JP4663910B2 - 冷却用ファンの駆動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷却用ファンを駆動制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷却用ファンは可変容量型油圧ポンプから吐出された圧油によって駆動される。この場合冷却用ファンの回転数が目標回転数となるように油圧ポンプの容量(斜板)を制御する必要がある。
【0003】
従来、図6の油圧回路に示す機構を用いて油圧ポンプの容量が制御されていた。図6に示す油圧回路は例えば特開平8−284806号公報等に記載されている。
【0004】
すなわち図6に示す油圧回路では、油圧ポンプ2はエンジン1によって駆動される。油圧ポンプ2から吐出された圧油Ppは油路7を介して図示しない油圧モータに供給され、油圧モータが駆動される。この油圧モータが駆動することによって図示しない冷却用ファンが回転する。
【0005】
油圧ポンプ2の吐出圧油Ppは油路7、8を介してサーボピストン19の小径側の油室に供給される。また油圧ポンプ2の吐出圧油Ppは油路7、8、8aを介して制御弁22の流入ポートに駆動圧油として供給される。また油圧ポンプ2の吐出圧油Ppは油路7、8、8a、8bを介して制御弁22のパイロットポートにパイロット圧油として供給される。制御弁22から油路24を介してサーボピストン19の大径側の油室に制御圧油が流入されると油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角が小さくなる。またサーボピストン19の大径側の油室から油路24を介して制御弁22に制御圧油が流出されると油圧ポンプ2の傾転角2aの傾転角が大きくなる。
【0006】
サーボピストン19は油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角を変化させることによって油圧ポンプ2の容量qを変化させる。斜板2aの傾転角つまり油圧ポンプ2の押し退け容積qに応じた位置に、サーボピストン19は移動し、この移動に伴いサーボピストン19に接続されたサーボロッド21の位置が変化する。サーボロッド21の移動に伴い制御弁22に作用するバネ23のバネ力が変化する。サーボロッド21は、油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角をフィードバックするために設けられている。
【0007】
制御弁22は油圧ポンプ2の吐出圧Ppに応じて油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角(容量q)を変化させる。エンジン1の回転数が一定であれば油圧ポンプ2の吸収馬力がエンジン1で発生する馬力を越えないような制御がなされる。制御弁22に作用するバネ23のバネ力(サーボロッド21の位置)の設定などに応じて、制御弁22の設定最大トルク(設定最大馬力)が定まる。
【0008】
つぎに図6に示す油圧回路の動作を説明する。
【0009】
油圧ポンプ2の吐出圧が増加すると、油路8bを介して制御弁22のパイロットポートに加えられるパイロット圧が増加するので、制御弁22は図中左側に押される。これにより制御弁22からサーボピストン19の大径側の油室に、油路24を介して制御圧油が流入される。このときサーボピストン19の大径側と小径側にそれぞれ同じ圧が作用しているが、径の大きさ(受圧面積)の違いによりサーボピストン19はqMIN側(最小容量側)に駆動される。これにより油圧ポンプ2の斜板2aが傾転角が小さくなり油圧ポンプ2の押し退け容積q(容量q)が減らされ、油圧ポンプ2から吐出される流量が減少する。
【0010】
サーボピストン19がqMIN側に移動するに伴いサーボロッド21が同じ方向に移動し制御弁22のバネ23の設定バネ力が強められる。制御弁22のバネ23の設定バネ力が強められると、制御弁22は図中右側に押される。これによりサーボピストン19の大径側の油室から油路24を介して制御弁22に制御圧油が流出される。これによりサーボピストン19はqMAX側(最大容量側)に駆動される。これにより油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角が大きくなり油圧ポンプ2の押し退け容積q(容量q)が増やされ、油圧ポンプ2から吐出される流量が増大する。
【0011】
上述した作動を交互に繰り返すことで油圧ポンプ2の吐出圧と押し退け容積q(容量)の積が一定トルクを越えないように、油圧ポンプ2の斜板2aが制御される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す油圧回路によれば、サーボピストン、サーボロッド21、制御弁22等を設けて、油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角をフィードバックして油圧ポンプ2の斜板2aを変化させる制御を行っている。このため油圧ポンプ2の吐出圧が負荷の大きさに応じて変動したとしても、斜板2aの傾転角を、一定トルクを越えないように定めることができる。しかし、このようなフィードバック機構を設けて油圧回路を構築すると、構造が複雑になりコストが大きくなる。
【0013】
一方油圧ポンプの吐出圧油によって冷却用ファンを駆動する場合には、目標とするファン回転数に応じて負荷の大きさが一義的に定まり、目標ファン回転数と油圧ポンプ2の負荷圧PL(吐出圧)は完全にマッチングするという特性をもっていることが本発明者らによって明らかになった。したがって、油圧ポンプ2の吐出圧が負荷の大きさに応じて変動したとしても、斜板2aの傾転角を、一定トルクを越えないように定めることができる従来のフィードバック機構は、冷却用ファンを駆動する油圧回路では、省略することが可能になる。
【0014】
そこで、本発明は、冷却用ファンを駆動する油圧回路において、フィードバック機構を省略することで油圧ポンプ2の斜板2aの制御をより簡易にし、構造を簡素化しコストを低減することを解決課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用、効果】
本発明の第1発明は、
エンジン(1)によって駆動される油圧ポンプ(2)と、前記油圧ポンプ(2)から吐出された圧油によって駆動される油圧アクチュエータ(14)と、前記油圧アクチュエータ(14)によって駆動される冷却用ファン(15)と、前記油圧ポンプ(2)の吐出圧に応じて前記油圧ポンプ(2)の斜板(2a、18)を最大容量側に変化させるとともに、制御信号に応じて前記油圧ポンプ(2)の斜板(2a、18)を最小容量側に変化させる斜板駆動手段(28)と、前記冷却用ファン(15)の回転数がファン目標回転数となるように、前記斜板駆動手段(28)に対して制御信号を出力する制御手段(30、6)とを備えた冷却用ファンの駆動制御装置において、
前記ファン目標回転数に対応する油圧ポンプ(2)の負荷圧を求めるとともに、前記ファン目標回転数と前記エンジン(1)の回転数とに基づいて前記油圧ポンプ(2)の容量を求め、これら求められた負荷圧と容量とに基づいて、制御信号を求め、この求められた制御信号を前記斜板駆動手段(28)に対して出力すること
を特徴とする。
【0016】
第1発明によれば、図4に示すように、ファン目標回転数NFに対応する油圧ポンプ2の負荷圧PLが求められる。そしてファン目標回転数NFとエンジン1の回転数Neとに基づいて油圧ポンプ2の容量qが求められる。そして、これら求められた負荷圧PLと容量qとに基づいて、図5(b)に示すように油圧ポンプ2の斜板2a(ロッカカム18)を、最大容量qMAX側に回転させる回転モーメントの大きさが求められる。そして図5(a)に示すように、この最大容量qMAX側に回転させる回転モーメントと釣り合う最小容量qMIN側に回転させる回転モーメントを発生させるに必要な制御信号(EPC出力圧)Peが求められる。そして、この求められた制御信号Peが斜板駆動手段28のピストン3に対して出力される。
【0017】
第1発明によれば、冷却用ファン15を目標ファン回転数NFで回転させるために必要な制御信号Peを演算によって求め斜板駆動手段28に出力することで、油圧ポンプ2の斜板2aを負荷の大きさに応じて制御できるので、図6に示すようなフィードバック機構を省略することができる。このため油圧回路の構造が簡素化されコストを低減することができる。
【0018】
第2発明は、第1発明において、
ファン目標回転数から油圧ポンプ(2)の負荷圧を求める第1のマップを予め記憶するとともに、
油圧ポンプ(2)の負荷圧と油圧ポンプ(2)の容量とに基づいて、制御信号を求める第2のマップを予め記憶し、
これら第1のマップと第2のマップの記憶内容に応じて、制御信号を求めること
を特徴とする。
【0019】
第2発明によれば、図4に示す第1のマップが予め記憶され、この第1のマップを用いて負荷圧PLが求められる。
【0020】
そして図5に示す第2のマップが予め記憶され、第1のマップから求められた負荷圧PLと油圧ポンプ2の容量(目標容量)qとに基づき第2のマップを用いて制御信号Peが求められる。
【0021】
第3発明は、第1発明において、
前記斜板駆動手段(28)は、前記油圧ポンプ(2)の吐出圧に応じた力で前記油圧ポンプ(2)の斜板(2a、18)を押動して斜板(2a、18)を最大容量側に傾動させる第1のピストン(29)と、制御圧に応じた力で前記油圧ポンプ(2)の斜板(2a、18)を押動して斜板(2a、18)を最小容量側に傾動させる第2のピストン(3)とを含み、
前記制御手段(30、6)は、前記第2のピストン(3)に対して制御圧を出力する制御弁(6)を含むこと
を特徴とする。
【0022】
第3発明によれば、図1に示すように、油圧ポンプ2の吐出圧に応じた力で第1のピストン29は、油圧ポンプ2の斜板2a(ロッカカム18)を押動して斜板2a(ロッカカム18)を最大容量qMAX側に傾動させる。一方、制御弁6から第2のピストン3に対して制御圧Peが出力され、第2のピストン3は、制御圧Peに応じた力で、斜板2a(ロッカカム18)を押動して、斜板2a(ロッカカム18)を最小容量qMIN側に揺動させる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して冷却用ファンの駆動制御装置の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は実施形態の油圧回路を示している。
【0025】
図1に示す油圧回路は、たとえば油圧ショベル、ホイールローダ、ブルドーザ等の建設機械に搭載される。
【0026】
可変容量型油圧ポンプ2は冷却用ファン15の駆動油圧源として使用される。
【0027】
油圧ポンプ2はエンジン1によって駆動される。エンジン1にはエンジン1の回転数Neを検出するエンジン回転数センサ17が設けられている。エンジン回転数センサ17はたとえばパルスピックアップを使用することができる。
【0028】
油圧ポンプ2の斜板2aが変化することによって油圧ポンプ2の押し退け容積qつまり容量qが変化する。
【0029】
油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)は、斜板駆動部28が作動することによって変化する。斜板駆動部28は、斜板2aとしてのロッカカム18を、A点を支点にして最小容量qMIN側に揺動させるピストン3と、同ロッカカム18を、A点を支点にして最大容量qMAX側に揺動させるピストン29とを中心に構成されている。ピストン29は、図2に示すように油圧ポンプ2内に複数(たとえば6本)設けられている。油圧ポンプ2はタンク9内の圧油を吸込み、シリンダブロック内でピストン29によって圧縮されて高圧となった圧油を、吐出口から吐出圧油Ppとして吐出する。図1に示すように、油圧ポンプ2の吐出口とピストン29とは油路8によって連通しておりピストン29に高圧の吐出圧つまり負荷圧PLが作用する。
【0030】
したがって、油圧ポンプ2の負荷圧PLに応じた力でピストン29はロッカカム18を押動し、ロッカカム18を最大容量qMAX側に揺動させる。複数のピストン29、29…の重心位置でロッカカム18に力が作用する。
【0031】
一方、ピストン3は油室5に流入する制御圧Peに応じた力で、ロッカカム18を押動してロッカカム18を揺動させる。ピストン3にはロッカカム18に一定の荷重を付与するバネ4が設けられている。
【0032】
油圧ポンプ2の吐出圧油Ppは油路7を介してファン駆動用油圧モータ14の流入ポートに供給される。油圧モータ14は固定容量型の油圧モータである。
【0033】
油圧モータ14の出力軸には冷却用ファン15が取り付けられている。
【0034】
油圧モータ14は、油圧ポンプ2から吐出された圧油が油路7を介して流入ポート(たとえばポートMA)から流入されることによって回転作動され、冷却用ファン15を回転させる。油圧モータ14の流出ポート(たとえばポートMB)から流出された圧油は油路12を介してタンク9に戻される。
【0035】
油路7、油路12上には、油圧モータ14の回転方向を切り換える切換弁13が設けられている。この切換弁13は、たとえばコントローラ30から出力される信号に応じて切り換えられる。
【0036】
切換弁13が図1に示す切換位置にあるときには、油圧ポンプ2から吐出された圧油が油圧モータ14の一方のポートMAに供給され、冷却用ファン15は正回転する。ここで切換弁13が図1に示す位置から切り換えられると、油圧ポンプ2から吐出された圧油が油圧モータ14の他方のポートMBに供給され、冷却用ファン15は逆回転する。
【0037】
エンジン1の冷却媒体であるクーラント(冷却水)は、放熱器としてのラジエータ16に導かれる。ラジエータ16でクーラントのもつ熱が放熱される。冷却用ファン15はラジエータ16に対向して設けられている。よって冷却用ファン15が回転することによりクーラントが冷却される。ラジエータ16には、クーラントの温度tを検出する温度センサ25が設けられている。
【0038】
電磁比例制御弁(EPC弁)6は、電磁ソレノイド6aに加えられる電気信号i(電流i)の大きさに比例して、油圧源26から供給される圧油を減圧してピストン3の油室5に制御圧Pe(以下EPC出力圧Pe)として供給する。
【0039】
ここで図2を参照して、図1に示す油圧ポンプ2のロッカカム18の動きと押し退け容積q(容量q)との関係について更に詳述する。図2は油圧ポンプ2の要部断面を示している。
【0040】
同図2に示すように油圧ポンプ2には、斜板2aに相当するロッカカム18が設けられている。ロッカカム18は図中のA点を支点にして揺動することができる。ロッカカム18が揺動することにより斜板2aの傾転角が変化して油圧ポンプ2の押し退け容積(容量)qが変化する。ロッカカム18が図中で右回りに回転すると油圧ポンプ2の容量qは最大容量qMAX側に変化する。図2(a)は油圧ポンプ2の容量qが最大容量qMAXになったときの状態を示している。
【0041】
これに対してロッカカム18が図中で左回りに回転すると油圧ポンプ2の容量qは最小容量qMIN側に変化する。図2(b)は油圧ポンプ2の容量qが最小容量qMINになったときの状態を示している。
【0042】
ピストン3の油室5に供給されるEPC出力圧Peの大きさに応じてロッカカム18を図中左回り側つまり最小容量qMIN側に回転させる回転モーメントが定まる。
【0043】
またピストン29に作用する油圧ポンプ2の吐出圧つまり負荷圧PLの大きさに応じてロッカカム18を図中右回り側つまり最大容量qMAX側に回転させる回転モーメントが定まる。
【0044】
EPC出力圧Peが小さいときにはロッカカム18を図中左回り側つまり最小容量qMIN側に回転させる回転モーメントが小さくなり、図2(a)に示すように油圧ポンプ2の容量qは最大容量qMAX側へと変化する。
【0045】
これに対してEPC出力圧Peが大きいときにはロッカカム18を図中左回り側つまり最小容量qMIN側に回転させる回転モーメントが大きくなり、図2(b)に示すように油圧ポンプ2の容量qは最小容量qMIN側へと変化する。
【0046】
以上のように油圧ポンプ2の吐出圧油Ppの吐出圧つまり負荷圧PLが大きくなるに応じて、ピストン29に作用する力が大きくなり、ロッカカム18を最大容量qMAX側に回転させる回転モーメントが大きくなる。
【0047】
また電磁比例制御弁6からピストン3の油室5に供給されるEPC出力圧Peが大きくなるに応じて、ピストン3に作用する力が大きくなり、ロッカカム18を最小容量qMIN側に回転させる回転モーメントが大きくなる。
【0048】
これら両回転モーメントが釣り合ったときにロッカカム18の揺動位置が定まり、油圧ポンプ2の斜板2aの傾転角が定まり、油圧ポンプ2の押し退け容積q(容量q)が定まる。
【0049】
なおピストン3、電磁比例制御弁6は、油圧ポンプ2のピストン29とともに油圧ポンプ2のポンプボディ10内に内蔵されている。また切換弁13は油圧モータ14のモータボディ20内に内蔵されている。
【0050】
さて図1において、コントローラ30は、エンジン回転数センサ17で検出されたエンジン回転数Neを入力するとともに温度センサ25で検出されたクーラントの温度tを入力し、これらセンサ検出値に基づき後述する演算処理を実行して制御指令として電気信号i(電流i)を電磁比例制御弁6に対して出力する。
【0051】
つぎに図3を参照して、図1に示すコントローラ30で実行される処理内容について説明する。
【0052】
コントローラ30には図4に示す第1のマップが予め記憶されている。
【0053】
図4は、クーラントの温度tあるいはファン回転数NFと、負荷圧PLとの関係を示している。すなわちクーラントの温度tあるいはファン回転数NFが与えられると、第1のマップを用いて負荷圧PLを一義的に求めることができる。クーラントの温度tあるいはファン回転数NFと負荷圧PLとは線形の関係にある。なお図4に示す対応関係は、データテーブル形式で記憶されており、温度tあるいはファン回転数NFが与えられるとデータテーブルから対応する負荷圧PLのデータが読み出される。またデータテーブル形式ではなく、温度tあるいはファン回転数NFから、負荷圧PLを算出する演算式の形式で記憶しておくこともできる。この場合には温度tあるいはファン回転数NFが与えられると、この値を演算式に代入することによって負荷圧PLを算出することができる。
【0054】
またコントローラ30には、図5に示す第2のマップが予め記憶されている。
【0055】
図5は、油圧ポンプ2の目標斜板位置(目標容量)qと、図4の第1のマップから得られた負荷圧PLとに基づいてEPC出力圧Peを求める第2のマップを示している。
【0056】
第2のマップは、更に図5(a)、(b)それぞれに示すマップからなっている。図5(b)に示すマップは、油圧ポンプ2の目標斜板位置(目標容量)qと、図4の第1のマップから得られた負荷圧PLとに基づいて、ロッカカム18を最大容量qMAX側に回転させるqMAX側回転モーメントの大きさを求めるマップである。また図5(a)に示すマップは、図5(b)のマップから得られた回転モーメントと釣り合う最小容量qMIN側に回転させるqMIN側回転モーメントを発生させるに必要なEPC出力圧Peを求めるマップである。なお図5に示す第2のマップも図4に示す第1のマップと同様に、データテーブル形式で記憶しておいてもよく、また演算式として記憶しておいてもよい。
【0057】
図3に示すように、まずステップ101では、温度センサ25から所定のサンプリングタイム毎に、温度tを示す検出信号がコントローラ30に入力される。
【0058】
つぎに、この温度tに対応するファン目標回転数NFが求められる。温度tとファン目標回転数NFとは一義的な対応関係にあり、たとえば図4のグラフの縦軸に示す対応関係で、温度tからファン目標回転数NFが求められる(ステップ102)。
【0059】
つぎに、冷却用ファン15を、ステップ102で求めたファン目標回転数NFで回転させるために必要な油圧ポンプ2の吐出流量Q(l/min)が求められる(ステップ103)。
つぎに、エンジン回転数センサ17から、現在のエンジン回転数Neがコントローラ30に入力される。そこでエンジン回転数Neと、ステップ103で求めた必要ポンプ吐出流量Qとに基づいて、油圧ポンプ2の目標斜板位置(目標容量)qが求められる。たとえば油圧ポンプ2の目標斜板位置(目標容量)qとしてq1が求められたものとする(ステップ104)。
【0060】
一方、ステップ102でファン目標回転数NFが求められると、このファン目標回転数NFに対応する負荷圧PLが、図4に示す第1のマップを用いて求められる。たとえば図4に破線で示すように、温度tとしてt1が与えられと、これに対応するファン目標回転数NF1が求められ、このファン目標回転数NF1に対応する負荷圧PL1が求められる。
【0061】
つぎに図4の第1のマップから求められた負荷圧PL1と、ステップ104で求めた目標斜板位置(目標容量)q1とに基づいて、対応するEPC出力圧Pe1が、図5に示す第2のマップを用いて求められる。
【0062】
具体的には負荷圧PL1に対応するラインL1が、図5(b)の複数のラインLの中から選択される。そこで、図5(b)に破線で示すように、選択されたラインL1の交点から、目標斜板位置(目標容量)q1に対応するqMAX側回転モーメントが、求められる。
【0063】
そして図5(b)に破線で示すように、このqMAX側回転モーメントに釣り合うqMIN側回転モーメントを発生させるに必要なEPC出力圧Pe1が求められる。
【0064】
以上のようにして、油圧ポンプ2のロッカカム18を最大容量qMAX側に回転させているqMAX側回転モーメントが図5(b)のマップから求められ、このqMAX側回転モーメントに釣り合うqMIN側回転モーメントを発生させるに必要なEPC出力圧Pe1が図5(a)のマップから求められる(ステップ105)。そこでコントローラ30から、この求められたEPC出力圧Pe1に対応する電気指令(電流)iが電磁比例制御弁6に対して出力される(ステップ106)。以後手順はステップ101に移行してステップ101〜106の処理が繰り返される。
【0065】
このため電磁比例制御弁6からは、EPC出力圧Pe1が出力されて、ピストン3の油室5に供給される。
【0066】
このため油圧ポンプ2の斜板2aは、ファン目標回転数NFに対応する斜板位置に位置決めされ、油圧ポンプ2の容量qは、図3のステップ104で求めた目標容量q1となる。
【0067】
以上説明したように本実施形態によれば、冷却用ファン15を目標ファン回転数NFで回転させるために必要なEPC出力圧Peを演算によって求め、このEPC出力圧Peを斜板駆動部28のピストン3の油室5に出力することで、油圧ポンプ2の斜板2aを負荷の大きさに応じて制御することができる。このため従来の図6に示す油圧回路で設けられていたフィードバック機構を省略することができる。これにより油圧回路の構造が簡素化されコストを低減することができる。
【0068】
なお本実施形態ではコントローラ30を建設機械に搭載しコントローラ30から有線の電気信号線を介して電気信号iを電磁比例制御弁6に対して出力する場合を想定している。しかしコントローラ30に相当する機器あるいは機能は、建設機械の外部に設けてもよい。たとえば建設機械から離れた監視局から無線で信号iを送信しこれを建設機械内部の電磁比例制御弁6に対して加えてもよい。
【0069】
また本実施形態では、冷却用ファンが建設機械に搭載される場合を想定している。しかし本発明は、冷却用ファンが一般自動車に搭載される場合にも適用することができる。また輸送用機器に限ることなく、その他任意の産業機械に冷却用ファンを搭載する場合にも、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の油圧回路図である。
【図2】図2は図1に示す油圧ポンプの要部断面を示す図であり、図2(a)は油圧ポンプの容量が最大容量になったときの状態を示す図で、図2(b)は油圧ポンプの容量が最小容量になったときの状態を示す図である。
【図3】図3は図1に示すコントローラで実行される処理の内容を示す制御ブロック図である。
【図4】図4は図1に示すコントローラに記憶されるマップの内容を示すグラフである。
【図5】図5は図1に示すコンローラに記憶されるマップの内容を示すグラフである。
【図6】図6は従来の油圧回路図である。
【符号の説明】
2 油圧ポンプ
2a 斜板
3 ピストン
6 電磁比例制御弁
18 ロッカカム
29 ピストン
30 コントローラ

Claims (3)

  1. エンジン(1)によって駆動される油圧ポンプ(2)と、前記油圧ポンプ(2)から吐出された圧油によって駆動される油圧アクチュエータ(14)と、前記油圧アクチュエータ(14)によって駆動される冷却用ファン(15)と、前記油圧ポンプ(2)の吐出圧に応じて前記油圧ポンプ(2)の斜板(2a、18)を最大容量側に変化させるとともに、制御信号に応じて前記油圧ポンプ(2)の前記斜板(2a、18)を最小容量側に変化させる斜板駆動手段(28)と、前記冷却用ファン(15)の回転数がファン目標回転数となるように、前記斜板駆動手段(28)に対して前記制御信号を出力する制御手段(30、6)とを備えた冷却用ファンの駆動制御装置において、
    前記ファン目標回転数に対応する前記油圧ポンプ(2)の負荷圧を求めるとともに、前記ファン目標回転数と前記エンジン(1)の回転数とに基づいて前記油圧ポンプ(2)の容量を求め、これら求められた前記負荷圧と前記容量とに基づいて、前記制御信号を求め、この求められた前記制御信号を前記斜板駆動手段(28)に対して出力すること
    を特徴とする冷却用ファンの駆動制御装置。
  2. 前記ファン目標回転数から前記油圧ポンプ(2)の前記負荷圧を求める第1のマップを予め記憶するとともに、
    前記油圧ポンプ(2)の前記負荷圧前記油圧ポンプ(2)の前記容量とに基づいて、前記制御信号を求める第2のマップを予め記憶し、
    これら前記第1のマップ前記第2のマップの記憶内容に応じて、前記制御信号を求めること
    を特徴とする請求項1記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
  3. 前記斜板駆動手段(28)は、前記油圧ポンプ(2)の吐出圧に応じた力で前記油圧ポンプ(2)の前記斜板(2a、18)を押動して前記斜板(2a、18)を最大容量側に傾動させる第1のピストン(29)と、制御圧に応じた力で前記油圧ポンプ(2)の前記斜板(2a、18)を押動して前記斜板(2a、18)を最小容量側に傾動させる第2のピストン(3)とを含み、
    前記制御手段(30、6)は、前記第2のピストン(3)に対して前記制御圧を出力する制御弁(6)を含むこと
    を特徴とする請求項1記載の冷却用ファンの駆動制御装置。
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