JP4632502B2 - 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法に関する。さらに詳しくは、抗菌剤、抗カビ剤等として有用な1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法としては、2−(メチルチオ)ベンズクロライドから2−(メチルチオ)ベンズアミドを製造し、このものを過ヨウ素酸を用いて酸化させて2−(メチルスルフィニル)ベンズアミドを製造し、さらにこれを塩化チオニルによって環化させて、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンを得る方法(Bull.Chem.Soc.Jpn.,55,1183-7(1982))が知られている。しかしながら、前記方法は、原料として用いる2−(メチルチオ)ベンズクロライドの安価な製造方法および安定性に問題がある。また、取扱い上危険性が高く、かつ高価な過ヨウ素酸を用いる必要があり、反応工程数も多い。
【0003】
また、チオサリチル酸を出発原料とし、4工程を経て1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンを得る方法(Org.Prep.Proced.Int.,15,315-319(1983))、チオサリチル酸を出発原料とし、最終的に水酸化ナトリウムを用いて環化させて1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンを得る方法(Ger.Offen.3500577,(1986))等が知られている。しかしながら、これらの方法は、高価なチオサリチル酸を用い、しかも反応工程数が多いため、工業的に満足できる方法とは言い難い。
【0004】
一方、工業的に有利に、しかも高価で取扱い上危険性の高い物質を使用することなく、簡易かつ経済的に1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を製造する方法として、本発明者らは、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類とハロゲン化剤を水の存在下で反応させる方法を出願した(特開平8−134051号公報)。
【0005】
しかしながら、前記方法は、従来よりも短い工程で高収率で1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を得られるものの、反応中に生成した副成物を晶析等の精製方法により完全に除去することが困難であるため、得られた1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の純度が低く未だ改良の余地がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高純度の1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを水の存在下に反応させるに際して、鉱酸を同時に存在させることにより、反応時の選択性を向上し、副成物の生成を抑制して高純度の1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類が製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
【0009】
【化3】
(式中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基もしくはそのエステル、またはハロゲン原子を表す。)
【0010】
で表される2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを水と鉱酸の存在下に反応させることを特徴とする下記一般式(2);
【0011】
【化4】
(式中、R2は、前記一般式(1)と同意義を表す。)
【0012】
で表される1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを水と鉱酸の存在下に反応させることにより、副成物の生成を抑制し高純度の1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を製造することができる。
【0014】
本発明に用いられる2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類は、下記一般式(1);
【0015】
【化5】
【0016】
で表される化合物である。
【0017】
前記一般式(1)中、R1は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0018】
前記R1の好ましい例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、tert−ブチル基を挙げることができる。
【0019】
また、前記一般式(1)中、R2は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基もしくはそのエステル、またはハロゲン原子を表す。前記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。前記炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等を挙げることができる。前記カルボキシル基のエステルとしては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。前記ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
【0020】
前記R2の好ましい例としては、水素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、塩素原子、ニトロ基を挙げることができる。
【0021】
前記2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類の具体例としては、2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、2−(エチルチオ)ベンゾニトリル、2−(n−プロピルチオ)ベンゾニトリル、2−(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリル、3−メチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、5−tert−ブチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、4−メトキシ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、3−ニトロ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、3−ニトロ−2−(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリル、4−クロロ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、4−カルボキシ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、4−メトキシカルボニル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル等が挙げられる。中でも、入手が容易で、生成物の抗菌性が優れている観点から、2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、3−メチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、5−tert−ブチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、4−メトキシ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、3−ニトロ−2−(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリル、4−クロロ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、4−メトキシカルボニル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリルが好適に用いられる。
【0022】
なお、前記2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類は、いかなる方法によって製造されたものを用いてもよいが、例えば、特開平8−134051号公報に示されたように、下記一般式(3);
【0023】
【化6】
【0024】
で表される2−ハロベンゾニトリル類と下記一般式(4);
【0025】
【化7】
【0026】
で表されるアルカンチオール類とを、塩基の存在下で不均一系で反応することにより製造することができる。
【0027】
ここで、前記一般式(3)中のR2および前記一般式(4)中のR1は前記一般式(1)と同意義を表す。
【0028】
本発明に用いられるハロゲン化剤としては、塩素、臭素、塩化スルフリル、臭化スルフリル等が挙げられる。中でも、経済的な観点から、塩素または塩化スルフリルが好適に用いられる。前記ハロゲン化剤の使用量は、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類に対して、0.8〜3倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。ハロゲン化剤の使用量が0.8倍モル未満の場合は、未反応の2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類が多くなり収率が低下するため好ましくない。また、ハロゲン化剤の使用量が3倍モルを超える場合は、副反応が起こりやすく収率が低下するため好ましくない。
【0029】
本発明に用いられる水の使用量は、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類に対して、0.8〜5倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。水の使用量が0.8倍モル未満の場合および5倍モルを超える場合、副反応が起こり収率が低下するため、それぞれ好ましくない。なお、前記水は、後述する鉱酸に含まれる水を利用することができ、また鉱酸に含まれる水に加えて新たに添加することもできる。
【0030】
本発明に用いられる鉱酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。中でも、反応選択性の観点から、塩酸が好適に用いられる。前記鉱酸は、通常、水溶液として用いられる。その濃度は、特に限定されないが、通常、塩酸の場合は10重量%〜飽和濃度、硫酸または硝酸の場合は10〜50重量%のものが好適に用いられる。前記鉱酸の使用量は、使用する鉱酸の種類、濃度により異なるが、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類に対して、0.01〜2倍モル、好ましくは0.1〜1.5倍モルである。鉱酸の使用量が0.01倍モル未満の場合、得られた1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の純度が低下するため好ましくない。また、鉱酸の使用量が2倍モルを超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的でないため好ましくない。ただし、鉱酸に含まれる水の量が2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類に対して、5倍モル以下になるように使用することが好ましい。
【0031】
本発明に用いられる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の炭化水素類;ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。中でも、トルエン、モノクロロベンゼンが好適に用いられる。前記溶媒の使用量は、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類に対して、通常、0.2〜30倍重量である。溶媒の使用量が0.2倍重量未満の場合は、反応が円滑に進行しにくいため好ましくない。また、溶媒の使用量が30倍重量を超える場合は、容積効率が悪化するため好ましくない。
【0032】
前記反応における反応温度は、通常、−20〜170℃、好ましくは0〜150℃である。反応温度が−20℃未満の場合は、反応速度が遅く、反応に長時間を要するため好ましくない。また、反応温度が170℃を超える場合は、副反応が起こりやすくなるため好ましくない。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、1〜40時間である。
【0033】
かくして得られた1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を含む反応液から、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を単離精製する方法としては、そのまま晶析させるか、抽出して再結晶させる方法等により容易に行うことができる。
【0034】
このようにして得られる目的の化合物である一般式(2)で表される1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の具体例としては、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、7−メチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、5−tert−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、6−メトキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、7−ニトロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、6−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、6−カルボキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、6−メトキシカルボニル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン等が挙げられる。
【0035】
【実施例】
以下に製造例、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0036】
製造例
攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却器を備え付けた0.5L容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、2−クロロベンゾニトリル27.5g(0.2モル)、モノクロロベンゼン26.0g、50重量%テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド水溶液0.5gを仕込み、30重量%メタンチオールのナトリウム塩水溶液51.4g(0.22モル)を、70〜75℃で5時間を要して滴下し、滴下終了後、さらに同温度で10時間反応させた。
【0037】
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、溶媒を留去した後、減圧蒸留して139〜140℃/931Paの留分を取得して2−(メチルチオ)ベンゾニトリル29.2g(0.196モル)を得た。2−クロロベンゾニトリルに対する収率は98%であった。
【0038】
実施例1
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた0.5L容の四つ口フラスコに、製造例と同様の方法により得られた2−(メチルチオ)ベンゾニトリル29.8g(0.2モル)、モノクロロベンゼン46.0gおよび35重量%塩酸6.7g(塩酸0.06モル、水0.24モル)を仕込み、攪拌しながら塩素15.6g(0.22モル)を45〜50℃で2時間を要して吹き込み、さらに65〜70℃に加熱して1時間反応させた。
【0039】
反応終了後、同温度で20重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0gを添加し、室温まで冷却した。析出した結晶を濾別し、メタノールおよび水で洗浄、乾燥して1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン29.6g(0.196モル)を得た。2−(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は98%であった。得られた1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.5%であった。
【0040】
実施例2
実施例1において2−(メチルチオ)ベンゾニトリル29.8g(0.2モル)の代わりに3−メチル−2−(エチルチオ)ベンゾニトリル35.4g(0.2モル)を用いた以外は実施例1と同様にして、7−メチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン31.0g(0.188モル)を得た。3−メチル−2−(エチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は94%であった。得られた7−メチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.3%であった。
【0041】
実施例3
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた0.5L容の四つ口フラスコに、5−tert−ブチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル41.0g(0.2モル)、モノクロロベンゼン46.0gおよび35重量%塩酸6.7g(塩酸0.06モル、水0.24モル)を仕込み、攪拌しながら塩化スルフリル29.7g(0.22モル)を5〜15℃で添加した後、65〜70℃に加熱して1時間反応させた。
【0042】
反応終了後、同温度で20重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0gを添加し、室温まで冷却した。析出した結晶を濾別し、メタノールおよび水で洗浄、乾燥して、5−tert−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン39.3g(0.190モル)を得た。5−tert−ブチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は95%であった。得られた5−tert−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.1%であった。
【0043】
実施例4
実施例3において5−tert−ブチル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル41.0g(0.2モル)の代わりに4−メトキシ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル35.8g(0.2モル)を用いた以外は実施例3と同様にして、6−メトキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン34.0g(0.188モル)を得た。4−メトキシ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は94%であった。得られた6−メトキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.2%であった。
【0044】
実施例5
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた0.5L容の四つ口フラスコに、3−ニトロ−2−(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリル47.0g(0.2モル)、モノクロロベンゼン46.0gおよび15重量%塩酸6.7g(塩酸0.03モル、水0.32モル)を仕込み、攪拌しながら塩素15.6g(0.22モル)を45〜50℃で2時間を要して吹き込み、さらに65〜70℃に加熱して1時間反応させた。
【0045】
反応終了後、同温度で20重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0gを添加し、室温まで冷却した。析出した結晶を濾別し、メタノールおよび水で洗浄、乾燥して、7−ニトロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン37.6g(0.192モル)を得た。3−ニトロ−2−(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は96%であった。得られた7−ニトロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.4%であった。
【0046】
実施例6
実施例5において3−ニトロ−2−(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリル47.0g(0.2モル)の代わりに4−クロロ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル36.7g(0.2モル)を用いた以外は実施例5と同様にして、6−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン35.2g(0.190モル)を得た。4−クロロ−2−(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は95%であった。得られた6−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.5%であった。
【0047】
実施例7
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた0.5L容の四つ口フラスコに、4−メトキシカルボニル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル41.4g(0.2モル)、モノクロロベンゼン46.0g、35重量%塩酸3g(塩酸0.03モル、水0.11モル)および水2.7g(0.15モル)を仕込み、攪拌しながら塩素15.6g(0.22モル)を45〜50℃で2時間を要して吹き込み、さらに65〜70℃に加熱して1時間反応させた。
【0048】
反応終了後、同温度で20重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0gを添加し、室温まで冷却した。析出した結晶を濾別し、メタノールおよび水で洗浄、乾燥して、6−メトキシカルボニル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン38.9g(0.186モル)を得た。4−メトキシカルボニル−2−(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は93%であった。得られた6−メトキシカルボニル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.4%であった。
【0049】
実施例8
攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却器を備え付けた0.5L容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2−クロロベンゾニトリル27.5g(0.2モル)、モノクロロベンゼン26.0g、50重量%テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド水溶液0.5gを仕込み、30重量%メタンチオールのナトリウム塩水溶液51.4g(0.22モル)を、70〜75℃で5時間を要して滴下し、滴下終了後、さらに同温度で10時間反応させた。
【0050】
反応終了後、同温度で熱時分液して有機層を得、得られた有機層にモノクロロベンゼン20.0g、35重量%塩酸6.7g(塩酸0.06モル、水0.24モル)を仕込み、塩素15.6g(0.22モル)を45〜50℃で2時間を要して吹き込み、さらに65〜70℃に加熱して1時間反応させた。
【0051】
反応終了後、反応液に同温度で20重量%水酸化ナトリウム水溶液41.0gを添加し、室温まで冷却した。析出した結晶を濾別し、メタノールおよび水で洗浄、乾燥して1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン29.6g(0.196モル)を得た。2−クロロベンゾニトリルに対する収率は98%であった。得られた1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、99.4%であった。
【0052】
比較例
実施例1において35重量%塩酸6.7gに代えて水4.7gを用いた以外は実施例1と同様にして、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン29.0g(0.192モル)を得た。2−(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は96%であった。得られた1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンの純度は、高速液体クロマトグラフィで測定した結果、97.1%であった。
【0053】
【発明の効果】
本発明によると、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを水と鉱酸の存在下に反応させることにより、反応時の選択性が向上し、副成物の生成を抑制して高純度の1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を製造することができる。
Claims (3)
- 鉱酸が、塩酸である請求項1に記載の1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法。
- ハロゲン化剤が、塩素または塩化スルフリルである請求項1に記載の1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法。
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JPH08134051A (ja) * | 1994-11-09 | 1996-05-28 | Sumitomo Seika Chem Co Ltd | 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法 |
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