JP2563266Y2 - 偏心差動方式減速機 - Google Patents

偏心差動方式減速機

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JP2563266Y2
JP2563266Y2 JP5085292U JP5085292U JP2563266Y2 JP 2563266 Y2 JP2563266 Y2 JP 2563266Y2 JP 5085292 U JP5085292 U JP 5085292U JP 5085292 U JP5085292 U JP 5085292U JP 2563266 Y2 JP2563266 Y2 JP 2563266Y2
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元一 中山
良治 牧野
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Kyoho Machine Works Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ロボットの駆動機構な
どとして用いられる偏心差動方式減速機の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動化された製造ライン等において配設
されている工業用ロボットには、その駆動機構の一部に
減速機が用いられていることが多く、このような用途に
用いられる減速機の一種に偏心差動方式減速機がある。
かかる偏心差動方式減速機は、(a)一中心線まわりに
多数の内周歯が設けられた環状部材と、(b)その環状
部材に対して上記一中心線まわりの相対回転可能に配設
されるとともに、その一中心線から偏心した位置におい
て複数のクランク軸をそれぞれその軸心まわりの回転可
能に保持している保持部材と、(c)前記環状部材の内
周歯と歯数が異なる外周歯を有してその環状部材の内側
に偏心して配設されるとともに前記複数のクランク軸と
係合させられ、それら複数のクランク軸が互いに同期し
て回転駆動されることにより、前記外周歯の一部が前記
内周歯と噛み合う状態で前記一中心線まわりに偏心回転
させられる偏心回転部材とを備え、前記環状部材および
前記保持部材の一方が前記一中心線まわりの回転不能に
固定されることにより、前記クランク軸に入力された回
転を減速してそれら環状部材および保持部材の他方から
出力を取り出すもので、共振点が高く剛性に優れる等の
利点から最近特に多用されるようになってきている。
【0003】図7はこのような偏心差動方式減速機の一
例を示す断面図であり、図8はその構造的な概念図であ
る。環状部材100は内周歯として多数のピン102を
備えており、そのピン102の数よりも1つ少ない歯数
のトロコイド外周歯104を備えた一対の偏心ギヤ(偏
心回転部材)106,108が内側に偏心して配設され
て、その外周歯104が上記ピン102と部分的に噛み
合わされている。偏心ギヤ106,108を両側から挟
む2部材から構成された保持部材110は、ベアリング
112を介して環状部材100に対して一中心線まわり
の相対回転可能に配設されている。その保持部材110
にベアリング114を介して回転可能に配設されたクラ
ンク軸116は、一部を省略した左側面図である図9に
示すように周方向の3箇所に等角度間隔で配置されてお
り、その端部には互いに歯数が等しいスパーギヤ118
がそれぞれ固定されている。スパーギヤ118は、その
各々が中央のインプットギヤ120と噛み合わされてお
り、各スパーギヤ118が固定されたクランク軸116
の偏心軸部122および124の回転がそれぞれ同期さ
せられている。上記インプットギヤ120にはサーボモ
ータ等の出力軸が連結されるようになっており、インプ
ットギヤ120が回転駆動されると3つのクランク軸1
16が同期回転させられ、これらのクランク軸116の
偏心軸部122,124にそれぞれベアリング126を
介して係合している偏心ギヤ106,108は、その外
周歯104の一部が環状部材100のピン102と噛み
合いつつ前記一中心線まわりに偏心回転させられる。上
記一対の偏心軸部122,124はクランク軸116の
軸心に対して対称的に偏心させられており、一対の偏心
ギヤ106,108は互いに反対側へ偏心させられて環
状部材100と噛み合わされるようになっている。
【0004】そして、例えば一方の偏心ギヤ108は、
図7の状態では図の下部において外周歯104が環状部
材100のピン102と噛み合っているが、インプット
ギヤ120が図9における左まわりに回転駆動されてス
パーギヤ118が右まわりに略半回転した図10に示す
状態となるまでの間では、偏心ギヤ108が図10にお
ける左側半分のピン102と噛み合いつつ偏心回転し
て、図の上部においてピン102と噛み合う位置にく
る。このとき、ピン102の個数よりも内周歯104の
歯数が1つ少ないため、偏心ギヤ108さらにはクラン
ク軸116を介してその偏心ギヤ108を保持している
保持部材110は、ピン102の半ピッチ分の角度だけ
環状部材100に対して相対回転させられることにな
る。そして、さらにインプットギヤ120が左まわりに
回転駆動されてスパーギヤ118がさらに半回転したと
きには、図11に示すように偏心ギヤ108が右側半分
のピン102と噛み合いつつ偏心回転して再び図の下部
においてピン102と噛み合う状態となり、偏心ギヤ1
08および保持部材110は、ピン102の1ピッチ分
の角度だけ環状部材100に対して左まわりに相対回転
させられたことになる。このようにして、スパーギヤ1
18の1回転毎に偏心ギヤ106および108更には保
持部材110が上記1ピッチ分の角度ずつ環状部材10
0に対して相対回転させられるのであり、保持部材11
0および環状部材100の一方を回転不能に固定すれ
ば、他方からスパーギヤ118の回転を減速して取り出
すことができる。なお、インプットギヤ120とスパー
ギヤ118との歯数比に応じて第1段の減速が行われ
る。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな偏心差動方式減速機をロボット等のアーム基端部な
どに配設しようとする場合、アーム先端側における手首
軸等の機構部を駆動するための駆動軸やケーブルなどを
その内部を通して配設することが困難であった。具体的
には、前記図7の偏心差動方式減速機においてその中心
付近にスペースを確保するために、例えば図12に示す
ように、歯車列128を1段設けてインプットギヤ13
0に対する駆動源入力軸132の連結位置を偏心させる
とともに、そのインプットギヤ130の中心に中空穴1
34を貫通して設けたとしても、インプットギヤ130
の歯底径以下の内径を有するものしか形成し得ないた
め、上記駆動軸やケーブルを通し得る充分なスペースを
確保することが困難であり、加えて、そのインプットギ
ヤ130自体を支えるベアリング136等の軸受構造が
必要となって構造が複雑となる不都合があった。
【0006】また、インプットギヤ(入力回転部材)と
スパーギヤ(中間回転部材)との歯数比に応じて第1段
の減速が行われるが、インプットギヤは複数のスパーギ
ヤの中心に配設されてそれらと直接噛み合わされている
ため、軸間距離等の相互関係によって減速比の設定の自
由度が制限されるとともに、減速比を変更する場合には
全部のギヤを変更する必要があるなどの問題があった。
【0007】本考案は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、中心部分に駆動軸や
ケーブルなどを貫通して配設できるとともに減速比の設
定の自由度が高い偏心差動方式減速機を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本考案は、前記(a)環状部材と、前記(b)保持
部材と、前記(c)偏心回転部材とを備え、前記環状部
材および前記保持部材の一方が前記一中心線まわりの回
転不能に固定されることにより、前記クランク軸に入力
された回転を減速してそれら環状部材および保持部材の
他方から出力する偏心差動方式減速機において、(d)
前記複数のクランク軸にそれぞれ固定された互いに歯数
が等しい複数の中間回転部材と、(e)それら複数の中
間回転部材の各々に相対回転不能に噛み合わされた環状
の動力伝達部材と、(f)前記一中心線から偏心した位
置に配設され、前記複数の中間回転部材および前記動力
伝達部材の何れかと噛み合わされて回転駆動する入力回
転部材と、(g)前記一中心線上において前記保持部材
および前記偏心回転部材を貫通して設けられた挿通孔と
を有することを特徴とする。
【0009】
【作用および考案の効果】上記偏心差動方式減速機にお
いては、複数の中間回転部材、およびその複数の中間回
転部材の各々に相対回転不能に噛み合わされた環状の動
力伝達部材の何れかが、一中心線から偏心した位置に配
設された入力回転部材によって回転駆動され、互いに歯
数の等しい複数の中間回転部材が動力伝達部材と噛み合
いつつ回転させられることにより、複数のクランク軸が
同期して回転駆動されて偏心回転部材が偏心回転させら
れる。これにより、クランク軸を介してその偏心回転部
材を保持している保持部材と環状部材とが所定の減速比
で相対回転させられ、それらの一方が回転不能に固定さ
れることにより他方から減速出力を取り出すことができ
る。
【0010】ここで、本考案の偏心差動方式減速機は、
複数のクランク軸や入力回転部材が一中心線から偏心し
た位置に配設されているため、その一中心線上において
偏心回転部材および保持部材を貫通して挿通孔を設ける
ことが可能で、その挿通孔内を通して例えばロボットア
ーム等の駆動軸やケーブル等を配設することができる。
【0011】また、動力伝達部材を介して回転が伝達さ
れる中間回転部材および入力回転部材は、従来のように
軸間距離等の相互関係に拘束されることなく、歯数を比
較的自由に且つ広範囲に変更できるため、それらによる
第1段減速比の設定範囲が拡大するとともに、入力回転
部材の歯数を変更するだけで減速比を変えることができ
るなど、比較的容易に変更できるようになる。
【0012】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0013】図1は、本考案の一実施例である偏心差動
方式減速機(以下、単に減速機という)10を示す図で
あり、この減速機10が用いられたロボットアームの基
端部付近における一中心線Lと平行な断面図である。ま
た、図2はその図1におけるIIa−IIa 断面および IIb
−IIb 断面を紙面の左右に半分ずつ示す複合断面図であ
る。この減速機10は、ロボットアームの基端部におい
てベース部材12に保持部材14が一体的に取り付けら
れているとともに、アーム部材16に環状部材18が一
体的に連結されており、駆動源から入力された回転を減
速して環状部材18から出力することにより、アーム部
材16が一中心線Lまわりに回転駆動されるように構成
されている。なお、図示は省略するが、ロボットアーム
の先端側には手首軸等の作動軸が設けられている。
【0014】一中心線Lを中心とする円筒状の環状部材
18の内周面には、ピン歯車を構成する内周歯としての
多数(本実施例では40本)のピン20が一中心線Lと
平行に一定のピッチで一体的に設けられている。環状部
材18の内側には、円板状をなす一対の偏心ギヤ22お
よび24が一中心線Lに対して直角な姿勢で偏心して配
設されており、それぞれの外周には上記多数のピン20
と噛み合い可能なトロコイド歯形の外周歯26がピン2
0より1つ少ない数だけ一定のピッチで設けられてい
る。これら偏心ギヤ22,24は偏心回転部材に相当す
るものであり、外周歯26とピン20とが部分的に噛み
合う状態で環状部材18内を偏心回転させられるように
なっている。また、偏心ギヤ22,24は、それぞれ周
方向において等間隔で3つの逃げ穴28を備えている。
保持部材14は、それら3箇所の逃げ穴28を貫通しつ
つそれらの両側に位置してピン29およびボルト31に
より一体的に連結された第1部材14aおよび第2部材
14bにて構成されており、その第1部材14aはピン
33およびボルト35によりベース部材12に固設され
ている。前記環状部材18は、これら第1部材14aお
よび第2部材14bにより一対のベアリング30を介し
て一中心線Lまわりの回転可能に支持されている。な
お、保持部材14および環状部材18の外周側の隙間部
分にはシール部材32が介挿されている。
【0015】保持部材14には、図2から判るように、
一中心線Lを中心とする一円周上において等間隔で3本
のクランク軸34が配設されており、その各々が一対の
ベアリング36を介して保持部材14の第1部材14a
および第2部材14bに軸心まわりの回転可能に支持さ
れているとともに、そのベース部材12側の端部にはそ
れぞれスパーギヤ38がスプライン軸嵌合などにより相
対回転不能に固定されている。これら3つのスパーギヤ
38は中間回転部材に相当するものであり、それぞれの
歯数および諸寸法はいずれも同じである。そして、各ク
ランク軸34の一対の偏心軸部40および42は、それ
ぞれ上記一対の偏心ギヤ22および24と、前記3箇所
の逃げ穴28の周方向の中間位置においてベアリング4
4を介して相対回転可能に係合させられている。この係
合により、一対の偏心ギヤ22,24は、偏心軸部4
0,42の偏心量だけ一中心線Lに対して偏心させられ
るようになっている。図1において左側の偏心ギヤ22
は環状部材18の上部においてピン20と噛み合ってい
る一方、右側の偏心ギヤ24は逆に環状部材18の下部
においてピン20と噛み合っている。つまり、偏心軸部
40,42の偏心位相が180゜ずらされているのであ
る。なお、それら偏心軸部40および42の各クランク
軸34間での相互の位相は、組付状態で3箇所とも同期
するように予め3つのスパーギヤ38とリングギヤ48
との噛合い時の初期角度等が規定されている。
【0016】保持部材14の第1部材14aにはまた、
ベアリング46を介してリングギヤ48が前記3つのス
パーギヤ38の外側において一中心線Lまわりの回転可
能に配設されており、各スパーギヤ38はこのリングギ
ヤ48の内周歯50とそれぞれ噛み合っている。一方、
一中心線Lから偏心した位置には、インプットギヤ52
を出力軸端部に備えたサーボモータ54がベース部材1
2に固定して配設されており、そのインプットギヤ52
もリングギヤ48の内周歯50に噛み合っている。した
がって、サーボモータ54が駆動されてインプットギヤ
52が図1の左側面から見て右まわりに回転させられる
と、リングギヤ48が図2において右まわりに回転駆動
されるとともに3つのスパーギヤ38がそれぞれ図2に
おいて右まわりに回転駆動させられ、一対の偏心ギヤ2
2,24が同じく右まわりに偏心回転させられることと
なる。このとき、保持部材14および3本のクランク軸
34の回転中心は位置固定であるため、一対の偏心ギヤ
22および24の外周歯26の一部と環状部材18のピ
ン20との噛合いにより、それら偏心ギヤ22,24が
1回転する毎に環状部材18がピン20のピッチに相当
する角度(本実施例では1/40回転)ずつ図2における右
まわりに回転させられる。
【0017】上記のように構成された減速機10の構造
的な概念図を図3に示す。本実施例では上記リングギヤ
48が動力伝達部材に相当するとともに、インプットギ
ヤ52が入力回転部材に相当する。また、スパーギヤ3
8、リングギヤ48、インプットギヤ52等により第1
減速部90が構成されているとともに、保持部材14、
環状部材18、偏心ギヤ22,24、クランク軸34等
により第2減速部92が構成されている。このときのイ
ンプットギヤ52の歯数をZ1 , スパーギヤ38の歯数
をZ2 ,ピン20の本数をZ3 とすると、減速比(環状
部材18の回転数/インプットギヤ52の回転数)iは
次式(1)で表される。
【0018】
【数1】i=Z1 /(Z2 ・Z3 ) ・・・・(1)
【0019】ところで、前記保持部材14および一対の
偏心ギヤ22,24には、一中心線L付近の中央部に挿
通孔56および58がそれぞれ設けられており、それら
挿通孔56および58内には、第1駆動シャフト60、
第2駆動シャフト62、およびケーブル64がそれぞれ
挿通させられている。上記第1駆動シャフト60および
第2駆動シャフト62は、ベアリング66および68を
介してベース部材12により一中心線Lと同心に且つ軸
心まわりの回転可能に支持されており、図1におけるア
ーム部材16の右方向の図示しない先端側において手首
軸等の作動軸とそれぞれ連結されている。それら第1駆
動シャフト60および第2駆動シャフト62にはベース
部材12側の端部にギヤ70および72がそれぞれ一体
的に固定されている一方、ベース部材12には一中心線
Lまわりに上記手首軸等を駆動するための第2サーボモ
ータ74および第3サーボモータ76がそれぞれ固設さ
れており、それらサーボモータ74,76の出力軸ギヤ
78および80(図4参照)と上記ギヤ70,72とが
それぞれ噛み合って駆動されることにより、第1駆動シ
ャフト60および第2駆動シャフト62を介して上記作
動軸へ回転が伝達されるようになっている。また、ケー
ブル64は、アーム部材16の先端側との電気的な接続
を行っている。図4は図1における左側面図であり、一
中心線Lまわりにサーボモータ54、第2サーボモータ
74および第3サーボモータ76が偏心して配置されて
いる状態を示している。
【0020】このように、本実施例においては、スパー
ギヤ38と噛み合うリングギヤ48が配設されるととも
に、そのリングギヤ48を駆動するインプットギヤ52
が一中心線Lから偏心した位置に配設されていることか
ら、減速機10の一中心線L付近において保持部材14
および偏心ギヤ22,24に挿通孔56,58を形成
し、その挿通孔56,58内を通してアーム部材16先
端側における作動軸を駆動するための第1駆動シャフト
60や第2駆動シャフト62、およびケーブル64を配
設することができる。これにより、駆動シャフトなどを
アーム部材16の外部に露出して配設することなく、減
速機10を用いたロボットアームを簡単且つコンパクト
に構成することができるのである。
【0021】また、リングギヤ48を介して回転が伝達
されるインプットギヤ52およびスパーギヤ38は、従
来のように軸間距離等の相互関係に拘束されることな
く、歯数Z1 ,Z2 を比較的自由に且つ広範囲に変更で
きるため、それらに基づく第1減速部90における減速
比の設定可能な範囲が拡大するとともに、容易にその減
速比を変更することが可能となる。
【0022】図5は、本考案の他の実施例を示す図であ
り、前述した図1の実施例におけるリングギヤ48をタ
イミングベルト82に置き換えるとともに、スパーギヤ
38およびインプットギヤ52をタイミングプーリ84
および86にそれぞれ置き換えたものである。この場合
においても、タイミングプーリ86と同心に配設された
図示しないサーボモータ等によりそのタイミングプーリ
86が回転駆動されると、タイミングベルト82にそれ
ぞれ相対回転不能に噛み合っている互いに歯数の等しい
3つのタイミングプーリ84が同期して回転させられ
る。なお、必要に応じてタイミングプーリ86の位置に
おけるタイミングベルト82の外側にバックアッププー
リを設けても良い。そして、一中心線Lの付近には、前
記第1駆動シャフト60、第2駆動シャフト62、およ
びケーブル64をそれぞれ配設させ得るだけのスペース
が確保されている。上記タイミングベルト82は動力伝
達部材に相当し、タイミングプーリ84は中間回転部材
に相当し、タイミングプーリ86は入力回転部材に相当
する。
【0023】本実施例においても、図1の実施例と同様
に一中心線L付近に充分な中空スペースを確保できると
ともに、減速比の設定の自由度が向上する。また、タイ
ミングベルト82は、前記リングギヤ48に比較してイ
ナーシャが小さいとともに、バックラッシを僅少に抑え
ることができるため、回転精度を上げることが可能とな
る。さらに、タイミングベルト82はゴムなどの弾性材
料で構成されていることから、駆動開始および停止時の
イナーシャを吸収して作動を円滑にしたり、出力側から
の衝撃負荷を吸収して減速機の破損を防いだりする効果
が得られる。
【0024】以上、本考案の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、本考案は他の態様で実施することもで
きる。
【0025】たとえば、前述した図1の実施例において
は、保持部材14が固定されるとともに環状部材18か
ら減速出力される場合について説明したが、図6の構造
概念図に示すように、環状部材18をベース部材12へ
回転不能に固定するとともに保持部材14をアーム部材
16に連結し、偏心ギヤ22および24が偏心回転に伴
って自転させられることにより、保持部材14から減速
出力させてアーム部材16を駆動することも可能であ
る。
【0026】また、前述の実施例のように保持部材14
を固定して環状部材18を減速回転させる場合には、複
数のクランク軸34は必ずしも一中心線Lを中心とする
一円周上に配設される必要はなく、一中心線Lから偏心
した任意の位置に設けることもできるし、インプットギ
ヤ52やタイミングプーリ86を複数のスパーギヤ38
またはタイミングプーリ84の任意の一つに噛み合わせ
ることも可能である。
【0027】また、前述の実施例においては、保持部材
14が3本のクランク軸34を保持するとともに3つの
スパーギヤ38がそれぞれ配設されている場合であった
が、クランク軸34の数は2本以上であれば偏心ギヤ2
2,24を偏心回転させることができるため、クランク
軸34およびスパーギヤ38の数は2つでも4つ以上で
も良い。
【0028】また、前述した図1の実施例においては、
互いに噛み合うリングギヤ48、スパーギヤ38、イン
プットギヤ52の歯形については特に言及されていなか
ったが、平歯車やはすば歯車の歯形は勿論、互いに相対
回転不能な噛合いが可能であれば特殊な歯形を有する歯
車や他の係合要素も用いられ得る。
【0029】また、前述の実施例においては、環状部材
18に多数のピン20が内周歯として設けられるととも
に、偏心ギヤ22,24に多数のトロコイド外周歯26
が設けられていたが、これらに替えて、一般的な内歯車
における互いに噛合い可能なインボリュート歯形やサイ
クロイド歯形などの他の歯形の内周歯および外周歯がそ
れぞれ設けられても差し支えない。
【0030】また、前述の実施例においては、一対の偏
心ギヤ22および24が、ピン20の数より1つ少ない
数の外周歯26を有していたが、外周歯26の歯数はピ
ン20の数より2つ以上少なくても偏心差動方式減速機
を構成することは可能である。
【0031】また、前述した図5の実施例においては、
タイミングベルト82が動力伝達部材として用いられ、
そのタイミングベルト82に噛み合うタイミングプーリ
84および86が中間回転部材および入力回転部材とし
て用いられた場合であったが、タイミングベルト82お
よびタイミングプーリ84,86に替えて、チェーンお
よびスプロケットが用いられても良い。
【0032】また、前述の実施例においては、挿通孔5
6および58内に作動軸を駆動するための第1駆動シャ
フト60、第2駆動シャフト62、およびケーブル64
が配設されていたが、空油圧配管やクーラント或いはバ
キューム用のホース類、更にはパーツフィーダ等の供給
ダクトなどを配設することも可能である。
【0033】また、前述の実施例においては、減速機1
0がロボットアームの基端部に配設された場合であった
が、多軸関節ロボットの関節部等にも同様に配設するこ
とができる。
【0034】その他一々例示はしないが、本考案は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の偏心差動方式減速機の一実施例を示す
一中心線Lに平行な断面図である。
【図2】図1における IIa−IIa 断面と IIb−IIb 断面
とを複合して示す図である。
【図3】図1に示す偏心差動方式減速機の構造概念図で
ある。
【図4】図1の実施例の左側面図である。
【図5】本考案の他の実施例の要部を示す図である。
【図6】本考案の更に別の実施例を説明するための構造
概念図である。
【図7】従来の偏心差動方式減速機の一例を示す断面図
である。
【図8】図7の従来例の構造概念図である。
【図9】図7の従来例の一部を省略した左側面図であ
る。
【図10】図7の従来例の作動を説明するための要部断
面図である。
【図11】図7の従来例の作動を説明するための要部断
面図である。
【図12】従来の偏心差動方式減速機における問題点を
説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
10:偏心差動方式減速機 14:保持部材 18:環状部材 20:ピン(内周歯) 22,24:偏心ギヤ(偏心回転部材) 26:外周歯 34:クランク軸 38:スパーギヤ(中間回転部材) 48:リングギヤ(動力伝達部材) 52:インプットギヤ(入力回転部材) 56,58:挿通孔 82:タイミングベルト(動力伝達部材) 84:タイミングプーリ(中間回転部材) 86:タイミングプーリ(入力回転部材)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一中心線まわりに多数の内周歯が設けられ
    た環状部材と、 該環状部材に対して前記一中心線まわりの相対回転可能
    に配設されるとともに、該一中心線から偏心した位置に
    おいて複数のクランク軸をそれぞれその軸心まわりの回
    転可能に保持している保持部材と、 前記環状部材の内周歯と歯数が異なる外周歯を有して該
    環状部材の内側に偏心して配設されるとともに前記複数
    のクランク軸と係合させられ、該複数のクランク軸が互
    いに同期して回転駆動されることにより、前記外周歯の
    一部が前記内周歯と噛み合う状態で前記一中心線まわり
    に偏心回転させられる偏心回転部材とを備え、前記環状
    部材および前記保持部材の一方が前記一中心線まわりの
    回転不能に固定されることにより、前記クランク軸に入
    力された回転を減速して該環状部材および該保持部材の
    他方から出力する偏心差動方式減速機において、 前記複数のクランク軸にそれぞれ固定された互いに歯数
    が等しい複数の中間回転部材と、 該複数の中間回転部材の各々に相対回転不能に噛み合わ
    された環状の動力伝達部材と、 前記一中心線から偏心した位置に配設され、前記複数の
    中間回転部材および前記動力伝達部材の何れかと噛み合
    わされて回転駆動する入力回転部材と、 前記一中心線上において前記保持部材および前記偏心回
    転部材を貫通して設けられた挿通孔とを有することを特
    徴とする偏心差動方式減速機。
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