JP4597723B2 - 油圧緩衝器のスプリングシート構造 - Google Patents

Description

本発明は油圧緩衝器のスプリングシート構造に関する。

油圧緩衝器のスプリングシート構造として、特許文献１に記載の如く、スプリングシートにシートラバーを着座させ、このシートラバーを介してスプリングを支持するものがある。このとき、スプリングの座巻部をシートラバーに収納し、シートラバーの周方向所定位置に設けた段部にスプリングの座巻部の端末を配置し、該シートラバーの段部をスプリングシートのシート面の周方向所定位置に設けた段部に着座させている。これにより、スプリングの圧縮に伴なう該スプリングの自軸まわりの回転を、スプリングシートのシート面の段部で受け止めて制止するものである。
特開平8-200414

特許文献１の油圧緩衝器のスプリングシート構造では、スプリングシートのシート面の周方向所定位置に前述の段部を設ける必要があり、スプリングシートの形状が複雑になることから、スプリングシートの設計に多くの時間を要し、生産工程も複雑になる。

本発明の課題は、スプリングの回転を防止する油圧緩衝器のスプリングシート構造であって、スプリングシートの形状を簡易化し、設計効率の向上と生産効率の向上を図ることにある。

請求項１の発明は、スプリングシートにシートラバーを着座させ、このシートラバーを介してスプリングを支持する油圧緩衝器のスプリングシート構造において、スプリングの座巻部をシートラバーに収納し、スプリングシートにシートラバーの移動を制止する移動制止手段を設け、シートラバーにスプリングシートの移動制止手段に対応する当接手段を設け、スプリングシートの周方向に設けたフラットなシート面にシートラバーを着座させる状態で、シートラバーの当接手段をスプリングシートの移動制止手段に係合することで、スプリングシートに対するスプリングの移動を制止するものであり、前記シートラバーが単一平面上で円弧状をなすゴム管からなり、ゴム管は、円弧の一端を閉塞端とし、円弧の他端を開口部とし、閉塞端から円弧の内周に沿って開口部にまで連続するスリットを備え、スプリングの座巻部の素線を、弾発的に拡開した上記スリットから該ゴム管に挿着可能にし、ゴム管はスプリングの素線径と同一の管内径を有し、円弧を含む平面に直交する管直径上から、反スリット側にずらした位置に、水抜き孔を穿設してなるようにしたものである。

請求項２の発明は、請求項１の発明において更に、前記スプリングシートに設ける移動制止手段が該スプリングシートの径方向に突出する突起であり、前記シートラバーに設ける当接手段が上記突起にスプリングの回転方向と径方向で係合する回転方向当接部と径方向当接部であるようにしたものである。

請求項３の発明は、請求項１の発明において更に、前記スプリングシートに設ける移動制止手段が孔であり、前記シートラバーに設ける当接手段が上記孔に係入する突起であるようにしたものである。

請求項４の発明は、請求項３の発明において更に、前記シートラバーに設ける突起が該シートラバーの軸方向に沿う突起であるようにしたものである。

請求項５の発明は、請求項１〜４のいずれかの発明において更に、前記シートラバーがゴム管の円弧の一端側に設けた閉塞端寄りに、スプリングの座巻部を確認するための孔部を備えたものである。

請求項６の発明は、請求項１〜５のいずれかの発明において更に、前記シートラバーがゴム管の円弧の一端側に設けた閉塞端寄りに、ゴム管の径方向に突出し、スプリングシートのシート面に当接する突起を備えたものである。

請求項７の発明は、請求項１〜６のいずれかの発明において更に、前記スプリングシートがシートラバーを着座させるフラットなシート面の外径側に、スプリング脱落防止フランジを設け、該スプリング脱落防止フランジに前記移動制止手段を設けたものである。

請求項８の発明は、請求項１〜７のいずれかの発明において更に、前記スプリングの仕様毎に、前記スプリングシートに設ける移動制止手段及び前記シートラバーに設ける当接手段を異ならせるようにしたものである。

請求項９の発明は、請求項１〜８のいずれかの発明において更に、前記スプリングシート上の複数の移動制止手段及び前記シートラバー上の複数の当接手段の少なくとも１つからなり、該移動制止手段及び／又は当接手段を複数位置に設けるようにしたものである。

（請求項１）
(a)スプリングシートの周方向に設けたフラットなシート面にシートラバーを着座させる状態で、シートラバーの当接手段をスプリングシートの移動制止手段に係合することで、スプリングシートに対するスプリングの移動を制止する。即ち、スプリングの圧縮に伴なう該スプリングの自軸まわりの回転を、シートラバーの当接手段を介してスプリングシートの移動制止手段に伝えて受け止めるものであり、スプリングシートのシートラバーが着座するシート面を段部のない簡易形状のフラット面にすることができる。

(b)スプリングシートの形状を簡易化できるから、設計の迅速、生産段階でプレス工程を削減する等の簡素を図ることができる。
(c)シートラバーがゴム管に水抜き孔を設け、この水抜き孔をゴム管の管直径から反スリット側にずらしたことにより、スプリングの素線により水抜き孔を塞ぐことなく、ゴム管の管内に浸入した水を確実に排出できる。

（請求項２）
(d)スプリングシートに設ける移動制止手段をスプリングシートの径方向に突出する突起とし、シートラバーに設ける当接手段を上記突起にスプリングの回転方向と径方向で係合する回転方向当接部と径方向当接部とすることにより、スプリングの回転と径方向の移動を簡易に制止して位置決めできる。

（請求項３）
(e)スプリングシートに設ける移動制止手段を孔とし、シートラバーに設ける当接手段を上記孔に係入する突起とすることにより、スプリングシートに孔を設けるだけの簡易な構成により、スプリングシートの形状を簡易にし、スプリングシートを小さく、軽量にし、作成容易にできる。

（請求項４）
(f)シートラバーに設ける突起を軸方向に沿う突起とし、この突起をスプリングシートの孔に係入することにより、スプリングの回転方向と径方向でシートラバーをスプリングシートに係合し、スプリングの回転と径方向の移動を簡易に制止して位置決めできる。

（請求項５）
(g)シートラバーがゴム管にスプリングの座巻部を確認するための孔部を備えたから、スプリングの座巻部をゴム管に挿着した状態の良否を確認できる。

（請求項６）
(h)シートラバーがゴム管の径方向に突出し、スプリングシートのシート面に当接する突起を備えたから、スプリングの伸縮時に、ゴム管がスプリングの素線の中心軸まわりのねじり変形とともに管軸まわりにねじれてスプリングシートのシート面上でばたつくことを防止できる。

（請求項７）
(i)スプリングシートにスプリング脱落防止フランジを設け、このスプリング脱落防止フランジにシートラバーのための移動制止手段を設けることができる。

（請求項８）
(j)スプリングの仕様（油圧緩衝器の仕様でもある）毎に、スプリングシートに設ける移動制止手段及びシートラバーに設ける当接手段を異ならせることにより、同一仕様のスプリングシートとシートラバーの組だけが組合せできるものとなり、誤組を防止できる。

（請求項９）
(k)スプリングの仕様（油圧緩衝器の仕様でもある）毎に、スプリングシートに設ける移動制止手段及びシートラバーに設ける当接手段を複数箇所に設けることにより、複数の仕様に対してスプリングシートとシートラバーの共用化を図り、スプリングシートとシートラバーを仕様毎に組合せできるものとしてそれらの誤組を防止できる。また複数の移動制止手段とシートラバーを併せ（同時）使用することにより確実にスプリングの移動を制止できる。

図１は参考例の油圧緩衝器を示す正面図、図２は図１の要部拡大図、図３はスプリングシートを示す平面図、図４は図３のIV−IV線に沿う断面図、図５は図３のV−V線に沿う断面図、図６はシートラバーを示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は左側面図、（Ｄ）は右側面図、図７は図６のVII−VII線に沿う断面図、図８は図６のVIII−VIII線に沿う断面図、図９は図６のIX−IX線に沿う断面図、図１０は実施例１の油圧緩衝器を示す正面図、図１１は図１０の要部拡大図、図１２はスプリングシートを示す平面図、図１３は図１２のXIII−XIII線に沿う断面図、図１４はシートラバーを示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は右側面図、（Ｄ）は（Ａ）のＤ−Ｄ線に沿う矢視図、図１５は図１４（Ａ）のXV−XV線に沿う断面図、図１６はシートラバーの変形例を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は右側面図、（Ｄ）は（Ａ）のＤ−Ｄ線に沿う矢視図、図１７は図１６（Ａ）のXVII−XVII線に沿う断面図である。

（参考例）（図１〜図９）
油圧緩衝器１０は、ストラットダンパ型であり、図１に示す如く、アウタチューブ１１（ダンパチューブ）に内蔵してあるシリンダ（不図示）にピストンロッド１２を挿入し、アウタチューブ１１に車輪側取付ブラケット１３を備えて車輪に結合されるとともに、アウタチューブ１１から突出するピストンロッド１２に車体側取付ブラケット１４を備えて車体に取付けられる。尚、車体側取付ブラケット１４は、ステー１５、上下のマウントベース１６Ａ、１６Ｂ及びマウントラバー１７からなるマウントラバー組立体１８からなり、このマウントラバー組立体１８のステー１５をピストンロッド１２の上端側小径部に挿入してナット１９で締結することにて構成されている。

油圧緩衝器１０は、アウタチューブ１１にスタビライザー取付アーム２０を備えてスタビライザー端部が連結され、不図示のスタビライザー装置を取付け可能としている。

油圧緩衝器１０は、アウタチューブ１１とピストンロッド１２を緩衝器本体とし、アウタチューブ１１の外周に固定した下スプリングシート２１と、ピストンロッド１２の周囲に設置されて車体側取付ブラケット１４に軽圧入等で固定されて背面支持されたスラストベアリング２３付きの上スプリングシート２２との間に、コイルスプリング２４を介装している。具体的には、コイルスプリング２４は、下スプリングシート２１に後述する如くに支持されるとともに、上スプリングシート２２にシートラバー２２Ａを介して支持される。

油圧緩衝器１０は、車体側取付ブラケット１４の下面に溶接してあるバンプラバー取付体２５に、ピストンロッド１２の車体側取付ブラケット１４より下部に固く抱きつくように挿着したバンプラバー２６を備える。油圧緩衝器１０は、最圧縮時に、このバンプラバー２６をアウタチューブ１１の上端面のバンプストッパキャップ２７に衝合して最圧縮ストロークを規制する。尚、本参考例において、上スプリングシート２２に設けられるシートラバー２２Ａの下端部にはダストカバー２８が一体成形され、ダストカバー２８の下端部をアウタチューブ１１に設けたカバー受２９に係止し、ダストカバー２８によりアウタチューブ１１及びピストンロッド１２を被覆する。

即ち、油圧緩衝器１０にあっては、車両が路面から受ける衝撃力をコイルスプリング２４の弾発力により吸収するように伸縮する。そして、油圧緩衝器１０は、その伸縮に伴うピストン（不図示）の上下動時に、ピストンに設けてあるピストンバルブ装置、シリンダに設けてあるベースバルブ装置等が発生する減衰力により、その伸縮振動を速やかに抑制するものである。

しかるに、油圧緩衝器１０は、下スプリングシート２１のシート面３０にシートラバー５０を着座させ、このシートラバー５０を介してコイルスプリング２４を支持するに際し、以下の構成を備える（図２〜図９）。尚、コイルスプリング２４として、有効座巻部２４Ａを３／４巻とし、コイル中心軸がＣ形に湾曲するものを用いるものとする。

(1)コイルスプリング２４をアウタチューブ１１及びピストンロッド１２に対してオフセットかつ傾斜配置する。即ち、油圧緩衝器１０の正面視（図１）で、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1をアウタチューブ１１及びピストンロッド１２の中心軸Ａに対して傾斜配置（湾曲配置も含む）させるとともに、油圧緩衝器１０の平面視（図３）で、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1がアウタチューブ１１に同軸化されている下スプリングシート２１の中心軸Ａに対しオフセット（偏心量ｅ）し、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1がピストンロッド１２に同軸化されている上スプリングシート２２の中心軸Ａに概ね合致するように、下スプリングシート２１及び上スプリングシート２２を配置する。

従って、下スプリングシート２１は、図３に示す如く、外周にて立上がる外周リブ２１Ａに囲まれる椀状をなし、コイルスプリング２４の有効座巻部２４Ａに対応するシート面３０を下スプリングシート２１の全周に渡るフラット面とし、このシート面３０にばね始端支持部３０Ａ、１／４巻支持部３０Ｂ、１／２巻支持部３０Ｃ、３／４巻支持部３０Ｄを備える。下スプリングシート２１は、１／４巻支持部３０Ｂを車体内側に、３／４巻支持部３０Ｄを車体外側に配置し、シート面３０を１／４巻支持部３０Ｂから３／４巻支持部３０Ｄに向けて下り勾配をなす傾斜平面とし、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1に合致するシート面３０の中心Ｂを下スプリングシート２１の中心軸Ａ（アウタチューブ１１の中心軸でもある）に対してオフセット（偏心量ｅ）するものである。

下スプリングシート２１は、シート面３０の外径側の全周にスプリング脱落防止フランジ３１を設け、スプリング脱落防止フランジ３１の外周に前述の外周リブ２１Ａを設ける。

(2)コイルスプリング２４の有効座巻部２４Ａをシートラバー５０に収納する。シートラバー５０は、図６、図７に示す如く、スプリングシート２１の周方向（本参考例では全周）に設けたフラットなシート面３０に着座する、単一平面上で概ね３／４円弧状をなすゴム管５１（管軸に直交する断面は円形管をなす）からなる。シートラバー５０は、ゴム管５１の円弧の一端を閉塞端５１Ａとし、円弧の他端を開口部５１Ｂとし、閉塞端５１Ａから円弧の内周に沿って開口部５１Ｂにまで連続するスリット５１Ｃを備えるとともに、閉塞端５１Ａ寄りの円弧の内周にスリット５１Ｃを含む孔部５１Ｄを備える。コイルスプリング２４の有効座巻部２４Ａの素線はシートラバー５０のスリット５１Ｃを弾発的に拡開してゴム管５１に挿着され、座巻部２４Ａの端末２４Ｂを閉塞端５１Ａに当て、コイルスプリング２４の有効巻部（立上り部）を開口部５１Ｂから外方へ延出する。孔部５１Ｄはスリット５１Ｃの拡開に伴なう引裂を防止する。

(3)スプリングシート２１は、図２〜図５に示す如く、シート面３０上でのシートラバー５０の移動を制止する移動制止手段４０を設ける。

移動制止手段４０は、スプリングシート２１においてコイルスプリング２４の座巻部２４Ａが着座するシート面３０の外周のスプリング脱落防止フランジ３１に設けられる外周リブ２１Ａの周方向に沿う２位置（１／４巻支持部３０Ｂを挟む２位置）に、スプリングシート２１の内径方向に突出する２個の突起４１、４１を設け、両突起４１、４１の相対する内壁面４１Ａ、４１Ａをコイルスプリング２４の回転（コイルスプリング２４の圧縮に伴なう該スプリング２４の自軸（コイル軸）まわりの回転）制止部とし、両突起４１、４１の突出頂点４１Ｂ、４１Ｂをコイルスプリング２４の外径制止部とする。

移動制止手段４０は、スプリングシート２１においてコイルスプリング２４の座巻部２４Ａが着座するシート面３０のばね始端支持部３０Ａ〜１／２巻支持部３０Ｃに対応する内周の周方向に沿う円弧角の範囲に内周リブ４２を延在し、この内周リブ４２をコイルスプリング２４の内径制止部とする。

(4)シートラバー５０にスプリングシート２１の移動制止手段４０に対応する当接手段６０を設ける。

当接手段６０は、シートラバー５０のゴム管５１の円弧の外周（閉塞端５１Ａからコイルスプリング２４の１／４巻部に対応する位置）に、ゴム管５１の外径方向に突出する平面視概ね四角状の突出部６１を設ける。シートラバー５０のゴム管５１をスプリングシート２１のシート面３０に着座させた状態で、ゴム管５１の突出部６１をスプリングシート２１の両突起４１、４１の間に挟み込み嵌合して保持する。即ち、コイルスプリング２４の圧縮に伴なう該スプリング２４の自軸まわりの回転力は、コイルスプリング２４の端末２４Ｂからシートラバー５０の閉塞端５１Ａ、ゴム管５１を経由して突出部６１に伝わる。そこで、ゴム管５１の円弧に沿う突出部６１の両側外壁面６１Ａ、６１Ａをスプリングシート２１の両突起４１、４１の内壁面４１Ａ、４１Ａ（回転制止部）とコイルスプリング２４の回転方向で係合する回転方向当接部とする。また、ゴム管５１の円弧の外周であって突出部６１を挟む、該突出部６１の根元たる両外周面６１Ｂ、６１Ｂをスプリングシート２１の両突起４１、４１の突出頂点４１Ｂ、４１Ｂ（外径制止部）とコイルスプリング２４の径方向で係合する外径方向当接部とする。

また、ゴム管５１の円弧の内周面であって閉塞端５１Ａから１／２円弧状をなす範囲の内周面６２をスプリングシート２１の内周リブ４２と径方向で係合する内径方向当接部とする。

シートラバー５０は、ゴム管５１の円弧の外周のいかなる位置に突出部６１を設けても良いが、Ｃ形にコイル軸線が湾曲した如くのコイルスプリング２４にあっては、座巻部２４Ａがシート面３０への着座時にシート面３０に対して角度をなし、座巻部２４Ａの一部しかシート面３０に強く載置されないものもあるから、このような場合には、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａがゴム管５１を介してスプリングシート２１のシート面３０に強く載置される位置近くに設けることが良い。

尚、当接手段６０はシートラバー５０の成形時にゴム管５１に一体成形されるものであり、寸法形状は自由に設定できる。ゴム管５１の周方向に沿う突出部６１の中央部外面に設けられている外面溝６１Ｃは、スプリングシート２１の両突起４１、４１の間で突出部６１を挟み込み嵌合する嵌合底面４１Ｃに付してある突出部位置確認マークに合致するものである。

(5)上述(1)〜(4)により、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａを挿着したシートラバー５０を、スプリングシート２１の周方向に設けたフラットなシート面３０に着座させる状態で、シートラバー５０の当接手段６０（回転方向当接部６１Ａ、外径方向当接部６１Ｂ、内径方向当接部６２）を、スプリングシート２１の移動制止手段４０（回転制止部４１Ａ、外径制止部４１Ｂ、内径制止部４２）に係合することで、スプリングシート２１に対するコイルスプリング２４の自由な移動を制止する。

スプリングシート２１の移動制止手段４０を構成する突起４１の個数、位置、及びシートラバー５０の当接手段６０を構成する突出部６１の個数、位置は任意に設定できる。コイルスプリング２４及びシートラバー５０を単一の突出部６１で確実容易に位置決めできないときには、複数の突出部６１を用いることができる。

油圧緩衝器１０やコイルスプリング２４の仕様毎に、スプリングシート２１に設ける移動制止手段４０及びシートラバー５０に設ける当接手段６０を異ならせることにより、コイルスプリング２４等の誤組を防止できる。

本参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)スプリングシート２１の周方向に設けたフラットなシート面３０にシートラバー５０を着座させる状態で、シートラバー５０の当接手段６０をスプリングシート２１の移動制止手段４０に係合することで、スプリングシート２１に対するスプリング２４の移動を制止する。即ち、スプリング２４の圧縮に伴なう該スプリング２４の自軸まわりの回転を、シートラバー５０の当接手段６０を介してスプリングシート２１の移動制止手段４０に伝えて受け止めるものであり、スプリングシート２１のシートラバー５０が着座するシート面３０を段部のない簡易形状のフラット面にすることができる。

(b)スプリングシート２１の形状を簡易化できるから、設計の迅速、生産段階でプレス工程を削減する等の簡素を図ることができる。

(c)スプリングシート２１に設ける移動制止手段４０をスプリングシート２１の径方向に突出する突起４１とし、シートラバー５０に設ける当接手段６０を上記突起４１にスプリング２４の回転方向と径方向で係合する回転方向当接部６１Ａと径方向当接部６１Ｂ、６２とすることにより、スプリング２４の回転と径方向の移動を簡易に制止して位置決めできる。

(d)スプリング２４の仕様（油圧緩衝器１０の仕様でもある）毎に、スプリングシート２１に設ける移動制止手段４０及びシートラバー５０に設ける当接手段６０を異ならせることにより、同一仕様のスプリングシート２１とシートラバー５０の組だけが組合せできるものとなり、誤組を防止できる。

(e)スプリング２４の仕様（油圧緩衝器１０の仕様でもある）毎に、スプリングシート２１に設ける移動制止手段４０及びシートラバー５０に設ける当接手段６０を複数箇所に設けることにより、複数の仕様に対してスプリングシート２１とシートラバー５０の共用化を図り、スプリングシート２１とシートラバー５０を仕様毎に組合せできるものとしてそれらの誤組を防止できる。また複数の移動制止手段４０とシートラバー５０を併せ（同時）使用することにより確実にスプリング２４の移動を制止できる。

（実施例１）（図１０〜図１７）
実施例１が上記参考例と異なる点は、下スプリングシート２１の移動制止手段７０、シートラバー８０、シートラバー８０の当接手段９０にある。

即ち、実施例１の油圧緩衝器１０は、下スプリングシート２１のシート面３０にシートラバー８０を着座させ、このシートラバー８０を介してコイルスプリング２４を支持するに際し、以下の構成を備える（図１０〜図１５）。尚、コイルスプリング２４として、有効座巻部２４Ａを３／４巻とし、コイル中心軸がストレートをなすものを用いるものとする。

(1)コイルスプリング２４をアウタチューブ１１及びピストンロッド１２に対してオフセットかつ傾斜配置する。即ち、油圧緩衝器１０の正面視（図１０）で、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1をアウタチューブ１１及びピストンロッド１２の中心軸Ａに対して傾斜配置（湾曲配置も含む）させるとともに、油圧緩衝器１０の平面視（図１２）で、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1がアウタチューブ１１に同軸化されている下スプリングシート２１の中心軸Ａに対しオフセット（偏心量ｅ）し、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1がピストンロッド１２に同軸化されている上スプリングシート２２の中心軸Ａに概ね合致するように、下スプリングシート２１及び上スプリングシート２２を配置する。

従って、下スプリングシート２１は、図１２に示す如く、外周にて立上がる外周リブ２１Ａに囲まれる椀状をなし、コイルスプリング２４の有効座巻部２４Ａに対応するシート面３０を下スプリングシート２１の全周に渡るフラット面とし、このシート面３０にばね始端支持部３０Ａ、１／４巻支持部３０Ｂ、１／２巻支持部３０Ｃ、３／４巻支持部３０Ｄを備える。下スプリングシート２１は、１／４巻支持部３０Ｂを車体内側に、３／４巻支持部３０Ｄを車体外側に配置し、シート面３０を１／４巻支持部３０Ｂから３／４巻支持部３０Ｄに向けて下り勾配をなす傾斜平面とし、コイルスプリング２４の中心軸Ｃ1に合致するシート面３０の中心Ｂを下スプリングシート２１の中心軸Ａ（アウタチューブ１１の中心軸でもある）に対してオフセット（偏心量ｅ）するものである。

(2)コイルスプリング２４の有効座巻部２４Ａをシートラバー８０に収納する。シートラバー８０は、図１４、図１５に示す如く、スプリングシート２１の周方向（本実施例では全周）に設けたフラットなシート面３０に着座する、単一平面上で概ね３／４円弧状をなすゴム管８１（管軸に直交する断面は円形管をなす）からなる。シートラバー８０は、ゴム管８１の円弧の一端を閉塞端８１Ａとし、円弧の他端を開口部８１Ｂとし、閉塞端８１Ａから円弧の内周に沿って開口部８１Ｂにまで連続するスリット８１Ｃを備える。コイルスプリング２４の有効座巻部２４Ａの素線はシートラバー８０のスリット８１Ｃを弾発的に拡開してゴム管８１に挿着され、座巻部２４Ａの端末２４Ｂを閉塞端８１Ａに当て、コイルスプリング２４の有効巻部（立上り部）を開口部８１Ｂから外方へ延出する。

(3)スプリングシート２１は、図１１〜図１３に示す如く、シート面３０上でのシートラバー８０の移動を制止する移動制止手段７０を設ける。

移動制止手段７０は、スプリングシート２１においてコイルスプリング２４の座巻部２４Ａが着座するシート面３０（１／４巻支持部３０Ｂ）に１個（複数個でも可）の孔７１を設け、この孔７１をコイルスプリング２４の回転（コイルスプリング２４の圧縮に伴なう該コイルスプリング２４の自軸（コイル軸）まわりの回転）と内外径方向に対する制止部とする。

移動制止手段７０は、孔７１まわりのシート面３０をスプリングシート２１の径方向に沿う該孔７１の外方（内外両方でも可）に渡るフラット面３２（図１２、図１３）とし、この径方向のフラット面をシート面３０の外周のスプリング脱落防止フランジ３１の側にまで及ぼす。移動制止手段７０は、スプリングシート２１の周方向で相対するフラット面３２の両壁面３２Ａ、３２Ａをコイルスプリング２４の回転制止部とし、スプリングシート２１の径方向の外側に位置するフラット面３２の外壁面３２Ｂをコイルスプリング２４の外径制止部とする。

移動制止手段７０は、スプリングシート２１においてコイルスプリング２４の座巻部２４Ａが着座するシート面３０のばね始端支持部３０Ａ〜１／２巻支持部３０Ｃに対応する内周の周方向に沿う円弧角の範囲に内周リブ７２を延在し、この内周リブ７２をコイルスプリング２４の内径制止部とする。

(4)シートラバー８０にスプリングシート２１の移動制止手段７０に対応する当接手段９０を設ける。

当接手段９０は、シートラバー８０のゴム管８１の円弧の下面でコイルスプリング２４の座巻部２４Ａの素線中心軸（半径Ｒａ、図１２、図１３、図１４（Ａ））（閉塞端８１Ａからコイルスプリング２４の１／４巻部に対応する位置）に、ゴム管８１の円弧中心軸の軸方向に沿って突出する突起９１を設ける。また、当接手段９０は、シートラバー８０のゴム管８１の上記突起９１が設けられた円弧の円形状下面に、ゴム管８１の円弧に沿う一定範囲において円弧の外径方向に突出する平面視概ね四角状の突出部９２を設ける。突出部９２はフラット面をなし、突出部９２の中央に突起９１が突出する。

シートラバー８０のゴム管８１をスプリングシート２１のフラット面３０に着座させた状態で、ゴム管８１の突起９１をスプリングシート２１の孔７１に係入して保持する。また、ゴム管８１の突出部９２をスプリングシート２１のフラット面３２の両壁面３２Ａ、３２Ａの間に挟み込み嵌合して保持する。即ち、コイルスプリング２４の圧縮に伴なうコイルスプリング２４の自軸まわりの回転力は、コイルスプリング２４の端末２４Ｂからシートラバー８０の閉塞端８１Ａ、ゴム管８１を経由して突起９１、突出部９２に伝わる。そこで、ゴム管８１の突起９１をスプリングシート２１の孔７１とコイルスプリング２４の回転方向と内外径方向で係合する当接部とする。また、ゴム管８１の突出部９２をスプリングシート２１のフラット面３２の両壁面３２Ａとコイルスプリング２４の回転方向で係合し、かつスプリングシート２１のフラット面３２の外壁面３２Ｂとコイルスプリング２４の外径方向で係合する当接部とする。尚、シートラバー８０において、突起９１を設けることは必須であるが、突出部９２を設けることは必須でない。

また、ゴム管８１の円弧の内周面であって閉塞端８１Ａから１／２円弧状をなす範囲の内周面９３をスプリングシート２１の内周リブ７２と径方向で係合する内径方向当接部とする。

シートラバー８０は、ゴム管８１の円弧の外周のいかなる位置に突起９１、突出部９２を設けても良いが、コイルスプリング２４にあっては、座巻部２４Ａがシート面３０への着座時にシート面３０に対して角度をなし、座巻部２４Ａの一部しかシート面３０に強く載置されないものもあるから、このような場合には、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａがゴム管８１を介してスプリングシート２１のシート面３０に強く載置される位置近くに設けることが良い。

尚、当接手段９０はシートラバー８０の成形時にゴム管８１に一体成形されるものであり、寸法形状は自由に設定できる。突起９１は丸棒の他、長丸棒、四角棒等であっても良い。ゴム管８１の円弧の上下両面に突起９１、突出部９２を設けることで、スプリングシート２１とシートラバー８０を左右の油圧緩衝器１０に共用できる。

シートラバー８０のゴム管８１はコイルスプリング２４の素線径と同一の管内径を有し、図１４、図１５に示す如く、円弧を含む平面に直交し、突起９１が設けられる管直径Ｌ上から反スリット８１Ｃ側にずらした上下の管壁の周方向複数位置に、水抜き孔８２を穿設して備える。このとき、ゴム管８１の管内周のうち、スリット８１Ｃに対向する内面は管直径Ａに平行をなす平面８３Ａとされ、水抜き孔８２と平面８３Ａをつなぐ内面を平面８３Ａに斜交する平面８３Ｂとし、結果としてゴム管８１の反スリット８１Ｃ側の内部を水抜き孔８２に連通する隙間が形成される。

シートラバー８０はゴム管８１の円弧の一端側に設けた閉塞端８１Ａ寄りに、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａの挿着状態を確認するための孔部８４を備える。孔部８４はゴム管８１の円弧の外周壁に設けられる。孔部８４は、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａがゴム管８１に対して挿着されたときの、座巻部２４Ａの端末に許容される閉塞端８１Ａからのずれ範囲と同じ位置に設定され、コイルスプリング２４のシートラバー８０に対する組付確認がなされる。

(5)上述(1)〜(4)により、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａを挿着したシートラバー８０を、スプリングシート２１の周方向に設けたフラットなシート面３０に着座させる状態で、シートラバー８０の当接手段９０（突起９１、突出部９２）を、スプリングシート２１の移動制止手段７０（孔７１、フラット面３２、内周リブ７２）に係合することで、スプリングシート２１に対するコイルスプリング２４の自由な移動を制止する。

スプリングシート２１の移動制止手段７０を構成する孔７１の個数、位置、及びシートラバー８０の当接手段９０を構成する突起９１、突出部９２の個数、位置は任意に設定できる。コイルスプリング２４及びシートラバー８０を単一の突起９１で確実容易に位置決めできないときには、複数の突起９１を用いることができる。

油圧緩衝器１０やコイルスプリング２４の仕様毎に、スプリングシート２１に設ける移動制止手段７０及びシートラバー８０に設ける当接手段９０を異ならせることにより、コイルスプリング２４等の誤組を防止できる。

本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)スプリングシート２１の周方向に設けたフラットなシート面３０にシートラバー８０を着座させる状態で、シートラバー８０の当接手段９０をスプリングシート２１の移動制止手段７０に係合することで、スプリングシート２１に対するスプリングの移動を制止する。即ち、コイルスプリング２４の圧縮に伴なう該コイルスプリング２４の自軸まわりの回転を、シートラバー８０の当接手段９０を介してスプリングシート２１の移動制止手段７０に伝えて受け止めるものであり、スプリングシート２１のシートラバー８０が着座するシート面３０を段部のない簡易形状のフラット面にすることができる。

(b)スプリングシート２１の形状を簡易化できるから、設計の迅速、生産段階でプレス工程を削減する等の簡素を図ることができる。

(c)スプリングシート２１に設ける移動制止手段７０を孔７１とし、シートラバー８０に設ける当接手段９０を上記孔７１に係入する突起９１とすることにより、スプリングシート２１に孔７１を設けるだけの簡易な構成により、スプリングシート２１の形状を簡易にし、スプリングシート２１を小さく、軽量にし、作成容易にできる。

(d)シートラバー８０に設ける突起９１を軸方向に沿う突起９１とし、この突起９１をスプリングシート２１の孔７１に係入することにより、コイルスプリング２４の回転方向と径方向でシートラバー８０をスプリングシート２１に係合し、コイルスプリング２４の回転と径方向の移動を簡易に制止して位置決めできる。

(e)シートラバー８０をゴム管８１とすることにより、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａをシートラバー８０に簡易確実に収納できる。

(f)シートラバー８０がゴム管８１に水抜き孔８２を設け、この水抜き孔８２をゴム管８１の管直径から反スリット側にずらしたことにより、コイルスプリング２４の素線により水抜き孔８２を塞ぐことなく、ゴム管８１の管内に浸入した水を確実に排出できる。

(g)シートラバー８０がゴム管８１にコイルスプリング２４の座巻部２４Ａを確認するための孔部８４を備えたから、コイルスプリング２４の座巻部２４Ａをゴム管８１に挿着した状態の良否を確認できる。

(h)スプリングシート２１にスプリング脱落防止フランジ３１を設け、このスプリング脱落防止フランジ３１にシートラバー８０のための移動制止手段７０を設けることができる。

(i)コイルスプリング２４の仕様（油圧緩衝器１０の仕様でもある）毎に、スプリングシート２１に設ける移動制止手段７０及びシートラバー８０に設ける当接手段９０を異ならせることにより、同一仕様のスプリングシート２１とシートラバー８０の組だけが組合せできるものとなり、誤組を防止できる。

(j)コイルスプリング２４の仕様（油圧緩衝器１０の仕様でもある）毎に、スプリングシート２１に設ける移動制止手段７０及びシートラバー８０に設ける当接手段９０を複数箇所に設けることにより、複数の仕様に対してスプリングシート２１とシートラバー８０の共用化を図り、スプリングシート２１とシートラバー８０を仕様毎に組合せできるものとしてそれらの誤組を防止できる。また複数の移動制止手段７０とシートラバー８０を併せ（同時）使用することにより確実にスプリングの移動を制止できる。

図１６、図１７の変形例に係るシートラバー１００が、図１４、図１５の実施例に係るシートラバー８０と異なる点は、ゴム管８１の円弧の一端側に設けた閉塞端８１Ａ寄りに、ゴム管８１の径方向に突出し、スプリングシート２１のシート面３０に当接する突起１０１を設けたことにある。突起１０１は、ゴム管８１の円弧の内周壁に設けられ、ゴム管８１の円弧の内径方向に突出する。突起１０１の下面（左右の油圧緩衝器１０への共用化のために上面も同じ）は、スプリングシート２１の始端支持部３０Ａでシート面３０〜内周リブ７２の径方向に沿う湾曲面に倣って着座する。

従って、シートラバー１００を用いる油圧緩衝器１０にあっては、シートラバー８０がゴム管８１の径方向に突出し、スプリングシート２１のシート面３０に当接する突起１０１を備えたから、コイルスプリング２４の伸縮時に、ゴム管８１がコイルスプリング２４の素線の中心軸まわりのねじり変形とともに管軸まわりにねじれてスプリングシート２１のシート面３０上でばたつくことを防止できる。

以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、コイルスプリング２４は、Ｃ形にコイル軸線が湾曲したものに限らない、Ｓ形などのコイル軸線が湾曲したばねとすることにより、上下のスプリングシート２１、２２に挟持されたとき、該ばね自体で横力を発生する。但し、コイルスプリング２４として、ストレートばねを採用することもできる。

シートラバーの材料は、ゴム（ＮＲ）等の弾性材料であれば良く、樹脂でも良い。

図１は参考例の油圧緩衝器を示す正面図である。 図２は図１の要部拡大図である。 図３はスプリングシートを示す平面図である。 図４は図３のIV−IV線に沿う断面図である。 図５は図３のV−V線に沿う断面図である。 図６はシートラバーを示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は左側面図、（Ｄ）は右側面図である。 図７は図６のVII−VII線に沿う断面図である。 図８は図６のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図９は図６のIX−IX線に沿う断面図である。 図１０は実施例１の油圧緩衝器を示す正面図である。 図１１は図１０の要部拡大図である。 図１２はスプリングシートを示す平面図である。 図１３は図１２のXIII−XIII線に沿う断面図である。 図１４はシートラバーを示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は右側面図、（Ｄ）は（Ａ）のＤ−Ｄ線に沿う矢視図である。 図１５は図１４（Ａ）のXV−XV線に沿う断面図である。 図１６はシートラバーの変形例を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図、（Ｃ）は右側面図、（Ｄ）は（Ａ）のＤ−Ｄ線に沿う矢視図である。 図１７は図１６（Ａ）のXVII−XVII線に沿う断面図である。

符号の説明

１０ 油圧緩衝器
２１ スプリングシート
２４ スプリング
２４Ａ 座巻部
３０ シート面
３１ スプリング脱落防止フランジ
４０ 移動制止手段
４１ 突起
５０ シートラバー
６０ 当接手段
６１ 突出部
６１Ａ 回転方向当接部
６１Ｂ 径方向当接部
７０ 移動制止手段
７１ 孔
８０ シートラバー
８１ ゴム管
８１Ａ 閉塞端
８１Ｂ 開口部
８１Ｃ スリット
８２ 水抜き孔
８４ 確認用孔部
９０ 当接手段
９１ 突起
１００ シートラバー
１０１ 突起

Claims (9)

1. スプリングシートにシートラバーを着座させ、このシートラバーを介してスプリングを支持する油圧緩衝器のスプリングシート構造において、
   スプリングの座巻部をシートラバーに収納し、
   スプリングシートにシートラバーの移動を制止する移動制止手段を設け、
   シートラバーにスプリングシートの移動制止手段に対応する当接手段を設け、
   スプリングシートの周方向に設けたフラットなシート面にシートラバーを着座させる状態で、シートラバーの当接手段をスプリングシートの移動制止手段に係合することで、スプリングシートに対するスプリングの移動を制止するものであり、
   前記シートラバーが単一平面上で円弧状をなすゴム管からなり、
   ゴム管は、円弧の一端を閉塞端とし、円弧の他端を開口部とし、閉塞端から円弧の内周に沿って開口部にまで連続するスリットを備え、スプリングの座巻部の素線を、弾発的に拡開した上記スリットから該ゴム管に挿着可能にし、
   ゴム管はスプリングの素線径と同一の管内径を有し、円弧を含む平面に直交する管直径上から、反スリット側にずらした位置に、水抜き孔を穿設してなることを特徴とする油圧緩衝器のスプリングシート構造。
2. 前記スプリングシートに設ける移動制止手段が該スプリングシートの径方向に突出する突起であり、前記シートラバーに設ける当接手段が上記突起にスプリングの回転方向と径方向で係合する回転方向当接部と径方向当接部である請求項１に記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
3. 前記スプリングシートに設ける移動制止手段が孔であり、前記シートラバーに設ける当接手段が上記孔に係入する突起である請求項１に記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
4. 前記シートラバーに設ける突起が該シートラバーの軸方向に沿う突起である請求項３に記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
5. 前記シートラバーがゴム管の円弧の一端側に設けた閉塞端寄りに、スプリングの座巻部を確認するための孔部を備えた請求項１〜４のいずれかに記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
6. 前記シートラバーがゴム管の円弧の一端側に設けた閉塞端寄りに、ゴム管の径方向に突出し、スプリングシートのシート面に当接する突起を備えた請求項１〜５のいずれかに記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
7. 前記スプリングシートがシートラバーを着座させるフラットなシート面の外径側に、スプリング脱落防止フランジを設け、該スプリング脱落防止フランジに前記移動制止手段を設けた請求項１〜６のいずれかに記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
8. 前記スプリングの仕様毎に、前記スプリングシートに設ける移動制止手段及び前記シートラバーに設ける当接手段を異ならせる請求項１〜７のいずれかに記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。
9. 前記スプリングシート上の複数の移動制止手段及び
   前記シートラバー上の複数の当接手段の少なくとも１つからなり、
   該移動制止手段及び／又は当接手段を複数位置に設ける請求項１〜８のいずれかに記載の油圧緩衝器のスプリングシート構造。

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