JP4636581B2 - 回転式圧縮濾過機及び汚泥を含む処理液の脱水方法 - Google Patents

回転式圧縮濾過機及び汚泥を含む処理液の脱水方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工食品の原料やその半加工品、又は汚泥等の含水物(処理液)を濾過、圧縮して脱水処理を行う圧縮濾過機、特に、回転軸周りに形成された環状の濾過室内を進行させるに従って処理物に次第に圧力を加えて脱水処理を行う回転式圧縮濾過機に関し、特に軟質固形物を含有する難脱水性の処理液の脱水に好適な脱水機及び脱水方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
固体と液体を分離する装置には、遠心分離機、遠心濾過機、フィルタープレス、スクリュープレス、ロータリーバキュームフィルタ、回転式圧縮濾過機等、様々なタイプのものがある。これらのうち、回転式の圧縮濾過機については、先行技術として図7〜図12に示すような構造のものが知られている。
【0003】
図7は、従来の代表的な回転式圧縮濾過機101の構造を示す一部切欠斜視図であり、図8は、図7の回転式圧縮濾過機のAA線による断面図である。これらの図からも明らかなように、この回転式圧縮濾過機は、基本的には、回転軸102、内輪スペーサー103、外輪スペーサー104、2枚のドーナツ状のスクリーン105、105、隔壁板106、及び、図示しない背圧装置、外部ケーシング、駆動装置等によって構成されるものである。
【0004】
より詳細には、回転軸102は、ほぼ水平に保持されるとともに、図示しない駆動装置により駆動力が供給されることにより、図7に示す矢印Bの方向に0.2〜5.0回転/分程度の低速で回転するようになっている。内輪スペーサー103は、回転軸周りに固定されており、回転軸に従って同方向に回転する。
【0005】
外輪スペーサー104は、内輪スペーサー103の外側に配置されるとともに、図示しない外部ケーシングにより保持されており、基端部104aから回転軸102の同心円上に約240°〜300°程度にわたって延出する円状部分(濾過室110)と、終端部104bまで当該同心円の接線方向に延出する直線部分(ケーキ通路112)とからなっている。また、外輪スペーサーは、円状部分においては、その内周面104cが、内輪スペーサーの外周面103aと常に一定の間隔をもって対向するように配置されており、回転軸102の軸方向についての外輪スペーサーの厚さ寸法W1は、内輪スペーサーの厚さ寸法W2と一致している。
【0006】
2枚のスクリーン105、105は、内周縁部105a、105aが内輪スペーサー103の両側面上にそれぞれ固定されるとともに、外周縁部105b、105bが外輪スペーサー104の両側面に接するような位置及び寸法にて配置されている。従って、スクリーンは、回転軸102が回転すると、内輪スペーサーに従って同方向に回転することになり、このとき、その外周縁部は、外輪スペーサーの両側面上を摺動するようになっている。
【0007】
また、各スクリーン105、105は、透水性を確保するために直径0.1〜0.5mm程度の多数の小孔を有しており、後述するように、処理液から水分を取り除くためのフィルターとして機能するものである。
【0008】
隔壁板106は、ほぼ水平に、かつ、回転軸102の軸方向と直交する方向に保持されており、回転軸の軸方向についての隔壁板の厚さ寸法W3は、外輪スペーサー104の厚さ寸法W1及び内輪スペーサー103の厚さ寸法W2と一致している。また、隔壁板106の内側端部106aは、内輪スペーサーの外周面103aの曲率に一致し、これと面接触し、摺動するように形成されている。
【0009】
隔壁板106の、内側端部106aとは反対側の端部(外側端部106b)は、外輪スペーサー104の基端部104a及び終端部104bとの間に、それぞれ所定間隔を置いた位置に保持されている。そして、外側端部106bと外輪スペーサーの基端部104aとの間に確保されたスペースは、処理液供給口108として、装置内部に導入する処理液を供給するために使用され、外側端部と外輪スペーサーの終端部との間に確保されたスペースは、ケーキ出口109として機能するようになっている。
【0010】
隔壁板106の底面106cは、内輪スペーサー103の外周面103aの接線方向と一致しており、かつ、外輪スペーサー104の直線部分の上面104dと平行に延出している。尚、この回転式圧縮濾過機101は、処理液供給口108、ケーキ出口109、及び図示しない液体排出口を除き、外部ケーシングにより密閉される構造になっている。
【0011】
また、ケーキ出口109の側方には、図12に示すような可動弁107を有する背圧装置が設けられている。この背圧装置の可動弁は、図12の(1)に示す全開状態から、同図の(2)に示す全閉状態まで、ケーキ出口の開口面積を自由に調整できるようになっている。
【0012】
ここで、上記のような構造の従来の回転式圧縮濾過機101の運転方法とその作動原理について、図9(図7の回転式圧縮濾過機のCC線による断面図)及び図12を用いて簡単に説明する。まず、運転開始時においては、図12の(2)に示すように背圧装置の可動弁107を全閉状態にし、図9に示す処理液供給口108より、濾過室110(内輪スペーサー103及び隔壁板106と、外輪スペーサー104との間に形成されているスクリーンに挟まれた環状(C字状)のスペースであり、濾過室を出てからケーキ出口に至る部分はケーキ通路112と呼ぶ。)内へ、処理液を順次導入していく。このとき、背圧装置の可動弁は前述の通り全閉状態にあるので、導入された処理液は、ケーキ出口109より外部に排出されることなく、濾過室内に貯留されていくことになる。
【0013】
濾過室110は、両側方が対向する2枚のスクリーン105、105によって閉塞されているが、スクリーンは、前述の通り透水性を確保するための小孔を多数有しているので、処理液が濾過室内に貯留されていく過程で、処理液中の水分がスクリーンの小孔を抜けて、次第に濾過室外に排出されていくことになる。そうすると、処理液は固形分濃度を増してスラリー状になり、その一部がスクリーン面に付着する。尚、濾過室外に排出された水分は、外部ケーシングの内壁とスクリーンの間隙を流れ落ち、液体排出口より、装置外部に排出される。
【0014】
この状態で、図示しない駆動装置を駆動させ、回転軸102に駆動力を供給し、回転軸102を図9に示す矢印Bの方向に0.2〜5.0回転/分程度の低速で回転させる。そうすると、回転軸周りに固定された内輪スペーサー103、及び、内輪スペーサーの両側面上に固定されたスクリーン105が同方向に回転する。
【0015】
スクリーン105が回転すると、濾過室110内に導入された処理液は、回転するスクリーン或いはこれに付着したスラリー状の処理液との間に生じる摩擦力により、処理液供給口108からケーキ出口109に向かって、濾過室内を順次進行していくことになる。このようにしてスラリー状の処理液が濾過室内を進行していくと、その過程で更に脱水が進み、スラリー状の処理液は、次第にケーキ状(脱水ケーキ)になっていく。そうすると、スクリーンとの間の摩擦力もより大きくなっていき、その増大した摩擦力によって、脱水ケーキは更に先方へと搬送されることになるが、先行する脱水ケーキによって抵抗を受けるため、スクリーンと等速で搬送されることにはならず、先行する脱水ケーキを圧縮することになる。このため、先行する脱水ケーキの脱水が更に進むことになる。
【0016】
このようにして、濾過室110内に導入された処理液は、ケーキ出口109に近づいて行くに従って脱水が進行し、濾過室及びケーキ通路112には、脱水ケーキが滞留して行くことになる。そして、運転を開始してから所定時間経過後、背圧装置の可動弁107を開くと、ケーキ出口付近に滞留していた脱水ケーキが、後続の脱水ケーキによって連続的に押し出され、ケーキ出口から外部に排出される定常運転へと移行する。
【0017】
定常運転においては、図12に示されている背圧装置の可動弁107を開いた状態で、開始運転時と同様に処理液供給口108より濾過室110内に処理液を順次導入するとともに、スクリーン105を所定の速度で回転させることにより、処理液を連続的に濾過・脱水してケーキ出口109より脱水ケーキを排出するようにする。かかる定常運転においても、処理液の導入から脱水ケーキの排出に至るまでの濾過・脱水作用については、前述の開始運転時と基本的に異なるところはないが、処理液の供給量、スクリーンの回転速度、及び、背圧装置の可動弁の開度を適宜調節することにより、脱水度をある程度調節できるようになっている。
【0018】
以上に説明したように、この回転式圧縮濾過機101は、内輪スペーサー103及びスクリーン105を低速で回転させるだけで、処理液を液体(水分)と固体(脱水ケーキ)とに、好適に分離することができるようになっており、このため、エネルギー消費量及び騒音が小さく、また、外部ケーシングにより密閉されているため、食品の加工の場合は、衛生面での管理が容易であり、汚物の処理の場合は、臭気の発生を最低限に抑えることができるという利点がある。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の回転式圧縮濾過機は、内部圧力分布に起因するいくつかの問題点がある。図11は、濾過室内の圧力を模式的に示した図である。図11において、スクリーン105は、矢印Bの方向に回転するので、脱水ケーキとスクリーンとの摩擦力は、スクリーンの回転方向、即ち、図11に示す矢印F(F1〜F5)の方向に作用することになる。これらのうち、回転軸102の真下付近においては、摩擦力が作用する方向F1及びF2は、脱水ケーキの進行方向D4と一致しているが、F1、F2の位置から更にケーキ出口109側に進むと、摩擦力はF3〜F5の方向に、即ち、隔壁板106の底面106cに向かって作用することになる。
【0020】
このようなことから、F1に位置していた脱水ケーキは、スクリーン105との摩擦力に従ってF3の方向へ進行するが、F3の位置では、摩擦力は隔壁板106の底面106cに向かって作用しているので、F1の位置から進行してきた脱水ケーキは、隔壁板106の底面に押しつけられつつ、底面に沿ってP1(スクリーンの外周部が隔壁板に接する位置)の方向へと進行することになる。F1に位置していた脱水ケーキがF1の位置から隔壁板の底面に沿ってP1の位置にまで達する間、F1よりも外側(外輪スペーサー104側)に位置していた脱水ケーキがF3やF4の方向に作用する摩擦力に従って隔壁板の底面に向かって絶えず移動してくるので、いわゆる力の衝突が起こり、従って、隔壁板の底面付近、特に、P1付近においては、脱水ケーキは濾過室110内で最も高い圧力により圧縮されことになる。これに対して、ケーキ通路の下部においては、P1のように力の集中がないため、圧縮が不十分になり、脱水度の上下差が生じ、平均脱水度が上がらないことが一つの問題であった。即ち図10に示されたLに位置のケーキ含水率は、Hの位置のケーキ含水率より高い傾向がある。
【0021】
又、P1付近に圧力が集中し、スクリーンによる摩擦力の方向とケーキ通路の方向の不一致が大きいために、処理物の性状によっては機内で閉塞が発生し易いことも問題であった。濾過室110からケーキ通路112に搬送されたケーキは、濾過室からの圧力のみによってケーキ出口109の方向に搬送される。ケーキ出口のケーキの内部圧力は、大気圧であるので、濾過室からケーキ出口に向かうケーキ通路の全域に渡り、内部圧力は漸減する。図12の背圧装置107は、ケーキ出口に隣接して設置されている。濾過室の内部圧力を高めるために、背圧装置を僅かに閉じればその部位の内部圧力が僅かに増加するだけであるが、ケーキ通路4面の摩擦力が積算し、濾過室側に向かって徐々に圧力が増加するので、P1の圧力は、異常な高圧になる場合がある。即ち背圧装置は、濾過室の内部圧力を高める手段としては簡便であるが、回転式圧縮濾過機101の内部圧力を自在に制御するには適していない。
【0022】
更に、下水汚泥等の軟質固体を含有する処理液の場合は、高圧をかけるとスクリーンの目からフロックが押し出されてしまう問題もある。スクリーンの目は、通常0.1mmから0.5mmの小孔が用いられている。このうち大きめの小孔を用いればフロックが容易に小孔を通過してしまい、小さめの小孔を用いればフロックが小孔を閉塞してしまい、高い圧力をかけても効率的な脱水ができないことが問題であった。
【0023】
本発明は、従来の回転式圧縮濾過機に簡単な改良を加えることにより、上記のような問題を解決するものである。即ち、濾過室の断面積が次第に減少するように構成し、従来の回転式圧縮濾過機と異なる方向の圧縮力をケーキに与えることにより、ケーキの脱水度を高めると共に機内の閉塞問題を回避することができる回転式圧縮濾過機を提供することを第1の目的とし、更に、軟質の固形物を含む処理液を効率的に脱水することができる装置及び方法を提供することを第2の目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] 所定の間隔で対向する2枚の円盤状で透水性を有するスクリーン35a、35bと、駆動手段によって駆動され、該スクリーンと一体になって回転する内輪可動スペーサー33a、33bと、2個の内輪可動スペーサーの間に位置し、それらと摺動する内輪固定スペーサー33cと、該スクリーンの外周部の大部分に接する外輪スペーサー34とで囲まれた濾過室40を有し、該内輪スペーサーから外輪スペーサーまでの空間を半径方向に区切る隔壁板36によって濾過室が区分され、該隔壁板の片側を始端とし反対側を終端とする濾過室を形成し、始端部付近に処理液供給口38を有し、終端部に隣接してケーキ通路42及びケーキ出口39を有し、スクリーンを処理液供給口からケーキ出口方向へ連続的に回転させ、スクリーン面の摩擦力によって処理物中の固形物を濾過室終端部方向に駆動することにより処理物を加圧し、処理液から液体を除去し、固形分濃度が高まったケ−キをケーキ出口より外部へ排出するように構成した回転式圧縮濾過機において、前記のスクリーンの1枚が対向するスクリーンと1〜10度の角度をなし、濾過室終端部に向かって次第に濾過室断面積が減少するように構成したこと特徴とする回転式圧縮濾過機31。
【0025】
[2] 所定の間隔で対向する2枚の円盤状で透水性を有するスクリーン55と、駆動手段によって駆動され、該スクリーンと一体になって回転する内輪可動スペーサー53と、該スクリーンの外周部の大部分に接する外輪スペーサー54で囲まれた濾過室60を有し、該内輪スペーサーから外輪スペーサーまでの空間を半径方向に区切る隔壁板56によって濾過室が区分され、該隔壁板の片側を始端とし反対側を終端とする濾過室を形成し、始端部付近に処理液供給口58を有し、終端部に隣接してケーキ通路62及びケーキ出口59を有し、スクリーンを処理液供給口からケーキ出口方向へ連続的に回転させ、スクリーン面の摩擦力によって処理物中の固形物を濾過室終端部方向に駆動することにより処理物を加圧し、処理液から液体を除去し、固形分濃度が高まったケ−キをケーキ出口より外部へ排出するように構成した回転式圧縮濾過機において、前記濾過室の外側の3分の2以上の領域内において、前記隔壁板のケーキ接触面が前記スクリーンの回転方向となす角度(衝突角)の平均が、50度以下であり、なおかつ、当該領域内の衝突角の最大値と最小値の差が15度以下になるように構成したことを特徴とする回転式圧縮濾過機51。
【0026】
[3] 前記濾過室60の終端部において、ケーキの進行方向の濾過室の断面積が回転角で60度以上に渡って次第に減少するように構成することにより、前記濾過室の終端部における処理物の圧縮効率を高めたことを特徴とする[2]に記載の回転式圧縮濾過機51。
【0027】
[4] 前記濾過室60に隣接するケーキ通路の少なくとも1の壁面が可動部材57を有し、ケーキの進行方向の断面積をさらに変化させることができる手段を備えたことを特徴とする [2]又は[3]に記載の回転式圧縮濾過機51。
【0028】
[5] 所定の間隔で対向する2枚の円盤状で透水性を有するスクリーン75と、駆動手段によって駆動され、該スクリーンと一体になって回転する内輪可動スペーサー73と、該スクリーンの外周部の大部分に接する外輪スペーサー74で囲まれた濾過室80を有し、該内輪スペーサーから外輪スペーサーまでの空間を半径方向に区切る隔壁板76によって濾過室が区分され、該隔壁板の片側を始端とし反対側を終端とする濾過室を形成し、始端部付近に処理液供給口78aを有し、終端部に隣接してケーキ通路82及びケーキ出口79を有し、スクリーンを処理液供給口からケーキ出口方向へ連続的に回転させ、スクリーン面の摩擦力によって処理物中の固形物を濾過室終端部方向に駆動することにより処理物を加圧し、処理液から液体を除去し、固形分濃度が高まったケ−キをケーキ出口より外部へ排出するように構成した回転式圧縮濾過機において、前記処理液供給口からスクリーンの回転方向に所定の距離をおいた位置に第2の処理液供給口78bを配設し、該第2の処理液供給口からは通常の処理液を供給し、隔壁板に隣接して配設した第1の処理液供給口からは通常の処理液より液体透過性の良い固形物を含む第1の処理液を供給することにより、第1の処理液中の液体透過性の良い固形物の層をスクリーン表面に形成することを可能にすることを特徴とする回転式圧縮濾過機71。
【0029】
[6] [5]に記載の回転式圧縮濾過機71を用いた軟質の固形物を含む処理液の脱水方法であって、通常の処理液を第2の処理液供給口78bから機内に供給し、第2の処理液の供給量の5〜40重量%の第1の処理液を第1の処理液供給口78aから供給し、該第1の処理液には0.1〜10重量%の繊維状物質が含まれていることを特徴とする軟質の固形物を含む処理液の脱水方法。
【0030】
[7] 前記繊維状物質の主成分が開繊したセルロース繊維であることを特徴とする[6]に記載の軟質の固形物を含む処理液の脱水方法。
【0031】
[8] 前記第1の処理液は、前記第2の処理液に0.1〜10重量%の繊維状物質を添加したものであること特徴とする[7]に記載の軟質の固形物を含む処理液の脱水方法。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明は、2枚の対向する円盤状で透水性を有するスクリーン35a、35b、55、75と、回転軸32a、32b、52、72と一体になって回転する内輪スペーサー33a、33b、53、73と、該スクリーンの外周部の大部分に接する外輪スペーサー34、54、74で囲まれた濾過室40、60、80を有し、該回転軸から外輪スペーサー34、54、74までの空間を半径方向に区切る隔壁板36、56、76によって濾過室が区分され、該隔壁板の片側を始端とし反対側を終端とする濾過室を形成し、始端部付近に処理液供給口38、58、78a、78bを有し、終端部に隣接してケーキ通路42、62、82及びケーキ出口39、59、79を有し、スクリーンを処理液供給口からケーキ出口方向へ連続的に回転させ、スクリーン面の摩擦力によって処理物中の固形物を濾過室終端部方向に駆動することにより処理物を加圧し、処理液から液体を除去し、固形分濃度が高まったケ−キをケーキ出口より外部へ排出するように構成した回転式圧縮濾過機において種々の改良を施した回転式圧縮濾過機31、51、71である。
【0033】
尚、以下の実施例においては、スクリーン35a、35b、55、75は、多数の小孔を有する平滑な金属板によって形成されているが、多孔質材であって、透水性を有するものであれば良く、一般に広く用いられているバースクリーン及びワイヤメッシュ、或いは、プラスチック、金属或いはセラミックの焼結体等によって形成されたものも使用可能である。
【0034】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施例について説明する。本発明による回転式圧縮濾過機は、これらの図面によってなんら限定されるものではない。本発明による回転式圧縮濾過機31、51、71は、図7〜12に示された回転式圧縮濾過機101の改良であり、基本的動作原理は同一である。従って、以下の説明では重複を避けるため、改良された部分のみを詳しく説明し、本発明の説明において使用される語句(例えば、濾過室、ケーキ通路、隔壁板等)は、特に別の定義を設けない限り、従来の技術及び発明が解決しようとする課題の説明で使用された語句と同一の意味で使用する。
【0035】
【実施例1】
本発明による第1の実施例が図1及び図2に示されている。図1は、従来技術の説明に使用した図9と同様、スクリーンの駆動軸方向から見た一部切り欠き断面図であり、図2は、図1のA―A線による断面図である。
【0036】
本実施例で2枚のスクリーン35a、35bを平行ではなく一定の傾斜をつけることによって濾過室40の断面積を徐々に減少させる機構は、従来の回転式圧縮濾過機とは異なる方向の圧縮力をケーキに与えるものである。即ち、従来の回転式圧縮濾過機の場合は、スクリーンの回転により搬送されるケーキが前方のケーキを圧縮するので、前方のケーキの圧力がケーキの搬送力より上回っている場合は、これ以上ケーキを圧縮することはできず、搬送された後方のケーキは、前方のケーキの後方に蓄積する。これに対し、本実施例においては、前述と同様の圧縮機構に加えて厚み方向の圧縮力が働く。流動性が低下したケーキ層が濾過室内に蓄積した後、2枚のスクリーンは、そのケーキを両側から挟んで前方へ搬送し、その過程において次第にスクリーンの間隙が小さくなるので、従来の回転式圧縮濾過機より強制的な搬送及び圧縮が達成できる。互いに平行でないスクリーン35a、35bは、内輪可動スペーサー33a、33bと連結した異なる回転軸32a、32bを介して駆動される。図1及び図2では、駆動手段としてチェーンが用いられているが、これに代えて、外部の別々の駆動軸から、或いは、内輪可動スペーサーの軸受けの内部を貫通する共通の駆動軸から歯車によって駆動することもできる。
【0037】
本実施例において、2枚のスクリーンの傾斜角と、平均間隙は重要な要素である。傾斜角は1〜10度の範囲で適宜選択することができる。1度未満では圧縮効果が低下するので本発明が意図する圧縮効果を上げることができず、10度を超える傾斜角では機械設計上に多くの問題が発生するとともに、濾過室断面積の減少が急激過ぎるために、内周側と外周側の圧縮率の差異が大きくなり、処理物の安定的な脱水には適さない。スクリーンの傾斜角は、3〜6度が特に好ましい。
【0038】
2枚のスクリーンの平均間隙は、大きすぎると濾過室断面積の減少度合いが小さくなるので好ましくない。一例として、スクリーンの傾斜角を4度、平均間隙を50mmとし、内輪スペーサーの外径及び外輪スペーサーの内径をそれぞれ800mm、1200mmとした場合、濾過室内のスクリーンの最大及び最小の間隙は、外周側で約71mmと29mm、内周側で64mmと36mmとなる。従ってこの間の圧縮率の計算値は、外周側で41%、内周側で56%となり、断面積では48%となる。
【0039】
【実施例2】
前述の実施例1は、スクリーン35a、35bの間隙を減少させることによりケーキを厚み方向に圧縮しているのに対し、本発明による第2の実施例では、スクリーン55によるケーキの搬送方向と隔壁板56との衝突角を一定以下に保つことにより、スクリーンによる搬送力をケーキの進行方向に近づけて搬送方向への圧縮の効率を上げ、更にケーキの進行方向に濾過室断面を徐々に減少させることにより、隔壁板及び外輪スペーサー54の反力をも有効に活用したものである。
【0040】
実施例2の詳しい説明の前に、従来の一般的な回転式圧縮濾過機の衝突角について図3を参照して説明する。濾過室の内側半径(内輪スペーサーの半径)をrとし、濾過室の外側半径(外輪スペーサーの内側の半径)をRとすると、rはRの0.4倍から0.6倍の範囲に設定することが一般的である。又、隔壁板のケーキ接触面は、内輪スペーサーの接線方向に直線的に延出するのが一般的である。この場合、内輪スペーサー側では衝突角が0度であるが外輪スペーサー側に近づくに従って徐々に増加し、例えばr=0.5Rに設定した場合、衝突角は内輪スペーサー側の0度から外輪スペーサー側の60度まで連続的に増加する。即ちケーキが濾過室終端部の方向へ進行するに従って、ケーキの進行方向とスクリーンの回転による摩擦力の方向の変位が増大することになり、ケーキの排出に支障をきたし、場合によっては機内でのケーキの閉塞を引き起こし、或いは、閉塞を避けるために脱水効果を低いレベルで運転しなければならないことがあった。
【0041】
図3において[A]、[B]、[C1]はrの典型的な値としてそれぞれ、0.4R、0.5R及び0.6Rを例として取り上げ、隔壁板が内輪可動スペーサーの接線方向に延出している場合の衝突角を示している。濾過室の外側部分での衝突角をα2とし、ドーナツ状の濾過室の内側から3分の1に位置するスクリーンが隔壁板に接する位置の衝突角をα1として各図に表示してある。[A]、[B]、[C1]のそれぞれのα1とα2の値、及びそれらの差は以下のようになる。
[A](r=0.6R): α1=35.1、α2=53.1、差=18.0(度)
[B](r=0.5R): α1=41.4、α2=60.0、差=18.6
[C1](r=0.4R): α1=48.2、α2=66.4、差=18.2
【0042】
いずれの場合でもα2はα1より大きく、その差は18度以上である。即ち、α1の衝突角の位置では比較的大きな分力がケーキの進行方向に働くのに対し、α2の位置では、ケーキの搬送に寄与する分力より大きな分力が隔壁板に向かっている。
【0043】
図4bは、[A]、[B]、[C1]の衝突角をグラフにしたもので、横軸がスクリーンの半径方向である。いずれの場合も衝突角0度からスクリーンの外周に至るまで衝突角が急激に上昇している。同図に太線で表されたC2は、図4aに示された実施例2の回転圧縮濾過機51の衝突角を表している。C2の内輪スペーサーの半径rはC1と同一の0.4Rとしてある。C2の衝突角は、0.4Rから0.5Rの範囲内では略C1と同一であるが、C1のα1が0.6Rの位置で48.2度になるのに対し、C2は、残りの全域で45度を保っている。隔壁板のケーキ接触面に僅かな湾曲を施すことにより、その外側において低い衝突角にすることができ、スクリーンの回転による摩擦力の半分以上をケーキの搬送及び先行するケーキの圧縮に有効に利用することができる。
【0044】
隔壁板の内側3分の1の領域は、衝突角は比較的小さく、しかもこの領域で隔壁板が接触するのは、まだ十分に脱水が進んでいない流動性があるケーキなので、この領域の衝突角を特に規定する必要はない。しかしながら、図4bから読み取れるように、[B]や[C1]の場合は隔壁板の外側の領域で50度を超える衝突角を有し、しかも外側に行くに従って衝突角が増加することは、ケーキの搬送及び先行するケーキの均一な圧縮に支障をきたすことになる。従って隔壁板の外側の3分の2の領域(α1からα2の領域)の衝突角の加重平均は、50度以下とすることが好ましく、より好ましくは、この領域の全域に渡って50度以下とすることである。この領域に加重平均衝突角或いは最高衝突角を45度以下にすることは更に好ましい。又、この領域内の衝突角の変化は最大15度以内にすることが好ましく、これを10度以下にすることは更に好ましい。又、この領域の衝突角を一定にすること、或いは、この領域内の外側の一部又は全部において、外側ほど衝突角を小さくすることは最も好ましい。
【0045】
内輪スペーサーの半径を大きくすることによって衝突角を小さくすることは、可能である。例えば、R=0.7とすれば、α1=29.0、α2=45.6、差=16.6となり、ケーキ搬送は良好になる。しかしながら内輪スペーサーの半径を大きくすれば濾過面積が減少するので、機械の処理能力も減少することになり、経済性の面で好ましくない。
【0046】
図4aに示された実施例2による回転式圧縮濾過機は、衝突角を小さくしてケーキの搬送効率を高め、先行するケーキの圧縮を効率的にしているだけではなく、濾過室の終端部においてケーキの進行方向の断面積を次第に減少させることにより圧縮効率を上げるものである。図4aでは、スクリーンの回転角にして約90度の範囲でかかる断面積の減少が発現している。ケーキは単に圧縮さえすれば脱水ができるものではなく、ケーキ中の水分がケーキ内を通過し、スクリーンの目を通過する時間が必要である。従って、急激な濾過室断面積の減少、例えばスクリーンの回転角で60度未満の領域で急激に断面積を減少させることは好ましくない。逆に隔壁板の内輪スペーサー側を延長することにより、濾過室断面積の減少開始点を後方に移動し、より緩やかな濾過室断面積の減少をさせることは好ましい。
【0047】
濾過室断面積の減少率(絞り率)は、10%以上であることが好ましい。絞り率が10%未満では、本発明が意図する圧縮効果を十分に上げることができない。絞り率を30%以上にすることはより好ましく、脱水効果のみを考えるならば更に高い絞り率が好ましい。ちなみに図5bに示された回転式圧縮濾過機は、約50%の絞り率になっている。残念ながら、絞り率50%にすれば、単純にケーキ含水率が半減するわけではない。しかし、断面一定の濾過室の場合は、ケーキ内の水を含んだ固形物の粒が互いに相対位置を変えることなく、進行方向にのみ徐々に圧縮されるのに対し、断面積が減少する本実施例の場合は、含水粒子が強制的に進行方向以外の方向に移動させられるため、含水粒子内及び含水粒子間の水が徐々に押し出されることになる。絞り率は、隔壁板の形状のみならず、外輪スペーサーのケーキ出口側端部の形状を変更することによっても任意に設定することができる。又、外輪スペーサーのケーキ出口側端部に可動部材57を設けることによって、運転中に絞り率を任意に変更することもできる。
【0048】
図5a、図5b及び図5cは、かかる可動部材57を付加した回転式圧縮濾過機の例である。本発明による可動部材は、ケーキ通路の断面積を変化させる点において、従来の技術で説明した背圧装置107(図12)と一見類似している。しかし背圧装置107が濾過室から長いケーキ通路を隔てたケーキ出口に隣接して設けられているのに対し、本発明の可動部材は濾過室に隣接しており、ケーキ通路の長さを最小限にするように配置されている。
【0049】
図5aの可動部材は、外輪スペーサーの外側に隣接した位置に回転軸を有し、ケーキ通路を全閉する位置、ケーキ通路を平行にする位置又は末広がりにしてケーキの排出をより容易にする位置、及びそれらの中間の任意の位置に停止させることができる。運転開始時においては、可動部材を全閉(図5aの点線で表示された位置)にすることによって、処理液がケーキ出口から流出するのを防止することができる。機内での詰まりのおそれがない処理物の場合は、可動部材を全閉から僅かに開いた状態で絞り率を80〜90%の高率にすることも可能である。この場合は、ケーキ通路(2枚のスクリーンで挟まれた領域外でケーキ出口までの領域)は、極めて小さく、直前の濾過室内のスクリーンの運動方向は、ケーキ通路内のケーキの搬送方向と近いので、後続のケーキが容易にケーキ通路内のケーキを押し出すことができる。
【0050】
機内で詰まり易い処理物の場合は、可動部材57を図5aの実線の位置にすることにより、過剰な背圧を与えず、ケーキを容易に排出することができる。更に詰まりやすい処理物の場合は、可動部材を図5aの位置より更に下方に調節することにより、濾過室から直接ケーキを排出することもできる。又、隔壁板又は外輪スペーサー圧力センサーを取り付け、機内の圧力を検出して可動部材の開度を自動制御することにより、安定した運転を可能にすることもできる。このように回転式圧縮濾過機において本実施例で示された可動部材は極めて有益である。
【0051】
図5bは、スライド式可動部材を設けた例であり、図5cは、隔壁板を2分割し、ケーキ接触面側の隔壁板を可動部材とした例である。図5b、図5cのいずれの場合も、ケーキ通路の長さが極めて短く、なおかつ近接するスクリーンの回転方向とケーキの進行方向との変位が小さく設定されており、絞り率を上げた場合でも後続のケーキの圧力によって濾過室終端部のケーキは容易に排出される。
【0052】
図5に示された可動部材を全開状態にしても詰まりが発生する恐れがある処理物の場合は、別途ケーキ排出装置を組み合わせることもできる。本発明の発明者は、既に特願2001−240643で、本発明と同様の回転式圧縮濾過機のケーキ排出機構についての発明を開示している。従って特願2001−240643のケーキ排出機構を本発明に応用することによって、詰まり易い処理物でも好適に脱水をすることができる。
【0053】
【実施例3】
次に特に軟質の固形物の脱水処理に好適な本発明による第3の実施例について説明する。軟質の処理物の典型的な例としては排水汚泥がある。排水汚泥は、微小な有機物が水中に分散したもので、このままではスクリーンで濾過する事が困難であり、通常凝集剤等を用いてフロック状にし、これを脱水している。このフロックは、数mm〜数cmの大きさであるのでスクリーンで捕捉することは可能である。しかしながら、フロックは含水率の高いゲル状物質であるので、スクリーンの目を容易に閉塞する。脱水効率を上げるためむやみに濾過圧を上げるとスクリーンの目から押し出されることもある。スクリーンの目を小さくすれば目詰まりが深刻になり、大きくすればスクリーンの目を通過する目モレが問題となる厄介な物質である。
【0054】
図6aは、実施例3による回転式圧縮濾過機71を示しており、これは、図7に示された回転式圧縮濾過機をベースとして、これに第2の処理液供給口78bを設けたものであるが、もちろん実施例1又は実施例2で説明した回転式圧縮濾過機をベースにして複数の処理液供給口を設けることも考えられる。第1の処理液供給口78aと第2の処理液供給口78bとはスクリーンの回転角にして20度〜90度の間隔を置くことが好ましい。
【0055】
この角度が10度未満であると、第1の処理液と第2の処理液とが混合し、本発明が意図する2層構造のケーキ層を作ることができないので好ましくない。この角度が90度を超える間隔であっても第2の処理液の供給量の方が第1の処理液の供給量よりも大きいので、一部の処理液が逆流し第1の処理液と一定の位置で合流するだけなので特に大きな問題はない。
【0056】
本実施例では、第1の処理液は隔壁板56の表面を通過したスクリーン55に最初に接触する。隔壁板を通過した直後のスクリーン面にはケーキ層が存在しないために、第1の処理液中の液体成分は速やかにスクリーンの目を通過するが、処理液中の固形物はスクリーンの目に遮られてスクリーン表面に液体透過性の良いケーキ層を形成する。このケーキ層が十分に形成される前に第2の処理液が供給されると、両方の処理液が混合し、スクリーン表面に最初に形成するケーキ層の液体透過性が損なわれることがあるので、第1の処理液供給口から第2の処理液供給口は、所定の間隔を置くことが必要である。
【0057】
次に、上述の実施例3で説明した回転式圧縮濾過機71を用いて汚泥を脱水する方法について説明する。第1の処理液は、繊維質を含んでおり、処理液中の液体成分がスクリーンの目の方向に流れるに従って、スクリーンの表面に搬送され、スクリーン表面に薄い層を形成する。スクリーンが回転し、第2の処理液供給口付近に達すると、第1の処理液中の残余の繊維質は第2の処理液と供給されスクリーンの表面に形成された繊維質を多く含む層の上に徐々に蓄積する。繊維質の薄い層は、スクリーンの目を完全に塞ぐことはなく、後続のフロック中の液体を通過させる隙間を有しており、次第に厚いケーキの層が形成される。
【0058】
スクリーンが更に回転し、処理液中の水分がある程度機外に排出されると、両面から蓄積したケーキが内層まで満たされるが、外層即ちスクリーン面に接触する層がある程度硬いケーキになり、固体状のケーキとして挙動するのに対し、内層は比較的軟らかいケーキであり、流動性も保持している。したがって、内層のケーキは、後続の液状処理物からの圧力によって前方へ向かう低い力を受けるが、スクリーンの回転力はスクリーン面から徐々に軟らかくなるケーキ層を通じて内層に伝えられるので、流動性を有する内層のケーキを前方に搬送することにはあまり寄与できない。
【0059】
さて、この状態のケーキは、前方に存在するより硬いケーキに相対したとき、内層の液体に近いケーキはそれ以上進行することができない。一方、外層の繊維質を多く含む層はスクリーンの回転力によって前方のケーキに向かって進行するが、前方には既に硬いケーキが存在するので、スクリーンと同速で移動することはできなくなる。しかし、内層のケーキが後続の軟らかいケーキによって押される力より、外層のケーキがスクリーンによって前方へ押される力のほうが大きいので、繊維質を多く含むケーキ層は、スクリーン表面で折り畳まれ、徐々に内層へ貫入することになる。このようにして当初はスクリーン表面で薄い層を形成していた繊維質を多く含むケーキ層は、徐々に厚くなり、内層の水分をスクリーン面へ導く機能が徐々に内層にまで及ぶので、ケーキの脱水効率を高くすることになる。
【0060】
図6bは、図6aのA―B線に沿って濾過室外側を見た場合の模式図である。第1の処理液供給口78aから供給された第1の処理液中の繊維成分を多く含むケーキ層がスクリーン上に形成され、それがスクリーンの回転により次第に濾過室終端部に搬送される過程で、スクリーン面状で折りたたまれ、次第に厚い層になる様子を模式的に示している。
【0061】
本実施例においては、処理液を2段階に分けて回転式圧縮濾過機に供給するものとし、通常の凝集剤処理を施した第2の処理液を供給する前に、より液体透過性のよい第1の処理液を供給する。第1の液体透過性は、0.1〜10重量%の繊維状物質を添加することによって得られる。この場合の母液は、第2の処理液の一部を用いてもよく、あるいは、回収した濾液を再利用してもよく、或いは両者を併用しても良い。
【0062】
いずれの場合も、第1の処理液は、第2の処理液に対して5〜40%程度を供給する。第2の処理液に繊維状物質を添加して第1の処理液とする場合は、比較的高率15〜40%が適当であり、第2の処理液を全く使用しない場合は、5〜20%の低率が良い。第1の処理液の供給量を5%未満とすると、スクリーン上に繊維状物質を含む層を均一に形成することが困難になるので好ましくない。
【0063】
本実施例において用いる繊維状物質は、製紙、パルプ、繊維、木材等の工業や農業、畜産業で発生する繊維状廃棄物又は余剰物、例えば落綿、おが屑、籾殻やそれらの粉砕物、パルプ廃液等の液状廃棄物等が使用できる。これらの中で古紙は定常的に大量に流通しており、古紙に開繊処理を施したものは本発明に特に適している。
【0064】
本発明による回転式圧縮濾過機で汚泥を脱水するときに使用する薬剤は、特別なものを要しない。無機系の薬剤として、塩化鉄、塩化アルミニウム、硫酸鉄、硫酸アルミニウム等の金属塩類、沈降助剤として使用する消却灰及びゼオライト、pHの調整に用いる各種酸類及びアルカリ類、並びに高分子凝集剤として、ノニオン系、アニオン系、カチオン系及び両性の凝集剤があり、これらを適宜組み合わせて用いることが可能である。
【0065】
【発明の効果】
以上に述べた通り、本発明による回転式圧縮濾過機は、機内での処理物の詰まりを好適に防止しつつ処理物を効率よく脱水することができる。又、軟質処理物のスクリーンの目を通過したり、スクリーンの目を閉塞するために従来の回転式圧縮濾過機では高い脱水率が得がたかった軟質の処理物を効率よく脱水することができる。
【0066】
また、濾過室内の適当な部位、例えば隔壁板又は、外輪スペーサーに圧力センサーを取りつけ、このセンサーから検出される圧力信号を入力値とし、処理液供給量、スクリーンの回転数、そしてケーキ出口付近に可動部材を有する場合は、可動部材の位置を適宜自動制御することにより、ケーキの脱水率を高いレベルに維持した安定的な運転をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による回転式圧縮濾過機31の断面図である。
【図2】 図1の回転式圧縮濾過機31のA−A線による断面図である。
【図3】 内輪スペーサー径と衝突角を示す説明図である。
【図4】 本発明による回転式圧縮濾過機51の断面図及び隔壁板の各位置と衝突角との関係を示すグラフである。
【図5】 本発明による回転式圧縮濾過機51の断面図である。
【図6】 本発明による回転式圧縮濾過機71の断面図である。
【図7】 従来の代表的な回転式圧縮濾過機101の基本構造を示す一部切欠斜視図である。
【図8】 図7の回転式圧縮濾過機のAA線による断面図である。
【図9】 図7の回転式圧縮濾過機のCC線による断面図である。
【図10】 図7の回転式圧縮濾過機のケーキ出口109付近の拡大断面図である。
【図11】 図7の回転式圧縮濾過機の作用を説明するための断面図である。
【図12】 図7の回転式圧縮濾過機のケーキ出口109付近に設けられた背圧装置の可動弁107の説明図である。
【符号の説明】
31、51、71、101:回転式圧縮濾過機
32、52、72、102:回転軸
33a、33b、53、73、103:内輪可動スペーサー
33c:内輪固定スペーサー
34、54、74、104:外輪スペーサー
35a、35b、55、75、105:スクリーン
36、56、76、106:隔壁板
37: スクリーン支持部材
57:可動部材
106c:隔壁板の平面状底面
38、58、78a、78b、108:処理液供給口
39、59、79、109:ケーキ出口
40、60、80、110:濾過室
42、62、82、112:ケーキ通路
107:可動弁(背圧装置)、111:脱水ケーキ、113:外部ケーシング

Claims (8)

  1. 所定の間隔で対向する二枚の円盤状で透水性を有するスクリーンと、駆動手段によって駆動されて前記二枚のスクリーンと一体になって回転する内輪可動スペーサーと、前記二枚のスクリーンの外周部にその一部の領域を除いて接する外輪スペーサーと、で囲まれた濾過室を有し、
    前記濾過室は、前記内輪可動スペーサーから前記外輪スペーサーまでの空間を半径方向に区切る隔壁板により区分されて、前記濾過室の始端部と終端部とが前記隔壁板を間に挟んだ位置に形成され、
    前記濾過室の始端部付近に第1の処理液供給口が配置されると共に、前記終端部に隣接してケーキ通路とケーキ出口が配置され、
    前記スクリーンを前記第1の処理液供給口側から前記ケーキ出口側方向に連続的に回転させて、前記濾過室に面するスクリーン面の摩擦力によって前記濾過室内において処理液中の固形物を前記終端部方向に駆動することにより前記処理液を加圧し、それによって前記処理液から液体を除去して、固形分濃度が高まったケーキを前記ケーキ出口から外部に排出させるように構成された回転式圧縮濾過機において、
    前記濾過室に第2の処理液を供給するための第2の処理液供給口を、前記第1の処理液供給口から前記スクリーンの回転方向に距離をおいた位置に配設し、
    前記第2の処理液供給口から前記濾過室に供給される第2の処理液より液体透過性の良い固形物を含む第1の処理液を前記第1の処理液供給口から前記濾過室に供給することにより、前記第1の処理液中の液体透過性の良い固形物の層を前記スクリーンの表面に形成することができるようにしたことを特徴とする回転式圧縮濾過機。
  2. 請求項1に記載の回転式圧縮濾過機を用いた汚泥を含む処理液の脱水方法であって、汚泥を含む前記第2の処理液を前記第2の処理液供給口から前記濾過室内に供給し、前記第1の処理液供給口から前記濾過室内に、前記第2の処理液に含まれる汚泥より液体透過性の良い固形物として0.1〜10重量%の繊維状物質を含む第1の処理液を前記第2の処理液の供給量の5〜40重量%供給することを特徴とする汚泥を含む処理液の脱水方法。
  3. 前記繊維状物質の主成分が開繊したセルロース繊維である請求項2記載の汚泥を含む処理液の脱水方法。
  4. 前記第1の処理液が、前記第2の処理液に0.1〜10重量%の繊維状物質を添加したものである請求項2又は3記載の汚泥を含む処理液の脱水方法。
  5. 前記濾過室の外側の3分の2以上の領域内において、前記隔壁板のケーキ接触面が前記スクリーンの回転方向となす衝突角の平均が50度以下であり、なおかつ、前記領域内の前記衝突角の最大値と最小値の差が15度以下である請求項1記載の回転式圧縮濾過機。
  6. 前記濾過室の終端部において、前記ケーキの進行方向の前記濾過室の断面積が回転角で60度以上に渡って次第に減少するように構成され、それによって前記処理液の圧縮効率が前記濾過室の終端部において高められている請求項5記載の回転式圧縮濾過機。
  7. 前記濾過室に隣接する前記ケーキ通路の少なくとも一つの壁面が可動部材を備え、それによって前記ケーキの進行方向の断面積を変化させることができる請求項5又は6記載の回転式圧縮濾過機。
  8. 前記二枚のスクリーンの一方が他方に対して1〜10度の角度をなし、前記濾過室の終端部に向かって前記濾過室の断面積が次第に減少している請求項1記載の回転式圧縮濾過機。
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