JP4635103B2 - カーボンナノチューブ分散液、及びその利用 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散液、及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブが所定の液状媒体に分散したカーボンナノチューブ分散液に関する。また本発明は、該分散液の製造方法に関する。さらには、該カーボンナノチューブ分散液を基材に付与してなるカーボンナノチューブ膜に関する。
カーボンナノチューブは、導電性、熱伝導性、機械的強度等の優れた特性を持つことから、多くの分野から注目を集めている新素材である。かかるカーボンナノチューブに関し、単独での利用のみならず、これを他の材料に分散させた複合材料として利用することについても種々検討されている。例えばカーボンナノチューブを分散媒に分散させたカーボンナノチューブ分散液を、導電性付与剤や帯電防止剤として利用できる。また、該カーボンナノチューブ分散体を塗布してフィルムやシート等の基板上に導電層を形成し、この基板をディスプレイのエミッタ材料、燃料電池用電極材料、ガス吸蔵材料等に利用できる。
一般にカーボンナノチューブは、多数のチューブが凝集した状態で製造され、かつ販売されている。かかる凝集状態にあるカーボンナノチューブは、他の材料(液状媒体)に均一に分散しにくいという問題がある。この問題を解決するべく、カーボンナノチューブの分散性を向上させる方法が種々検討されている。例えば、特許文献1には、所定の液体とカーボンナノチューブとの混合液を湿式媒体攪拌ミルで解砕し、上記カーボンナノチューブを上記液体中に分散させる方法が記載されている。特許文献2には、アミド系極性有機溶媒と非イオン性界面活性剤との混合液にカーボンナノチューブを分散させる方法が記載されている。特許文献3には、カーボンナノチューブの一部に共役系重合体を付着させることにより上記カーボンナノチューブの分散性を向上させる方法が記載されている。
特開2005−324999号公報 特開2005−075661号公報 特開2005−089738号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、カーボンナノチューブが過剰に断片化し易く、またチューブの壁面構造が損傷し易い。断片化して短くなり過ぎたカーボンナノチューブや損傷の大きいカーボンナノチューブでは、カーボンナノチューブ本来の特性(例えば導電性や強度等)を適切かつ十分に発揮できない。また、特許文献2及び3に記載の方法では、界面活性剤や共役系重合体等の多種材料(成分)の混合によって、該混合材料の混合工程や未反応物の除去工程(精製工程)が増して製造工程が煩雑化する虞がある。また、特殊な混合材料の使用によりカーボンナノチューブ分散液の製造コストが上昇する。
そこで本発明は、カーボンナノチューブが均一に分散して長期間にわたって良好な分散状態を維持するとともに、カーボンナノチューブ本来の特性を発揮し得るカーボンナノチューブ分散液を提供することを目的とする。また、このようなカーボンナノチューブ分散液を製造する方法を提供することを他の目的とする。さらに別の目的は、このようなカーボンナノチューブ分散液を基材に付与してなるカーボンナノチューブ膜(即ちカーボンナノチューブを主構成要素とする膜)と、該カーボンナノチューブ膜を備える膜エレメントを提供することである。
上記目的を実現するべく本発明によってカーボンナノチューブ分散液が提供される。この分散液は、カーボンナノチューブが液状媒体に分散した分散液であって、前記液状媒体は、アルコール系溶媒とポリビニルアセタール樹脂とを含む。
従来では、例えばアルコール等の有機溶剤に対して、カーボンナノチューブを分散させることは困難であった。このため、多種類の分散剤を多量に添加することでカーボンナノチューブを上記溶剤(分散媒)に分散させていた。本発明者は、アルコール系溶媒に少なくともポリビニルアセタール樹脂を添加することによって、カーボンナノチューブの分散性が著しく向上し、良好かつ均一な分散状態が長期にわたって維持されることを見出した。すなわち、かかるカーボンナノチューブ分散液は、液状媒体中にアルコール系溶媒とポリビニルアセタール樹脂とを含む。このため、該分散液は、カーボンナノチューブを均一に分散させて、その良好な分散状態を長期間安定して維持することができる。また、ここに開示される分散液では、必須の構成成分を少なくすることができる。このため、使用条件の制約が少なく、組成の自由度が高い。すなわち、利用目的に応じて、該分散液に所望の機能を付与し得る成分を添加して所望の組成に調製し易い。したがって、かかる分散液は、原材料(例えば機能性材料)として幅広い分野で利用され得る。
ここに開示される分散液の好ましい一態様では、前記アルコール系溶媒は、低級アルコール(例えば炭素数が8以下)、特に炭素数1〜4の低級アルコールである。
かかる態様では、上記アルコール系溶媒として炭素数が1〜4程度の低級アルコールを用いるので、以下のような効果が奏される。まず、炭素数が1〜4程度の低級アルコールは、揮発性が高い。このため、かかる分散液を塗布してカーボンナノチューブ膜を作製する際に、かかるアルコールを塗布物から容易に除去させ易い。また、かかる低級アルコールは、入手し易く、キシレン等の有機溶剤に比べて環境負荷が比較的低いので、溶剤としての汎用性が高い。このようなアルコールを使用して得られるカーボンナノチューブ分散液は、より幅広い分野で利用され得る。
ここに開示される分散液の好ましい一態様では、前記アルコール系溶媒100mLに対して、前記カーボンナノチューブは0.5mg〜1000mg(例えば1mg〜10mg、典型的には1mg〜5mg)が分散している。
また好ましくは、前記ポリビニルアセタール樹脂は、カーボンナノチューブに対して質量比0.5〜10(より好ましくは1〜5、典型的には1〜3)の割合で含まれる。
かかる態様によれば、カーボンナノチューブの液状媒体への分散性を向上させる効果がさらに高まり、安定した分散状態がより長期間にわたって維持され得る。
ここに開示される分散液に使用されるポリビニルアセタール樹脂は好ましくは平均分子量1.0×10〜2.5×10である。また、ポリビニルアセタール樹脂の一好適例として、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。
前記ポリビニルブチラール樹脂は、好ましくは平均分子量1.0×10〜2.5×10である。また、かかる樹脂はブチラール化度65mol%〜80mol%であることが好ましい。さらに前記ポリビニルブチラール樹脂としては、20℃の温度条件下でエタノールとトルエンとを1:1の体積比で混合した混合溶媒に10質量%の濃度で溶解させた際の溶液粘度が5mPa・s〜30mPa・sであるものが好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂は、一般的に、上記アルコール系溶媒に容易に溶解し、その溶液は無色透明である。また、該溶液を用いた塗膜は強靭で可撓性を有するとともに、多様な基材への良好な接着性を持つ。これらの一般的性質に加え、かかるポリビニルブチラール樹脂は低分子量で低粘性である。このため、かかる樹脂を用いて得られるカーボンナノチューブ分散液は基材へのぬれ性が高く、基材上に容易に薄く広範囲に塗布できる。また、かかる分散液を基材に付与(塗布)してカーボンナノチューブ膜を形成すれば、該膜は該基材と良好な接着強度で接着し、良好な導電性(或いは半導体性)を有する透明な薄膜となり得る。したがって、かかる樹脂を用いた分散液は、良好な膜材料として好適に利用され得る。
また、ここに開示される発明によって、常温で静置した場合に、少なくとも2週間カーボンナノチューブが分散状態を維持することを特徴とするカーボンナノチューブ分散液が提供される。
かかる分散液は、攪拌等の操作を全く行わずに常温で静置しても、カーボンナノチューブが凝集して沈降することなく良好な分散状態を長期間(少なくとも2週間)維持することができる。該分散液の使用直前に、攪拌等の分散処理を再度行う必要がなく、作業効率を低下させることはない。このため、該分散液は原材料として扱い易く、好ましく利用され得る。
また、上記目的を実現するべく、本発明によってカーボンナノチューブが液状媒体に分散した分散液を製造する方法が提供される。この製造方法は、カーボンナノチューブを用意すること、アルコール系溶媒とポリビニルアセタール樹脂とを含む液状媒体を用意すること、及び前記カーボンナノチューブを前記媒体とともに容器に入れて、該容器の内容物を分散処理すること、を包含する。ここで該分散処理は少なくとも攪拌処理と超音波処理とを含む。
また、前記分散処理は、長さ1μm以上であり直径が0.1μm未満のカーボンナノチューブバンドル(即ちカーボンナノチューブの束(bundle)をいう。以下同じ。)が前記媒体に分散した分散液が形成されるように行われることが好ましい。
かかる製造方法によって、カーボンナノチューブが上記液状媒体中に均一に分散した分散液が得られる。また、攪拌及び超音波処理を含む分散処理を行うことによって、該カーボンナノチューブの過剰な断片化や損傷が抑制される。したがって、かかる製造方法によって、カーボンナノチューブ本来の特性を発揮し得る状態にあるカーボンナノチューブが液状媒体中に均一に分散した分散液を製造することができる。
本発明によれば、ここに開示されるいずれかのカーボンナノチューブ分散液を基材に付与してなるカーボンナノチューブ膜が提供される。或いは、ここに開示されるいずれかの製造方法により製造されるカーボンナノチューブ分散液を基材に付与してなるカーボンナノチューブ膜が提供される。かかるカーボンナノチューブ膜は、カーボンナノチューブが均一に分散した膜であって、良好な導電性(或いは半導体性)を示すとともに、強靭で可撓性をも備えた膜となり得る。また、上記基材として、例えば透明なPETフィルムやガラス等を用いれば、該基材上に形成されるカーボンナノチューブ膜は、該基材と強い接着強度で接着し、剥離しにくい透明な膜となり得る。さらに、上記分散液に所望する機能を与える成分を添加しておけば、この分散液を用いて得られる膜は機能性膜となり得る。このような膜を基材上に備える膜エレメントは、種々の産業分野で利用することができる。
本発明に係るカーボンナノチューブ分散液の製造方法の概略を示すフローチャートである。 実験例1において得られたカーボンナノチューブのエタノール分散液のSPM写真である。 実験例1において得られたカーボンナノチューブのエタノール分散液の光学写真である。 実験例2において得られたポリビニルブチラール樹脂を含まないカーボンナノチューブのエタノール分散液のSPM写真である。 実験例2において得られたポリビニルブチラール樹脂を含まないカーボンナノチューブのエタノール分散液の光学写真である。 実験例3において得られたカーボンナノチューブのメタノール分散液の光学写真である。 実験例4において得られたカーボンナノチューブの2−プロパノール分散液の光学写真である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、カーボンナノチューブの合成法、カーボンナノチューブの回収方法)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示されるカーボンナノチューブ分散液は、液状媒体にカーボンナノチューブが均一に分散した分散液である。この液状媒体は、アルコール系溶媒と少なくともポリビニルアセタール樹脂とを含んでいる。また、カーボンナノチューブが高濃度に含有された高粘度のインク状組成物、或いはペースト状組成物は、液状媒体中にカーボンナノチューブが一様に分散されている限り、ここに開示されるカーボンナノチューブ分散液に包含される一形態である。
かかるカーボンナノチューブ分散液を製造するための原料として使用されるカーボンナノチューブ(すなわち、分散対象となるカーボンナノチューブ)の種類は特に限定されず、アーク放電法、レーザ蒸発法、化学気相成長法(CVD法)等の各種方法により製造されたカーボンナノチューブを適宜選択して用いることができる。単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、及びこれらを任意の割合で含む混合物のいずれも使用可能である。典型的には、上記原料として、多数のカーボンナノチューブが凝集したカーボンナノチューブ凝集体(上記カーボンナノチューブバンドルを包含する。)が好ましく用いられる。該凝集体は、カーボンナノチューブ以外に、チューブを形成しないアモルファスカーボン等の炭素成分(不純物炭素)や触媒金属等を含んでもよい。このようなカーボンナノチューブ凝集体(原料)として、上述のような各種方法(例えばアーク放電法)により得られた生成物をそのまま使用してもよく、或いは、該生成物に任意の後処理(例えばアモルファスカーボンの除去、触媒金属の除去等の精製処理)を施したものを使用してもよい。
上記原料を構成するカーボンナノチューブの長さは特に限定されないが、典型的には少なくとも概ね1μm以上であり、好ましくは概ね5μm以上(典型的には5μm〜100μm、好ましくは5μm〜数十μm)である。この長さが概ね10μm以上(典型的には10μm〜100μm、好ましくは10μm〜数十μm)であってもよい。本発明に係る製造方法によれば、攪拌処理及び超音波処理を含む分散処理を実施することにより上記長さを有するカーボンナノチューブを適切に(好ましくは、1μm以上の長さが維持された状態で)分散させて、該カーボンナノチューブ本来の特性が発揮され易いカーボンナノチューブ分散液を得ることができる。
ここに開示されるカーボンナノチューブ分散液における液状媒体は、アルコール系溶媒とポリビニルアセタール樹脂とを含み、アルコール系溶媒は液状媒体の主成分であることが好ましい。また、該アルコール系溶媒としては、上記室温程度の温度域(例えば23℃〜25℃)で液状を呈する一般的なアルコールから選択される1種、又は2種以上を使用することができる。上記アルコール系溶媒の種類及び組成は、目的及び態様等に応じて適宜選択することができる。本発明の実施に好ましいアルコール系溶媒として、低級アルコール、典型的には炭素数1〜4程度の低級アルコールが挙げられる。より好ましくは、後述のポリビニルアセタール樹脂を溶解し得る低級アルコールである。このような低級アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、1−ブタノール(n−ブタノール)、2−メチル−1−プロパノール(イソブタノール)、2−ブタノール(sec−ブタノール)、及び1−メチル−2−プロパノール(tert−ブタノール)のような炭素数1〜4の低級アルコールが挙げられる。これらの低級アルコールのうちの1種のみ(例えばエタノール若しくは2−メチル−1−プロパノール)、或いは2種以上(例えばエタノールと1−ブタノール)を適当な混合比で混合した混合アルコールを、上記アルコール系溶媒として好ましく採用することができる。
上記の低級アルコールは揮発性が高い。このため、これらのアルコールを含む液状媒体にカーボンナノチューブを分散させた分散液を塗布すれば、該アルコールは容易に揮発するので上記塗布物から該アルコールを除去(乾燥)させ易い。また、これらのアルコールは、入手し易く極めて一般的な溶剤である。このため、これらのアルコールを用いてなる分散液は幅広い分野に適用され得る。
ここに開示されるカーボンナノチューブ分散液の液状媒体には、ポリビニルアセタール樹脂が含まれる。ポリビニルアセタール樹脂は、一般的にはビニルエステル系単量体を重合してなるポリビニルエステル系樹脂をケン化して得られるポリビニルアルコール(PVA)系樹脂(或いは変性PVA系樹脂)に対してアルデヒドと反応させ、アセタール化することにより得られる。このため、このポリビニルアセタール樹脂は、PVA系樹脂の連続するビニルアルコール構造単位がアルデヒド化合物によってアセタール化された構造単位(すなわちアセタール基を含む構造単位)と、未反応のビニルアルコール構造単位(すなわち水酸基を含む構造単位)、及びPVA系樹脂の未ケン化部分である酢酸ビニル構造単位(すなわちアセチル基を含む構造単位)とを有する高分子化合物である。この各構造単位の割合(すなわち組成)、重合度(分子量)により、物理的・化学的性質が変化し、かかる樹脂の熱的性質や機械的性質、溶液粘度等が左右され得る。例えば、未反応のビニルアルコール構造単位(水酸基)が多い組成のポリビニルアセタール樹脂は、水素結合により結晶化し易く、高弾性率や強靭性、親水性、又は基材との接着性に優れる。また、アセタール基が多い(アセタール化度が高い)組成では、軟化性や親油性に優れる。分子量(重合度)が大きい場合には、かかる樹脂の溶液粘度が低下する。
ここで、上記液状媒体に使用され得るポリビニルアセタール樹脂は、アルコール系溶媒への溶解度が高いことが好ましく、また、アルコール系溶媒に溶解させて高濃度に溶液を調製しても溶液粘度が低いような性質を有することが好ましい。したがって、所望の特性を呈するような分子量(重合度)や組成を適宜選定することで、本発明の実施に好ましいポリビニルアセタール樹脂を採用することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、上記の特性を呈するものであれば特に限定されないが、好ましく採用され得る一つの典型例としては、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。これはPVA系樹脂をブチルアルデヒドによりアセタール化(ブチラール化)して得られるものである。
上記特性を有し、本発明にとり好ましいポリビニルブチラール樹脂の平均計算分子量は、1.0×10〜3.5×10が好ましく、より好ましくは1.5×10〜2.3×10である。上記のような平均分子量を有するポリビニルブチラール樹脂の重合度としては、150〜600が好ましく、より好ましくは200〜350である。この重合度は原料のビニルエステル系単量体を重合してなるポリビニルエステル系樹脂(重合体)の重合度を制御することにより調節できる。
また、使用するポリビニルブチラール樹脂としては、20℃の温度条件下において、エタノールとトルエンとを1:1の体積比で混合した混合溶媒に10質量%の濃度で溶解させた際の溶液粘度が5mPa・s〜30mPa・s(好ましくは9mPa・s〜30mPa・s、さらに好ましくは9mPa・s〜15mPa・s、若しくは10mPa・s〜30mPa・s)となるようなものであることが好ましい。かかるポリビニルブチラール樹脂の粘度を測定する方法としては、例えばBM型の回転粘度計を用いる等、従来公知の方法を好ましく用いることができ、特に限定されない。
また、本発明の実施に好ましいポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は65mol%〜80mol%(好ましくは68mol%〜77mol%)が好ましい。これに対して、かかる樹脂の好ましい水酸基量は、20mol%〜35mol%(好ましくは21mol%〜28mol%)である。さらにかかる樹脂に残存するアセチル基は5mol%以下(好ましくは2mol%〜5mol%以下)であることが好ましい。ブチラール化度は、PVAまたは変性PVAの水酸基数のうちブチラール化された水酸基数の割合である。したがって、上記ブチラール化度が上記範囲の上限を超えると、有機溶媒への溶解性は上昇するが、水酸基量が減る。このためかかる樹脂のアルコール溶液の塗膜は、接着性が低下する。一方、ブチラール化度が上記範囲の下限を下回って水酸基量が増すと、有機溶媒への溶解性が低下する。したがって、かかるポリビニルブチラール樹脂において、ブチラール化度と水酸基量との存在量が上記範囲内にバランスされていることが好ましい。
ブチラール化度の算出方法は、従来公知の方法を好ましく用いることができ、特に限定されない。例えば、かかるポリビニルブチラール樹脂のブチラール基は2個の水酸基がアセタール化されて形成されることから、当該アセタール化された2個の水酸基を数えて、そのモルパーセント[mol%]を算出すればよい。また、ポリビニルブチラール樹脂の水酸基量を求める方法は、例えばジメチルスルホキシド等の溶液を作製し共鳴種として同位元素13Cを用いる核磁気共鳴スペクトル(典型的には13C−NMR)測定や、赤外分光(IR)測定により定量する方法等が挙げられる。或いは、JIS K6728(ポリビニルブチラール試験方法)に準拠して測定することにより上記ブチラール化度及び水酸基量を好ましく求めることができる。
かかるポリビニルブチラール樹脂において、本発明にとり好ましい市販品として、積水化学工業株式会社製品、「S−LEC B」シリーズの低重合度タイプのものを採用することができる。特に好ましくは、同タイプの商品名「BL−10」(計算分子量;約1.5×10、水酸基;約28mol%、ブチラール化度;71±3mol%、上記溶液粘度;9〜15mPa・s)、又は商品名「BL−S」(計算分子量;約3.2×10、水酸基;約21mol%、ブチラール化度;77mol%以上、上記溶液粘度;10〜30mPa・s)である。
かかるポリビニルブチラール樹脂を用意する際には、上記市販品を入手してもよく、或いは所定の分子量や組成を有するように製造してもよい。ポリビニルブチラール樹脂を製造する場合には、その方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法を好ましく用いることができる。典型的には、まず溶液重合等により酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマーを共重合させてポリビニルエステル系樹脂(重合体)を生成し、これをケン化してPVA系樹脂を得る、次に、得られたPVA系樹脂を水に溶解し、低温でブチルアルデヒドと反応させてブチラール化してポリビニルブチラール樹脂を析出させる、その後、系の温度を上げてブチラール化反応を終了するとともにアセタール化部分を再配列させる、という方法が好ましく用いられる。ポリビニルブチラール樹脂は、その重合度が低重合度に制御されていることが好ましい。このようなポリビニルブチラール樹脂を製造する方法の一つとして、例えば、ビニルエステル系単量体をヨードホルム等のヨウ素化合物の存在下でラジカル重合させて得られるポリビニルエステル系重合体を用いる方法が挙げられる。なお、ポリビニルブチラール樹脂の製造方法自体は本発明を何ら特徴づけるものではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。
上記ポリビニルブチラール樹脂を上述のアルコール系溶媒に溶解して、カーボンナノチューブ分散液として好ましい液状媒体を調製する。なお、上記アルコール系溶媒は、上述のように低級アルコールを2種以上混合した混合アルコールでもよいが、例えば、上記低級アルコール(典型的にはメタノールやエタノール)に芳香族炭化水素(例えばトルエンやキシレン)及び/又はエステルやケトン(例えば酢酸エチルやエチルメチルケトン)等の有機溶剤を所定割合(例えばアルコール:芳香族炭化水素の体積比4:6程度)で混合した混合溶媒を好ましく用いることもできる。該混合溶媒の使用は、カーボンナノチューブ分散液の粘度調整や、該分散液の塗膜のさらなる透明化に効果的である。
また、上記液状媒体は、ポリビニルアセタール樹脂のほかに、必要に応じて各種の添加材を副成分として含有することができる。そのような添加剤としては、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤等が例示される。
次に、アルコール系溶媒に対するカーボンナノチューブ及びポリビニルアセタール樹脂の配合比について説明する。該アルコール系溶媒100mLに対して、カーボンナノチューブを0.5mg〜1000mg(例えば0.5mg〜200mg、典型的には0.5mg〜50mg、特には1mg〜30mg)分散させることが好ましい。また、単層カーボンナノチューブのみを選択的に用いる際には、上記アルコール系溶媒100mLに対して、上記カーボンナノチューブを0.5mg〜200mg(より好ましくは0.5mg〜100mg、典型的には1mg〜30mg)分散させることが好ましい。さらに、多層カーボンナノチューブのみを選択的に用いる際には、上記アルコール系溶媒100mLに対して、上記カーボンナノチューブを0.5mg〜1000mg(より好ましくは0.5mg〜200mg、典型的には1mg〜50mg)分散させることが好ましい。また、導電膜(例えば、太陽電池、タッチパネル、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の電極として用いられる透明導電膜)として好適に使用され得る後述のカーボンナノチューブ膜を、例えばディップコート法により作製する場合には、アルコール系溶媒100mLに対してカーボンナノチューブを60mg以下、例えば1mg〜40mg(典型的には1mg〜20mg)分散させることが好ましい。一方、上記導電膜として好適に使用され得るカーボンナノチューブ膜を、例えば滴下法により作製する場合には、アルコール系溶媒100mLに対してカーボンナノチューブを10mg以下、例えば1mg〜10mg(典型的には1mg〜5mg)分散させることが好ましい。
上記カーボンナノチューブに対して、ポリビニルアセタール樹脂を質量比0.5〜10(好ましくは1〜3、典型的には1〜2)の割合でアルコール系溶媒に溶解させることが好ましい。アルコール系溶媒にカーボンナノチューブをより多く分散させる際には、カーボンナノチューブに対するポリビニルアセタール樹脂の質量比を1より大きくすることで分散性が向上する。換言すれば、分散させたいカーボンナノチューブ量に対して、ポリビニルアセタール樹脂のアルコール系溶媒への溶解量を適宜調整して液状媒体を調製することにより、幅広い濃度範囲のカーボンナノチューブ分散液を得ることができる。例えば、液状媒体、すなわちポリビニルブチラール樹脂が溶解しているアルコール系溶媒(例えばエタノール100mL)にカーボンナノチューブを分散させる場合、該ポリビニルアセタール樹脂とカーボンナノチューブとの質量比が1:1であれば、カーボンナノチューブは10mg程度までは良好に分散するが、それ以上のカーボンナノチューブを分散させると、分散状態を長時間(例えば2週間以上)維持できない。カーボンナノチューブを20mg以上分散させて該分散状態を2週間以上維持する場合には、ポリビニルアセタール樹脂を質量比1.5〜2程度まで(すなわち、20mgのカーボンナノチューブに対して30mg〜40mgのポリビニルアセタール樹脂を)アルコール系溶媒に溶解させることが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂のカーボンナノチューブに対する質量比が上記範囲の上限より超える場合には、カーボンナノチューブの分散性は良好となるが分散液の粘度が大きくなり過ぎることがある。
一方、該質量比が0.5未満である場合、カーボンナノチューブが一時は良好に液状媒体中に分散しても、例えば2週間以上という長期間にわたってその良好な分散性を維持することができず、カーボンナノチューブが液状媒体中で凝集し沈降する傾向がある。例えば、エタノール100mL中のカーボンナノチューブに対するポリビニルブチラール樹脂の質量比が0.4〜0.5の場合には、分散液調製直後は良好な分散状態を呈したが、その翌日〜翌々日にはカーボンナノチューブが凝集して沈降していた。該質量比が0.3以下の場合には、分散液調製時点で分散性は示さず、攪拌してもカーボンナノチューブの凝集体は分散しなかった。また、カーボンナノチューブの分量がアルコール系溶媒の分量に対して多すぎるか少なすぎる場合(すなわち、上記範囲を逸脱する場合)には、後述の攪拌処理の効率又は効果が低下する傾向がある。
上記の好ましい配合比でカーボンナノチューブとポリビニルアセタール樹脂を含むカーボンナノチューブ分散液は、良好な分散状態を示し得る。ここで、良好な分散状態とは、常温で静置した場合に、カーボンナノチューブバンドル(単一のカーボンナノチューブであってもよい。)が均一に液状媒体中に分散しており、凝集したカーボンナノチューブの沈降していない状態が少なくとも目視で2週間は維持される状態をいう。
ここに開示されるカーボンナノチューブ分散液を製造する方法では、製造原料としてのカーボンナノチューブ及び液状媒体を用意した後、該カーボンナノチューブを該媒体とともに容器に入れて分散処理を行う。該分散処理は少なくとも攪拌処理と超音波処理とを含む。上記容器(攪拌用容器)としては、密閉性の良い構造のものを使用することが好ましい。該容器を密閉して攪拌処理を行うことにより、後述する加圧状態を容易に実現することからも好ましい。
上記攪拌処理は、高速攪拌処理であって、容器内で攪拌体を高速(高回転数)で回転させて該容器の内容物(典型的には、原料としてのカーボンナノチューブ及び液状媒体)を攪拌することにより行われる。上記攪拌体は、容器内において高回転数で回転し得るように構成された部材であればよく、その形状は特に限定されない。また、かかる攪拌体を回転させる機構についても、所望の回転数を実現できる限りにおいて特に制限はない。例えば、モータに接続された攪拌軸に細長い板状若しくはプロペラ形状の攪拌体(攪拌ブレード)が取り付けられた構成の攪拌装置を用いて上記高速攪拌処理を行うことができる。ここで、攪拌体のサイズ及び容器に対する位置は、該攪拌体が容器の内壁に接触することなく回転するように設定されていることが好ましい。
高速攪拌処理時における攪拌体の回転数は、例えば凡そ10,000rpm以上(典型的には10,000rpm〜50,000rpm)とすることができ、凡そ10,000rpm〜30,000rpmとすることが好ましい。攪拌体の回転数が低すぎると、処理効率が低下し、又は処理効果(カーボンナノチューブの凝集を緩める効果)が低下する。一方、攪拌体の回転数が高すぎると、カーボンナノチューブが損傷を受け易くなる場合がある。かかる高回転数の攪拌を行うのに適した攪拌装置の市販品としては、岩谷産業株式会社製品、商品名「ミルサー」シリーズを例示することができる。
特に限定するものではないが、高速攪拌処理を行う時間(攪拌時間)は例えば5秒〜30分程度とすることができる。処理効率の向上、及び当該処理によるカーボンナノチューブの損傷の抑制という観点から、通常は、上記攪拌時間を10秒〜10分程度とすることが好ましく、30秒〜5分とするのがより好ましい。
このときの処理温度としては、液状媒体が液状の形態を維持する温度であればよい。例えば、液状媒体を構成するアルコール系溶媒がエタノールである場合には5℃〜60℃(好ましくは10℃〜50℃)程度の処理温度を採用することができる。容器内容物を室温よりもやや高い温度域に加熱することにより、処理効率の向上、カーボンナノチューブの損傷軽減などの効果が実現され得る。この場合には、内容物を例えば30℃〜60℃(好ましくは30℃〜50℃)程度に加温して高速攪拌処理を行うとよい。また、攪拌時間のうち一部の期間に内容物を加温してもよい。
上記攪拌処理は、攪拌容器の内圧が大気圧(典型的には凡そ1×10Pa)又は大気圧よりも加圧状態にある条件下で好ましく実施することができる。例えば、該容器の内圧を大気圧〜2×10Pa(約2気圧)程度、好ましくは大気圧〜1.5×10Pa程度、又は大気圧〜1.2×10Pa程度とすることができる。容器内を加圧状態として攪拌処理を行うことによって該処理の効率及び効果を向上させることができる。攪拌時間のうち一部の期間に容器内を加圧状態にしてもよい。また、攪拌処理によって液状媒体中の溶媒の蒸発が促進されるため、容器を密閉して上記攪拌処理を行うことにより、上記溶媒の蒸気圧を利用して容器内を加圧状態にすることができる。また、容器を密閉状態として加熱(例えば30℃〜60℃、好ましくは30℃〜50℃程度に加熱)することにより、液状媒体を構成する溶媒の蒸気圧を上昇させて容器の内圧を高めることもできる。
ここに開示される分散液の製造方法では、このような攪拌処理により得られた結果物に対し、さらに超音波処理を行う。攪拌処理後の容器内容物をそのまま(特に組成を変更することもなく)超音波処理に供してもよく、該内容物に任意の成分(液状媒体を構成する溶媒と同一の又は異なる溶媒、各種添加剤等)を加えてから超音波処理に供してもよい。攪拌処理後に使用した容器を引き続き超音波処理に使用してもよく、攪拌処理後の容器内容物を別の容器に移して超音波処理を行ってもよい。
かかる超音波処理に使用する超音波としては、例えば、周波数20kHz〜40kHz程度の超音波を好ましく採用することができる。かかる周波数の超音波振動を発生し得る超音波装置を用いて、例えば出力80W〜200W程度の条件で処理するとよい。出力が低すぎると処理効率が低下傾向となることがあり、出力が高すぎるとカーボンナノチューブの損傷が生じ易くなることがある。使用する超音波装置の種類(超音波の発生方式や装置の構成等)は特に限定されず、目的及び態様などに応じて、適当なものを選択することができる。
超音波処理を行う時間は、先行する攪拌処理の程度や超音波処理条件(例えば周波数)等を考慮して、所望の分散状態が実現されるように適宜設定することができる。例えば、該処理時間を1分〜2時間程度とすることができ、通常は3分〜1時間程度(より好ましくは5分〜30分程度)とすることが好ましい。超音波処理時間が短すぎると分散性を向上させる効果がやや低くなることがあり、該処理時間が長すぎると、カーボンナノチューブの損傷が生じ易くなることがある。
上記分散処理における攪拌処理を行う程度は、容器内容物(典型的には、液状媒体及びカーボンナノチューブ)の分量や該内容物におけるカーボンナノチューブの濃度、目標とする分散状態等を考慮して適宜設定することができる。例えば、1μm以上の長さを保ちつつ直径1μm未満(典型的には0.1μm以上1μm未満)に解されたカーボンナノチューブ若しくはカーボンナノチューブバンドルが液状媒体に分散した態様の分散液が形成されるように実施するとよい。このような分散液が得られるように、攪拌処理を行う条件(攪拌時間、回転数、容器の内圧、温度等)設定するとよい。例えば、好ましい攪拌処理条件の一例として10,000rpm以上(例えば凡そ20,000rpm)の回転数で30秒〜5分間(例えば凡そ1分間)回転させることが挙げられる。この条件で攪拌処理すれば、例えば2μm以上20μm以下、かつ直径0.1μm以上0.5μm以下となるようにカーボンナノチューブが束となったカーボンナノチューブバンドルが分散した分散液を得られる。
また、上記攪拌処理の結果物に対して超音波処理を行う程度は、例えば、1μm以上の長さを保ちつつ直径0.1μm未満(典型的には、原料に用いたカーボンナノチューブ凝集体に含まれる単一のカーボンナノチューブの直径以上0.1μm未満)に解されたカーボンナノチューブバンドル(単一のカーボンナノチューブであってもよい。)が液状媒体に分散した態様の分散液が形成されるように実施するとよい。このような分散液が得られるように、超音波処理を行う条件(処理時間、周波数、出力等)を設定するとよい。例えば、投げ込み式超音波装置を用いた場合には、好ましい超音波処理条件の一例として、上記分散液(すなわち攪拌処理の結果物)に20kHz〜30kHz(例えば20kHz)、100W〜150W(例えば120W)の超音波振動を5分〜30分(例えば15分)間程度与えることが挙げられる。このような分散処理によって、長さ1μm以上であり直径が0.1μm未満のカーボンナノチューブバンドルが液状媒体中に均一に分散した分散液が得られる。
なお、かかる分散液を原料として、例えば該分散液に他の成分を添加混合することによって、上記液状媒体とは異なる分散媒にカーボンナノチューブ(典型的には長さ1μm以上かつ直径1μm未満のカーボンナノチューブバンドル)が分散したカーボンナノチューブ分散体を製造することができる。例えば、各種高分子材料又はその前駆体(例えば熱硬化性樹脂のプレポリマー)を添加することでカーボンナノチューブ含有ペーストを調製することができる。さらに該ペースト中に含まれる揮発成分(液状媒体を構成する溶剤)を除去した後、上記プレポリマーを硬化させることにより、熱硬化性樹脂にカーボンナノチューブが分散したカーボンナノチューブ分散体を得ることができる。
上記製造方法により製造されたカーボンナノチューブ分散液(該分散液に高分子材料又はその前駆体を含んだカーボンナノチューブ含有ペーストを含む)を、基材に付与(塗布)することにより、カーボンナノチューブ膜(膜状のカーボンナノチューブ分散体)を好適に形成することができる。かかるカーボンナノチューブ分散液を基材に塗布する方法は特に限定されず、ディップコート法、スピンコート法、キャスト法、バーコーター法、滴下法、スプレー法、スクリーン法等の従来公知の方法を好ましく用いることができる。
また、かかる膜が付与される基材の種類は特に限定されず、例えば、ガラス、Si単結晶、多孔質カーボン等の無機材料、PETフィルム等の高分子材料等を好ましく採用することができる。また、上記基材の形状は特に限定されず、平板状、円筒状等、目的に応じて採用され得る基材表面に上記分散液を塗布することができる。例えば、PETフィルムの両面にディップコート法で上記カーボンナノチューブ膜を形成する一つの好ましい実験例は以下の通りである。すなわち、500mLの2−プロパノールに40mgのポリビニルブチラール樹脂と50mgのカーボンナノチューブとを混合したカーボンナノチューブ分散液を調製し、該分散液に上記フィルムを浸漬する。浸漬後引上げ速度4mm/秒で引き上げる。このようにして上記フィルムの両面に単分子膜レベルの均一な超薄膜を形成することができる。
また、例えば金属膜や絶縁膜等の薄膜層が形成された基材表面にさらに上記分散液を塗布してカーボンナノチューブ膜を形成してもよい。或いは、基材表面に上記分散液を塗布してカーボンナノチューブ膜を形成し、その上に別の基材を重ねることで、基材と基材の間にカーボンナノチューブ層を形成することもできる。本発明によって、このような特徴を備える膜エレメントを製造することができる。
ここに開示されるカーボンナノチューブ分散液を用いて基材上にカーボンナノチューブ膜を形成する処理を行うことにより、上記分散液が低粘性で基材との接着性が高いため、基材に対して均一に(すなわち均一な膜厚で)形成され、かつ定着性に優れるカーボンナノチューブ膜を備える膜エレメントを製造することができる。透明な液状媒体にカーボンナノチューブを分散した(例えば100mLのアルコール系溶媒に対して1mg〜40mg程度の)分散液を用いることにより、例えば適当な基材を当該分散液に浸漬するディップコート法によって透明なカーボンナノチューブ膜を形成し得る。さらに、該膜は、そのカーボンナノチューブの導電性(金属性)或いは半導体性により導電膜或いは半導体膜として機能する。すなわち、該カーボンナノチューブ膜は、上記基材上に導電性或いは半導体性の機能を付与することができる。したがって、このようにして得られるカーボンナノチューブ膜は静電(帯電)防止膜や保護膜として利用されるとともに、該膜を備える膜エレメントは、半導体素子材料、燃料電池用電極材料若しくはガス吸蔵材料として利用され得る。
以下、本発明に関する具体的な実施例を説明するが、本発明を係る実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実験例1>
図1に示す手順により、カーボンナノチューブ分散液を製造した。まず、原料として種々の方法(例えばアーク放電法)によりカーボンナノチューブ凝集体を用意した(ステップS1)。本実験例では、カーボンナノチューブ凝集体は以下のようにして用意した。
すなわち、鉄(0.5mol%〜5mol%)を含むグラファイトからなる一対のスティック状の電極(陽極及び陰極)を用意し、0.5mm〜5mm程度の間隔をあけて反応容器内に対向配置した。上記反応容器内を水素ガス(H)分圧1.3×10Pa、不活性ガス、ここではアルゴンガス(Ar)分圧1.3×10Pa程度の雰囲気に調整した。そして、上記一対の電極間に接続された直流電源により20V〜40V程度の電圧を印加し、該電源から30A〜70A程度の電流を供給して両電極間にアーク放電を発生させた。かかるアーク放電により陽極からカーボンを蒸発させ、単層カーボンナノチューブを含む蜘蛛の巣状の生成物を得た。該生成物に含まれる単層カーボンナノチューブの割合は70mol%以上であった。この生成物に対し、670K〜720Kの温度で25分〜35分間程度の加熱処理を行って、生成物中の不純物炭素(アモルファス状態の炭素等)をガス(CO又はCO等)として除去するとともに、触媒(ここでは鉄粒子)を酸化した。さらに、上記加熱処理後の生成物を塩酸等の酸で処理することにより、上記酸化された触媒を溶出除去した。このようにしてカーボンナノチューブ凝集体を得た。
次に、液状媒体を用意した(ステップS2)。本実験例では、液状媒体を以下のようにして用意した。
すなわち、アルコール系溶媒として、市販の無水エタノール(純度99.9%)を使用した。ポリビニルアセタール樹脂として、積水化学工業株式会社製品のポリビニルブチラール樹脂、商品名「S−LEC B」シリーズ「BL−10」(計算分子量;約1.5×10、水酸基;約28mol%、ブチラール化度;71±3mol%、溶液粘度;9〜15mPa・s)を使用した。上記エタノール100mLに対して、上記ポリビニルブチラール樹脂を1.0mg溶解させて液状媒体を得た。
次に、カーボンナノチューブ凝集体と液状媒体とをともに容器に入れて、分散処理のうち攪拌処理を実施した(ステップS3)。本実験例では、以下のようにして該攪拌処理を実施した。
分散処理攪拌処理用の攪拌装置としては、岩谷産業株式会社製品、商品名「ミルサー 80DG」を使用した。この攪拌装置の容器(容量200mL)に、室温(約23℃)にて、1.0mgの上記ポリビニルブチラール樹脂を含む上記液状媒体100mL、及びカーボンナノチューブ凝集体1mgを入れた。大気圧下で該容器の蓋を閉めて容器内を密閉し、これを上記攪拌装置にセットして20,000rpmで1分間運転することにより内容物を高速で攪拌した。攪拌終了時における容器内の圧力は1.1気圧(約1.1×10Pa)に上昇しており、内容物の温度は約45℃に上昇していた。
次いで、上記分散処理のうち超音波処理を実施した(ステップS4)。本実験例では、以下のようにして該超音波処理を実施した。
上記攪拌処理の後、上記容器の蓋を開けて内容物を別容器に移した。これに投げ込み式超音波装置(BRANSON社製品、商品名「ソニファイヤー S−450」を使用した。)のホーンを浸漬し、該装置を周波数20kHz、出力120Wで15分間運転した。このようにして、液状媒体(ここではエタノール)にカーボンナノチューブが分散した分散液を得た。得られた分散液の走査型プローブ顕微鏡(SPM)写真を図2に示す。この写真から明らかなように、分散しているカーボンナノチューブはその大半が1μm以上の長さを保っており(すなわち過度に断片化することなく)、直径が0.1μmを超えるような凝集体は認められなかった。このように、本実験例により製造されたカーボンナノチューブ分散液は、カーボンナノチューブ本来の性質を発揮するのに適した性状のカーボンナノチューブが極めて高度に分散されたものであることが確認された。
また、上記の得られた分散液を静置した。静置後2週間経過した状態における上記分散液の光学写真を図3に示す。この写真から明らかなように、2週間静置しても、カーボンナノチューブ凝集体が沈降することなく、良好な分散状態が維持されていることが確認された。
<実験例2>
次に、ポリビニルブチラール樹脂を含まない液状媒体(すなわち、エタノールのみ)を用意した。それ以外は実験例1と全く同様にしてカーボンナノチューブ分散液を製造した。この結果、得られた分散液では、カーボンナノチューブ凝集体は一旦分散するものの、直ちに沈降して分散状態を維持できなかった。この分散液のSPM写真を図4、光学写真を図5に示す。
<実験例3>
次に、液状媒体におけるアルコール系溶媒として、エタノールを市販の無水メタノール(純度99.9%)に変更した。それ以外は実験例1と全く同様にしてカーボンナノチューブ分散液を製造した。得られた分散液を静置した。静置後2週間経過した状態における上記分散液の光学写真を図6に示す。この写真から明らかなように、2週間静置しても、カーボンナノチューブ凝集体が沈降することなく、良好な分散状態が維持されていることが確認された。
<実験例4>
次に、液状媒体におけるアルコール系溶媒として、エタノールを市販の2−プロパノール(純度99.9%)に変更した。それ以外は実験例1と全く同様にしてカーボンナノチューブ分散液を製造した。得られた分散液を静置した。静置後2週間経過した状態における上記分散液の光学写真を図7に示す。この写真から明らかなように、2週間静置しても、カーボンナノチューブ凝集体が沈降することなく、良好な分散状態が維持されていることが確認された。
<実験例5>
次に、液状媒体におけるアルコール系溶媒として、上記2−プロパノール(純度99.9%)を使用した。また、実験例1と同様にして得られたカーボンナノチューブ凝集体と、実験例1と同一のポリビニルブチラール樹脂とを100mLの2−プロパノールに対して、以下の(1)〜(3)に示す3種類の配合比[mg]で混合した。
(1)カーボンナノチューブ:ポリビニルブチラール樹脂=30:30
(2)カーボンナノチューブ:ポリビニルブチラール樹脂=40:40
(3)カーボンナノチューブ:ポリビニルブチラール樹脂=40:80
これら(1)〜(3)の配合比で混合された各試料の全てに対して実験例1と同様の分散処理を実施して、得られた分散液の分散性を確認した。
その結果、配合比(1)及び配合比(3)の分散液では、カーボンナノチューブが均一に分散していた。また、これらを2週間静置しても良好な分散状態が維持されることが確認された。一方、配合比(2)の分散液では、分散処理直後においてカーボンナノチューブは均一に分散していたが、1日(24時間)以内に上記カーボンナノチューブは凝集して沈降し、分散状態を維持できなかった。

Claims (12)

  1. カーボンナノチューブが液状媒体に分散した分散液であって、
    前記液状媒体は、アルコール系溶媒とポリビニルアセタール樹脂とを含み、
    ここで、前記カーボンナノチューブは、前記アルコール系溶媒100mLに対して0.5mg〜200mg分散しており、前記ポリビニルアセタール樹脂は、前記カーボンナノチューブに対して質量比0.5〜2の割合で含まれる、カーボンナノチューブ分散液。
  2. 前記アルコール系溶媒は、炭素数1〜4の低級アルコールである、請求項1に記載の分散液。
  3. 前記カーボンナノチューブとして、長さが少なくとも1μm以上であり且つ直径が0.1μm未満のカーボンナノチューブを含む、請求項1又は2に記載の分散液。
  4. 前記ポリビニルアセタール樹脂は、平均分子量1.0×10〜2.5×10である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分散液。
  5. 前記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散液。
  6. 前記ポリビニルブチラール樹脂は、ブチラール化度65mol%〜80mol%である、請求項5に記載の分散液。
  7. 前記ポリビニルブチラール樹脂は、20℃の温度条件下でエタノールとトルエンとを1:1の体積比で混合した混合溶媒に10質量%の濃度で溶解させた際の溶液粘度が5mPa・s〜30mPa・sである、請求項5又は6に記載の分散液。
  8. 常温で静置した場合に、少なくとも2週間カーボンナノチューブが分散状態を維持する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分散液。
  9. カーボンナノチューブが液状媒体に分散した分散液を製造する方法であって:
    カーボンナノチューブを用意すること;
    アルコール系溶媒とポリビニルアセタール樹脂とを含む液状媒体を用意すること;及び
    前記カーボンナノチューブを前記媒体とともに容器に入れて、該容器の内容物を分散処理すること;
    を包含しており、
    ここで前記カーボンナノチューブは、前記アルコール系溶媒100mLに対して0.5mg〜200mg分散しており、前記ポリビニルアセタール樹脂は、前記カーボンナノチューブに対して質量比0.5〜2の割合で含まれており、該分散処理は少なくとも攪拌処理と超音波処理とを含む、カーボンナノチューブ分散液の製造方法。
  10. 前記分散処理は、長さ1μm以上であり直径が0.1μm未満のカーボンナノチューブバンドルが前記媒体に分散した分散液が形成されるように行われる、請求項9に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散液を基材に付与してなるカーボンナノチューブ膜。
  12. 請求項9又は10に記載の方法により製造される分散液を基材に付与してなるカーボンナノチューブ膜。
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