以下,本発明に係る電動式建設機械を実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
以下の述べる本発明の第1〜第3実施形態に係る電動式建設機械は、例えば掘削等の作業を行うフロント作業機、すなわちリンク機構を油圧システムで作動させ、旋回、走行を電動機、すなわち電動モータで直動で作動させるバッテリ式油圧ショベルである。また、電動モータは、3相交流とし、電動モータを制御する電動機制御手段として、バッテリからの直流を交流に変換するインバータを備えているものである。
図1は本発明に係る電動式建設機械の第1実施形態として挙げた油圧ショベルを示す側面図、図2は第1実施形態に備えられる旋回体を示す平面図、図3は第1実施形態の正面図、図4は第1実施形態に備えられる操作レバーを示す図、図5は第1実施形態に備えられる駆動回路を示す回路図である。
電動式建設機械の第1実施形態であるバッテリ式油圧ショベル1は、図1に示すように、旋回体2と、この旋回体2に上下方向の回動可能に取り付けられるフロント作業機、すなわちリンク機構3と、旋回体2の下部に設けられる走行体4とを備えている。
リンク機構3は、旋回体2に回動可能に取り付けられるブーム31と、このブーム31の先端に回動可能に取り付けられるアーム32と、このアーム32の先端に回動可能に取り付けられるバケット33と、これらのブーム31、アーム32、バケット33を駆動する油圧アクチュエータ、すなわち油圧シリンダ34a〜34cとを含んでいる。
走行体4は、図3に示すように、トラックフレーム41と、旋回体2を旋回させる旋回輪ベアリング42と、走行機構43L,43Rと、無限軌道履帯44L,44Rとを含んでいる。
旋回体2は、図2に示すように、メインフレーム20の上に、スリップリング21、コンダクタ制御盤22、インバータ収納部23、バッテリ収納部24、作動油タンク25、複数の油圧制御弁261を含む油圧制御弁部26、油圧ポンプ収納部27、旋回機構28、運転室29等を備えている。
スリップリング21は、後述の駆動用バッテリ241の電力を旋回体2の回動に妨げられることなく、走行機構43L,43Rに伝達する機構である。コンダクタ制御盤22には、車体の起動・停止に合わせて電力供給手段例えば駆動用バッテリ241から、電動機制御手段例えばインバータ231a〜231eへの電力の供給・遮断をスイッチングするコンダクタが付設されている。インバータ収納部23には、複数のインバータ231a〜231eが収納されるとともに、これらのインバータ231a〜231eを覆うカバー232を備えている。インバータ231aは主油圧ポンプ駆動用、インバータ231bは旋回用、インバータ231c,231dは走行用、インバータ231eはパイロット油圧ポンプ駆動用にそれぞれ割り当てられている。バッテリ収納部24には、電力供給手段を構成する複数の高電圧の駆動用バッテリ241と、複数の低電圧の制御系電力用バッテリ242が収納されるとともに、これらのバッテリ241,242を覆うカバー243を備えている。
作動油タンク25は、リンク機構3の油圧シリンダ34a〜34cを駆動する圧油が貯蔵されるタンクである。油圧制御弁部26には、油圧シリンダ34a〜34cへ供給される圧油の流量を分配する油圧制御弁261と、主油圧ポンプ272を制御するパイロット弁262が含まれている。油圧ポンプ収納部27には、主油圧ポンプ272と、この主油圧ポンプ272を駆動する主電動機、すなわち主油圧ポンプ用電動モータ271とが収納され、これらの主油圧ポンプ272と電動モータ271とは、カップリング273で連結されている。主油圧ポンプ272から吐出された圧油は、油圧制御弁261に送油され、流量分配される。また、この油圧ポンプ収納部27には、油圧制御弁261の弁駆動制御部やパイロット弁262に圧油を送油するパイロット油圧ポンプ275と、このパイロット油圧ポンプ275を駆動する補助電動機、すなわちパイロット油圧ポンプ用電動モータ274とが収納され、これらのパイロット油圧ポンプ275と電動モータ274とは、カップリング276で連結されている。この油圧ポンプ収納部27は全体がカバーによって構成されている。
運転室29内には、操作者がシートに着座した状態で、リンク機構3、旋回機構28、走行機構43L,43Rを駆動できるように、操作機構291と、車体コントローラ5と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295等が備えられている。車体コントローラ5は、操作機構291からの信号を入力し、インバータ231a〜231eを制御する。この車体コントローラ5には、制御用バッテリ242からの電力が供給される。
操作機構291は、図4に示すように、例えば油圧式操作レバーから成り、手で前後左右に倒す操作が可能な操作レバー291a,291bと、操作レバーとその根元に配置されたフットペダルとが組み合わされた走行レバー291c,291dとを含んでいる。操作レバー291aの前後倒し操作により旋回体2の左右旋回動作、左右倒し操作によりアーム32のダンプ、クラウドの動作、操作レバー291bの前後倒し操作によりブーム31の上げ下げ動作、左右倒し操作によりバケット33のダンプ、クラウドの動作、走行レバー291c,291dを一緒に前後倒し操作することにより走行の前進、後退動作、また、片方前後倒し操作か、片側前倒し、他方後倒し操作により曲がり動作が、それぞれ行えるようになっている。
次に図5によりこの第1実施形態に備えられる駆動回路について説明する。なお、説明を簡単にするために、操作機構291のうち、旋回体2の操作、及びアーム32の操作を行なう操作レバー291aを例示して説明する。
操作レバー291aには、この操作レバー291aを前後左右に倒すことにより圧油を減圧する機構を有する操作減圧弁292が付設されている。操作減圧弁292の上流側には、パイロット油圧ポンプ275が配置されている。このパイロット油圧ポンプ275は、作動油タンク25の圧油をサクション配管658で吸い込み、パイロット配管651を介して吐出する。パイロット配管651の途中でパイロット配管652が分岐し、このパイロット配管652にパイロットリリーフ弁263が設けられている。圧油はパイロットリリーフ弁263を通過してパイロット配管657を介して作動油タンク25へ戻される。パイロットリリーフ弁263は、パイロット圧の最大圧を設定する弁で、通常は4MPa程度の圧に設定される。
操作減圧弁292の下流側は、パイロット配管653,654を介して油圧制御弁261のパイロット系供給ポート261a,261bへ接続され、また、パイロット配管655,656を介して圧力センサ294a,294bに接続されている。
操作レバー291aには、この操作レバー291aの操作量を検出する角度センサ293a,293swが付設されている。角度センサ293aはアーム操作時の操作レバー角度を検出し、角度センサ293swは旋回操作時の操作レバー角度を検出する。また、これらの角度センサ293a,293swは、操作機構291の操作が停止したことを電気的に感知する感知手段を構成している。
車体コントローラ5には、角度センサ293a,293swの検出信号が制御配線751を介して入力され、圧力センサ294a,294bの検出信号が制御配線752,753を介して入力され、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの信号が入力されるようになっている。
この車体コントローラ5の出力側は、制御配線754を介して主油圧ポンプ用電動モータ271に電力を供給するインバータ231aに接続され、制御配線755を介して旋回用電動モータ281に電力を供給するインバータ231bに接続され、制御配線756を介してパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に電力を供給するインバータ231eに接続されている。
各動力系のうちの油圧系は、主油圧ポンプ272が作動油タンク25の油を、サクション配管603を介して吸い込み、吸い込んだ圧油が主油圧配管601を介して油圧制御弁261に供給され、さらに主油圧配管602を介してリンク機構3の油圧シリンダ34a〜34cに供給される。また電気系は、駆動用バッテリ241の電力が、動力配線701を介してインバータ231aへ供給され、動力配線702を介してインバータ231bへ供給され、動力配線703を介してインバータ231eへ供給され、さらにインバータ231aから主油圧ポンプ用電動モータ271へは動力配線704を介して、インバータ231bから旋回用電動モータ281へは動力配線705を介して、インバータ231eからパイロット油圧ポンプ用電動モータ274へは動力配線706を介して供給される。
主油圧ポンプ用電動モータ271は、運転室29内の回転数設定器295からの回転数指令を受け、リンク機構3を駆動する速度制御を行い、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274も回転数指令を受けて同様の速度制御を行う。一方、旋回、走行は、レバー操作量を速度またはトルク指令として与えるため、旋回用電動モータ281、走行用電動モータ431L,431Rに対しては、操作レバー291a、走行レバー291c,291dの操作量に応じた速度またはトルク制御が行われる。なお、旋回の操作レバー291aの操作量、走行レバー291c,291dの操作量は、圧力センサ294a,294b等で検出された圧力信号として車体コントローラ5に入力され、車体コントローラ5は、この圧力信号を処理して、各インバータ231b,231c,231dに制御信号を出力する。
図6は図5に示す駆動回路に備えられる車体コントローラの構成を示すブロック図、図7は図6に示す車体コントローラに備えられる演算部の構成を示す図、図8は図4に示す操作レバーの出力特性を示す図、図9は図6に示す車体コントローラに備えられる演算部の構成を示す図、図10は図6に示す車体コントローラに備えられる演算部の構成を示す図である。
車体コントローラ5は、操作機構291の操作に基づく演算を行い、その演算結果に応じてインバータ231a,231eに主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧ポンプ用電動モータ274を駆動する制御信号を出力するとともに、操作機構291の操作の停止に相応する信号が角度センサ293a等から出力された際に、主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧ポンプ用電動モータ274を停止させる制御信号を出力する操作制御部51を備えている。
この操作制御部51は、図6に示すように、演算部52〜54を有している。演算部52は、操作不感帯に関する制御演算を行い、演算部53はパイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数制御演算を行い、演算部54は主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数制御演算を行う。
上述した演算部52には、図7に示すように、操作レバー291aに付設した角度センサ293a,293sw、及び操作レバー291b、及び走行レバー291c,291dからの各信号が入力される。ただし同図7には、操作レバー291aの角度センサ293a,293swからの信号Sαa,Sαswのみ記載してある。
信号Sαa,Sαswのそれぞれは、不感帯演算部521,522に入力される。不感帯演算部521,522は、信号Sαa,Sαswのそれぞれに対し、0または1の値の信号Sa,Sswを出力する。アーム操作を例に挙げると、図8に示すように、操作レバー291aの角度αaに対し、実線で示す操作圧Piが不感帯(−β〜β)をもっており、この不感帯(−β〜β)の角度範囲が、アーム32の停止域、不感帯外がアーム32の駆動域となる。同図8の縦軸Piに極性があるのは、前後、左右の操作を判別しているためである。なお、横軸αaは破線で示すように信号Sαaと一対一の関係にある。図7の例えば停止域(−βa〜βa)は、図8の不感帯(−β〜β)に対応するように設定されている。図7の不感帯演算部521,522のおける演算値は、信号Sa,Sswとして演算部53,54に入力される。
図9に示すように、演算部52からの信号Sa,Sswが演算部53に入力されると、加算部531で総和Ssum_piが求められる。この総和Ssum_piは判定部532に入力され、
判定式(1)
Ssum_pi=0 → Spi=0
Ssum_pi≧1 → Spi=1
の演算が行われる。なお、Spiは判定部532の出力である。
ここで、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数は通常一定である。回転数指令は、車体コントローラ5内に備えられる外部入力形式の回転数設定器55で与えられ、この回転数設定器55によって回転数指令Sc_piが演算部53に入力される。この回転数指令Sc_piと出力SPiとを乗算部533で乗算した値S1を、車体コントローラ5の出力としてパイロット油圧ポンプ用電動モータ274のインバータ231eへ出力する。
演算部54には、図10に示すように、演算部52の出力及びリンク機構3に含まれる図示しないブーム、バケットの動作に係る信号値の他に、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295より、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数目標値Sc_mpが入力される。上述した信号値Sa及びリンク機構3に含まれるブーム、バケットに係る信号値に基づいて加算部541で総和Ssum_mpが求められる。この総和Ssum_mpは判定部542に入力され、
判定式(2)
Ssum_mp =0 → Smp=0
Ssum_mp ≧1 → Smp=1
の演算が行われる。なお、Smpは判定部542からの出力値である。
出力値Smpと、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295で設定された回転数目標値Sc_mpが乗算部543で乗算され、その積S2が、車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aに出力される。
このように構成した第1実施形態における動作を以下に例を挙げて説明する。
[アーム単独操作]
操作レバー291aを操作してアーム32を単独で駆動している場合には、図7に示すように、角度センサ293aの出力信号Sαaと、他の操作レバー、走行レバーの角度センサからの出力信号Sαsw等は、車体コントローラ5の操作制御部51に含まれる不感帯を形成する演算部52に入力される。今はアーム単独駆動であることから、Sa=1、Ssw等の他の値=0として、この演算部52から演算部53,54に出力される。
演算部53では、図9に示すように、加算部531で信号値Saと、旋回(信号値=Ssw)、走行、その他のリング機構3に含まれるブーム、バケットに係る信号値との総和Ssum_piが求められ、その総和Ssum_piが判定部532に出力される。今は、アーム単独操作であるため、Ssum_pi=1として判定部532に出力される。判定部532からは、演算によりSpi=0、またはSpi=1が出力される。これは、例えば全ての操作レバーの操作が停止とみなされる状態にあるかどうかの判定である。今は、Ssum_pi=1であるため、上述の判定式(1)により、Spi=1と判定される。このSpi=1と、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定器55からの回転数指令Sc_piとの積が乗算部533で求められる。その結果、車体コントローラ5からの出力値はS1=Sc_piとなり、この値S1がパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへ指令として与えられ、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274は、与えられた回転数指令通りに駆動する。これに応じてパイロット油圧ポンプ275が駆動する。
また、演算部54では、図10に示すように、加算部541で信号値Saと、その他のリンク機構3に含まれるブーム、アームに係る信号値の総和Ssum_mpが求められる。今はアーム単独駆動であるのでSsum_mp=1が判定部542に出力される。判定部542からは、演算によりSmp=0、またはSmp=1が出力される。これは、リンク機構3に関係する操作レバーの全てが停止とみなされる状態にあるかどうかの判定である。今は、Ssum_mp=1であるため、判定式(2)により、Smp=1と判定される。このSmp=1と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの回転数指令Sc_mpとの積が乗算部543で求められる。その結果、車体コントローラ5からの出力値S2=Sc_mpとなり、この値S2が主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ指令として与えられ、主油圧ポンプ用電動モータ271は、与えられた回転数指令通りに駆動する。これに応じて主油圧ポンプ272が駆動する。
そして、上述のように操作レバー291aを操作してアーム32を単独駆動させている状態から、操作レバー291aを中立方向に戻してアーム32の駆動を停止させるようにしたとき、角度センサ293aの出力信号Sαaと、他の操作レバー、走行レバーの角度センサ出力Sαsw等は、車体コントローラ5の操作制御部51に含まれる不感帯を形成する演算部52に入力され、今はアーム32の駆動から停止に移行してることから、Sa=0、Ssw等の値=0が演算部53,54に出力される。
演算部53では、加算部531で出力信号Saと、旋回(信号値Ssw)、走行、その他のリンク機構3に含まれるブーム、バケットに係る他の信号値との総和Ssum_piが求められ、その総和Ssum_pi=0が判定部532に出力される。判定部532では、判定式(1)からSpi=0と求められる。このSpi=0と、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定器55からの回転数指令Sc_piとの積が乗算部533で求められる。その結果、S1=0と求められ、このS1が車体コントローラ5からパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへ指令として与えられ、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274は停止する。これに伴ってパイロット油圧ポンプ275は駆動を停止する。
また演算部54では、加算部541で出力信号Saと、他のリンク機構3に含まれるブーム、バケットに係る他の信号値との総和Ssum_mpが求められ、その総和Ssum_mp=0が判定部542に出力される。判定部542では、判定式(2)からSmp=0と求められる。このSmp=0と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの回転数指令Sc_mpとの積が乗算部543で求められる。その結果、S2=0と求められ、このS2が車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ指令として与えられ、主油圧ポンプ用電動モータ271は停止する。これに伴って主油圧ポンプ272は駆動を停止する。
[アーム・旋回複合操作]
操作レバー291aの操作により、アーム・旋回複合操作が実施されている場合、角度センサ293aの出力信号Sαaと角度センサSαsw、及び他の操作レバー、走行レバーの角度センサからの出力信号は、車体コントローラ5の操作制御部51の不感帯を形成する演算部52に入力され、今、アーム・旋回複合操作で駆動されていることから、Sa=1、Ssw=1、他の信号値=0が演算部53,54に出力される。
演算部53では、加算部531でSaとSsw、及び走行、他のリンク機構3に含まれるブーム、バケットに係る信号値の総和Ssum_piが求められる。今はアーム・旋回複合操作であるため、Ssum_pi=2となり、このSsum_piが判定部532に出力される。判定部532では、Ssum_pi=2であることから、上述した判定式(1)によって、Spi=1と判定される。このSpiと、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定器55からの回転数指令Sc_piとが乗算部533で乗算される。その結果S1=Sc_piとなり、このS1がパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへ指令値として与えられ、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274は与えられた回転数指令通りに駆動する。これに応じて、パイロット油圧ポンプ275が駆動する。
また、演算部54では、加算部541でSaと、その他のリンク機構3に含まれるブーム、バケットに係る信号値との総和がSsum_mpが求められ、判定部542に出力される。旋回、走行を含む複合操作が実施されている場合には、旋回、走行は主油圧ポンプ272の圧油で駆動されず、旋回用電動機モータ281、または走行用電動モータ431L,431Rにより直接に駆動され、主油圧ポンプ272とは独立した状態に保たれる。今は、旋回を含む複合であるので、Ssum_mpでは旋回はカウントされず、Ssum_mp=1となる。
判定部542では、Ssum_mp=1であることから判定式(2)により、Smp=1と判定される。このSmp=1と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの回転数指令Sc_mpとの積が乗算部543で求められ、その結果のS2=Sc_mpが、車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ指令として与えられ、主油圧ポンプ用電動モータ271は与えられた回転数指令通りに駆動する。これに伴って主油圧ポンプ272が駆動する。
操作レバー291aが操作されてアーム・旋回の複合操作が実施されている状態から、この操作レバー291aが中立に戻されて操作の停止に移行したとき、角度センサ293aの出力信号Sαaと、角度センサ293swの出力信号Sαsw、及び他の操作レバー、走行レバーの角度センサからの出力信号は、車体コントローラ5の操作制御部51の演算部52に入力される。今はアーム・旋回の複合操作から停止へ移行していることから、Sa=0、Ssw=0、他の値=0となり、これらが演算部53,54に出力される。
演算部53では、加算部531でSaとSsw、及び走行、その他のリンク機構3に含まれるブーム、バケットに係る信号値の総和Ssum_piが求められ、この総和Ssum_pi=0となり、これが判定部532に出力される。判定部532では、Ssum_pi=0に応じて判定式(1)より、Spi=0と判定される。このSpi=0と、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定器55からの回転数指令Sc_piとの積が乗算部533で求められ、その結果S1=0となり、このS1がパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへの指令として与えられ、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274は停止する。これに伴ってパイロット油圧ポンプ275は停止する。
また、演算部54では、加算部541でSaと、その他のリンク機構3に含まれるアーム、バケットに係る信号値との総和Ssum_mpが求められ、この総和Ssum_mpが判定部542に出力される。判定部542では、アームの停止によりSsum_mp=0となっていることから、判定式(2)により、Smp=0と判定される。このSmp=0と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの回転数指令Sc_mpとの積が乗算部543で求められ、その結果S2=0が車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ指令として与えられ、主油圧ポンプ用電動モータ271は停止する。これに伴って主油圧ポンプ272は停止する。
[ブーム・アーム複合操作]
操作レバー291aの操作でアーム32を操作し、操作レバー291bの操作でブーム31を操作するブーム・アーム複合操作が実施されている場合、角度センサ293aの出力信号Sαaと、操作レバー291bに付設される図示しない角度センサの出力信号Sαb、及び他の操作レバー、走行レバーの角度センサからの出力信号は、車体コントローラ5の操作制御部51の不感帯制御部を形成する演算部52に入力され、今、駆動していることからSa=1、Sb=1(操作レバー291bに対応)、他の値=0となり、これらが演算部53,54に出力される。
演算部53では、加算部531でSaとSb、及び旋回(信号値Ssw)、走行、その他リンク機構3に含まれるバケット33に係る信号値の総和Ssum_piが求められ、今は、ブーム・アーム複合操作のためSsum_pi=2となって、このSsum_piが判定部532に出力される。判定部532では、Ssum_pi=2に応じて判定式(1)によりSpi=1と求められる。このSpi=1と、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定器55からの回転数指令Sc_piとの積が乗算部533で求められ、その結果S1=Sc_piが車体コントローラ5からパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへ指令として与えられ、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274は与えられた回転数指令通りに駆動する。これに伴ってパイロット油圧ポンプ275が駆動する。
また、演算部54では、加算部541でSaとSb、及び他のリンク機構3に含まれるバケット33に係る信号値の総和Ssum_mpが求められ、この総和Ssum_mpが判定部542に出力される。判定部542では、Ssum_mp=2に応じて判定式(2)によりSmp=1と判定される。このSmp=1と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの回転数指令Sc_mpとの積が乗算部543で求められ、S2=Ssum_mpが車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ指令として与えられ、主油圧ポンプ用電動モータ271は指令通りに駆動する。これに伴って主油圧ポンプ272が駆動する。
このようなブーム・アーム複合操作が実施されている状態から、全操作停止に移行した場合、角度センサ293aの出力信号Sαaと、操作レバー291bに付設された図示しない角度センサの出力信号Sαb、及び他の操作レバー、走行レバーの角度センサからの出力信号が車体コントローラ5の操作制御部51に含まれる不感帯制御部を形成する演算部52に入力され、駆動状態から停止へ移行していることから、Sa=0、Sb=0、他の値=0となり、これらが演算部53,54に出力される。
演算部53では、加算部531でSaとSb、及び旋回、走行、他のリンク機構3に含まれるバケット33に係る信号値の総和Ssum_piが求められ、この総和Ssum_pi=0が判定部532に出力される。判定部532では、Ssum_pi=0に応じて判定式(1)により、Spi=0と判定される。このSpi=0と、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定部55からの回転数指令Sc_piとの積が乗算部533で求められ、その結果S1=0が車体コントローラ5からパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへ指令として与えられ、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274は停止する。これに伴ってパイロット油圧ポンプ275が停止する。
また演算部54では、加算部541でSaとSb、及びリンク機構3に含まれるバケット33からの信号値の総和Ssum_mpが求められ、この総和Ssum_mpが判定部542に出力される。判定部542では、アーム32、ブーム31の停止によりSsum_mp=0に応じて判定式(2)によりSmp=0と判定される。このSmp=0と、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定器295からの回転数指令Sc_mpとの積が乗算部543で求められ、その結果S2=0が車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ指令として与えられ。主油圧ポンプ用電動モータ271は停止する。これに伴って主油圧ポンプ272が停止する。
なお、上述した演算処理において、操作制御部51は、角度センサ293a,293sw等の感知手段からの信号が不感帯に相応するときに、最初に主電動機である主油圧ポンプ用電動モータ271を停止させ、その後に例えば数秒程度の時間遅れを持たせて、補助電動機であるパイロット油圧ポンプ用電動モータ274を停止させる制御を行う。
このように構成した第1実施形態によれば、上述のように操作機構291が操作されると、この操作機構291の操作に基づく演算が行われ、演算結果に相応する制御信号が電動機制御手段、すなわちインバータ231a,231eに出力される。これに応じて電力供給手段、すなわち駆動用バッテリ241から電力を供給されているインバータ231a,231eによって主電動機を構成する主油圧ポンプ用電動モータ271、及び補助電動機を構成するパイロット油圧ポンプ用電動モータ274の駆動が制御される。主油圧ポンプ用電動モータ271の駆動によって主油圧ポンプ272が駆動し、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の駆動によってパイロット油圧ポンプ275が駆動する。また、上述した操作機構291の操作に伴ってパイロット圧が油圧制御弁部26に含まれる油圧制御弁261の制御部に与えられてこの油圧制御弁261が切り換えられる。これにより、主油圧ポンプ272からの圧油が油圧制御弁261を介して油圧アクチュエータ、すなわち油圧シリンダ34a,34b等に供給され、これらの油圧シリンダ34a,34b等は操作機構291の操作量に応じた速度で作動する。したがって、これらの油圧シリンダ34a,34b等の作動を介して所望の作業を実施できる。
このように所望の作動を実施している状態から、待機状態とするために操作機構291の動作を停止すると、すなわち中立復帰させると、その中立復帰に相応する信号が、角度センサ293a等の感知手段から車体コントローラ5の操作制御部51に出力される。これに応じて操作制御部51は、インバータ231a,231eに主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧ポンプ用電動モータ274を停止させる制御信号を出力する。これによって主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧ポンプ用電動モータ274が直ちに停止する。これに伴って、主油圧ポンプ272及びパイロット油圧ポンプ275が停止し、油圧制御弁部26に含まれる該当する油圧制御弁261は中立位置に切り換えられ、主油圧ポンプ272から該当する油圧シリンダ34a,34b等への圧油の供給が停止し、該当する油圧シリンダ34a,34bは作動を停止する。
このように第1実施形態によれば、待機状態とするために操作機構291の操作を停止したときには、角度センサ293a等の感知手段、及び車体コントローラ5の操作制御部51を介して直ちに主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧ポンプ用電動モータ274が停止し、この操作機構291の動作を停止させた待ち時間におけるエネルギー消費を抑制することができる。これにより経済性の優れた電動式建設機械を得ることができる。
図11は本発明の第2実施形態の要部を構成する駆動回路を示す回路図、図12は図11に示す駆動回路に備えられる車体コントローラの構成を示すブロック図、図13は図12に示す車体コントローラに備えられる演算部の構成を示す図、図14は図12に示す車体コントローラに備えられる演算部の構成を示す図である。
この第2実施形態は、操作機構291の操作が停止したことを電気的に感知する感知手段として、感圧センサ801を操作レバー291a等のグリップ部分に付設したものである。感圧センサ801は、一部に圧力が加わると、内部抵抗値が低下し導電性が上がるものであり、絶縁ゴム材に導電性粒子が均等分散された状態で成形されている。例えば膜状に形成されている。無加圧状態では、導電性粒子が接触していないため、高い絶縁性を示すが、加圧すると導電性粒子が接触し、抵抗が低下し導通する。操作レバー291a等のグリップに貼れば、操作者がグリップを握ることにより電気が導通し、放せば導通せず、操作機構291の操作が停止したことが感知される。この第2実施形態では、感圧センサ801から、例えば所定時間以上にわたって導通に相応する信号が出力されるときに、操作制御部51における演算処理が実行されるようになっている。また逆に、所定時間以上にわたって非導通に相応する信号が出力されるときに、操作制御部51で操作機構291の操作が停止と判定されるようになっている。
図11には、操作レバー291aに感圧センサ801を貼付した例を示してあるが、実際には、図示しない操作レバー291b、走行レバー291c,291dにも貼付されている。感圧センサ801は、例えば車体コントローラ5から供給される定電圧源85と、車体コントローラ5との間のスイッチとして活用される。定電圧源85と感圧センサ801の間は制御配線758で接続され、感圧センサ801と車体コントローラ5の間は制御配線759で接続されている。
操作者が感圧センサ801を握れば、抵抗が下がるため導通し、定電圧源85の電圧である制御信号Spsが制御配線759を介し車体コントローラ5へ送られる。操作者が感圧センサ801を放せば、車体コントローラ5への電圧はほぼ0となる。
図12に示すように、車体コントローラ5は操作制御部51を有し、この操作制御部51には演算部56,57が設けられている。演算部56はパイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数制御を行い、演算部57は主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数制御を行う。
演算部56には、操作レバー291aに付設した感圧センサ801、及び操作レバー291b、走行レバー291c,291dのそれぞれに付設した感圧センサからの信号が入力される。ただし、説明を簡単にするために、図12では操作レバー291aの感圧センサ801からの信号Sps_opLのみを示してある。上述したように、感圧センサ801等から所定時間以上の信号Sps_opL等が出力されたときに、以下の処理が実行される。
感圧センサ801から出力される信号Sps_opL等に基づいて、図13に示す加算部561で総和Ssum_pi_psが求められ、この総和Ssum_pi_psが判定部562に出力される。判定部562では、
判定式(3)
Ssum_pi_ps=0 → Spi_ps=0
Ssum_pi_ps≧1 → Spi_ps=1
に基づく演算が行われる。なお、Spi_psは判定部562の出力である。
判定部562から出力されるSpi_psと、パイロット油圧ポンプ用電動モータ274の回転数設定部55よりの回転数指令Sc_piとが乗算部563で乗算され、その結果である値S3が車体コントローラ5からパイロット油圧ポンプ用電動モータ274に係るインバータ231eへ出力される。
演算部57には、図14に示すように、感圧センサ801からの信号Sps_opL、及びリンク機構3に含まれるブーム31,バケット33に係る信号値の他に、主油圧ポンプ用電動モータ271に係る回転数設定器295の回転数指令Sc_mpが入力される。
信号Sps_opL等に基づいて加算部571で総和Ssum_mp_psが求められ、この総和Ssum_mp_psは判定部572に入力され、
判定式(4)
Ssum_mp_ps=0 → Smp_ps=0
Ssum_mp_ps≧1 → Smp_ps=1
の演算が行われる。なお、Smp_psは判定部572の出力である。
判定部572から出力されるSmp_psと、主油圧ポンプ用電動モータ271の回転数設定部295よりの回転数指令Sc_mpとが乗算部573で乗算され、その結果である値S4が車体コントローラ5から主油圧ポンプ用電動モータ271に係るインバータ231aへ出力される。上述した動作は、第1実施形態におけるのと同様であり、判定式(3)及び判定式(4)を用いて判定が行われ、操作機構291の駆動、停止が判定される。第1実施形態におけるのと異なるのは、操作者が操作レバー、走行レバーを握っているか、いないかを感圧センサ801等で判定することであり、操作者が操作レバー、走行レバーを握っていれば、主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧用電動モータ274は駆動し、握っていなければ、主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧用電動モータ274は停止する。
このように構成した第2実施形態も上述した第1実施形態におけるのと同様の効果が得られる。なお、第2実施形態における感圧センサ801等に代えて、感知手段としてボタンスイッチを操作レバー等に設け、操作者がボタンスイッチを押してオンとした状態で操作レバー等を操作したとき、主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧用電動モータ274は駆動し、操作レバー等を中立に戻してボタンスイッチをオフとすると、主油圧ポンプ用電動モータ271、及びパイロット油圧用電動モータ274は停止するように構成することもできる。
図15は本発明の第3実施形態の要部を構成する駆動回路を示す回路図、図16は図15に示す駆動回路に備えられる信号変換器の構成を示す図である。
この第3実施形態は、特に電気レバーから成る操作レバー811を有する電気レバー装置81を備えたものである。電気レバー装置81は、レバー操作量を信号Sstに変換し、信号Sstを電気レバーコントローラ82に出力する。電気レバーコントローラ82では、信号Sstを電流値Sampに変換し、電磁操作弁83に出力する。電磁操作弁83は、ソレノイド式減圧弁から成り、電流値Sampによりソレノイドが力を発生し、これにより内部の図示しないスプールが移動し、電流値Sampに応じた操作圧Piが得られる。電磁操作弁83はレバー操作一方向に対して1個必要であるが、説明を簡単にするために図15では単に1個のみを示してある。
電磁操作弁83の上流には、パイロット油圧ポンプ275が配置され、下流には油圧制御弁261が配置されている。この油圧制御弁261のポート261a、または他のポートへパイロット油圧ポンプ275からのパイロット圧が供給されることにより、油圧制御弁261は切り換えられる。
電気レバー装置81は、同図15に示すように、電気レバーから成る操作レバー811の下部に、球面ジョイント部812で回転動作する円形状弁板813が付設されている。弁板813からは4つのロッド815a,815b,815c,815dが設けられ、さらにその下部に、操作レバー811の操作が停止したことを電気的に感知する感知手段、すなわち4つのストロークセンサ814a,814b,814c,814dが設けられている。これらのストロークセンサ814a,814b,814c,814dからは、電気信号Sst_a,Sst_b,Sst_c,Sst_dがそれぞれ出力される。電気信号Sst_a,Sst_b,Sst_c,Sst_dに基づいて電気レバーコントローラ82でレバー角度が求められ、それぞれ例えば信号Sst_f,Sst_swとして出力される。信号Sst_fはリンク機構3に応じた信号、信号Sst_swは旋回に応じた信号を示している。なお、同図15では示していないが、走行に応じた信号はSst_trとして出力される。
電気レバーコントローラ82は、図16に示すように、信号変換器821,822及び電流アンプ823を有する構成になっている。信号変換器821は信号Sst_aを信号Sst_fに変換し、信号変換器822は信号Sst_cを信号Sst_swに変換して出力する。また、電流アンプ823により、信号Sst_fは、電流値Sampに変換される。
ここで、旋回の信号Sst_swは、そのまま旋回用電動モータ281に係るインバータ231bへ直接出力される。電気レバー装置81の場合、旋回(走行)には、パイロット油圧ポンプ275のパイロット圧を信号として使用しないためである。
信号Sst_fと、電磁操作弁83の操作圧Piの関係は、上述した第1実施形態の説明に用いた図8におけるSαaとPiとの関係と同様であり、信号Sst_f,Sst_sw,Sst_tr、すなわちレバー角度と操作圧Piには、上述したように停止域と駆動域が存在する。
リンク機構3への信号Sst_fは、それぞれ車体コントローラ5にも出力される。車体コントローラ5の構成は前述した図6,7,9,10に示すものと同様である。信号Sst_fは第1実施形態におけるのと同様の演算により、電気レバーから成る操作レバー811が停止域にあればパイロット油圧ポンプ用電動モータ274、主油圧ポンプ用電動モータ271は停止し、一方、駆動域にあればこれらのパイロット油圧ポンプ用電動モータ274、主油圧ポンプ用電動モータ271は駆動する。このように電気レバーから成る操作レバー811を備えた構成にしても、上述した第1実施形態と同等の効果が得られる。
なお、上述した第1〜第3実施形態では、パイロット油圧ポンプ275と、主油圧ポンプ272が、それぞれ異なる電動モータ274,271で駆動される構成となっているが、パイロット油圧ポンプ275と主油圧ポンプ272とを同じ電動モータで駆動する構成にしてもよい。この場合には、例えば第1実施形態における演算部53のみで判定して、その電動モータを駆動制御すればよい。