JP4581318B2 - 生分解性筒状体およびそれを用いた生体組織または器官再生器具 - Google Patents

生分解性筒状体およびそれを用いた生体組織または器官再生器具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、生体組織または器官の再生に用いられる生分解性筒状体に関する。
さらに詳細には、病変、損傷のために切断したヒト組織または器官、例えば神経繊維、微細血管などを再生するために、強度を向上させた生分解性筒状体およびそれを用いた再生用器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
事故や災害あるいは疾患により、ヒトの神経、腱などの組織または器官が損傷し、自己の回復力により損傷部を治癒できない場合には、知覚、感覚、運動能力等に障害が発生する。このような患者に対して、近年、顕微鏡下で損傷部位を接続する技術の発展に伴い、切断された部位を接続する外科縫合手術や、自己の神経、腱などを他の部位から採取し、移植することにより、失われた機能を回復する自己の神経移植などの治療が効果をあげている。
【0003】
しかしながら、欠損した領域が大きすぎる場合は上記接続による修復は不可能であり、ある程度の障害が発生してもその損傷部分の障害よりも重要度が低いと思われる他の部分から神経を採取し、損傷部位へ移植することが必要であった。このような場合、最初に発生した部位の障害よりも重要度が低いとはいえ、損傷を受けていない健常な他の部分の神経を採取するので、その部位には知覚、感覚、運動能力などの障害を発生させることになる。
自己神経移植の一例として、まず腓腹神経を採取し、損傷部分に該神経の移植が行なわれるが、通常、足首から足の甲部分の皮膚感覚等が消失するという問題があった。そこで、他の部分(足首など)に支障を来すことなく、損傷部分の修復が可能な治療方法が切望されていた。
【0004】
自己神経移植の弊害を克服するために、損傷部位の再生を人工器具によって補助し、もとの機能を回復しようする種々の研究がなされている。例えば、ヒト体内に吸収されない非吸収性材料(珪素化合物、フッ素化合物および各種合成ポリマー)で作られた筒状体(被覆材ともいう)で神経の断裂部分を覆い、筒状体内部で切断された神経から新しい神経細胞が成長、増殖し、この切断された神経が再度接合することを期待したものがある(Ducker et al.,Journal of Neurosurgery,28,582〜587(1968);Midgler et al.,Surgical Forum,19,519〜528(1968);Lundborg et al.,Journal of Neuropathology in Experimental Neurology,41,412〜422(1982);Molander et al.,Muscle & Nerve,5,54〜58(1982);Uzman et al.,Journal of Neuroscience Research,9,325〜338(1983);Nyilas et al.,Transactions American Society of Artificial Internal Organs,29,307〜313(1983);USP 4,534,349等)。
また、これらの植え込まれた筒状体は人工的に合成されたものであるから、永久に体内に異物が存在することとなり、好ましくないため、該筒状体を生体吸収性材料に置き換えた例も存在している(Suzuki et al.,Artificial Organs,27(2),490〜494(1998))。
【0005】
ただし、これらの実験では、切断された神経の両端部から若干の細胞増殖は見られるが、切断した神経が再度接合して回復するには至っていない。これは、細胞が増殖する場合、一般的に筒状体の足場に付着し、そこから切断部分を埋める方向に増殖して行くが、切断部分を覆うのみでは切断端の間に空隙があり、その部分を全て埋め尽くす前に細胞の増殖が止まってしまうためである。このような問題を解決するために、生体吸収性材料の筒状体内部にある空隙にコラーゲンの繊維束を挿入し、フィブロネクチン(FN)でコーティングする技術が記載されている(特開平5−237139号公報、人工臓器22(2),359-363,1993)。
【0006】
また、より効率よく細胞を増殖させるために、筒状体内に細胞の成長因子を封入したものも報告されており(USP 4,963,146)、筒状体の内腔表面にフィブリノーゲン、フィブロネクチンなどをコーティングしたもの(Non-toxic Nerve Guide Tubes Support Neovasculer Growth in Transfected Rat Opic Nerve,R.Madison et al., Experimental Neurology,86(3):448-461,1984)、さらに内腔に充填した繊維にラミニンをコーティングしたもの(特開平5-237139号公報、人工臓器22(2),359-363,1993)などが知られている。
【0007】
このような生体組織または器官再生用器具に用いられる生体分解性筒状体の作製において、血管等の再生用器具として用いられる約10mm以上の内径を有する筒状体であれば、生分解性材料からなるシート、不織布または織布等を円筒鋳型に巻き付けて筒状体を形成し、その後鋳型を抜き取ることによって、作製することが出来る。しかし、神経等の再生用器具として用いられる内径が細い(約10mm未満、特に約2mm未満)の筒状体を作製する場合は、シート、不織布または織布等を芯棒に巻き付けることが難しく、巻き付けが出来たとしても作製された筒状体は内径が不均一になるといった問題があった。また、織る編むといった方法で筒状体を作成することも可能であるが、糸状物を密に巻きつけることができず、内径を均一にすることが困難であった。
【0008】
これらの問題を解決する方法として、生分解性糸状物を接着剤に浸し、回転する円筒鋳型に巻き取ることによって、コイル化された糸状物の多層積層物を作製し、硬化させて筒状体を形成し、最後に円筒鋳型を抜き取る方法(巻き取り生産法)が、特表平6−504930号公報に記載されている。この巻き取り生産法では、細い内径の筒状体であっても、ほぼ均一な内径を有する製品が得られる。しかしながら、従来の巻き取り生産法で作製された筒状体は、移植手術中の保持や縫合で折れや割れが生じる問題があった。
巻き取り生産法で、作製された筒状体の外周には巻き付けられた糸状物の隙間に応じたコイル状の成形線(図5に成形線12を図示)が生じる。この成形線部分は架橋構造等の強固な結合を有していないため物理的強度が弱い。また、従来の筒状体は、密度を上げるために、糸状物をほとんど間隔を開けず、円筒鋳型に均一に巻き付けている。従って、図5に示すように従来の筒状体では成形線は略一定方向に並んでおり、移植手術中の保持や縫合による外力は、構造的に成形線部分に集中しやすい。以上のことから、この成形線に沿って筒状体が折れてしまったり、ひび割れが生じたりすることが問題となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の生体組織または器官再生用器具に用いられる生体分解性筒状体に代えて、移植手術中の保持や縫合に十分耐え得る強度を有し、かつ、生体内での分解・吸収性に優れ、筒状体の内部に神経または血管などが容易に挿入され、細胞が効率よく、三次元的に増殖していくことが可能である生分解性筒状体およびそれを用いた生体組織または器官再生用器具を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記情況に鑑み、鋭意検討したところ、生体組織または器官再生用器具の基材として、多層構造を有する筒状体であり、各層が生分解性糸状物のコイルで形成され、該コイルの巻き密度が互いに異なることを特徴とする筒状体を用いることによって、細い内径の筒状体であっても、生体内への移植手術中の保護や縫合の際に割れたり、折れたりすることがなく、強度が向上した生分解性筒状体が得られることを見出した。これらの知見に基づき、さらに種々検討した結果、該筒状体は、従来の生分解性筒状体と比べても生体組織または器官の再生速度および生分解性に悪影響を与えることなく、しかも強度のみが格段に向上することを見つけ、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1)多層構造を有する筒状体であり、各層が生分解性糸状物のコイルで形成され、該コイルの巻き密度が互いに異なることを特徴とする筒状体、
(2)コイルの巻き密度が10コイル/cm以上である層およびコイルの巻き密度が10コイル/cm未満である層を有する、上記(1)記載の筒状体、
(3)コイルの巻き密度が30コイル/cm以上である層およびコイルの巻き密度が10コイル/cm未満である層を有する、上記(1)記載の筒状体、
(4)コイルの巻き密度が10コイル/cm以上であるコイル化された糸状物の層を最内層に有し、コイルの巻き密度が10コイル/cm未満である層を最外層に有する、上記(1)記載の筒状体、
(5)円筒状または角筒状である、上記(1)記載の筒状体、
(6)生分解性糸状物の直径が約5〜1000μmであり、筒状体の形状が円筒状で内径が約0.05〜10mm、外径が約0.1〜12mmである、上記(1)記載の筒状体、
(7)生分解性糸状物の直径が約20〜200μmであり、筒状体の形状が円筒状で内径が約0.05〜2mm、外径が約0.1〜3mmである、上記(1)記載の筒状体、
(8)生分解性糸状物が、タンパク質もしくはその誘導体、多糖類もしくはその誘導体、ポリグリコール酸、グリコール酸と乳酸との共重合体、乳酸とε−アミノカプロン酸との共重合体、またはラクチド重合体から形成される、上記(1)記載の筒状体、
(9)タンパク質が、コラーゲンである、上記(8)記載の筒状体、
(10)生分解性糸状物を、回転する筒状鋳型に多層になるように巻き付け、かつ、各層の糸状物の巻き密度が異なるように巻き取り、成形処理した後に、該鋳型を抜き取ることを特徴とする筒状体の製造方法、及び
(11)請求項1記載の筒状体を含むことを特徴とする、生体組織または器官再生用器具
に関する。
【0012】
本発明において筒状体は、外部に貫通する内腔を有する構造体であり、たとえば円筒状、角筒状、円錐台状、角錐台状などの形状を有するものである。このうち円筒状が好ましい。糸状物が筒状鋳型に巻き取られて筒状体は形成されるため、筒状体の横断面は、通常、凹みのない形状を有する。凹みのない形状とは、その輪郭のどの部分をとっても、隣接する輪郭上の点の両側を結んだ直線より中心方向に落ち込んでいないような形状を意味する。例えば、円形、楕円形、卵形、扇形、弓形、ゼムクリップ形、または多角形(三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形など)などが挙げられる。このうち、好ましくは円形である。
また、本発明の筒状体は、好ましくは、内径約0.05〜10mm、外径約0.1〜12mmであり、さらに好ましくは、内径約0.05〜2mm、外径約0.1〜3mmである。筒状体の全長は、通常、約5〜300mmである。
本発明において多層構造を有する筒状体とは、筒を構成する素材が2層以上に積層された構造を有する筒状体を意味する。
【0013】
本発明において生分解性糸状物は、生体内の分解酵素、酸またはアルカリにより分解される生分解性材料から形成される。生分解性材料としては、例えば、コラーゲン、ゼラチンなどのタンパク質もしくはその誘導体、多糖類もしくはその誘導体、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、グリコール酸と乳酸との共重合体、乳酸とε−アミノカプロン酸との共重合体、またはラクチド重合体などの脂肪酸ポリエステル(特許2935750号公報に記載)が挙げられる。
本発明に使用されるコラーゲンとしては、その由来は特に限定されないが、一般的には、牛、豚、鳥類、魚類、霊長類、兎、羊、鼠、ヒトなどがあげられる。また、コラーゲンはこれらの皮膚、腱、骨、軟骨、臓器などから公知の各種抽出方法により得られるものであるが、これらの特定の部位に限定されるものではない。さらに、本発明に利用されるコラーゲンのタイプについては、特定の分類可能な型に限定されるものではないが、取扱上の観点から、I、III、IV型が好適である。
糸状物とは、一般的な糸のように、細長く柔軟性を有するものを意味する。糸状物の外径は、特に限定されるものではないが、通常、約5μm〜1000μmが好適であり、約20〜200μmが最適である。
生分解性糸状物としては、例えば、湿式防止法を用いて、生分解性材料の溶液から固化・乾燥工程を経て作製された繊維等が挙げられる。
【0014】
本発明において、コイルとは、一般的にコイルあるいはスプリングと呼ばれる形状の構造体である。通常、コイルは、円筒状のもの(図7)であるが、本発明におけるコイルは、この円筒状のものに限られず、楕円筒状或いは角筒状(角筒状のコイルの一例を図8に示す)等の形状であってもよい。
コイルの巻き密度とは、生分解性糸状物からなるコイルの軸方向の長さあたりの糸状物の巻き数を意味する。本明細書では、コイルの軸方向の長さ1cmあたり、糸状物が10回巻かれている場合の巻き密度を10コイル/cmと表現する。
コイルの巻き密度が互いに異なるとは、少なくとも互いに接する2層のコイルの巻き密度が異なっていれば良い。例えば、6層からなるコイルの場合、最内層(第1層)から第4層までの層は全ての巻き密度が同じであってもよく、第4層と第5層とは巻き密度が異なり、第5層から最外層までの層は全て巻き密度が同じであってもよく、6層の巻き密度が全て異なっていてもよい。最も内側の層の巻き密度は、最も外側の層の巻き密度よりも高いことが好ましい。さらに好ましくは、最も内側の層の巻き密度は、10コイル/cm以上であり、最も外側の層の巻き密度は、10コイル/cm未満である。最も好ましくは、最も内側の層の巻き密度は、30コイル/cm以上であり、最も外側の層の巻き密度は、10コイル/cm未満である。
【0015】
本発明において、生体組織または器官とは、生体の体液(血液、髄液、リンパ液など)もしくはその成分(赤血球、白血球、血小板、血漿、血清など)や、生体内の組織(血管、角膜、半月板、脳組織、皮膚、皮下組織、上皮組織、骨組織、筋組織など)、臓器(眼、肺、腎臓、心臓、肝臓、膵臓、脾臓、小腸を含む消化管、膀胱、卵巣および精巣など)、およびそれらの各種細胞(造血幹細胞、骨髄細胞、肝細胞、膵細胞、脳細胞、神経細胞、卵細胞、受精卵、胚性幹細胞など)等である。本発明に用いられる生体組織としては、特に、神経細胞が好ましい。
【0016】
本発明の生体組織または器官再生用器具は、病変または傷害によって、切断、損傷または欠損した上記生体組織または器官を再生させるために使用される器具であり、筒状体(A)を含むものである。すなわち、本発明の生体組織または器官再生用器具は、筒状体(A)のみからなるものであってもよく、また筒状体(A)と他の生分解性基材からなるものであってもよい。
本発明の生体組織または器官再生用器具の具体的な一例として、筒状体(A)と、該筒状体(A)の内腔に設けられた生体組織または器官再生の補助手段としての微細なマトリックス(B)および/または生体組織または器官の再生を誘導する直線状の経路(C)からなるものが挙げられる。
微細なマトリックス(B)としては、例えば、生分解性材料からなる多孔質層、短繊維、綿状体、不織布などが挙げられ、好ましくは、コラーゲンスポンジ層である。また、微細なマトリックス(B)は、必要に応じて生分解性材料、成長因子等を含んでいてもよい。微細なマトリックス(B)がコラーゲンスポンジ層である場合、スポンジ層の空隙率は、通常、約70〜99.9%であり、好ましくは80〜99%である。
【0017】
生体組織または器官の再生を誘導する直線状の経路(C)は、例えば、筒状体(A)の内腔に挿入された、多数の長繊維、糸状体、織布、編物などで構成されるか、あるいは、同様に筒状体(A)の内腔に挿入され、筒状体を長軸方向に貫通する多数の中空体(例えば、中空糸など)で構成される。また、別の方法として、スポンジ状のマトリックス(B)の成形前にマトリックス(B)を貫通する多数の中空体を挿入しておいて、成形後に該中空体を取り除くことによって直線状の経路(C)を形成してもよい。直線状の経路(C)が、コラーゲン繊維から形成される場合、コラーゲン繊維の直径は、好ましくは約5μm〜1mmであり、さらに好ましくは20〜200μmである。また、コラーゲン繊維の占める全容積は、筒状体の内腔の容積に対して、好ましくは5〜70%であり、さらに好ましくは10〜60%である。 直線状の経路(C)が、多数の中空体から形成される場合、中空体の内径は約5μm〜1mmであることが好ましい。
【0018】
本発明の生体組織または器官再生器具において、微細なマトリックス(B)は、その内部で再生する生体組織または器官の細胞に対して適切な密度と足場を与え、組織または器官の再生を促進する。
また、直線状の経路(C)は、再生する細胞に成長する方向性をあたえて、目的とする組織または器官まで接合する時間を短縮することができる。
【0019】
次に、本発明の筒状体は自体公知の方法または下記製造方法により製造される。生分解性糸状物を、例えば該糸状物を送り出す機構である糸分配器などを用いて、回転する筒状鋳型に多層になるように巻き付け、かつ、各層の糸状物の巻き密度が異なるように巻き取り、成形処理した後に、該鋳型を抜き取ることにより筒状体が製造される。糸分配器は、生分解性糸状物を送り出すための機構であり、例えば円筒状もしくは角筒状などの鋳型の回転軸方向に一定速度で移動しながら糸状物を送り出す機能を有することが好ましい(図9に糸分配器41の一例を示す)。
【0020】
糸状物に対する成形処理とは、鋳型に巻き付けられた糸状物がそのままの形状を維持するための処理工程である。成形処理としては、鋳型に巻き取られた糸状物同士を接着剤で接着し形状を維持させる方法と、糸状物の物理化学的性質を変化させる方法がある。
前者の方法としては、例えば、デンプン、にかわ、フィブリン、ゼラチン、コラーゲン、キチン、キトサン等の天然物接着剤や、ポリアミド、ポリエステルなどの合成接着剤で、糸状物同士を接着する処理方法が挙げられる。具体的な操作としては、通常、溶液状の接着剤を鋳型に巻き付けられた糸状物に含浸させ、乾燥を行う。合成接着剤としては、生分解性および生体吸収性を有する脂肪族ポリエステル(例:ポリ乳酸)等の接着剤が好ましい。また、糸状物が溶解性の高い材料(例:コラーゲン、ゼラチン)からなる場合には、生分解性材料の溶液(例:コラーゲン水溶液)や単なる溶媒(水など)を鋳型に巻き取られた糸状物に含浸させることによって、糸状物が再溶解して糸状物同士が相溶化し、その後乾燥することによって、成形処理を行うことができる。さらに、あらかじめ生分解性材料の溶液や溶媒に濡らした糸状物を鋳型に巻き付けて、乾燥を行っても同様の成形処理が可能である。
後者の方法としては、架橋剤を用いたり、紫外線、電子線、放射線の照射や加熱によって、架橋処理を施し、糸状物の分子間で化学結合を形成させ、3次元網目構造を有する硬化した糸状物を形成させる方法が挙げられる。
また、これら2種類以上の成形処理を同じ糸状物に施してもよい。特に、糸状物の巻き密度が10コイル/cm未満のコラーゲン製糸状物に対しては、架橋処理と、コラーゲン溶液を含浸後、乾燥する処理の両方を施すことが好ましい。
加熱による架橋処理(熱架橋処理)を施す場合は、通常、約40〜300℃で約0.5〜50時間の処理が行われる。
【0021】
本発明において糸状物の巻き密度とは、筒状鋳型の軸方向の長さあたりの糸状物の巻き数を意味する。
本発明の製造方法において、糸状物の巻き密度が10コイル/cm以上であるように糸状物を巻き付ける工程、および糸状物の巻き密度が10コイル/cm未満となるように糸状物を巻き付ける工程を含んでいることが好ましい。さらに、糸状物の巻き密度が10コイル/cm以上となるように糸状物を巻き付ける工程は、本発明の製造方法の生分解性糸状物を筒状鋳型に巻き付ける工程のうち最初の段階で行われ、かつ、糸状物の巻き密度が10コイル/cm未満となるように糸状物を巻き取る工程は、本発明の製造方法の生分解性糸状物を筒状鋳型に巻き付ける工程のうち最終段階で行われることが好ましい。また、糸状物の巻き密度が10コイル/cm未満となるように糸状物を巻き付けた後に架橋処理を施すことがより好ましい。
【0022】
本発明の具体的な製造方法の1例を挙げると、まず、糸分配器の移動速度を調節して、糸状物の巻き密度が50コイル/cmとなるように生分解性糸状物を回転する円筒鋳型に巻き付け、円筒鋳型の軸方向に1往復半の巻き付けを行い、3層の生分解性糸状物からなるコイルを得る。その各層の糸状物間に生分解性材料の溶液を含浸させた後、糸分配器の移動速度を上げて、糸状物の巻き密度が5コイル/cmとなるように調節し、さらに糸状物を巻き付け(図2参照)、円筒鋳型の軸方向に2往復の巻き付けを行う。得られた生分解性糸状物からなるコイルに熱架橋処理を施し、糸状物間に生分解性材料の溶液を含浸させ、さらに熱架橋処理を施す。
このように、最外層の巻き密度と最内層の巻き密度が異なるように糸状物を巻き付け、さらに、巻き付け後に最外層の糸構造が残り易いよう熱架橋処理を施すことによって、物理的強度が大幅に向上する。
【0023】
これに対して、従来の製造方法の1例を挙げると、まず、糸状物の巻き密度が50コイル/cmとなるように糸分配器の移動速度を調節して、生分解性糸状物を回転する円筒鋳型に巻き付け(図6参照)、円筒鋳型の軸方向に2往復の巻き付けを行って、4層の生分解性糸状物からなるコイルを得る。そのコイルの糸状物間に生分解性材料の溶液を含浸させた後、熱架橋処理を施すといった方法で筒状体を製造していた。
このような手順のみでは、最外層の糸状物の巻き密度に変化をつける工夫がされていないため、糸巻き時の成形線(糸状物どうしの接着部の痕跡)が形成され、この部分での割れや折れが生じ易かった。
【0024】
本発明の生体組織または器官再生用器具は、生体組織または器官の再生、移植、および置換において数多くの用途がある。具体的な処置としては、生体内で損傷した組織または器官と本発明の再生用器具とを縫合し、そのまま生体内に放置する。その後、生体内では、縫合した再生用器具を足場として組織または器官の再生が促進され、同時に生分解性材料からなる再生用器具は徐々に分解吸収され、最終的には消失する。縫合に用いる手段は、処置を施す生体組織または器官の種類、形状その他の条件に応じて、個々に最適な方法を用いることができる。縫合に用いられる縫合糸は、通常の生体用縫合糸であれば特に限定されないが、生分解性または生体吸収性の縫合糸を用いることが好ましい。
【0025】
切断された神経を再生する場合には、本発明の筒状体を含む神経再生用器具を、切断された神経の中枢側末端および末梢側末端に縫合する。具体的には、本発明の筒状体を含む神経再生器具を、予め神経欠損部の欠損長と同じ長さに切断し、γ線照射等の滅菌処理を施した後に欠損部位に挿入し、その両端を神経の切断端(中枢側および末梢側)にポリアミド系縫合糸(太さ10−0)等の生体用縫合糸により複数箇所縫合し固定する。これによって、筒状体内腔に設けられた再生を誘導する直線状の経路に沿って、神経の再生が見られる。神経再生用器具が筒状体のみからなる場合であっても、筒状体内腔が再生を誘導する直線状の経路となり、神経は内腔に沿って再生する。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1の図面に代わる写真である。図2は、本発明の製造途中の状態を示す説明図である。図3は、本発明の実施例1の全体構造の説明図である。図4は、従来の生分解性筒状体の図面に代わる写真である。図5は、従来の生分解性筒状体の説明図である。図6は、従来の生分解性筒状体の製造途中の状態を示す説明図である。図7および図8は、コイル化された糸状物の形状を示す図である。図9は、本発明の製造方法の一例の説明図である。
【0027】
本発明の1具体例を示す図2の筒状体は、図5の従来の筒状体の外層にさらに糸状物11を巻き付けている状態を示している。図2において、糸状物11は、筒状体1の最外層に、糸状物の巻き密度が約3コイル/cm(10コイル/cm未満)であるように巻き付けられている。12は、糸状物の巻き密度が約22コイル/cm(10コイル/cm以上)であるように巻き付けられた糸状物からなる筒状体の成形線(糸状物の接着部の痕跡)を示す。本発明のこのような最外層の巻き付け方法により、外部から応力が掛かった場合にも、糸状物11が成形線12での折れや割れを防ぎ、破損が生じない。
図3において、1は筒状体、2はコラーゲン繊維、3はコラーゲンスポンジ層を示す。本発明の生体組織または器官再生用器具は、このような構造からなるものであり、本発明はこの生体分解性筒状体1の強度向上を図ることにより、生体組織または器官再生用器具全体の強度向上を達成している。
図6は回転している筒状鋳型4に始点110から図の左方向へ糸状物を巻き付けていき、ほぼ片道の巻き付けが終了した状態を示している。この後さらに反対方向への巻き付けが行われ、所望の往復回数の巻き付けによって糸状物が積層されていく。その後、糸状物同士を接着剤で接着したり、糸状物の物理化学的性質を変化させたりすることによって、糸状物は成形処理され、筒状鋳型4が取り除かれることによって、図5に示す従来の生分解性筒状体が形成される。該形成物には、最外層に巻き付けられた糸状物間の隙間が接着剤等で埋められていても、その隙間の痕跡として成形線12が見受けられる。この部分は外部からの応力を直接受けやすく、強度も弱いため、割れや折れが生じやすいウィークポイントとなっていた。
図9において、糸分配器41が筒状鋳型4の軸方向に往復移動しながら、糸状物11を送り出し、回転している筒状鋳型4に糸状物11が調整された巻き密度で巻き付けられ、多層構造を有する筒状体が形成されていく。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
(実施例1) 縫合強度を有する神経再生器具の作製
まず、酵素可溶化コラーゲンを水に溶解して5%水溶液を作製し、常法に準じて凝固浴中に押出すことにより、直径約160μmのコラーゲン繊維を作製した。
次に、得られたコラーゲン繊維を直径1mmのポリフッ化エチレン系繊維製の円筒鋳型に巻き付けた。この時、円筒鋳型を約560rpmで回転させ、糸分配器を円筒鋳型の回転軸方向に約2mm/秒で往復移動させながら、繊維の巻き密度が約46.7コイル/cmとなるように巻き付けを行い、最終的にコラーゲン繊維を7往復巻き付けた。乾燥後1%コラーゲン水溶液を含浸させ、続いて5%コラーゲン水溶液を含浸させて、円筒鋳型に巻きつけた糸状物を溶解しながら5%コラーゲン水溶液を塗布した。このようにコラーゲン繊維を巻付けた後コラーゲン水溶液を含浸させることによって層を積層して、コラーゲン製の筒状体を形成させた。さらに、この筒状体の最外層にコラーゲン繊維を巻き付けた。この時、筒状体を約560rpmで回転させ、糸分配器を円筒鋳型の回転軸方向に約25mm/秒で往復移動させながら、繊維の巻き密度が約3.7コイル/cmとなるように巻き付けを行い、最終的にコラーゲン繊維を47往復巻き付けた。巻き付け後に作製された筒状体に対して、熱架橋処理を行った。次に、熱架橋された筒状体にコラーゲン水溶液を含浸させ、再び熱架橋処理を行った。管状体を乾燥させた後、熱架橋を行い、内径1mm、外径1.4mm、長さ5cmのコラーゲン製の筒状体を作製した。その内腔にコラーゲン繊維を5%コラーゲン溶液とともに同時に挿入し、急速冷凍した後に真空凍結乾燥を行った。内腔部分がコラーゲン繊維と各繊維の周囲を覆うコラーゲン製スポンジ層からなる構造を持つ、全体がコラーゲンから成る神経再生器具を作製した(図3参照。図3において、1は筒状体、2はコラーゲン繊維、3はコラーゲンスポンジ層を示す。)。
【0030】
(比較例1)従来の神経再生器具の作製
まず、酵素可溶化コラーゲンを水に溶解して5%水溶液を作製し、常法に準じて凝固浴中に押出すことにより、直径160μmのコラーゲン繊維を作製した。
次に、得られたコラーゲン繊維を直径1mmのポリフッ化エチレン系繊維製の円筒鋳型に巻き付けた。この時、円筒鋳型を約560rpmで回転させ、糸分配器を円筒鋳型の回転軸方向に約2mm/秒で往復移動させながら、繊維の巻き密度が約46.7コイル/cmとなるように巻き付けを行い、最終的にコラーゲン繊維を7往復巻き付けた。乾燥後1%コラーゲン水溶液を含浸させ、続いて5%コラーゲン水溶液を含浸させて、心棒に巻きつけた糸を溶解しながら5%コラーゲン水溶液を塗布した。このようにコラーゲン線維を巻付けた後コラーゲン水溶液を含浸させた層を積層して、コラーゲン製の筒状体を形成させた。筒状体には熱架橋処理を行った後、水にて炭酸水素ナトリウム水溶液を洗浄した。筒状体を乾燥させた後、さらに熱架橋処理を行い、内径1mm、外径1.4mm、長さ5cmのコラーゲン製の筒状体を作製した。その内腔にコラーゲン繊維を5%コラーゲン溶液とともに同時に挿入し、急速冷凍した後に真空凍結乾燥を行って、内腔部分におけるコラーゲン繊維の充填率10%であり、各繊維の周囲を空孔率95%のコラーゲン製スポンジ層が覆う構造を持つ、全体がコラーゲンから成る神経再生器具を作製した。
【0031】
(実験例1)組織再生実験における強度確認
実施例1で作製した神経再生器具を用いて犬の組織再生実験を実施した。再生する組織としては犬末梢神経を選択した。
犬腓骨神経を切断して30mmの欠損部位を作製した。この部位に予め欠損長と同じ30mmに切断し、25kGyのγ線滅菌処理を行った、前記神経再生器具を挿入し、その両端を神経の切断端に10−0ポリアミド系縫合糸により複数箇所縫合固定した。また、対照群として別の犬群に対し、腓骨神経部分に同じく30mmの欠損を作製し、そのまま創傷部位を上記縫合糸にて縫合した。
その結果、犬腓骨神経の神経切断部分に、上記神経再生器具を埋植する際の、指で曲げるピンセットで摘む、神経と縫合するなどの操作に対して、チューブが割れたり、損傷したりすることは無かった。
【0032】
(実験例2)浸潤時における強度確認
実施例1および比較例1において作製したチューブを、水に浸漬した際、チューブの破損の有無を目視で確認した。実施例1において作製したチューブは、水に浸漬した際チューブの割れ、破損は認められなかった(10例中0例)。しかし、比較例1にて作製したチューブは水に浸漬すると10例中3例のチューブで割れや破損が認められた。
【0033】
(実験例3)引っ張り強度試験
まず、ポリプロピレン製の糸(商品名:Prolene、太さ4-0、Ethicon社製)を縫合針を用いて、実施例1および比較例1において作成したチューブの両端から約3mmの位置に貫通させ、チューブの内腔側の糸を外側に出して、チューブの外側の糸と結び輪をつくり、チューブを両端から引っ張ることができるようにした。このようにして作成した試験用チューブを用いて、引っ張り強度試験器(製品名:オートグラフ AG-500D、島津製作所製)で引っ張り強度を測定した。
その結果、比較例1(3例)の引っ張り強度の平均値は0.2Nであり、実施例1(3例)の引っ張り強度の平均値は0.31Nであった。したがって、本発明の再生用器具は従来のものと比べて明らかに強度が向上したことが分かる。実施例1および比較例1のすべてにおいて、糸の貫通部から破断が発生したことから、本実験によって特に縫合時の破断強度が向上したことが証明された。
【0034】
【発明の効果】
本発明の筒状体は、糸状物の巻き密度が異なる層を有し、筒状体にかかる外部からの応力が分散されるため、筒状体が折れたり割れたりすることがなく、従って、該筒状体を用いた生体組織または器官再生用器具の強度が向上する。また、再生用器具の強度が従来より向上することにより、移植手術中の保持や縫合の際に再生用器具が折れたり割れたりすることがなくなり、手術時間の延長や再手術の可能性が低下し、患者の負担が大幅に減少される。また、再生用器具が手術後に体内で破損し、組織または器官の再生が不適切な方向に進行してしまう危険性を回避することができる。
しかも、本発明の筒状体は、十分な強度を有するだけでなく、軸方向の各々の箇所で内径のバラツキがほとんどない、高い精度の筒状体である。このため、特に神経の再生等の緻密なコントロールを必要とする再生医療において、有用な再生用器具が提供される。
特に、内外径の小さい筒状体を作製する場合、生分解性材料からなるシート、不織布または織布等を筒状鋳型に巻き付けて作製することは難しく、生分解性糸状物を筒状鋳型に巻き付ける本発明の方法により筒状体が容易に作製される。このため、本発明の製造方法は径の小さい筒状体を作製する場合において非常に有用である。しかし、太い径の筒状体においても、生分解性糸状物のコイルで形成されることによって、不織布等を鋳型に巻き付けて形成される場合と比べて、精度の高い器具が得られる。また、本発明の筒状体は径の太さに関わらず、優れた強度を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の図面に代わる写真である。
【図2】本発明の製造途中の状態を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例1の説明図である。
【図4】従来の生分解性筒状体の図面に代わる写真である。
【図5】従来の生分解性筒状体の説明図である。
【図6】従来の生分解性筒状体の製造途中の状態を示す説明図である。
【図7】本発明におけるコイルの一例を示す斜視図である。
【図8】本発明におけるコイルの別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の製造方法の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 筒状体
11 生分解性糸状物
12 成形線
2 コラーゲン繊維
3 コラーゲンスポンジ層
4 筒状鋳型
41 糸分配器

Claims (8)

  1. 多層構造を有する筒状体であり、各層がコラーゲン糸状物のコイルで形成され、最も内側の層の巻き密度は、最も外側の層の巻き密度よりも高いことを特徴とする筒状体。
  2. コイルの巻き密度が10コイル/cm以上である層およびコイルの巻き密度が10コイル/cm未満である層を有する、請求項1記載の筒状体。
  3. コイルの巻き密度が30コイル/cm以上である層およびコイルの巻き密度が10コイル/cm未満である層を有する、請求項1記載の筒状体。
  4. コイルの巻き密度が10コイル/cm以上であるコイル化された糸状物の層を最内層に有し、コイルの巻き密度が10コイル/cm未満である層を最外層に有する、請求項1記載の筒状体。
  5. 円筒状または角筒状である、請求項1記載の筒状体。
  6. コラーゲン糸状物の直径が5〜1000μmであり、筒状体の形状が円筒状で内径が0.05〜10mm、外径が0.1〜12mmである、請求項1記載の筒状体。
  7. コラーゲン糸状物の直径が20〜200μmであり、筒状体の形状が円筒状で内径が0.05〜2mm、外径が0.1〜3mmである、請求項1記載の筒状体。
  8. コラーゲン糸状物を、回転する筒状鋳型に多層になるように巻き付け、かつ、最も内側の層の巻き密度は、最も外側の層の巻き密度よりも高くなるように巻き取り、成形処理した後に、該鋳型を抜き取ることを特徴とする筒状体の製造方法。
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