JP4622040B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、樹脂に難燃性を付与するための難燃剤マスターバッチとして使用できる樹脂組成物、及びそれを配合してなる難燃性樹脂組成物、並びに樹脂とこの樹脂組成物とを混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接成形機に供給し、成形してなる難燃性樹脂成形品に関するものであり、難燃剤の成形品表面へのしみだし現象であるブリードを抑制し、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂組成物、並びに難燃性樹脂成形品を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来オレフィン系樹脂等の難燃化は、▲1▼樹脂に難燃剤を添加し複合化する、▲2▼難燃性樹脂をブレンドし複合化する、▲3▼難燃性モノマーとの反応により難燃性ポリマーを作る等の方法で行われている。
【0003】
これらの中で一般的に行われている方法が、▲1▼の樹脂に難燃剤を添加し複合化する方法であり、多くの樹脂の難燃化はこの方法で行われている。この方法において、難燃剤としては有機ハロゲン化物系難燃剤が、また難燃助剤としては三酸化アンチモンが通常使用されており、この組み合わせはオレフィン系樹脂に高い難燃性を付与できることが知られている。
【0004】
オレフィン系樹脂に有機ハロゲン化物系難燃剤及び三酸化アンチモンを添加し複合化し、難燃性の成形品を得る方法としては、例えば、(イ)オレフィン系樹脂に有機ハロゲン化物系難燃剤と三酸化アンチモンを混合し、それを二軸押出機等の溶融混練装置を用いて難燃コンパウンドを製造し、その難燃コンパウンドを射出成形機等の成形機で成形する方法(以下、コンパウンド射出成形法と言う)、(ロ)バインダー樹脂に有機ハロゲン化物系難燃剤と三酸化アンチモンを高濃度に混合し、それを二軸押出機等の混練装置を用いて難燃マスターバッチを製造し、更にその難燃マスターバッチとオレフィン系樹脂とを混合し、それを単軸押出機等の溶融混練装置を用いて難燃コンパウンドを製造し、その難燃コンパウンドを射出成形機等の成形機で成形する方法(以下、マスターバッチ混練射出成形法と言う)、(ハ)バインダー樹脂に有機ハロゲン化物系難燃剤と三酸化アンチモンを高濃度に混合し、それを二軸押出機等の混練装置を用いて難燃マスターバッチを製造し、その難燃マスターバッチとオレフィン系樹脂とを混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接射出成形機等の成形機に供給し、成形する方法(以下、マスターバッチ直接射出成形法と言う)等で行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれらの方法において、コンパウンド射出成形法では、オレフィン系樹脂中に有機ハロゲン化物系難燃剤や三酸化アンチモンを均一に分散させ優れた難燃性を有する成形品を得るには、コンパウンドの溶融混練において高温かつ高剪断速度の混練条件が必須となるため、樹脂劣化による組成物の機械的物性の低下や熱劣化による成形品の着色が問題となった。マスターバッチ混練射出成形法でも、オレフィン系樹脂中に有機ハロゲン化物系難燃剤や三酸化アンチモンを均一に分散させ優れた難燃性を有する成形品を得るには、マスターバッチとオレフィン系樹脂との混練において、高温かつ高剪断速度の混練条件が必須となるため、コンパウンド射出成形法と同様の問題を抱えていた。また、マスターバッチ直接射出成形法では、高温、高剪断速度の混練を行えないことから、オレフィン系樹脂中でのマスターバッチの分散性が劣るため、難燃性が低下する問題を抱えており、充分な難燃性を得るためには、オレフィン系樹脂に対するマスターバッチの配合重量比を高くする必要があり、その結果として組成物の機械的物性を低下させる問題を抱えていた。
【0006】
更には、上記の有機ハロゲン化物系難燃剤は、オレフィン系樹脂との相溶性に乏しいため、成形当初は均一に樹脂に分散していても次第に成形品表面にしみだすことが多かった。この現象は一般的にブリードといわれ、製品の外観を損ない、成形品表面の電気特性等を低下させる問題も抱えていた。
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オレフィン系樹脂に配合した場合、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂組成物を得ることのできる難燃剤マスターバッチと、オレフィン系樹脂とこの難燃剤マスターバッチとを同時に成形機に供給し、成形することで、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂成形品とを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の欠点を解消し、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂組成物並びにその成形品を得るべく鋭意検討した結果、特定の溶融粘度範囲を有するオレフィン系熱可塑性樹脂に、有機ハロゲン化物系難燃剤、芳香族性モノマーに由来する成分が50重量%以上で、かつ軟化温度が70〜140℃である炭化水素系樹脂、及び難燃助剤を高濃度に配合した樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとして用いると、この樹脂組成物を配合してなる難燃性樹脂組成物は、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れること、また樹脂とこの樹脂組成物とを混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接成形機に供給し、成形することで、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂成形品を容易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)、難燃助剤(B)、芳香族性モノマーに由来する成分が50重量%以上で、かつ軟化温度が70〜140℃である炭化水素系樹脂(C)及び180℃における溶融粘度ηが
0.1≦η≦200(Pa・s)
であるオレフィン系熱可塑性樹脂(D)とからなる樹脂組成物と、オレフィン系樹脂(E)100重量部に対して、この樹脂組成物を5〜50重量部配合してなる難燃性樹脂組成物と、更には、オレフィン系樹脂(E)とこの樹脂組成物とを同時に成形機に供給し、成形してなる難燃性樹脂成形品とに関するものである。
【0010】
本発明で使用される有機ハロゲン化物系難燃剤(A)としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記式で示されるハロゲン化ビスフェノールのビス(ハロアルキルエーテル)系化合物より選ばれる1種以上の難燃剤が挙げられる。
【0011】
【化2】
Figure 0004622040
【0012】
(式中、Aはアルキレン基、アルキリデン基、カルボニル基、−O−、−S−、−SO−、−SO2−基を示し、アルキレン基及びアルキリデン基はその一部がベンゼン環の他の位置に結合して環状構造を形成していてもよい。また、アルキレン基及びアルキリデン基は更にハロゲン、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基で置換されていてもよい。Xは臭素又は塩素原子。n、mは整数で、n+m=1〜8。RはCi2i+1-zzで示されるハロゲン化アルキルで、Yは臭素又は塩素原子であり、i=1〜8、z=1〜2i+1。)
ハロゲン化ビスフェノールのビス(ハロアルキルエーテル)系化合物としては、例えば、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)−フェニルメタン、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)シクロヘキサン、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)−フェニルメタン、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)ケトン、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)エーテル、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)ケトン、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)エーテル、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロロ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルホキシド等が挙げられ、これらの中でも、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパンやビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)スルホンが難燃化性能、工業的入手容易性の面から好適に使用される。
【0013】
本発明で使用される難燃助剤(B)としては、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)との難燃性相乗効果が認められるものであれば特に限定されるものではないが、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酸化スズ、水酸化スズ、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等のスズ化合物、酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウム等のモリブデン化合物、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等のジルコニウム化合物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等のホウ素化合物等が挙げられる。
【0014】
本発明で使用される炭化水素系樹脂(C)としては、芳香族性モノマーに由来する成分が50重量%以上で、かつ軟化温度が70〜140℃の範囲のものであれば、特に限定されるものではない。芳香族性モノマ−に由来する成分が50重量%未満の炭化水素系樹脂ではブリード抑制の効果が劣り好ましくない。軟化温度70℃未満のものは、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した際に、炭化水素系樹脂そのものが組成物よりブリードする場合があり好ましくなく、また軟化温度が140℃を越えるものは、樹脂組成物難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した際に、組成物の機械的強度を著しく低下させ好ましくない。
【0015】
炭化水素系樹脂(C)としては、例えば、石油類の熱分解により得られる分解油留分のうち、140〜220℃の沸点範囲を有する留分を蒸留することにより得られる原料油を用いて重合してなる炭化水素系樹脂、その水素添加樹脂、石油類の熱分解により得られる分解留分のうち、140〜220℃の沸点範囲を有する留分を蒸留することにより得られる重合可能モノマーの1種以上を重合してなる炭化水素系樹脂、及びこれらの樹脂を2種以上混合した樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。ここで石油類の熱分解により得られる分解留分のうち、沸点範囲が140〜220℃の留分としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ジシクロペンタジエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ナフタレン等があり、このうちスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン等が重合可能モノマーとして挙げられる。
【0016】
本発明において炭化水素系樹脂(C)の製造方法としては、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等が挙げられるが、本発明の特許請求の範囲にあるものであれば、その製造方法は特に限定されない。
【0017】
本発明で使用されるオレフィン系熱可塑性樹脂(D)としては、180℃において、剪断速度6.08(1/sec)で測定した溶融粘度ηが
0.1≦η≦200(Pa・s)
の範囲のものであれば、特に限定されるものではない。180℃における溶融粘度ηが0.1(Pa・s)未満のものは、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した難燃性樹脂組成物において、組成物の機械的物性を低下させ好ましくない。また180℃における溶融粘度ηが200(Pa・s)を越えるものは、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した難燃性樹脂組成物において、難燃性を低下させる場合があり好ましくない。
【0018】
オレフィン系熱可塑性樹脂(D)としては、オレフィンを主成分としてなる各種重合体の低分子量物、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等の低分子量物や、これらの2種以上の混合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0019】
本発明の難燃剤マスターバッチにおいて、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)、難燃助剤(B)、炭化水素系樹脂(C)の合計の比率は、
60重量%≦(A)+(B)+(C)≦95重量%
である。合計の比率が60重量%未満である場合、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した難燃性樹脂組成物において、組成物中のオレフィン系熱可塑性樹脂(D)の重量比率が高くなり、組成物の機械的物性を低下させ好ましくない。また、合計の比率が95重量%を越える場合、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとして溶融して造粒する方法において、均一な溶融造粒物が得られず、その結果、樹脂組成物とオレフィン系樹脂(E)とを同時に成形機に供給し、成形してなる難燃性樹脂成形品において、難燃性が低下する場合があり好ましくない。
【0020】
本発明の樹脂組成物において、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)に対する難燃助剤(B)の比率は、
0.1≦(B)/(A)≦2.0(重量比)
である。有機ハロゲン化物系難燃剤(A)に対する難燃助剤(B)の比率が、0.1未満でも、2.0を越えても、ともに、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した難燃性樹脂組成物において、組成物の難燃性を低下させ好ましくない。
【0021】
本発明の難燃剤マスターバッチにおいて、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)に対する炭化水素系樹脂(C)の比率は、
0.05≦(C)/(A)≦2.0(重量比)
である。有機ハロゲン化物系難燃剤(A)に対する炭化水素系樹脂(C)の比率が0.05未満では、ブリード抑制の効果が劣り、重量比率が2.0を越えると、樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとしてオレフィン系樹脂(E)に配合した難燃性樹脂組成物において、組成物の難燃性が低下するばかりか組成物の機械的強度が低下し、また経済的にも不利となる。
【0022】
本発明の難燃性樹脂組成物において、使用するオレフィン系樹脂(E)としては、オレフィンを主成分としてなる各種重合体、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの中で、有機ハロゲン化物系難燃剤がハロゲン化ビスフェノールのビス(ハロアルキルエーテル)系化合物である場合、難燃化が効率的に達成できる点で、プロピレンの繰り返し単位を主成分とするプロピレン系樹脂、エチレンの繰り返し単位を主成分とするポリエチレン系樹脂が好ましい。
【0023】
本発明の難燃性樹脂組成物において、オレフィン系樹脂(E)に対する樹脂組成物の配合量は、オレフィン系樹脂(E)100重量部に対して、5〜50重量部である。5重量部未満では難燃化効果が不十分で、また50重量部を越えると、組成物の機械的物性が低下するばかりか、経済的にも不利となる。
【0024】
本発明の樹脂組成物は、その製造方法により特に限定されるものではないが、例えば、オレフィン系熱可塑性樹脂(D)、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)、難燃助剤(B)、炭化水素系樹脂(C)、更には必要に応じてその他添加剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機で予備混合した後、押出機、熱ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練することにより容易に製造することができる。また本発明の樹脂組成物には、本発明の目的である優れたブリード抑制性、非熱着色性、難燃性、機械的物性を損なわない範囲で、必要に応じて一般的に使用されている紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、着色剤、充填剤、発泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、相溶化剤、耐衝撃改良剤、架橋剤、造核剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の各種添加剤を配合してもなんら差し支えない。
【0025】
本発明の難燃性樹脂組成物及びその難燃性樹脂成形品は、その製造方法により特に限定されるものではないが、例えば、オレフィン系樹脂(E)、樹脂組成物、更には必要に応じてその他添加剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブラー等の混合機で予備混合した後、押出機、熱ロール、バンバリーミキサー等で溶融混練して難燃性樹脂組成物を製造し、その後この難燃性樹脂組成物を成形機に供給し、成形して難燃性樹脂成形品を得る方法や、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブラー等の混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接成形機に供給し、成形して難燃性樹脂成形品を得る方法等が挙げられる。また、本発明の難燃性樹脂組成物及びその難燃性樹脂成形品には、本発明の目的である優れたブリード抑制性、非熱着色性、難燃性、機械的物性を損なわない範囲で、必要に応じて一般的に使用されている紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、着色剤、充填剤、発泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、相溶化剤、耐衝撃改良剤、架橋剤、造核剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の各種添加剤を配合してもなんら差し支えない。
【0026】
本発明のオレフィン系樹脂(E)と、樹脂組成物とを混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接成形機に供給し、成形することで、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂成形品を容易に得られる。この成形方法は、特に限定されのものではない。例えば、押出成形、射出成形、カレンダー成形等が挙げられる。またその成形条件についても特に限定されるものではない。
【0027】
【発明の効果】
以上の記述から明らかなように本発明の樹脂組成物を難燃剤マスターバッチとして使用すると、オレフィン系樹脂を、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、優れた機械的物性を保持して難燃化することができ、また、オレフィン系樹脂と樹脂組成物とを混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接成形機に供給し、成形することで、ブリードがなく、熱着色が少なくかつ、難燃性、機械的物性に優れた難燃性樹脂成形品を容易に得られることから、電気・電子部品、電線、自動車部品、建材、土木用資材等の材料として有用である。
【0028】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例の範囲に限定されるものではない。
【0029】
尚、実施例、比較例において実施した各種試験の方法は次の通りである。
【0030】
〈UL−94燃焼性試験〉
アンダーライターズ・ラボラトリーのサブジェクト94号の垂直燃焼試験方法に基づき、長さ125mm、幅25mm、厚み3.2mm又は1.6mmの試験片各5本を用いて測定した。
【0031】
〈ブリード試験〉
試験片を80℃ギヤーオーブンで120時間加熱した後、試験片表面を反射式顕微鏡で観察し、次のようなランク付けを行った。
【0032】
○:難燃剤のブリードなし。
【0033】
△:難燃剤が僅かにブリード。
【0034】
×:難燃剤が著しくブリード。
【0035】
〈熱着色試験〉
JIS K−7103の黄色度試験方法で測定した。
【0036】
〈引張試験〉
JIS K−7113の方法で、破断時伸び率を測定した。
【0037】
〈アイゾット衝撃強度〉
JIS K−7110の方法で測定した。
【0038】
また実施例、比較例において難燃剤マスターバッチとして使用した樹脂組成物の詳細を表1〜表4に示した。難燃剤マスターバッチは、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)、難燃助剤(B)としての三酸化アンチモン、炭化水素系樹脂(C)、及びオレフィン系熱可塑性樹脂(D)とを、表1〜表4に示す割合で混合し、表1〜表4に示す温度に設定した二軸押出機にて溶融混練し、マスターバッチのペレットを作製した。
【0039】
【表1】
Figure 0004622040
【0040】
【表2】
Figure 0004622040
【0041】
【表3】
Figure 0004622040
【0042】
【表4】
Figure 0004622040
【0043】
また難燃剤マスターバッチで使用した炭化水素系樹脂は、以下の調製例に従って調製した。
【0044】
調製例1
スチレン40wt%、α−メチルスチレン60wt%からなる原料油30wt%に、キシレン70wt%を添加したもの100重量部に対して、触媒として三フッ化ホウ素フェノラートを0.6重量部加え、40℃で2時間重合した。重合後苛性ソーダ水溶液で触媒を除去し、次いで水洗して蒸留により未反応油及び低重合物を除去して、炭化水素系樹脂C−1を得た。
【0045】
調製例2
スチレン65wt%、α−メチルスチレン35wt%からなる原料油を用い、50℃で2時間重合した以外は調製例1と同様の方法で合成し、炭化水素系樹脂C−2を得た。
【0046】
調製例3
α−メチルスチレン65wt%、ジシクロペンタジエン35wt%からなる原料油30wt%に、キシレン70wt%を添加したもの100重量部に対して、フェノール5重量部を加えた以外は調製例1と同様の方法で合成し、炭化水素系樹脂C−3を得た。
【0047】
調製例4
50℃で2時間重合した以外は調製例1と同様の方法で合成し、炭化水素系樹脂C−6を得た。
【0048】
調製例5
スチレン65wt%、α−メチルスチレン35wt%からなる原料油を用い、30℃で2時間重合した以外は調製例1と同様の方法で合成し、炭化水素系樹脂C−7を得た。
【0049】
調製例6
α−メチルスチレン45wt%、ジシクロペンタジエン55wt%からなる原料油を用い、フェノールを5重量部とした以外は調製例1と同様の方法で合成し、炭化水素系樹脂C−8を得た。
【0050】
実施例1
ポリプロピレン樹脂(チッソ製;商品名「チッソポリプロK7019」)と難燃剤マスターバッチ1とを表5に示す割合で混合し、その混合物を210℃に設定した射出成形機に供給し、ブリ−ド試験、UL−94燃焼性試験、熱着色試験、引張試験並びにアイゾット衝撃強度の各試験片を成形した。得られた試験片を用いてブリ−ド試験、UL−94燃焼性試験、熱着色試験、引張試験並びにアイゾット衝撃強度の各試験を実施した。その結果を表5に示した。
【0051】
【表5】
Figure 0004622040
【0052】
UL−94燃焼性試験の等級はV−0であり、熱着色も少なく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに高かく、難燃剤のブリ−ドも認められなかった。
【0053】
比較例1
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン(実施例1の難燃剤マスターバッチ1で使用したものと同じ)、炭化水素系樹脂C−1(実施例1の難燃剤マスターバッチ1で使用したものと同じ)及び三酸化アンチモン(東ソー製;商品名「フレームカット610R」)を表5に示す割合で混合し、220℃に設定した二軸押出機にてスクリュー回転数200rpmで溶融混練し、組成物のペレットを作製した。このペレットを210℃に設定した射出成形機に供給し成形して、実施例1と同様の試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表5にあわせて示した。
【0054】
高温かつ高剪断の条件で溶融混練しているため、UL−94燃焼性試験の等級はV−0であったが、実施例1と比較して、熱着色が激しく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに低かった。また難燃剤も僅かにブリードした。
【0055】
比較例2
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン(比較例1と同じ)、炭化水素系樹脂(比較例1と同じ)、及び三酸化アンチモン(比較例1と同じ)を溶融混練する際に、200℃に設定した二軸押出機にてスクリュー回転数100rpmで溶融混練した以外は、比較例1と同様にペレットを作製し、比較例1と同様に試験片を成形し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表5にあわせて示した。
【0056】
比較例1ほど高温かつ高剪断の条件で溶融混練をしていないため、熱着色性は実施例1と同程度であり優れていたが、UL−94燃焼性試験の等級はV−2であり、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに低かった。また難燃剤のブリードは著しかった。
【0057】
比較例3
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン(比較例1と同じ)、炭化水素系樹脂C−1(比較例1と同じ)及び三酸化アンチモン(比較例1と同じ)を表5に示す割合で混合し以外は比較例1と同様にペレットを作製し、比較例1と同様に試験片を成形し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表5にあわせて示した。
【0058】
炭化水素系樹脂の配合量を増したことで、難燃剤のブリードは認められず、また、高温かつ高剪断の条件で溶融混練しているため、UL−94燃焼性試験の等級はV−0であった。しかし、炭化水素系樹脂の配合量を増したことと、高温かつ高剪断の条件で溶融混練したこととが相乗して、熱着色が激しく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに低かった。
【0059】
実施例2〜実施例8
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)と難燃剤マスターバッチ2、難燃剤マスターバッチ3、難燃剤マスターバッチ4、難燃剤マスターバッチ5、難燃剤マスターバッチ6、難燃剤マスターバッチ7、及び難燃剤マスターバッチ8とを表6に示す割合で混合する以外は、実施例1と同様に成形して試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表6に示した。
【0060】
【表6】
Figure 0004622040
【0061】
オレフィン系熱可塑性樹脂の溶融粘度、有機ハロゲン化物系難燃剤と炭化水素系樹脂と三酸化アンチモンとの合計重量比率、有機ハロゲン化物系難燃剤に対する三酸化アンチモンの重量比、及び有機ハロゲン化物系難燃剤に対する炭化水素系樹脂の重量比が本発明の特許請求の範囲にあり、UL−94燃焼性試験の等級はV−0であり、熱着色も少なく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに高かく、難燃剤のブリードは認められなかった。
【0062】
比較例4〜比較例10
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)と難燃剤マスターバッチ9、難燃剤マスターバッチ10、難燃剤マスターバッチ11、難燃剤マスターバッチ12、難燃剤マスターバッチ13、難燃剤マスターバッチ14、及び難燃剤マスターバッチ15とを表7に示す割合で混合する以外は、実施例1と同様に成形して試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表7に示した。
【0063】
【表7】
Figure 0004622040
【0064】
有機ハロゲン化物系難燃剤に対する炭化水素系樹脂の重量比が本発明の特許請求の範囲より小さい場合は、UL−94燃焼性試験の等級はV−0であったが、難燃剤のブリードが著しかった。また、有機ハロゲン化物系難燃剤に対する炭化水素系樹脂の重量比が本発明の特許請求の範囲より大きい場合、オレフィン系熱可塑性樹脂の溶融粘度、有機ハロゲン化物系難燃剤と炭化水素系樹脂と三酸化アンチモンとの合計重量比率、及び有機ハロゲン化物系難燃剤に対する三酸化アンチモンの重量比が本発明の特許請求の範囲より外れる場合は、UL−94燃焼性試験の等級がV−2あるいは規格外であった。
【0065】
実施例9〜実施例12、比較例11〜比較例13
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)と難燃剤マスターバッチ16、難燃剤マスターバッチ17、難燃剤マスターバッチ18、難燃剤マスターバッチ19、難燃剤マスターバッチ20、難燃剤マスターバッチ21、及び難燃剤マスターバッチ22とを表8に示す割合で混合する以外は、実施例1と同様に成形して試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表8に示した。
【0066】
【表8】
Figure 0004622040
【0067】
難燃剤マスターバッチに使用している炭化水素系樹脂の、芳香族性モノマーに由来する成分の重量比率、軟化温度が本発明の特許請求の範囲にあるものは、UL−94燃焼性試験の等級はV−0であり、熱着色も少なく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに高かく、難燃剤のブリードは認められなかった。一方、難燃剤マスターバッチに使用している炭化水素系樹脂の、芳香族性モノマーに由来する成分の重量比率、軟化温度が本発明の特許請求の範囲より外れるものは、UL−94燃焼性試験の1.6mm厚みでの等級がV−2であり、また難燃剤のブリードが著しかった。
【0068】
実施例13、実施例14、比較例14、比較例15
ポリプロピレン樹脂(実施例1と同じ)100重量部に対して、難燃剤マスターバッチ1、難燃剤マスターバッチ7、難燃剤マスターバッチ9、及び難燃剤マスターバッチ10を表9に示す割合で混合して、210℃に設定した単軸押出機にてスクリュー回転数150rpmで溶融混練し、組成物のペレットを作製した以外は、比較例1と同様の方法で成形して試験片を作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表9に示した。
【0069】
【表9】
Figure 0004622040
【0070】
本発明の特許請求の範囲にある難燃剤マスターバッチ1、或いは難燃剤マスターバッチ7とポリプロピレン樹脂とを、単軸押出機で溶融混練した場合は、UL−94燃焼性試験の等級はV−0であり、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに高かく、難燃剤のブリードも認められなかった。一方、本発明の特許請求の範囲を外れる難燃剤マスターバッチ9、或いは難燃剤マスターバッチ10とポリプロピレン樹脂とを、単軸押出機で溶融混練した場合は、UL−94燃焼性試験の等級はV−2であった。
【0071】
実施例15、実施例16、比較例16
高密度ポリエチレン樹脂(東ソー製;商品名「ニポロンハード4010」)、難燃剤マスターバッチ23、難燃剤マスターバッチ24、及び難燃剤マスターバッチ25を表10に示す割合で混合し、その混合物を220℃に設定した射出成形機に供給し、ブリード試験、UL−94燃焼性試験、熱着色試験、引張試験並びにアイゾット衝撃強度の各試験片を成形した。得られた試験片を用いてブリード試験、UL−94燃焼性試験、熱着色試験、引張試験並びにアイゾット衝撃強度の各試験を実施した。その結果を表10に示した。
【0072】
【表10】
Figure 0004622040
【0073】
オレフィン系熱可塑性樹脂の溶融粘度、有機ハロゲン化物系難燃剤と三酸化アンチモンとの合計重量比率、有機ハロゲン化物系難燃剤に対する三酸化アンチモンの重量比が本発明の特許請求の範囲にあるものは、UL−94燃焼性試験の等級はV−2であり、熱着色も少なく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに高かく、難燃剤のブリードも認められなかった。一方オレフィン系熱可塑性樹脂の溶融粘度が、本発明の特許請求の範囲より高い場合は、UL−94燃焼性試験の等級が規格外であり、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに低かった。
【0074】
比較例17
高密度ポリエチレン樹脂(実施例15と同じ)100重量部に対して、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)フェニル)プロパン(実施例15の難燃剤マスターバッチ23で使用したものと同じ)、炭化水素系樹脂C−1、及び三酸化アンチモン(東ソー製;商品名「フレームカット610R」)を表10に示す割合で混合し、220℃に設定した二軸押出機にてスクリュー回転数200rpmで溶融混練し、組成物のペレットを作製した。このペレットを220℃に設定した射出成形機に供給し成形して、実施例15と同様の試験片を作製し、実施例15と同様の評価を行った。その結果を表10に示した。
【0075】
高温かつ高剪断の条件で溶融混練しているため、UL−94燃焼性試験の等級実施例15と同様でV−2であったが、実施例15と比較して、熱着色が激しく、また引張破断時伸び率、アイゾット衝撃強度ともに低く、難燃剤も僅かにブリードした。

Claims (7)

  1. 有機ハロゲン化物系難燃剤(A)、難燃助剤(B)、芳香族性モノマーに由来する成分が50重量%以上で、かつ軟化温度が70〜140℃である炭化水素系樹脂(C)及び180℃において、剪断速度6.08(1/sec)で測定した溶融粘度ηが
    0.1≦η≦200(Pa・s)
    であるオレフィン系熱可塑性樹脂(D)とからなり、有機ハロゲン化物系難燃剤(A)、難燃助剤(B)及び炭化水素系樹脂(C)との合計の比率が、
    60重量%≦(A)+(B)+(C)≦95重量%
    で、かつ
    0.1≦(B)/(A)≦2.0(重量比)
    0.05≦(C)/(A)≦2.0(重量比)
    である樹脂組成物。
  2. 有機ハロゲン化物系難燃剤(A)が、下記式で示されるハロゲン化ビスフェノールのビス(ハロアルキルエ−テル)系化合物より選ばれる1種以上の難燃剤であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 0004622040
    (式中、Aはアルキレン基、アルキリデン基、カルボニル基、−O−、−S−、−SO−、−SO−基を示し、アルキレン基及びアルキリデン基はその一部がベンゼン環の他の位置に結合して環状構造を形成していてもよい。また、アルキレン基及びアルキリデン基は更にハロゲン、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基で置換されていてもよい。Xは臭素又は塩素原子。n、mは整数で、n+m=1〜8。RはC2i+1−zで示されるハロゲン化アルキルで、Yは臭素又は塩素原子であり、i=1〜8、z=1〜2i+1。)
  3. 難燃助剤(B)が、アンチモン化合物、スズ化合物、モリブデン化合物、ジルコニウム化合物及びホウ素化合物からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. オレフィン系樹脂(E)100重量部に対して、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を5〜50重量部配合してなる難燃性樹脂組成物。
  5. オレフィン系樹脂(E)がプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. オレフィン系樹脂(E)がエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
  7. オレフィン系樹脂(E)と、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物とを混合機で予備混合した後、その予備混合物を直接成形機に供給し、成形してなることを特徴とする難燃性樹脂成形品。
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