JP4612170B2 - スピーカーグリル一体型内装トリムの成形用金型 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、多孔状スピーカーグリルが一体成形されてなる内装トリムの成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等車両の車載オーディオ装置のスピーカを車室内に配置する場合、スピーカを内装トリムの背面に配置するのが一般的である。例えば、左右一対のスピーカを車室の前部座席側と後部座席側とに配置した4スピーカタイプのオーディオシステムでは、一般に、前部座席用スピーカが左右の前部座席ドアのドアトリムの背面側に設けられる。一方、後部座席用スピーカは後部ドアトリムまたは後部座席後方の後部座席パッケージトリムの背面側に配置される。
【0003】
上記のように内装トリムの背面にスピーカを配置する場合には、合成樹脂製の内装トリム自体にスピーカーグリルを設ける必要がある。この場合、内装トリムとは別途に単独で成形されたスピーカーグリルを用意しておき、このスピーカーグリルを内装トリムの所定箇所に設けられたスピーカーグリル用の開口部分に取り付けて一体化するのが一般的であったが、最近ではスピーカーグリル一体型内装トリムも出現している。
【0004】
ところが、上記スピーカーグリル一体型内装トリムの成形にあっては、スピーカーグリルの多孔部分における成形性が非常に問題となっている。即ち、スピーカーグリルの成形性を確保するために、小孔間の肉厚を0.4mm以上確保する必要があるが、あまり小孔間の肉厚が大きく(1.0mm以上)なると十分な高級感が得られないというデザイン上の問題点があった。また、孔径を大きくすると、孔からスピーカ内部にゴミ・塵埃等の異物が混入し易くなり、スピーカの特性や耐久性に悪影響を及ぼすという問題もあった。
【0005】
そこで、スピーカーグリル一体型内装トリムにあっては、孔径を小さくする事、孔数を増やして開口率を高める事が求められているが、そのようにする場合、スピーカーグリル部分の金型構造の関係から溶融PP樹脂の通路が細かくて複雑なものとなり、スピーカーグリル部分で樹脂が流れにくくなる。それ故、溶融PP樹脂をキャビティに射出した場合、トリム全体、特にスピーカーグリル部分全体に渡って溶融PP樹脂を十分に行き渡らせることが難しくこの部分で欠肉を招き易くなる。
【0006】
加えて、スピーカーグリル部分にはスピーカが装着され、スピーカーグリルの孔を通ってスピーカの音が車室内に流れ込んで来るため、スピーカーグリル部分の肉厚は内装トリム本体部分に肉厚に比べて薄くしたいという要求もあり、溶融PP樹脂の流れがより悪くなり欠肉を招き易くなる。この欠肉の発生を防止するために溶融PP樹脂の注入圧力を高く設定すると、スピーカーグリルの多孔部分でバリが生じ易くなる。
【0007】
そこで、1つの解決策として取られたのが、メルトフローレートが45[g/10min]以上のポリプロピレン樹脂を用いて成形するという事である。このように高いメルトフローレートのポリプロピレン樹脂を使用すると殊更高い射出圧をかけなくても金型内での樹脂流れが非常に良いため、複雑な構造となっており樹脂流れが悪くなるスピーカーグリル部分でも欠肉を生じる事なく綺麗に成形出来る。しかしながら、メルトフローレートの高いポリプロピレン樹脂を使用すると一般的に成形体の機械強度が低下するので、樹脂厚をそれだけ厚くしなければならなくなるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
省エネのために車両重量の軽量化が叫ばれている現在にあっては重量化に繋がる樹脂厚の増大は避けなければならない。本発明は、前記問題点を解決するためになされたもので、薄肉にする事が出来、小孔が密集した高級感のあるスピーカーグリルを一体成形する事ができ、軽量且つ高強度の内装トリム成形用金型の開発を目的とする。
【0009】
なお、射出成形時、射出樹脂のキャビティへの充填に合わせてキャビティ内の空気を抜く必要があるが、スピーカーグリル部分は樹脂が最終的に回り込み、この回り込み樹脂に押されたキャビティ内の空気が最終的に集まる部分であるためにこの部分の裏面形成用多孔性金型部材全体を焼結金属等の多孔性部材で形成し、ここから集合したキャビティ内の空気を抜くようにしていた。その場合、このスピーカーグリル裏面形成用多孔性金型部材は常時ガスが通過するため、目詰まりし易く頻繁に清掃する必要があり、清掃部分が広いとその分だけ清掃時間が長くなり作業効率が低下するという問題点がある他、成形中に成形条件が何らかの原因で変化してスピーカーグリル部分の何れかに欠肉が発生した場合、欠肉発生箇所が一定しないため不良原因が分かりずらいという成形上の問題もあったが、合わせてこれらの問題を解決する事もその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
「請求項1」は、所定箇所に多孔状スピーカーグリルが一体成形された内装トリムの成形用金型(6)(7)において、
「スピーカーグリル形成用型窩間隙(h)が内装トリム本体形成用間隙(H)よりは薄く設定され、
スピーカーグリル(2)の小孔(2a)の孔径が2.0mm以下であり、隣接する小孔間の肉厚が0.4〜1mmに設定されており、
成形用樹脂材料としてメルトフローレートが10〜35[g/10min]のポリプロピレン樹脂を用いて成形されるものであり、
スピーカーグリル(2)の裏面形成用金型(6)の、スピーカーグリル(2)の中央部分にスピーカーグリル(2)より小径のガス抜き用の多孔性裏面金型部(5)が設けられている」事を特徴とする。
【0012】
上記スピーカーグリル(2)の小孔(2a)の孔径の上限値を2.0mmとしたのは、孔径(D)がこの値を越えると、スピーカーグリル(2)の小孔群が粗いものとなり、スピーカーグリル(2)としての外観性が低下して高級感が損なわれるとともに、スピーカ内部にゴミ・塵埃等の異物が混入し易くなり、スピーカの特性や耐久性に悪影響を及ぼすからである。
【0013】
隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)の下限値を0.4mmとしたのは、この肉厚(P)が0.4mm未満になると、上記多孔状スピーカーグリル(2)部分での溶融PP樹脂の流れが悪くなって欠肉が生じるおそれがあるからであり、また、上限値を1mmとしたのは、この肉厚が1mmを越えると、スピーカーグリル(2)としては、小孔群が粗いものとなってデザイン性が低下し、高級感が損なわれるからである。
【0014】
また、スピーカーグリル(2)の小孔(2a)の孔径、隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)を上記のように設定し、ポリプロピレン樹脂を用いて射出成形した場合、メルトフローレートが10[g/10min]未満では、構造が複雑な上記多孔状スピーカーグリル(2)部分における溶融PP樹脂の流動性が悪くなり、十分な成形性を確保することが難しいからであり、上限値を35[g/10min]としたのは、これ以上では溶融PP樹脂の流動性が過大になり過ぎ、バリが発生し易くなるからである。
【0015】
なお、PP樹脂は、上記メルトフローレートを阻害しない範囲内において、機械強度耐熱性を向上させる等の目的で、タルクやゴム(エラストマ)等を適宜添加することができる。
【0016】
また、スピーカーグリル形成用型窩間隙(h)が内装トリム本体形成用間隙(H)よりは薄く設定されているので、スピーカーグリル(2)の背部にスピーカを設置した場合、スピーカからの音が小孔(2a)内で反射することなく車室内まで良く透過し、音質を損なう事がない。
【0017】
更に、スピーカーグリル(2)の裏面形成用金型(6)の、スピーカーグリル(2)の中央部分にガス抜き用の多孔性裏面金型部(5)を設ける事で、射出された溶融PP樹脂に押されてスピーカーグリル(2)に集まったキャビティ内の空気は最終的にスピーカーグリル(2)の中央部に集まるが、この部分に設けられた多孔性裏面金型部(5)からガス抜きされ、スピーカーグリル(2)での欠肉発生が防止される。また、この場合において、何らかの成形条件の予期しない変化により、スピーカーグリル(2)で欠肉が発生したとしても、欠肉発生箇所はスピーカーグリル(2)中央のスピーカーグリル(2)より小径の多孔性裏面金型部(5)の狭い範囲に限定される事になり、欠肉対策が立てやすい。加えて、多孔性裏面金型部(5)がスピーカーグリル(2)より小径であるので、掃除する範囲が少なく、従って保守時間を短くする事が出来る。
【0018】
なお、ガス抜きピンを用いてガス抜きを行うことも可能であるが、金型設計上、スピーカーグリル多孔部にガス抜きピンを設定することは困難であり、ピンを設定するとすれば、亀甲型のリブ上に設定せざるを得ない。この場合、リブ部より、より流動性に劣る多孔部のガス抜きが十分に行えず、成型不良をおこしやすいので不適切である。
【0019】
【発明の実施の態様】
以下、この発明の実施例を図示実施例に従って説明する。図1は本実施例に係る自動車の右側前部座席ドアのドアトリム(1)の斜視図で、その前部(図1における左側部分)には、その背面側に配設される車載スピーカ(図示せず)のスピーカーグリル(2)が一体成形されている。上記ドアトリム(1)はポリプロピレン樹脂を射出成形して成形されたものである。なお、車窓側表面に化粧材を貼り付ける等で加飾しても良い。
【0020】
本実施例では、上記ドアトリム(1)を射出成形するに際して、図2に示すように、ドアトリム(1)の長手方向の中心(CL)「長手方向の全長を(L)とすると、(1/2)Lの部分」からスピーカーグリル(2)の反対側によった範囲(S)「中心(CL)から0.2Lの範囲」に対応する金型部分にゲート(3)が設けられており、キャビティへはこのゲート(3)を通じて溶融PP樹脂が供給されるようになっている。なお、本例では用いないが、溶融PP樹脂の流動性を確保するために発熱体(図示せず)が設置されたホットランナー方式を使用することが好ましい。
【0021】
また、図3は上記多孔状スピーカーグリル(2)の背面には補強のために六角状のリブ(4)が設けられており、このリブ(4)内にスピーカーグリル(2)用の小孔(2a)が穿設されている。前記小孔(2a)は、図5に示す多孔状スピーカーグリル(2)に対応する表・裏面形成側金型(6)(7)のパーティング面に断面歯形状で型締時に互いに当接する孔形成突部(9)(10)によって形成される。
【0022】
この多孔状スピーカーグリル(2)の裏面側を形成する金型部分の中央部に焼結金属の多孔性物質で形成した多孔性裏面金型部(5)がドアトリム(1)の裏面形成側金型(6)に取り付けられており、この多孔性裏面金型部(5)の背面側に設けたガス抜き通路(8)から、キャビティ内のガスを排出するようになっている(図4のガス抜き機構を示す断面図参照)。この場合、上記ガス抜き通路(8)に負圧ポンプ(図示せず)などを接続してガス抜きを行うことができる。
【0023】
なお、多孔質部分の孔つまりを回避するため、例えば10ショットに1回といった割合で、多孔部分に、エアの吸引または噴射による通気機構を設けることも可能である。
【0024】
本実施例では、スピーカーグリル一体成形型ドアトリム(1)の成形に際して、高強度を保持しつつ且つドアトリム(1)全体を出来る限り肉薄とし、スピーカーグリル(2)の開口率を高め、高級感に優れると共にドアトリム本体よりも更に肉薄に出来、且つ欠肉等の不具合を生じることなく(或いは、欠肉が発生してもその原因を特定し易い)成形することができるようにするために、上記スピーカーグリル(2)の小孔(2a)について、孔径(D)及び隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)、ポリプロピレン樹脂のメルトフローレートの範囲、多孔性裏面金型部(5)の設置位置等を最適範囲に設定している。以下、これらの設定値について説明する。
【0025】
スピーカの音量の透過特性は、スピーカーグリル(2)の小孔(2a)群の開口率、即ち、スピーカーグリル(2)における単位面積当たりの開口孔の総開口面積の比率、及びスピーカーグリル(2)の肉厚によって影響を受ける。良好な音量の透過性を得るためには、開口率が大きい方が好ましく、グリル部分の小孔(2a)部分の肉厚は薄い方が好ましいが、成形性を考慮し1.0mmが限度であると思われる。隣接する小孔(2a)間の肉厚は、値が大きいほど成形性を確保する上では有利であるが、ポリプロピレン樹脂を用いた場合には、肉厚が1mmを越えると、通常の射出成形でも、欠肉等の不具合は生じず支障なく成形を行うことができるのであるが、スピーカーグリル(2)としては、小孔(2a)群が粗いものとなって外観性が低下し高級感が損なわれる。逆に、上記肉厚(P)の値を小さくするほど、小孔(2a)が多くなりきめ細かなものとなって高級感が得られるが、ポリプロピレン樹脂を用いた場合には、0.4mm未満になると、溶融PP樹脂の流れが非常に悪くなり、成形に支障を来しがちとなる。そこで、本実施例では、上記隣接する小孔(2a)間の肉厚(P)の値が0.4〜1mmの範囲となるように設定した。
【0026】
また、小孔間の距離が同じ場合、孔径(D)はその値が大きいほど開口率が大になり透音性を確保する上では有利であるが、孔径(D)が一定値を越えて大きくなると、スピーカーグリル(2)としては、小孔(2a)群が粗いものとなって外観性が低下し、高級感が損なわれるだけでなく、スピーカ内部にゴミ・塵埃等の異物が混入し易くなり、スピーカの特性や耐久性に悪影響を及ぼす。本実施例では、きめの細かい多孔状スピーカーグリル(2)を得ることができ、高級感が得られる範囲として、上記孔径(D)を2.0mm以下に設定した。具体的には、この孔径(D)を例えば1.5mmとした。
【0027】
また、本実施例では成形用樹脂材料として、メルトフローレート(以下、MFRと略称する。)が10〜35のポリプロピレン樹脂を用いた。このMFRは溶融PP樹脂材料の流動性を評価し得る一つの指標であり、この値が大きいほど流動性に富んでいることを示している。
【0028】
MFR値が10[g/10min]以下の場合は、溶融ポリプロピレン樹脂の流動性が非常に悪く成形出来ない。MFR値が35[g/10min]以上の場合は、スピーカーグリル(2)の多孔部分における溶融ポリプロピレン樹脂の流動性が過大でありバリが出やすくなる。従って、ポリプロピレン樹脂としては、MFR値が10〜35[g/10min]の範囲のものを採用する事とした。
【0029】
以上、説明したように、本実施例によれば、ドアトリム(1)と一体成形されるスピーカーグリル(2)の多孔部分について、孔径(D)及び隣接す小孔(2a)間の肉厚(P)を上記のように設定したので、スピーカ内部へのゴミ・塵あい等の異物の混入を有効に抑制でき、しかも、きめ細かで高級感のあるスピーカーグリル(2)を一体成形することができる。
【0030】
また、上記多孔部分の開口率を十分確保したので、スピーカーグリルの音量の透過性を良好に確保することができる。この場合において、成形用樹脂材料としてメルトフローレートが10〜35[g/10min]のポリプロピレン樹脂を用いるようにしたので、スピーカーグリル(2)をドアトリム(1)と一体成形するに際して、十分な成形性を確保して欠肉等の不具合を生じることなく成形することができるのである。また、上記多孔状スピーカーグリル(2)に対応する裏面側形成用金型(6)にガス抜き用の多孔性裏面形成金型部(5)を設けたので、上記多孔状スピーカーグリル(2)に対応する孔形成突部(9)(10)間に流入したエアは、この孔形成突部(9)(10)に溜まることなく円滑に多孔性裏面形成金型部(5)から外部に排出され、欠肉を生じる事なく確実な成形を確保することができる。
【0031】
上記表・裏面成形用金型(6)(7)における射出作業について簡単に説明する。ゲート(3)からキャビティ内に射出された溶融PP樹脂はゲート(3)からキャビティ空間内を扇状に広がっていく。ゲート(3)は前述のようにスピーカーグリル(2)から遠い位置に設けられているので、まずスピーカーグリル(2)の反対側が溶融PP樹脂で充填され、次第にスピーカーグリル(2)方向に向かう。この溶融PP樹脂の流れに合わせてキャビティ内の空気は押されてスピーカーグリル(2方向に移動する。
【0032】
ドアトリム(1)の本体部分の肉厚(H)は、スピーカーグリル(2)部分の肉厚(h)より大であるので、本体部分の樹脂流れはスピーカーグリル(2)部分より高く、それ故、概ね本体部分の充填が完了した後にスピーカーグリル(2)部分に全周から溶融PP樹脂が流れ込む事になる。スピーカーグリル(2)部分に流れ込む溶融PP樹脂は金型(6)(7)に接触して温度が幾分低下する事と、スピーカーグリル(2)部分は多数の孔形成突部(9)(10)やリブ(4)形成用の凹凸(図示せず)、間隙(h)が小さい事並びに溶融PP樹脂のメルトフローレートが低い事など樹脂流れを阻害する要因が多いため、射出速度とその射出温度を高めに設定している。
【0033】
スピーカーグリル(2)の周囲から中心部に集まってきた溶融PP樹脂に押されて中心部に集まった空気は、スピーカーグリル(2)の中心部に設けられている多孔性裏面金型部(5)から外部に抜け欠肉を発生させない。なお、多孔性裏面金型部(5)に設置位置はスピーカーグリル(2)の中央部から若干ゲート(3)から離間した偏心位置に設けてもよい。何故ならば溶融PP樹脂はゲート(3)に近い位置から先にスピーカーグリル(2)に押し込まれ、最終的に溶融PP樹脂が集結するのはスピーカーグリル(2)の中央部から若干ゲート(3)から離間した偏心位置になるからである。
【0034】
なお、多孔性裏面金型部(5)は使用に連れて次第に目詰まりして来るため、掃除を行う必要があるが、多孔性裏面金型部(5)はスピーカーグリル(2)の中心部に設けられているだけでスピーカーグリル(2)の全体に設けられていないので、掃除する範囲が少なく、従って保守時間を短くする事が出来る。
【0035】
また、成形中に成形条件が何らかの原因で変化してスピーカーグリル(2)部分に欠肉が発生したとしても、欠肉発生箇所が一定しないため不良原因が分かり易く、問題解消にさほど時間が掛からない。
【0036】
尚、上記実施例は、スピーカーグリル(2)を前部座席ドアのドアトリム(1)に設ける場合についてのものであったが、本発明は、かかる場合に限らず、他の内装トリム、例えば、後部座席パッケージトリム(3)についても適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、スピーカーグリルの多孔部分について、孔径、隣接する孔間の肉厚及び成形用ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート、スピーカーグリルの肉厚条件、多孔性裏面金型部の設置位置を規定したので、スピーカーグリルを内装トリムと一体成形するに際して、十分な成形性や強度を確保して欠肉等の不具合を生じることなく成形することができ、しかも、装着されたスピーカ内部への異物の混入を有効に抑制するとともに、多孔性スピーカーグリルの高級感のあるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピーカーグリル一体型内装トリムの斜視図
【図2】本発明に係るスピーカーグリル一体型内装トリムのキャビティ内での樹脂の挙動想像正面図
【図3】図2のスピーカーグリル部分の拡大図
【図4】図3の直角方向の中央断面図
【図5】図4の部分拡大図
【図6】図1のスピーカーグリルにおける小孔と孔径と小孔間の肉厚との寸法関係を示す拡大図
【符号の説明】
(1) スピーカーグリル一体型内装トリム
(2) 多孔状スピーカーグリル
(2a) 小孔
(D) 孔径
Claims (1)
- 所定箇所に多孔状スピーカーグリルが一体成形された内装トリムの成形用金型において、
スピーカーグリル形成用型窩間隙が内装トリム本体形成用間隙よりは薄く設定され、
スピーカーグリルの小孔の孔径が2.0mm以下であり、隣接する小孔間の肉厚が0.4〜1mmに設定されており、
成形用樹脂材料としてメルトフローレートが10〜35[g/10min]のポリプロピレン樹脂を用いて成形されるものであり、
スピーカーグリルの裏面形成用金型の、スピーカーグリルの中央部分にスピーカーグリルより小径のガス抜き用の多孔性裏面金型部が設けられていることを特徴とするスピーカーグリル一体型内装トリム成形用金型。
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