JP4629396B2 - マスクブランクの製造方法及び転写マスクの製造方法 - Google Patents

マスクブランクの製造方法及び転写マスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、四角形状のマスクブランク用基板上にレジスト液を均一に回転塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布工程を有するマスクブランクの製造方法、及び転写マスクの製造方法、並びに基板上にレジスト膜が形成されたマスクブランクに関する。
従来、四角形状の基板と、この基板上、または、この基板上に成膜された各種薄膜の単体或いは積層膜を有するマスクブランク上にレジスト膜を形成する場合、基板を回転させてレジスト液を塗布する基板塗布装置を利用したレジスト回転塗布方法が一般に用いられる。この回転塗布方法の代表例として、特に基板四隅に厚膜が形成されることなく均一なレジスト膜を形成するために、特許文献1にあるレジスト回転塗布方法がある。
このレジスト回転塗布方法は、基板の回転数及び回転時間との積が24000(rpm・秒)以下になるように選定すると共に、回転時間を20秒以下に選定することにより、設定回転数及び設定回転時間を定め、レジスト液を基板に滴下した後、前記設定回転数で前記設定回転時間、基板を回転させ、レジスト膜の膜厚を主に均一化させる膜厚均一化工程と、その後、膜厚均一化工程の設定回転数よりも低い回転数で基板を回転させて、膜厚均一化工程により得られたレジスト膜の膜厚の均一性を保持しながら、当該レジスト膜を主に乾燥させる乾燥工程とを含むレジスト回転塗布方法である。
この特許文献1では、クロムマスク基板(127mm×127mm)上に、粘度30cpのポリブデン−1−スルホンや、粘度15cpのポリグリシジルメタアクリレートの比較的高粘度な高分子樹脂からなる主鎖切断型レジストと溶剤を含むレジスト液を、上記の回転条件の範囲内で設定して塗布し、所定の加熱乾燥処理を行った後、基板中央部の被転写体に転写される実パターンが形成される107mm×107mmの実パターン形成領域内でのレジスト膜厚の面内均一性を90Å、50Åに抑えた例が記載されている。
近年、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(ステッパー)の露光面積の拡大や、ステップ・アンド・スキャン方式の縮小投影露光装置(スキャナー)の登場により、転写マスク及びその原版であるマスクブランクは、127mm×127mm角から、152.4mm×152.4mm角へと基板サイズが拡大された。これにともない、被転写体に転写される実パターンが形成された実パターン形成領域が132mm×132mmに拡大され、さらにはまた、実パターン形成領域の長辺(上記スキャナーの走査方向)が140mmまで拡大されつつある。
また、近年、上述したマスクブランクから製造される転写マスクにより半導体基板等へ転写されるパターンの微細化に伴うCDばらつき(寸法精度)の向上要求により、マスクブランクに形成されるレジスト膜厚の面内均一性への要求も厳しくなってきており、上述した実パターン形成領域内でレジスト膜厚の面内均一性(レジスト膜厚の一基板内における最大値と最小値との差)で100Å以下、さらには50Å以下が要求されてきている。
また、転写マスクにおいては、実パターン以外にアライメントマーク、バーコード、品質保証パターンなどの補助パターンが、転写マスクの基板中央部の実パターン形成領域の周辺部(外周部)に形成されるが、これらの補助パターンは、実パターン形成領域の拡大から、基板主表面の周辺部ぎりぎりの領域にまで形成されるようになった。
さらに、またレジスト材料も、パターンの微細化にともない、例えばポジ型レジストでは、従来の高分子量樹脂からなる主鎖切断型レジスト或いはノボラック樹脂と溶解阻害剤等からなる溶解阻害型レジストから、例えばポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂と酸発生剤等からなる、より高解像度とより高い感度が得られる化学増幅型レジストへと移行しつつある。
また、基板上に形成されたレジスト膜のうち、基板周縁部に形成されたレジスト膜は、基板を取り扱う際に、剥離・脱落などが発生して塵埃となり、製品の欠陥の原因になるだけでなく、後工程において基板を精度よく支持する際の妨げとなる可能性も有る。そのため、基板に形成されたレジスト膜のうち、基板周縁部に形成された不要部分を除去する要求がある。
特公平4−29215号公報
マスク作製用途には現在さまざまなレジスト種が提案されているが、マスクブランク製造における従来のレジスト回転塗布方法では、それらのレジストにおいて、上述したパターン領域の拡大により実パターン形成領域内でのレジスト膜の面内膜厚均一性を100Å以下、さらには50Å以下に抑えることが困難になってきた。
特に、近年注目されている化学増幅型レジストは、例えばポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸発生剤等からなるレジスト材料と、一般に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルイソアミルケトン(MAK)、乳酸エチル(EL)の何れか、又は何れかを主成分とする溶剤を含む溶液では、平均分子量が10万未満でレジスト液の粘性が一般に低く(10mPa・s未満)、乾燥しやすい。そのため回転塗布方法により四角形状の基板上にレジスト膜を形成する場合、均一化工程において一旦均一に形成されたレジスト膜が、基板外周部(特に四隅)に溜まったレジスト液が均一化工程や、均一化工程に続く乾燥工程の基板の回転中においても基板の中心方向に引き戻され易く、また引き戻される過程で乾燥されやすい。
それにより、上述のように実パターン形成領域が拡大し、マスクブランクにおけるレジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大した状況下(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)では、100Å以下、さらには50Å以下といった所望のレジスト膜の面内膜厚均一性を得ることできないという問題が発生するようになった。
また、上述のように、転写マスクに形成される補助パターンが、実パターン形成領域の拡大から、基板周辺部ぎりぎりの領域にまで形成されるようになり、従来のレジスト回転塗布方法では、補助パターンが形成される領域に形成されるレジスト膜の膜厚が極度に厚くなり、場合によっては、極度に薄くなり、補助パターンのパターンが設計の寸法或いは形状どおりに形成されない(パターン不良)といった問題が発生するようになった。
また、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸発生剤等からなる化学増幅型レジストは、レジスト塗布膜形成後に加熱乾燥してレジスト膜にしたとき、一般に、従来の高分子量樹脂からなる主鎖切断型レジスト或いは架橋型レジストに比べて脆く、基板周縁部(主表面端部)に形成されたレジスト膜が除去されていない場合は、保管容器或いは搬送容器或いは各種処理装置等との接触あるいは衝撃により剥離・脱落などが発生して塵埃となり、マスクブランク(製品)の欠陥が多くなるという問題が発生した。
そこで本発明は、第一に、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリア(実パターン形成領域)が拡大されても、所定の保証エリアで所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を得るマスクブランクの製造方法を提供することを目的とする。
第二に、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリア(実パターン形成領域)が拡大されても、基板中心の実パターン形成領域の外周部の補助パターン形成領域に形成されるレジスト膜の膜厚が極度に変化することを抑止し、補助パターンにパターン不良が発生しないマスクブランクを提供することを目的とする。
第三に、基板周縁部に著しく厚く形成されたレジスト膜が剥離・脱落することによる塵埃の発生を防止し、さらには、基板周縁部のレジスト膜が除去された後でも、その除去端からの塵埃の発生を抑制・防止できるマスクブランク及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述したマスクブランクにおけるレジスト膜厚の保証エリア拡大にともない、従来特には問題視されていなかった基板外周部(特に基板に内接する円の外側に位置する基板四隅の領域)におけるレジスト液の挙動を観察し、塗布されたレジスト液が基板の回転数、回転時間の変化とともにどのように変化していくか、数多くの実験を重ねた結果、以下のことが判った。
以降、上述の「前段」は、例えば、滴下されたレジスト液を基板上に広げて、主に均一な膜厚のレジスト膜とさせる第1工程(均一化工程)とし、さらに、第1工程(均一化工程)における基板の回転数を主回転数、基板の回転時間を主回転時間とし、上述の「後段」は、例えば、上述の均一な膜厚のレジスト膜を主に乾燥させる第2工程(乾燥工程)とし、さらに、第2工程(乾燥工程)における基板の回転数を乾燥回転数とする場合として説明する。尚、本発明において「前段」は、第1工程(均一化工程)、「後段」は、第2工程(乾燥工程)をそれぞれ含んでいれば良く、同じでも良い。
上述の第1工程(均一化工程)において:
まず、上述の第2工程(乾燥工程)での乾燥回転数が小さい(例えば50rpm)場合、
(1)主回転数が小さく、主回転時間が短い場合は、塗布ノズルから滴下されたレジスト液を均一に広げるための遠心力が不十分で、塗布ノズルから滴下されたレジスト液が基板外周部まで均一に広げられず、基板面内(保証エリア内)のレジスト膜の膜厚分布は基板中央部の膜厚が大きく、基板外周部の膜厚が小さい凸状の形状となる。
(2)主回転数が小さく、主回転時間が長い場合も上述の(1)と同様で、レジスト液を基板外周部まで均一に広げられず、全体としては、レジスト膜の膜厚分布は基板中央部の膜厚が大きく、基板外周部の膜厚が小さい凸形状(台地型)となる。その一方で、主回転時間が長いことにより、基板四隅にはレジスト液の液溜まりを生じ、また、基板中央方向への戻りも生じて、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べてやや厚くなる。
(3)主回転数が大きく、主回転時間が短い場合、(2)の場合と同様に、全体としては、レジスト膜の膜厚分布は基板中央部の膜厚が大きく、基板外周部の膜厚が小さい僅かに凸型の形状となる。その一方で、主回転数が大きいことにより、基板四隅ではレジスト液の液溜まりを生じ、また、基板中央方向への戻りも生じて、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べてやや厚くなる。
(4)主回転数が大きく、主回転時間が長い場合は、(3)に比較して、より強く長い時間作用する遠心力により、全体としては、基板中央部でより平坦なレジスト膜の膜厚分布が得られる。その一方で、主回転時間が長く主回転速度が速いことにより、基板四隅では、レジスト液の液溜まりが基板中央側に戻りきることなく乾燥し、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べて極端に厚くなり、結果として、基板面内のレジスト膜厚均一性は著しく劣化する。
次に、上述の第2工程(乾燥工程)での乾燥回転数が比較的大きい(高い)(例えば500rpm)場合は、
(5)主回転数が小さく、主回転時間が短い場合は、塗布ノズルから滴下されたレジスト液は、基板外周部まで均一に広げられないものの、高速な乾燥回転により乾燥工程初期の過程で(段階で)基板外周部に偏り、基板面内(保証エリア内)のレジスト膜の膜厚分布は、基板中央部の膜厚が小さく、基板外周部の膜厚が大きい、著しい凹型形状となる。
(6)主回転数が小さく、主回転時間が長い場合は、(5)に比較して、基板中央に僅かに凹部を残しながらも、全体としては、概ね平坦な膜厚分布となる。その一方で、基板四隅ではレジスト液の液溜まりが基板中央側に戻りきることなく乾燥し、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べて厚くなる。
(7)主回転数が大きく、主回転時間が短い場合、上述の(6)の場合と同様に、基板中央に凹部を残しながらも、全体としては、概ね平坦な膜厚分布となる。その一方で、基板四隅ではレジスト液の液溜まりが基板中央側に戻りきることなく乾燥し、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べてやや厚くなる。
(8)主回転数が大きく、主回転時間が長い場合は、(7)に比較して、全体としては、基板中央部ではより平坦なレジスト膜の膜厚分布が得られる。しかしながら、基板四隅ではレジスト液の液溜まりが基板中央側に戻りきることなく乾燥し、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べて極端に厚くなり、結果として、基板面内のレジスト膜厚均一性は劣化する。
ここで、上述の第2工程(乾燥工程)において、乾燥回転時間は、基板上に塗布されたレジスト液に含まれる溶剤が蒸発して乾燥するまでに要する時間である。即ち、レジストが熱的要因以外の外的要因により膜厚変動が実質的に起こらない状態になるまでに要する時間を言う。
上述の課題を解決するために、「保証エリア内でのレジスト膜厚分布と回転数、回転時間の関係」を考慮し、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させ、基板の回転により基板周縁部に形成されるレジスト液の液溜まりが、基板中央方向へ移動するのを抑制することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
構成1にあるように、レジスト塗布膜(以下、レジスト膜という)を形成する工程において基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流が流れるように気流を発生させる。このレジスト塗布膜を形成する工程は上述の第1工程(均一化工程)及び第2工程(乾燥工程)を含む。第1工程(均一化工程)では、上記基板の四隅や基板外周部(基板主表面端部)に生じるレジスト液の液溜まりを、基板の中央側から外周方向に流れる気流の発生によって、効果的に基板外方に飛散させることができ、又、基板の四隅や基板外周部に生じるレジスト液の液溜まりが基板中央部へと引き戻されるのを効果的に抑制できるので、基板の四隅及び周縁部に形成されるレジスト膜の厚膜領域を低減させる、或いはその領域の膜厚の盛り上がりを低減させる(厚膜化を抑制する)ことができる。また、第2工程(乾燥工程)では、上記気流の発生と乾燥回転数の条件により、基板中央部へと引き戻されるレジスト液を効果的に抑制し、レジスト膜の厚膜領域を低減させる、或いはその領域の膜厚の盛り上がりを低減させる(厚膜化を抑制する)ことができる。従って、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大されても、所定の保障エリア(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)において、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を得ることができる。
(構成2)四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソアミルケトンのうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含み、前記前段の基板回転数を850〜1900rpm、前記前段の基板回転時間を1〜5秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
ここで、上記前段は例えば上述の「第一工程(均一化工程)」に、上記後段は例えば上述の「第二工程(乾燥工程)」にそれぞれ対応させることが出来るので、本明細書では以降、上記前段は上述の「第一工程(均一化工程)」、上記後段は上述の「第二工程(乾燥工程)」とする場合を一例として説明することにする。
構成2にあるように、レジスト液が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルイソアミルケトン(MAK)のうち何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含む乾燥しやすいレジスト液であっても、第一工程(均一化工程)における基板回転数(以下、主回転数と称する)、第一工程(均一化工程)の基板回転時間(以下、主回転時間と称する)、第二工程(乾燥工程)における基板回転時間(以下、乾燥回転数と称する)を上述の範囲にすることにより、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大されても、所定の保障エリア(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)において、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を維持することができる。
(構成3)四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液が、乳酸エチルを溶剤とし、又は乳酸エチルを主成分とする溶剤を含み、前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を1〜10秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
構成3にあるように、レジスト液が、乳酸エチルを溶剤とし、又は乳酸エチルを主成分とする溶剤を含む比較的乾燥しにくいレジスト液であっても、第一工程(均一化工程)における主回転数、主回転時間、第二工程(乾燥工程)における乾燥回転数を上述の範囲にすることにより、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大されても、所定の保障エリア(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)において、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を維持することができる。
(構成4)四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メチルセルソルブアセテート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含み、前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を2〜15秒、前記後段の基板回転数を50〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
構成4にあるように、レジスト液が、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DYGLYME)、アニソール(ANISOLE)、メチルセルソルブアセテート(MCA)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含むレジスト液であっても、第一工程(均一化工程)における主回転数、主回転時間、第二工程(乾燥工程)における乾燥回転数を上述の範囲にすることにより、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大されても、所定の保障エリア(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)において、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を維持することができる。
(構成5)前記レジスト材料は、化学増幅型レジストであることを特徴とする構成1乃至3の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
構成5にあるように、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸発生剤等からなる化学増幅型レジストのように一般に粘性が低く、乾き易い化学増幅型レジストであっても、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大されても、所定の保障エリア(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)において、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を維持することができる。
(構成6)前記前段の基板回転数による基板の回転の後、それに続き前記後段の基板回転数により基板を回転させることを特徴とする構成2乃至4の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
(構成7)前記基板上に形成されたレジスト膜のうち基板周縁部に形成されたパターン形成に関与しないレジスト膜を除去することを特徴とする構成1乃至6の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
構成7のように、基板周縁部に形成されたパターン形成に関与しないレジスト膜が擦れ等により剥離・脱落して塵埃を発生することを防止することができる。
(構成8)前記基板は、基板上にマスクパターンとなる薄膜を形成した薄膜付き基板であることを特徴とする構成1乃至7の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
(構成9)前記レジスト塗布膜を形成する前記薄膜は、クロムと、酸素及び/又は窒素を含む材料からなることを特徴とする構成8記載のマスクブランクの製造方法。
構成9のように、前記レジスト塗布膜を形成する前記薄膜を、クロムと、酸素及び/又は窒素を含む材料とすることにより、レジスト膜形成時の濡れ性、付着性が良いので、高い信頼性でレジスト膜の面内膜厚均一性が100Å以下のマスクブランクが得られる。
(構成10)構成1乃至9の何れかに記載の製造方法によって得られたマスクブランクの前記薄膜をパターニングして、前記基板上に実パターンと補助パターンを有するマスクパターンを形成することを特徴とする転写マスクの製造方法。
(構成11)基板上に被転写体に転写される転写パターンと、被転写体に転写されない補助パターンとなる薄膜と、レジスト膜とが形成されたマスクブランクにおいて、前記レジスト膜における基板中央部の被転写体に転写される実パターンが形成される実パターン形成領域内での平均膜厚を基準にして、前記基板中央部の実パターン形成領域の周辺部にある補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と前記平均膜厚との差が、前記平均膜厚の1/2以下であることを特徴とするマスクブランク。
構成11のように、レジスト膜における基板中央部の被転写体に転写される実パターンが形成される実パターン形成領域内での平均膜厚を基準にして、前記基板中央部の実パターン形成領域の周辺部(外周部)にある補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と前記平均膜厚との差が前記平均膜厚の1/2以下であることで、バーコード、品質保証パターン、アライメントマークなどの補助パターンのパターン不良を防止することができる。
(構成12)基板上に実パターンと補助パターンを有するマスクパターンとなる薄膜と、レジスト塗布膜とが形成されたマスクブランクにおいて、前記レジスト塗布膜における基板中央部に配置される実パターンが形成される実パターン形成領域内での平均膜厚を基準にして、前記基板中央部の実パターン形成領域の周辺部にある補助パターン形成領域におけるレジスト塗布膜の最大膜厚と最小膜厚との差が、前記平均膜厚の1/2以下であることを特徴とするマスクブランク。
構成12のように、レジスト膜における基板中央部の実パターンが形成される実パターン形成領域内での平均膜厚を基準にして、前記基板中央部の実パターン形成領域の周辺部(外周部)にある補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と最小膜厚との差が前記平均膜厚の1/2以下であることで、バーコード、品質保証パターン、アライメントマークなどの補助パターンのパターン不良を防止することができる。
(構成13)前記基板上に形成されたレジスト膜のうち基板周縁部に形成された前記補助パターン形成に関与しないレジスト膜が除去されていることを特徴とする構成11又は12記載のマスクブランク。
構成13のように、補助パターンが形成される領域よりも外側の基板周縁部に著しく厚く形成されているレジスト膜の前記補助パターン形成に関与しない部位が除去されているので、収納ケースへのマスクブランクの収納による擦れや、マスクブランクを搬送する際の接触部との擦れに起因するレジスト膜からの発塵を抑制・防止することができる。
(構成14)前記基板周縁部のレジスト膜が除去されて残ったレジスト膜の端部形状が、略直角または縁だれ形状であることを特徴とする構成13記載のマスクブランク。
構成14にあるように、基板周縁部のレジスト膜が除去されて残ったレジスト膜の端部形状(側壁の肩部)が略直角又は縁だれ形状とすることにより、基板周縁部に形成されたレジスト膜が剥離・脱落することによる塵埃の発生を抑制・防止することができる。また、マスク作製工程(マスクブランク使用工程)でのレジスト剥離の際に剥離残滓が発生することを防止できる。
(構成15)前記基板周縁部のレジスト膜が除去されている領域の辺全体における基板端から除去端までの除去幅の標準偏差が0.2mm以下であることを特徴とする構成13又は14記載のマスクブランク。
構成15にあるように、基板周縁部のレジスト膜が除去されている領域の辺全体における基板端から除去端までの除去幅の標準偏差を0.2mm以下とすることにより、除去残滓の発生を抑え、後工程での基板周縁部のレジスト膜が除去されて残ったレジスト膜の端部からのパーティクルの発生を抑制・防止できる。
(構成16)前記レジスト膜を形成するレジスト材料は、化学増幅型レジストであることを特徴とする構成11乃至15の何れかに記載のマスクブランク。
構成16にあるように、特にレジスト材料が、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸発生剤等からなる化学増幅型レジストである場合には、形成されたレジスト膜が脆く、上述の構成11乃至15の効果が顕著になる。
(構成17)構成11乃至16の何れかに記載のマスクブランクにおける前記薄膜をパターニングして、前記基板上に実パターンと補助パターンを有するマスクパターンを形成することを特徴とする転写マスクの製造方法。
本発明によれば、基板上にレジスト膜を形成する工程において基板が回転している間、基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流が流れるように気流を発生させるので。基板の四隅や基板外周部に生じるレジスト液の液溜まりを効果的に基板外方に飛散させることができ、この液溜まりが基板中央方向へ引き戻されるように移動するのを抑制することができる。従って、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが拡大されても、所定の保障エリア(例えば、基板中央の132mm×132mm角エリア)において、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を得ることができる。
本発明のマスクブランクの製造方法におけるレジスト塗布工程について、図1、図2を参照しながら説明する。図1はレジスト塗布工程に使用する回転塗布装置を示す構造図、図2はレジスト塗布工程における回転時間と回転数の関係を示す図である。
<回転塗布装置の説明>
回転塗布装置1は、図1に示すように、四角形状の基板2上に、例えば遮光膜3を形成した薄膜付き基板11を載置し回転可能に保持するスピンナーチャック12と、薄膜付き基板11上にレジスト液13を滴下するためのノズル14と、滴下されたレジスト液13が基板の回転により基板外方に飛散した後回転塗布装置の周辺に飛散するのを防止するためのカップ15と、カップ15の上方に、基板外方に飛散したレジスト液をカップ15の外側下方へと誘導するインナーリング17と、薄膜付き基板11に向かう気流を生起させるように排気を行う排気手段18を備えている。
上述のスピンナーチャック12には、基板を回転させるためのモーター(図示せず)が接続されており、このモーターは後述する回転条件に基づいてスピンナーチャック12を回転させる。
また、カップ15の下方には、排気量を制御する排気量制御手段が備えられた排気手段18と、回転中に基板外に飛散したレジスト液を回収し排液する排液手段が設けられている。
排気量は、第1工程(均一化工程)、第2工程(乾燥工程)において、基板が回転している間、基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流が流れるように気流19を発生することにより、基板外周部(基板主表面端部)に生じるレジスト液の液溜まりを効果的に基板外に飛散させることができ、又、基板の四隅や基板外周部に生じるレジスト液の液溜まりが基板中央部へと引き戻されるのを効果的に抑制できるので、基板の四隅及び周縁部に形成されるレジスト膜の厚膜領域を低減させる、或いはその領域の膜厚の盛り上がりを低減させる(厚膜化を抑制する)ことができるように設定する。具体的には、基板の上面に当たる気流の速度が、0.5m/秒以上5m/秒以下となるように排気量を制御する。
さらに、基板上面とカップ上方に設けられたインナーリング(開口部)までの高さ(距離)と、インナーリングの開口径を制御することによって、基板上面から基板外周部に当たる気流の流速を制御することで、基板外周部(基板主表面端部)に生じるレジスト液の液溜まりを効果的に基板外に飛散させ、又、基板の四隅や基板外周部に生じるレジスト液の液溜まりが基板中央部へと引き戻されるのを効果的に抑制できるに必要な流速に維持することが可能である。
<回転塗布装置を用いたレジスト塗布方法の説明>
次に、上述の回転塗布装置1を用いたレジスト塗布方法について図2を用いて説明する。
まず始めに薄膜付き基板11を基板搬送手段によって回転塗布装置1のスピンチャック12上に載置する。
次に、レジスト液13をノズル14より薄膜付き基板11上に滴下した後、後述する回転条件に従って回転塗布し、薄膜付き基板11上にレジスト膜4を均一に形成する。
本発明のレジスト塗布方法の塗布対象である基板は、四角形状であるため、少なくとも以下の2つの工程を経由しなければ、四角形状基板(マスクブランク)の内接円の外側の領域まで広がる矩形なパターン領域において、均一なレジスト膜を形成することができない。
まず、第一工程は、基板(薄膜付き基板)上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間とで基板を回転させ、主に、レジスト膜厚を均一化させる第1工程(均一化工程)であり、次に、前記第1工程(均一化工程)の後、前記主回転数より小さい所定の乾燥回転数で基板を回転させ、均一化されたレジスト膜を主に乾燥させる第2工程(乾燥工程)である。
そして、本発明の特徴は、第1工程(均一化工程)及び第2工程(乾燥工程)において、基板が回転している間、基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流が流れるように気流を発生させ、基板の回転により基板外周部(基板主表面端部)に生じるレジスト液の液溜まりを効果的に基板外に飛散させ、又、基板の四隅や基板外周部に生じるレジスト液の液溜まりが基板中央部へと引き戻されるのを効果的に抑制させ、基板の四隅及び周縁部に形成されるレジスト膜の厚膜領域を低減させる、或いはその領域の膜厚の盛り上がりを低減させる(厚膜化を抑制する)ことを特徴とする。
本発明の実施の形態において使用するレジストは、特に限定されない。レジスト塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・sを超える例えば、平均分子量が10万以上である高分子量樹脂からなる主鎖切断型レジスト或いは架橋型レジスト(高分子量レジスト)や、レジスト塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・s未満の例えば、平均分子量が10万未満であるノボラック樹脂と溶解阻害剤等からなる溶解阻害型レジスト(ノボラック系レジスト)や、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸発生剤等からなる化学増幅型レジストなどであっても良い。中でも特に効果があるのは、化学増幅型レジスト等の乾燥しやすい(乾燥が速い)レジスト種である。
化学増幅型レジストでは、さらに、ベースポリマー毎に分類すると、PHS(ポリヒドロキシスチレン)系、ノボラック系等がある。また、PHS系の化学増幅型レジストとしては、例えば、FEP171、FEN270:富士フィルムアーチ社製、NEB22:住友化学工業社製、OEBR−CAP209:東京応化工業社製などがある。
上述の化学増幅型レジストに使われる溶剤としては、一般に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、メチルイソアミルケトン(MAK)のうち何れかの溶剤、或いは何れかを主成分とする溶剤が使用される。
これらの化学増幅型レジストのレジスト液は、一般に平均分子量が10万未満であり、上記溶剤に溶解してレジスト液にしたときの粘度が1〜10mPa・sと低く、乾燥しやすいために、均一化工程において均一に塗布されたレジスト液が、均一化工程や、均一化工程に続く乾燥工程において基板外周部に溜まったレジスト液が基板の中心方向に引き戻されやすく、また、引き戻される過程で乾燥しやすい。そのため、レジスト膜の厚膜領域が拡大し、基板面内のレジスト膜の膜厚分布は悪化する傾向にある。
また、上述のノボラック系レジストに使われる溶剤としては、一般に、平均分子量が10万未満であり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルイソアミルケトン(MAK)、乳酸エチル(EL)のうち何れか、或いは何れかを主成分とする溶剤が使用される。これらの溶剤を含むノボラック系レジストのレジスト液も一般に粘度が1〜10mPa・sと低いために、上述の化学増幅型レジストと同様の傾向となる。
また、上述の高分子量型レジストに使われる溶剤としては、一般に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DIGLYME)、アニソール、メチルセルソルブアセテート(MCA)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)の何れか、或いは何れかを主成分とする溶剤が使用される。これら高分子量型レジストのレジスト液は、一般に平均分子量が10万以上であり、上記溶剤に溶解してレジスト液にしたときの粘度が10mPa・s超と高く、比較的乾燥されにくい。
上述の「保証エリア内でのレジスト膜厚分布・面内膜厚均一性と回転数、回転時間の関係」の考察から、レジストに使用する溶剤、さらにレジスト種に応じて以下の回転条件の範囲から設定する。
(a)レジスト塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・s超(好ましくは10mPa・s超50mPa・s以下)のレジスト種(例えば、上記溶剤を含む高分子量型レジスト)
主回転数:850〜2000rpm
主回転時間:2〜15秒
乾燥回転数:50〜450rpm
(b)レジスト塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・s以下のレジスト種(例えば、上記溶剤を含む化学増幅型レジストやノボラック系レジスト)
主回転数:850〜2000rpm
主回転時間:1〜10秒
乾燥回転数:100〜450rpm
(b1)レジスト塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・s以下のレジスト種であって、溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルイソアミルケトン(MAK)のうち何れか、或いは何れかを主成分とする場合、
主回転数:850〜1900rpm
主回転時間:1〜5秒
乾燥回転数:100〜450rpm
(b2)レジスト塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・s以下のレジスト種であって、溶剤が、乳酸エチル(EL)か、それを主成分とする場合、
主回転数:850〜2000rpm
主回転時間:1〜10秒
乾燥回転数:100〜450rpm
尚、乾燥回転時間は、レジスト膜が完全に乾燥するまでに(それ以上乾燥回転を続けてもレジスト塗布膜厚が減少しなくなるまでに)要する時間で設定する。
尚、本発明における粘度は、JISZ8803(1991)「液体の粘度−測定方法」内で規定されている毛細管粘度計(キャノン−フェンスケ粘度計)により、室温にて測定した粘度とする。
尚、上述の(a)において、例えばレジストがポジ型高分子量型レジスト(高分子量樹脂からなる主鎖切断型レジスト):ZEP7000(日本ゼオン社製)の場合、主回転数を850〜2000rpm、主回転時間を5〜15秒、乾燥回転数を50〜450rpmとすることにより、所定(基板中央の132mm×132mm角)エリアにおいて、確実にレジスト膜の面内膜厚均一性を100Å以下にすることができる。好ましくは、主回転数を1000〜1700rpm、主回転時間を7〜13秒、乾燥回転数を150〜300rpmとすることにより、面内膜厚均一性を50Å以下にすることができる。
また、上述の(b)において、例えばレジストがポジ型化学増幅型レジスト(ポリヒドロキシスチレン系樹脂と酸化剤とを含む化学増幅型レジスト):FEP171(富士フィルムアーチ社製)の場合、主回転数を1200〜1900rpm、主回転時間を1〜5秒、乾燥回転数を100〜450rpmとすることにより、所定(基板中央の132mm×132mm角)エリアにおいて、確実にレジスト膜の面内膜厚均一性を100Å以下にするができる。好ましくは、主回転数を1350〜1750rpmm、主回転時間を1.5〜2.5秒、乾燥回転数を150〜300rpmとすることにより、面内膜厚均一性を50Å以下にすることができる。
次に、上述のレジスト塗布方法を利用したマスクブランクの製造方法について説明する。
本発明のマスクブランクの製造方法は、上述のレジスト塗布方法を利用したレジスト塗布工程を有する。従って、本発明の実施の形態は大きく分けて以下の6つの形態からなる。
(第1の実施の形態)
四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させ、基板の回転により基板周縁部に形成されるレジスト液の液溜まりが、基板中央方向へ移動するのを抑制することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(第2の実施の形態)
四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソアミルケトンのうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含み、前記前段の基板回転数を850〜1900rpm、前記前段の基板回転時間を1〜5秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(第3の実施の形態)
四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液が、乳酸エチルを溶剤とし、又は乳酸エチルを主成分とする溶剤を含み、前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を1〜10秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(第4の実施の形態)
四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液の粘度が1〜10mPa・sであって、前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を1〜10秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(第5の実施の形態)
四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メチルセルソルブアセテート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含み、前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を2〜15秒、前記後段の基板回転数を50〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(第6の実施の形態)
四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、前記レジスト液の粘度が10mPa・s超であって、前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を2〜15秒、前記後段の基板回転数を50〜450rpmとすることを特徴とするマスクブランクの製造方法。
前述したように、ここで、上記前段は例えば前述の「第一工程(均一化工程)」、上記後段は例えば前述の「第二工程(乾燥工程)」をそれぞれ含んでいれば良く、同じでもよい。
尚、本発明の実施の形態において、本発明の効果を逸脱しない範囲内で、第一工程(均一化工程)の主回転数や、第二工程(乾燥工程)の主回転数を段階的又は連続的に変化させてもよい。
さらに、本発明のマスクブランクの製造方法においては、上述のレジスト塗布方法によりレジスト膜を基板上に形成するレジスト塗布工程の後、形成されたレジスト膜に含まれる溶剤を蒸発させるために基板上に形成されたレジスト膜を加熱乾燥処理する加熱乾燥処理工程を有しても良い。レジスト塗布工程の後、加熱乾燥処理等を行って薄膜付き基板11上にレジスト液に含まれる溶剤を蒸発させ、レジスト膜4を形成したマスクブランク10を得る。
尚、基板は、被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜が形成された薄膜付き基板や、被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜のパターンが形成された薄膜パターン付き基板、或いは、単に基板であってもよい。単に基板の場合、基板を掘り込んで基板に凹凸の段差を有するクロムレスの位相シフトマスク用原版のマスクブランクとなる。さらに、基板は、基板を掘り込んで基板に凹凸の段差とパターンが形成された薄膜の両者を有するものであってもよい。
薄膜付き基板は、基板上に露光光に対し光学的変化をもたらして被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜をスパッタリング法や、蒸着法、CVD法などによって形成する工程を含む。
加熱乾燥処理工程は、基板上に形成されたレジスト膜に含まれる溶剤を蒸発させて被膜にする工程である。加熱乾燥処理工程は、通常、基板を加熱する加熱プレート等により加熱する加熱工程と、基板を冷却プレート等により冷却する冷却工程とを含む。加熱工程における加熱温度及び加熱時間、冷却工程における冷却温度及び冷却時間は、レジスト種に応じて適宜調整される。
また、必要に応じて、レジスト塗布工程の後に、基板周縁部に形成された補助パターンの形成されない領域の不要なレジスト膜を除去するレジスト不要膜除去工程を行っても良い。
レジスト不要膜除去工程で使用する不要膜除去装置としては、例えば、特開2001−259502号公報に記載されているような、基板周縁部に形成されている不要な膜部分にレジスト膜が可溶な溶媒を供給して除去する方法が良い。特に、レジスト膜がポジ型のレジストである場合は、上記加熱乾燥処理工程の前或いは後に、基板周縁部に形成された不要な膜部分に露光処理を行い、露光領域と未露光領域との間で現像液による溶解速度差が得られるようにし、上記露光領域に選択的に現像液を供給することにより不要なレジスト膜を除去することも可能である。露光処理と現像処理による不要膜除去は、基板周縁部のレジスト膜が除去されて残ったレジスト膜の端部形状(除去端の肩部)に著しく厚膜な部分が形成されずに、除去部の端(除去部の側壁部)の肩部(上端部)は概ね垂直となり、また、除去部の側壁部はおおむね直角となり、縁だれ形状となる。また、レジスト膜が除去されている領域の辺全体における基板端から除去端までの除去幅バラツキも殆どなく直線状になるので好ましい。
以下、本発明のマスクブランクについて図3、4を用いて説明する。図3は基板周縁部のレジスト膜を除去しないマスクブランクを示す断面図、図4は基板周縁部の不要なレジスト膜を除去したマスクブランクを示す断面図である。
図3、4に示すように本発明のマスクブランクは、四角形状の基板2上に、露光光に対し光学的変化をもたらして被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜(例えば、遮光膜3)と、遮光膜3上にレジスト膜4が形成されている。
マスクブランクには、転写マスクにしたときに、基板主表面上の中心部の領域に、半導体基板等の被転写体に回路パターン(デバイスパターン)として転写される実パターンが形成される実パターン形成領域と、該実パターン形成領域の外側に、バーコード、品質保証パターン、アライメントマーク等の補助パターン形成領域がある。実パターン形成領域と、補助パターン形成領域は、マスクブランクの基板サイズや転写マスクの設計で異なるが、例えば、大きさが6インチ×6インチの場合、実パターン形成領域は、例えば、基板主表面上の中心部132mm×132mmの領域、補助パターン形成領域は、132mm×132mmの領域より外側から150mm×150mmの領域で設定される。
そして本発明におけるマスクブランクは、バーコード、品質保証パターン、アライメントマークなどの補助パターンが形成される、前記基板中央部の実パターン形成領域の周辺部(外周部)にある補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と前記平均膜厚との差が前記平均膜厚の1/2以下であることを特徴とする。
例えば、実パターン形成領域におけるレジスト膜の平均膜厚が3000Åの場合、遮光膜表面から平均膜厚3000Åを基準面として、バーコード、品質保証パターン、アライメントマークなどの補助パターンが形成される、前記基板中央部の実パターン形成領域の周辺部(外周部)にある補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚は、該基準面から1500Å以下(遮光膜表面から4500Å以下)に形成される。このようにすることで、転写マスク製造工程における露光・現像処理により形成される補助パターンのパターン不良を防止することができる。好ましくは補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と基板中央部の実パターン形成領域の平均膜厚の差が、前記平均膜厚の1/5以下、さらに好ましくは1/10以下とすることが望ましい。
図4に示すように、前記バーコード、品質保証パターン、アライメントマークが形成される補助パターン形成領域よりも外側に形成されている基板周縁部の不要なレジスト膜が溶媒等により除去されている方が、塵埃の発生防止の点で好ましい。さらに好ましくは、基板周縁部の不要なレジスト膜が除去されて残ったレジスト膜の端部形状が略直角又は縁だれ形状が好ましい。また、好ましくは、基板周縁部のレジスト膜が除去されている領域の辺全体における基板端から除去端までの除去幅の標準偏差が0.2mm以下とする方が、後工程での塵埃発生防止の点で好ましい。
本発明でいうマスクブランクは、透過型マスクブランク、反射型マスクブランクの何れも指し、これらの構造は、基板上に露光光に対し光学的変化をもたらして被転写体に転写すべく転写パターンとなる薄膜と、レジスト膜を有する。
透過型マスクブランクは、基板として透光性基板を使用する。露光光に対し光学的変化をもたらすとは、露光光を遮断する遮光膜や、露光光の位相を変化させる位相シフト膜(位相シフト膜には、遮光機能と位相シフト機能を有するハーフトーン膜を含む)などを指す。
従って、透過型マスクブランクは、遮光膜が形成されたフォトマスクブランク、位相シフト膜(ハーフトーン膜を含む)が形成された位相シフトマスクブランクなどを含む。
また、反射型マスクブランクは、基板として熱膨張係数の小さいものを使用し、この基板上に光反射多層膜、転写パターンとなる光吸収体膜とを有するマスクブランクである。この場合における露光光に対し光学的変化をもたらすとは、露光光を反射する多層反射膜と露光光を遮断する光吸収体膜などを指す。
また、本発明のマスクブランクには、上述の膜以外に、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti−Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti−Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜等の膜が形成されていても良い。
また、本発明におけるレジスト膜は、平均膜厚で5000Å以下、好ましくは500Å〜5000Åの範囲で形成される。
以下、第1の実施の形態における本発明のマスクブランクの製造方法を実施例により詳細に説明する。
<実施例1、比較例1〜3>
基板サイズが152.4mm×152.4mmの合成石英ガラス基板上に、スパッタリング法によりクロム膜と酸化クロム膜を順次積層し、遮光膜と反射防止膜が形成された薄膜付きガラス基板を得た。
得られた薄膜付き基板に、上述の回転塗布装置を用いて、以下の塗布条件でレジスト液を回転塗布し、レジスト膜を形成した。尚、均一化工程と乾燥工程の両方で基板が回転している間、常時連続して強制排気を行い、基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させた場合を実施例1、均一化工程での強制排気を行わず、乾燥工程のみ基板が回転している間、強制排気を行い上記気流を発生させた場合を比較例1、均一化工程のみ強制排気を行い上記気流を発生させ、乾燥工程では強制排気をしなかった場合を比較例2、均一化工程及び乾燥工程で基板が回転している間、強制排気を行わず上記気流を発生させなかった場合を比較例3とした。また、乾燥工程は、均一化工程の後、それに続いて連続して行った。
レジスト:ポジ型化学増幅型レジストFEP171(富士フィルムアーチ社製)
溶剤:PGMEAとPGMEの混合溶剤
主回転数:1500rpm
主回転時間:2秒
乾燥回転数:250rpm
レジスト平均膜厚:2000Å
基板上面に当たる気流の速度:2m/秒
その後、加熱乾燥装置及び冷却装置に基板を搬送し、所定の加熱乾燥処理を行ってレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。
得られたフォトマスクブランクのレジスト膜について、レジスト膜の膜厚分布を測定した。その結果を、図5に示す。
尚、レジスト膜の膜厚分布は、基板中央のエリア140mm×140mm角エリア(実パターン形成領域)の全体に均等に配置した29×29=841点で分光反射型膜厚計(ナノメトリックスジャパン社製:AFT6100M)を用いて膜厚測定した。尚、面内膜厚分布は、各測定点における膜厚データを求め、この膜厚データから「(膜厚の最大値)−(膜厚の最小値)=(面内膜厚均一性)」とした。
図5に示すように、均一化工程及び乾燥工程において、基板が回転している間、常時強制排気を行い、基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流が流れるように気流を発生させることで、面内膜厚均一性は52Åとなり、かつ基板の四隅に極端に膜厚が厚い領域は形成されていない。一方、均一化工程、乾燥工程の何れか一方、又は両方の工程において、強制排気を行わず、上記気流を発生させなかった場合は、基板の四隅に極端に膜厚が厚い領域が形成され、面内膜厚均一性も400Åを超え悪化していることが判る。
尚、因みに、従来の実パターン形成領域(110mm×110mm)での面内膜厚均一性を図5に示した。従来の実パターン形成領域では、基板の四隅に形成されている極端に膜厚が厚い領域は形成されておらず、面内膜厚均一性は、それぞれ16Å(実施例1)、26Å(比較例1)、41Å(比較例2)、35Å(比較例3)と全て50Å以下となり、何れの回転条件であっても良好な結果となっている。
よって、基板の面内膜厚均一性の有効エリアが拡大した状況において、所望の面内膜厚均一性(100Å以下)にするためには、均一化工程及び乾燥工程において、基板が回転している間、常時連続して強制排気を行い、基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流が流れるように気流を発生させなければならないことが言える。
以下、第2、第3及び第4の実施の形態における本発明のマスクブランクの製造方法を実施例により詳細に説明する。
<実施例2>
基板サイズが152.4mm×152.4mmの合成石英ガラス基板上に、スパッタリング法によりクロム膜と酸化クロム膜を順次積層し、遮光膜と反射防止膜が形成された薄膜付きガラス基板を得た。
得られた薄膜付き基板に、上述の回転塗布装置を用いて、以下の塗布条件でレジスト液を回転塗布し、レジスト膜を形成した。
レジスト:ポジ型化学増幅型レジストFEP171(富士フィルムアーチ社製)
溶剤:PGMEAとPGMEの混合溶剤
レジスト液の粘度:3mPa・s
主回転数:1500rpm
主回転時間:2秒
乾燥回転数:250rpm
乾燥回転時間:20秒
レジスト平均膜厚:4000Å
基板上面に当たる気流の速度:2m/秒
尚、排気は、均一化工程と乾燥工程が行われている基板が回転している間、常時連続して行った。
その後、加熱乾燥装置及び冷却装置に基板を搬送し、所定の加熱乾燥処理を行ってレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。
得られたフォトマスクブランクのレジスト膜について、レジスト膜の面内膜厚均一性を測定した。
その結果、面内膜厚均一性は35Åであった。尚、レジスト膜の面内膜厚均一性は、基板中央の保証エリア132mm×132mm(実パターン形成領域)内の全体に均等に配置した(11×11=121点)で分光反射型膜厚計(ナノメトリックスジャパン社製:AFT6100M)を用いて膜厚測定し、面内膜厚分布(各測定点における膜厚データ)を求め、この面内膜厚分布データから「(膜厚の最大値)−(膜厚の最小値)=(面内膜厚均一性)」とした。
また、実パターン形成領域より外側に形成されているレジスト膜厚(補助パターン形成領域)をさらに0.1mmピッチで分光反射型膜厚計にて測定したところ、最大膜厚は4380Åであり、補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と平均膜厚との差が380Åで、平均膜厚の約1/10であった。
<実施例3〜7、比較例4〜5>
上述の実施例1において、主回転数、主回転時間は固定にして、乾燥回転数を50〜500rpmの範囲で変化させて、面内膜厚均一性を評価したところ、乾燥回転数が250rpmのときに最も良好な面内膜厚均一性が得られた。乾燥回転時間は適宜調整して行った。(表1)
また、乾燥回転数が50rpm、500rpmの場合、レジスト膜の面内膜厚均一性は100Åを超え悪化した。乾燥回転数が50rpmの場合、乾燥工程においてレジスト膜が完全に乾燥するまでに時間を要し(乾燥回転時間を長く要し)、基板外周部に溜まったレジスト液が基板の中心方向に引き戻されつつ乾燥されるので、レジスト膜の厚膜領域が拡大して、レジスト膜の膜厚分布が悪化し、面内均一性が100Åを超えたと考えられる。また、乾燥回転数が500rpmの場合、乾燥工程において、基板四隅ではレジスト液の液溜まりが基板中央側に戻りきることなく乾燥し、基板面内(保証エリア内)の四隅のレジスト膜厚が基板中央部に比べて極端に厚くなり、結果として、レジスト膜の膜厚分布が悪化し、面内均一性が100Åを超えたと考えられる。
Figure 0004629396
上述のように、面内膜厚均一性100Å以下とするためには、乾燥回転数は、100〜450rpm、さらに、面内膜厚均一性50Å以下とするためには、乾燥回転数は、150〜300rpmでなければならないことが判った。
<実施例8〜11、比較例6〜9>
次に、乾燥回転数を面内膜厚均一性が最も良い結果となった250rpmに固定し、均一化工程における主回転数、主回転時間を以下のようにした以外は実施例2と同様にしてレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。得られたレジスト膜の面内膜厚均一性は以下の通りになった。(表2)
Figure 0004629396
以上の結果から、上述のポジ型化学増幅型レジストFEP171(富士フィルムアーチ社製)において、拡大された保証エリア内(132mm×132mm)で面内膜厚均一性100Å以下を維持するためには、主回転数を1200〜1900rpm、主回転時間を1〜5秒、乾燥回転数を100〜450rpmとし、さらに面内膜厚均一性50Å以下を維持するためには、主回転数を1400〜1750rpm、主回転時間を1.5〜2.5秒、乾燥回転数を150〜300rpmとすれば良いことが判った。
<実施例12>
次ぎに、レジストをポジ型化学増幅型レジストOEBR−CAP209(東京応化工業社製)にし、以下の条件にてレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。
溶剤:EL
レジスト液の粘度:3.8mPa・s
主回転数:1250rpm
主回転時間:10秒
乾燥回転数:300rpm
乾燥回転時間:60秒
レジスト平均膜厚:3500Å
基板上面に当たる気流の速度:2m/秒
面内膜厚均一性:96Å
尚、排気は、均一化工程と乾燥工程が行われている基板が回転している間、常時連続して行った。
<実施例13>
次ぎに、レジストをポジ型化学増幅型レジストNEB22(住友化学工業社製)にし、以下の条件にてレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。
溶剤:PGMEA
レジスト液の粘度:1.8mPa・s
主回転数:850rpm
主回転時間:4秒
乾燥回転数:300rpm
乾燥回転時間:60秒
レジスト平均膜厚:4000Å
基板上面に当たる気流の速度:3m/秒
面内膜厚均一性:91Å
尚、排気は、均一化工程と乾燥工程が行われている基板が回転している間、常時連続して行った。
<実施例14>
次ぎに、レジストをポジ型ノボラック系レジストTHMR−iP3600(東京応化工業社製)にし、以下の条件にてレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。
溶剤:MAK
レジスト液の粘度:2.1mPa・s
主回転数:1200rpm
主回転時間:3秒
乾燥回転数:250rpm
乾燥回転時間:30秒
レジスト平均膜厚:5500Å
基板上面に当たる気流の速度:0.8m/秒
面内膜厚均一性:93Å
尚、排気は、均一化工程と乾燥工程が行われている基板が回転している間、常時連続して行った。
以上、上述の実施例2〜14までの結果から、レジスト液が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルイソアミルケトン(MAK)、乳酸メチル(EL)のうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含むレジスト液及び/又はレジスト液の粘度が1〜10mPa・sであって、均一化工程における主回転数を850〜2000rpm、主回転時間を1〜10秒、乾燥工程における乾燥回転数を100〜450rpmとすることにより、レジスト膜の面内膜厚均一性の保証エリアが132mm×132mmに拡大されても、所望のレジスト膜の面内膜厚均一性(100Å以下)を維持することができることが判った。
<実施例15>
実施例2において、レジスト回転塗布後加熱乾燥前のレジスト膜に対し、以下に示す不要膜除去工程を行い、補助パターン形成領域より外側の基板周縁部に形成されたレジスト膜を除去した。
まず、焦点距離10mmの集光レンズを先端に装着した石英ファイバー製ライトガイド(10mmφ)を備えた水銀ランプ(HOYA−SHOTT社製UL500L)を露光光源とし、焦点部に3mm×3mmの正方形の開口部を持つステンシルマスクを取りつけ、当該ステンシルマスク(露光窓)のうち約1.5mmが基板端から基板中心方向に重なるように、かつ、上記基板の上面3mmの位置に設置した。次いで、上記露光光源を点灯すると同時に、走査手段によって基板周縁部の辺に沿って毎秒約10mmの速度で上記露光窓を移動させた。一辺152mmの露光を終了した後、基板を90度回転させて次ぎの辺を露光し、同様に基板の四辺全てを露光して、基板周縁部の不要なレジスト膜を露光処理した。
次ぎに、特開2000−259502号公報に記載の装置を用いて、上記の選択的に露光された部位に選択的に現像液が供給されるよう適宜調整して、基板を500rpmに回転させながら、標準現像液2.38%TMAH(東京応化工業社製NMD−3)を用い、流量毎分100ccで30秒間処理を行った。その後直ちに現像液に変えて超純水を供給し、現像除去処理部をリンスし、次いで、基板を2000rpmで回転させて回転乾燥を行い、基板周縁部の不要なレジスト膜の除去処理を終えた。
最後に、上記処理を終えた基板を150℃に設定したホットプレート(プロキシミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間、レジスト膜の加熱乾燥処理を行ってマスクブランクを作製した。
基板周縁部のレジスト膜を除去した部位(除去端)の断面を触針式段差(膜厚)測定機で計測した結果、除去端部の著しい盛りあがりはまったく認められず、除去部の側壁部は概ね垂直であり、端部形状は縁だれ形状となっていた。
また、基板周縁部のレジスト膜を除去した部位の除去幅(基板端から除去端までの距離)を各辺の全体に渡って測定した。測定には、レジスト膜厚計(ナノメトリックスジャパン社製AFT6100M)を用い、基板の一辺について10mm間隔で除去幅を測定し、その標準偏差を求めた。その結果、0.1mmと良好であった。
この得られたマスクブランクを使って転写マスクを作製したが、実施例2に記載しているように、補助パターン形成領域におけるレジスト膜の最大膜厚と平均膜厚との差が、平均膜厚の約1/10であったので、バーコード、品質保証パターン、アライメントマーク等の補助パターンのパターン不良や、基板周縁部の不要なレジスト膜の剥離・脱落による塵埃を原因とするパターン欠陥等もない転写マスクが得られた。
<参考例>
実施例2において、レジスト回転塗布後加熱乾燥前のレジスト膜に対し、特開2000−259502号公報に記載の装置を用い、補助パターン形成領域より外側の基板外周部に形成されたレジスト膜をアセトンにより除去した。その後、実施例13と同様に150℃に設定したホットプレート(プロキシミティーギャップ:0.2mm)を用いて10分間、塗布後ベーク処理を行ってマスクブランクを作製した。
基板周縁部のレジスト膜を除去した部位(除去端)の断面を触針式段差(膜厚)測定機で計測した結果、除去端部に高さ約1.5μmの著しく厚膜な部分が形成されていた。
また、基板周縁部のレジスト膜を除去した部位の除去幅(基板端から除去端までの距離)を各辺の全体に渡って測定した。測定には、レジスト膜厚計(ナノメトリックスジャパン社製AFT6100M)を用い、基板の一辺について10mm間隔で除去幅を測定し、その標準偏差を求めた。その結果、0.24mmと悪化した。
この得られたマスクブランクを使って転写マスクを作製したところ、除去端部の厚膜領域にかかったアライメントマークのパターン不良(解像不良)が確認され、また、除去端部から発生したと思われる塵埃によるパターン不良が一部確認された。
以下、第5及び第6の実施の形態における本発明のマスクブランクの製造方法を実施例により詳細に説明する。
<実施例16〜23、比較例10〜13>
基板サイズが152.4mm×152.4mmの合成石英ガラス基板上に、スパッタリング法によりクロム膜と酸化窒化クロム膜を順次積層し、遮光膜と反射防止膜が形成された薄膜付きガラス基板を得た。
得られた薄膜付き基板に、上述の回転塗布装置を用いて、以下の塗布条件でレジスト液を回転塗布し、レジスト膜を形成した。
レジスト:ポジ型高分子量型レジストZEP7000(日本ゼオン社製)
溶剤:DIGLYME
レジスト液の粘度:17mPa・s
レジスト平均膜厚:3000Å
基板上面に当たる気流の速度:3m/秒
尚、排気は、均一化工程と乾燥工程が行われている基板が回転している間、常時連続して行った。また、乾燥回転時間は、レジスト膜が完全に乾燥するまで(それ以上乾燥回転を続けてもレジスト塗布膜厚が減少しなくなるまで)回転させた。
得られたレジスト膜の面内膜厚均一性は以下の通りになった。(表3)
Figure 0004629396
<実施例24>
次ぎに、レジストをポジ型高分子量型レジストPBS(ポリブテン−1−スルホン)(チッソ社製)にし、以下の条件にてレジスト膜付きフォトマスクブランクを作製した。
溶剤:MCA
主回転数:1100rpm
主回転時間:15秒
乾燥回転数:300rpm
乾燥回転時間:100秒
レジスト平均膜厚:4000Å
基板上面に当たる気流の速度:3m/秒
面内膜厚均一性:91Å
尚、排気は、均一化工程と乾燥工程が行われている基板が回転している間、常時連続して行った。
尚、実施例に示さないが、溶剤をアニソール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとしたレジスト液についても上述と同様の結果が得られた。
以上の結果から、レジスト液が、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DIGLYME)、アニソール(ANISOLE)、メチルセルソルブアセテート(MCA)、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)のうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含むレジスト液及び/又はレジスト液の粘度が10mPa・s超50mPa・s以下であって、拡大された保証エリア内(132mm×132mm)で面内膜厚均一性100Å以下を維持するためには、主回転数を850〜2000rpm、主回転時間を2〜15秒、乾燥回転数を50〜450rpmとし、さらに面内膜厚均一性を50Å以下とするためには、主回転数を1000〜1700rpm、主回転時間を5〜13秒、乾燥回転数を150〜300rpmとすれば良いことが判った。
レジスト塗布工程に使用する回転塗布装置の構造図である。 レジスト塗布工程における回転時間と回転数の関係を示す図である。 基板周縁部のレジスト膜を除去しないマスクブランクを示す断面図である。 基板周縁部の不要なレジスト膜を除去したマスクブランクを示す断面図である。 実施例1及び比較例1乃至3で得られたマスクブランクのレジスト膜の膜厚分布を測定した結果を示す図である。
符号の説明
1 回転塗布装置
2 基板
3 遮光膜
4 レジスト膜
11 薄膜付き基板
13 レジスト液
18 排気手段
19 気流

Claims (13)

  1. 基板サイズが6インチ×6インチである四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、
    前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させ、基板の回転により基板周縁部に形成されるレジスト液の液溜まりが、基板中央方向へ移動するのを抑制し、
    前記レジスト液を塗布する際のレジスト液の粘度が10mPa・S以下であり、
    前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、
    前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を1〜10秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとし、
    前記レジスト塗布膜における基板中央の実パターンが形成される132mm×132mm領域におけるレジスト塗布膜の膜厚均一性を100Å以下とし、
    前記132mm×132mm領域の周辺部にある補助パターン形成領域におけるレジスト塗布膜の最大膜厚と、前記132mm×132mm領域におけるレジスト塗布膜の平均膜厚との差を、該平均膜厚の1/2以下となるように制御することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  2. 基板サイズが6インチ×6インチである四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、
    前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、
    前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、
    前記レジスト液が、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソアミルケトンのうちの何れかを溶剤とし、又は何れかを主成分とする溶剤を含み、
    前記前段の基板回転数を850〜1900rpm、前記前段の基板回転時間を1〜5秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとし、
    前記レジスト塗布膜における基板中央の実パターンが形成される132mm×132mm領域におけるレジスト塗布膜の膜厚均一性を100Å以下とし、
    前記132mm×132mm領域の周辺部にある補助パターン形成領域におけるレジスト塗布膜の最大膜厚と、前記132mm×132mm領域におけるレジスト塗布膜の平均膜厚との差を、該平均膜厚の1/2以下となるように制御することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  3. 基板サイズが6インチ×6インチである四角形状の基板上に、レジスト材料及び溶剤を含むレジスト液を滴下し、前記基板を回転させ、滴下されたレジスト液を前記基板上に広げるとともに、前記基板上のレジスト液を乾燥させて、前記基板上に前記レジスト材料からなるレジスト塗布膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法であって、
    前記レジスト塗布膜を形成する工程において前記基板が回転している間、前記基板の上面に沿って基板の中央側から外周方向に気流を発生させるとともに、
    前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転を途中で変更し、その前段と後段とで基板の回転を異ならしめ、
    前記レジスト液が、乳酸エチルを溶剤とし、又は乳酸エチルを主成分とする溶剤を含み、
    前記前段の基板回転数を850〜2000rpm、前記前段の基板回転時間を1〜10秒、前記後段の基板回転数を100〜450rpmとし、
    前記レジスト塗布膜における基板中央の実パターンが形成される132mm×132mm領域におけるレジスト塗布膜の膜厚均一性を100Å以下とし、
    前記132mm×132mm領域の周辺部にある補助パターン形成領域におけるレジスト塗布膜の最大膜厚と、前記132mm×132mm領域におけるレジスト塗布膜の平均膜厚との差を、該平均膜厚の1/2以下となるように制御することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  4. 前記レジスト材料は、化学増幅型レジストであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  5. 前記前段の基板回転数による基板の回転の後、それに続き前記後段の基板回転数により基板を回転させることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  6. 前記レジスト塗布膜を形成する工程における基板の回転数を途中で変更し、その前段の基板回転数よりも後段の基板回転数を遅くし、
    前記レジスト液の滴下後に、前記前段の基板回転数で基板を回転させることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  7. 前記後段の基板回転数が150〜300rpmであることを特徴とする請求項乃至の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  8. 前記レジスト液の粘度が10mPa・S以下であることを特徴とする請求項2乃至7の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  9. 前記気流は、基板の上面に当たる気流の速度が0.5m/秒以上5m/秒以下であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  10. 前記基板上に形成されたレジスト塗布膜のうち基板周縁部に形成されたパターン形成に関与しないレジスト塗布膜を除去することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  11. 前記基板は、基板上にマスクパターンとなる薄膜を形成した薄膜付き基板であることを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載のマスクブランクの製造方法。
  12. 前記薄膜は、クロムと、酸素及び/又は窒素を含む材料からなることを特徴とする請求項11記載のマスクブランクの製造方法。
  13. 請求項1乃至12の何れかに記載の製造方法によって得られたマスクブランクの前記薄膜をパターニングして、前記基板上に実パターンと補助パターンを有するマスクパターンを形成することを特徴とする転写マスクの製造方法。
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