JP4575627B2 - ワーク搬送用ロボット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶基板製造装置や半導体製造装置等において、基板やウェーハ等のワークを搬送するために用いるワーク搬送用ロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶基板製造装置や半導体製造装置においては、基板やウェハ等のワークを搬送する際にロボットを用いている。この種の目的に用いるワーク搬送用ロボットとしては、等しい長さを有して相互に回動するように連結された前段側アーム及び後段側アームと、後段側アームの先端に回動自在に取り付けられたワーク保持用ハンドとを備えて、前段側アーム及び後段側アームの回動に伴ってワーク保持用ハンドを一方向に変位させるようにしたアームロボットが多く用いられている。
【0003】
この種のアームロボットでは、前段側アームの回動変位を、回動方向を反転させて、しかも1対2の変速比で後段側アームに伝達することにより、後段側のアームを前段側アームの回動方向と反対方向に前段側アームの回動角の2倍の角度だけ回動させる伝達機構と、後段側アームの回動変位を回動方向を反転させて2対1の変速比でワーク保持用ハンドに伝達することにより、ワーク保持用ハンドを後段側アームの回動方向と反対方向に後段側アームの回動角の1/2の角度だけ回動させる伝達機構とを必要とする。
【0004】
この種のロボットとしては、前段側アーム及び後段側アームを中空に形成して、両アームの中空部内に収容したベルト・プーリ機構により各アーム及びハンドを駆動するようにしたベルト駆動式のものと、前段側のアーム及び後段側のアームを平行リンクにより構成して、該平行リンクの働きによりハンドを平行移動させるようにしたリンク式のものとが知られている。
【0005】
ベルト駆動式のアームロボットは、後端部が支持フレームに回動自在に支持された前段側アームと、前段側アームの先端に後端部が回動自在に支持された後段側アームと、後段側アームの先端に回動自在に支持されたワーク保持用ハンドと、前段側のアームを回動させるアーム駆動装置と、前段側アームの中空部内に収容されて、該前段側アームの回動変位を、回動方向を反転させて1対2の変速比で後段側アームに伝達する前段側ベルト・プーリ機構と、後段側アーム内に収容されて、該後段側アームの回動変位を回動方向を反転させて2対1の変速比でハンドに伝達する後段側ベルト・プーリ機構とにより構成される。
【0006】
またリンク式のアームロボットは、例えば特開平7−205062号公報に示されているように、前段側アーム及び後段側アームを構成する前段側及び後段側の平行リンク機構と、前段側の平行リンク機構の回動を1対2の変速比で、かつ回動方向を反転させて後段側の平行リンク機構に伝達するベルト・プーリ機構と、後段側の平行リンク機構の先端に取り付けられたワーク保持用のハンドとにより構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ベルト・プーリ機構を用いたアームロボットは、ベルトの寿命が比較的短いため、メンテナンスの周期が短くなり、メンテナンスに要する費用が高くなるという問題があった。
【0008】
また、半導体製造装置等に用いるワーク搬送用ロボットは、プロセスチャンバの狭い入口に向けてワークを搬送することが要求されるため、搬送動作を繰り返した際の、ハンドの到達位置の再現性を高くしておくことが必要であるが、長いベルトを用いるベルト駆動式のアームロボットでは、熱の影響でベルトが伸縮したときに、その伸縮分に相当する回転変位がワーク保持用ハンドに生じて、ハンドの向きがずれたり、動作中にベルトにかかる張力の変化によりベルトが伸縮してハンドの位置が微妙に変化したりするため、繰り返し動作時のハンドの到達位置の再現性を許容範囲内に収めるための設計が難しいという問題があった。
【0009】
更に、リンク式のアームロボットでは、前段側アーム及び後段側アームをそれぞれ平行リンクにより構成する上に、前段側の平行リンクと後段側の平行リンクとの連結部分に回動方向の反転と1対2の変速とを行わせるためのベルト・プーリ機構を設ける必要があるため、構造が複雑になって、大形化するという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、ベルト・プーリ機構を用いることなく、しかも複雑なリンク機構を用いることなく、前段側アームから後段側アームへの変位の伝達と、後段側アームからワーク保持用ハンドへの変位の伝達とを行わせることにより、ベルト・プーリ機構を用いた場合に生じる問題を回避し、装置を大形にすることなく、位置再現性が高い搬送動作を安定に行わせることができるようにしたワーク搬送用ロボットを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるワーク搬送用ロボットは、第1の軸線を中心に回動するように後端部が支持フレームに回動自在に支持された前段側アームと、第1の軸線から一定の距離Lを隔てた位置において該第1の軸線と平行に延びる第2の軸線に中心軸線を一致させた状態で前段側アームの先端部に取り付けられた内歯歯車と、歯数が内歯歯車の歯数の1/2に設定されて内歯歯車の内側に同心的に配置された太陽歯車と、回転中心軸線を第2の軸線に一致させて前段側アームの先端部に回転自在に支持された中間回転部材と、中間回転部材に回転自在に支持されて内歯歯車と太陽歯車とに噛み合わされた遊星歯車と、回動中心軸線を第2の軸線に一致させて後端部が前段側アームの先端部に回動自在に支持されるとともに太陽歯車に固定されて太陽歯車の回転に伴って回動させられる後段側アームと、第2の軸線から一定距離Lを隔てた位置において第1の軸線及び第2の軸線と平行に伸びる第3の軸線に回転中心軸線を一致させて後段側アームの先端部に回転自在に支持されたハンド支持部材と、ハンド支持部材に後端部が支持されたワーク保持用のハンドと、前段側アームを駆動して該前段側アームを第1の軸線を中心に回動させるアーム駆動装置と、支持フレームに支持されて支持フレームに対して相対的に、または支持フレームとともに第1の軸線を中心にして回動し得るように設けられたリンク支持部材と、前段側アームと平行に配置されて第1の軸線と平行に伸びる第1の枢支軸を介してリンク支持部材に一端が枢支されるとともに第1の枢支軸の軸線から一定距離Lを隔てた位置において第2の軸線と平行に伸びる第2の枢支軸を介して中間回転部材に他端が枢支された前段側リンク及び後段側アームと平行に配置されて第2の軸線と平行に伸びる第3の枢支軸を介して中間回転部材に一端が枢支されるとともに第3の枢支軸の軸線から一定距離Lを隔てた位置において第3の軸線と平行に伸びる第4の枢支軸を介してハンド支持部材に他端が枢支された後段側リンクを備えたリンク機構とを備えている。上記リンク機構は、前段側アーム及び後段側アームが相対的に回動する過程で前段側リンク及び後段側リンクが相対的に回動して第2の軸線と第2の枢支軸の軸線とを含む平面の向きを第1の軸線と第1の枢支軸の軸線とを含む平面と同じ向きに保つとともに、第1の軸線と第3の軸線とを含む平面の向きを第2の軸線と第2の枢支軸の軸線とを含む平面と同じ向きに保つように構成されていて、リンク支持部材を停止させた状態で前段側アームを回動させたときに前段側アーム及び後段側アームが、第1の軸線と第3の軸線とを含む平面を常に同じ向きに向けた状態を保って相対的に回動して、ハンド支持部材が第1の軸線と第3の軸線とを含む平面に沿って直線変位するように構成されている。
【0012】
上記のように、前段側アームの先端部と後段側アームの後端部との間に中間回転部材を設けて、前段側アームの先端部に取り付けた内歯歯車と、後段側アームの後端部に取り付けた太陽歯車と、中間回転部材に取り付けた遊星歯車とにより内歯歯車と太陽歯車との間の変速比が1対2の遊星歯車機構を構成して、この遊星歯車機構を介して前段側アームと後段側アームとを連結すると、中間回転部材を固定した状態で、前段側アームを回動させたときに、後段側アームは前段側アームの回動方向と反対側に前段側アームの回動角度の2倍の角度だけ回動して、後段側アームの先端部が一方向に直線移動する。
【0013】
したがって、支持フレームに支持されたリンク支持部材と中間回転部材との間を連結する前段側リンク及び中間回転部材とハンド支持部材との間を連結する後段側リンクを備えたリンク機構を設けて、前段側アーム及び後段側アームが相対的に回動する過程で前記前段側リンク及び後段側リンクが相対的に回動して第2の軸線と第2の枢支軸の軸線とを含む平面の向きを第1の軸線と第1の枢支軸の軸線とを含む平面と同じ向きに保つとともに、第1の軸線と第3の軸線とを含む平面の向きを第2の軸線と第2の枢支軸の軸線とを含む平面と同じ向きに保つようにリンク機構を構成すると、リンク支持部材を停止させた状態で前段側アームを回動させたときに前段側アーム及び後段側アームを、第1の軸線と第3の軸線とを含む平面を常に同じ向きに向けた状態を保って相対的に回動させて、ハンド支持部材を第1の軸線と第3の軸線とを含む平面に沿って直線変位させることができ、該ハンド支持部材にワーク保持用のハンドを取り付けておくことにより、ワークを一方向に直線移動させることができる。
【0014】
上記のように、前段側アームの回動を、回動方向を反転させて後段側アームに伝達する機構として遊星歯車機構を用いると、該歯車機構は、前段側アームと後段側アームとを連結する関節部内に楽に収容できるため、ベルト・プーリ機構を用いる場合に比べてロボットをコンパクトに構成することができる。
【0015】
更に上記のように、前段側アームの回動を後段側のアームに伝達する伝達機構として遊星歯車機構を用いると、2つのアーム内にベルト・プーリ機構を収容する必要がないため、両アームの厚み寸法を小さくして、ロボットの小形軽量化を図ることができる。
【0016】
また上記のように構成すると、前段側アームから後段側アームへの変位の伝達機構にベルトが存在しないため、ベルトの伸縮によるハンドの位置ずれ等、ベルトを用いていたことにより生じていた従来のロボットの種々の問題を解決することができ、繰り返し動作時の位置再現性が高いワーク搬送用ロボットを得ることができる。
【0017】
本発明の好ましい態様では、上記後段側リンクを1対設けて、該1対の後段側リンクを、第2の軸線と第3の軸線とを含む平面を間に挟んで互いに平行に延びるように配置する。1対の後段側リンクのそれぞれの一端及び他端は中間回転部材及びハンド支持部材にそれぞれ対の第3の枢支軸及び対の第4の枢支軸を介して枢支する。
【0018】
上記のように構成する場合、対の第3の枢支軸と該対の第3の枢支軸にそれぞれ対応する対の第4の枢支軸との間のそれぞれの距離は当然等しく設定される。
【0019】
また対の第3の枢支軸は第2の軸線に対して対称に配置され、対の第4の枢支軸は第3の軸線に対して対称に配置される。
【0020】
上記のように後段側リンクを1対設けて、該対の後段側リンクを平行に配置すると、ハンド支持部材の回動を円滑に行わせることができる。また後段側アームを中空に形成して、後段側リンクを後段側アームの中空部内に配置するようにすると、後段側リンクを後段側アームの外側に配置する場合と比べて、ロボットをコンパクトに構成することができる。
【0021】
上記のように、本発明においては、後段側リンクを後段側アーム内に配置するのが好ましいが、後段側リンクを後段側アームの外側に配置することを何等妨げない。
【0022】
また後段側リンクは必ずしも1対設ける必要はなく、1つだけ設けるようにしてもよい。後段側リンクを1つだけ設ける場合、該後段側リンクは、後段側アームの中空部内に配置してもよく、後段側アームの外側に配置してもよい。
【0023】
本発明において、リンク駆動装置を設けておくと、アーム駆動装置により前段側アームを回動させると同時に、リンク駆動装置によりリンク支持部材を回動させることにより、ハンド支持部材を第1の軸線を中心に旋回させることができるため、ワークを保持したハンドを種々の向きに向けることができる。
【0024】
(0028)
なお本発明は、上記のようにリンク支持部材を回転させることによりロボット全体を旋回する場合に限定されるものではなく、リンク支持部材を支持フレームに対して固定して、支持フレーム全体を回転させる機構を別途設けることにより、ロボット全体を旋回させるようにしてもよい。
【0025】
上記ワーク保持用ハンドとしては、基部と該基部に後端部が固定された対のフィンガー部とを備えた部材により構成された公知のものを用いることができる。この場合ワーク保持用ハンドは、対のフィンガー部が第1の軸線と第3の軸線とを含む平面に対して対称な位置に配置された状態で、その基部がハンド支持部材に固定されて支持される。
【0026】
前段側リンクを取り付け易くするため、リンク支持部材に第1の軸線から第1の枢支軸に向う方向に突出した第1の腕部を設け、中間回転部材に第2の軸線から第2の枢支軸側に向う方向に突出した第2の腕部を設けて、第1の腕部の先端部及び第2の腕部の先端部にそれぞれ第1の枢支軸及び第2の枢支軸を支持するようにするのが好ましい。
【0027】
また遊星歯車の位置を内歯歯車及び太陽歯車の周方向に沿って微調整する遊星歯車位置調整機構を中間回転部材に設けておくのが好ましい。このような調整機構を設けておくと、遊星歯車機構のバックラッシュをなくすための調整を容易に行わせることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図16を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態の全体的な構成を示した平面図、図2ないし図6は本発明に係わるワーク搬送用ロボットの一構成例の異なる動作状態を示す平面図、図7は図6の動作状態での同ロボットの底面図、図8は図1ないし図7に示したロボットの内部構造を示す縦断面図、図9は同ロボットの前段側アームと後段側アームとの連結部の構造を示す拡大縦断面図、図10は同ロボットの後段側アームの先端とハンド支持部材との結合部の構造を示した拡大縦断面図、図11は同ロボットの後段側リンクとハンド支持部材との連結部の構造を示した底面図、図12は、同ロボットの前段側アームの先端に設ける内歯歯車の一例を示した平面図、図13は図12の内歯歯車の内側に同心的に配置されて後段側アームの後端部に結合される太陽歯車の一例を示した平面図、図14は同ロボットの中間回転部材に支持されて図12の内歯歯車及び図13の太陽歯車に噛み合わされる遊星歯車を示した底面図、図15は図12の内歯歯車と図13の太陽歯車と図14の遊星歯車とにより構成される遊星歯車機構の構造を示す平面図、図16は同遊星歯車機構の遊星歯車の位置を微調整する遊星歯車位置調整機構の構造を説明する展開断面図である。
【0030】
先ず図1を参照して本発明に係わるワーク搬送用ロボットの全体的な構成を説明すると、同図において1は支持フレームと該支持フレームに支持されたアーム駆動装置及びリンク駆動装置とを備えたアーム・リンク駆動装置、2は第1の軸線O1 を中心に回動するように一端が支持フレームに回動自在に支持された前段側アーム、3は第1の軸線O1 から前段側アームの先端側に一定の距離Lを隔てた位置において第1の軸線O1 と平行に延びる第2の軸線O2 に中心軸線を一致させた状態で前段側アーム2の先端部に取り付けられた内歯歯車、4は歯数が内歯歯車3の歯数の1/2に設定されて内歯歯車3の内側に同心的に配置された太陽歯車である。
【0031】
また5は回転中心軸線を第2の軸線O2 に一致させて前段側アーム2の先端に回転自在に支持された中間回転部材、6は中間回転部材5に回転自在に支持されて内歯歯車3と太陽歯車4とに噛み合わされた遊星歯車である。
【0032】
なお遊星歯車は少なくとも一つあればよいが、図示の例では4個の遊星歯車が設けられている。
【0033】
7は前段側アーム2の先端部に回動自在に支持された後段側アームで、この後段側アームは、その後端部が回動中心軸線を第2の軸線O2 に一致させた状態で前段側アーム2に回動自在に支持されるとともに太陽歯車4に固定されて、太陽歯車4の回転に伴って回動させられる。
【0034】
8はハンド支持部材で、このハンド支持部材は、第2の軸線O2 から後段側アームの先端側に一定距離Lを隔てた位置において第1の軸線O1 及び第2の軸線O2 と平行に伸びる第3の軸線O3 に回転中心軸線を一致させた状態で後段側アーム7の先端部に回転自在に支持されている。
【0035】
9はリンク支持部材で、このリンク支持部材は、回転中心軸線を第1の軸線O1 に一致させた状態でアーム・リンク駆動装置1に設けられた支持フレームに回転自在に支持されている。
【0036】
10は前段側アーム2と平行に配置された直線形の前段側リンクで、このリンクの一端は、中心軸線O1 ´が第1の軸線O1 と平行に伸びる第1の枢支軸11を介してリンク支持部材9に枢支されている。また前段側リンク10の他端は、第1の枢支軸11の軸線O1 ´から前段側アームの先端側に一定距離Lを隔てた位置において、中心軸線O2 ´が第2の軸線O2 と平行に伸びる第2の枢支軸12を介して、中間回転部材5に枢支されている。
【0037】
また13A及び13Bは後段側アーム7に設けられた中空部内に、該後段側アームと平行に配置された直線形の対の後段側リンクで、これらの後段側リンクの一端は、中心軸線O3A´及びO3B´が第2の軸線O2 と平行に伸びる対の第3の枢支軸14A及び14Bを介して中間回転部材5に枢支されている。また対の後段側リンク13A及び13Bの他端は、中心軸線O4A´及びO4B´が対の第3の枢支軸14A及び14Bの軸線O3A´及びO3B´から後段側アームの先端側にそれぞれ一定距離Lを隔てた位置において第3の軸線O3 と平行に伸びる対の第4の枢支軸15A及び15Bを介してハンド支持部材8に枢支されている。
【0038】
対の第3の枢支軸14A及び14Bは第2の軸線O2 に対して対称に配置され、対の第4の枢支軸15A及び15Bは第3の軸線O3 に対して対称に配置されている。
【0039】
16は半導体ウェハや液晶基板等のワークW(図2ないし図6参照)を保持するワーク保持用ハンドで、ハンド支持部材8に取り付けられている。図示のワーク保持用ハンドは、基部16aと該基部に後端部が固定された対のフィンガー部16b1,16b2とを備えた部材からなっていて、対のフィンガー部16b1,16b2を第2の軸線O1 と第3の軸線O3 とを含む平面に対して対称な位置に配置した状態でその基部16aがハンド支持部材8に固定されている。
【0040】
アーム・リンク駆動装置1に設けられるアーム駆動装置は、モータを駆動源として前段側アーム2を駆動して、該アーム2を第1の軸線O1 を中心に回動させる。
【0041】
またアーム・リンク駆動装置1に設けられるリンク駆動装置は、アーム駆動装置のモータとは別個に設けられたモータを駆動源としてリンク支持部材9を駆動して、該リンク支持部材9を第1の軸線O1 を中心に回転させる。
【0042】
本発明においては、第1の軸線O1 と第2の軸線O2 との間の距離と、第2の軸線O2 と第3の軸線O3 との間の距離と、第1の枢支軸11の軸線O1 ´と第2の枢支軸12の軸線O2 ´との間の距離と、第3の枢支軸14A,14Bの軸線O3A´,O3B´と第4の枢支軸15A,15Bの軸線O4A´,O4B´との間の距離が等しく設定され、前段側アーム2及び後段側アーム7が相対的に回動する過程で、第1の枢支軸11の軸線O1 ´と第4の枢支軸の軸線O4A´及びO4B´と第1の軸線O1 と第3の軸線O3 とが共通の第1の平面A1 −A1 上に位置した状態を保ち、第2の枢支軸12の軸線O2 ´と第3の枢支軸14A及び14Bの軸線O3A´及びO3B´とが第1の平面A1 −A1 と平行な第2の平面A2 −A2 上に位置した状態を保つように、第1ないし第4の枢支軸が設けられている。
【0043】
図示の例では、図4に示すように前段側アーム2と後段側アーム7とが重なり合って第1の軸線O1 と第3の軸線O3 とが一致した状態になった時に、第1の軸線O1 と第1の枢支軸の軸線O1 ´とを含む第1の平面A1 −A1 が第2の軸線O2 と第3の軸線O3 とを含む平面A3 −A3 と直交し、かつ第2の軸線O2 と第2の枢支軸の軸線O2 ´とを含む第2の平面A2 −A2 が第2の軸線O2 と第3の軸線O3 とを含む平面A3 −A3 と直交するように、各枢支軸が設けられている。
【0044】
このように枢支軸を設けることにより、前段側アーム2及び後段側アーム7が相対的に回動する過程で、中間回転部材5の向きをリンク支持部材9と同じ向きに保ち、ハンド支持部材8の向きを中間回転部材5と同じ向きに保つことができるため、前段側アーム2を回動させることにより、ハンド16を一方向に直線移動させることができる。
【0045】
本実施形態では、リンク支持部材9と中間回転部材5との間を連結する前段側リンク10及び中間回転部材5とハンド支持部材8との間を連結する後段側リンク13A,13Bにより、前段側アーム2及び後段側アーム7が回動する過程でリンク支持部材9、中間回転部材5及びハンド支持部材8の向きを一定に保持するためのリンク機構が構成されている。
【0046】
本発明に係わるロボットにおいては、リンク支持部材9を一定の向きに向けて停止させた状態で前段側アーム2を角度θだけ回動させたときに、該前段側アームの回動が内歯歯車3と太陽歯車4と遊星歯車6とからなる遊星歯車機構を介して、1対2の変速比で後段側アーム7に伝達されるため、後段側アーム7は前段側アーム2と反対側に角度2θだけ回動する。
【0047】
そのため、図2ないし図6に示したように、前段側アーム2及び後段側アーム7は、第1の軸線O1 と第3の軸線O3 とを含む第1の平面A1 −A1 を常に一定の向き(リンク支持部材9の向きにより決まる)に向けた状態を保って相対的に回動し、この回動に伴ってハンド支持部材8が第1の平面A1 −A1 に沿って直線変位する。
【0048】
また前段側リンク10の働きにより、前段側アーム2及び後段側アーム7の回動の過程で中間回転部材5の向きがリンク支持部材9の向きと同じ向きに保持され、更に後段側リンク13A及び13Bの働きによりハンド支持部材8が中間回転部材5の向きと同じ向きに保持されるため、ワークWを保持したハンド支持部材8は、図2ないし図6に示すように、前段側アーム2及び後段側アーム7の回動に伴って、その向きを常に一定に保った状態で第1の平面A1 −A1 に沿って直線変位する。
【0049】
図示の例では、平行に配置された後段側リンク13A及び13Bが互いに接触した状態になる位置が前段側アーム2及び後段側アーム7の回動範囲の限界位置となり、前段側アーム及び後段側アームの回動角によりハンドの変位量(ストローク)が決まるが、実用上必要なハンドの変位量を得るためには、前段側アーク2に対する後段側アーム7の回動角を例えば、90°ないし120°程度確保できれば十分である。
【0050】
図示の例では、アーム・リンク駆動装置1に設けられたアーム駆動装置により前段側アーム2を回動させるとともに、リンク駆動装置によりリンク支持部材9を回転させることができるようになっている。このように、リンク駆動装置を設けておくと、アーム駆動装置とリンク駆動装置とを同時に動作させて、前段側アーム2とリンク支持部材9とを同方向に回転させることにより、ハンド支持部材8を第1の軸線O1 を中心にして旋回させて、ハンド16の向きを自由に変えることができる。
【0051】
次に、図8ないし図16を参照して、本実施形態の各部の構造を詳細に説明する。本実施形態では、第1ないし第3の軸線O1 ないしO3 をそれぞれ垂直方向に一致させている。
【0052】
図8に示したように、アーム・リンク駆動装置1は、円筒状に形成されたケーシング100を備え、このケーシングの上部に支持フレーム101が固定されている。支持フレーム101には、回転中心軸線を一致させた状態で配置されたアーム駆動用回転部材102とリンク駆動用回転部材103とが、それぞれの回転中心軸線を第1の軸線O1 に一致させた状態で支持されている。
【0053】
図示の例では、リンク駆動用回転部材103がほぼ円筒状に形成された部材からなっていて、該回転部材103が軸受104を介して支持フレーム101に支持されている。またアーム駆動用回転部材102は、リンク駆動用回転部材103の内側に配置された軸部材からなっていて、軸受105及び106を介してリンク駆動用回転部材103に対して支持されている。
【0054】
図示の例では、アーム駆動用回転部材102の下端外周に大歯車107が取り付けられ、ケーシング100内に固定されたアーム駆動用モータ108の回転軸に取り付けられた小歯車109が大歯車107に噛み合わされている。したがって、アーム駆動用回転部材102は、モータ108の回転に伴って第1の軸線O1 −O1 を中心に回転駆動される。
【0055】
またリンク駆動用回転部材103の下端外周に大歯車110が取り付けられ、ケーシング100内に固定されたリンク駆動用モータ111の回転軸に取り付けられた小歯車112が大歯車110に噛み合わされている。したがって、リンク駆動用回転部材103は、モータ111の回転に伴って、第1の軸線O1 −O1 を中心に回転駆動される。
【0056】
この例では、モータ108と歯車107及び109とにより、アーム駆動装置が構成され、モータ111と歯車110及び112とにより、リンク駆動装置が構成されている。
【0057】
既に述べたように、ワークを保持したハンド16を一方向に搬送する際には、リンク支持部材9を停止させた状態に保持して、モータ108により前段側アーム2のみを駆動する。またハンド16の向きを変えるために、ハンド16を第1の軸線O1 を中心に旋回させる際には、モータ108と111との双方を駆動して、前段側アーム2とリンク支持部材9とを同方向に回動させる。
【0058】
アーム駆動用回転部材102の上端には、筒状のアーム取り付け部102aが形成され、このアーム取り付け部102aに、第1の軸線O1 と直交する平面に長手方向を沿わせた状態で配置された前段側アーム2の後端部が固定されている。図示の例では、前段側アーム2の後端部に、該アームの底面側に開口した断面円形の凹部2aが形成され、この凹部2a内にアーム取付け部102aが挿入されている。アーム2は、その凹部2aの中心軸線をアーム駆動用回転部材102の中心軸線(第1の軸線)に一致させた状態で配置され、アーム2の後端部とアーム駆動用回転部材102のアーム取付け部102aとがボルト21により締結されて、アーム2の後端部がアーム駆動用回転部材102に固定されている。
【0059】
またリンク駆動用回転部材103の上端に形成された筒状の取り付け部103aにリンク支持部材9が固定されている。リンク支持部材9は、第1の軸線O1 と直交する平面に板面を沿わせた状態で、かつ前段側アーム2及び支持フレーム101に対して回転し得る状態で、前段側アーム2の後端部と支持フレーム101との間に配置された円板部9aと、該円板部9aの外周部から径方向の外側に突出した腕部9bとからなり、円板部9aの中央に設けられた取付け孔にリンク駆動用回転部材103の取付け部103aが嵌合されて、リンク支持部材9が位置決めされている。円板部9aと取付け部103aとがボルトにより締結されて、リンク支持部材9が回転部材103に固定されている。
【0060】
リンク支持部材9の腕部9bの先端には、第1の軸線O1 と平行に延びる第1の枢支軸11が、その先端を上方に向けた状態で取り付けられ、この第1の枢支軸に前段側リンク10の一端が軸受10aを介して連結されている。
【0061】
前段側アーム2は中空に形成されていて、その底面には点検用の窓が形成され、この窓は蓋板22(図7参照)により閉じられている。
【0062】
前段側アーム2の先端部には、リング状に形成された歯車取付け部2bが形成されている。歯車取付け部2bは、その中心軸線を第2の軸線O2 に一致させた状態で設けられていて、この歯車取付け部2bの下端の内周には、図12に示したように、環状部材3aの内周に多数の歯3bを刻設した内歯歯車3が、その中心軸線を第2の軸線O2 に一致させた状態で嵌合されている。図9に示されているように、内歯歯車3は、ボルト23により歯車取付け部2bに固定されている。
【0063】
歯車取付け部2bにはまた、回転中心軸線を第2の軸線O2 に一致させた状態で配置された中間回転部材5が軸受25を介して回転自在に支持され、この中間回転部材5に、太陽歯車支持部材27が軸受28及び29を介して回転自在に支持されている。
【0064】
図14に概略的に示したように、中間回転部材5は、リング状の歯車取付け部2bと同心的に配置されるほぼ円板状の本体部5aと、該本体部5aの外周部から径方向の外側に突出した腕部5bとを有していて、本体部5aの中心軸線を第2の軸線O2 に一致させた状態で歯車取り付け部2bに軸受25を介して支持されている。
【0065】
腕部5bの先端には、軸線O2 ´が第2の軸線O2 と平行に延びる第2の枢支軸12が、その先端を下方に向けた状態で取り付けられ、この第2の枢支軸12の先端に前段側リンク10の他端が軸受10bを介して連結されている。
【0066】
太陽歯車支持部材27は、中心軸線を第2の軸線O2 に一致させた状態で配置された有底の円筒部27aと、円筒部27aの開口端(上端)に形成された外鍔部27bとを一体に有していて、外鍔部27bが軸受28を介して中間回転部材5の本体部5aに回転自在に支持されるとともに、円筒部27aが中間回転部材5の本体部5aに取り付けられた後記する歯車支持部材31の内周に軸受29を介して支持されている。太陽歯車支持部材の円筒部27aの底部には、内歯歯車3の内側に同心的に配置された太陽歯車4が、その中心軸線を第2の軸線に一致させた状態で、ボルト30(図9参照)により固定されている。図13に示したように、太陽歯車4は、円板の外周に歯4aを刻設した歯車からなっていて、この太陽歯車4の歯数は、内歯歯車3の歯数の1/2に設定されている。
【0067】
中間回転部材5の本体部5aの内歯歯車側の面には、図14ないし図16に示すように、4つの円弧状の歯車支持部材31がロックボルト32により取り付けられている。これらの歯車支持部材31にそれぞれ90°間隔で配置された4つの遊星歯車6が軸33を介して回転自在に支持され、図15に示したように、これらの遊星歯車6が内歯歯車3と太陽歯車4とに噛み合わされている。内歯歯車3と太陽歯車4と遊星歯車6とにより、遊星歯車機構が構成されている。
【0068】
なお図15の各部に付された斜線は、部材を区別するためのものであり、断面を示すハッチングではない。
【0069】
図16の展開断面図に示したように、円弧状の歯車支持部材31のそれぞれの両端にはテーパ面31aが形成され、隣接する歯車支持部材のテーパ面31a,31a間に形成された隙間に楔状の位置調整具34が係入されている。ロックボルト32を貫通させるために各歯車支持部材31に設けられたボルト挿通孔は緩めに形成されていて、ボルト32を緩めた状態では、各歯車支持部材31を内歯歯車3の周方向に微少量だけ変位させることができるようになっている。各歯車支持部材31を貫通させた状態で調整ネジ35が設けられ、各調整ネジ35は、中間回転部材5の本体部5aに設けられたネジ孔に螺合されている。この例では、歯車支持部材31と、位置調整具34と、調整ネジ35と、ボルト32とにより、遊星歯車の位置を調整する遊星歯車位置調整機構が構成されている。
【0070】
各遊星歯車の位置を調整する際には、ロックボルト32を緩めた状態で調整ネジ35を回転させて位置調整具34の係入量を調整することにより、各歯車支持部材31を内歯歯車3の周方向に微少量移動させて、内歯歯車及び太陽歯車の周方向に対する各遊星歯車6の位置を微調整する。これにより、遊星歯車6と内歯歯車3及び太陽歯車4との噛み合わせ状態を調整した後、ロックボルト32を締め付けて、歯車支持部材31を固定する。
【0071】
このように遊星歯車6の位置を微調整する位置調整機構を設けておくと、遊星歯車6を内歯歯車3と太陽歯車4とに噛み合わせ後、遊星歯車6と太陽歯車4及び内歯歯車3との間の噛み合わせ状態を遊びがない状態に調整することができるため、遊星歯車機構のバックラッシュをなくすための調整を容易に行うことができる。
【0072】
図9及び図2ないし図6に現れているように、太陽歯車支持部材27の外鍔部27bには、第2の軸線O2 に対して対称に配置された2つの円弧状の長孔27cA及び27cBが形成され、中間回転部材5の本体部5aに固定された第3の枢支軸14A及び14Bが、これらの長孔27cA及び27cBにスライド自在に嵌合されている。第3の枢支軸14A及び14Bは、第2の軸線O2 に対して対称な位置に、それぞれの軸線O3A´及びO3B´を第2の軸線O2 と平行な方向に向けた状態で配置されている。第3の枢支軸14A及び14Bと長孔27cA及び27cBとの嵌合により、太陽歯車4の回転範囲(後段側アーム7の回動範囲)がほぼ120°に規制されている。
【0073】
前段側アーム2の先端の歯車取り付け部2bの下端の開口部は着脱自在な蓋板37により閉じられている。
【0074】
上記のように、中間回転部材5は前段側リンク10を介してリンク支持部材9に連結されているため、中間回転部材5は常にリンク支持部材9と同じ向きに保持される。したがってリンク支持部材9を支持フレームに対して固定した状態で前段側アーム2を回動させると、内歯歯車3の回転が太陽歯車4に伝達され、太陽歯車4が内歯歯車3と反対側に回転する。内歯歯車3の歯数と太陽歯車4の歯数とが2対1に設定されているため、太陽歯車4は、内歯歯車3の回転方向と反対方向に、内歯歯車の回転角θの2倍の角度2θだけ回転する。
【0075】
図9に示したように、後段側アーム7の後端部には、下方に開口した断面が円形の凹部7aが形成され、この凹部7aの底部の中央に更に凹部7aよりも小径の凹部7bが形成されている。後段側アーム7の凹部7aに太陽歯車支持部材27の外鍔部27bが嵌合され、太陽歯車支持部材の外鍔部27bの長孔27cA及び27cBを貫通した第3の枢支軸14A及び14Bが凹部27b内に挿入されている。後段側アーム7の後端部は、ボルト40により太陽歯車支持部材27の外鍔部27bに締結され、これにより、後段側アーム7の後端部が太陽歯車4に結合されている。したがって、後段側アーム7は太陽歯車4の回転に伴って、第2の軸線O2 を中心に回動させられる。
【0076】
前述のように、前段側アーム2が回動したときに、太陽歯車4は内歯歯車3の回転方向と反対の方向に、内歯歯車3の回転角の2倍の角度回転させられるため、後段側アーム7は、前段側アーム2の回動に伴って、前段側アームの回動方向と反対の方向に、前段側アームの回動角の2倍の角度回動する。
【0077】
図10及び図11に示したように、後段側アーム7の先端部には、断面が円形の取り付け孔7cが形成され、この取り付け孔7cの内周には、中心軸線を第3の軸線O3 に一致させた状態で配置された断面が円形のハンド支持部材8が軸受41を介して回転自在に支持されている。
【0078】
図示の例では、ハンド支持部材8が大径の第1の部材8Aと該第1の部材8Aに重ねて配置された小径の第2の部材8Bとからなっていて、両部材8A及び8Bがボルト42により締結されて一体化されている。図10にも示されているように、回転部材8の下端には、環状の軸支持部材43がボルト44により固定され、この軸支持部材43には、対の第4の枢支軸15A及び15Bがそれぞれの先端を下方に向けた状態で支持されている。前述のように、第4の枢支軸15A及び15Bは、第3の軸線O3 に対して対称な位置に、それぞれの軸線O4A´及びO4B´を第3の軸線O3 と平行な方向に向けた状態で配置されている。
【0079】
後段側アーム7内には、下方に開口した中空部7dが形成されていて、この中空部7d内には、後段側アームと平行に延びる1対の後段側リンク13A及び13Bが、第2の軸線O2 と第3の軸線O3 とを含む平面の両側に位置させた状態で収容されている。これら対のリンク13A及び13Bの一端は、中間回転部材5に支持された第3の枢支軸14A及び14Bに軸受13aを介して連結されている。また対の後段側リンク13A及び13Bの他端は、ハンド支持部材8に支持された対の第4の枢支軸15A及び15Bに軸受13bを介して連結されている。後端側アーム7の中空部の開口部は着脱自在な蓋板45により閉じられている。
【0080】
上記のように、中間回転部材5とハンド支持部材8との間が後段側リンク13A及び13Bにより連結されているため、前端側アーム2及び後段側アーム7が回動する過程で、ハンド支持部材8は常に中間回転部材5と同じ向きに保持される。
【0081】
中間回転部材5の回動に伴ってハンド支持部材8を円滑に回転させるためには、上記の実施形態のように、後段側リンクを2本設けて平行に配置するのが好ましいが、本発明は、このように後段側リンクを2本設ける場合に限定されるものではなく、後段側リンクを1本だけ設けるようにしてもよい。
【0082】
またロボットをコンパクトに構成するためには、上記の実施形態のように、後段側リンクを後段側アームの中空部内に収めるようにするのが好ましいが、図17に示すように、後段側リンク13を後段側アーム7の外部に配置するようにしてもよい。図17に示した例では、中間回転部材5に腕部5bの外に更に後段側リンク13の一端を枢支するための腕部5cが設けられ、ハンド支持部材8に後段側リンク13の他端を枢支するための腕部8aが設けられている。後段側リンク13は後段側アーム7と平行に配置されて、その一端は、軸線O3 ´が第2の軸線O2 と平行に延びる第3の枢支軸14を介して腕部5cに枢支されている。また後段側リンク13の他端は、軸線O4 ´が第3の軸線O3 と平行に延びる第4の枢支軸15を介してハンド支持部材の腕部8aに枢支されている。その他の構成は図1ないし図16に示した実施形態と同様である。
【0083】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、前段側アームの回動を、回動方向を反転させて後段側アームに伝達する機構として、両アームを連結する関節部内に楽に収容できる遊星歯車機構を用いたので、ベルト・プーリ機構を用いる場合に比べてロボットをコンパクトに構成することができる利点がある。
【0084】
またアーム内にベルトプーリ機構を収容する必要がないため、アームの厚さを薄くして、ロボットの小形軽量化を図ることができる。
【0085】
また本発明によれば、前段側アームから後段側アームへの変位の伝達機構にベルトが存在しないため、ベルトの伸縮によるハンドの位置ずれ等、ベルトを用いていたことにより生じていた従来のロボットの種々の問題を解決することができ、繰り返し動作時の位置再現性が高いワーク搬送用ロボットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるワーク搬送用ロボットの一実施形態の全体的な構成を示した平面図である。
【図2】 同実施形態の一動作状態を示す平面図である。
【図3】 同実施形態の他の動作状態を示す平面図である。
【図4】 同実施形態の更に他の動作状態を示す平面図である。
【図5】 同実施形態の更に他の動作状態を示す平面図である。
【図6】 同実施形態の更に他の動作状態を示す平面図である。
【図7】 同実施形態の図6に示した動作状態での底面図である。
【図8】 同実施形態の内部構造を示した縦断面図である。
【図9】 同実施形態の前段側アームと後段側アームとの連結部の構造を示した拡大縦断面図である。
【図10】 同実施形態の後段側アームの先端とハンド支持部材との結合部の構造を示した拡大縦断面図である。
【図11】 同実施形態の後段側リンクとハンド支持部材との連結部の構造を示した底面図である。
【図12】 同実施形態の前段側アームの先端に設ける内歯歯車の一例を示した平面図である。
【図13】 図12の内歯歯車の内側に同心的に配置されて後段側アームの後端部に結合される太陽歯車の一例を示した平面図である。
【図14】 本実施形態において中間回転部材に支持されて図12の内歯歯車及び図13の太陽歯車に噛み合わされる遊星歯車を示した底面図である。
【図15】 図12の内歯歯車と図13の太陽歯車と図14の遊星歯車とにより構成される遊星歯車機構の構造を示す平面図である。
【図16】 図15に示した遊星歯車機構の遊星歯車の位置を微調整する遊星歯車位置調整機構の構造を説明するための展開断面図である。
【図17】 本発明の他の実施形態の構成を示した平面図である。
【符号の説明】
1…アーム・リンク駆動装置、2…前段側アーム、3…内歯歯車、4…太陽歯車、5…中間回転部材、6…遊星歯車、7…後段側アーム、8…ハンド支持部材、9…リンク支持部材、10…前段側リンク、11…第1の枢支軸、12…第2の枢支軸、13A,13B…後段側リンク、14A,14B…第3の枢支軸、15A,15B…第4の枢支軸、16…ワーク保持用ハンド、O1 …第1の軸線、O2 …第2の軸線、O3 …第3の軸線。

Claims (9)

  1. 第1の軸線を中心に回動するように後端部が支持フレームに回動自在に支持された前段側アームと、
    前記第1の軸線から一定の距離Lを隔てた位置において該第1の軸線と平行に延びる第2の軸線に中心軸線を一致させた状態で前記前段側アームの先端部に取り付けられた内歯歯車と、
    歯数が前記内歯歯車の歯数の1/2に設定されて前記内歯歯車の内側に同心的に配置された太陽歯車と、
    回転中心軸線を前記第2の軸線に一致させて前記前段側アームの先端部に回転自在に支持された中間回転部材と、
    前記中間回転部材に回転自在に支持されて前記内歯歯車と太陽歯車とに噛み合わされた遊星歯車と、
    回動中心軸線を前記第2の軸線に一致させて後端部が前記前段側アームの先端部に回動自在に支持されるとともに前記太陽歯車に固定されて前記太陽歯車の回転に伴って回動させられる後段側アームと、
    前記第2の軸線から一定距離Lを隔てた位置において前記第1の軸線及び第2の軸線と平行に伸びる第3の軸線に回転中心軸線を一致させて前記後段側アームの先端部に回転自在に支持されたハンド支持部材と、
    前記ハンド支持部材に後端部が支持されたワーク保持用のハンドと、
    前記前段側アームを駆動して該前段側アームを前記第1の軸線を中心に回動させるアーム駆動装置と、
    前記支持フレームに支持されて前記支持フレームに対して相対的に、または前記支持フレームとともに前記第1の軸線を中心にして回動し得るように設けられたリンク支持部材と、
    前記前段側アームと平行に配置されて前記第1の軸線と平行に伸びる第1の枢支軸を介して前記リンク支持部材に一端が枢支されるとともに前記第1の枢支軸の軸線から前記一定距離Lを隔てた位置において前記第2の軸線と平行に伸びる第2の枢支軸を介して前記中間回転部材に他端が枢支された前段側リンク及び前記後段側アームと平行に配置されて前記第2の軸線と平行に伸びる第3の枢支軸を介して前記中間回転部材に一端が枢支されるとともに前記第3の枢支軸の軸線から前記一定距離Lを隔てた位置において前記第3の軸線と平行に伸びる第4の枢支軸を介して前記ハンド支持部材に他端が枢支された後段側リンクを備えたリンク機構と、
    を具備し、
    前記前段側アーム及び後段側アームが相対的に回動する過程で前記前段側リンク及び後段側リンクが相対的に回動して前記第2の軸線と第2の枢支軸の軸線とを含む平面の向きを前記第1の軸線と第1の枢支軸の軸線とを含む平面と同じ向きに保つとともに、前記第1の軸線と前記第3の軸線とを含む平面の向きを前記第2の軸線と前記第2の枢支軸の軸線とを含む平面と同じ向きに保つように前記リンク機構が構成され、
    前記リンク支持部材を停止させた状態で前記前段側アームを回動させたときに前記前段側アーム及び後段側アームが、前記第1の軸線と第3の軸線とを含む平面を常に同じ向きに向けた状態を保って相対的に回動して、前記ハンド支持部材が前記第1の軸線と第3の軸線とを含む平面に沿って直線変位するように構成されているワーク搬送用ロボット。
  2. 前記リンク支持部材は、回転中心軸線を前記第1の軸線に一致させた状態で前記支持フレームに回転自在に支持され、
    前記リンク支持部材を駆動して該リンク支持部材を前記第1の軸線を中心に回転させるリンク駆動装置が設けられている請求項1に記載のワーク搬送用ロボット。
  3. 前記リンク支持部材は前記支持フレームに固定され、前記支持フレームを前記第1の軸線を中心に回転させる機構が設けられている請求項1に記載のワーク搬送用ロボット。
  4. 前記後段側リンクは1対設けられていて、該1対の後段側リンクが、前記第2の軸線と第3の軸線とを含む平面を間に挟んで互いに平行に延びるように配置され、
    前記対の後段側リンクのそれぞれの一端を前記中間回転部材に枢支する対の第3の枢支軸は、前記第2の軸線に対して対称な位置に配置され、
    前記対の後段側リンクのそれぞれの他端をハンド支持用回転部材に枢支する対の第4の枢支軸は、前記第3の軸線に対して対称な位置に配置されている請求項1,2または3に記載のワーク搬送用ロボット。
  5. 前記後段側リンクは、一つだけ設けられて、前記後段側アームの側方に配置されている請求項1,2または3に記載のワーク搬送用ロボット。
  6. 前記後段側アームは中空に形成され、
    前記後段側リンクは前記後段側アームの中空部内に配置されている請求項1ないしのいずれか一つに記載のワーク搬送用ロボット。
  7. 前記ワーク保持用ハンドは、基部と該基部に後端部が固定された対のフィンガー部とを備えた部材からなっていて、前記対のフィンガー部が前記第1の軸線と第3の軸線とを含む平面に対して対称な位置に配置された状態で前記基部が前記ハンド支持部材に固定されて支持されている請求項1ないし6のいずれか一つに記載のワーク搬送用ロボット。
  8. 前記リンク支持部材は前記第1の軸線から前記第1の枢支軸に向う方向に突出した第1の腕部を有し、前記中間回転部材は前記第2の軸線から前記第2の枢支軸側に向う方向に突出した第2の腕部を有し、前記第1の腕部の先端部及び前記第2の腕部の先端部にそれぞれ前記第1の枢支軸及び前記第2の枢支軸が支持されている請求項1ないし7のいずれか一つに記載のワーク搬送用ロボット。
  9. 前記遊星歯車の位置を前記内歯歯車及び太陽歯車の周方向に沿って微調整する遊星歯車位置調整機構が前記中間回転部材に設けられている請求項1ないし8のいずれか一つに記載のワーク搬送用ロボット。
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