が連続してN1以上実行されていないと判定された場合には、デポジットの点火プラグ14への付着量はプラグくすぶりに繋がるほどではないと判断されるので、S104に進む。
次に、S102においては、冷却水温が所定温度T1以下かどうかが判定される。具体的には、水温センサ19の出力信号がECU20に読み込まれ、この水温の値と予め記憶されている所定温度T1の値が比較されることによって判定される。ここで、所定温度T1は、内燃機関1の冷却水温がこれより高い場合には、点火時期が通常どおりであっても点火プラグ14に付着したデポジットが酸化除去されると判定される閾値としての冷却水温であり、予め実験などによって求められる。
ここで、冷却水温が所定温度T1より高いと判定された場合には、例え冷間時における始動停止をN1回以上連続して繰り返していたとしても、点火プラグ14に付着したデポジットが酸化除去されたと判断できるので、S104に進む。一方、冷却水温が所定温度T1以下であると判定された場合にはS103に進む。
S103においては、内燃機関1の点火時期がMBTより前のSTFまで過進角される。これにより、内燃機関1の気筒2における筒内温度のピーク値が上昇し、点火プラグ14に付着したデポジットが酸化除去される。S103の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
S104においては、内燃機関1の点火時間が通常どおりの点火時期とされる。具体的には、MBTまたはMBTより遅角側の点火時期に設定される。S104の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、内燃機関1の冷間時において始動停止が連続してN1回以上繰り返されたかどうかという条件と、その時点における冷却水温が所定温度T1以下という条件の両方を満たすことによって、点火プラグ14へのデポジットの付着がありプラグくすぶりが生じる可能性があると推定(または検出)した。
そして、点火プラグ14にデポジットが付着しておりプラグくすぶりの可能性があると推定(または検出)された場合には、点火時期をMBTより前のSTFまで過進角する制御を行った。これにより、気筒2の筒内温度のピーク値を高くして点火プラグ14のデポジットを酸化除去することとした。また、本実施例では、過進角の目標点火時期を、筒内最高温度が最も高くなる点火時期であるST1と、失火限界点火時期ST2と、ノック限界点火時期ST3のうち、最も遅角側の点火時期であるSTFとしている。従って、本実施例によれば、失火やノッキングなどの発生を回避しつつ、点火プラグ14に付着したデポジットをより確実に除去することができる。
なお、本実施例において、S101及びS102の処理を実行するECU20は、デポジット検出手段を構成する。また、S103の処理を実行するECU20はデポジット除去手段を構成する。
次に、本発明における実施例2について説明する。本実施例においては、内燃機関の気筒内に直接燃料噴射を行う直噴式燃料噴射弁へのデポジットの付着を抑制する例について説明する。なお、本実施例における内燃機関及びその吸排気系、制御系の概略構成は図1に示したものと同等である。
ここで、図1に示したようなガソリン直噴式の内燃機関においては、燃料噴射弁5の先端の温度が150℃程度となる温度領域(以下、「デポジット付着温度域」という。)において、燃料噴射弁5にデポジットが付着し易く、例えば燃料噴射弁5の先端の温度が200℃以上となるような、より高温の温度領域では、デポジットが酸化除去されることが実験などによって分かっている。
しかし、実際の運転状態においては、燃料噴射弁5に付着したデポジットが酸化除去されるような高温の温度領域で運転される頻度は少ないため、燃料噴射弁5にもデポジットが付着、堆積する傾向がある。燃料噴射弁5にデポジットが付着した場合には、燃料噴射量が変化したり燃料の噴霧形状が変化したりすることにより内燃機関1の運転性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
従って、本実施例においては、燃料噴射弁5にデポジットが付着していることが推定または検出された場合に、点火時期をMBTより前のSTFまで過進角させ、燃料噴射弁5に付着したデポジットを酸化除去することとした。
図7は、本実施例における燃料噴射弁デポジット除去ルーチンについてのフローチャートである。本ルーチンは、ECU20のROMに記憶されたプログラムであり、内燃機関1の稼動中はECU20によって、所定期間毎に実行される。
本ルーチンが実行されるとまず、S201において、デポジット付着温度域での運転時間の積算値が所定時間t1以上かどうかが判定される。ここで、デポジット付着温度域での運転時間の積算値が所定時間t1以上であると判定された場合には、S205に進む。一方、デポジット付着温度域での運転時間の積算値が所定時間t1より短いと判定された場合にはS202に進む。
S202においては、アイドル運転における回転数の安定性が悪化しているか否かが判定される。具体的には、アイドル状態においてクランクポジションセンサ18からの出力信号をECU20に読み込み、その出力から得られる回転数の変動幅が予め定められた閾値より大きいかどうかによって判定してもよい。ここで、アイドル運転における回転数の安定性が悪化していると判定された場合にはS205に進む。アイドル運転における回転数の安定性が悪化していないと判定された場合には、S203に進む。
S203においては、各気筒2における発生トルクのバラツキが拡大しているか否かが判定される。具体的には、定常運転状態においてクランクポジションセンサ18からの出力信号をECU20に読み込み、その出力から各気筒2の燃焼行程に対応するタイミングでの回転数を取得してもよい。そして、各気筒2の燃焼行程における回転数のバラツキが予め定められた第2閾値より大きいかどうかによって判定してもよい。ここで、各気筒2における発生トルクのバラツキが拡大していると判定された場合には、S205に進む。一方、各気筒2における発生トルクのバラツキが拡大していないと判定された場合には、S204に進む。
S204においては、点火プラグ14の点火時期が通常の点火時期に設定される。具体的にはMBTまたはMBTより遅角側に設定される。S205においては、点火プラグ14の点火時期がMBTより前のSTFまで過進角される。このSTFは実施例1において説明したSTFと同等の点火時期である。これにより、燃料噴射弁5に付着したデポジットが酸化除去される。S204またはS205の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
以上、説明したように、本実施例においては、燃料噴射弁5にデポジットが付着する3つの条件が成立しているか否かをS201からS203の処理で順番に判定し、いずれか一つでも該当すれば、燃料噴射弁5にデポジットが付着している可能性が高いと判断され、S205において点火時期の過進角が実施される。一方、上記3つの条件の全てが成立しないと判定された場合には、燃料噴射弁5にデポジットは付着していないと判定され、S204において、通常の点火時期による点火が行なわれる。
これにより、燃料噴者弁5にデポジットが付着していると推定または検出される場合には、より確実にデポジットを酸化除去でき、内燃機関1の運転性能がデポジットによって低下することを抑制できる。なお、本実施例において、S201からS203までの処理を実行するECU20は、デポジット検出手段を構成する。また、S205の処理を実行するECU20はデポジット除去手段を構成する。
次に、内燃機関1における燃料噴射弁が、図8に示すような、直噴式の第1燃料噴射弁5aとポート噴射式の第2燃料噴射弁5bとを備えたツインインジェクタ式の内燃機関である場合について考える。この場合において、第1燃料噴射弁5aにデポジットが付着していると判定された際には、点火時期をMBTより前のSTFまで過進角を行うとともに
、第2燃料噴射弁5bに対する、第1燃料噴射弁5aの噴き分け比率を小さくしてもよい。
そうすれば、第1燃料噴射弁5aにおいて燃料噴射によって持ち去れる熱量が減少するので、第1燃料噴射弁5aの温度をより高温まで上昇させることができる。これにより、より確実に第1燃料噴射弁5aに付着したデポジットを酸化除去することができる。
なお、上記の実施例においては、内燃機関1の燃焼室に臨んで配置された機能部品である点火プラグ14や、燃料噴射弁5にデポジットが付着した場合について説明した。しかし、実際には、上記以外にも、内燃機関1の運転によって気筒2内の壁面やピストン15の頂面にカーボンなどのデポジットが付着する場合がある。
気筒2内の壁面やピストン15の頂面にデポジットが付着した場合には、燃焼室自体の容積、形状が変化することによって混合気の空燃比や圧縮比が目標値から変化し、内燃機関1の運転性能が劣化する場合がある。また、気筒2内に導入された燃料がデポジットに一時的に吸収され、それが時間を置いて排気通路から外部に排出されることによりエミッションが悪化することも考えられる。さらにピストン15の往復運動によってデポジット同士が衝突して騒音が大きくなることも考えられる。
本発明においては、このような場合に、運転性能の劣化やエミッション、騒音の変化から、気筒2内の壁面またはピストン15の頂面へのデポジットの付着を推定または検出して、これらのデポジットの付着が推定または検出された場合には、点火時期をMBTより前のSTFまで過進角させることによってデポジットを除去するようにしても構わない。これによれば、気筒2内の壁面またはピストン15の頂面にデポジットが付着することによる、運転性能の劣化やエミッションの悪化、騒音の増大を抑制することができる。
本発明の実施例における内燃機関及び吸排気系、制御系の概略構成を示す図である。 本発明の実施例に係る気筒における点火時期と気筒内の状態との関係を示すグラフである。 本発明の実施例に係る気筒における点火時期と内燃機関のトルク及び筒内最高温度との関係を示すグラフである。 本発明の実施例に係る気筒におけるクランク角と筒内圧の関係の、点火時期による相違を説明するためのグラフである。 本発明の実施例に係る内燃機関の運転状態とTDCにおいて筒内圧が最高になるような点火時期、失火限界の点火時期及び、ノック限界の点火時期との関係を示すマップの基準となるグラフの例である。 本発明の実施例1に係る点火プラグデポジット除去ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例2における燃料噴射弁デポジット除去ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施例における内燃機関及び吸排気系、制御系の概略構成の他の例を示す図である。
符号の説明
1・・・・・内燃機関
2・・・・・気筒
3・・・・・吸気ポート
4・・・・・排気ポート
5・・・・・燃料噴射弁
5a・・・・第1燃料噴射弁
5b・・・・第2燃料噴射弁
6・・・・・スロットル弁
7・・・・・吸気圧センサ
8・・・・・エアフローメータ
9・・・・・排気浄化装置
10・・・・吸気弁
11・・・・排気弁
12・・・・吸気側カムシャフト
13・・・・排気側カムシャフト
14・・・・点火プラグ
15・・・・ピストン
16・・・・コネクティングロッド
17・・・・クランクシャフト
18・・・・クランクポジションセンサ
19・・・・水温センサ
20・・・・ECU
30・・・・吸気通路
40・・・・排気通路

Claims (4)

  1. 火花点火式の内燃機関の点火時期をMBTより前へ進角させる過進角手段と、
    前記内燃機関の燃焼室内の構成要素へのデポジットの付着を検出または推定するデポジット検出手段と、
    前記デポジット検出手段が前記燃焼室内の構成要素へのデポジットの付着を検出または推定した場合には、前記過進角手段に前記点火時期をMBTより前へ進角させるデポジット除去手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御システム。
  2. 前記過進角手段は、前記内燃機関の点火時期をMBTより前であって、前記内燃機関の気筒内の圧力がTDC付近で最高となる点火時期まで進角させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御システム。
  3. 前記燃焼室内の構成要素は、前記内燃機関の点火プラグであることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御システム。
  4. 前記燃焼室内の構成要素は、前記内燃機関の燃焼室に直接燃料を噴射する直噴式燃料噴射弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御システム。
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