JP4294086B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、慣性体を動作させる電動機の出力トルクを操作端の操作に基づいて制御する電動機の制御装置に関する。
油圧ショベル、油圧クレーンの旋回動作や、ホイールローダの走行動作を始めとして、建設機械等の大きな慣性質量を有する慣性体を動作させる駆動装置には、油圧ポンプや油圧モータを用いた油圧駆動装置が多く採用されていた。近年、油圧エネルギを制御弁で絞り捨てるためにエネルギ損失が大きい油圧駆動装置を用いた油圧駆動方式に替えて、エネルギ損失の少ない電動機を用いた電動駆動方式が採用されつつある。電動駆動方式は、慣性体を減速させるときに電動機を発電機とし、減速の制動エネルギを回生できる利点もある。
しかしながら、従来の油圧駆動装置を用いた油圧駆動方式は、オペレータがレバーやペダル等の操作端を操作して慣性体の動作を制御する操作性が、人間の操作感覚に適合するように操作しやすく設計されているのに対して、電動機を用いた電動駆動方式は、油圧駆動方式のような操作性と操作感覚を実現することができず、オペレータが操作し難いという問題が生じている。
すなわち、油圧駆動方式では、操作端の操作でスプール弁のブリードオフ制御絞りやメータアウト制御絞りの開口面積を制御することにより、操作端の操作量と油圧モータの回転速度に応じて出力トルクが制御され、スムーズな慣性体の加速と減速および停止が行われるが、電動駆動方式の場合は、電動機の回転速度を制御すると、出力トルクを最大値として速度制御が行われるので、慣性体の加速や減速が急峻になり、油圧駆動方式のようなスムーズな操作性が得られず、オペレータの操作感覚も油圧駆動方式とかけ離れたものとなる問題がある。
このような問題を解消するために、電動駆動方式で建設機械等の慣性体を動作させるときの操作性や操作感覚を、油圧駆動方式のものに近づける研究開発が進められ、操作性や操作感覚を油圧駆動方式のものに近づけるように、電動機の出力トルクを操作端の操作に基づいて制御するいくつかの手段が提案されている(例えば、特許文献1−3参照)。
特許文献1に記載された電動駆動方式の旋回制御装置では、操作端の操作量が最大または最大近傍のときに最大加速トルク(力行トルク)が出力され、操作量が零または零近傍のときに最大制動トルク(回生トルク)が出力されるようにして、油圧駆動方式のように、操作端の中立位置で慣性体をスムーズに停止させるとともに、慣性体の旋回速度を検出する旋回速度センサを設けて、操作端の操作量に応じて予め設定された旋回速度と実際の旋回速度の偏差を求め、この偏差に応じた加速トルクまたは制動トルクを指令するようにして、旋回の加速や減速の過渡期に、オペレータの操作量通りのトルク制御特性が得られるようにしている。
特許文献2に記載された建設機械の駆動装置では、操作端の操作量に対して予め定められた関数関係に基づいて第1の目標トルクを算出するとともに、操作端の操作量に対して予め定められた関数関係に基づいて電動機の目標速度を算出して、この電動機の目標速度と実速度との速度偏差に対して予め定められた関数関係に基づいて第2の目標トルクを算出し、これらの第1および第2の目標トルクのうち絶対値が小さい方の目標トルクを目標値として、電動機の出力トルクを制御するようにしている。すなわち、特許文献2に記載されたものは、例えば、電動機の目標速度と実速度との速度偏差が大きくなる加速操作時には、オペレータの操作量に基づいて算出される第1の目標トルク(<第2の目標トルク)を目標値とし、電動機の速度が増大して速度偏差が小さくなったときは、速度偏差に基づいて算出される第2の目標トルク(<第1の目標トルク)を目標値とすることにより、特許文献1に記載されたものと同様に、加速の過渡期等にオペレータの操作量通りのトルク制御特性が得られるようにしている。特許文献2に記載されたものでは、電動機の実速度に対して予め定められた関数関係に基づいて算出した許容最大トルクを第3の目標トルクとし、第1および第2の目標トルクに第3の目標トルクも含めて、これらの目標トルクのうち絶対値が最も小さいものを目標トルクとし、電動機の過負荷を防止することも提案している。
また、特許文献3に記載されたものでは、電動機を制御するコントローラ内に、油圧駆動装置の動特性をリアルタイムでシミュレーションするエミュレーションモデルを組み込み、操作端の操作に応じてエミュレーションモデルで制御目標値を演算して、電動機を制御するようにしている。
特開2001−10783号公報 特開2003−33063号公報 特開2003−333876号公報
特許文献1に記載されたものは、電動機の最大出力トルクに制限を加えて、旋回速度の偏差に応じた加速トルクまたは制動トルクを指令するという簡単なアルゴリズムで電動機を制御できるが、後述するように、油圧駆動装置では、操作端の操作によってスプール弁のブリードオフ制御絞りの開口面積を制御することにより、このブリードオフ開口面積とブリードオフ流量(=ポンプ流量−モータ流量)の関数として、ブリードオフ圧力やメータアウト圧力を圧力制御しているので、油圧駆動装置の制御特性とは異なり、その操作性や操作感覚も油圧駆動方式のものと異なる問題がある。
特許文献2に記載されたものは、操作量に基づく第1の目標トルクと、電動機の速度偏差に基づく第2の目標トルクのうちの絶対値が小さいほうの目標トルクを目標値として電動機の出力トルクを制御すると記載され、表現は異なるが、基本的には、操作量に対して出力されるトルクに最大値の制限を加えて、速度偏差に基づいたトルク制御を行い、結果として両方から演算されるトルクの小さいほうが選択される特許文献1に記載されたものと同じ技術である。したがって、特許文献2に記載されたものも油圧駆動装置の制御特性とは異なり、その操作性や操作感覚が油圧駆動方式のものと異なる。
一方、特許文献3に記載されたものは、操作性や操作感覚を油圧駆動方式のものにかなり近づけることができるが、複雑なアルゴリズムのエミュレーションモデルをリアルタイムで演算する必要があるので、制御モデルが複雑で長い演算時間を要するものとなり、制御の応答時間が長くなって、きめ細かな制御ができない問題がある。また、複雑なアルゴリズムのエミュレーションモデルを組み込むために、非常に高性能なコントローラを必要とする問題もある。
そこで、本発明の課題は、簡単なアルゴリズムに基づく制御で、油圧駆動方式と同様の操作性と操作感覚を得ることができる電動機の制御装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、慣性体を動作させる電動機の回転駆動を少なくとも操作量を可変とする操作端の操作によって制御し、前記操作端の操作量を検出する操作検出手段と、前記電動機の回転方向と回転速度を検出する回転検出手段と、これらの操作検出手段と回転検出手段の各検出値に基づいて、前記電動機が負担すべき目標トルクを演算する演算手段と、前記電動機の出力トルクを前記目標トルクの方向と大きさに制御する電動機制御手段とを備え、前記出力トルクが電動機の電動機機能としての力行トルクと発電機機能としての回生トルクからなる電動機の制御装置において、前記演算手段に、前記力行トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込んだ構成を採用した。
すなわち、目標トルクを演算する演算手段に、力行トルクが、操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込むことにより、以下に説明するように、油圧駆動方式におけるブリードオフ圧力の制御と同様の制御特性を持たせて、オペレータが目標とする動作速度に制御しやすくし、簡単なアルゴリズムに基づく制御で、油圧駆動方式と同様の操作性と操作感覚を得ることができるようにした。
図7に示すような、スプール弁51を操作することにより油圧ポンプ52で油圧モータ53を駆動する油圧駆動装置では、油圧モータ53のメータイン圧力Pとメータアウト圧力Pとの有効差圧が油圧モータトルクとなる。メータイン圧力Pの方が高い場合は油圧モータ53を駆動する駆動圧力、メータアウト圧力Pの方が高い場合は油圧モータ53を制動する制動圧力となる。
図8に示すように、操作端の操作量が大きくなると、前記油圧駆動装置のスプール弁51のブリードオフ制御絞り51aの開口面積が小さくなり、ブリードオフ圧力Pが高くなるとともにメータイン圧力Pが高くなって油圧モータ53の駆動圧力が大きくなり、同じ操作量でも油圧モータ53の回転速度が大きいほど、メータイン圧力Pが低くなって駆動圧力が小さくなるように制御される。したがって、油圧モータ53の回転速度が上昇すると駆動圧力が次第に小さくなり、駆動系の摩擦または油圧配管系統やスプール弁51の圧損による駆動抵抗と見合う値で慣性体の加速がなくなって、オペレータが目標とする動作速度に制御される。よって、上記アルゴリズムを組み込むことにより、このような油圧駆動方式のブリードオフ制御絞り51aによるメータイン圧力Pの制御と同様の制御特性を持たせることができる。
なお、図7に示したスプール弁51のメータイン制御絞り51bは、同一の油圧ポンプ52で他のアクチュエータを作動させる場合に、油圧モータ53のメータイン圧力Pを制御するためや、油圧モータ53の駆動圧力に抵抗をつけるためのものであり、油圧駆動方式はブリードオフ制御絞り51aによるメータイン圧力Pの制御によって駆動圧力を制御することが基本制御特性となっている。
前記演算手段に、前記回生トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込むことにより、油圧駆動方式のメータアウト圧力の制御と同様の制御特性を持たせて、さらに油圧駆動方式と同様の操作性と操作感覚を得られるようにすることができる。
すなわち、図7に示したような油圧駆動装置では、図9に示すように、スプール弁51のメータアウト制御絞り51cは、操作端の操作量が零からある値になると開口し始めて、操作量の増加に伴って開口面積が大きくなる。この状態で操作量を小さくするように戻すと、メータアウト圧力Pが高くなり、同じ操作量では、油圧モータ53の回転速度が小さくなるとメータアウト圧力Pは低くなるように制御される。したがって、油圧モータ53のある回転速度から操作端の操作量を戻すと、回転速度が大きな時点では制動圧力が大きく、回転速度が低下するにつれて制動圧力が小さくなり、制動抵抗や駆動系の摩擦が駆動圧力と見合う値で慣性体の減速がなくなって、オペレータが目標とする動作速度に制御される。よって、上記アルゴリズムを組み込むことにより、このような油圧駆動方式のメータアウト圧力Pの制御と同様の制御特性を持たせることができる。
前記操作端が操作量のほかに操作方向をプラスマイナス両方向に可変として、前記電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動するものである場合は、前記操作検出手段を前記操作端の操作量とプラスマイナスの操作方向を検出するものとし、前記演算手段に、前記力行トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込むか、または、さらに、前記回生トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込み、前記演算手段に、前記操作端の操作方向と前記電動機の回転方向とが逆方向のときに、前記力行トルクを零、前記回生トルクを最大値とするアルゴリズムを組み込むことにより、ホイールローダの走行制御のように、操作端としてのペダルの操作で電動機を一方向に回転させるものだけでなく、ショベルやクレーンの旋回制御のように、操作端としてのレバーの操作で電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動させるものにも適用することができ、油圧駆動方式と同様に、操作端の操作量が中立範囲にあるときに、停止保持用の中立ブレーキ機能を持たせるとともに、操作端の操作方向が電動機の回転方向とが逆方向のときに、慣性体を大きな制動トルクで減速して停止させ、例えば、慣性体を坂道発進させたり、慣性体を傾斜地で上向き旋回させたりする際に、パーキングブレーキが外れたときの慣性体の下降を防止することができる。なお、慣性体が停止して電動機自体も停止すると、電動機は操作端の逆方向への操作量に応じた駆動トルクを出力して、慣性体を逆回転方向へ加速する。
すなわち、図7に示したような油圧駆動装置では、スプール弁51が中立のときにメータイン制御絞り51bとメータアウト制御絞り51cが全閉でモータポートがブロックされ、油圧モータ53はいわゆる中立状態で停止保持されるとともに、慣性体の旋回中に、油圧モータ53の回転方向と逆方向に操作端を操作して、減速のための制動圧力を大きくすることがある。このとき、油圧モータ53はブレーキ弁(図示省略)によって最高圧力で慣性体を制動し、慣性体が停止して油圧モータ自体も停止すると、操作端の逆方向への操作量に応じた駆動圧力を出力して、慣性体を逆回転方向へ加速するようになっている。
前記操作端が操作量のほかに操作方向をプラスマイナス両方向に可変として、前記電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動するものである場合は、前記操作検出手段を前記操作端の操作量とプラスマイナスの操作方向を検出するものとし、前記演算手段に、前記力行トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込むか、または、さらに、前記回生トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込み、前記演算手段に、前記操作端の操作量が零を含む中立範囲のとき、または前記操作端の操作方向と前記電動機の回転方向とが逆方向のときに、前記電動機の回転速度の絶対値が零近傍の小さい範囲で、前記回生トルクの絶対値を前記電動機の回転速度の絶対値の大きさに応じて大きくし、回転速度の絶対値が小さくなると回生トルクの絶対値を小さくするアルゴリズムを組み込むことにより、慣性体を坂道発進させたり、慣性体を傾斜地で上向き旋回させたりするときに、慣性体の下降後退や下向き戻り旋回を抑制して、スムーズに坂道発進や上向き旋回を行うことができる。
すなわち、坂道や傾斜地では、油圧モータにかかる負荷トルクによって、油圧モータの内部リークが発生し、いわゆるスリップ回転が生じる。このスリップ回転は微少な値であり、その回転速度は油圧モータの圧力に応じて増大する。このため、油圧駆動方式で慣性体を坂道発進させたり、上向き旋回させたりするときは、油圧モータの駆動圧力による油圧モータトルクが傾斜による負荷トルクよりも小さい場合は、図7に示したロードチェック弁51dによって油圧モータの下降方向への逆転が抑制され、駆動圧力による油圧モータトルクが傾斜による負荷トルクよりも大きくなると、スムーズに坂道発進や上向き旋回を始めるようになっている。
これに対して、従来の電動駆動方式では、図10に示すように、電動機の出力トルクが傾斜による負荷トルクよりも小さい場合は、電動機が少しでも下降方向へ逆転すると、最大トルクで回生状態となり、出力トルクが負荷トルクよりも大きくなると力行状態となる。このため、回転速度の絶対値が零近傍における電動機の動きが振動的なものとなり、スムーズに坂道発進や上向き旋回を行うことができない。したがって、後の図6に示すように、電動機の回転速度の絶対値が零近傍の小さい範囲で、回生トルクの絶対値を電動機の回転速度の絶対値の大きさに応じて大きくするアルゴリズムを組み込むことにより、出力トルクが負荷トルクよりも大きくなったときに電動機を回生から力行に切り換え、油圧駆動方式と同様に、スムーズに坂道発進や上向き旋回を行うことができる。
前記演算手段を、予め記憶された演算アルゴリズムにより、前記目標トルクを、前記電動機によって慣性体を駆動する駆動トルクと、前記慣性体によって電動機が駆動される被駆動トルクとに分け、これらの駆動トルクと被駆動トルクの和として演算するものとし、この演算アルゴリズムに、前記駆動トルクの絶対値が、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなる駆動トルク演算アルゴリズムと、前記被駆動トルクの絶対値が、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなる被駆動トルク演算アルゴリズムとのうち、少なくとも前記駆動トルク演算アルゴリズムを組み込むことにより、電動機の出力トルクの制御設計を、制御弁の制御絞りによる油圧モータトルクの制御の場合と同様に行うことができる。そのため、電動機トルク特性の設計や調整を従来の知見に基づいて容易に行うことができるようになる。すなわち、油圧モータトルクは、ブリードオフ制御絞りによるメータイン圧力とメータアウト制御絞りによるメータアウト圧力との有効差圧によって制御されているが、ブリードオフ制御絞りとメータアウト制御絞りは特性を独立して設計することが可能であり、両特性の和(圧力の計算としては差)として、モータトルクの制御特性が決定される。電動機出力トルクの制御の場合も、油圧モータのブリードオフ制御絞りによるメータイン圧力に対比させて駆動トルクを、メータアウト制御絞りによるメータアウト圧力に対比させて被駆動トルクを設計することにより、両特性の和として目標トルクを設計することが可能となる。
前記演算アルゴリズムに、前記目標トルクを減らす抵抗トルクの演算を加え、この抵抗トルクの絶対値が、前記電動機の回転速度の絶対値が増加すると大きくなり、前記駆動トルクの絶対値を減らすアルゴリズム、および前記被駆動トルクの絶対値を増加させるアルゴリズムのいずれか一方または両方を組み込むことにより、メカニカルな駆動系の抵抗に加えて、油圧駆動方式における圧損に相当する抵抗トルク要素を制御系に加えることで、電動機の実際の出力トルクと負荷トルクがバランスする点がより一層安定し、オペレータが意図する目標速度になるように安定して制御することができる。なお、油圧駆動方式における圧損はエネルギ損失となるが、この抵抗トルクは仮想のものであるので、エネルギ損失とはならない。
すなわち、図7に示したような油圧駆動装置では、油圧ポンプ52から油圧モータ53に到る配管系統の圧損や、スプール弁51のメータイン制御絞り51bやメータアウト制御絞り51cによる圧損がある。これらの圧損は、油圧ポンプ52からの吐出油の流量が大きくなると、いずれも流量の2乗程度に比例して増加し、これらの圧損の存在によって、油圧モータ53の出力トルクと負荷トルクがバランスする点が安定し、オペレータが目標速度になるように制御しやすくなっている。
上述した各電動機で動作する慣性体は、建設機械の旋回動作または走行動作する慣性体とすることができる。
本発明の電動機の制御装置は、目標トルクを演算する演算手段に、力行トルクが、操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込むことにより、油圧駆動方式におけるブリードオフ圧力の制御と同様の制御特性を持たせて、オペレータが目標とする動作速度に制御しやすくしたので、簡単なアルゴリズムに基づく制御で、油圧駆動方式と同様の操作性と操作感覚を得ることができる。
前記演算手段に、回生トルクが、操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込むことにより、油圧駆動方式のメータアウト圧力の制御と同様の制御特性を持たせて、さらに油圧駆動方式と同様の操作性と操作感覚を得られるようにすることができる。
前記操作端が操作量のほかに操作方向をプラスマイナス両方向に可変として、電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動するものである場合は、操作検出手段を操作端の操作量とプラスマイナスの操作方向を検出するものとし、前記演算手段に、操作端の操作量が零を含む中立範囲のとき、または操作端の操作方向と電動機の回転方向とが逆方向のときに、力行トルクを零、回生トルクを最大値とするアルゴリズムを組み込むことにより、ホイールローダの走行制御のように、操作端としてのペダルの操作で電動機を一方向に回転させるものだけでなく、ショベルやクレーンの旋回制御のように、操作端としてのレバーの操作で電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動させるものにも適用することができ、油圧駆動方式と同様に、操作端の操作量が中立範囲にあるときに、停止保持用の中立ブレーキ機能を持たせるとともに、操作端の操作方向が電動機の回転方向とが逆方向のときに、慣性体を大きな制動トルクで減速して停止させ、例えば、慣性体を坂道発進させたり、慣性体を傾斜地で上向き旋回させたりする際に、パーキングブレーキが外れたときの慣性体の下降を防止することができる。
前記操作端が操作量のほかに操作方向をプラスマイナス両方向に可変として、電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動するものである場合は、操作検出手段を操作端の操作量とプラスマイナスの操作方向を検出するものとし、前記演算手段に、操作端の操作量が零を含む中立範囲のとき、または操作端の操作方向と電動機の回転方向とが逆方向のときに、電動機の回転速度の絶対値が零近傍の小さい範囲で、回生トルクの絶対値を電動機の回転速度の絶対値の大きさに応じて大きくするアルゴリズムを組み込むことにより、慣性体を坂道発進させたり、慣性体を傾斜地で上向き旋回させたりするときに、慣性体の下降後退や下向き戻り旋回を抑制して、スムーズに坂道発進や上向き旋回を行うことができる。
前記演算手段を、予め記憶された演算アルゴリズムにより、目標トルクを、電動機によって慣性体を駆動する駆動トルクと、慣性体によって電動機が駆動される被駆動トルクとに分け、これらの駆動トルクと被駆動トルクの和として演算するものとし、この演算アルゴリズムに、駆動トルクの絶対値が、操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなる駆動トルク演算アルゴリズムと、被駆動トルクの絶対値が、操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなる被駆動トルク演算アルゴリズムとのうち、少なくとも駆動トルク演算アルゴリズムを組み込むことにより、電動機の出力トルクの制御設計を、制御弁の制御絞りによる油圧モータトルクの制御の場合と同様に行うことができ、電動機の力行と回生について、それぞれ異なったトルクの制御特性を持たせて慣性体を動作させることができるとともに、油圧駆動方式と同様に、電動機の加速から減速への変更や減速から加速への変更を連続的にスムーズに行うことができる。
前記演算アルゴリズムに、目標トルクを減らす抵抗トルクの演算を加え、この抵抗トルクの絶対値が、電動機の回転速度の絶対値が増加すると大きくなり、駆動トルクの絶対値を減らすアルゴリズム、および被駆動トルクの絶対値を増加させるアルゴリズムのいずれか一方または両方を組み込むことにより、メカニカルな駆動系の抵抗に加えて、油圧駆動方式における圧損に相当する抵抗トルク要素を制御系に加えることで、電動機の実際の出力トルクと負荷トルクがバランスする点がより一層安定し、オペレータが意図する目標速度になるように安定して制御することができる。
本発明に係る電動機の制御装置を組み込んだ油圧ショベルを示す側面図 図1の油圧ショベルに組み込まれた電動機の制御装置の構成を示すブロック図 図2の演算アルゴリズムの基本マップを示すグラフ 図3のグラフの第1象限と第4象限における目標トルクを駆動トルクと被駆動トルクとに分解して示すグラフ 図2の演算アルゴリズムで演算される抵抗トルクを示すグラフ 図2の演算アルゴリズムで回転速度の絶対値が零近傍の小さい範囲で演算される被駆動トルクを示すグラフ 従来の油圧駆動装置の配管系統図 図7の油圧駆動装置におけるブリードオフ圧力の制御特性を示すグラフ 図7の油圧駆動装置におけるメータアウト圧力の制御特性を示すグラフ 従来の電動駆動方式における回転速度の絶対値が零近傍の制御特性を示すグラフ
符号の説明
1 電動機
1a 回転検出手段
2 操作レバー
2a 操作検出手段
3 コントローラ
3a メモリ
3b 演算アルゴリズム
4 インバータ
4a 信号変換回路
4b 電流制御回路
20 走行体
21 走行油圧モータ
22 減速機
30 旋回体
31 エンジン
32 油圧ポンプ
33 発電機
34 蓄電装置
35 減速機
36 コンバータ
40 掘削アタッチメント
41 ブーム
41a ブームシリンダ
42 アーム
42a アームシリンダ
43 バケット
43a バケットシリンダ
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明に係る電動機の制御装置を組み込んだ油圧ショベルを示す。この油圧ショベルは、クローラ式の下部走行体20と、下部走行体20の上で左右に旋回動作する慣性体としての上部旋回体30と、この旋回体30の前部に装着された掘削アタッチメント40とから成る。下部走行体20は、走行用油圧モータ21と減速機22で左右のクローラ23が個別に駆動されて走行する。また、掘削アタッチメント40は、ブーム41、アーム42およびバケット43と、これらを作動させるブームシリンダ41a、アームシリンダ42aおよびバケットシリンダ43aを具備している。
前記旋回体30には、エンジン31、エンジン31によって駆動される油圧ポンプ32と発電機33、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置34、および、旋回体30を旋回動作させる電動機1と減速機35が搭載されている。油圧ポンプ32の吐出油は、走行用油圧モータ21とブーム41、アーム42およびバケット43の各シリンダ41a、42a、43aに、それぞれ制御弁を介して供給される。また、発電機33の電力は、コンバータ36で電圧、電流が制御されて蓄電装置34に蓄えられるとともに、後述するインバータ4を介して電動機1に供給される。電動機1は永久磁石を回転子とする永久磁石式モータであり、本発明に係る電動機の制御装置は、この電動機1を制御して、旋回体30を旋回動作させるものである。
図2は、前記電動機1の制御装置の構成を示すブロック図である。この制御装置は、操作端としての操作レバー2のプラスマイナス両方向の操作量Xを検出する操作検出手段2aと、両方向に回転する電動機1のプラスマイナスの回転速度Nを検出する回転検出手段1aと、これらの検出された操作レバー2の操作量Xと電動機1の回転速度Nから、電動機1が負担すべき目標トルクToの方向と大きさを演算する演算手段としてのコントローラ3と、発電機33または蓄電装置34から供給される電力に対して、電動機1の出力トルクTをコントローラ3で演算された目標トルクToの方向と大きさに制御する電動機制御手段としてのインバータ4とで構成されている。
前記コントローラ3にはメモリ3aが設けられ、油圧駆動方式の制御特性を表現するように、目標トルクToを駆動トルクTaと被駆動トルクTbとに分けて演算する演算アルゴリズム3bが、予めメモリ3aに記憶されている。目標トルクToは駆動トルクTaと被駆動トルクTbの和として演算され、演算された目標トルクToは、操作レバー2の操作方向と同方向に出力されるものとなる場合は力行トルクとなり、操作方向と逆方向に出力されるものとなる場合は回生トルクとなる。また、インバータ4は、信号変換回路4aと電流制御回路4bを備え、信号変換回路4aでコントローラ3から入力される目標トルクToを目標電流Ioに変換し、電流制御回路4bで電動機1への出力電流Iを目標電流Ioとするようにフィードバック制御する。
図3は、前記演算アルゴリズム3bで目標トルクToを演算する基本マップを示す。この基本マップは、横軸を操作レバー2のプラスマイナスの操作量X、縦軸を目標トルクToとし、これらの関係を、電動機1のプラスマイナスの回転速度Nをパラメータとした特性曲線で表したものであり、操作量Xと目標トルクToが同符号となる第1象限と第3象限では、目標トルクToが力行トルクとなり、操作量Xと目標トルクToが異符号となる第2象限と第4象限では、目標トルクToが回生トルクとなる。すなわち、第1象限では右旋回力行、第2象限では左旋回回生、第3象限では左旋回力行、第4象限では右旋回回生となる。なお、図3のグラフでは、マップを見やすくするために、パラメータの回転速度N=0、1/2、1(最大速度)の場合についてのみ、各特性曲線を表示している。
前記基本マップの第1象限と第3象限では、力行トルクとなる目標トルクToの絶対値が、操作レバー2の操作量Xの絶対値が大きくなると大きくなり、操作量Xが一定であっても、電動機1の回転速度Nの絶対値が大きくなると小さくなるように演算され、油圧駆動方式のブリードオフ圧力の制御と同様の制御特性が得られるようになっている。また、基本マップの第2象限と第4象限では、回生トルクとなる目標トルクToの絶対値が、操作量Xの絶対値が小さくなると大きくなり、操作量Xが一定であっても、回転速度Nの絶対値が小さくなると小さくなるように演算され、油圧駆動方式におけるメータアウト圧力の制御と同様の制御特性が得られるようになっている。
さらに、図3に示した基本マップでは、操作量Xが零を含む中立範囲のときと、操作レバー2の操作方向と電動機1の回転方向が逆方向のときに、力行トルクが零、回生トルクの絶対値が最大値Tmaxに設定されている。したがって、例えば、第4象限の状態で回転速度N=1/2(Q点)のときに、図中に矢印で示すように、操作レバー2の操作量XをXから−Xへ電動機1の回転方向と逆方向に操作すると、回転速度Nが零になるまでの間、回生トルクがTmaxで出力されて右旋回が減速され、回転速度Nが零になると、第3象限で操作量Xを−Xとしたときの回転速度N=0(Q点)に相当する力行トルクが出力されて、旋回体30を左旋回させるように加速開始する。なお、この実施形態では、力行トルクの絶対値も、回生トルクと同じ最大値Tmaxに設定されている。
図4は、図3で右旋回となる第1象限と第4象限について、目標トルクToを実線で示す駆動トルクTaと、点線で示す被駆動トルクTbとに分解して示したものである。駆動トルクTaは油圧モータのメータイン圧力によるトルクに相当し、被駆動トルクTbは油圧モータのメータアウト圧力によるトルクに相当する。第1象限における駆動トルクTaの絶対値は、操作量Xの絶対値が大きくなると大きくなり、操作量Xが一定であっても、回転速度Nの絶対値が大きくなると小さくなるように演算され、最大値Tamaxが設定されている。また、第4象限における被駆動トルクTbの絶対値は、操作量Xの絶対値が小さくなると大きくなり、操作量Xが一定であっても、回転速度Nの絶対値が小さくなると小さくなるように演算され、操作量Xが零を含む中立範囲と、操作レバー2の操作方向と電動機1の回転方向が逆方向となる第3象限では、最大値Tbmaxに設定されるようになっている。図3の第1象限と第4象限に示した目標トルクToは、このように演算された駆動トルクTaと被駆動トルクTbの和として求めたものである。図示は省略するが、左旋回となる図3の第2象限と第3象限における目標トルクToも、同様に演算された駆動トルクTaと被駆動トルクTbの和として求めたものである。
図5のグラフは、前記演算アルゴリズム3bで演算された目標トルクToを減らす抵抗トルクΔTを示す。この抵抗トルクΔTは、その絶対値が電動機1の回転速度Nの絶対値が増加すると大きくなり、第1象限と第3象限では演算された駆動トルクTaの絶対値を減らすように、第2象限と第4象限では演算された被駆動トルクTbの絶対値を増加させるように加算されるものであり、油圧駆動方式における圧損のように、実際の出力トルクと負荷トルクがバランスする点を安定させ、オペレータが意図する目標速度になるように安定して制御できるようにする。抵抗トルクΔTの絶対値は、電動機1の回転速度Nの絶対値に対して、1次から2次程度に比例して増加する。
図6のグラフは、前記操作レバー2の操作量Xが中立範囲にあるとき、または操作レバー2の操作方向と電動機1の回転方向とが逆方向のときに、演算アルゴリズム3bで演算される、電動機1の回転速度Nの絶対値が零近傍の小さい範囲での被駆動トルクTbを示す。この被駆動トルクTbは、回転速度Nの絶対値が零近傍の小さい範囲で、回転速度Nの絶対値の大きさに応じて大きくなるように演算され、旋回体30を傾斜地で上向き旋回させるときに、駆動トルクTaが傾斜による負荷トルクよりも小さい場合に、電動機1の下降方向への逆転を抑制する。駆動トルクTaが負荷トルクよりも大きくなれば、この駆動トルクTaによって、旋回体30はスムーズに上向き旋回を始める。この図の場合は、上向きに右旋回する。
上述した実施形態では、発電機と蓄電装置を電力源として、油圧ショベルの上部旋回体を左右に旋回動作させる電動機を制御するものとしたが、本発明に係る電動機の制御装置は、例えば、ホイールローダを走行動作させるもののように、慣性体を一方向のみに動作させる電動機を制御するものにも適用できる。また、電動機の電力源も発電機や蓄電装置に限定されることはなく、例えば、工場等に定置される装置の慣性体を動作させる電動機を制御する場合は、電力会社等から供給される電力を電力源とすることができる。
さらに、上述した実施形態では、駆動トルクと被駆動トルクの演算アルゴリズムを、マップで表現した特性曲線としてコントローラに記憶するようにしたが、駆動トルクと被駆動トルクの演算アルゴリズムは、操作端の操作量と電動機の回転速度をパラメータとする数式として記憶するようにしてもよい。

Claims (7)

  1. 慣性体を動作させる電動機の回転駆動を少なくとも操作量を可変とする操作端の操作によって制御し、前記操作端の操作量を検出する操作検出手段と、前記電動機の回転方向と回転速度を検出する回転検出手段と、これらの操作検出手段と回転検出手段の各検出値に基づいて、前記電動機が負担すべき目標トルクを演算する演算手段と、前記電動機の出力トルクを前記目標トルクの方向と大きさに制御する電動機制御手段とを備え、前記出力トルクが電動機の電動機機能としての力行トルクと発電機機能としての回生トルクからなる電動機の制御装置において、前記演算手段に、前記力行トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込んだことを特徴とする電動機の制御装置。
  2. 前記演算手段に、前記回生トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込んだ請求項1に記載の電動機の制御装置。
  3. 慣性体を動作させる電動機の回転駆動を少なくとも操作量を可変とする操作端の操作によって制御し、前記操作端の操作量を検出する操作検出手段と、前記電動機の回転方向と回転速度を検出する回転検出手段と、これらの操作検出手段と回転検出手段の各検出値に基づいて、前記電動機が負担すべき目標トルクを演算する演算手段と、前記電動機の出力トルクを前記目標トルクの方向と大きさに制御する電動機制御手段とを備え、前記出力トルクが電動機の電動機機能としての力行トルクと発電機機能としての回生トルクからなる電動機の制御装置において、前記操作端が操作量のほかに操作方向をプラスマイナス両方向に可変として、前記電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動するものであり、前記操作検出手段を前記操作端の操作量とプラスマイナスの操作方向を検出するものとし、前記演算手段に、前記力行トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込むか、または、さらに、前記回生トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込み、前記演算手段に、前記操作端の操作方向と前記電動機の回転方向とが逆方向のときに、前記力行トルクを零、前記回生トルクを最大値とするアルゴリズムを組み込んだことを特徴とする電動機の制御装置。
  4. 慣性体を動作させる電動機の回転駆動を少なくとも操作量を可変とする操作端の操作によって制御し、前記操作端の操作量を検出する操作検出手段と、前記電動機の回転方向と回転速度を検出する回転検出手段と、これらの操作検出手段と回転検出手段の各検出値に基づいて、前記電動機が負担すべき目標トルクを演算する演算手段と、前記電動機の出力トルクを前記目標トルクの方向と大きさに制御する電動機制御手段とを備え、前記出力トルクが電動機の電動機機能としての力行トルクと発電機機能としての回生トルクからなる電動機の制御装置において、前記操作端が操作量のほかに操作方向をプラスマイナス両方向に可変として、前記電動機をプラスマイナス両方向に回転駆動するものであり、前記操作検出手段を前記操作端の操作量とプラスマイナスの操作方向を検出するものとし、前記演算手段に、前記力行トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなるアルゴリズムとを組み込むか、または、さらに、前記回生トルクが、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなるアルゴリズムを組み込み、前記演算手段に、前記操作端の操作量が零を含む中立範囲のとき、または前記操作端の操作方向と前記電動機の回転方向とが逆方向のときに、前記電動機の回転速度の絶対値が零近傍の小さい範囲で、前記回生トルクの絶対値を前記電動機の回転速度の絶対値の大きさに応じて大きくし、回転速度の絶対値が小さくなると回生トルクの絶対値を小さくするアルゴリズムを組み込んだことを特徴とする電動機の制御装置。
  5. 前記演算手段が、予め記憶された演算アルゴリズムにより、前記目標トルクを、前記電動機によって慣性体を駆動する駆動トルクと、前記慣性体によって電動機が駆動される被駆動トルクとに分け、これらの駆動トルクと被駆動トルクの和として演算するものとし、この演算アルゴリズムに、前記駆動トルクの絶対値が、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が大きくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が大きくなると小さくなる駆動トルク演算アルゴリズムと、前記被駆動トルクの絶対値が、前記操作端の操作量と前記電動機の回転速度の絶対値をパラメータとする特性曲線で定まり、前記操作端の操作量の絶対値が小さくなると大きくなり、操作端の操作量が一定であっても、前記電動機の回転速度の絶対値が小さくなると小さくなる被駆動トルク演算アルゴリズムとのうち、少なくとも前記駆動トルク演算アルゴリズムを組み込んだ請求項1乃至4のいずれかに記載の電動機の制御装置。
  6. 前記演算アルゴリズムに、前記目標トルクを減らす抵抗トルクの演算を加え、この抵抗トルクの絶対値が、前記電動機の回転速度の絶対値が増加すると大きくなり、前記駆動トルクの絶対値を減らすアルゴリズム、および前記被駆動トルクの絶対値を増加させるアルゴリズムのいずれか一方または両方を組み込んだ請求項5に記載の電動機の制御装置。
  7. 前記電動機で動作する慣性体を、建設機械の旋回動作または走行動作する慣性体とした請求項1乃至6のいずれかに記載の電動機の制御装置。
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