JP4663942B2 - 水に敏感な殺虫剤を含んだ水ベースの害虫用餌 - Google Patents
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Description
【０００１】
本発明の分野
本発明は、昆虫、特にゴキブリを防除するための、水に敏感な殺虫剤を当該活性成分として含む水ベースの速効性の害虫用餌に関する。
【０００２】
本発明の背景
歴史的には、ゴキブリのような這い回る昆虫を防除するための毒餌は、水ベースである。特にゴキブリには、水は、良好な餌の性能のために必要と考えられている。残念なことに、水ベースの餌製品は、急速に効果を失うが、それは水の喪失、不快なにおい、活性成分の分解、及びその他の要因による。水ベースの練り餌の研究は、水の喪失、活性成分が虫を寄せ付けない性質、及び殺虫剤への抵抗性が、餌の性能に影響する最も重要な要因であることを確認した。Appel,A.G., J. Econ Entomol. 85(4):1176〜1183(1992), Robinson,W.H., Proceedings of the National Conference on Urban Entomology 77〜91(1992), 及びRust,N.K., 「家庭の害虫を管理する」, Advances in Urban Pest Management, G.W.Bennett及びM.Owens（編集）, Van Norstrand Reinhold, N.Y. 335〜368(1986)。
【０００３】
水ベースの殺虫剤製品はの改良のための一つのアプローチは、いわゆるウォーターパウダーを当該殺虫剤とともに含む、粉又はペースト組成物を使用することである。このウォーターパウダーは水素化した大豆油でカプセル化された水である。そのような製品は、米国特許第5,820,855号に記載されている。残念なことに、粉の組成物は使用した時に、当該物質が流れるというような欠点を有する。
【０００４】
水を含まない油脂ベースの害虫餌が、米国特許第5,464,613号及び同5,464,613号に記載されている。これらの組成物はペースト状であり、その上、主要な成分として油脂ベースの担体(carrier)を含む。ペースト製品は流れないけれども、それらは適用が困難であり、さらにひび及び裂け目に、又は空隙の中にペーストを適用するのにアプリケーターを必要とする。当該ペーストで水を含まない製品の別な欠点は、特にゴキブリに対して、水ベースの製品ほど速効性でないということである。
【０００５】
アセフェート(acephate)は、特にゴキブリを殺すのに、非常に好ましい殺虫剤である。アセフェートの好ましさは、いかなる殺虫剤抵抗性も知られていないという事実に基づいており、さらに非常に低い哺乳動物への毒性しか有さないからである。しかしながら、アセフェートは水ベースの基材中では経時的に安定ではない。アセフェートは上記の水を含まず、油脂ベースの特許中に記載されているけれども、市販に入手できるいずれのゴキブリ餌中においても、活性成分として現在使用されていない。従って、向上した速効性で、水ベースの餌で、それが水に敏感な殺虫剤を利用するものに対するニーズがある。
【０００６】
本発明のまとめ
我々は、本発明において、水に敏感な殺虫剤、例えばアセフェートを、水ベースの基材中で有効に使用することができる方法を見出した。本発明は、所望により、適用する場所で調製し、さらにひび、裂け目、及び空隙に適用可能な組成物である。当該組成物は、配合した時及び適用した時に活性であり、害虫、特にゴキブリをすぐに殺す。一つの好ましい速効性の組成物はゲルの形態のものである。
【０００７】
従って、当該発明はその第一の局面において、直ぐに使用できる殺虫剤用の餌組成物を調製するための方法であって、以下のステップ：（ａ）水に敏感な殺虫剤を指定された量の水に溶解し、（ｂ）当該得られた殺虫剤溶液を、採餌刺激物(feeding stimulants)の、及び場合により含まれる一つ又はより多くのゲル化剤との混合物を含有する餌基材と併合し、（ｃ）得られた併合物を完全に混合するまで混ぜ合わせ、さらに、所望により、（ｄ）混合した併合物をして、ゲル又はペーストに形成せしめること、を含む方法である。
【０００８】
当該発明は第二の局面において、直ぐに使用できる殺虫剤用の餌組成物であって、当該餌組成物が約５０，０００〜約１，５００，０００センチポアズ（約５０Ｐａ・ｓ〜約１５００Ｐａ・ｓ）の粘度を有し、以下の：（ａ）約０．１〜５．０重量％の水に敏感な殺虫剤、（ｂ）約３〜４０重量％の水、及び（ｃ）餌基材である残りのものを含む組成物、を提供する。
【０００９】
当該発明の第三の局面は、防除したい領域に効果的な量の前記組成物を適用することによって、害虫、特にゴキブリを防除する方法である。
【００１０】
最後に、本発明の第四の面は、最終消費者が適用する場所で使用することができるキットであって、当該キットが上記の組成物の調製及び適用のための手段を含み、場合によってはゲル状で、以下の：（ａ）水に敏感な殺虫剤のペレット又は粉末をその中に有する、密閉された不浸透性の容器、及び（ｂ）採餌刺激物及び、場合によっては一つ又はより多くのゲル化剤を含む基材となる餌が入っている密閉された包み、を含むキットである。当該キットは、さらに当該直ぐに使用できる餌を分配するための手段を含む。さもなければ、当該混合する包みが当該組成物を適用するために使用されうる。
【００１１】
本発明の詳細な説明
本発明は、水ベースの殺虫剤用の餌組成物に関し、当該餌組成物は水に敏感な殺虫剤、水、及び採餌刺激物、及び場合によっては少なくとも一つ又はより多くのゲル化剤を含む餌基材を含む。当該組成物は、好ましくはゲルであり、所望により、以下に示すキットを使って、以下に詳細に記述するプロセスにより、適用する場所において調製できる。本発明の当該組成物は、害虫、特にゴキブリに対して急速に作用するという長所を有し、さらにひび、裂け目、及び空隙、又は他の昆虫の隠れ場所に容易に適用することができる。
【００１２】
殺虫剤
水に敏感な殺虫剤は、水に可溶であるが、また水で分解しうるものである。アセフェートは本発明の、速効性で、水ベースの組成物のための好ましい殺虫剤である。アセフェートは微細な結晶の粉体で、水に可溶である。アセフェートは好ましい活性成分である。なぜならいかなる殺虫剤抵抗性も知られておらず、さらに非常に低い哺乳動物への毒性しか有さないからである。アセフェートはＣ４Ｈ１０ＮＯ３ＰＳの分子式を有し、化学的にはO,S-ジメチルアセチルホスホルアミドチオエート(O,S-dimethyl acetylphosphoramidothioate)として知られている。典型的には、アセフェート及び他の水に敏感な殺虫剤は当該組成物中で約０．１重量％の最小含有量で使用することができる。好ましい範囲は、約０．１〜約５重量％の濃度である。ゲル組成物中におけるアセフェートの最も好ましい量は約１重量％である。他の水に敏感な殺虫剤には例えば、メタミドフォス(methamidophos)が含まれ、これは化学的にはO,S-ジメチルホスホルアミドチオエートとして知られ、アセフェートの脱アセチルアナログである。
【００１３】
水
水ベース組成物としては、水は本発明の不可欠な成分であり、さらに当該殺虫剤及び可溶性成分を当該餌基材中に溶解するために使用される。使用される水の量は、殺虫剤の量及び餌基材の量に従って変えることができる。さらに、当該水の量は、全組成物の３〜４０重量％で変動し得る。好ましくは、水は約２２〜３２重量％で使用される。好ましい実施態様においては、３０重量％の水が、１．０重量％のアセフェート組成物において使用される。
【００１４】
餌基材 (Bait Base)
当該餌基材は、採餌刺激物(feeding stimulants)及び誘因物(attractants)の固体混合物(solid mixture)であって、好ましくは少なくとも一つのゲル化剤を含む混合物を含む。採餌刺激物は、当該昆虫を当該餌に引きつけるために当該組成物中に含まれ、当該昆虫に当該餌を食べるように誘う。好ましい採餌刺激物は、炭水化物及びタンパク質の混合物を含む。炭水化物の例は、マルトデキストリン(maltodextrins)及びその類似物、例えば以下の；炭水化物複合体(carbohydrate complexes)、固形コーンシロップ(corn syrup solids)、スクロース、グルコース、フルクトースのような糖や、コーン、ポテト及びその他類似物のようなでんぷん、である。タンパク質の例は、イースト抽出物(yeast extracts)及び乳固形物(milk solids)、例えば全乳粉(whole milk powder)を含む。
【００１５】
当該採餌刺激物には、所望により、例えばでんぷんのような２つの機能を提供するゲル化剤が含まれ得る。これらのでんぷんは、好ましくは変性され、例えば化工トウモロコシでんぷん(modified corn starch)である。他のゲル化剤で、当該餌基材の一部として使用され得るものは、例えば、ガム、すなわち、キサンタンガム；寒天；アガロース；カラギーナン；ベントナイト；アルギン酸塩(alginates)；コラーゲン；ゼラチン；アクリルポリマー(poly acrylates);セルロース；セルロース誘導体；ポリエチレングリコール；ポリエチレンオキシド；ポリビニルアルコール；デキストラン；ポリアクリルアミド；ポリサッカライド；又はいかなる他の通常のゲル化剤又は増粘剤(viscosity enhancing agent)である。本発明に対して好ましいゲル化剤は、化工でんぷん(modified starches)である。
【００１６】
採餌刺激物及びゲル化剤に加えて、当該餌基材は追加の誘因剤(attractants)を含むこともできる。誘因剤の例は、放臭剤(odorants)及び着香剤(flavorants)、例えばシクロテン(cyclotenes)及びその同類物、コロハ(fenugreek)及びその同類物のような植物抽出物、エタノールのようなアルコール、又はエタノールと組み合わせた揮発性エステルである。当該揮発性エステルは、Ｃ１〜Ｃ６の分岐又は非分岐のアルコールとＣ１〜Ｃ３のカルボン酸とから作られる。本発明の揮発性エステル共誘因物(volatile ester co-attractants)の製造に有用な低級アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、t-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、及びそれらの混合物を含む。本発明のエステル誘因物(ester attractant)の製造に有用なカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、それらの混合物、及びその他のカルボン酸を含む。このそれぞれのカルボン酸の関連した反応性アナログが使用可能であり、例えば酸クロリド又は酸無水物である。使用するのに好ましい揮発性エステルは、低級アルコールの酢酸エステルであり、例えば酢酸n-アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸n-プロピル、酢酸エチル又はこれらの混合物である。当該成分のいくつかはカテゴリーにおいて、ゲル化剤及び採餌刺激物と重なっているかもしれないが、なぜならそれらは共に誘因物及び採餌刺激物でありうるからであり、例えば、上述した蛋白質、放臭剤及び着香剤である。
【００１７】
当該餌基材はさらに、（全餌基材の）５０重量％まで、ホウ砂（borax）又はホウ酸（boric acid）の固形混合物を一部として含んでもよく、ホウ砂又はホウ酸は、当該組成物の殺虫活性を長引かせるために使用されうる。
【００１８】
当該採餌刺激物、誘因物及び、場合によってはゲル化剤は、当該餌基材の成分であり、当該基材は当該組成物に到達するために使用された水と殺虫剤の量に依存して、当該組成物の残りの成分を含む。採餌刺激物、場合によりゲル化剤、及び他の誘因剤を含む当該餌基材は、当該組成物の残りの成分を含むけれども、この基材中のゲル化剤の量は、もし使用されるときは、全固形混合物の約０．１〜５重量％で変化しうる。ゲル化剤の好ましい量は、当該固形餌基材混合物の約１重量％である。
【００１９】
調製方法
当該害虫餌組成物は、所望により、使用する場所で調製されるように設計され、本発明の一部をなすキットを用いることができる。当該プロセスは以下に最良に記載される：
１．当該活性成分を、使用前には、工業品の形態(純度９５．０％〜１００％)でガラス又は他の不透過性の容器内に入れ、貯蔵する。水に敏感な殺虫剤は、好ましくはペレット又は粉末の形で入れ、さらに当該容器は好ましくは取り外し可能なカバーを有し、好ましくはガラス瓶である。
【００２０】
２．当該餌を、当該殺虫剤を所定量の希釈水と一緒にすることにより調製する。当該溶液を、当該殺虫剤が完全に溶解するまで撹拌する。
【００２１】
３．得られた殺虫剤溶液を、さらに餌基材と併合するが、当該基材は採餌刺激物、場合によりゲル化剤及び、所望により、他の誘因剤の固形混合物である。この混合物を完全に撹拌し、さらに、所望により、ゲルになるのに任せる。
【００２２】
当該餌基材は、好ましくは包み(packet)、例えば典型的には再シール可能なプラスチックバッグに入れる。当該殺虫剤溶液を加えたとき、当該プラスチックバッグを再シールし、当該内容物を、好ましくは当該材料を完全に練り混ぜることにより混合する。当該混合された材料は、分配する手段、例えばシリンジ又は分配用カートリッジ、又は当該最初の混合容器に残されたそれらの代用物に、使用準備ができるまで注入しておくことができる。典型的には、ゲル化剤を含む１％アセフェート組成物に対するゲル化時間は、だいたい２０分である。
【００２３】
活性成分、採餌刺激物及び水の量に応じて、当該組成物は約５０，０００センチポアズ（５０Ｐａ・ｓ）〜約１，５００，０００（１５００Ｐａ・ｓ）センチポアズの範囲に及ぶ粘度を有する。典型的には、１重量％アセフェートゲル組成物と、３０％の水及びその他の成分として餌基材を使用して、得られたゲルの粘度は、約１８０，０００センチポアズ（１８０Ｐａ・ｓ）である。
【００２４】
使用方法
一旦当該組成物を形成したら、害虫、特にゴキブリの防除のために直ちにひび又は裂け目に直接に適用することができる。
【００２５】
当該組成物の適用は、食品又は餌を取り扱う事業所、例えばレストラン；乳製品製造所；包装、ボトル詰め及び缶詰工場；パン屋；製粉所、又は食品又は餌を保管し、製造し、処理し、及び包装するいかなる場所、にとって有用である。
【００２６】
当該組成物は、また食料エリアにおけるスポット及びひび及び裂け目の処理にも有用である。これらは、例えば、囲われた組織内で食品又は餌を受け入れ、貯蔵され、製造され、提供され、包装され、取り扱われる場所、及び食料廃棄物が貯蔵されている場所を含む。当該餌組成物は、ひび及び裂け目、すなわち装置が床及び壁に接触した部分；装置及びカウンターの足；土台、モーター及び暗渠；昆虫が隠れる壁の穴に通じる穴及び開口部に直接適用することができる。
【００２７】
当該組成物は、例えば、ごみ保管場所、休憩室、研究室、オフィス、ロッカールーム、ボイラー及び装置室、ガレージ、柄付き雑巾の棚、及び倉庫を含む、餌及び食料を取り扱う事業所の非食料区域においてもまた使用できる。当該組成物はまた、幅木周辺のひび及び裂け目、水道及び排水パイプ周辺、流しの下及び背部、ロッカー、テーブル、及び昆虫が隠れているかもしれない類似した場所に適用される。
【００２８】
最後に、当該組成物は、食品サービス事業所のサービスを行う区域、例えば、ダイニングルーム、会食場所及び準備された食料が提供されるその他の場所で使用できる。当該組成物は、例えば幅木のような選んだ表面に、ブースの下に、並びにひび及び裂け目の中に、豆ほどの大きさ又は小さく設置して適用される。
【００２９】
キット（ｋｉｔ）
また、本発明の一部はキットであり、当該キットは、当該餌組成物を調製し、及びそれをひび及び裂け目を含む必要な範囲に適用するために、必要な材料、容器及び道具を最終ユーザーに提供する。当該キットは当該餌組成物の最終ユーザーのために一容器オプションとして含められる。
【００３０】
当該キットの一部として、不透過性であり、さらに密閉するためのカバーを有する容器には、ペレット又は粉状の当該水に敏感な殺虫剤を入れる。当該容器は好ましくはガラス瓶である。
【００３１】
当該キットはまた、当該基材となる餌の固形混合物を含む密閉された包み(closed packet)を含む。当該密閉容器は、好ましくは再シール可能なプラスチックバッグであり、その中で、当該殺虫剤水溶液を加えた後に当該材料を完全に混合し、及び／又は練る。
【００３２】
場合によっては、当該キットの第三の部分に、これもまた閉じることができる、分配用容器(dispensing containar)が含まれる。当該容器は、好ましくはカートリッジ、シリンジ又はシリンダーであって、これらに当該餌基材と完全に混合した水系殺虫剤溶液の併合物を入れる。当該分配用容器は、所望により、当該混合物を固めてゲルにするために使用することができる。例えば、当該組成物をひび及び裂け目に適用するために、当該分配用カートリッジは、さらに餌アプリケーター中に設置するか、又は餌アプリケーターに接続する。
【００３３】
当該全キットは、その場所で使用するために、一包みにまとめた一体のシステムとして入手することができる。
【００３４】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、これらに限定して解釈されるものではない。
【００３５】
実施例
実施例１
以下のアセフェート組成物を調製した：
７．０％ パン酵母抽出物（ユニバーサル・フレーバー・インク、CAS＃8013-01-2）;
１９．０％ スクロース（ユナイテッド・シュガー・カンパニー、CAS#57-50-01）;
９．０％ プロマックス70L 大豆タンパク質濃縮物（ProMax 70L(商標) Soy Protein Concentrate）（セントラル・ソーヤ、コード４５１０）;
３９．０％ 牛乳代替物(Calf’s Milk Replacer)（カーギル，インク、CAS#N/A）;
２４．０％ 水;
１．０％ グリセロール;
１．０％ アセフェート（バレント・コープ、O,S-ジメチルアセチルホスホルアミドチオエート）。
【００３６】
当該アセフェートは、カバーがされた容器中で振って、水に溶解し、さらにそれから上記で確認した固体成分の混合物に加えた。当該成分を放置して固まらせた。
【００３７】
実施例２
以下の試験は実施例１の配合物を使用して、アセフェート分解を測定するために実施した。実施例１の１．０％アセフェート配合物は、後述する「瓶に擦りつける方法」（the jar/smear method）で、ゴキブリ成虫及び若虫に対する効果を比較した。４週間の老化（関連の）データを以下の表１にＫＴ５０として報告した。ここでＫＴ５０は、ゴキブリの数の５０％を殺すための時間(hour)による時間である。
【００３８】
【表１】
【００３９】
全ての生物学的なデータは、当該配合物は適用後４週間の間、全てのライフステージに対しての効果を維持していることを示している。
【００４０】
「瓶に擦りつける方法」を以下に示す。
【００４１】
材料
１．スクリーニングのための餌処方
２．逃げるのを防止するために、上部の縁にワセリンを塗った広口ガラス瓶
３．餌をはかるための天秤
４．ジャーマンゴキブリ（German cockroaches）；一瓶あたり１０頭
５．ストップウォッチ
方法
１．瓶の中で、４時間、ゴキブリに食料と水を与えた。試験期間の間、代替の餌と水を存在させた。
【００４２】
２．逆さまにしたプラスチックの秤量皿（ひびと裂け目処理をシミュレートしたもの）の一つの縁に０．３ｇの餌を塗った。
【００４３】
３．だいたい、４時間、順応に続けて、当該餌を塗布した（そして逆さまにした）秤量皿を当該ガラス瓶の中に平らに置いた。全てのゴキブリの瓶に対して、順番に繰り返した。
【００４４】
４．経時で、当該ゴキブリの死亡率を測定し、さらに、各ゴキブリのライフステージに対してＫＴ５０を決定した。
【００４５】
実施例３
以下の配合物を以下の成分：１．０重量％のアセフェート、３０重量％の水、及び６９重量％の以下の組成の餌基材、で調製した。さらに、当該餌基材は以下の表２に示したものである。
【００４６】
【表２】
【００４７】
１．アセフェート容器（ガラス瓶）を開封し、３０ｍｌの水を当該アセフェート１．０４ｇに加えた。当該ガラス瓶のカバーを閉じて、さらに当該ガラス瓶を当該アセフェートが完全に溶けるまで振とうした。
【００４８】
２．ジップロックバッグ(Zip-lock(商標)bag)中で、一つの包みの餌ペースト（上述したもの）６８．９ｇに、当該ガラス瓶の中身をさらに加えた。この包みを閉じて、さらに振とう及び練ることにより、完全に混合した。
【００４９】
３．当該餌混合物を分配用カートリッジに注ぎ入れ、カバーをし、そして当該餌がゲルになるために、２０分間固化させた。得られたゲルは、約１８０，０００センチポアズ（１８０Ｐａ・ｓ）の粘度を有していた。
【００５０】
実施例４
当該餌組成物の給餌時間により影響を受けたものとして、ゴキブリの平均ノックダウン時間に関して、実施例３のゲル組成物を、活性成分としてフィプロニル(fipronil)を０．０１％の濃度で含んでいる市販入手可能なゲル組成物と比較した。市販入手可能なフィプロニルゲル組成物を、本発明の組成物と同様に使用したが、これは速効性であると主張されているものである。試験の結果を図１に示した。本発明の組成物について観察された最も長い平均ノックダウン時間は、６０秒の給餌時間で１．６２時間であった。対して、最も短いフィプロニルの平均ノックダウン時間は、全く同様の給餌時間６０秒で４．４２時間であった。注目すべきことに、５秒の給餌時間で、本発明のゲル組成物は１．１８時間の平均ノックダウン時間を有していたのに対し、当該フィプロニルゲルは同様の５秒の給餌時間に対して２０．２８時間かかった。
【００５１】
上記詳細な説明、実施例及びデータは、本発明の組成物の製造及び使用の完全な記載を提供する。本発明の本質及び範囲から離れることなく、本発明の多くの実施態様が作成可能であるから、本発明はここに添付した特許請求の範囲に存在する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ゴキブリについて、フィプロニル(fipronil)ゲルに対してアセフェートゲルを適用した場合の平均のノックダウン時間を比較したチャートである。
本発明の分野
本発明は、昆虫、特にゴキブリを防除するための、水に敏感な殺虫剤を当該活性成分として含む水ベースの速効性の害虫用餌に関する。
【０００２】
本発明の背景
歴史的には、ゴキブリのような這い回る昆虫を防除するための毒餌は、水ベースである。特にゴキブリには、水は、良好な餌の性能のために必要と考えられている。残念なことに、水ベースの餌製品は、急速に効果を失うが、それは水の喪失、不快なにおい、活性成分の分解、及びその他の要因による。水ベースの練り餌の研究は、水の喪失、活性成分が虫を寄せ付けない性質、及び殺虫剤への抵抗性が、餌の性能に影響する最も重要な要因であることを確認した。Appel,A.G., J. Econ Entomol. 85(4):1176〜1183(1992), Robinson,W.H., Proceedings of the National Conference on Urban Entomology 77〜91(1992), 及びRust,N.K., 「家庭の害虫を管理する」, Advances in Urban Pest Management, G.W.Bennett及びM.Owens（編集）, Van Norstrand Reinhold, N.Y. 335〜368(1986)。
【０００３】
水ベースの殺虫剤製品はの改良のための一つのアプローチは、いわゆるウォーターパウダーを当該殺虫剤とともに含む、粉又はペースト組成物を使用することである。このウォーターパウダーは水素化した大豆油でカプセル化された水である。そのような製品は、米国特許第5,820,855号に記載されている。残念なことに、粉の組成物は使用した時に、当該物質が流れるというような欠点を有する。
【０００４】
水を含まない油脂ベースの害虫餌が、米国特許第5,464,613号及び同5,464,613号に記載されている。これらの組成物はペースト状であり、その上、主要な成分として油脂ベースの担体(carrier)を含む。ペースト製品は流れないけれども、それらは適用が困難であり、さらにひび及び裂け目に、又は空隙の中にペーストを適用するのにアプリケーターを必要とする。当該ペーストで水を含まない製品の別な欠点は、特にゴキブリに対して、水ベースの製品ほど速効性でないということである。
【０００５】
アセフェート(acephate)は、特にゴキブリを殺すのに、非常に好ましい殺虫剤である。アセフェートの好ましさは、いかなる殺虫剤抵抗性も知られていないという事実に基づいており、さらに非常に低い哺乳動物への毒性しか有さないからである。しかしながら、アセフェートは水ベースの基材中では経時的に安定ではない。アセフェートは上記の水を含まず、油脂ベースの特許中に記載されているけれども、市販に入手できるいずれのゴキブリ餌中においても、活性成分として現在使用されていない。従って、向上した速効性で、水ベースの餌で、それが水に敏感な殺虫剤を利用するものに対するニーズがある。
【０００６】
本発明のまとめ
我々は、本発明において、水に敏感な殺虫剤、例えばアセフェートを、水ベースの基材中で有効に使用することができる方法を見出した。本発明は、所望により、適用する場所で調製し、さらにひび、裂け目、及び空隙に適用可能な組成物である。当該組成物は、配合した時及び適用した時に活性であり、害虫、特にゴキブリをすぐに殺す。一つの好ましい速効性の組成物はゲルの形態のものである。
【０００７】
従って、当該発明はその第一の局面において、直ぐに使用できる殺虫剤用の餌組成物を調製するための方法であって、以下のステップ：（ａ）水に敏感な殺虫剤を指定された量の水に溶解し、（ｂ）当該得られた殺虫剤溶液を、採餌刺激物(feeding stimulants)の、及び場合により含まれる一つ又はより多くのゲル化剤との混合物を含有する餌基材と併合し、（ｃ）得られた併合物を完全に混合するまで混ぜ合わせ、さらに、所望により、（ｄ）混合した併合物をして、ゲル又はペーストに形成せしめること、を含む方法である。
【０００８】
当該発明は第二の局面において、直ぐに使用できる殺虫剤用の餌組成物であって、当該餌組成物が約５０，０００〜約１，５００，０００センチポアズ（約５０Ｐａ・ｓ〜約１５００Ｐａ・ｓ）の粘度を有し、以下の：（ａ）約０．１〜５．０重量％の水に敏感な殺虫剤、（ｂ）約３〜４０重量％の水、及び（ｃ）餌基材である残りのものを含む組成物、を提供する。
【０００９】
当該発明の第三の局面は、防除したい領域に効果的な量の前記組成物を適用することによって、害虫、特にゴキブリを防除する方法である。
【００１０】
最後に、本発明の第四の面は、最終消費者が適用する場所で使用することができるキットであって、当該キットが上記の組成物の調製及び適用のための手段を含み、場合によってはゲル状で、以下の：（ａ）水に敏感な殺虫剤のペレット又は粉末をその中に有する、密閉された不浸透性の容器、及び（ｂ）採餌刺激物及び、場合によっては一つ又はより多くのゲル化剤を含む基材となる餌が入っている密閉された包み、を含むキットである。当該キットは、さらに当該直ぐに使用できる餌を分配するための手段を含む。さもなければ、当該混合する包みが当該組成物を適用するために使用されうる。
【００１１】
本発明の詳細な説明
本発明は、水ベースの殺虫剤用の餌組成物に関し、当該餌組成物は水に敏感な殺虫剤、水、及び採餌刺激物、及び場合によっては少なくとも一つ又はより多くのゲル化剤を含む餌基材を含む。当該組成物は、好ましくはゲルであり、所望により、以下に示すキットを使って、以下に詳細に記述するプロセスにより、適用する場所において調製できる。本発明の当該組成物は、害虫、特にゴキブリに対して急速に作用するという長所を有し、さらにひび、裂け目、及び空隙、又は他の昆虫の隠れ場所に容易に適用することができる。
【００１２】
殺虫剤
水に敏感な殺虫剤は、水に可溶であるが、また水で分解しうるものである。アセフェートは本発明の、速効性で、水ベースの組成物のための好ましい殺虫剤である。アセフェートは微細な結晶の粉体で、水に可溶である。アセフェートは好ましい活性成分である。なぜならいかなる殺虫剤抵抗性も知られておらず、さらに非常に低い哺乳動物への毒性しか有さないからである。アセフェートはＣ４Ｈ１０ＮＯ３ＰＳの分子式を有し、化学的にはO,S-ジメチルアセチルホスホルアミドチオエート(O,S-dimethyl acetylphosphoramidothioate)として知られている。典型的には、アセフェート及び他の水に敏感な殺虫剤は当該組成物中で約０．１重量％の最小含有量で使用することができる。好ましい範囲は、約０．１〜約５重量％の濃度である。ゲル組成物中におけるアセフェートの最も好ましい量は約１重量％である。他の水に敏感な殺虫剤には例えば、メタミドフォス(methamidophos)が含まれ、これは化学的にはO,S-ジメチルホスホルアミドチオエートとして知られ、アセフェートの脱アセチルアナログである。
【００１３】
水
水ベース組成物としては、水は本発明の不可欠な成分であり、さらに当該殺虫剤及び可溶性成分を当該餌基材中に溶解するために使用される。使用される水の量は、殺虫剤の量及び餌基材の量に従って変えることができる。さらに、当該水の量は、全組成物の３〜４０重量％で変動し得る。好ましくは、水は約２２〜３２重量％で使用される。好ましい実施態様においては、３０重量％の水が、１．０重量％のアセフェート組成物において使用される。
【００１４】
餌基材 (Bait Base)
当該餌基材は、採餌刺激物(feeding stimulants)及び誘因物(attractants)の固体混合物(solid mixture)であって、好ましくは少なくとも一つのゲル化剤を含む混合物を含む。採餌刺激物は、当該昆虫を当該餌に引きつけるために当該組成物中に含まれ、当該昆虫に当該餌を食べるように誘う。好ましい採餌刺激物は、炭水化物及びタンパク質の混合物を含む。炭水化物の例は、マルトデキストリン(maltodextrins)及びその類似物、例えば以下の；炭水化物複合体(carbohydrate complexes)、固形コーンシロップ(corn syrup solids)、スクロース、グルコース、フルクトースのような糖や、コーン、ポテト及びその他類似物のようなでんぷん、である。タンパク質の例は、イースト抽出物(yeast extracts)及び乳固形物(milk solids)、例えば全乳粉(whole milk powder)を含む。
【００１５】
当該採餌刺激物には、所望により、例えばでんぷんのような２つの機能を提供するゲル化剤が含まれ得る。これらのでんぷんは、好ましくは変性され、例えば化工トウモロコシでんぷん(modified corn starch)である。他のゲル化剤で、当該餌基材の一部として使用され得るものは、例えば、ガム、すなわち、キサンタンガム；寒天；アガロース；カラギーナン；ベントナイト；アルギン酸塩(alginates)；コラーゲン；ゼラチン；アクリルポリマー(poly acrylates);セルロース；セルロース誘導体；ポリエチレングリコール；ポリエチレンオキシド；ポリビニルアルコール；デキストラン；ポリアクリルアミド；ポリサッカライド；又はいかなる他の通常のゲル化剤又は増粘剤(viscosity enhancing agent)である。本発明に対して好ましいゲル化剤は、化工でんぷん(modified starches)である。
【００１６】
採餌刺激物及びゲル化剤に加えて、当該餌基材は追加の誘因剤(attractants)を含むこともできる。誘因剤の例は、放臭剤(odorants)及び着香剤(flavorants)、例えばシクロテン(cyclotenes)及びその同類物、コロハ(fenugreek)及びその同類物のような植物抽出物、エタノールのようなアルコール、又はエタノールと組み合わせた揮発性エステルである。当該揮発性エステルは、Ｃ１〜Ｃ６の分岐又は非分岐のアルコールとＣ１〜Ｃ３のカルボン酸とから作られる。本発明の揮発性エステル共誘因物(volatile ester co-attractants)の製造に有用な低級アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、t-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、及びそれらの混合物を含む。本発明のエステル誘因物(ester attractant)の製造に有用なカルボン酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、それらの混合物、及びその他のカルボン酸を含む。このそれぞれのカルボン酸の関連した反応性アナログが使用可能であり、例えば酸クロリド又は酸無水物である。使用するのに好ましい揮発性エステルは、低級アルコールの酢酸エステルであり、例えば酢酸n-アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸n-プロピル、酢酸エチル又はこれらの混合物である。当該成分のいくつかはカテゴリーにおいて、ゲル化剤及び採餌刺激物と重なっているかもしれないが、なぜならそれらは共に誘因物及び採餌刺激物でありうるからであり、例えば、上述した蛋白質、放臭剤及び着香剤である。
【００１７】
当該餌基材はさらに、（全餌基材の）５０重量％まで、ホウ砂（borax）又はホウ酸（boric acid）の固形混合物を一部として含んでもよく、ホウ砂又はホウ酸は、当該組成物の殺虫活性を長引かせるために使用されうる。
【００１８】
当該採餌刺激物、誘因物及び、場合によってはゲル化剤は、当該餌基材の成分であり、当該基材は当該組成物に到達するために使用された水と殺虫剤の量に依存して、当該組成物の残りの成分を含む。採餌刺激物、場合によりゲル化剤、及び他の誘因剤を含む当該餌基材は、当該組成物の残りの成分を含むけれども、この基材中のゲル化剤の量は、もし使用されるときは、全固形混合物の約０．１〜５重量％で変化しうる。ゲル化剤の好ましい量は、当該固形餌基材混合物の約１重量％である。
【００１９】
調製方法
当該害虫餌組成物は、所望により、使用する場所で調製されるように設計され、本発明の一部をなすキットを用いることができる。当該プロセスは以下に最良に記載される：
１．当該活性成分を、使用前には、工業品の形態(純度９５．０％〜１００％)でガラス又は他の不透過性の容器内に入れ、貯蔵する。水に敏感な殺虫剤は、好ましくはペレット又は粉末の形で入れ、さらに当該容器は好ましくは取り外し可能なカバーを有し、好ましくはガラス瓶である。
【００２０】
２．当該餌を、当該殺虫剤を所定量の希釈水と一緒にすることにより調製する。当該溶液を、当該殺虫剤が完全に溶解するまで撹拌する。
【００２１】
３．得られた殺虫剤溶液を、さらに餌基材と併合するが、当該基材は採餌刺激物、場合によりゲル化剤及び、所望により、他の誘因剤の固形混合物である。この混合物を完全に撹拌し、さらに、所望により、ゲルになるのに任せる。
【００２２】
当該餌基材は、好ましくは包み(packet)、例えば典型的には再シール可能なプラスチックバッグに入れる。当該殺虫剤溶液を加えたとき、当該プラスチックバッグを再シールし、当該内容物を、好ましくは当該材料を完全に練り混ぜることにより混合する。当該混合された材料は、分配する手段、例えばシリンジ又は分配用カートリッジ、又は当該最初の混合容器に残されたそれらの代用物に、使用準備ができるまで注入しておくことができる。典型的には、ゲル化剤を含む１％アセフェート組成物に対するゲル化時間は、だいたい２０分である。
【００２３】
活性成分、採餌刺激物及び水の量に応じて、当該組成物は約５０，０００センチポアズ（５０Ｐａ・ｓ）〜約１，５００，０００（１５００Ｐａ・ｓ）センチポアズの範囲に及ぶ粘度を有する。典型的には、１重量％アセフェートゲル組成物と、３０％の水及びその他の成分として餌基材を使用して、得られたゲルの粘度は、約１８０，０００センチポアズ（１８０Ｐａ・ｓ）である。
【００２４】
使用方法
一旦当該組成物を形成したら、害虫、特にゴキブリの防除のために直ちにひび又は裂け目に直接に適用することができる。
【００２５】
当該組成物の適用は、食品又は餌を取り扱う事業所、例えばレストラン；乳製品製造所；包装、ボトル詰め及び缶詰工場；パン屋；製粉所、又は食品又は餌を保管し、製造し、処理し、及び包装するいかなる場所、にとって有用である。
【００２６】
当該組成物は、また食料エリアにおけるスポット及びひび及び裂け目の処理にも有用である。これらは、例えば、囲われた組織内で食品又は餌を受け入れ、貯蔵され、製造され、提供され、包装され、取り扱われる場所、及び食料廃棄物が貯蔵されている場所を含む。当該餌組成物は、ひび及び裂け目、すなわち装置が床及び壁に接触した部分；装置及びカウンターの足；土台、モーター及び暗渠；昆虫が隠れる壁の穴に通じる穴及び開口部に直接適用することができる。
【００２７】
当該組成物は、例えば、ごみ保管場所、休憩室、研究室、オフィス、ロッカールーム、ボイラー及び装置室、ガレージ、柄付き雑巾の棚、及び倉庫を含む、餌及び食料を取り扱う事業所の非食料区域においてもまた使用できる。当該組成物はまた、幅木周辺のひび及び裂け目、水道及び排水パイプ周辺、流しの下及び背部、ロッカー、テーブル、及び昆虫が隠れているかもしれない類似した場所に適用される。
【００２８】
最後に、当該組成物は、食品サービス事業所のサービスを行う区域、例えば、ダイニングルーム、会食場所及び準備された食料が提供されるその他の場所で使用できる。当該組成物は、例えば幅木のような選んだ表面に、ブースの下に、並びにひび及び裂け目の中に、豆ほどの大きさ又は小さく設置して適用される。
【００２９】
キット（ｋｉｔ）
また、本発明の一部はキットであり、当該キットは、当該餌組成物を調製し、及びそれをひび及び裂け目を含む必要な範囲に適用するために、必要な材料、容器及び道具を最終ユーザーに提供する。当該キットは当該餌組成物の最終ユーザーのために一容器オプションとして含められる。
【００３０】
当該キットの一部として、不透過性であり、さらに密閉するためのカバーを有する容器には、ペレット又は粉状の当該水に敏感な殺虫剤を入れる。当該容器は好ましくはガラス瓶である。
【００３１】
当該キットはまた、当該基材となる餌の固形混合物を含む密閉された包み(closed packet)を含む。当該密閉容器は、好ましくは再シール可能なプラスチックバッグであり、その中で、当該殺虫剤水溶液を加えた後に当該材料を完全に混合し、及び／又は練る。
【００３２】
場合によっては、当該キットの第三の部分に、これもまた閉じることができる、分配用容器(dispensing containar)が含まれる。当該容器は、好ましくはカートリッジ、シリンジ又はシリンダーであって、これらに当該餌基材と完全に混合した水系殺虫剤溶液の併合物を入れる。当該分配用容器は、所望により、当該混合物を固めてゲルにするために使用することができる。例えば、当該組成物をひび及び裂け目に適用するために、当該分配用カートリッジは、さらに餌アプリケーター中に設置するか、又は餌アプリケーターに接続する。
【００３３】
当該全キットは、その場所で使用するために、一包みにまとめた一体のシステムとして入手することができる。
【００３４】
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、これらに限定して解釈されるものではない。
【００３５】
実施例
実施例１
以下のアセフェート組成物を調製した：
７．０％ パン酵母抽出物（ユニバーサル・フレーバー・インク、CAS＃8013-01-2）;
１９．０％ スクロース（ユナイテッド・シュガー・カンパニー、CAS#57-50-01）;
９．０％ プロマックス70L 大豆タンパク質濃縮物（ProMax 70L(商標) Soy Protein Concentrate）（セントラル・ソーヤ、コード４５１０）;
３９．０％ 牛乳代替物(Calf’s Milk Replacer)（カーギル，インク、CAS#N/A）;
２４．０％ 水;
１．０％ グリセロール;
１．０％ アセフェート（バレント・コープ、O,S-ジメチルアセチルホスホルアミドチオエート）。
【００３６】
当該アセフェートは、カバーがされた容器中で振って、水に溶解し、さらにそれから上記で確認した固体成分の混合物に加えた。当該成分を放置して固まらせた。
【００３７】
実施例２
以下の試験は実施例１の配合物を使用して、アセフェート分解を測定するために実施した。実施例１の１．０％アセフェート配合物は、後述する「瓶に擦りつける方法」（the jar/smear method）で、ゴキブリ成虫及び若虫に対する効果を比較した。４週間の老化（関連の）データを以下の表１にＫＴ５０として報告した。ここでＫＴ５０は、ゴキブリの数の５０％を殺すための時間(hour)による時間である。
【００３８】
【表１】
全ての生物学的なデータは、当該配合物は適用後４週間の間、全てのライフステージに対しての効果を維持していることを示している。
【００４０】
「瓶に擦りつける方法」を以下に示す。
【００４１】
材料
１．スクリーニングのための餌処方
２．逃げるのを防止するために、上部の縁にワセリンを塗った広口ガラス瓶
３．餌をはかるための天秤
４．ジャーマンゴキブリ（German cockroaches）；一瓶あたり１０頭
５．ストップウォッチ
方法
１．瓶の中で、４時間、ゴキブリに食料と水を与えた。試験期間の間、代替の餌と水を存在させた。
【００４２】
２．逆さまにしたプラスチックの秤量皿（ひびと裂け目処理をシミュレートしたもの）の一つの縁に０．３ｇの餌を塗った。
【００４３】
３．だいたい、４時間、順応に続けて、当該餌を塗布した（そして逆さまにした）秤量皿を当該ガラス瓶の中に平らに置いた。全てのゴキブリの瓶に対して、順番に繰り返した。
【００４４】
４．経時で、当該ゴキブリの死亡率を測定し、さらに、各ゴキブリのライフステージに対してＫＴ５０を決定した。
【００４５】
実施例３
以下の配合物を以下の成分：１．０重量％のアセフェート、３０重量％の水、及び６９重量％の以下の組成の餌基材、で調製した。さらに、当該餌基材は以下の表２に示したものである。
【００４６】
【表２】
１．アセフェート容器（ガラス瓶）を開封し、３０ｍｌの水を当該アセフェート１．０４ｇに加えた。当該ガラス瓶のカバーを閉じて、さらに当該ガラス瓶を当該アセフェートが完全に溶けるまで振とうした。
【００４８】
２．ジップロックバッグ(Zip-lock(商標)bag)中で、一つの包みの餌ペースト（上述したもの）６８．９ｇに、当該ガラス瓶の中身をさらに加えた。この包みを閉じて、さらに振とう及び練ることにより、完全に混合した。
【００４９】
３．当該餌混合物を分配用カートリッジに注ぎ入れ、カバーをし、そして当該餌がゲルになるために、２０分間固化させた。得られたゲルは、約１８０，０００センチポアズ（１８０Ｐａ・ｓ）の粘度を有していた。
【００５０】
実施例４
当該餌組成物の給餌時間により影響を受けたものとして、ゴキブリの平均ノックダウン時間に関して、実施例３のゲル組成物を、活性成分としてフィプロニル(fipronil)を０．０１％の濃度で含んでいる市販入手可能なゲル組成物と比較した。市販入手可能なフィプロニルゲル組成物を、本発明の組成物と同様に使用したが、これは速効性であると主張されているものである。試験の結果を図１に示した。本発明の組成物について観察された最も長い平均ノックダウン時間は、６０秒の給餌時間で１．６２時間であった。対して、最も短いフィプロニルの平均ノックダウン時間は、全く同様の給餌時間６０秒で４．４２時間であった。注目すべきことに、５秒の給餌時間で、本発明のゲル組成物は１．１８時間の平均ノックダウン時間を有していたのに対し、当該フィプロニルゲルは同様の５秒の給餌時間に対して２０．２８時間かかった。
【００５１】
上記詳細な説明、実施例及びデータは、本発明の組成物の製造及び使用の完全な記載を提供する。本発明の本質及び範囲から離れることなく、本発明の多くの実施態様が作成可能であるから、本発明はここに添付した特許請求の範囲に存在する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ゴキブリについて、フィプロニル(fipronil)ゲルに対してアセフェートゲルを適用した場合の平均のノックダウン時間を比較したチャートである。
Claims (6)
- 殺虫剤用の餌組成物の調製及び適用のためのキットであって、以下の：
（ａ）密閉された不透過性の分配用容器であって、その中にペレット又は粉末状の水に敏感な殺虫剤を有するもの、ここで当該水に敏感な殺虫剤は水に可溶性であり、且つ水に分解性である；及び
（ｂ）餌基材を含む、密閉された包み、
を有する前記キット。 - 前記分配用容器が、シリンジ、カートリッジ又はシリンダーである、請求項１に記載のキット。
- 前記の密閉された不透過性容器が、ガラス瓶である、請求項１又は２に記載のキット。
- 前記の密閉された包みが、再シール可能なプラスチックバッグである、請求項１〜３のいずれか１項に記載のキット。
- 前記水に敏感な殺虫剤がアセフェートである、請求項１〜４のいずれか１項に記載のキット。
- 前記水に敏感な殺虫剤がメタミドフォスである、請求項１〜４のいずれか１項に記載のキット。
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