JP3152573B2 - 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法 - Google Patents
1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法Info
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- Thiazole And Isothizaole Compounds (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
ベンゾニトリル類を中間体として1,2−ベンズイソチ
アゾール−3−オン類を製造する新規な製造方法に関す
る。1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類は抗菌
剤、抗かび剤等として有用な化合物である。
3−オン類の製造方法としては、下記の方法などが知ら
れている。
7(1982) この方法は、2−(メチルチオ)ベンズクロライドから
2−(メチルチオ)ベンズアミドを製造し、このものを
過ヨウ素酸を用いて酸化させて2−(メチルスルフィニ
ル)ベンズアミドを製造し、さらにこれを塩化チオニル
によって環化させて、目的とする1,2−ベンズイソチ
アゾール−3−オンを得る方法である。
19(1983) この方法は、チオサリチル酸を出発原料とし、4工程を
経て1,2−ベンズイソチアゾール−3−オンを得る方
法である。
性ソーダを用いて環化させ、目的とする1,2−ベンズ
イソチアゾール−3−オンを得る方法と考えられる。
の方法には次のような欠点がある。 (A)の方法は、原料として用いる2−(メチルチオ)
ベンゾイルクロライドの安価な製造方法および安定性に
問題がある。また、取扱い上危険性が高く、かつ高価な
過ヨウ素酸を用いる必要があり、反応工程数も多い。 (B)〜(C)の方法は、高価なチオサリチル酸を用
い、しかも反応工程数が多いため、工業的に満足できる
方法とは言いがたい。このように、公知のいずれの方法
によっても、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン
類を工業的に有利に製造することは困難であった。
に、しかも高価で取扱い上危険性の高い物質を使用する
ことなく、簡易かつ経済的に1,2−ベンズイソチアゾ
ール−3−オン類を製造する方法を提供することにあ
る。
況に鑑み、鋭意検討した。その結果、一般式(I)で表
される2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類とハロゲ
ン化剤とを水の存在下に反応させることにより、一般式
(II)で表される1,2−ベンズイソチアゾール−3−
オン類が一段階で得られることを見出した。
を表し、R2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル
基もしくはそのエステル、又はハロゲン原子を表す。)
される2−ハロベンゾニトリル類と一般式(IV) で表さ
れるアルカンチオールとを、塩基の存在下に不均一系で
反応させることにより、上記の一般式(I)で表される
2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類が容易に得られ
ることに着目した。
(I)で表される2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル
類に引き続きハロゲン化剤を、水の存在下に反応させる
ことにより、一般式(II)で表される1,2−ベンズイ
ソチアゾール−3−オン類が得られること、さらに、上
記反応を非水溶性有機溶媒の系で行えば、2−ハロベン
ゾニトリル類を原料とし、1,2−ベンズイソチアゾー
ル−3−オン類を製造する一連の反応をワンポットで行
うことができることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを水の存在下に反応
させることを特徴とする、一般式(II)で表される1,
2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法、
を表し、R2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル
基もしくはそのエステル、又はハロゲン原子を表す。)
と同意義を表す。) (2) ハロゲン化剤が塩素である(1)記載の製造方
法、 (3) ハロゲン化剤が塩化スルフリルである(1)記
載の製造方法、 (4) 一般式(I)の化合物が2−(メチルチオ)ベ
ンゾニトリルである(1)ないし(3)のいずれかに記
載の製造方法、並びに (5) 一般式(III)で表される2−ハロベンゾニトリ
ル類と一般式(IV)で表されるアルカンチオール類と
を、塩基の存在下に不均一系で反応させて一般式(I)
で表される2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類を
得、さらに水の存在下にハロゲン化剤を反応させること
を特徴とする、一般式(II)で表される1,2−ベンズ
イソチアゾール−3−オン類の製造方法、
し、R 2 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素
数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基も
しくはそのエステル、又はハロゲン原子を表す。) R 1 SH (IV) (式中、R 1 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。) に
関する。
3−オン類の製造方法の特徴は、2−ハロベンゾニトリ
ル類を原料として容易に得られる2−(アルキルチオ)
ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを、水の存在下に反
応させることにより、容易に環化反応が起こり、簡単な
工程で1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を製
造できるところにある。さらにもう1つの特徴は、非水
溶性有機溶媒を用いて2−ハロベンゾニトリル類とアル
カンチオール類とを、塩基の存在下に不均一系で反応さ
せ、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類を得、得ら
れた該2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類を含む油
層を水層と分液し、引き続き油層中にハロゲン化剤を、
水の存在下に反応させて1,2−ベンズイソチアゾール
−3−オン類の製造をワンポットで行うところにある。
1 は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R1 で表され
るアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を挙げるこ
とができる。これらのうち、R1 の好ましい例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、tert−
ブチル基を挙げることができる。
けるR2 は、具体的には、水素原子、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、カ
ルボキシル基もしくはそのエステル、又はハロゲン原子
を表す。R2 で表されるアルキル基を例示すると、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基等を挙げることができる。R2 で表される
アルコキシ基を例示すると、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。R
2 で表されるカルボキシル基のエステルを例示すると、
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポ
キシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等を挙げるこ
とができる。R2 で表されるハロゲン原子としては、塩
素原子、臭素原子等を挙げることができる。これらのう
ち、R2 の好ましい例としては、水素原子、メチル基、
エチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカル
ボニル基、塩素原子、ニトロ基等を挙げることができ
る。
(アルキルチオ)ベンゾニトリル類の具体例としては、
例えば次のものを例示することができる。2−(メチル
チオ)ベンゾニトリル、2−(エチルチオ)ベンゾニト
リル、2−(n−プロピルチオ)ベンゾニトリル、2−
(tert−ブチルチオ)ベンゾニトリル、3−メチル
−2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、5−ブチル−2
−(メチルチオ)ベンゾニトリル、4−メトキシ−2−
(メチルチオ)ベンゾニトリル、2−メチルチオ−3−
ニトロベンゾニトリル、4−クロロ−2−(メチルチ
オ)ベンゾニトリル、4−カルボキシ−2−(メチルチ
オ)ベンゾニトリル、4−メトキシカルボニル−2−
(メチルチオ)ベンゾニトリル、これらのうち、入手が
容易であることおよび生成物が抗菌性にすぐれているこ
とから、2−(メチルチオ)ベンゾニトリル、2−(エ
チルチオ)ベンゾニトリル、2−(n−プロピルチオ)
ベンゾニトリル、2−(tert−ブチルチオ)ベンゾ
ニトリルが好ましく用いられる。
キルチオ)ベンゾニトリル類は、いかなる方法によって
得られたものを用いてもよいが、中でも本発明の方法に
よると、より有利に得ることができる。即ち、その方法
とは、一般式(III)で表される2−ハロベンゾニトリル
類と一般式(IV)で表されるアルカンチオールとを、塩
基の存在下に不均一系で反応させることにより、一般式
(I)で表される2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル
類を製造する方法である。一般式(III)において、Xは
塩素原子又は臭素原子を表し、R2 は一般式(I)にお
けるR2 と同意義を表す。また、一般式(IV)におい
て、R1 は一般式(I)におけるR1 と同意義を表す。
ロベンゾニトリル類を具体的に例示すると、2−クロロ
ベンゾニトリル、2−ブロモベンゾニトリル、3−メチ
ル−2−クロロベンゾニトリル、5−ブチル−2−クロ
ロベンゾニトリル、4−メトキシ−2−クロロベンゾニ
トリル、2−クロロ−3−ニトロベンゾニトリル、4−
メトキシカルボニル−2−クロロベンゾニトリル等を挙
げることができる。
類としては、メタンチオール、エタンチオール、1−プ
ロパンチオール、2−ブタンチオール等が使用可能であ
り、その使用量は、2−ハロベンゾニトリルに対して、
通常0.8〜3.0倍モル、好ましくは1.0〜2.0
倍モルの範囲である。アルカンチオールの使用量が0.
8倍モル未満の場合には、未反応の2−ハロベンゾニト
リル類が多くなり、一方、3.0倍モルを超えて用いて
も、それに見合う効果が得られず経済的に不利である。
ルとの反応で使用する塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属、ナトリウ
ムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコラ
ート等が挙げられる。中でも、経済的見地から水酸化ナ
トリウムが好ましく用いられる。また、塩基の使用量
は、2−ハロベンゾニトリルに対し、通常0.8〜3.
5倍モル、好ましくは1.0〜2.5倍モルの範囲であ
る。塩基の使用量が、0.8倍モル未満の場合には、未
反応の2−ハロベンゾニトリル類が多くなり、一方、
3.5倍モルを超えて用いても、それに見合う効果が得
られず、経済的に不利である。
リル類の製造方法においては、反応を塩基の存在下で不
均一系で行うことを特徴とする。反応原料である2−ハ
ロベンゾニトリルとアルカンチオールとの反応は、2−
ハロベンゾニトリル類が水不溶性であるため二相系での
反応となる。この場合、相間移動触媒を添加すると反応
が円滑に進行することが多く、好適である。ここで使用
する相間移動触媒としては、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ヘキサデシルトリエチルアンモニウムブロマ
イド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オク
チルトリエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−
ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルア
ンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロ
ライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド等
の4級アンモニウム塩、ヘキサデシルトリエチルホスホ
ニウムブロマイド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウ
ムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマ
イド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、ト
リオクチルエチルホスホニウムブロマイド、テトラフェ
ニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩、
18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、
ジシクロヘキシル−18−クラウン−6等のクラウンエ
ーテル等が挙げられる。中でも、経済的見地からテトラ
−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブ
チルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩が
好ましく用いられる。
量は、2−ハロベンゾニトリルの重量に対し、通常0.
005〜0.5倍重量、好ましくは、0.01〜0.2
倍重量の範囲である。相間移動触媒の使用量が、0.0
05倍重量未満の場合には、触媒効果が十分あらわれ
ず、一方、0.5倍重量を超えて用いても、それに見合
う効果が得られず、経済的に不利である。
必要はないが、反応を容易にするため、および反応後の
生成物の分液を容易にするため、通常、水1重量部に対
して非水溶性有機溶媒0.5〜10重量部からなる混合
溶媒を用いる方が良い結果が得られる場合が多い。非水
溶性有機溶媒としては、特に限定されるものではなく、
n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭
化水素類、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることが
できる。溶媒の使用量は、2−ハロベンゾニトリルに対
して、通常1〜30倍重量である。
は20〜120℃の範囲である。反応温度が、150℃
を超えると、副反応が起こり、他方、0℃未満では、反
応速度が実用上遅すぎるので好ましくない。反応時間
は、反応温度、相間移動触媒種および反応溶媒種により
異なり、一概には言えないが、通常1〜40時間の範囲
である。
オ)ベンゾニトリル類は、有機溶媒層より晶析等の通常
の処理で、単離精製することができる。また、水層は相
間移動触媒を含んだまま分液されるため、反復使用する
ことが可能である。そのため、系外にはほとんど水性の
廃棄物が排出されることがない。さらに、分液された2
−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類を含む油層は、そ
のまま1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製
造に使用することができる。
ゾニトリル類から1,2−ベンズイソチアゾール−3−
オン類を得る工程に用いるハロゲン化剤としては、塩
素、臭素、塩化スルフリル、臭化スルフリル等が使用可
能であるが、反応選択性の見地より塩化スルフリル、塩
素が好ましく用いられる。その使用量は、2−(アルキ
ルチオ)ベンゾニトリルに対して、通常0.8〜3.0
倍モル、好ましくは1.0〜2.0倍モルの範囲であ
る。ハロゲン化剤の使用量が0.8倍モル未満の場合に
は、未反応の2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類が
多くなり、一方、3.0倍モルを超えて用いる場合は、
副反応が起こり収率が低下する為、それぞれ好ましくな
い。
イソチアゾール−3−オン類を得る工程に用いる水の添
加量としては、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類
に対して、通常0.8〜5.0倍モル、好ましくは1.
0〜3.0倍モルの範囲である。水の添加量が、0.8
倍モル未満の場合および5.0倍モルを超えて用いる場
合は、副反応が起こり収率が低下するためそれぞれ好ま
しくない。
イソチアゾール−3−オン類を得る工程に用いる反応溶
媒としては、反応に対し不活性な溶媒であれば特に限定
されるものではなく、具体的に例示すると、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、
塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。
この場合、溶媒として、2−(アルキルチオ)ベンゾニ
トリル類の製造に用いたのと同一のものを用いると、2
−ハロベンゾニトリル類とアルカンチオール類とから2
−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類を得る工程および
2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類にハロゲン化剤
を反応させて、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オ
ン類を得る工程を、全てワンポットで行うことができ、
極めて効率的である。溶媒の使用量は、2−(アルキル
チオ)ベンゾニトリルに対して、通常1〜30重量倍で
ある。
囲、好ましくは0〜150℃の範囲である。反応温度
が、170℃を超えると、副反応が問題となり、一方、
−20℃未満では、反応速度が実用上遅すぎるので好ま
しくない。反応時間は、反応温度、反応溶媒種により異
なるため一概にはいえないが、通常1〜40時間の範囲
である。
目的とする1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類
を単離精製する方法としては、常法通り、そのまま晶析
させるか、または抽出して再結晶させる等により行うこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
る一般式(II)で表される1,2−ベンズイソチアゾー
ル−3−オン類の具体例としては、次のようなものが例
示される。1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン、
7−メチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−オ
ン、5−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾール−3−
オン、6−メトキシ−1,2−ベンズイソチアゾール−
3−オン、7−ニトロ−1,2−ベンズイソチアゾール
−3−オン、6−クロロ−1,2−ベンズイソチアゾー
ル−3−オン、6−カルボキシ−1,2−ベンズイソチ
アゾール−3−オン、6−メトキシカルボニル−1,2
−ベンズイソチアゾール−3−オン。
するが、本発明はこれらによりなんら限定されるもので
はない。
つ口フラスコに、窒素雰囲気下で、2−クロロベンゾニ
トリル27.5g(0.2モル)、モノクロロベンゼン
100g、50重量%テトラ−n−ブチルアンモニウム
ブロマイド水溶液5.5gを仕込んだ。一方、別途、水
酸化ナトリウム9.6g(0.24モル)と水35.0
gを窒素雰囲気下で別の容器に仕込み、撹拌下でメタン
チオール11.5g(0.24モル)を室温にて約1時
間かけて仕込んだ。こうして得た30重量%メチルメル
カプタン・ナトリウム塩水溶液56.1g(0.24モ
ル)を、攪拌下で上記四つ口フラスコに添加し、還流さ
せながら2時間反応させた。反応終了後、反応液を室温
まで冷却し、溶媒を留去した後、減圧蒸留すると2−
(メチルチオ)ベンゾニトリル29.2g(沸点139
〜140℃/7mmHg)を得た。2−クロロベンゾニ
トリルに対する収率は98%であった。
つ口フラスコに、2−(メチルチオ)ベンゾニトリル2
9.8g(0.2モル)、モノクロロベンゼン100
g、水4.32g(0.24モル)を仕込み、攪拌しな
がら塩化スルフリル29.7g(0.22モル)を5〜
15℃で添加したのち、70〜80℃に加熱し、1時間
反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、析
出した白色結晶をモノクロロベンゼンで洗浄後、乾燥さ
せると1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン29.
0g(融点157〜158℃)を得た。原料とした2−
(メチルチオ)ベンゾニトリルに対する収率は96%で
あった。
ポット反応) 攪拌機、温度計、及び冷却器を備え付けた500ml四
つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2−クロロベンゾニト
リル27.5g(0.2モル)、モノクロロベンゼン1
00g、50重量%テトラ−n−ブチルアンモニウムブ
ロマイド水溶液2.25gを仕込んだ。一方、別途、水
酸化ナトリウム9.6g(0.24モル)と水35.0
gを窒素雰囲気下で別の容器に仕込み、撹拌下でメタン
チオール11.5g(0.24モル)を室温にて約1時
間かけて仕込んだ。こうして得た30重量%メチルメル
カプタン・ナトリウム塩水溶液56.1g(0.24モ
ル)を、攪拌下で上記四つ口フラスコに添加し、還流さ
せながら2時間反応させた。反応終了後、40〜50℃
で水層(下層)と油層(上層)とに熱時分液した。この
油層に、モノクロロベンゼン100g、水3.6g
(0.2モル)を仕込み、攪拌しながら塩化スルフリル
27.0g(0.2モル)を5〜15℃で添加したの
ち、70〜80℃に加熱し、1時間反応させた。反応終
了後、反応液を室温まで冷却し、析出した白色結晶をモ
ノクロロベンゼンで洗浄後乾燥させ、1,2−ベンズイ
ソチアゾール−3−オン29.3g(融点157〜15
8℃)を得た。原料とした2−クロロベンゾニトリルに
対する収率は97%であった。
ポット反応) 実施例2における塩化スルフリルの添加を、塩素14.
2g(0.2モル)の吹き込みに変える以外は実施例2
と同様にして、1,2−ベンズイソチアゾール−3−オ
ン25.7gを得た。2−クロロベンゾニトリルに対す
る収率は85%であった。
ル類に変える以外は実施例1と同様にして、相当する
1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類を得た。
び剤等として重要な1,2−ベンズイソチアゾール−3
−オン類が、繁雑な操作を行うことなく、しかも高価な
原料を使用することなく容易なプロセスにより得ること
ができる。さらに、原料として2−ハロベンゾニトリル
類を用い、2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル類を経
由して目的物を得る反応をワンポットで行えば、従来よ
りも短い工程で高収率に得られるため、経済的にも有利
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I)で表される2−(アルキル
チオ)ベンゾニトリル類とハロゲン化剤とを水の存在下
に反応させることを特徴とする、一般式(II)で表され
る1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方
法。 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R2
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4
のアルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基もしくはそ
のエステル、又はハロゲン原子を表す。) 【化2】 (式中、R2 は一般式(I)におけるR2 と同意義を表
す。) - 【請求項2】 ハロゲン化剤が塩素である請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項3】 ハロゲン化剤が塩化スルフリルである請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(I)の化合物が2−(メチルチ
オ)ベンゾニトリルである請求項1ないし請求項3のい
ずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項5】 一般式(III)で表される2−ハロベンゾ
ニトリル類と一般式(IV)で表されるアルカンチオール
類とを、塩基の存在下に不均一系で反応させて一般式
(I)で表される2−(アルキルチオ)ベンゾニトリル
類を得、さらに水の存在下にハロゲン化剤を反応させる
ことを特徴とする、一般式(II)で表される1,2−ベ
ンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法。 【化3】 (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を表し、R2 は水素
原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
コキシ基、ニトロ基、カルボキシル基もしくはそのエス
テル又はハロゲン原子を表す。) R1 SH (IV) (式中、R1 は炭素数1〜4のアルキル基を表す。) 【化4】 (式中、R1 は一般式(IV)におけるR1 と同意義を表
し、R2 は一般式(III)におけるR2 と同意義を表
す。) 【化5】 (式中、R2 は一般式(I)におけるR2 と同意義を表
す。)
Priority Applications (12)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30134894A JP3152573B2 (ja) | 1994-11-09 | 1994-11-09 | 1,2−ベンズイソチアゾール−3−オン類の製造方法 |
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