JP4625133B2 - インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
<1> 顔料、ガラス転移温度が80℃以上であり、親水性の構成単位と、疎水性の構成単位として脂環式モノマーに由来する構成単位とを含む自己分散性樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含み、全固形分質量が10質量%以上であると共に、前記自己分散性樹脂粒子が全固形分質量に対して40質量%以上であり、前記水溶性有機溶剤の総量が全質量に対して20質量%未満であり、かつ前記水溶性有機溶剤の70質量%以上のSP値が27.5以下であるインクジェット記録用インク組成物である。
<2> 前記自己分散性樹脂粒子が、脂環式モノマーに由来する構成単位を50質量%以上80質量%以下含有する前記<1>に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<3> 前記自己分散性樹脂粒子が、脂環式(メタ)アクリレートの少なくとも一種と、炭素数が1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基含有(メタ)アクリレートと、親水性基含有モノマーとの少なくとも3種を重合して得られるポリマーである前記<1>または前記<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物である。
<4> 前記<1>〜前記<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物をインクジェット法により吐出して記録媒体上に画像を記録する工程と、記録された前記画像を加熱定着する工程とを少なくとも有するインクジェット記録方法である。
<5> 前記インク組成物と接触して凝集物を形成可能な処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程を更に有する前記<4>に記載のインクジェット記録方法である。
本発明においては、ブロッキング及びオフセットの発生を効果的に防止する観点から、全固形分質量の上限値は20質量%が望ましい。中でも、全固形分質量は、前記同様の理由から、10.5〜15質量%の範囲が特に好ましい。
なお、本発明における固形分とは、顔料と顔料分散剤と樹脂粒子との合計質量をいう。
本発明のインク組成物は、顔料の少なくとも1種を含有する。顔料は、目的に応じて適宜選択することができ、有機顔料又は無機顔料のいずれであってもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。例えば、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。また、前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。これら顔料の中では、水分散性顔料が好ましい。
(1)カプセル化顔料、即ち、ポリマー微粒子に顔料を含有させてなるポリマー分散物であり、より詳しくは、親水性水不溶性の樹脂で顔料を被覆し、顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水に分散可能にしたもの
(2)自己分散顔料、即ち、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料、より詳しくは、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたもの
(3)樹脂分散顔料、即ち、重量平均分子量50,000以下の水溶性高分子化合物により分散された顔料
(4)界面活性剤分散顔料、即ち、界面活性剤により分散された顔料
これらのうち、好ましくは(1)カプセル化顔料、(2)自己分散顔料であり、特に好ましくは(1)カプセル化顔料である。
カプセル化顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水と水溶性有機溶剤の混合溶媒中で自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常は数平均分子量が1,000〜100,000の範囲程度のものが好ましく、3,000〜50,000の範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は、有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量は、この範囲内であると顔料における被覆膜として又はインクとした際の塗膜としての機能を発揮することができる。樹脂は、アルカリ金属や有機アミンの塩の形で用いられるのが好ましい。
これら樹脂のうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(以下、「アニオン性基含有アクリルモノマー」という。)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基からなる群より選ばれる1個以上のアニオン性基を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマーが特に好ましい。カルボキシキル基を有するアクリルモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でも、アクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。
自己分散顔料を着色剤として含有するインクは、通常、顔料を分散させるために含有させる分散剤を含む必要がないため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんどなく、吐出安定性に優れるインクを調製しやすい。自己分散顔料の表面に結合される分散性付与基には、−COOH、−CO、−OH、−SO3H、−PO3H2及び第4級アンモニウム並びにそれらの塩が例示でき、これらは顔料に物理的処理又は化学的処理を施すことで、分散性付与基又は分散性付与基を有する活性種を顔料表面に結合(グラフト)させることにより結合される。前記物理的処理としては、例えば、真空プラズマ処理等が例示できる。また、前記化学的処理としては、例えば、水中で酸化剤により顔料表面を酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法、等が例示できる。
本発明においては、例えば、次亜ハロゲン酸及び/又は次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、あるいはオゾンによる酸化処理により表面処理される自己分散顔料を好ましい例として挙げることができる。自己分散顔料として市販品を使用してもよく、具体的には、マイクロジェットCW−1(商品名;オリヱント化学工業(株)製)、CAB−O−JET200、CAB−O−JET300(商品名;キャボット社製)等が挙げられる。
転相乳化法は、基本的には、自己分散能又は溶解能を有する樹脂と顔料との混合溶融物を水に分散させる自己分散(転相乳化)方法である。また、この混合溶融物には、上記の硬化剤又は高分子化合物を含んでなるものであってもよい。ここで、混合溶融物とは、溶解せず混合した状態、溶解して混合した状態、又はこれら両者の状態のいずれの状態を含むものをいう。「転相乳化法」のより具体的な製造方法は、特開平10−140065号に記載の方法が挙げられる。
なお、上記の転相乳化法及び酸析法のより具体的な方法については、特開平9−151342号、特開平10−140065号の各公報に記載を参照することができる。
顔料分散剤は、前記顔料を分散させた際の易分散化及び分散後の分散安定化を図ることができる。顔料分散剤としては、ノニオン性化合物、アニオン性化合物、カチオン性化合物、両性化合物等が挙げられる。例えば、α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体等が挙げられる。α,β−エチレン性不飽和基を有するモノマーの例としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、酢酸ビニル、酢酸アリル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、クロトン酸エステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、フマル酸、フマル酸モノエステル、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホン化ビニルナフタレン、ビニルアルコール、アクリルアミド、メタクリロキシエチルホスフェート、ビスメタクリロキシエチルホスフェート、メタクリロキシエチルフェニルアシドホスフェート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体、ビニルシクロヘキサン、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、芳香族基を置換してもよいアクリル酸アルキルエステル、アクリル酸フェニルエステル、芳香族基を置換してもよいメタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸フェニルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル、並びに上記化合物の誘導体等が挙げられる。
顔料分散剤の顔料に対する添加量としては、質量基準で顔料の10%以上100%以下の範囲が好ましく、顔料の20%以上70%以下がより好ましく、更に好ましくは顔料の40%以上50%以下である。
顔料のインク組成物中における含有量としては、色濃度、粒状性、インク安定性、吐出信頼性の観点から、インクの全質量に対して、0.1〜15質量%となる量が好ましく、0.5〜12質量%となる量がより好ましく、1〜10質量%となる量が特に好ましい。
本発明のインク組成物は、ガラス転移温度が80℃以上である樹脂粒子の少なくとも1種を含有する。ガラス転移温度(Tg)が80℃以上の樹脂粒子を含むことにより、インク組成物の記録媒体への定着性、画像の耐ブロッキング性、耐オフセット性及び耐擦過性を効果的に向上させることができる。また、樹脂粒子は、後述する処理液又はこれを乾燥させた紙領域と接触した際に凝集、又は分散不安定化してインクを増粘させることにより、インク組成物、すなわち画像を固定化させる機能を有することが好ましい。このような樹脂粒子は、水及び有機溶剤の少なくとも1種に分散されているものが好ましい。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi) ・・・(1)
ここで、計算対象となるポリマーはi=1からnまでのn種のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。但し、Σはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は、Polymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用する。
解離性基含有モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方がより好ましい。
また、ノニオン性親水性基を有するモノマーは、末端が水酸基のエチレン性不飽和モノマーよりも、末端がアルキルエーテルのエチレン性不飽和モノマーの方が、粒子の安定性、水溶性成分の含有量の観点で好ましい。
また、アニオン性の解離性基を有する親水性単位を2種以上含有する態様や、アニオン性の解離性基を有する親水性の構成単位とノニオン性親水性基を有する親水性の構成単位を2種以上併用する態様であることもまた好ましい。
また、2種以上の親水性の構成単位を有する場合、親水性の構成単位の総含有率が前記範囲内であることが好ましい。
前記脂環式(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリル酸に由来する構造部位と、アルコールに由来する構造部位とを含み、アルコールに由来する構造部位に、無置換又は置換された脂環式炭化水素基を少なくとも1つ含む構造を有しているものである。前記脂環式炭化水素基は、アルコールに由来する構造部位そのものであっても、連結基を介してアルコールに由来する構造部位に結合していてもよい。なお、「脂環式(メタ)アクリレート」とは、脂環式炭化水素基を有する、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
本発明における脂環式炭化水素基としては、粘度や溶解性の観点から、脂環式炭化水素基部分の炭素数が5〜20であることが好ましい。
単環式(メタ)アクリレートとしては、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロノニル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基の炭素数が3〜10のシクロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。2環式(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、3環式(メタ)アクリレートとしては、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、自己分散性ポリマー粒子の分散安定性と、定着性、ブロッキング耐性の観点から、2環式(メタ)アクリレート、又は3環式以上の多環式(メタ)アクリレートを少なくとも1種であることが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
前記アルキル基含有モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するエチレン性不飽和モノマー;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、Nーヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等のN−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−,イソ)ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−、イソ)ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、自己分散性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、脂環式(メタ)アクリレートに由来する構成単位(好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの少なくとも1つに由来する構造単位)に由来する構成単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含むことが好ましく、また、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタニル(メタ)アクリレートの少なくとも1つに由来する構造単位を共重合比率として15〜80質量%と、カルボキシル基含有モノマーに由来する構成単位と、アルキル基含有モノマーに由来する構成単位(好ましくは、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルに由来する構造単位)とを含み、酸価が25〜95で重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
・メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/62/8)、ガラス転移温度Tg170℃
・メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/52/8)、ガラス転移温度Tg160℃
・メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(50/42/8)、ガラス転移温度Tg150℃
・メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/50/14/6)、ガラス転移温度Tg123℃
・メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/50/10)、ガラス転移温度Tg130℃
・メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/フェノキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(30/50/14/6)、ガラス転移温度Tg101℃
・メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸共重合体(30/54/10/6)、ガラス転移温度Tg110℃
・メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸共重合体(54/35/5/6)、ガラス転移温度Tg100℃
・メチルメタクリレート/アダマンチルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)/メタクリル酸共重合体(30/50/15/5)、ガラス転移温度Tg112℃
・メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(20/50/22/8)、ガラス転移温度Tg139℃
・エチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(50/45/5)、ガラス転移温度Tg67℃
・イソブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(40/50/10)、ガラス転移温度Tg70℃
・n−ブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/スチレン/アクリル酸共重合体(30/55/10/5)、ガラス転移温度Tg86℃
・メチルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(40/52/8)、ガラス転移温度Tg78℃
・ラウリルメタクリレート/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(3/87/10)、ガラス転移温度Tg53℃
工程(1):ポリマー(水不溶性ポリマー)、有機溶媒、中和剤、及び水性媒体を含有する混合物を、攪拌する工程
工程(2):前記混合物から前記有機溶媒を除去する工程
該混合物の攪拌方法に特に制限はなく、一般に用いられる混合攪拌装置や、必要に応じて超音波分散機や高圧ホモジナイザー等の分散機を用いることができる。
なお、樹脂粒子の平均粒子径及び粒径分布は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
また、樹脂粒子のインク組成物中の全固形分質量に対する含有量としては、40質量%以上が好ましい。全固形分質量に対する割合が前記範囲内であると、例えばシングルパスで記録する等により記録速度をさらに高速化した場合に、高解像な画像を得るために充分な凝集性を有し、ブロッキング及びオフセットの発生を効果的に防止することができる。更には、樹脂粒子のインク組成物中における含有量は、前記同様の理由から、インク組成物の全固形分質量に対して、40〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましく、50〜70質量%が最も好ましい。
本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含有する。
水溶性有機溶剤は、乾燥防止、湿潤あるいは浸透促進の効果を得ることができる。乾燥防止には、噴射ノズルのインク吐出口においてインクが付着乾燥して凝集体ができ、目詰まりするのを防止する乾燥防止剤として用いられ、乾燥防止や湿潤には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、浸透促進には、紙へのインク浸透性を高める浸透促進剤として用いることができる。
また、ヘッドのノズル口においてインクジェット用インク組成物が乾燥して目詰まりを来すのを防止するため、乾燥防止や湿潤用に前記溶剤を用いることができ、乾燥防止や湿潤用には、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。また、インク組成物を紙によりよく浸透させるために、浸透促進用に水溶性有機溶剤が好適に使用される。
・ジエチレングリコールモノエチルエーテル(SP値:22.4)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値:21.5)
・トリエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値:22.1)
・トリエチレングリコールモノエチルエーテル(SP値:21.7)
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値:21.1)
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値:21.3)
・ジプロピレングリコール(SP値:27.2)
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(20.4)、及び、
下記の構造式(1)で表されるグリセリンのアルキレンオキシド付加物が好適に挙げられる。
(AO=EO又はPO(EO:PO=1:1)、SP値=20.1)
・nC4H9O(AO)10−H
(AO=EO又はPO(EO:PO=1:1)、SP値=18.8)
・HO(A'O)40−H
(A'O=EO又はPO(EO:PO=1:3)、SP値=18.7)
・HO(A''O)55−H
(A''O=EO又はPO(EO:PO=5:6)、SP値=18.8)
・HO(PO)3−H(SP値=24.7)
・HO(PO)7−H(SP値=21.2)
・1,2−ヘキサンジオール(SP値=27.4)
なお、EO、POは各々、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基を表す。
中でも、水溶性有機溶剤の含有量は、組成物全質量に対して、5質量%以上20質量%未満がより好ましく、7質量%以上17質量%以下が特に好ましい。
本発明におけるインク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の量は、安定性及び吐出信頼性確保の点から、インク組成物の全質量に対して、好ましくは10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、更に好ましくは、50質量%以上70質量%以下である。
本発明におけるインク組成物は、必要に応じて、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、表面張力調整剤として用いることができる。表面張力調整剤として、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤のいずれも用いることができる。更に、上記の分散剤(高分子分散剤)を界面活性剤としても用いてもよい。
インク組成物は、上記の成分に加え、必要に応じて、更にその他成分として各種の添加剤を含むことができる。各種の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
インク組成物の表面張力(25℃)としては、20mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。より好ましくは、20mN以上45mN/m以下であり、更に好ましくは、25mN/m以上40mN/m以下である。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用い、インクを25℃の条件下で測定されるものである。また、インク組成物の25℃での粘度は、1.2mPa・s以上15.0mPa・s以下が好ましく、より好ましくは2mPa・s以上13mPa・s未満であり、更に好ましくは2.5mPa・s以上10mPa・s未満である。粘度は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)によりインクを25℃の条件下で測定されるものである。
本発明のインクジェット記録方法は、既述の本発明のインクジェット記録用インク組成物をインクジェット法により吐出して記録媒体上に画像を記録する工程(以下、「画像記録工程」ということがある。)と、記録された画像を加熱定着する工程(以下、「加熱定着工程」ということがある。)とを少なくとも有し、必要に応じて、さらに処理液付与工程などの他の工程を設けて構成することができる。
画像記録工程は、既述の本発明のインクジェット記録用インク組成物をインクジェット法により吐出して記録媒体上に画像を記録する。
尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
加熱定着工程は、前記画像記録工程で記録された画像を加熱定着して固定化する。画像の固定化は、画像部をなす記録媒体上のインクに圧着部材を圧接することにより行なえる。本発明においては、圧着部材が接触した際に画像(インク組成物)が圧着部材に転写して画像を損なうオフセット現象が防止され、画像品質を保ちつつ、画像定着を迅速に行なうことができる。これにより、画像の光沢性等の風合い、耐擦過性(例えば紙との密着性)が良好で画像品質に優れた画像が高速に記録される。
本発明のインクジェット記録方法は、画像の耐ブロッキング性、耐擦過性、耐オフセット性を向上させる観点から、インク組成物と接触して凝集物を形成可能な処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程をさらに有していることが好ましい。処理液付与工程では、既述のインク組成物中の成分を凝集させる凝集剤を含む処理液を記録媒体(好ましくは塗工紙)に付与する。インクジェット記録方法を、前記処理液の存在下でインク組成物を用いて画像記録する構成とすることにより、記録後のカールとカックル、及びインクハジキの発生に対する抑制効果も得られ、耐ブロッキング性、耐オフセット性及び耐擦過性が良好な画像を記録することができる。
処理液は、凝集剤の少なくとも1種を含有する。凝集剤は、既述のインク組成物と接触したときに凝集物を生じさせるものであり、凝集させ得るものから特に制限なく選択することができる。
酸性物質としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、およびこれらの化合物の誘導体、ならびにこれらの塩等が好適に挙げられる。
酸性物質は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
インク組成物を凝集させる凝集剤の処理液中における含有量としては、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは3〜45質量%であり、更に好ましくは5〜40質量%の範囲である。
多価金属化合物とともに、酸性物質及びカチオン性化合物の少なくとも1種を併用するとき、酸性物質及びカチオン性化合物の処理液中における含有量(酸性物質及びカチオン性化合物の全含有量)は、前記多価金属化合物の全含有量に対して、5質量%〜95質量%が好ましく、20質量%〜80質量%がより好ましい。
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、これにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1を96g得た。
得られた樹脂の組成は、1H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。さらに、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
(1)樹脂被覆シアン顔料分散物
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブルーA220、大日精化(株)製)10部と、前記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1mol/L NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆シアン顔料(カプセル化顔料)分散物を得た。
前記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたピグメント・ブルー15:3の代わりに、Chromophthal Jet Magenta DMQ(ピグメント・レッド122、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いたこと以外は、前記樹脂被覆シアン顔料分散物と同様にして、樹脂被覆マゼンタ顔料分散物を得た。
前記樹脂被覆シアン顔料分散物の調製において、顔料として用いたピグメント・ブルー15:3の代わりに、Irgalite Yellow GS(ピグメント・イエロー74、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を用いたこと以外は、前記樹脂被覆シアン顔料分散物と同様にして、樹脂被覆イエロー顔料分散物を得た。
(自己分散性ポリマーB−1の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン540.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。反応容器内の温度を75℃に保ちながら、メチルメタクリレート108g、イソボルニルメタクリレート388.8g、メタクリル酸43.2g、メチルエチルケトン108g、及び「V−601」(和光純薬工業(株)製)2.16gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」1.08g及びメチルエチルケトン15.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌後、さらに「V−601」0.54g及びメチルエチルケトン15.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、85℃に昇温して、さらに2時間攪拌を続け、メチルメタクリレート/イソボルニルメタクリレート/メタクリル酸(=20/72/8[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体は、重量平均分子量(Mw)が61000であり、酸価が52.1mgKOH/gであった。
<測定Tg>
固形分で0.5gの自己分散性ポリマーB−1の水分散物を50℃で4時間、減圧乾燥させ、ポリマー固形分を得た。得られたポリマー固形分を用い、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220によりTgを測定した。測定条件は、サンプル量5mgをアルミパンに密閉し、窒素雰囲気下、以下の温度プロファイルで2回目の昇温時の測定データのDDSCのピークトップの値をTgとした。
30℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→120℃(20℃/分で昇温)
120℃→−50℃(50℃/分で冷却)
−50℃→120℃(20℃/分で昇温)
前記自己分散性ポリマーB−1の水性分散物の調製において、モノマーの種類と比率をそれぞれ変更したこと以外、上記と同様にして、下記モノマー組成を有する自己分散性ポリマー(樹脂粒子)B−2〜B−5の水分散物を調製した。また、上記と同様に測定Tgを求めた。
・B−2:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メタクリル酸(=40/50/10、測定Tg=130℃)
・B−3:メチルメタクリレート/ジシクロペンタニルメタクリレート/メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=2)/メタクリル酸(54/35/5/6、測定Tg=100℃)
・B−4:n−ブチルメタクリレート/シクロヘキシルメタクリレート/スチレン/アクリル酸共重合体(30/55/10/5、測定Tg=86℃)
・B−5:フェノキシエチルアクリレート/メチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(20/70/10、測定Tg=71℃)
上記で得た樹脂被覆顔料の分散物、及び自己分散性ポリマー粒子B−1〜B−5の水分散物を用い、下記表1に示す組成となるようにシアン色のインク1〜6、マゼンタ色のインク7、イエロー色のインク9、ブラック色のインク10、参考例としてのマゼンタ色のインク8及び比較用のシアン色のインク11〜15をそれぞれ調製した。このとき、各インクの全固形分量、樹脂粒子の固形分比率、Tg、有機溶剤の量等については下記表1に示す通りである。表1の「実施例/参考例」の欄に記載されているインクのうち、インク1〜7、インク9〜10が実施例、インク8が参考例である。
下記組成の諸成分を混合し、処理液1を調製した。処理液1のpH(25℃)を東亜DKK(株)製のpHメーターWM−50EGにて測定したところ、1.21であった。
<組成>
・マロン酸(凝集剤)・・・7.5g
・サンニックスGP250(SP値:26.4)・・・10g
(三洋化成工業(株)製、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル)
・イオン交換水 ・・・7.5g
記録媒体(塗工紙)として特菱アート(坪量104.7g/m2)を用意し、インクジェット記録装置として、図1に示す構造の記録装置を用意した。この記録装置を起動し、その硬質ゴムベルト上に記録媒体を固定して400mm/secの搬送速度で搬送し、以下に示す工程を経て画像を記録した。なお、図1中の<I>〜<V>は、下記の工程I〜工程Vにそれぞれ対応する。その後、得られた記録画像について、以下の評価を行なった。結果を下記表1に示す。
まず、アニロックスローラー11(線数100〜300/インチ)を備え、塗布量が制御されたロールコーターにて、付与量が1.2g/m2となるように処理液1を記録媒体の全面に塗布した。
<II.処理工程>
次いで、下記条件にて処理液1が塗布された記録媒体を、記録媒体の背面側(記録面の反対側)から接触型平面ヒーター22で加熱しながら、乾燥ファン21により送風し、乾燥処理及び浸透処理を施した。
・風速:10m/s
・温度:記録媒体の記録面側の表面温度が60℃となるように加熱
<III.画像形成工程>
GELJET GX5000プリンタヘッド(リコー(株)製のフルラインヘッド)を2基、図1に示すように、無端の硬質ゴムベルトの走行方向(副走査方向)と直交する方向に対し、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7°傾斜するように固定配置した。第1のインクジェットヘッド31及び第2のインクジェットヘッド32に、上記で得たシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色インク、並びに比較用のシアンインクを装填し、第1のインクジェットヘッド31及び第2のインクジェットヘッド32を、それぞれから吐出されたインク滴が重なるようにヘッドの位置を調整した。その後、処理液1が塗布された記録媒体の塗布面に、下記条件にて各インクをインクジェット方式で吐出し、ベタ画像を記録した。
<条件>
・吐出液滴量:2.4pL
・解像度:1200dpi×1200dpi
<IV.インク乾燥工程>
次いで、乾燥領域に記録媒体をベルト搬送し、インクが着滴した記録媒体を、記録媒体の背面側(記録面の反対側)から接触型平面ヒーター42で加熱しながら、乾燥ファン41により送風し、下記条件で乾燥した。ここで、乾燥工程直後の画像が記録された記録媒体中の水分量をカールフィッシャー電量滴定法(CA-200、(株)三菱化学アナリテック製)で定量したところ、約2.0〜3.0g/m2であった。
<条件>
・乾燥方法:送風乾燥
・風速:15m/s
・温度:記録媒体の記録面側の表面温度が60℃となるように加熱
<V.定着工程>
次に、互いに圧接するシリコーンゴムローラー51と大径ドラム52とからなるローラー対の間を下記条件で通過させることにより画像に加熱定着処理を施し、そのまま図示しない回収トレイに重ねて回収した。なお、シリコーンゴムローラー51の表面には、接着防止のためにシリコーンオイルを薄く付与した。
<条件>
・シリコーンゴムローラー51:硬度50°、ニップ幅5mm
・ローラー温度:70℃
・ドラム52の表面温度:60℃
・圧力:0.2MPa
(耐オフセット性)
第1のインクジェットヘッド31から吐出したインクによるベタ画像上に、第2のインクジェットヘッド32から吐出したインクによるベタ画像を重ねて記録したベタ画像を形成し、画像表面とシリコーンゴムローラーの汚れを目視にて観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:オフセットは見られなかった。
B:一部に僅かにオフセットが見られたが、実用上問題ないレベルであった。
C:オフセットが発生し、実用上の許容限界レベルであった。
D:オフセットの発生が顕著であり、実用性の極めて低いレベルであった。
第1のインクジェットヘッド31を用いてベタ画像を記録した直後、このベタ画像上に記録していない記録媒体(記録に用いたものと同じ記録媒体(以下、本評価において未使用サンプルという。))を重ねて荷重350kg/m2をかけ、60℃、30%RHの環境条件下で6時間放置した。未使用サンプルの白地部分へのインクの転写度合いを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:インクの転写は全くなかった。
B:インクの転写はほとんど目立たなかった。
C:インクの転写が多少見られ、実用上の許容限界レベルであった。
D:インクの転写が顕著であった。
第1のインクジェットヘッド31を用いてベタ画像を記録した記録媒体を、25℃で60%RHの環境条件下に24時間静置した後、このベタ画像上に記録していない記録媒体(記録に用いたものと同じ記録媒体(本評価において未使用サンプルという。))を重ねて荷重150kg/m2をかけて10往復擦り、未使用サンプルの白地部分へのインクの転写度合いを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:インクの転写は全くなかった。
B:インクの転写はほとんど目立たなかった。
C:インクの転写が多少見られた。
D:インクの転写が顕著であった。
・GP250:サンニックスGP250
(三洋化成工業(株)製、ポリプロピレングリコールグリセリルエーテル)
・TPGmME:トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業社製)
・DEG:ジエチレングリコール(和光純薬工業社製)
・グリセリン(和光純薬工業社製)
・界面活性剤:オルフィン E1010(日信化学工業社製)
・増粘剤(PE108):ニューポール PE108(三洋化成工業社製)
21,41・・・乾燥ファン
31,32・・・インクジェットヘッド
22,42・・・接触型平面ヒーター
51・・・シリコーンゴムローラー
Claims (5)
- 顔料、ガラス転移温度が80℃以上であり、親水性の構成単位と、疎水性の構成単位として脂環式モノマーに由来する構成単位とを含む自己分散性樹脂粒子、水溶性有機溶剤、及び水を含み、全固形分質量が10質量%以上であると共に、前記自己分散性樹脂粒子が全固形分質量に対して40質量%以上であり、前記水溶性有機溶剤の総量が全質量に対して20質量%未満であり、かつ前記水溶性有機溶剤の70質量%以上のSP値が27.5以下であるインクジェット記録用インク組成物。
- 前記自己分散性樹脂粒子が、脂環式モノマーに由来する構成単位を50質量%以上80質量%以下含有する請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記自己分散性樹脂粒子が、脂環式(メタ)アクリレートの少なくとも一種と、炭素数が1〜8の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基含有(メタ)アクリレートと、親水性基含有モノマーとの少なくとも3種を重合して得られるポリマーである請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物をインクジェット法により吐出して記録媒体上に画像を記録する工程と、記録された前記画像を加熱定着する工程とを少なくとも有するインクジェット記録方法。
- 前記インク組成物と接触して凝集物を形成可能な処理液を記録媒体上に付与する処理液付与工程を更に有する請求項4に記載のインクジェット記録方法。
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