JP4588299B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体および該発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体および該発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟で圧縮永久歪の少ないオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体、および当該発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車用ウエザーストリップスポンジ、隙間埋め材用発泡シート、建築用サッシシールスポンジ、管継ぎ手用シールスポンジ、プロテクトスポンジ、断熱スポンジチューブ等のエラストマーの発泡体を製造する方法として、天然ゴムあるいは合成ゴムに、補強剤、充填剤と軟化剤等を密閉式混練機で混練温度120〜180℃、混練時間3〜15分で混練後、この混練物を一旦室温付近まで冷却し、冷却した混練物に加硫剤、加硫促進剤と発泡剤を、練りロール機や密閉式混練機を使用し、早期加硫を起こさないように40〜100℃で混練し、発泡性混練物を得た後、所定の形状に成型して加熱することにより、加硫と発泡を同時に行ない発泡体を得るという方法が知られている。
【0003】
しかしながら、上記のような方法では、発泡性混練物を得るのに手間が掛かること、加硫と発泡を行うのに、150〜300℃で、5〜30分の時間が必要になり、多量のエネルギを必要とすること、加硫中にSOxなどの有害なガスが発生すること等、工業的生産上不利であるばかりでなく、出来あがった製品は加硫ゴムであるため容易にリサイクルが出来ず、環境面でも多くの問題を有している。
【0004】
このような問題を解決する方法として、軟質オレフィン系プラスチック、たとえばエチレン・酢酸ビニル共重合体、低密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を用いる方法が既に知られている。このような軟質オレフィン系プラスチックを用いる方法によれば、上述の混練工程や加硫工程を省略できる場合がある。 しかしながら、軟質オレフィン系プラスチックは、基本的に、ゴムに比べて柔軟性と耐圧縮永久歪性に劣り、得られる発泡体の用途が大きく制限され、加硫ゴムの代替は出来ないという問題がある。
【0005】
一方、軟質オレフィン系プラスチックと加硫ゴムの中間の性能を示す材料として、オレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系プラスチックとからなる部分架橋された組成物が、熱可塑性エラストマーとして使用できることは、たとえば特許文献1、特許文献2により公知である。
【0006】
しかしながら、これらの熱可塑性エラストマーにおいては、オレフィン系プラスチック成分は、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理した時に分解し、溶融時の張力が劣るため、脱泡しやすく、発泡体が得られてもせいぜい1.5倍程度の発泡倍率で、しかも脱泡による肌荒れが顕著であるという問題がある。
【0007】
また、特許文献3によれば、結晶性ポリオレフィンプラスチックとゴムの混合物からなる熱可塑性エラストマー組成物を、水を使用して発泡さす方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、この方法では、特殊な発泡専用押出機を使用し、極狭い温度範囲内でのみ発泡が可能なこと、完全フェノール架橋された熱可塑性エラストマー組成物を使用した場合は、押出外観が極めて悪いこと、部分架橋または非架橋の熱可塑性エラストマー組成物を使用した場合は、圧縮永久歪が大きく、加硫ゴムを代替できるほどの汎用性はないという問題がある.
【0009】
一般に、熱可塑性樹脂発泡体の形成機構は非特許文献1に説明されているように、以下の4つの過程に大別できる。(1)気泡の生成 (2)気泡の成長 (3)気泡の維持と固化 (4)発泡体の安定化の4過程である。高倍率発泡体を得るためには、次のような技術課題の克服が必要である。
第1に気泡の成長過程で気泡膜(気泡壁)をいかに薄くするかという「気泡膜の薄膜化」、第2に流動可能な状態にある薄膜の気泡を固化に至るまでいかに維持するかという「気泡の維持と固化」、第3に気泡へのガスの出入りに起因する発泡体の形状(寸法)変化をいかに安定させるかという「発泡体の形状安定化」の課題である。
これら3つの課題において、「気泡の薄膜化」は、特に伸長粘度が関与する過程であると考えられている。
【0010】
このような状況下、たとえば特許文献4では、特定の分子量Mz、分子量分布Mz/Mw、平衡クリープコンプライアンスJe 0、及び回復可能なせん断ひずみで規定したポリプロピレンのシート状発泡体が開示されている。
しかしながら前記においては、均一な気泡構造と表面の平坦性を得るため、平衡クリープコンプライアンスJe 0は1.2×10-3Pa-1より上の値が必要としている。
【0011】
特許文献5では伸長粘度、平衡クリープコンプライアンス、発泡体の密度、独立気泡率で規定したポリプロピレン系樹脂押出発泡体が開示されている。
伸長粘度がひずみ量の増加に伴って急激に上昇する樹脂で、かつ平衡クリープコンプライアンスが1.2×10-3Pa-1未満のものが、良好な発泡性を示し、厚肉であっても密度が低く均一かつ微細なポリプロピレン系樹脂押出発泡体が得られるとしている。しかしながら、伸長粘度がひずみ量の増加に伴って急激に上昇しない樹脂は、平衡クリープコンプライアンスが1.2×10-3Pa-1未満のものでも発泡性が悪いと比較例に記載されている。
このようにポリプロピレン系樹脂の発泡体では、平衡クリープコンプライアンスが1.2×10-3Pa-1以上でも、未満でも、良好な発泡成形品を得ることができる。実質上、ポリプロピレン系樹脂の発泡体では平衡クリープコンプライアンスは発泡性とは無関係であると考えられる。
【0012】
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、上記のポリプロピレン系樹脂組成物の発泡体と異なり、オレフィン系プラスチックの中に、架橋されたオレフィン系共重合体ゴムは分散粒子の形態で分散している構造をもつ。このような分散粒子の分散した構造を持つ物は、発泡成形の際にセル膜が破れやすく、低い密度の発泡体を得るのは容易でない。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の特徴として、一度は大きく膨らんだセルが、樹脂組成物のゴム弾性的性質により収縮してしまい、低い密度の良好な発泡体を得ることは容易でない。このように、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、低い密度の発泡体が得られていないのが実情である。
【0013】
したがって、汎用性の高い成形機で成形可能で、発泡体の外観が良好で、低密度で、圧縮永久歪が少ない、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を提供可能な発泡用組成物、およびこの組成物を成形して成る発泡体の出現が強く望まれている。
また、最近は上記の性質に加えて、折れ皺の防止の観点から、より微細な気泡構造を有する発泡体が望まれる場合もある。
【0014】
また、特許文献6によれば、オレフィン系熱可塑性エラストマーに有機あるいは無機系の熱分解型発泡剤を混合し、発泡体を得る方法が開示されているが、微細な気泡が得られず折れ皺が発生するという問題がある。
【0015】
【特許文献1】
特開昭48−26838号公報
【特許文献2】
特開昭54−112967号公報
【特許文献3】
特開平6−73222号公報
【特許文献4】
特許2521388号公報
【特許文献5】
特開平10−195219号公報
【特許文献6】
特開平09−143297号公報
【非特許文献1】
成形加工 第12巻 第11号 2000 706ページ
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の課題は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、肌荒れがなく、発泡体の密度が低く、圧縮永久歪が少ない、加硫ゴム代替が可能な、優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体、および該発泡体を製造することができる組成物を提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、微細な気泡構造を有し、発泡体の概観が良好で折れ皺の発生が少なく、低密度で圧縮永久歪が少ない、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体、およびその発泡体を製造しうる組成物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上述の課題を解決すべく検討した結果、下記手段により目的を達成することを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、下記の発泡体と発泡体用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を包含する。
(1) 発泡体の密度ρが700kg/m3未満の範囲にあり、かつ、
発泡体を50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後の圧縮永久歪Csが60%未満であるオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
(2) 有効網目鎖濃度νが3.0×10-5(モル/cm3)〜2.0×10-4(モル/cm3)である(1)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
(3)発泡体の気泡の平均径が300μm未満の範囲にある(1)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
(4)(1)に記載の発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、オレフィン系プラスチックと架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとを含有し、かつ、平衡クリープコンプライアンスJe 0が、1.0×10-6(Pa-1)から5.0×10-4(Pa-1)の範囲にあるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(5) 架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとオレフィン系プラスチックとの合計量100重量部に対し、架橋されたオレフィン系共重合体ゴム40〜90重量部と、オレフィン系プラスチック10〜60重量部を含有する(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(6)架橋されたオレフィン系共重合体ゴムが有機ペルオキシドで架橋されたオレフィン系共重合体ゴムである(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(7)架橋されたオレフィン系共重合体ゴムと、オレフィン系プラスチックの合計量100重量部に対し、軟化剤を0〜150重量部含有してなる(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(8)オレフィン系プラスチックと架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとの合計100重量部に対し、発泡助剤を0.01重量部〜10重量部含有してなる(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(9)有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(a)と、
有機パーオキシド架橋型オレフィン系ゴムとを、
架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と、
有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b)とを溶融混練して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、
該有機パーオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(b)は、135℃デカリン中で測定した[η]が5dl/g以上の高分子量成分を5〜40質量%含有し、かつ溶融張力が2〜20gであり、230℃、2.16kg荷重のMFRが0.1〜20 g/10分の範囲にあることを特徴とする(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(10)オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して有機パーオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(b)を1〜40重量部用いることを特徴とする(9)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
(11)(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を有機または無機の熱分解型発泡剤、二酸化炭素、窒素から選ばれる少なくとも1種の発泡剤を用いて発泡させてなるオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
(12)(4)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、熱分解型発泡剤と多価カルボン酸系の発泡助剤を用いて発泡させてなるオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
(13)発泡体が自動車用ウエザーストリップスポンジ、隙間埋め材用発泡シート、建築用サッシシールスポンジ、管継ぎ手用シールスポンジ、プロテクトスポンジまたは断熱スポンジチューブである(1)に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
【0018】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物、及び発泡体について具体的に説明する。
【0019】
オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物からなる本発明の発泡体の密度は700kg/m3未満、好ましくは650kg/m3未満、特に好ましくは300〜600kg/m3の範囲にあることが望ましい。この範囲の密度の発泡体は、柔軟性、クッション性、軽量性、断熱性等を十分に発揮でき、実用性が高い。
発泡体密度の下限はその目的に応じて決定され、特に限定するものではないが、例えば 100kg/m3以上であると発泡体の製造が容易である。
また、発泡体の気泡径は、好ましくは300μm未満、より好ましくは200 μm未満であることが、折り皺を少なくする観点から好ましい。気泡径の下限はその目的に応じて決定され、特に限定するものではないが、例えば 50μm以上であると発泡体の製造が容易である。
【0020】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の圧縮永久歪は60%未満、好ましくは50%未満であることが望ましい。この範囲であると、自動車用ウエザーストリップ・スポンジを初めとし、隙間埋め材用発泡シート、建築用サッシシールスポンジ、管継ぎ手用シールスポンジ、プロテクトスポンジ、断熱スポンジチューブ等の殆どの密封材用途に加硫ゴムの代替として使用できる。
【0021】
なお、発泡体の圧縮永久歪の測定は図6に例示したように、断面の大きさや、中空断面形状か充実断面形状かを問わず、長さ3cmの試験片を、最も平坦な面を基底面とし、2枚の平行で平滑に仕上げた研磨したステンレス鋼鈑から成る圧縮板に挟み、基底面に垂直な方向に50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後、オーブンから取りだし圧縮を開放し、平滑な台上に30分間静置後の値を示す。また断面形状により圧縮方向が規定されている場合は、規定の方向に圧縮し、前述の条件で測定して求める。なお図6の断面形状は極く一部の例であり、本発明はこの形状に限定されるものではない。
【0022】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の有効網目鎖濃度νは3.0×10-5(モル/cm3)〜2.0×10-4(モル/cm3)であることが望ましい。発泡体の有効網目鎖濃度は、発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の有効網目鎖濃度と同様である。有効網目鎖濃度の好ましい範囲、制御方法、測定方法は後述する。
【0023】
発泡体用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
前記オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体製造用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、平衡クリープコンプライアンスJe 0が、1.0×10-6(Pa-1)から5.0×10-4(Pa-1)、好ましくは1.0×10-5(Pa-1)から3.0×10-4(Pa-1)、より好ましくは1.0×10-5(Pa-1)から1.5×10-4(Pa-1)の範囲にある。
【0024】
ここで、平衡クリープコンプライアンスJe 0について説明する。
クリープコンプライアンスJ(t)(Pa-1)は、サンプルに与えた一定応力σ0(Pa)及び測定より得られるひずみγ(t)から下記数式1で定義される。
【0025】
【式1】
Figure 0004588299
J(t)の測定は、動的粘弾性測定装置、例えば回転式レオメーター、ストレスレオメーター等を用いて測定温度(本発明においては170℃)及び応力σ0(本発明においては1000Paから10000Pa)を一定に保ちながら行われる。
図1に示すようにこのクリープコンプライアンスJ(t)を、一定応力σ0を与え始めてからの時間t(s)に対してプロットすると十分な時間が経過したのち、クリープコンプライアンスJ(t)は時間tに対して直線関係を与えるようになる。
平衡クリープコンプライアンスJe 0は、下記数式2及び図1に示すようにこの直線部分を時間t=0に補外したときの切片として与えられる。
【0026】
【式2】
Figure 0004588299
【0027】
続いて平衡リカバリーコンプライアンスJrについて説明する。
一定応力σ0をある一定時間与えたのち、応力を0Paに開放すると、樹脂の弾性的な挙動によりひずみが回復する。図1に示すようにこの回復したひずみに対応するコンプライアンスを平衡リカバリーコンプライアンスJrという。
平衡クリープコンプライアンスJe 0と平衡リカバリーコンプライアンスJrは均一系の樹脂に関しては等しく、これは「RHEOLOGY −PRINCIPLES, MEASUREMENTS, AND APPLICATIONS」(Christopher W. Macosko)119〜121ページに説明されている。
【0028】
樹脂組成物のクリープ特性と発泡成形との関連について、バネとダッシュポットを直列につないだ図2に示すようなマクスウェルモデルを基に考えることとする。樹脂に一定応力σ0を与えると、樹脂は、σ0を与えた直後の瞬間にバネの弾性的な性質によりひずみ、その後の長い時間にダッシュポットの粘性的な性質によりひずむ。したがってこの瞬間的なひずみに対応する平衡クリープコンプライアンスJe 0はバネの弾性率の逆数に相当し、長い時間のひずみから求まる直線の傾きは粘度の逆数に相当する。
応力を開放するとダッシュポットの粘性的なひずみは戻らないが、バネの弾性的なひずみは元に戻る。これは初期のひずみと等しくなる。
【0029】
良好な発泡体を生成するためには微細な気泡を均一に分散させる必要がある。ガスが樹脂組成物に溶解している状態では、圧力は均一で等方的であるが、気泡核が生じ、気泡(セル)が大きさを持つようになると、急激なセルの体積膨張によりセル内部の圧力は急激に低下する。図3に数値シミュレーションによる、セル内圧力及びセル径の経時変化を示す。図で白抜きのプロットはセル内圧力を黒のプロットはセル径を示し、三角のプロットは粘度η=1×104Pa・s、四角のプロットはη=1×105Pa・s、ひし形のプロットはη=1×106Pa・sのケースを示している。
【0030】
数値シミュレーションに用いた関係式は以下のものである。
【0031】
【式3】
Figure 0004588299
【0032】
【式4】
Figure 0004588299
【0033】
【式5】
Figure 0004588299
【0034】
【式6】
Figure 0004588299
【0035】
【式7】
Figure 0004588299
【0036】
セル内部圧力は、図3に示す通り、短時間で急激に減少し、対応してセル径は急激に増大する。
このように短時間での急激な圧力変化による瞬間的な高い応力に対して、平衡クリープコンプライアンスが大きいもの(瞬間変形するバネの弾性率が小さいもの)は大きな変形をする。すなわち、セルが粗大化し、破泡しやすい。微細なセル径の発泡体を得るためには、瞬間的な高い応力に対して、平衡クリープコンプライアンスの小さいもの(瞬間変形するバネの弾性率が大きいもの)が要求される。
【0037】
また、発泡したセルは、樹脂の粘弾性による力と、セル内部の圧力とが釣り合った状態になり、冷却固化されるまで釣り合った状態を保つ。平衡リカバリーコンプライアンスの大きいものは、大きく瞬間変形したバネが回復するため、冷却によるセル内部のガスの温度低下による体積収縮(圧力低下)により、セル壁を構成する樹脂の変形が回復し、セルが大きく収縮する。
平衡リカバリーコンプライアンスの小さいものは、瞬間的な高い応力で変形する量は少なく、冷却に伴うガスの圧力低下が起っても、回復するひずみが小さいため、膨らんだセル壁の樹脂の変形回復が小さいため、セルの収縮が小さい。熱可塑性エラストマー組成物に関して発泡成形における発泡成形性とクリープ特性との間には、上記の関係があり、この関係を利用すれば樹脂のレオロジー特性から気泡構造及び発泡性を制御することが可能となる。
【0038】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、架橋されたオレフィン系共重合体ゴムが40〜90重量部、好ましくは50〜85重量部、より好ましくは55〜80重量部、オレフィン系プラスチックが10〜60重量部、好ましくは15〜50重量部、より好ましくは20〜45重量部であることが、成形性良好で、柔軟な発泡体を得る上で望ましい。(架橋されたオレフィン系ゴムとオレフィン系プラスチックの合計量を100重量部とする。)
架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとしては、フェノール系架橋剤で架橋されたオレフィン系共重合体ゴムでもよいが、特に有機ペルオキシドで架橋されたオレフィン系共重合体ゴムが好ましい。
【0039】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物においては、平衡クリープコンプライアンスの最適化を図るために、有機ペルオキシドの存在下で有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムと有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの一部を動的に熱処理し、有機ペルオキシドの架橋・分解反応を終了した後に、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの残部を混合することが好ましい。
【0040】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に使用される有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムは、エチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体、またはエチレンと炭素原子数が3〜20のα- オレフィンと非共役ポリエンとからなる無定形ランダムな弾性共重合体であって、有機ペルオキシドと混合し、加熱下で混練することによって、架橋して流動性が低下するか、あるいは流動しなくなるオレフィン系共重合体ゴムをいい、動的架橋時の有機ペルオキシドによる有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの分解を抑止し、発泡体へのゴム弾性付与と圧縮永久歪の低減に重要な役目を担う。このようなオレフィン系共重合体ゴムとして、具体的には、以下のようなゴムが挙げられる。
【0041】
エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、ないしエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであることが好ましい。エチレンとα-オレフィンに由来する構造単位のモル比(エチレン/α-オレフィン)は55/45〜85/15、好ましくは60/40〜80/20の範囲にあるのが望ましい。
【0042】
α-オレフィンとしては炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10である。具体的なものとしてはプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどがあげられる。これらの中ではプロピレン、1-ブテンが好ましい。
【0043】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを製造する際の非共役ポリエンとしては、環状あるいは鎖状の非共役ポリエンが用いられる。環状非共役ポリエンとしては、たとえば5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデンなどが挙げられる。また、鎖状の非共役ポリエンとしては、たとえば1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、4-エチリデン-1,7-ウンデカジエンなどが挙げられる。中でも5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネンが好ましく使用できる.これらの非共役ポリエンは、単独あるいは2種以上混合して用いられ、その共重合量は、ヨウ素価表示で3〜50、好ましくは5〜45、より好ましくは8〜40であることが望ましく、動的架橋時の有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの分解を抑止し、平衡クリープコンプライアンスの値を最適化し高発泡性を付与するため、及び有効網目鎖濃度を高め圧縮永久歪を改善するためには、ヨウ素価10よりも高い値であることが望ましい。
【0044】
エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、ないしエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムの135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度[η]は、0.8〜6.0dl/g、好ましくは1.0〜5.0dl/g、より好ましくは1.1〜4.0dl/gの範囲にあるのが望ましい。
【0045】
上記のような特性を有するエチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、ないしエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムは、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行)」、309〜330頁などに記載されている従来公知の方法により調製することができる。
【0046】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に使用されるオレフィン系プラスチックは、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックであることが好ましい。 このようなオレフィン系プラスチックとしては、炭素原子数が3〜20のα- オレフィンの含有量が50〜100モル%である単独重合体、あるいは共重合体を挙げることができるが、アイソタクチックポリプロピレンまたはプロピレン・α- オレフィン共重合体が好ましい。アイソタクチックポリプロピレンはホモ、ランダム、ブロックタイプのいずれでもよく、任意のメルトフローレートのものが使用できるが、平衡クリープコンプライアンスの最適化を図るためには、次の方法によりオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造するのが特に好ましい。
【0047】
即ち、有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(a)と、
有機パーオキシド架橋型オレフィン系ゴムとを、
架橋剤の存在下で動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と、
有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b)とを溶融混練することによりオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する方法であり、
該有機パーオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(b)は、極限粘度[η](135℃のデカリン中で測定)が5dl/g以上の高分子量成分を5〜40質量%、好ましくは8〜35質量%含有し、かつ溶融張力(押出ノズル径2.095mm、ノズル長さ8mm、押出温度230℃、押出速度15mm/min、引き取り速度15m/minで測定)が2〜20g、好ましくは2〜18gであり、230℃、2.16kg荷重のMFRが0.1〜20g/10分、好ましくは0.5〜15g/10分の範囲にあることを特徴とする。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して有機パーオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(b)は、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは 2 〜30重量部用いられる。
非架橋型オレフィン系プラスチック(b)として、従来技術で一般的に使用されているメルトフローレート値(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)0.01〜2g/10分の範囲のポリプロピレンを使用しても発泡性は改良されるとは限らないので、前記した高分子量成分の含有量、MFR、溶融張力を満たすものを使用することが好ましい。
なお、本発明においては、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(a),(b)は、組成物の流動性、発泡性、機械的強度および耐熱性を付与する役割をもつ。(a)と(b)の重量比は、(a)100重量部に対して、(b)を好ましくは 10〜350 重量部、より好ましくは 20 〜300重量部用いる。
また、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック(a)のメルトフローレート値(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.5〜50g/10分であり、特に好ましくは1〜40g/10分である。
【0048】
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムと、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム以外のゴムを用いることもできる。このようなペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム以外のゴムとしては、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)等のジエン系ゴム、シリコンゴムなどが挙げられる。
【0049】
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック以外の、有機ペルオキシド非架橋型ゴム状物質を含んでいてもよい。
【0050】
この有機ペルオキシド非架橋型ゴム状物質は、有機ペルオキシドと混合し、加熱下で混練しても架橋せず、流動性が低下しない炭化水素系のゴム状物質であり、具体的には、ポリイソブチレン、ブチルゴム、プロピレン含量が70モル%以上のプロピレン・エチレン共重合体ゴム、プロピレン・1-ブテン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの内では、ポリイソブチレン、ブチルゴムが性能および取扱い上好ましい。特にムーニー粘度[ML(1+4)100℃]が60以下であるポリイソブチレン、ブチルゴムが、組成物の流動性を改善する点で好ましい。
【0051】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を製造する際に使用される架橋剤としては、有機ペルオキシドが好ましい。
有機ペルオキシドとしては、具体的には、ジクミル有機ペルオキシド、ジ-tert-ブチル有機ペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイル有機ペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイル有機ペルオキシド、tert- ブチルペルオキシベンゾエート、tert- ブチルペルベンゾエート、tert- ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチル有機ペルオキシド、ラウロイル有機ペルオキシド、tert- ブチルクミル有機ペルオキシドなどが挙げられる。
【0052】
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5- ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert- ブチルペルオキシ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4- ビス(tert- ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、中でも、1,3-ビス(tert- ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0053】
本発明においては、上記有機ペルオキシドによる部分架橋処理に際し、硫黄、p-キノンジオキシム、p,p'- ジベンゾイルキノンジオキシム、N-メチル-N-4- ジニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパン-N,N'-m-フェニレンジマレイミドのようなペルオキシ架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレートのような多官能性メタクリレートモノマー、ビニルブチラート、ビニルステアレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
【0054】
上記のような化合物を用いることにより、均一かつ緩和な架橋反応が期待できる。特に、本発明においては、ジビニルベンゼンが最も好ましい。ジビニルベンゼンは、取扱い易く、上記の被架橋処理物の主成分である有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックとの相溶性が良好であり、かつ、有機過酸化物を可溶化する作用を有し、有機過酸化物の分散剤として働くため、熱処理による架橋効果が均質で、流動性と物性とのバランスのとれた部分架橋熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0055】
本発明においては、上記のような架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーは、上記の被架橋処理物全体に対して、0.5〜5重量%、好ましくは0.6〜4重量%、より好ましくは0.7〜3重量%の割合で用いるのが好ましく、従来技術より多量配合することが望ましい。架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの配合割合が上記範囲にあると、圧縮永久歪が小さく、成形性の良好な発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0056】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、有効網目鎖濃度が、従来技術よりも高い、3.0×10-5(モル/cm3)〜2.0×10-4(モル/cm3)、好ましくは5.0×10-5(モル/cm3)〜1.8×10-4(モル/cm3)であることが、良好な発泡体外観と、発泡体の圧縮永久歪を改善するために望ましい。
有効網目鎖濃度を制御する方法としては、例えば架橋剤の使用量を制御すること、エチレンとα-オレフィンに由来する構造単位のモル比(エチレン/α-オレフィン)を制御すること、およびエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムを製造する際の非共役ポリエンの含有量を制御することにより行うことができる。 架橋剤の使用量が多いほど、エチレンと非共役ポリエンの含有量が高いほど、有効網目鎖濃度が高くなる傾向にある。
【0057】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中の架橋されたオレフィン系共重合体ゴムは、20μm未満、好ましくは10μm未満、より好ましくは5μm未満の平均直径を有する分散粒子の形態であることが、良好な成形性を得るために好ましい。20μm未満の平均直径を有する分散粒子の形態を得るには、オレフィン系共重合体ゴムと、オレフィン系プラスチックと、必要に応じて軟化剤とを、有機ペルオキシドの存在下、次式で示される条件に従って動的に熱処理することで得られる。動的に熱処理するとは、上記のような各成分を融解状態で混練することをいう。動的な熱処理は、解放型のミキシングロール、非解放型のバンバリーミキサー、ニーダー、一軸または二軸押出機、連続ミキサーなどの混練装置を用いて行なわれるが、非開放型の混練装置中で行なうことが好ましい。また、動的な熱処理は、窒素、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
次式:
【0058】
【式8】
Figure 0004588299
式中、Tは押出機のダイス出口での樹脂温度(℃)であり、Xは押出機のスクリュー径(mm)であり、Yは押出機内で受ける最高せん断速度(sec-1)であり、Zは押出量(kg/h)である。
通常は、樹脂温度170℃〜270℃、混練時間1〜10分、せん断速度2000〜7000sec-1で、2軸押出機を用いて行うことが好ましい。
【0059】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、オレフィン系共重合体ゴムと、オレフィン系プラスチックの合計量100重量部に対し、軟化剤を0〜150重量部、好ましくは20〜135重量部含有することが、良好な成形性と、得られた発泡体の柔軟性付与の点で望ましい。
【0060】
軟化剤としては、たとえば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチ等のコールタール系軟化剤、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤、トール油、密ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその金属塩、ナフテン酸またはその金属石鹸、パイン油、ロジンまたはその誘導体、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル系可塑剤、ジイソドデシルカーボネート等の炭酸エステル系可塑剤、その他マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油などが挙げられる。中でも石油系軟化剤と炭化水素系合成潤滑油が好ましい。
【0061】
本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、発泡剤を用いて発泡させ、発泡体となる。発泡剤としては、無機系あるいは有機系の熱分解型発泡剤(化学発泡剤)、二酸化炭素、窒素、二酸化炭素と窒素の混合物を挙げることができる。
無機系の熱分解型発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩、亜硝酸アンモニウム等の亜硝酸塩を挙げることができる。
有機系の熱分解型発泡剤としては、 N,N'- ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、N,N'- ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレ−ト等のアゾ化合物;
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'- オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド化合物;
カルシウムアジド、4,4'- ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホニルアジド等のアジド化合物などが挙げられる。
二酸化炭素や窒素を使用する場合は、超臨界状態で発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に混合することが、迅速・均一混合、気泡の微細化の面から好ましい。
【0062】
発泡剤は、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いられる。
【0063】
また、必要に応じて発泡助剤を加えることもできる。その添加量は、前記したオレフィン系プラスチックと架橋されたオレフィン系ゴムとの合計量100重量部に対して0.01〜10重量部であることが好ましく、0.02〜5重量部であることがより好ましい。
発泡助剤としては、亜鉛、カルシウム、鉛、鉄、バリウム等の金属化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、及びその金属塩、タルク、硫酸バリウム、シリカ等の微粒無機粒子等が挙げられる。発泡助剤は、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、発泡核の形成、気泡の均一化などの働きを示し、一般に使用することが望ましい。特に、原料ペレット時の押出温度、または、発泡体の押出温度程度付近で分解する化合物は、発泡セル径を細かく、且つ、均一に生成させる効果がある。
【0064】
発泡助剤としては、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、シクロヘキサン1、2ジカルボン酸、ショウノウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ酸等の多価カルボン酸と、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムアルミニウム、炭酸水素カリウム等の無機炭酸化合物の混合物や、これらの反応により生じる中間体、例えばクエン酸ニ水素ナトリウム、シュウ酸カリウム等のポリカルボン酸の塩が挙げられる。熱分解型発泡剤とともに、発泡助剤として多カルボン酸と炭酸水素塩の混合物(好ましくはクエン酸と炭酸水素ナトリウムの混合物、またはその反応中間体であるクエン酸ニナトリウム)を用いて、本発明の発泡用熱可塑性エラストマーを発泡させると、低密度、低圧縮歪みで、かつ、微細気泡構造を有する発泡体が得られるので特に好ましい。
これらの分解物化合物は、発泡押出時に分解する場合の他、予め、ペレット化等の工程で一部または全部が分解したものでも使用できる。分解物としての最適添加量は、未分解物に換算した添加量と同等である。
【0065】
さらに、本発明の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、滑剤など添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0066】
〔発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の調整〕
本発明において前記各成分を混合および混練する際の好ましい方法としては、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムと、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの一部と、必要に応じて鉱物油系軟化剤等とを予め混合し、均一に混練してペレット化した後、得られたペレットと、ジビニルベンゼン等に溶解させた有機ペルオキシドと、必要であれば、更に架橋助剤、加硫促進剤、酸化防止剤等とを、タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、ヘンシェルミキサー等の公知の混練機で、好ましくは50℃以下の温度で均一に混合し、次に前記所定の条件下で動的に熱処理し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得る。
【0067】
次いで、平衡クリープコンプライアンスの最適化を図るために、有機ペルオキシドの架橋・分解反応を終了した後に、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの残部を混合し、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を調整することが好ましい。勿論、有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックの残部は、動的に熱処理する際の有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチックと異なる種類のものでも、他の有機ペルオキシド非架橋型オレフィン系プラスチック以外の、有機ペルオキシド非架橋型ゴム状物質でもよい。
【0068】
本発明においては、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物中に、必要に応じて、公知の充填剤、耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤、顔料、染料、核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で、添加することができる。
【0069】
上記充填剤としては、通常ゴムに使用される充填剤が適当であり、具体的には、カーボンブラック、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリカ、けいそう土、雲母粉、アスベスト、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、ガラス繊維、ガラス球、シラスバルーン、グラファイト、アルミナなどが挙げられる。
【0070】
これらの充填剤は、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成100重量部に対して、0〜120重量部、好ましくは2〜100重量部の割合で用いられる。
【0071】
また、本発明において必要に応じて用いられる公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定剤としては、フェノール系、サルファイト系、フェニルアルカン系、フォスファイト系、アミン系安定剤などが挙げられる。
【0072】
〔オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の調製〕
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を調製するに際しては、上記のようにして得られたペレット状の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に、発泡剤を上述した特定の割合で、および必要であれば更に発泡助剤、湿潤剤等の配合物を配合する。化学発泡剤を使用する場合は、発泡剤を一旦タンブラー型ブラベンダー、V型ブラベンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等で混練した後、必要であれば解放型のミキシングロールや非解放型のバンバリーミキサー、押出機、ニーダー、連続ミキサー等で混練するか、樹脂をバインダーとしペレット状にした発泡剤を、ペレット状の発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に、前述の混合機で混合する。
【0073】
発泡剤として二酸化炭素や窒素を使用する場合は、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、樹脂可塑化シリンダー内で、100〜300℃で溶融し、オレフィン系熱可塑性エラストマーと二酸化炭素や窒素が、相溶状態にある溶融発泡性オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を形成する。なお、樹脂可塑化シリンダー内で発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に、二酸化炭素や窒素を溶解する際は、二酸化炭素や窒素は超臨界状態にあることが、相容性と発泡体のセルの均一性の点から好ましい。
【0074】
次に、上記のようにして得られた発泡用組成物から発泡体を調製する方法としては、特に制限はなく、押出成形、射出成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、インフレーション成形、スタンピングモールド成形、圧縮成形、ビーズ成形等、公知の樹脂加工方法に使用される成形機を適用することができる。
【0075】
例えば,熱分解型発泡剤を用いて押出成形方法により発泡体を調製する方法としては、たとえば上述した発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を押出機に供給し、バレル内で組成物の融点と発泡剤の分解温度のどちらか高い方の温度以上に加熱し、加圧しながら組成物中に発泡剤分解生成ガスを均一に分散さす。
【0076】
次いで、発泡剤分解生成ガスが均一に分散された溶融オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、最適発泡温度に設定した押出機先端部に接続したダイへと移送し、ダイから大気中または水中に押出し急激に圧力を低下させて発泡させ、後続の冷却装置で冷却固化し,目的の発泡体を製造する。なお、押出時の熱可塑性エラストマー組成物の温度は140〜250℃の範囲が好ましい。
【0077】
例えば,超臨界状態の二酸化炭素を発泡剤とし、押出成形方法により発泡体を調製する方法としては、たとえば上述した発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を押出機で溶融し、二酸化炭素を臨界圧力(7.4MPa〜40MPa)の範囲内で、二酸化炭素の臨界温度(31℃)以上に昇温して、超臨界二酸化炭素としてから、押出機中の溶融したオレフィン系熱可塑性エラストマーに混合する。
【0078】
次いで、超臨界二酸化炭素が混合された溶融オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、最適発泡温度に設定した押出機先端部に接続したダイへと移送し、ダイから大気中に押出し急激に圧力を低下させて、二酸化炭素をガス化し発泡させ、後続の冷却装置で冷却固化し,目的の発泡体を得る.なお、押出時の熱可塑性エラストマー組成物の温度は110〜250℃の範囲が好ましい。
【0079】
また、プレス成形方法により発泡体を調製する方法としては、たとえば上述した化学発泡剤を混練した発泡性組成物のペレットをプレス成形機の加熱した金型内に挿入し、型圧をかけながら、もしくは型圧をかけることなく、組成物を溶融させた後、発泡せしめて発泡体を成形する方法がある。金型の温度は110〜250℃の範囲が好ましい。
【0080】
射出成形方法により発泡体を調製する方法としては、たとえば上述した発泡用組成物を射出成形機で加熱溶融した後、ノズル先端部で発泡せしめるようして金型内に射出し、発泡体を成形する方法がある。射出時の樹脂温度は110〜250℃の範囲が好ましい。
【0081】
上記のような本発明に係る製造方法により得られた発泡体は、有機ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム部が架橋されているため、耐熱性、引張特性、柔軟性、耐候性、反発弾性等のゴム的性質が優れており、また加硫ゴムに較べ、リサイクルにも適している。
【0082】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体の用途としては、ウェザーストリップスポンジ、ボディパネル、ステアリングホイール、サイドシールド等の自動車部品;
靴底、サンダル等の履物;
電線被覆、コネクター、キャッププラグ等の電気部品;
配水管密封材、地盤改良用シート、騒音防止壁等の土木資材;
ゴルフクラブグリップ、野球バットグリップ、水泳用フィン、水中眼鏡等のレジャー用品;
ガスケット、防水布、スポンジたわし、水切りシート、化粧用パフ等の雑品が挙げられる。
【0083】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例における発泡体の成形および基礎物性の評価は、以下の方法により行った。
【0084】
(試験方法)
(1)押出発泡成形装置
実施例1〜7、比較例1〜4
図7(a)の装置条件でチューブ状発泡体を押出成形した。
押出機:50mmφ単軸押出機[日本製鋼所(株)P50−32ABV)]
シリンダー最高温度:220℃
ダイ温度:185℃
ダイ:図8に示した.
二酸化炭素供給装置:AKICO社製
引き取り速度:15m/分
実施例8〜16、比較例5、6
図7(b)の装置条件でチューブ状発泡体を押出成形した。
押出機:50mmφ単軸押出機[日本製鋼所(株)P50−32ABV)]
シリンダー最高温度:220℃
ダイ温度:185℃
ダイ:図8に示した.
引き取り速度:15m/分
【0085】
(2)基本物性
〔クリープコンプライアンス測定方法〕
動的粘弾性測定装置であるストレスレオメーター(Rheometrics Scientific社製 Dynamic Stress Rheometer SR-5000)及び制御ソフトウエア(Rheometrics Scientific社製 Orchestrator Version6.3.2)により直径25mmのパラレルプレートを用いて以下の手順で測定した。まず1.0〜2.5mmの厚さに成形されたシートのサンプルをパラレルプレートの間に装着し、170℃に保って溶融させる。サンプルを十分に溶融させたのち、前記平行板の間隔を1.0〜2.5mmの範囲でサンプルの厚みにあわせて調整し、円板からはみ出した樹脂組成物を取り除く。
ついで、時間t=0〜600秒において、サンプルに与えられる応力σ0が一定の値に保たれるように設定した後、t=600〜1200秒において応力を0Paに開放する。
サンプルに与える応力は、1000Paから10000Paで、樹脂組成物の粘度に応じて調整する。
t=0〜600秒の間にひずみγ(t)は対数的に200点サンプリングされる。例えば100秒間に5点サンプリングするのであれば101,101.2
101.4,101.6,101.8,102秒でサンプリングされる。
同様にt=600〜1200秒の間にγ(t)は200点サンプリングされる。図4に測定実施例を示す。
【0086】
〔平衡クリープコンプライアンスと平衡リカバリーコンプライアンスの求め方〕
平衡クリープコンプライアンスJe 0はソフトウエアOrchestratorのオートマチック・ステディ・ステートモードで求めた。以下にその内容を示す。
本測定においてクリープコンプライアンスJ(t)はt=0〜600秒の間に200点サンプリングされているが、全体サンプリング数の5%ずつのウィンドウに分割される。測定後、各ウィンドウで最小二乗フィッティングにより直線近似される傾きが求まる。時間が最後の点から最小の点の方向へ向かって(本測定においてはt=600秒からt=0秒の方向へ)隣り合った二つのウィンドウでこの傾きを比較していきその誤差が10%以内に収まったところを定常状態とみなしこの直線をフィッティングして図5に示すように平衡クリープコンプライアンスJe 0を求める。
平衡リカバリーコンプライアンスJrはt=600秒のクリープコンプライアンスからt=1200秒のクリープコンプライアンスを引いた値とした。
【0087】
〔有効網目鎖濃度の測定〕
有効網目鎖濃度は、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物80gを20cm×20cm×2mmのシートが得られる金型に入れ、50トンプレス成形機を使用し、190℃6分間予熱、5分間加圧後、30℃の冷却プレスで5分間加圧冷却し、プレスシートを得る。次いでこのシートから20mm×20mm×2mmの試験片を打ち抜き、JIS K6258に準拠し、37℃のトルエン50cm3中に72時間浸漬し膨潤させ、平衡膨潤を利用した下記Flory−Rehnerの式から求める.
Flory−Rehnerの式
【0088】
【式9】
Figure 0004588299
ここで、
VR:膨潤した熱可塑性エラストマー組成物中における純ゴムの容積分率
μ:ゴム−溶剤間の相互作用定数で0.49
V0:トルエンの分子容108.15cm3
VRは次式により求める。 次式:
【0089】
【式10】
Figure 0004588299
ここで、Vr:試験片中の純ゴム容量(cm3)、 Vs:試験片に吸収された溶剤の容量(cm3
なお、試験片中の純ゴム容量が不明の場合は、以下の方法で実測する。
【0090】
発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物をプレス成形し、200μm〜300μmのフィルムを作製し、これを3mm〜5mm角の細片に切り、約5gを精秤後、抽出溶媒MEKを用い、抽出時間12時間以上でソックスレー抽出を行ない軟化剤を抽出する.次いで抽出残を100mlの熱キシレンに入れ、撹拌しながら3時間加熱後、熱いうちに精秤した325メッシュのステンレススチール製の金網を用いて濾過し、金網に残った濾過残の乾燥重量を架橋したゴム重量とする.抽出残中にフィラーが含まれている場合は、熱天秤TGAを用いて窒素雰囲気で850℃まで昇温後、雰囲気を空気に切り替え、19分間保持し減少重量を求めゴム重量とする。
一方、熱キシレン抽出液を室温に戻し5時間以上放置後、325メッシュのステンレススチール製の金網を用いて濾過し、濾液の溶媒を完全に蒸発させた後の重量を非架橋のゴム重量とし、架橋したゴム重量と非架橋のゴム重量を合算し、これをゴムの比重で除し、試験片中の純ゴム容量を求める。
【0091】
〔平均粒子径の測定〕
平均粒子径の測定は、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物切片を、透過型電子顕微鏡により5000倍に拡大した写真を撮影し、写真映像24μm×32μmの範囲をスキャナーで読み取り、プラネトロン社製の画像解析・処理ソフト「イメージプロプラス」を用い、分散したゴム粒子の平均直径を求める。
【0092】
〔発泡体密度の測定〕
発泡体密度はJIS K6268 A法、または種種のメーカーから発売されている自動比重計、例えばミラージュ貿易社製電子比重計MS−200Sで求めることが出来る.当実施例ではミラージュ貿易社製電子比重計MS−200Sを使用し求める。
【0093】
〔圧縮永久歪の測定〕
圧縮永久歪の測定は、図8の押出ダイを使用し、押出成形したチューブ状発泡体から、長さ3cmの試験片3個を切り取り、試験片下部の平坦な面を基底面とし、2枚の平行で平滑に仕上げた研磨したステンレス鋼鈑から成る圧縮板に挟み、基底面に垂直な方向に50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後、オーブンから取りだし圧縮板から取り外し、平滑な台上に標準状態で30分間静置後、圧縮永久歪を次式で算出し、試験片3個の平均値で求める。
次式:
【0094】
【式11】
Figure 0004588299
ここにt0:試験片中心部の元の厚さ(mm)
t1:t0×0.5(mm)
t2:試験片を圧縮板から取り外し、30分後の試験片中心部の厚さ
(mm)
【0095】
〔表面粗さの測定〕
触針式表面粗さ計サーフコム200B型(東京精密社製)を使用し、長さ50mmの発泡体表面の凹凸を数値化し、最高方10番目までの凸部分の総和(h1)から、最低から10番目までの凹部分の総和(h2)を差し引いた値(h1-h2)を10で除して求める。
【0096】
〔気泡径の測定〕
発泡体の長手方向と垂直な断面を、高精細デジタルマイクロスコープVH−6300(キーエンス社製)で100倍に拡大し、任意の気泡径10個を選び、長さ測定格子で長径寸法を測定し、平均値で求める。
【0097】
〔極限粘度の測定〕
135℃デカリン(デカヒドロナフタレン)中で測定した極限粘度[η]。
【0098】
〔メルトフローレートMFRの測定〕
ASTM-D-1238-65Tの方法で,230℃、2.16kg荷重で測定測定する。
【0099】
〔溶融張力の測定法〕
東洋精機社製キャピログラフを使用し、押出ノズル径2.095mm、ノズル長さ8mm、押出温度230℃、押出速度15mm/minで押し出したストランドを、引き取り速度15m/min引き取った時の張力で求める。
【0100】
実施例1
エチレン含量が63モル%、ヨウ素価22、極限粘度[η]が3.2dl/gであるエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(EPT−1とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)80重量部をブレンドした油展EPT180重量部と、メルトフローレート(ASTM-D-1238-65T,230℃、2.16kg荷重)が1.5g/10分であるホモタイプのポリプロピレン(PP−1とする)35重量部を、予め密閉式混合機[神戸製鋼(株)ミクストロンBB16]で間混合した後、シーティングロールに通しシート状にした後、朋来鉄工社製ペレタイザーによりペレットを製造した。
【0101】
次いで、得られたペレット215重量部と、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン1.75重量部を架橋助剤ジビニルベンゼン1.75重量部に溶解分散させた溶液と、酸化防止剤テトラキスー[メチレン-3-(3'、5-ジ-第3-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.2重量部をタンブラーブレンダーにより混合し、ペレット表面に均一に付着させた。
【0102】
次いで、この架橋剤、架橋助剤と酸化防止剤が表面に付着したペレットを、2軸押出機(東芝機械(株)製TEM−50)を用いて、220℃で1時間当たり40kgの処理速度で混練・押出して動的な熱処理を行い、PP中にEPTの架橋した分散粒子が均一に分散している部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0103】
次いで、得られた部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物に、極限粘度[η]が9dl/gの高分子量成分を10質量%含有し、メルトフローレートが4.0g/10分であり、溶融張力が3gのホモタイプのポリプロピレン(PP−2とする)を20重量部と、前述の鉱物油系軟化剤20重量部とを、前述の2軸押出機を使用して、200℃で40kgの押出速度で混練・押出して、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。
【0104】
得られた発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部当たり、発泡核剤としてハイドロセルロールCF(ベーリンガーインゲルハイムケミカル社製)0.05重量部を添加し、図7(a)の押出発泡成形装置を使用し,押出温度200℃、押出速度20kg/時間、二酸化炭素供給圧力15MPa,二酸化炭素供給量を発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部当たり1重量部の条件で成形し、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を得た。
結果を表1に示す。
【0105】
実施例2
実施例1において、EPT−1の替わりにエチレン含量が68モル%、ヨウ素価22、極限粘度[η]が3.9dl/gであるエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(EPT−2とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)80重量部をブレンドした油展EPTを使用し、PP−2の替わりに極限粘度[η]が9dl/gの高分子量成分を30質量%含有し、メルトフローレートが0.5g/10分であり、溶融張力が12gのホモタイプのポリプロピレン(PP−3とする)を使用し、鉱物油系軟化剤20重量部を追加しない以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表1に示す。
【0106】
実施例3
実施例1において、EPT−2を100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)65重量部をブレンドした油展EPTを使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.75重量部、架橋助剤ジビニルベンゼン1.0重量部を使用し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得て、これに鉱物油系軟化剤20重量部を追加しない以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表1に示す。
【0107】
実施例4
実施例1において、EPT−1の替わりにエチレン含量が78モル%、ヨウ素価15、極限粘度[η]が3.3dl/gであるエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(EPT−3とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)75重量部をブレンドした油展EPTを使用し、PP−1の替わりに、コモノマーとしてエチレンを8質量%含有した、メルトフローレートが0.5g/10分の、ブロックタイプのポリプロピレン(PP−4とする)を使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.6重量部、架橋助剤ジビニルベンゼン0.6重量部を使用し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得て、これに鉱物油系軟化剤20重量部を追加しない以外は、実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0108】
実施例5
実施例1において、EPT−1を100重量部に、鉱物油系軟化剤105重量部をブレンドした油展EPT205重量部を使用し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成を得て、これにPP−2を15重量部と鉱物油系軟化剤20重量部とを、混練・押出して発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表1に示す。
【0109】
実施例6
実施例1において、発泡剤を二酸化炭素の替わりに、化学発泡剤アゾジカルボンアミド(ビニホールDW#6:永和化成社製)2重量部用いた以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表1に示す。
【0110】
実施例7
実施例1において、発泡剤を二酸化炭素の替わりに、重曹(ポリスレンEE405D:永和化成社製)2重量部用いた以外は、実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0111】
比較例1
実施例1において、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンと、架橋助剤ジビニルベンゼンを使用せず、部分的に架橋しないい以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表2に示す。
【0112】
比較例2
実施例1において、PP−1の替わりに、コモノマーとしてエチレンを8質量%含有した、メルトフローレートが0.5g/10分の、ブロックタイプのポリプロピレン(PP−4とする)を使用し、PP−2の替わりに、コモノマーとしてエチレンを4質量%含有した、メルトフローレートが3.0g/10分、溶融張力が0.7gの、ランダムタイプのポリプロピレン(PP−5とする)を使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンと架橋助剤ジビニルベンゼンの替わりに、架橋剤としてアルキルフェノール樹脂(ヒタノール2501:日立化成社製)粉末15重量部と、塩化第1錫2重量部を使用する以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表2に示す。
【0113】
比較例3
実施例1において、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンを0.2重量部と架橋助剤ジビニルベンゼンを0.2重量部に変更した以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表2に示す。
【0114】
比較例4
実施例1において、PP−1の替わりに、PP−4を使用し、PP−2の替わりに、コモノマーとしてエチレンを4質量%含有した、メルトフローレートが0.5g/10分、溶融張力が1.1gのランダムタイプのポリプロピレン(PP−5とする)を使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンを2.7重量部と架橋助剤ジビニルベンゼンを2.7重量部使用する以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表2に示す。
【0115】
【表1】
Figure 0004588299
【0116】
【表2】
Figure 0004588299
【0117】
実施例8
実施例1において、発泡用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物100重量部当たり、炭酸水素ナトリウム系発泡剤(ポリスレンEE405D:永和化成社製)3重量部を添加し、図7(b)の押出発泡成形装置を使用し,押出樹脂温度190℃、ヘッド部樹脂圧力2.5MPa、スクリュー回転数50min-1の条件で押出発泡し、オレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体を得た以外は、実施例1と同様に行った。 結果を表3に示す。
【0118】
実施例9
EPT−1の替わりにエチレン含量が68モル%、ヨウ素価22、極限粘度[η]が3.9dl/gであるエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(EPT−2とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)80重量部をブレンドした油展EPTを使用し、PP−2の替わりに極限粘度[η]が9dl/gの高分子量成分を30質量%含有し、メルトフローレートが0.5g/10分であり、溶融張力が12gのホモタイプのポリプロピレン(PP−3とする)を使用し、鉱物油系軟化剤20重量部を追加しない以外は、実施例8と同様に行った。 結果を表3に示す。
【0119】
実施例10
実施例8において、EPT−2を100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)65重量部をブレンドした油展EPTを使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.75重量部、架橋助剤ジビニルベンゼン1.0重量部を使用し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得て、これに鉱物油系軟化剤20重量部を追加しない以外は、実施例8と同様に行った。
結果を表3に示す。
【0120】
実施例11
実施例8において、EPT−1の替わりにエチレン含量が78モル%、ヨウ素価15、極限粘度[η]が3.3dl/gであるエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(EPT−3とする)100重量部に、鉱物油系軟化剤(出光興産製ダイナプロセスオイルPW−380)75重量部をブレンドした油展EPTを使用し、PP−1の替わりに、コモノマーとしてエチレンを8質量%含有した、メルトフローレートが0.5g/10分の、ブロックタイプのポリプロピレン(PP−4とする)を使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン0.6重量部、架橋助剤ジビニルベンゼン0.6重量部を使用し、部分的に架橋された熱可塑性エラストマー組成物を得て、これに鉱物油系軟化剤20重量部を追加しない以外は、実施例8と同様に行った。
結果を表3に示す。
【0121】
実施例12
実施例8において、炭酸水素ナトリウム系発泡剤6重量部、発泡助剤としてとして重炭酸ナトリウムとクエン酸の混合物1.0重量部を添加した以外は、実施例8と同様に行った。 結果を表3に示す。
【0122】
実施例13
実施例8において、重炭酸ナトリウム系発泡剤の替わりに、アゾジカルボンアミド系発泡剤(ビニフォールDW#6:永和化成社製)を2.0重量部使用した以外は実施例8と同様に行った。 結果を表3に示す。
【0123】
実施例14
実施例8において、重炭酸ナトリウム系発泡剤の替わりに、アゾジカルボンアミド系発泡剤(ビニフォールDW#6:永和化成社製)を4.0重量部、重炭酸ナトリウムとクエン酸の混合物0.5重量部を添加した以外は、使用した以外は実施例8と同様に行った。 結果を表3に示す。
【0124】
比較例5
実施例8において、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンと、架橋助剤ジビニルベンゼンを使用せず、部分的に架橋しないい以外は、実施例8と同様に行った。 結果を表4に示す。
【0125】
比較例6
実施例8において、PP−1の替わりに、コモノマーとしてエチレンを8質量%含有した、メルトフローレートが0.5g/10分の、ブロックタイプのポリプロピレン(PP−4とする)を使用し、PP−2の替わりに、コモノマーとしてエチレンを4質量%含有した、メルトフローレートが3.0g/10分、溶融張力が0.7gの、ランダムタイプのポリプロピレン(PP−5とする)を使用し、架橋剤1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンと架橋助剤ジビニルベンゼンの替わりに、架橋剤としてアルキルフェノール樹脂(ヒタノール2501:日立化成社製)粉末15重量部と、塩化第1錫2重量部を使用する以外は、実施例8と同様に行った。
結果を表4に示す。
【0126】
実施例15
実施例8において、重炭酸ナトリウムとクエン酸の混合物を添加しない以外は、実施例8と同様に行った。 結果を表4に示す。
【0127】
実施例16
実施例8において、重炭酸ナトリウムとクエン酸の混合物の替わりに、尿素系化合物(セルペースト101:永和化成社製)を0.5重量部添加した以外は、実施例8と同様に行った。 結果を表4に示す。
【0128】
【表3】
Figure 0004588299
【0129】
【表4】
Figure 0004588299
【0130】
【発明の効果】
本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体は、前記した特定の発泡用オレフィン系エラストマーからなるので、発泡体の密度が低く、かつ圧縮永久歪が少なく、しかも破泡による肌荒れがなく、柔軟な感触で、しかも耐熱性、耐候性に優れている。 さらに、前記特定のオレフィン系エラストマーを熱分解型発泡剤と特定の発泡助剤を用いて発泡させた場合、得られる発泡体は、上記性質に加えて微細な気泡構造を有するため、折れ皺が少ないという利点を持っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリープコンプライアンスの説明図
【図2】マクスウェルモデル図
【図3】セル内圧力経時変化及びセル径経時変化図
【図4】クリープコンプライアンス測定実施例
【図5】平衡クリープコンプライアンスの求めかた
【図6】圧縮永久歪測定例を示す図(A〜Eは押出発泡成形体の断面形状の例矢印は圧縮方向。)
【図7】押出発泡成形装置
【図8】押出ダイ吐出部形状
【符号の説明】
1… 二酸化炭素ボンベ
2… 二酸化炭素圧縮供給装置
3… 二酸化炭素供給ライン
4… 押出機
5… 発泡用熱可塑性エラストマー
6… 水噴射式冷却装置
7… 引き取り機
8… 発泡体

Claims (9)

  1. 有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(a)と、有機パーオキシド架橋型オレフィン系ゴムとを含む被架橋処理物を、架橋剤および、被架橋処理物全体に対して0.5〜5重量%である、架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマーの存在下で、動的に熱処理して得られるオレフィン系熱可塑性エラストマー(A)と、
    135℃デカリン中で測定した[η]が5dl/g以上の高分子量成分を5〜40質量%含有し、かつ溶融張力が2〜20gであり、230℃、2.16kg荷重のMFRが0.1〜20g/10分の範囲にあり、かつ、オレフィン系熱可塑性エラストマー(A)100重量部に対して1〜40重量部である、有機ペルオキシド非架橋型のオレフィン系プラスチック(b)とを
    溶融混練して得られる、発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、有機または無機の熱分解型発泡剤、二酸化炭素、窒素から選ばれる少なくとも1種の発泡剤を用いて発泡させてなるオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体であって、
    発泡体の密度ρが700kg/m3未満の範囲にあり、かつ、
    発泡体を50%圧縮し、70℃オーブン中に22時間保持後の圧縮永久歪Csが60%未満であることを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  2. 有効網目鎖濃度νが3.0×10-5(モル/cm3)〜2.0×10-4(モル/cm3)である請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  3. 発泡体の気泡の平均径が300μm未満の範囲にある請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  4. 請求項1に記載の発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、平衡クリープコンプライアンスJe 0が、1.0×10-6(Pa-1)から5.0×10-4(Pa-1)の範囲にあるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 請求項1に記載の発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、架橋されたオレフィン系ゴムとオレフィン系プラスチックとの合計量100重量部に対し、架橋されたオレフィン系共重合体ゴム40〜90重量部と、オレフィン系プラスチック10〜60重量部を含有するオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  6. 請求項1に記載の発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、架橋されたオレフィン系共重合体ゴムと、オレフィン系プラスチックの合計量100重量部に対し、軟化剤を0〜150重量部含有してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  7. 請求項1に記載の発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物であって、オレフィン系プラスチックと架橋されたオレフィン系共重合体ゴムとの合計100重量部に対し、発泡助剤を0.01重量部〜10重量部含有してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  8. 請求項に記載の発泡体用のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を、有機または無機の熱分解型発泡剤と多価カルボン酸系の発泡助剤を用いて発泡させてなる請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
  9. 前記発泡体が自動車用ウエザーストリップスポンジ、隙間埋め材用発泡シート、建築用サッシシールスポンジ、管継ぎ手用シールスポンジ、プロテクトスポンジまたは断熱スポンジチューブである請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡体。
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