JP4647146B2 - 建設機械の駆動装置、建設機械及び建設機械の駆動プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧ショベル等の建設機械の駆動装置、建設機械及び建設機械の駆動プログラムに係わり、特に、電動アクチュエータを用いた電気駆動式の建設機械の駆動装置、建設機械及び建設機械の駆動プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネ等の観点からアクチュエータとして電動アクチュエータを用いた電気駆動式の建設機械の検討が進められている。ここで、電動アクチュエータとしては、例えば電動機で直接旋回等の被駆動部材を駆動するもの、電動機で油圧ポンプを回転して油圧アクチュエータを駆動するものなど、種々の方式がある。例えば特開2000−283107号公報には両者の混合方式が提案されており、特開2001−10783号公報には電動機で直接旋回装置を駆動する方式が提案されている。このような電気駆動式建設機械では、操作レバー装置として電気レバー方式を用い、その操作指令信号をコントローラで演算処理しインバータを介して各電動アクチュエータを駆動制御する。
【0003】
また、操作レバー装置として電気レバー方式を用い、その操作指令信号をコントローラで演算処理して油圧ポンプの吐出量を制御し、アクチュエータを制御するものとして特開昭58−72762号公報に記載の油圧駆動装置の制御装置がある。このものでは、可変容量型の油圧ポンプと油圧モータとを閉回路若しくは半閉回路で接続し、油圧ポンプの吐出量を制御することにより、操作レバーの操作量に応じて駆動圧力及び流量の最大値を規定する所定の圧力流量制御パターンとなるよう制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
【0005】
特開2000−283107号公報や特開2001−10783号公報に記載されるような電気駆動式の建設機械において、操作レバー装置から出力される操作指令信号に基づいて各電動アクチュエータを駆動制御する場合、その操作指令信号をコントローラで演算処理しなければならない。そのとき、操作指令信号(レバー操作量)と電動アクチュエータの目標速度及び目標出力トルクとの関係を適切に設定し、目標速度に至る前は目標トルクになるように制御しかつ目標速度に近づくと目標速度になるように制御し、その間を滑らかにつなげ、加減速度の急変のない良好な操作性を得る必要がある。しかし、特開2000−283107号公報や特開2001−10783号公報ではその点についての検討がされていないか不十分である。特に、特開2001−10783号公報では旋回用の電動アクチュエータの目標速度信号と実速度信号の偏差(速度偏差)を用いてトルク制御を行っているが、目標トルクと最大加速トルクと旋回速度との関係の検討がなされておらず、トルク制御から目標速度への制御の移行が適切に行えず加減速度が急変する可能性がある。また、旋回以外のアクチュエータに適用した場合は、速度偏差が急に大きくなったときに急に大きなトルクが生じ、この点でも加減速度が急変する可能性がある。
【0006】
特開昭58−72762号公報では、操作レバーの操作量を一定にして加減速する際、操作レバーの操作量に対応した速度になるまでは一定の加減速度で加減速が継続し、操作レバーの操作量に対応する速度に達した途端に加減速度がゼロになるという経過を辿り、ショックが発生して操作フィーリングを損ねる場合がある。これを操作によって防止しようとすると、目標速度に近づくに従って操作レバーを微妙に操作して加減速度を微少にコントロールすることが必要になり、オペレータの負担を増すことになる。
【0007】
本発明の第1の目的は、油圧ショベル等の建設機械において、トルク制御から目標速度への制御へ移行が適切に行え、電動アクチュエータの加減速度の急変を防止して操作性を向上することのできる建設機械の駆動装置、建設機械及び建設機械の駆動プログラムを提供することである。
【0008】
本発明の第2の目的は、電動アクチュエータの駆動方向や加速中か減速中かに応じて最適の特性を付与することを可能にし、更に良好な操作性を得ることのできる建設機械の駆動装置を提供することである。
【0009】
本発明の第3の目的は、電動アクチュエータ毎に最適の加速・減速の特性を付与することを可能にし、更に良好な操作性を得ることのできる建設機械の駆動装置を提供することである。
【0010】
本発明の第4の目的は、電動アクチュエータの目標速度信号と実速度信号の偏差を用いてトルク制御を行う場合に、その速度偏差が急に大きくなっても円滑に電動アクチュエータを駆動することができる建設機械の駆動装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、電動アクチュエータ、この電動アクチュエータに対する操作指令信号を出力する操作指令手段、電力供給手段、この電力供給手段からの電力により前記電動アクチュエータを駆動する電力変換手段を備え、前記操作指令手段からの操作指令信号に応じて前記電力変換手段に作動指令信号を出力し前記電動アクチュエータを駆動する建設機械の駆動装置において、前記操作指令手段からの操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき前記電動アクチュエータの目標速度信号を出力する目標速度信号発生手段と、前記電動アクチュエータの実際の速度を検出し実速度信号を出力する実速度信号発生手段と、前記目標速度信号と前記実速度信号との差を演算し速度偏差信号を出力する速度偏差信号発生手段と、前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき第1の目標出力トルク信号を出力する第1の目標出力トルク信号発生手段と、前記速度偏差信号に対して予め定められた関数関係に基づき第2の目標出力トルク信号を出力する第2の目標出力トルク信号発生手段と、前記第1及び第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方の目標出力トルク信号を目標値として選択する目標信号選択手段とを備え、前記目標信号選択手段で選択した目標値に基づいて前記電力変換手段に前記作動指令信号を出力することにより前記電動アクチュエータの駆動を制御するものとする。
【0012】
このように目標速度信号発生手段、実速度信号発生手段、速度偏差信号発生手段、第1の目標出力トルク信号発生手段、第2の目標出力トルク信号発生手段、目標信号選択手段を設け、目標速度信号から求めた第1の目標出力トルク信号と速度偏差信号から求めた第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方のものを目標値として選択し、電動アクチュエータを駆動することにより、例えば電動アクチュエータの加速操作時、駆動初期は第1の目標出力トルク信号<第2の目標出力トルク信号となり、第1の目標出力トルク信号に応じて電動アクチュエータは加速され、操作指令手段の操作量に応じて電動アクチュエータを増速でき、オペレータの操作フィーリングに合った加速感が得られる。また、その後、第1の目標出力トルク信号>第2の目標出力トルク信号になると第2の目標出力トルク信号に応じて電動アクチュエータの速度は増大し、このとき、速度偏差信号は実速度信号が目標速度信号に近づくにしたがい0に近づくため、第2の目標出力トルク信号も実速度信号が目標速度信号に近づくにしたがい小さくなり、実速度信号が目標速度信号に達すると加速は0となる。このため、トルク制御から目標速度への制御の移行が適切に行え、電動アクチュエータはショックを生じることなく目標速度まで加速され、電動アクチュエータの加減速度の急変を防止して操作性を向上することができる。
【0013】
(2)また、上記第2の目的を達成するため、本発明は、上記(1)の駆動装置において、前記第1及び第2の目標出力トルク信号発生手段は、前記電動アクチュエータの駆動方向に応じて、かつそれが加速される場合と減速される場合とでそれぞれ異なる関数関係に基づき前記第1及び第2の目標出力トルク信号を演算するものとする。
【0014】
これにより電動アクチュエータの駆動方向や加速中か減速中かに応じて最適の特性を付与することが可能となり、更に良好な操作性を得ることができる。
【0015】
(3)更に、上記第3の目的を達成するために、本発明は、上記(1)の駆動装置において、前記電動アクチュエータは複数あり、これに対応して前記操作指令手段、電力変換手段、目標速度信号発生手段、実速度信号発生手段、速度偏差信号発生手段、第1の目標出力トルク信号発生手段、第2の目標出力トルク信号発生手段、目標信号選択手段も複数あり、前記複数の第1及び第2の目標出力トルク信号発生手段は、前記複数の電動アクチュエータのそれぞれに対応した異なる関数関係に基づき前記第1及び第2の目標出力トルク信号を演算するものとする。
【0016】
これにより電動アクチュエータ毎に最適の加速・減速の特性を付与することが可能となり、更に良好な操作性を得ることができる。
【0017】
(4)また、上記第4の目的を達成するために、本発明は、上記(1)において、前記目標速度信号発生手段は、前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づいて演算した目標速度信号にその時間的変化割合を所定の値に制限する処理を行い、その処理を行った値を前記目標速度信号として出力するものとする。
【0018】
このように目標速度信号の時間的変化割合を所定の値に制限することにより、操作指令手段の急操作などで目標速度と実速度の偏差が急に大きくなっても、目標速度信号と実速度信号の差である速度偏差信号は所定の値に制限され、電動アクチュエータの速度の急変が防止され、より円滑に電動アクチュエータを駆動することができる。
【0019】
(5)また、上記(1)において、好ましくは、前記実速度信号に対して予め定められた関数関係に基づき許容最大トルク信号を発生する第3の目標出力トルク信号発生手段を更に備え、前記目標信号選択手段は、前記第1及び第2の目標出力トルク信号と前記許容最大トルク信号のうち絶対値が最も小さいものを目標値として選択する。
【0020】
これにより第1及び第2の目標出力トルク信号が許容最大トルク信号より大きい場合は目標値は許容最大トルク信号に制限され、電動アクチュエータの出力トルクが定格トルクを越えることが防止され、電動アクチュエータの寿命を向上できる。
【0021】
(6)また、上記第1の目的を達成するために、本発明は、電動アクチュエータ、この電動アクチュエータに対する操作指令信号を出力する操作指令手段、電力供給手段、この電力供給手段からの電力により前記電動アクチュエータを駆動する電力変換手段を備え、前記操作指令手段からの操作指令信号に応じて前記電力変換手段に作動指令信号を出力し前記電動アクチュエータを駆動する駆動装置を有する建設機械において、前記操作指令手段からの操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき前記電動アクチュエータの目標速度信号を出力する目標速度信号発生手段と、前記電動アクチュエータの実際の速度を検出し実速度信号を出力する実速度信号発生手段と、前記目標速度信号と前記実速度信号との差を演算し速度偏差信号を出力する速度偏差信号発生手段と、前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき第1の目標出力トルク信号を出力する第1の目標出力トルク信号発生手段と、前記速度偏差信号に対して予め定められた関数関係に基づき第2の目標出力トルク信号を出力する第2の目標出力トルク信号発生手段と、前記第1及び第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方の目標出力トルク信号を目標値として選択する目標信号選択手段とを備え、前記目標信号選択手段で選択した目標値に基づいて前記電力変換手段に前記作動指令信号を出力することにより前記電動アクチュエータの駆動を制御するものとする。
【0022】
これにより上記(1)で述べたように、電動アクチュエータはショックを生じることなく目標速度まで加速され、電動アクチュエータの加減速度の急変を防止して操作性を向上することができる。
【0023】
(7)更に、上記第1の目的を達成するために、本発明は、電動アクチュエータ、この電動アクチュエータに対する操作指令信号を出力する操作指令手段、電力供給手段、この電力供給手段からの電力により前記電動アクチュエータを駆動する電力変換手段を備えた建設機械で、前記操作指令手段からの操作指令信号に応じて前記電力変換手段に作動指令信号を出力し前記電動アクチュエータを駆動するためにコンピュータを、前記操作指令手段からの操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき前記電動アクチュエータの目標速度信号を出力する目標速度信号発生手段、前記目標速度信号と前記電動アクチュエータの実際の速度を検出する実速度信号発生手段からの実速度信号との差を演算し速度偏差信号を出力する速度偏差信号発生手段、前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき第1の目標出力トルク信号を出力する第1の目標出力トルク信号発生手段、前記速度偏差信号に対して予め定められた関数関係に基づき第2の目標出力トルク信号を出力する第2の目標出力トルク信号発生手段、前記第1及び第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方の目標出力トルク信号を目標値として選択する目標信号選択手段、として機能させ、前記目標信号選択手段で選択した目標値に基づいて前記電力変換手段に前記作動指令信号を出力することにより前記電動アクチュエータの駆動を制御するための建設機械の駆動プログラムを提供する。
【0024】
これにより上記(1)で述べたように、電動アクチュエータはショックを生じることなく目標速度まで加速され、電動アクチュエータの加減速度の急変を防止して操作性を向上することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施の形態に係わる建設機械の駆動装置の全体構成を示す図である。
【0027】
図1において、本実施の形態に係わる建設機械の駆動装置は、建設機械の所用部材を駆動する電動アクチュエータ1〜6と、電動アクチュエータ1〜6に対する操作指令信号を出力する電気式操作レバー装置7〜12と、電動アクチュエータ1〜6を駆動する電力を制御するインバータ13〜18と、電動アクチュエータ1〜6の実際の速度を検出して実速度信号を出力する回転数センサ19〜24と、電動アクチュエータ1〜6駆動する電力をインバータ13〜18に供給するバッテリ25と、インバータ13〜18に対する作動指令信号を生成し出力するコントローラ26と、バッテリ25に電力を充電する発電機27と、発電機27を回転させるエンジン28とを備えている。
【0028】
本実施の形態の駆動装置が係わる建設機械は例えば油圧ショベルであり、電動アクチュエータ1〜6は例えば油圧ショベルのブーム、アーム、バケット、左走行、右走行、旋回の各アクチュエータであり、操作レバー装置7〜12はブーム、アーム、バケット、左走行、右走行、旋回の各操作指令信号を出力する。また、電動アクチュエータ1〜6はそれ自身が直接ブーム、アーム、バケット、左走行、右走行、旋回を駆動するものであってもよいし、電動アクチュエータで油圧ポンプを駆動し、この油圧ポンプの吐出油で油圧アクチュエータを駆動し、ブーム、アーム、バケット、左走行、右走行、旋回を駆動するものであってもよい。
電動アクチュエータとしては、通常、電動機を用いる。
【0029】
図2にコントローラ26の処理機能をフローチャートで示す。図2において、コントローラ26はアクチュエータ1〜6に対応して手順101〜106で順次それぞれの処理を行い、手順107でアクチュエータ1〜6に対応するインバータ13〜18にそれぞれ指令を出力し、アクチュエータ1〜6に所望の作動を行わせる。
【0030】
図3に手順101〜106の処理の詳細をフローチャートで示し、図4に手順107の処理の詳細をフローチャートで示す。これらフローチャートでは、各アクチュエータに付された番号1〜6を「i」で代表して示している。
【0031】
図3において、まず、手順108で電気式操作レバー装置7〜12の操作指令信号Xi、回転数センサ19〜24の実速度信号Viを読込む。次いで、手順109で操作指令信号Xiから目標速度信号Vri0を求める。この演算は、操作指令信号Xiに対して予め定められた図5に示すような目標速度信号Vri0の関数関係A1,B1,C1,D1,E1,F1をコントローラ26の記憶装置に記憶しておき、この関数関係を用いて行う。ここで、関数関係A1,B1,C1は操作指令信号Xiが正の場合のもの、関数関係D1,E1,F1は操作指令信号Xiが負の場合のものであり、例えば、アクチュエータ1,2に対しては関数関係C及びFを、アクチュエータ3,4,5に対しては関数関係B及びEを、アクチュエータ6に対しては関数関係A及びDを使用する。正負の符号は例えば前進走行方向であれば+、後進走行方向であれば−、あるいは左方向旋回ならば+、右方向旋回であれば−、クラウド方向であれば−、ダンプ方向であれば+というように、操作方向あるいは作動方向を表す。これは以下の説明で用いる図6〜図15についても同様である。
【0032】
次に、手順110で目標速度信号Vri0と実速度信号Viとの差信号(速度偏差信号)ΔViを演算し、手順111に移り、速度偏差信号ΔViの絶対値と予め定められた許容値δiとの大小関係を比較する。その結果、信号ΔViの絶対値が許容値δi以下であれば手順113へ、信号ΔViの絶対値が許容値δiより大きければ手順112に進む。手順112では、信号ΔViの正負を判別し、ΔVi<0であれば手順114へ、ΔVi>0であれば手順115へ移る。手順113では目標速度信号Vri0をそのまま有効目標速度信号VriとするVri=Vri0の処理を行い、手順114では前回の有効目標速度信号Vriから規定時間毎の増分ΔSiを差し引いてVri=Vri(前回)−ΔSi、手順115では前回の有効目標速度信号Vriに規定時間毎の増分ΔSiを加算してVri=Vri(前回)+ΔSiの演算を行い、それぞれ今回の有効目標速度信号Vriとする。次に、手順110Aで改めて有効目標速度信号Vriと実速度信号Viとの差信号(速度偏差信号)ΔViを演算する。
【0033】
ここで、目標速度信号Vri0をそのまま使用せず有効目標速度信号Vriに置き換えて速度偏差信号ΔViを演算するのは、有効目標速度信号Vriの変化割合の最大値をΔSiとすることで目標速度信号Vri0の時間的変化を予め定められた値に制限し、オペレータが操作レバー装置の操作レバーを急操作し操作指令信号Xiの変化(手順110で演算されたΔVi)が大き過ぎるときのアクチュエータ速度の急変を防止するためである。なお、アクチュエータの特性によってはこの処理は必要でないアクチュエータがあり、このようなアクチュエータに対しては手順111〜110Aは省略することができる。
【0034】
次に、各アクチュエータに指令する目標トルクを求める手順に移る。この演算は、操作指令信号Xiに対して予め定められた図6〜図9に示すような目標トルクTri1の関数関係A2〜C2;A3〜C3;D2〜F2;D3〜F3、速度偏差信号ΔViに対して予め定められた図10〜図13に示すような目標トルクTri2の関数関係A4〜C4;D4〜F4;A5〜C5;D5〜F6、実速度信号Viに対して予め定められた図14及び図15に示すような許容最大トルクTri3の関数関係A6〜C6;A7〜C7;D6〜F6;D7〜F7をコントローラ26の記憶装置に記憶しておき、この関数関係を用いて行う。この場合も、関数関係A2〜A7,B2〜B7,C2〜C7は操作指令信号Xi、速度偏差信号ΔVi、実速度信号Viが正の場合のもの、関数関係D2〜D7,E2〜E7,F2〜F7は操作指令信号Xi、速度偏差信号ΔVi、実速度信号Viが負の場合のものである。
【0035】
まず、手順116で操作指令信号Xiの正負を判別し、正であれば手順117で速度偏差信号ΔViの正負を判別し、ΔVi≧0であればアクチュエータ作動指令方向が正の方向であり、かつ加速中であると判断して手順119へ、ΔVi<0であればアクチュエータ作動指令方向が正の方向であり、かつ減速中であると判断して手順123へ移る。手順116で操作指令信号Xiが負であれば手順118で速度偏差信号ΔViの正負を判別し、ΔVi>0であればアクチュエータ作動指令方向が負の方向であり、かつ減速中であると判断して手順127へ、ΔVi≦0であればアクチュエータ作動指令方向が負の方向であり、かつ加速中であると判断して手順131へ移る。
【0036】
手順119では図6に示した関数関係により操作指令信号Xiから目標トルクTri1を求め、次に手順120で図10に示した関数関係により速度偏差信号ΔViから目標トルクTri2を求める。ここで、例えばアクチュェータ1〜3に対しては図6及び図10の関数関係B2,B4により、アクチュェータ4,5に対しては図6及び図10の関数関係C2,C4により、アクチュェータ6に対しては図6及び図10の関数関係A2,A4により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応したトルク特性を選択することができる。続いて手順121で図14に示した関数関係により、主として使用動力を各アクチュエータの仕様に基づく最大出力以内に制限する観点から、実速度信号Viに対して許容できる絶対値として最大となるトルク値Tri3を求める。ここでも例えばアクチュエータ1,2に対しては図14の関数関係C6により、アクチュエータ3〜5に対しては図14の関数関係B6により、アクチュェータ6に対しては図14の関数関係A6により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応した特性を選択することができる。続いて手順122で、以上のようにして求めたTri1,Tri2,Tri3のうち絶対値が最も小さいもの、即ち全て正の値であることから符号を考慮した最小値を選択して最終的な目標トルクTri0とする。
【0037】
手順123では図7に示した関数関係により操作指令信号Xiから目標トルクTri1を求め、次に手順124で図11に示した関数関係により速度偏差信号ΔViから目標トルクTri2を求める。ここで、例えばアクチュエータ1〜3に対しては図7及び図11の関数関係B3,E4により、アクチュエータ4,5に対しては図7及び図11の関す関係C3,F4により、アクチュェータ6に対しては図7及び図11の関数関係A3,D4により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応した特性を選択することができる。続いて手順125で図15に示した関数関係により、主として使用動力を各アクチュエータの仕様に基づく最大出力以内に制限する観点から、実速度信号Viに対して許容できる絶対値として最大となるトルク値Tri3を求める。ここでも例えばアクチュエータ1,2に対しては図15の関数関係C7により、アクチュエータ3〜5に対しては図15の関数関係B7により、アクチュェータ6に対しては図15の関数関係A7により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応した特性を選択することができる。続いて手順126で、以上のようにして求めたTri1,Tri2,Tri3のうち絶対値が最も小さいもの、即ち全て負の値であることから符号を考慮した最大値を選択して最終的な目標トルクTri0とする。
【0038】
同様に、手順127では図8に示した関数関係により操作指令信号Xiから目標トルクTri1を求め、次に手順128で図12に示した関数関係により速度偏差信号ΔViから目標トルクTri2を求める。ここで、例えばアクチュエータ1〜3に対しては図8及び図12の関数関係E2,B5により、アクチュェータ4,5に対しては図8及び図12の関数関係F2,C5により、アクチュェータ6に対しては図8及び図12の関数関係D2,A5により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応した特性を選択することができる。続いて手順129で図15に示した関数関係により、主として使用動力を各アクチュエータの仕様に基づく最大出力以内に制限する観点から、実速度信号Viに対して許容できる絶対値として最大となるトルク値Tri3を求める。ここでも例えばアクチュエータ1,2に対しては図15の関数関係F7により、アクチュエータ3〜5に対しては図15の関数関係E7により、アクチュェータ6に対しては図15の関数関係D7により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応した特性を選択することができる。続いて手順130で、以上のようにして求めたTri1,Tri2,Tri3のうちの絶対値の小さい方、即ち全て正の値であることから符号を考慮した最小値を選択して最終的な目標トルクTri0とする。
【0039】
手順131では図9に示した関数関係により操作指令信号Xiから目標トルクTri1を求め、次に手順132で図13に示した関数関係により速度偏差信号ΔViから目標トルクTri2を求める。ここで例えばアクチュエータ1〜3に対しては図9及び図13の関数関係E3,E5により、アクチュエータ4,5に対しては図9及び図13の関数関係F3,F5により、アクチュェータ6に対しては図9及び図13の関数関係D3,D5により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応したトルク特性を選択することができる。続いて手順133で図14に示した関数関係により、主として使用動力を各アクチュエータの仕様に基づく最大出力以内に制限する観点から、実速度信号Viに対して許容できる絶対値として最大となるトルク値Tri3を求める。ここでも例えばアクチュエータ1,2に対しては図14の関数関係F6により、アクチュエータ3〜5に対しては図14の関数関係E6により、アクチュェータ6に対しては図14の関数関係D6により求めるものとし、これにより各アクチュエータに相応した特性を選択することができる。続いて手順134で、以上のようにして求めたTri1,Tri2,Tri3のうち絶対値が最も小さいもの、即ち全て負の値であることから符号を考慮した最大値を選択して最終的な目標トルクTri0とする。
【0040】
図16は以上の処理を機能ブロック図で示すものである。ただし、図16では、手順111〜115,110Aの処理は省略した。図16に示す各ブロックと図3及び図4に示したフローチャートの各手順との対応は次のようである。
【0041】
ブロック31:手順109
ブロック32:手順110又は手順110A
ブロック34:手順119,123,127,131
ブロック35:手順120,124,128,132
ブロック36:手順121,125,129,133
ブロック37:手順122,126,130,134
ブロック38:手順141〜136(図4)
以上を「i」に関して1から6まで繰り返すことにより、各アクチュエータに必要とされている所要トルク値Tr10からTr60を求めることができる。
【0042】
次に、図2の手順107において、図4に示すような処理を行う。
【0043】
まず手順141で各アクチュエータが必要としているトルク値Tri0と各アクチュエータの実速度信号Viから、各アクチュエータが必要としている所要動力を求め、その全てを加算した合計所要動力Hを求める。このとき、各アクチュエータ毎に加速状態にあるアクチュエータではその所要動力を正の値として、また、減速状態にあるアクチュエータでは負の値として求める。次に手順142に移り、アクチュェータ1から6までを駆動するために許容される合計動力(バッテリ25の容量とエンジン28の出力とで決まる動力)H0と比較し、H≦H0であれば手順143に移り、α=1として手順145に移る。手順142でH>H0であれば手順144に移り、α=H0/Hを求めて手順145に移る。手順145では各アクチュエータにて許容されるTri=α×Tri0を求める。次に手順146に移り、求められたTriを該当するインバータ13〜18にそれぞれのトルク指令値として出力する。
【0044】
以上のように構成した本実施の形態においては、例えば、電動アクチュエータ1の駆動を意図して操作レバー装置7の操作レバーを操作すると、コントローラ26では図3の例えば手順119,120,121において目標トルクTri1,Tri2と許容最大トルクTri3が計算され、そのうちの絶対値が最も小さいもの、即ちそれらの最小値を選択して最終的な目標トルクTri0とし、この目標トルクTri0が得られるようインバータ13を制御し、電動アクチュエータ1を制御する。
【0045】
図17に、目標トルクTri1,Tri2の小さい方を選択する場合の最終的な目標トルクTri0(電動アクチュエータ1の出力トルク)と電動アクチュエータ1の実速度Viの経時的変化を示す。操作レバーの操作直後はTri1<Tri2で目標トルクTri0としてTri1が選択され、電動アクチュエータ1は目標トルクTri1に応じて加速される。ここで目標トルクTri1は操作指令信号Xiから求められるものである。したがって、このときは操作レバーの操作量に応じて電動アクチュエータ1を増速でき、オペレータの操作フィーリングに合った加速感が得られる。その後、Tri1>Tri2になると目標トルクTri0としてTri2が選択され、電動アクチュエータ1の速度は目標トルクTri2に応じて増大する。ここで、目標トルクTri2は速度偏差信号ΔViから求められる値であり、速度偏差信号ΔViは電動アクチュエータ1の実速度Viが目標速度信号Vri0に近づくにつれて小さくなり、実速度Viが目標速度信号Vri0に達すると0となる。したがって、このときは電動アクチュエータ1の加速度は電動アクチュエータ1の実速度Viが目標速度信号Vri0に近づくにつれて小さくなり、実速度Viが目標速度信号Vri0に達すると0となり、電動アクチュエータ1はスムーズに目標速度まで加速される。
【0046】
図18に、比較例として、操作指令信号Xiから求めた目標トルクTri1のみで電動アクチュエータ1を制御する場合の目標トルクTri1(電動アクチュエータ1の出力トルク)と電動アクチュエータ1の実速度Viの経時的変化を示す。この場合は、操作レバーの操作量が一定であれば目標トルクTri1も一定であるため、電動アクチュエータ1の実速度Viが目標速度信号Vri0に達するまで電動アクチュエータ1は一定の加速度で増速し、電動アクチュエータ1の実速度Viが目標速度信号Vri0に達すると加速度は0となる。このため電動アクチュエータ1が目標速度に達したときに意図しないショックを発生し、操作フィーリングが損なわれる。
【0047】
なお、図示はしないが、速度偏差信号ΔViから求めた目標トルクTri2のみで電動アクチュエータ1を制御する場合は、操作レバーの操作直後もTri2(>Tri1)で目標トルクで加速されるため、加速度が過大となり、意図する以上のショックを発生し、やはり操作フィーリングが損なわれる。
【0048】
また、本実施の形態では、上記のように目標トルクTri1,Tri2だけでなく、これらと許容最大トルクTri3の最小値を選択して目標トルクTri0とする。このため、もし、目標トルクTri1,Tri2の小さい方の値が許容最大トルクTri3より大きい場合は、目標トルクTri0はTri3に制限され、電動アクチュエータ1の出力トルクが電動アクチュエータ1の仕様に基づく最大出力(定格トルク)を越えることが防止される。このため、電動アクチュエータ1はその定格トルクの範囲内で稼動することが保証され、電動アクチュエータ1の寿命を向上できる。
【0049】
更に、本実施の形態では、操作指令信号Xiから目標速度信号Vri0を求め、この目標速度信号Vri0から速度偏差信号ΔViを求めるとき、目標速度信号Vri0をそのまま使用するのではなく、手順111〜115で有効目標速度信号Vriに置き換えて速度偏差信号ΔViを演算する。ここで、有効目標速度信号Vriの増分はΔSiに制限されている。このため、オペレータが操作レバーを急操作し操作指令信号Xiの変化(手順110で演算されたΔVi)が大きくなり過ぎる場合など、速度偏差が急に大きくなったとしても、手順120で使用される速度偏差信号ΔViはΔSiに制限され、電動アクチュエータ1の速度の急変を防止することができ、より円滑に電動アクチュエータ1を駆動することができる。
【0050】
以上は電動アクチュエータ1を正の方向に駆動した場合の加速時について述べたが、負の方向に駆動した場合或いは減速時も同様である。
【0051】
また、本実施の形態では、図6〜図15に示したように、操作指令信号Xi、速度偏差信号ΔVi、実速度信号Viが正の場合には関数関係A2〜A7,B2〜B7,C2〜C7を用い、負の場合は関数関係D2〜D7,E2〜E7,F2〜F7を用いると共に、電動アクチュエータが加速中は関数関係A2,B2,C2;A4,B4,C4;D3,E3,F3;D5,E5,F5;A6,B6,C6;D6,E6,F6を用い、電動アクチュエータが減速中は関数関係A3,B3,C3;D4,E4,F4;D2,E2,F2;A5,B5,C5;A7,B7,C7;D7,E7,F7を用いて目標トルクを計算し、電動アクチュエータをトルク制御するので、電動アクチュエータの駆動方向に応じ、また電動アクチュエータが加速中か減速中かに応じて最適の特性を付与することが可能となり、更に良好な操作性を得ることができる。
【0052】
更に、本実施の形態では、図6〜図15に示したように、電動アクチュエータ毎に異なる関数関係A2〜A7,B2〜B7,C2〜C7或いはD2〜D7,E2〜E7,F2〜F7を用いて目標トルクを計算し、電動アクチュエータをトルク制御するので、電動アクチュエータ毎に最適の加速・減速の特性を付与することができ、この点でも良好な操作性を得ることができる。
【0053】
以上のように本実施の形態によれば、電動アクチュエータはショックを生じることなく目標速度まで加速され、電動アクチュエータの加減速度の急変を防止して操作性を向上することができる。
【0054】
また、電動アクチュエータの駆動方向や加速中か減速中かに応じて最適の特性を付与することができ、更に良好な操作性を得ることができる。
【0055】
また、電動アクチュエータ毎に最適の加速・減速の特性を付与することができ、この点でも良好な操作性を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、トルク制御から目標速度への制御の移行が適切に行え、電動アクチュエータはショックを生じることなく目標速度まで加速され、電動アクチュエータの加減速度の急変を防止して操作性を向上することができる。
【0057】
また、本発明によれば、電動アクチュエータの駆動方向や加速中か減速中かに応じて最適の特性を付与することができ、更に良好な操作性を得ることができる。
【0058】
また、本発明によれば、電動アクチュエータ毎に最適の加速・減速の特性を付与することができ、この点でも良好な操作性を得ることができる。
【0059】
更に、本発明によれば、電動アクチュエータの目標速度と実速度の偏差が急に大きくなっても、目標速度信号と実速度信号の差である速度偏差信号は所定の値に制限されるため、円滑に電動アクチュエータを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる建設機械の駆動装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示したコントローラの処理機能を示すフローチャートである。
【図3】図2に示したフローチャートにおける各アクチュエータ処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】図2に示したフローチャートにおける各電力変換手段への出力指令処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】操作指令信号Xiに対して予め定められた目標速度信号Vri0の関数関係を示す図である。
【図6】操作指令信号Xiに対して予め定められた目標トルクTri1の関数関係を示す図である。
【図7】操作指令信号Xiに対して予め定められた目標トルクTri1の関数関係を示す図である。
【図8】操作指令信号Xiに対して予め定められた目標トルクTri1の関数関係を示す図である。
【図9】操作指令信号Xiに対して予め定められた目標トルクTri1の関数関係を示す図である。
【図10】速度偏差信号ΔViに対して予め定められた目標トルクTri2の関数関係を示す図である。
【図11】速度偏差信号ΔViに対して予め定められた目標トルクTri2の関数関係を示す図である。
【図12】速度偏差信号ΔViに対して予め定められた目標トルクTri2の関数関係を示す図である。
【図13】速度偏差信号ΔViに対して予め定められた目標トルクTri2の関数関係を示す図である。
【図14】実速度信号Viに対して予め定められた許容最大トルクTri3の関数関係を示す図である。
【図15】実速度信号Viに対して予め定められた許容最大トルクTri3の関数関係を示す図である。
【図16】図3に示した処理を示す機能ブロック図である。
【図17】目標トルクTri1,Tri2の小さい方を選択する場合の最終的な目標トルクTri0と電動アクチュエータの実速度の経時的変化を示す図である。
【図18】比較例として、操作指令信号から求めた目標トルクTri1のみで電動アクチュエータを制御する場合の目標トルクTri1と電動アクチュエータの実速度の経時的変化を示す図である。
【符号の説明】
1〜6 電動アクチュエータ
7〜12 電気式操作レバー装置(操作指令手段)
13〜18 インバータ(電力変換手段)
19〜24 回転数センサ(実速度信号発生手段)
25 バッテリ(電力供給手段)
26 コントローラ
Claims (7)
- 電動アクチュエータ、この電動アクチュエータに対する操作指令信号を出力する操作指令手段、電力供給手段、この電力供給手段からの電力により前記電動アクチュエータを駆動する電力変換手段を備え、前記操作指令手段からの操作指令信号に応じて前記電力変換手段に作動指令信号を出力し前記電動アクチュエータを駆動する建設機械の駆動装置において、
前記操作指令手段からの操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき前記電動アクチュエータの目標速度信号を出力する目標速度信号発生手段と、前記電動アクチュエータの実際の速度を検出し実速度信号を出力する実速度信号発生手段と、
前記目標速度信号と前記実速度信号との差を演算し速度偏差信号を出力する速度偏差信号発生手段と、
前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき第1の目標出力トルク信号を出力する第1の目標出力トルク信号発生手段と、
前記速度偏差信号に対して予め定められた関数関係に基づき第2の目標出力トルク信号を出力する第2の目標出力トルク信号発生手段と、
前記第1及び第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方の目標出力トルク信号を目標値として選択する目標信号選択手段とを備え、
前記目標信号選択手段で選択した目標値に基づいて前記電力変換手段に前記作動指令信号を出力することにより前記電動アクチュエータの駆動を制御することを特徴とする建設機械の駆動装置。 - 請求項1記載の建設機械の駆動装置において、前記第1及び第2の目標出力トルク信号発生手段は、前記電動アクチュエータの駆動方向に応じて、かつそれが加速される場合と減速される場合とでそれぞれ異なる関数関係に基づき前記第1及び第2の目標出力トルク信号を演算することを特徴とする建設機械の駆動装置。
- 請求項1記載の建設機械の駆動装置において、前記電動アクチュエータは複数あり、これに対応して前記操作指令手段、電力変換手段、目標速度信号発生手段、実速度信号発生手段、速度偏差信号発生手段、第1の目標出力トルク信号発生手段、第2の目標出力トルク信号発生手段、目標信号選択手段も複数あり、前記複数の第1及び第2の目標出力トルク信号発生手段は、前記複数の電動アクチュエータのそれぞれに対応した異なる関数関係に基づき前記第1及び第2の目標出力トルク信号を演算することを特徴とする建設機械の駆動装置。
- 請求項1記載の建設機械の駆動装置において、前記目標速度信号発生手段は、前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づいて演算した目標速度信号にその時間的変化割合を所定の値に制限する処理を行い、その処理を行った値を前記目標速度信号として出力することを特徴とする建設機械の駆動装置。
- 請求項1記載の建設機械の駆動装置において、前記実速度信号に対して予め定められた関数関係に基づき許容最大トルク信号を発生する第3の目標出力トルク信号発生手段を更に備え、前記目標信号選択手段は、前記第1及び第2の目標出力トルク信号と前記許容最大トルク信号のうち絶対値が最も小さいものを目標値として選択することを特徴とする建設機械の駆動装置。
- 電動アクチュエータ、この電動アクチュエータに対する操作指令信号を出力する操作指令手段、電力供給手段、この電力供給手段からの電力により前記電動アクチュエータを駆動する電力変換手段を備え、前記操作指令手段からの操作指令信号に応じて前記電力変換手段に作動指令信号を出力し前記電動アクチュエータを駆動する駆動装置を有する建設機械において、
前記操作指令手段からの操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき前記電動アクチュエータの目標速度信号を出力する目標速度信号発生手段と、前記電動アクチュエータの実際の速度を検出し実速度信号を出力する実速度信号発生手段と、
前記目標速度信号と前記実速度信号との差を演算し速度偏差信号を出力する速度偏差信号発生手段と、
前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき第1の目標出力トルク信号を出力する第1の目標出力トルク信号発生手段と、
前記速度偏差信号に対して予め定められた関数関係に基づき第2の目標出力トルク信号を出力する第2の目標出力トルク信号発生手段と、
前記第1及び第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方の目標出力トルク信号を目標値として選択する目標信号選択手段とを備え、
前記目標信号選択手段で選択した目標値に基づいて前記電力変換手段に前記作動指令信号を出力することにより前記電動アクチュエータの駆動を制御することを特徴とする建設機械。 - 電動アクチュエータ、この電動アクチュエータに対する操作指令信号を出力する操作指令手段、電力供給手段、この電力供給手段からの電力により前記電動アクチュエータを駆動する電力変換手段を備えた建設機械で、前記操作指令手段からの操作指令信号に応じて前記電力変換手段に作動指令信号を出力し前記電動アクチュエータを駆動するためにコンピュータを、
前記操作指令手段からの操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき前記電動アクチュエータの目標速度信号を出力する目標速度信号発生手段、
前記目標速度信号と前記電動アクチュエータの実際の速度を検出する実速度信号発生手段からの実速度信号との差を演算し速度偏差信号を出力する速度偏差信号発生手段、
前記操作指令信号に対して予め定められた関数関係に基づき第1の目標出力トルク信号を出力する第1の目標出力トルク信号発生手段、
前記速度偏差信号に対して予め定められた関数関係に基づき第2の目標出力トルク信号を出力する第2の目標出力トルク信号発生手段、
前記第1及び第2の目標出力トルク信号のうち絶対値が小さい方の目標出力トルク信号を目標値として選択する目標信号選択手段、
として機能させ、前記目標信号選択手段で選択した目標値に基づいて前記電力変換手段に前記作動指令信号を出力することにより前記電動アクチュエータの駆動を制御するための建設機械の駆動プログラム。
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